JP2008276907A - モールド構造体、及びそれを用いたインプリント方法、並びに磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板に対する転写性、及び剥離性が高く、ディスクリートトラックメディアや、パターンドメディアに高品質なパターンを転写形成するモールド構造体等の提供。
【解決手段】厚みが0.3mm〜2.0mmであり、表面にインプリントレジスト層が形成された基板に対し、凸部、及び凹部が表面に形成され、該凸部、及び凹部を前記インプリントレジスト層に対向させて該インプリントレジストに凹凸パターンを転写するモールド構造体であって、前記凸部の頂部の10点平均粗さRz1、及び凹部の底部の10点平均粗さRz2が、それぞれ0.5nm〜20nmであることを特徴とするモールド構造体等である。
【選択図】図3
【解決手段】厚みが0.3mm〜2.0mmであり、表面にインプリントレジスト層が形成された基板に対し、凸部、及び凹部が表面に形成され、該凸部、及び凹部を前記インプリントレジスト層に対向させて該インプリントレジストに凹凸パターンを転写するモールド構造体であって、前記凸部の頂部の10点平均粗さRz1、及び凹部の底部の10点平均粗さRz2が、それぞれ0.5nm〜20nmであることを特徴とするモールド構造体等である。
【選択図】図3
Description
本発明は、磁気記録媒体に情報を転写するための凹凸状のパターンを備えたモールド構造体、及びそれを用いたインプリント方法、並びに磁気記録媒体及び磁気記録媒体の製造方法に関する。
近年、高速性やコストに優れたハードディスクドライブが、ストレージ機器の主力として、携帯電話、小型音響機器や、ビデオカメラなどのポータブル機器に搭載され始め、より一層の小型大容量化という要求に応えるために、記録密度を向上させる技術が求められている。
ハードディスクドライブの記録密度を高めるためには、磁気記録媒体の高性能化、及び磁気ヘッド幅の狭小化という手法が従来より用いられてきたが、データトラック間隔を狭めることにより、隣接トラック間の磁気の影響(クロストーク)や、熱揺らぎの影響が無視できなくなり、磁気ヘッドの狭小化などによる面記録密度の向上には限界があった。
ハードディスクドライブの記録密度を高めるためには、磁気記録媒体の高性能化、及び磁気ヘッド幅の狭小化という手法が従来より用いられてきたが、データトラック間隔を狭めることにより、隣接トラック間の磁気の影響(クロストーク)や、熱揺らぎの影響が無視できなくなり、磁気ヘッドの狭小化などによる面記録密度の向上には限界があった。
そこで、クロストークによるノイズを解決する手段として、ディスクリートトラックメディアと呼ばれる形態の磁気記録媒体が提案されている(特許文献1〜2参照)。
ディスクリートトラックメディアは、隣接するトラック間に非磁性のガードバンド領域を設けて個々のトラックを磁気的に分離したディスクリート構造とすることにより、隣接トラック間の磁気的干渉を低減したものである。
ディスクリートトラックメディアは、隣接するトラック間に非磁性のガードバンド領域を設けて個々のトラックを磁気的に分離したディスクリート構造とすることにより、隣接トラック間の磁気的干渉を低減したものである。
また、熱揺らぎによる減磁を解決する手段として、信号記録のための個々のビットを予め所定の形状パターンで備えたパターンドメディアと呼ばれる形態の磁気記録媒体が提案されている(特許文献3参照)。
上記ディスクリートトラックメディアやパターンドメディアを製造する際には、特許文献4に開示されたように、レジストパターン形成用モールド(スタンパとも称することがある。)を用いて、磁気記録媒体の表面に形成されたレジスト層に所望のパターンを転写するインプリンティング法がある。
ところで、磁気記録媒体の用途では、微細かつ広面積に対してナノインプリントリソグラフィー(NIL)を行う必要があるため、NIL均一性、及び安定性が重要となる。また磁気ヘッドの位置決めを行うサーボ信号、実際のデータを記録するデータ信号の2種類のパターンを加工する必要がある。データ部は、ディスクリートトラックメディア(DTM)では同心円パターン、ビットパターンドメディア(BPM)ではドットパターン等の単純なパターンから構成される。サーボ部はプリアンブル、サーボタイミングマーク、アドレス(セクタ、シリンダ)、バースト等の主に4種類のパターンから構成されており、アドレス(セクタ、シリンダ)、バーストパターン部は粗密信号が混在し、複雑なパターン配列となっている。
このようにディスク全面に対して複雑なパターンが密に形成されていることから、NILの際に、モールド構造体の凹凸パターンがインプリントレジスト層全面に忠実に転写されることが要求される。
このようにディスク全面に対して複雑なパターンが密に形成されていることから、NILの際に、モールド構造体の凹凸パターンがインプリントレジスト層全面に忠実に転写されることが要求される。
このインプリンティング法では、コストダウンの観点から、多数回の転写プロセスを必要とするため、少なくとも数百〜数万回の転写耐久性がモールド構造体に要求される。
そこで、転写耐久性を向上させるために、シリコン基板等の剛体をモールド構造体に採用する技術が開示されている(特許文献5、及び非特許文献1参照。)。これらの文献によれば、非常に高いパターン精度が得られ、サブミクロン、数十ナノメートルオーダーまでの微細パターンの転写が実現できると記載されている。
ここで、モールド構造体の凹凸パターンを構成する凹部、及び凸部に局所的な突起や、凹みがある場合、形成されるレジストパターンの厚み、残膜が全面で不均一となる。
このように、全面において不均一な面状であると、インプリント工程以降に行われる工程(例えば、エッチング工程)において、磁性層パターニングの不均一性(厚み、幅)が生じ、磁気記録媒体の磁性層からの出力が均一でなくなる。この場合、記録再生時の出力にムラが生じモジュレーションが低下する。ひいてはSNRの低下をもたらす不良が発生する。
この問題を解決するためには、凹凸パターンを構成する各凹部、及び凸部の表面粗さを低減し、平滑な面を形成することが有効であり、これにより、レジストパターン厚み、残膜の均一性を得ることが可能となる。
このように、全面において不均一な面状であると、インプリント工程以降に行われる工程(例えば、エッチング工程)において、磁性層パターニングの不均一性(厚み、幅)が生じ、磁気記録媒体の磁性層からの出力が均一でなくなる。この場合、記録再生時の出力にムラが生じモジュレーションが低下する。ひいてはSNRの低下をもたらす不良が発生する。
この問題を解決するためには、凹凸パターンを構成する各凹部、及び凸部の表面粗さを低減し、平滑な面を形成することが有効であり、これにより、レジストパターン厚み、残膜の均一性を得ることが可能となる。
しかしながら、平滑な面を形成することにより密着性を高めることで前記課題は解決されるが、剥離の際に力がかかり、モールド構造体の破損や、インプリントレジスト層自体が剥離する等の可能性があり、耐久性が低下してしまう問題が生じる(特許文献6参照)。
なお、このような問題を解決するべく、特許文献7には、前記凹凸パターンの凸部の平均粗さを低減する技術が開示されているが、パターニング対象が基板であるため、パターニング後のエッチング工程については言及されておらず、上記剥離時の問題点を解決する手段については開示も示唆もされていない。
なお、このような問題を解決するべく、特許文献7には、前記凹凸パターンの凸部の平均粗さを低減する技術が開示されているが、パターニング対象が基板であるため、パターニング後のエッチング工程については言及されておらず、上記剥離時の問題点を解決する手段については開示も示唆もされていない。
したがって、基板に対する転写性、及び剥離性が高く、ディスクリートトラックメディアや、パターンドメディアに高品質なパターンを転写形成するモールド構造体、及びその関連技術は未だ実現されておらず、その提供が望まれているのが現状である。
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、基板に対する転写性、及び剥離性が高く、ディスクリートトラックメディアや、パターンドメディアに高品質なパターンを転写形成するモールド構造体及びそれを用いたインプリント方法、並びに磁気記録媒体及び磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、凸部の頂部の10点平均粗さRz1、及び凹部の底部の10点平均粗さRz2が共に、所定範囲内であることによって、前記課題が解決されることを知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 厚みが0.3mm〜2.0mmであり、表面にインプリントレジスト層が形成された基板に対し、凸部、及び凹部が表面に形成され、該凸部、及び凹部を前記インプリントレジスト層に押圧させて該インプリントレジスト層に凹凸パターンを転写するモールド構造体であって、前記凸部の頂部の10点平均粗さRz1、及び凹部の底部の10点平均粗さRz2が、それぞれ0.5nm〜20nmであることを特徴とするモールド構造体である。
該<1>に記載のモールド構造体においては、頂部の10点平均粗さRz1、及び底部の10点平均粗さRz2が共に、0.5nm〜20nmであることによって、基板の表面に形成されたインプリントレジスト層に対する密着性及び剥離性が高く、ディスクリートトラックメディアや、パターンドメディアに高品質なパターンを転写形成するモールド構造体を提供することができる。
<2> 頂部の10点平均粗さRz1が、0.5nm〜10nmである前記<1>に記載のモールド構造体である。
<3> 頂部の面平均粗さRa1、底部の面平均粗さRa2、及び側壁部の面平均粗さRa3が、0.1nm〜5nmである前記<1>から<2>のいずれかに記載のモールド構造体である。
<4> 頂部の面平均粗さRa1と、基板におけるインプリントレジスト形成面の面平均粗さRaSとが下記数式(1)を満たす前記<1>から<3>のいずれかに記載のモールド構造体である。
Ra1≧RaS・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・数式(1)
<5> 厚みが0.5mm〜10mmである前記<1>から<4>のいずれかに記載のモールド構造体である。
<6> 石英、金属及び樹脂のいずれかの材料からなる前記<1>から<5>のいずれかに記載のモールド構造体である。
<1> 厚みが0.3mm〜2.0mmであり、表面にインプリントレジスト層が形成された基板に対し、凸部、及び凹部が表面に形成され、該凸部、及び凹部を前記インプリントレジスト層に押圧させて該インプリントレジスト層に凹凸パターンを転写するモールド構造体であって、前記凸部の頂部の10点平均粗さRz1、及び凹部の底部の10点平均粗さRz2が、それぞれ0.5nm〜20nmであることを特徴とするモールド構造体である。
該<1>に記載のモールド構造体においては、頂部の10点平均粗さRz1、及び底部の10点平均粗さRz2が共に、0.5nm〜20nmであることによって、基板の表面に形成されたインプリントレジスト層に対する密着性及び剥離性が高く、ディスクリートトラックメディアや、パターンドメディアに高品質なパターンを転写形成するモールド構造体を提供することができる。
<2> 頂部の10点平均粗さRz1が、0.5nm〜10nmである前記<1>に記載のモールド構造体である。
<3> 頂部の面平均粗さRa1、底部の面平均粗さRa2、及び側壁部の面平均粗さRa3が、0.1nm〜5nmである前記<1>から<2>のいずれかに記載のモールド構造体である。
<4> 頂部の面平均粗さRa1と、基板におけるインプリントレジスト形成面の面平均粗さRaSとが下記数式(1)を満たす前記<1>から<3>のいずれかに記載のモールド構造体である。
Ra1≧RaS・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・数式(1)
<5> 厚みが0.5mm〜10mmである前記<1>から<4>のいずれかに記載のモールド構造体である。
<6> 石英、金属及び樹脂のいずれかの材料からなる前記<1>から<5>のいずれかに記載のモールド構造体である。
<7> 表面にインプリントレジスト層が形成された基板に対し、凸部、及び凹部が表面に形成されたモールド構造体を、該凸部、及び凹部を前記インプリントレジスト層に対向させて該インプリントレジストに前記凹凸パターンを転写する転写工程を少なくとも含むインプリント方法であって、前記凸部の頂部の10点平均粗さRz1、及び凹部の底部の10点平均粗さRz2が、0.5nm〜20nmであることを特徴とするインプリント方法である。
<8> 前記<7>に記載のインプリント方法を用いて、磁気記録媒体を製造することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法である。
<9> 前記<1>から<6>のいずれかに記載のモールド構造体を、磁気記録媒体の基板上に形成されたインプリントレジスト層に押圧して前記モールド構造体に形成された凹凸パターンを転写する転写工程と、
前記凹凸パターンが転写されたインプリントレジスト層をマスクにして、前記磁気記録媒体の基板の表面に形成された磁性層をエッチングして、前記凹凸パターンに基づく磁性パターン部を前記磁性層に形成する磁性パターン部形成工程と、
前記磁性層上に形成された凹部に非磁性材料を埋め込む非磁性パターン部形成工程と、を少なくとも含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法である。
<10> 磁気記録媒体が、ディスクリート型磁気記録媒体、及びパターンドメディア型磁気記録媒体の少なくともいずれかである前記<8>から<9>のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法である。
<9> 前記<1>から<6>のいずれかに記載のモールド構造体を、磁気記録媒体の基板上に形成されたインプリントレジスト層に押圧して前記モールド構造体に形成された凹凸パターンを転写する転写工程と、
前記凹凸パターンが転写されたインプリントレジスト層をマスクにして、前記磁気記録媒体の基板の表面に形成された磁性層をエッチングして、前記凹凸パターンに基づく磁性パターン部を前記磁性層に形成する磁性パターン部形成工程と、
前記磁性層上に形成された凹部に非磁性材料を埋め込む非磁性パターン部形成工程と、を少なくとも含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法である。
<10> 磁気記録媒体が、ディスクリート型磁気記録媒体、及びパターンドメディア型磁気記録媒体の少なくともいずれかである前記<8>から<9>のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法である。
<11> 前記<8>から<10>のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法によって作製されたことを特徴とする磁気記録媒体である。
<12> ディスクリート型磁気記録媒体、及びパターンドメディア型磁気記録媒体の少なくともいずれかである前記<11>に記載の磁気記録媒体である。
<12> ディスクリート型磁気記録媒体、及びパターンドメディア型磁気記録媒体の少なくともいずれかである前記<11>に記載の磁気記録媒体である。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、基板に対する転写性、及び剥離性が高く、ディスクリートトラックメディアや、パターンドメディアに高品質なパターンを転写形成するモールド構造体、及びそれを用いたインプリント方法、並びに磁気記録媒体及び磁気記録媒体の製造方法を提供することができる。
以下、本発明のモールド構造体について図面を参照して説明する。
<モールド構造体の構成>
図1は、本発明に係るモールド構造体の一実施形態における構成を示す部分斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のモールド構造体1は、円盤状をなす基板2の一方の表面2a(以下、基準面2aということがある。)に、複数の凸部3aが同心円状に、所定の間隔で形成されてなる。
前記凸部は、磁気記録媒体のサーボ部及びデータ部に対応して設けられている。
前記データ部は、略同心円状の凸パターンからなり、データを記録する領域である。
前記サーボ部は、凸部面積の異なる複数種類の凸パターンからなる。
前記サーボ部としては、トラッキングサーボ制御用の信号に対応するものであり、例えばプリアンブルパターン、サーボタイミングマーク、アドレスマーク、バーストパターン、などで主に構成されている。
前記プリアンブルパターンは、アドレスパターン領域等から各種制御信号を読み取るための基準クロック信号を生成する部位である。
前記サーボタイミングマークは、アドレスマーク、バーストパターンを読み取るためのトリガー信号である。
前記アドレスマークは、セクタ(角度)情報、トラック(半径)情報で構成されており、ディスクの絶対位置(アドレス)を示している。
前記バーストパターンは、磁気ヘッドがオントラック状態にあるとき、ヘッド走行位置を微調整し、高精度な位置決めを達成する機能を有している。
図1は、本発明に係るモールド構造体の一実施形態における構成を示す部分斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のモールド構造体1は、円盤状をなす基板2の一方の表面2a(以下、基準面2aということがある。)に、複数の凸部3aが同心円状に、所定の間隔で形成されてなる。
前記凸部は、磁気記録媒体のサーボ部及びデータ部に対応して設けられている。
前記データ部は、略同心円状の凸パターンからなり、データを記録する領域である。
前記サーボ部は、凸部面積の異なる複数種類の凸パターンからなる。
前記サーボ部としては、トラッキングサーボ制御用の信号に対応するものであり、例えばプリアンブルパターン、サーボタイミングマーク、アドレスマーク、バーストパターン、などで主に構成されている。
前記プリアンブルパターンは、アドレスパターン領域等から各種制御信号を読み取るための基準クロック信号を生成する部位である。
前記サーボタイミングマークは、アドレスマーク、バーストパターンを読み取るためのトリガー信号である。
前記アドレスマークは、セクタ(角度)情報、トラック(半径)情報で構成されており、ディスクの絶対位置(アドレス)を示している。
前記バーストパターンは、磁気ヘッドがオントラック状態にあるとき、ヘッド走行位置を微調整し、高精度な位置決めを達成する機能を有している。
前記モールド構造体の基板2材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、石英、金属、及び樹脂のいずれかの材料が好適である。
前記金属としては、例えばNi、Cu、Al、Mo、Co、Cr、Ta、Pd、Pt、Au等の各種金属、又はこれらの合金を用いることができる。これらの中でも、Ni、Ni合金が特に好ましい。
前記樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリメタアクリル酸メチル(PMMA)、トリアセテートセルロース(TAC)、低融点フッ素樹脂等が用いられる。
前記金属としては、例えばNi、Cu、Al、Mo、Co、Cr、Ta、Pd、Pt、Au等の各種金属、又はこれらの合金を用いることができる。これらの中でも、Ni、Ni合金が特に好ましい。
前記樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリメタアクリル酸メチル(PMMA)、トリアセテートセルロース(TAC)、低融点フッ素樹脂等が用いられる。
なお、本実施形態では、凸部3aと、複数の凸部3a間に形成された凹部3bとを総称して凹凸部3とする。
また、凸部3aは、基準面2aに略平行な面をなす頂部4と、底部(基準面2a)及び頂部4を接続する側壁部5とによって構成される。
また、前記同心円の半径方向(凸部3aが列設されている方向)における凸部3aの断面形状は、例えば、矩形をなしている。
なお、前記凸部3aの断面形状は、矩形に限られず、目的に応じて、後述するエッチング工程を制御することにより、任意の形状を選択することができる。
以下、本実施形態の説明において、「断面(形状)」とは、特に断りがない限り、前記同心円の半径方向(凸部3aが列設されている方向)における断面(形状)を指す。
また、凸部3aは、基準面2aに略平行な面をなす頂部4と、底部(基準面2a)及び頂部4を接続する側壁部5とによって構成される。
また、前記同心円の半径方向(凸部3aが列設されている方向)における凸部3aの断面形状は、例えば、矩形をなしている。
なお、前記凸部3aの断面形状は、矩形に限られず、目的に応じて、後述するエッチング工程を制御することにより、任意の形状を選択することができる。
以下、本実施形態の説明において、「断面(形状)」とは、特に断りがない限り、前記同心円の半径方向(凸部3aが列設されている方向)における断面(形状)を指す。
本発明のモールド構造体1の表面に形成された凹凸パターン(凹凸部3)を構成する凸部3aの頂部4の10点平均粗さRz1、及び底部(基準面2a)の10点平均粗さRz2は、それぞれ、0.5nm〜20nmであり、頂部4の10点平均粗さRz1が0.5nm〜10nmであることがより好ましい。ここで、Rzが0.5nm以下であっても技術的に本願に好適なモールド構造体を得ることができる。しかし、そのように過剰に平滑な表面性を得るためには、現状の加工技術を極限まで高める必要があり、技術的にもコスト的にも現実的でないため、本発明の趣旨に適さないため除外している。
また、凹凸部3を対向させ、押し当てることによってインプリントされるインプリントレジスト層が表面に形成された基板の厚みは、0.3mm〜2.0mmである。前記基板の厚みが0.3mm未満であると、基板自体の剛性が低くなってしまい高速回転時の面ぶれにより、磁気ヘッドの安定浮上が得られなくなってしまい、前記基板の厚みが2.0mmを超えると、重量が増加し商品適性が低いだけでなく、材料コストも増加する問題がある。
また、凹凸部3を対向させ、押し当てることによってインプリントされるインプリントレジスト層が表面に形成された基板の厚みは、0.3mm〜2.0mmである。前記基板の厚みが0.3mm未満であると、基板自体の剛性が低くなってしまい高速回転時の面ぶれにより、磁気ヘッドの安定浮上が得られなくなってしまい、前記基板の厚みが2.0mmを超えると、重量が増加し商品適性が低いだけでなく、材料コストも増加する問題がある。
また、本発明のモールド構造体1の表面に形成された凹凸パターン(凹凸部3)を構成する凸部3aの頂部4の面平均粗さRa1、及び底部(基準面2a)の面平均粗さRa2、及び側壁部5の面平均粗さRa3は、それぞれ、0.1nm〜5nmであることが好ましい。
更に、前記面平均粗さRa1と、基板40(図3参照)におけるインプリントレジスト層が形成された側の面の面平均粗さRasとが、下記数式(1)を満たすことが好ましい。
更に、前記面平均粗さRa1と、基板40(図3参照)におけるインプリントレジスト層が形成された側の面の面平均粗さRasとが、下記数式(1)を満たすことが好ましい。
Ra1≧Ras・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・数式(1)
ここで、前記10点平均粗さRz1、及びRz2は、凹凸パターンに対し、AFMを用いて、最小パターンサイズの少なくとも10倍以上の1辺を有する長方形領域に対して表面粗さ評価を行い、凸部(頂部)、凹部(底部)の領域での測定箇所に対し、山頂の高い方から5点、谷底の低い方から5点を選び、その平均高さの和をRzとして求める。この時、凸部、凹部の境界部から10nm以内の領域を除くことで、各領域の中心部のみを評価することができる。
また、前記面平均粗さRa1、Ra2、及びRa3は、上記と同様にAFMを用いて、表面粗さ評価を行い、凸部、凹部、側壁部の領域での測定箇所に対し、平均線から偏差の絶対値を合計し、平均した値Raとして求める。この時、上記と同様に測定領域を各領域の中心部のみとすることで再現性よく評価することができる。
また、前記面平均粗さRa1、Ra2、及びRa3は、上記と同様にAFMを用いて、表面粗さ評価を行い、凸部、凹部、側壁部の領域での測定箇所に対し、平均線から偏差の絶対値を合計し、平均した値Raとして求める。この時、上記と同様に測定領域を各領域の中心部のみとすることで再現性よく評価することができる。
また、基板2の厚みは、0.5mm以上10mm以下であることが好ましい。
(モールド構造体の作製方法)
以下、本発明に係るモールド構造体の作製方法について図面を参照して説明する。
以下、本発明に係るモールド構造体の作製方法について図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
<<原盤の作製>>
図2A〜Bは、第1の実施形態におけるモールド構造体の作製方法を示す断面図である。図2Aに示すように、まず、Si基板10上に、スピンコートなどでPMMAなどのフォトレジスト液を塗布し、フォトレジスト層21を形成する。
その後、Si基板10を回転させながら、データ記録用トラック及びサーボ信号の少なくともいずれかに対応して変調したレーザー光(又は電子ビーム)を照射し、フォトレジスト全面に所定のパターン、例えば略同心円状の凸パターンからなるデータトラックパターンと、凸部面積の異なる複数種類の凸パターンからなるサーボパターンと、前記データトラックパターンと前記サーボパターンとの間に半径方向に繋がった略放射状の凸パターンからなる緩衝パターンとを露光する。
その後、フォトレジスト層21を現像処理し、露光部分を除去して、除去後のフォトレジスト層21のパターンをマスクにしてRIEなどにより選択エッチングを行い、基板10に凹凸パターンを形成する。
次に、残余レジスト層21を除去して、凹凸形状を有する原盤11を得る。
<<原盤の作製>>
図2A〜Bは、第1の実施形態におけるモールド構造体の作製方法を示す断面図である。図2Aに示すように、まず、Si基板10上に、スピンコートなどでPMMAなどのフォトレジスト液を塗布し、フォトレジスト層21を形成する。
その後、Si基板10を回転させながら、データ記録用トラック及びサーボ信号の少なくともいずれかに対応して変調したレーザー光(又は電子ビーム)を照射し、フォトレジスト全面に所定のパターン、例えば略同心円状の凸パターンからなるデータトラックパターンと、凸部面積の異なる複数種類の凸パターンからなるサーボパターンと、前記データトラックパターンと前記サーボパターンとの間に半径方向に繋がった略放射状の凸パターンからなる緩衝パターンとを露光する。
その後、フォトレジスト層21を現像処理し、露光部分を除去して、除去後のフォトレジスト層21のパターンをマスクにしてRIEなどにより選択エッチングを行い、基板10に凹凸パターンを形成する。
次に、残余レジスト層21を除去して、凹凸形状を有する原盤11を得る。
<<モールド構造体の作製>>
次に、図2Bに示すように、例えば光硬化性樹脂を含有するインプリントレジスト液を塗布してなるインプリントレジスト層24が一方の面に形成された被加工基板としての石英基板30に対して、原盤11を押し当て、原盤11上に形成された凸部のパターンがインプリントレジスト層24に転写される。
<<インプリントレジスト層>>
前記インプリントレジスト層は、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び光硬化性樹脂の少なくともいずれかを含有するインプリントレジスト組成物(以下、「インプリントレジスト液」ということがある。)であって、基板や磁気記録媒体等に塗布することによって形成される層である。
インプリントレジスト層の厚さは、例えば、エリプソメーター等を用いた光学的な測定あるいは触針式段差計、原子間力顕微鏡(AFM)等の接触測定等により計測できる。
また、前記インプリントレジスト組成物としては、熱可塑性を有するもの、あるいは光硬化性を有するもの、あるいは、ゾルゲルなどが用いられる。それらの特徴を有し、かつドライエッチング耐性の高いノボラック樹脂、エポキシ樹脂、脂環式樹脂や、剥離性の良好なフッ素系樹脂などが好適である。
次に、図2Bに示すように、例えば光硬化性樹脂を含有するインプリントレジスト液を塗布してなるインプリントレジスト層24が一方の面に形成された被加工基板としての石英基板30に対して、原盤11を押し当て、原盤11上に形成された凸部のパターンがインプリントレジスト層24に転写される。
<<インプリントレジスト層>>
前記インプリントレジスト層は、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び光硬化性樹脂の少なくともいずれかを含有するインプリントレジスト組成物(以下、「インプリントレジスト液」ということがある。)であって、基板や磁気記録媒体等に塗布することによって形成される層である。
インプリントレジスト層の厚さは、例えば、エリプソメーター等を用いた光学的な測定あるいは触針式段差計、原子間力顕微鏡(AFM)等の接触測定等により計測できる。
また、前記インプリントレジスト組成物としては、熱可塑性を有するもの、あるいは光硬化性を有するもの、あるいは、ゾルゲルなどが用いられる。それらの特徴を有し、かつドライエッチング耐性の高いノボラック樹脂、エポキシ樹脂、脂環式樹脂や、剥離性の良好なフッ素系樹脂などが好適である。
ここで、本発明における被加工基板の材料は、光透過性を有し、モールド構造体として機能する強度を有する材料であれば、特に制限されることなく、目的に応じて適宜選択され、例えば、石英(SiO2)や、有機樹脂(PET、PEN、ポリカーボネート、低融点フッ素樹脂、PMMA)等が挙げられる。
また、前記「光透過性を有する」とは、具体的には、被加工基板にインプリントレジスト層が形成される一方の面から出射するように、前記被加工基板の他方の面から光を入射した場合に、インプリントレジストが十分に硬化することを意味しており、少なくとも、前記他方の面から前記一方の面への光透過率が50%以上であることを意味する。
また、前記「モールド構造体として機能する強度を有する」とは、磁気記録媒体の基板上に形成されたインプリントレジスト層に対して、平均面圧力が4kgf/cm2という条件下で押し当て、加圧しても耐えられるような強度を意味する。
また、前記「光透過性を有する」とは、具体的には、被加工基板にインプリントレジスト層が形成される一方の面から出射するように、前記被加工基板の他方の面から光を入射した場合に、インプリントレジストが十分に硬化することを意味しており、少なくとも、前記他方の面から前記一方の面への光透過率が50%以上であることを意味する。
また、前記「モールド構造体として機能する強度を有する」とは、磁気記録媒体の基板上に形成されたインプリントレジスト層に対して、平均面圧力が4kgf/cm2という条件下で押し当て、加圧しても耐えられるような強度を意味する。
<<硬化工程>>
その後、インプリントレジスト層24に紫外線などを照射して転写されたパターンを硬化させる。
その後、インプリントレジスト層24に紫外線などを照射して転写されたパターンを硬化させる。
<<パターン形成工程>>
その後、転写されたパターンをマスクにしてRIEなどにより選択エッチングを行い、凹凸形状を有するモールド構造体1を得る。
なお、前記選択エッチングは、凹凸形状を有するモールド構造体1の凹部の断面形状が、図1に示す凸部3aの断面形状を転写した断面形状となるように行われる。
<<剥離層形成工程>>
作製したモールド構造体の凹凸面に剥離剤層を形成する。剥離剤はインプリント後にモールド構造体とインプリントレジスト層の界面で剥離できるよう、モールド構造体表面に形成することが好ましい。剥離剤材料としては、モールド構造体に付着、結合しやすく、インプリントレジスト層表面に吸着しにくいという目的に合致する中で、適宜選択できる。中でもレジスト層表面に吸着しにくいと言う点で、フッ素系樹脂が好ましい。
前記剥離剤層厚みとしては、厚いとパターン精度が劣化するため、可能な限り薄層化することが好ましく、具体的には10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましい。
前記剥離剤層の形成手段としては、塗布または蒸着手段を用いることができる。さらに、剥離剤層を形成した後、ベーキング等の手段によりモールド構造体への吸着性を高める等の工程を付与してもよい。
その後、転写されたパターンをマスクにしてRIEなどにより選択エッチングを行い、凹凸形状を有するモールド構造体1を得る。
なお、前記選択エッチングは、凹凸形状を有するモールド構造体1の凹部の断面形状が、図1に示す凸部3aの断面形状を転写した断面形状となるように行われる。
<<剥離層形成工程>>
作製したモールド構造体の凹凸面に剥離剤層を形成する。剥離剤はインプリント後にモールド構造体とインプリントレジスト層の界面で剥離できるよう、モールド構造体表面に形成することが好ましい。剥離剤材料としては、モールド構造体に付着、結合しやすく、インプリントレジスト層表面に吸着しにくいという目的に合致する中で、適宜選択できる。中でもレジスト層表面に吸着しにくいと言う点で、フッ素系樹脂が好ましい。
前記剥離剤層厚みとしては、厚いとパターン精度が劣化するため、可能な限り薄層化することが好ましく、具体的には10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましい。
前記剥離剤層の形成手段としては、塗布または蒸着手段を用いることができる。さらに、剥離剤層を形成した後、ベーキング等の手段によりモールド構造体への吸着性を高める等の工程を付与してもよい。
<第2の実施形態>
<<原盤の作製>>
図4A〜Bは、第2の実施形態におけるモールド構造体の作製方法を示す工程図である。第1の実施形態と同様に凹凸パターンを有する原盤11を作製した。
<<モールド構造体の作製>>
該原盤の表面にスパッタリング法により、導電膜を形成し、該導電膜が付与された原盤を、Ni電鋳浴に浸漬させて電鋳処理を行い、Niモールド構造体を作製した。
前記原盤11の凹凸パターン上への導電膜22の形成は、導電材料を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空成膜手段、メッキ法などを用いて行うことができる。前記導電材料としては、後工程(電鋳)に応じて適宜選択できるが、Ni系、Fe系、Co系の金属または合金材料等が好ましい。電鋳処理により得られたNiモールド構造体の厚みは、20〜800μmの範囲が好ましく、40〜400μmがより好ましい。
<<剥離層形成工程>>
前記第1の実施形態と同様にNiモールド構造体の表面に剥離剤層を形成することが好ましい。
<<原盤の作製>>
図4A〜Bは、第2の実施形態におけるモールド構造体の作製方法を示す工程図である。第1の実施形態と同様に凹凸パターンを有する原盤11を作製した。
<<モールド構造体の作製>>
該原盤の表面にスパッタリング法により、導電膜を形成し、該導電膜が付与された原盤を、Ni電鋳浴に浸漬させて電鋳処理を行い、Niモールド構造体を作製した。
前記原盤11の凹凸パターン上への導電膜22の形成は、導電材料を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空成膜手段、メッキ法などを用いて行うことができる。前記導電材料としては、後工程(電鋳)に応じて適宜選択できるが、Ni系、Fe系、Co系の金属または合金材料等が好ましい。電鋳処理により得られたNiモールド構造体の厚みは、20〜800μmの範囲が好ましく、40〜400μmがより好ましい。
<<剥離層形成工程>>
前記第1の実施形態と同様にNiモールド構造体の表面に剥離剤層を形成することが好ましい。
<第3の実施形態>
<<原盤の作製>>
図5A〜Bは、第3の実施形態におけるモールド構造体の作製方法を示す工程図である。第1の実施形態と同様に凹凸パターンを有する原盤11を作製した。
<<モールド構造体の作製>>
熱可塑性樹脂シート31に対して、前記原盤11を押し当てた。その後、加熱して樹脂の軟化点以上の温度とすることで、樹脂の粘度が低下し原盤上に形成された凸部のパターンが樹脂シート31に転写された。その後、冷却して転写されたパターンを硬化させ、原盤11から樹脂シートを剥離することで、凹凸形状を有する樹脂モールド構造体1を作製した。
ここで、樹脂材料としては、熱可塑性、光透過性を有し、モールド構造体として機能する強度を有する材料であれば、特に制限されることなく、目的に応じて適宜選択され、例えば、PET、PEN、ポリカーボネート、低融点フッ素樹脂、PMMA等が挙げられる。
また、前記「光透過性を有する」とは、具体的には、被加工基板にインプリントレジスト層が形成される一方の面から出射するように、前記被加工基板の他方の面から光を入射した場合に、インプリントレジストが十分に硬化することを意味しており、少なくとも、前記他方の面から前記一方の面への光透過率が50%以上であることを意味する。
また、前記「モールド構造体として機能する強度を有する」とは、磁気記録媒体の基板上に形成されたインプリントレジスト層に対して、平均面圧力が4kgf/cm2という条件下で押し当て、加圧しても耐えられるような強度を意味する。
<<剥離層形成工程>>
前記第1の実施形態と同様に樹脂モールド構造体の表面に剥離剤層を形成することが好ましい。
<<原盤の作製>>
図5A〜Bは、第3の実施形態におけるモールド構造体の作製方法を示す工程図である。第1の実施形態と同様に凹凸パターンを有する原盤11を作製した。
<<モールド構造体の作製>>
熱可塑性樹脂シート31に対して、前記原盤11を押し当てた。その後、加熱して樹脂の軟化点以上の温度とすることで、樹脂の粘度が低下し原盤上に形成された凸部のパターンが樹脂シート31に転写された。その後、冷却して転写されたパターンを硬化させ、原盤11から樹脂シートを剥離することで、凹凸形状を有する樹脂モールド構造体1を作製した。
ここで、樹脂材料としては、熱可塑性、光透過性を有し、モールド構造体として機能する強度を有する材料であれば、特に制限されることなく、目的に応じて適宜選択され、例えば、PET、PEN、ポリカーボネート、低融点フッ素樹脂、PMMA等が挙げられる。
また、前記「光透過性を有する」とは、具体的には、被加工基板にインプリントレジスト層が形成される一方の面から出射するように、前記被加工基板の他方の面から光を入射した場合に、インプリントレジストが十分に硬化することを意味しており、少なくとも、前記他方の面から前記一方の面への光透過率が50%以上であることを意味する。
また、前記「モールド構造体として機能する強度を有する」とは、磁気記録媒体の基板上に形成されたインプリントレジスト層に対して、平均面圧力が4kgf/cm2という条件下で押し当て、加圧しても耐えられるような強度を意味する。
<<剥離層形成工程>>
前記第1の実施形態と同様に樹脂モールド構造体の表面に剥離剤層を形成することが好ましい。
本発明のモールド構造体は、該モールド構造体の凸部をレジスト層に対向させて該レジスト層に前記凹凸パターンを転写する転写工程を少なくとも含むインプリント方法に好適に用いられ、以下に説明する本発明の磁気記録媒体の製造方法に特に好適である。
<磁気記録媒体の作製方法>
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、本発明のモールド構造体を、磁気記録媒体の基板上に形成したインプリントレジスト層に押圧して前記モールド構造体に形成された凹凸パターンを転写する転写工程と、
前記インプリントレジスト層に転写された凹凸パターンを硬化させ、モールド構造体を剥離する硬化工程と、
前記凹凸パターンが転写されたインプリントレジスト層をマスクにして、前記磁気記録媒体の基板の表面に形成された磁性層をエッチングして、前記凹凸パターンに基づく磁性パターン部を前記磁性層に形成する磁性パターン部形成工程と、
前記磁性層上に形成された凹部に非磁性材料を埋め込む非磁性パターン部形成工程と、を少なくとも含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、本発明のモールド構造体を、磁気記録媒体の基板上に形成したインプリントレジスト層に押圧して前記モールド構造体に形成された凹凸パターンを転写する転写工程と、
前記インプリントレジスト層に転写された凹凸パターンを硬化させ、モールド構造体を剥離する硬化工程と、
前記凹凸パターンが転写されたインプリントレジスト層をマスクにして、前記磁気記録媒体の基板の表面に形成された磁性層をエッチングして、前記凹凸パターンに基づく磁性パターン部を前記磁性層に形成する磁性パターン部形成工程と、
前記磁性層上に形成された凹部に非磁性材料を埋め込む非磁性パターン部形成工程と、を少なくとも含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
以下、ディスクリートトラックメディアや、パターンドメディアなどの磁気記録媒体の製造方法の一例について図3を参照して説明する。
[転写工程]
アルミニウム、ガラス、シリコン、石英等の基板上に、Fe又はFe合金、Co又はCo合金等の磁性層50を有する磁気記録媒体中間体の磁性層上にポリメタアクリル酸メチル(PMMA)等のインプリントレジスト液を塗布してなるレジスト層24を形成したレジスト層付き磁気記録媒体中間体に対して、表面に凹凸パターンが形成されたモールド構造体を押し当て、加圧することにより、モールド構造体上に形成された凹凸パターンをレジスト層24に転写する。
[転写工程]
アルミニウム、ガラス、シリコン、石英等の基板上に、Fe又はFe合金、Co又はCo合金等の磁性層50を有する磁気記録媒体中間体の磁性層上にポリメタアクリル酸メチル(PMMA)等のインプリントレジスト液を塗布してなるレジスト層24を形成したレジスト層付き磁気記録媒体中間体に対して、表面に凹凸パターンが形成されたモールド構造体を押し当て、加圧することにより、モールド構造体上に形成された凹凸パターンをレジスト層24に転写する。
[硬化工程]
―光照射による硬化―
インプリントレジスト層を形成するインプリントレジスト組成物が、光硬化性樹脂を含む場合、紫外線などの電子線を透明性を有するインプリント用モールド構造体1を介してインプリントレジスト層に照射し、該インプリントレジスト層が硬化することとなる。
ここで用いる光硬化性樹脂としては、ラジカル重合タイプとカチオン重合タイプがあるが、要求されるパターン形状精度や硬化速度に対し適宜選択することができる。
―加熱による硬化―
インプリントレジスト層を形成するインプリントレジスト組成物が、熱可塑性樹脂を含む場合、インプリントレジスト層にインプリント用モールド構造体1を押し当てる際に、系を前記レジスト液のガラス転移点(Tg)付近に維持しておき、転写後、前記レジスト液のガラス転移点よりも低下することによりインプリントレジスト層が硬化することとなる。さらに、必要に応じて紫外線などを照射してパターンを硬化させてもよい。
なお、インプリントレジスト組成物が、熱硬化性樹脂を含む場合、室温あるいは加熱して流動性を示す状態でインプリントレジスト層にインプリント用モールド構造体1を押し当てて凹凸パターンを転写した後、樹脂の硬化温度まで加熱することにより、インプリントレジスト層が硬化することとなる。
―光照射による硬化―
インプリントレジスト層を形成するインプリントレジスト組成物が、光硬化性樹脂を含む場合、紫外線などの電子線を透明性を有するインプリント用モールド構造体1を介してインプリントレジスト層に照射し、該インプリントレジスト層が硬化することとなる。
ここで用いる光硬化性樹脂としては、ラジカル重合タイプとカチオン重合タイプがあるが、要求されるパターン形状精度や硬化速度に対し適宜選択することができる。
―加熱による硬化―
インプリントレジスト層を形成するインプリントレジスト組成物が、熱可塑性樹脂を含む場合、インプリントレジスト層にインプリント用モールド構造体1を押し当てる際に、系を前記レジスト液のガラス転移点(Tg)付近に維持しておき、転写後、前記レジスト液のガラス転移点よりも低下することによりインプリントレジスト層が硬化することとなる。さらに、必要に応じて紫外線などを照射してパターンを硬化させてもよい。
なお、インプリントレジスト組成物が、熱硬化性樹脂を含む場合、室温あるいは加熱して流動性を示す状態でインプリントレジスト層にインプリント用モールド構造体1を押し当てて凹凸パターンを転写した後、樹脂の硬化温度まで加熱することにより、インプリントレジスト層が硬化することとなる。
[磁性パターン部形成工程]
次に、凹凸部のパターンが転写されたインプリントレジスト層をマスクにして、ドライエッチングを行い、インプリントレジスト層に形成された凹凸パターン形状に基づく凹凸形状を磁性層に形成する。
前記ドライエッチングとしては、磁性層に凹凸形状を形成できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオンミリング法、反応性イオンエッチング(RIE)、スパッタエッチング、等が挙げられる。これらの中でも、イオンミリング法、反応性イオンエッチング(RIE)が特に好ましい。
前記イオンミリング法は、イオンビームエッチングとも言われ、イオン源にAr等の不活性ガスを導入し、イオンを生成した。これを、グリッドを通して加速して、試料基板に衝突させてエッチングするものである。前記イオン源としては、カウフマン型、高周波型、電子衝撃型、デュオプラズマトロン源、フリーマン型、ECR(電子サイクロトロン共鳴)型、Closed drift型などが挙げられる。
イオンビームエッチングでのプロセスガスとしてはAr、RIEのエッチャントとしてはCO+NH3、塩素ガス、CF系ガス、CH系ガス及びこれらのガスに酸素ガス、窒素ガス、水素ガスを添加したものなどを用いることができる。
次に、凹凸部のパターンが転写されたインプリントレジスト層をマスクにして、ドライエッチングを行い、インプリントレジスト層に形成された凹凸パターン形状に基づく凹凸形状を磁性層に形成する。
前記ドライエッチングとしては、磁性層に凹凸形状を形成できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオンミリング法、反応性イオンエッチング(RIE)、スパッタエッチング、等が挙げられる。これらの中でも、イオンミリング法、反応性イオンエッチング(RIE)が特に好ましい。
前記イオンミリング法は、イオンビームエッチングとも言われ、イオン源にAr等の不活性ガスを導入し、イオンを生成した。これを、グリッドを通して加速して、試料基板に衝突させてエッチングするものである。前記イオン源としては、カウフマン型、高周波型、電子衝撃型、デュオプラズマトロン源、フリーマン型、ECR(電子サイクロトロン共鳴)型、Closed drift型などが挙げられる。
イオンビームエッチングでのプロセスガスとしてはAr、RIEのエッチャントとしてはCO+NH3、塩素ガス、CF系ガス、CH系ガス及びこれらのガスに酸素ガス、窒素ガス、水素ガスを添加したものなどを用いることができる。
[非磁性パターン部形成工程]
次に、形成された凹部に非磁性材料を埋め込み、表面を平坦化した後、必要に応じて、保護膜などを形成して磁気記録媒体100を作製することができる。
前記非磁性材料としては、例えばSiO2、カーボン、アルミナ、ポリメタアクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン(PS)等のポリマー、円滑油などが挙げられる。
前記保護膜としては、ダイヤモンドカーボン(DLC)、スパッタカーボン等が好ましく、該保護膜の上に更に潤滑剤層を設けてもよい。
次に、形成された凹部に非磁性材料を埋め込み、表面を平坦化した後、必要に応じて、保護膜などを形成して磁気記録媒体100を作製することができる。
前記非磁性材料としては、例えばSiO2、カーボン、アルミナ、ポリメタアクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン(PS)等のポリマー、円滑油などが挙げられる。
前記保護膜としては、ダイヤモンドカーボン(DLC)、スパッタカーボン等が好ましく、該保護膜の上に更に潤滑剤層を設けてもよい。
本発明の磁気記録媒体の製造方法により製造された磁気記録媒体は、ディスクリート型磁気記録媒体及びパターンドメディア型磁気記録媒体の少なくともいずれかであることが好適である。
(実施例1)
<モールド構造体の作製>
図2A〜Bは、第1の実施形態におけるモールド構造体の作製方法を示す断面図である。図2Aに示すように、まず、Si基板10上に、電子線レジストをスピンコート法により、厚みが100nmとなるように塗布して、レジスト層を形成した。回転式電子線露光装置にて所望のパターンを露光し、現像することで、凹凸パターンを有するレジスト層付きSi基板を作製した。
その後、レジストパターンをマスクにして、以下の反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)を行い、Si基板上に凹凸形状を形成した。
・ プラズマ源:ICP型(Inductively Coupled Plasma)
・ ガス:CF系ガス、及び微量の水素ガス
・ 圧力:0.5Pa
・ 投入電力:ICP-300W、Bias-50W
その後、残存するレジストを可溶溶剤にて洗浄することで除去し、乾燥させて原盤を作製した。
この実施例に使用したパターンはデータ部とサーボ部に大別される。データ部は凸幅:120nm、凹幅:30nm(TP=150nm)のパターンとした。サーボ部は最内周でのサーボ基本ビット長が90nm、総セクタ数が240、プリアンブル(45bit)/サーボマーク(10bit)/SectorCode(8bit)、CylinderCode(32bit)/Burstパターンで構成した。
サーボマーク部は“0000101011”であり、SectorがBinary、CylinderはGray変換を用いた。Burst部は一般的な位相バースト信号(16bit)である。
次に、石英基板上に光硬化性アクリル系インプリントレジスト液(東洋合成工業株式会社製、PAK−01)を100nmの厚みとなるようにスピンコート法により塗布し、レジスト層を形成した。
次に、前記原盤をモールド構造体として使用し、UVナノインプリントを行った。UVナノインプリントでは、1MPaの圧力で5秒間加圧してパターン転写した後、25mJ/cm2のUV光を10秒間照射してパターン硬化させた。
ナノインプリント後の凹凸レジストパターンを元に、以下に示すRIEにより選択エッチングを行い、石英基板上に凹凸形状を形成した。
・ プラズマ源:ICP型(Inductively Coupled Plasma)
・ ガス:CF系ガスとArガスを1:1、微量の水素ガス添加
・ 圧力:0.5Pa
・ 投入電力:ICP-300W、Bias-60W
その後、残存するレジストを可溶溶剤にて洗浄することで除去し、乾燥させて石英モールドを作製した。なお、前記選択エッチングは、凹凸形状を有するモールド構造体1の凹部の断面形状が、図1に示す凸部3の断面形状を転写した断面形状となるように行った。
<モールド構造体の作製>
図2A〜Bは、第1の実施形態におけるモールド構造体の作製方法を示す断面図である。図2Aに示すように、まず、Si基板10上に、電子線レジストをスピンコート法により、厚みが100nmとなるように塗布して、レジスト層を形成した。回転式電子線露光装置にて所望のパターンを露光し、現像することで、凹凸パターンを有するレジスト層付きSi基板を作製した。
その後、レジストパターンをマスクにして、以下の反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)を行い、Si基板上に凹凸形状を形成した。
・ プラズマ源:ICP型(Inductively Coupled Plasma)
・ ガス:CF系ガス、及び微量の水素ガス
・ 圧力:0.5Pa
・ 投入電力:ICP-300W、Bias-50W
その後、残存するレジストを可溶溶剤にて洗浄することで除去し、乾燥させて原盤を作製した。
この実施例に使用したパターンはデータ部とサーボ部に大別される。データ部は凸幅:120nm、凹幅:30nm(TP=150nm)のパターンとした。サーボ部は最内周でのサーボ基本ビット長が90nm、総セクタ数が240、プリアンブル(45bit)/サーボマーク(10bit)/SectorCode(8bit)、CylinderCode(32bit)/Burstパターンで構成した。
サーボマーク部は“0000101011”であり、SectorがBinary、CylinderはGray変換を用いた。Burst部は一般的な位相バースト信号(16bit)である。
次に、石英基板上に光硬化性アクリル系インプリントレジスト液(東洋合成工業株式会社製、PAK−01)を100nmの厚みとなるようにスピンコート法により塗布し、レジスト層を形成した。
次に、前記原盤をモールド構造体として使用し、UVナノインプリントを行った。UVナノインプリントでは、1MPaの圧力で5秒間加圧してパターン転写した後、25mJ/cm2のUV光を10秒間照射してパターン硬化させた。
ナノインプリント後の凹凸レジストパターンを元に、以下に示すRIEにより選択エッチングを行い、石英基板上に凹凸形状を形成した。
・ プラズマ源:ICP型(Inductively Coupled Plasma)
・ ガス:CF系ガスとArガスを1:1、微量の水素ガス添加
・ 圧力:0.5Pa
・ 投入電力:ICP-300W、Bias-60W
その後、残存するレジストを可溶溶剤にて洗浄することで除去し、乾燥させて石英モールドを作製した。なお、前記選択エッチングは、凹凸形状を有するモールド構造体1の凹部の断面形状が、図1に示す凸部3の断面形状を転写した断面形状となるように行った。
<剥離層形成>
作製したモールド構造体の凹凸面にウェット法により剥離剤層を形成した。剥離剤層材料としてはF13−OTCS(Tridecafluoro−1,1,2,2−tetrahydro−OctylTriChloroSilane)(Gelest社製)を用い、アサヒクリンAK225(旭硝子株式会社製)溶媒で0.1質量%の剥離層液を調整した。この剥離層液を用い、Dip法により1mm/sec.の引き上げ速度により、厚み5.25nmの剥離層を石英モールド上に形成した。
剥離層を形成したモールド構造体を90℃、80%RHの環境下に5時間暴露し、モールド構造体表面に剥離層材料を化学的に吸着させた(化学結合処理)。以上により、実施例1のモールド構造体を作製した。
作製したモールド構造体の凹凸面にウェット法により剥離剤層を形成した。剥離剤層材料としてはF13−OTCS(Tridecafluoro−1,1,2,2−tetrahydro−OctylTriChloroSilane)(Gelest社製)を用い、アサヒクリンAK225(旭硝子株式会社製)溶媒で0.1質量%の剥離層液を調整した。この剥離層液を用い、Dip法により1mm/sec.の引き上げ速度により、厚み5.25nmの剥離層を石英モールド上に形成した。
剥離層を形成したモールド構造体を90℃、80%RHの環境下に5時間暴露し、モールド構造体表面に剥離層材料を化学的に吸着させた(化学結合処理)。以上により、実施例1のモールド構造体を作製した。
<磁気記録媒体中間体の作製>
2.5インチのガラス基板上に、以下のようにして、軟磁性層、第1非磁性配向層、第2非磁性配向層、磁気記録層、及び保護層をこの順に成膜した。軟磁性膜、第1非磁性配向層、第2非磁性配向層、磁気記録層、及び保護層はスパッタリング法で成膜した。なお、保護層上の潤滑剤層はディップ法で形成した。
まず、軟磁性層材料としてCoZrNbを厚みが100nmとなるように積層した。具体的には、ガラス基板をCoZrNbターゲットと対向させて設置し、Arガスを圧力が0.6Paになるように流入し、DC1,500Wで軟磁性層を成膜した。
次に、第1非磁性配向層としてPtを厚みが5nmとなるように積層した。具体的には、基板上に形成された軟磁性層をPtターゲットと対向設置し、Arガスを圧力が0.5Paになるように流入し、DC1,000Wで放電して、第1非磁性配向層を成膜した。
次に、第2非磁性配向層としてRuを厚みが10nmとなるように積層した。具体的には、基板上に形成された第1非磁性配向層をRuターゲットと対向させて設置し、Arガスを圧力が0.5Paになるように流入し、DC1,000Wで放電して、第2非磁性配向層を成膜した。
次に、磁気記録層としてCoPtCr−SiO2を厚みが15nmとなるように積層した。具体的には、基板上に形成された第2非磁性配向層をCoPtCr−SiO2ターゲットと対向させて設置し、Arガスを圧力が1.5Paになるように流入し、DC1000Wで放電し、磁気記録層を成膜した。
磁気記録層を形成した後、基板上に形成された磁気記録層をCターゲットと対向させて設置し、Arガスを圧力が0.5Paになるように流入し、DC1,000Wで放電し、厚み4nmの保護層を成膜した。以上により、磁気記録媒体中間体を作製した。得られた磁気記録媒体中間体の保磁力は、334kA/m(4.2kOe)であった。
2.5インチのガラス基板上に、以下のようにして、軟磁性層、第1非磁性配向層、第2非磁性配向層、磁気記録層、及び保護層をこの順に成膜した。軟磁性膜、第1非磁性配向層、第2非磁性配向層、磁気記録層、及び保護層はスパッタリング法で成膜した。なお、保護層上の潤滑剤層はディップ法で形成した。
まず、軟磁性層材料としてCoZrNbを厚みが100nmとなるように積層した。具体的には、ガラス基板をCoZrNbターゲットと対向させて設置し、Arガスを圧力が0.6Paになるように流入し、DC1,500Wで軟磁性層を成膜した。
次に、第1非磁性配向層としてPtを厚みが5nmとなるように積層した。具体的には、基板上に形成された軟磁性層をPtターゲットと対向設置し、Arガスを圧力が0.5Paになるように流入し、DC1,000Wで放電して、第1非磁性配向層を成膜した。
次に、第2非磁性配向層としてRuを厚みが10nmとなるように積層した。具体的には、基板上に形成された第1非磁性配向層をRuターゲットと対向させて設置し、Arガスを圧力が0.5Paになるように流入し、DC1,000Wで放電して、第2非磁性配向層を成膜した。
次に、磁気記録層としてCoPtCr−SiO2を厚みが15nmとなるように積層した。具体的には、基板上に形成された第2非磁性配向層をCoPtCr−SiO2ターゲットと対向させて設置し、Arガスを圧力が1.5Paになるように流入し、DC1000Wで放電し、磁気記録層を成膜した。
磁気記録層を形成した後、基板上に形成された磁気記録層をCターゲットと対向させて設置し、Arガスを圧力が0.5Paになるように流入し、DC1,000Wで放電し、厚み4nmの保護層を成膜した。以上により、磁気記録媒体中間体を作製した。得られた磁気記録媒体中間体の保磁力は、334kA/m(4.2kOe)であった。
<ナノインプリント及びディスクリート型垂直磁気記録媒体の作製>
作製した磁気記録媒体中間体に対して光硬化性アクリル系インプリントレジスト液(東洋合成工業株式会社製:PAK−01)を100nmの厚みとなるようにスピンコート法により塗布し、インプリントレジスト層を形成した。
得られたインプリントレジスト層付き磁気記録媒体中間体に対し、上記モールド構造体を対向させて配置し、磁気記録媒体中間体を1MPaの圧力で5秒間加圧してパターン転写した後、25mJ/cm2のUV光を10秒間照射してパターン硬化させた。その後、モールド構造体と磁気記録媒体中間体を剥離して、磁気記録媒体中間体上のインプリントレジスト層に凹凸パターンを形成した。
その後、凹凸部3のパターンが転写されたインプリントレジスト層24をマスクにして、Arイオンスパッタエッチ(ICP型、Arガス、0.2Pa、ICP/Bias=750W/300W)により選択エッチングを行い、インプリント用モールド構造体1上に形成された凹凸部3のパターン形状に基づく凹凸形状を磁性層50に形成し、凹部に非磁性材料70(SiO2をCVD方式で形成)を埋め込み、表面を平坦化(CMP処理)した後、保護膜を形成(DLCからなる保護層をCVD方式で形成)して磁気記録媒体100を得た。以上により、実施例1のディスクリート型垂直磁気記録媒体を作製した。
作製した磁気記録媒体中間体に対して光硬化性アクリル系インプリントレジスト液(東洋合成工業株式会社製:PAK−01)を100nmの厚みとなるようにスピンコート法により塗布し、インプリントレジスト層を形成した。
得られたインプリントレジスト層付き磁気記録媒体中間体に対し、上記モールド構造体を対向させて配置し、磁気記録媒体中間体を1MPaの圧力で5秒間加圧してパターン転写した後、25mJ/cm2のUV光を10秒間照射してパターン硬化させた。その後、モールド構造体と磁気記録媒体中間体を剥離して、磁気記録媒体中間体上のインプリントレジスト層に凹凸パターンを形成した。
その後、凹凸部3のパターンが転写されたインプリントレジスト層24をマスクにして、Arイオンスパッタエッチ(ICP型、Arガス、0.2Pa、ICP/Bias=750W/300W)により選択エッチングを行い、インプリント用モールド構造体1上に形成された凹凸部3のパターン形状に基づく凹凸形状を磁性層50に形成し、凹部に非磁性材料70(SiO2をCVD方式で形成)を埋め込み、表面を平坦化(CMP処理)した後、保護膜を形成(DLCからなる保護層をCVD方式で形成)して磁気記録媒体100を得た。以上により、実施例1のディスクリート型垂直磁気記録媒体を作製した。
<<転写性の評価>>
実施例1のモールド構造体を用いて、基板の表面上に形成したインプリントレジスト層上に50nm&50nmのライン&スペース、高さ50nmの凹凸パターンを転写した際に、インプリントレジスト層の残膜を中心から30mmの距離の点で45°毎に8点評価した。残膜の厚みは断面TEM像により観察し、下記評価基準に基づき評価した。評価結果を表1に示す。
[評価基準]
◎:残膜のばらつき量(最大値―最小値)が20nm以下である。
○:残膜のばらつき量(最大値―最小値)が20nm以上40nm以下である。
×:残膜のばらつき量(最大値―最小値)が40nmを超える。
実施例1のモールド構造体を用いて、基板の表面上に形成したインプリントレジスト層上に50nm&50nmのライン&スペース、高さ50nmの凹凸パターンを転写した際に、インプリントレジスト層の残膜を中心から30mmの距離の点で45°毎に8点評価した。残膜の厚みは断面TEM像により観察し、下記評価基準に基づき評価した。評価結果を表1に示す。
[評価基準]
◎:残膜のばらつき量(最大値―最小値)が20nm以下である。
○:残膜のばらつき量(最大値―最小値)が20nm以上40nm以下である。
×:残膜のばらつき量(最大値―最小値)が40nmを超える。
<<剥離性の評価>>
実施例1のモールド構造体を用いて、基板の表面上に形成したインプリントレジスト層上に凹凸パターンを転写するプロセスを100回実施し、同プロセス後に、インプリントレジストの破損や剥れを超音波影像法により評価し、下記評価基準に基づき評価した。評価結果を表1に示す。
[評価基準]
◎:インプリントレジストの破損や剥れがない。
○:インプリントレジストの剥れが無く、破損が5箇所以内である。
×:インプリントレジストの剥れがある、または破損が6箇所以上である。
実施例1のモールド構造体を用いて、基板の表面上に形成したインプリントレジスト層上に凹凸パターンを転写するプロセスを100回実施し、同プロセス後に、インプリントレジストの破損や剥れを超音波影像法により評価し、下記評価基準に基づき評価した。評価結果を表1に示す。
[評価基準]
◎:インプリントレジストの破損や剥れがない。
○:インプリントレジストの剥れが無く、破損が5箇所以内である。
×:インプリントレジストの剥れがある、または破損が6箇所以上である。
<<サーボ特性の評価>>
上記磁気記録媒体の作製において作製した磁気記録媒体について、再生トラック幅0.1μm、再生ギャップ0.06μmのGMRヘッドを搭載したハードディスク用磁気ヘッドテスタ(アイメス社製、BitFinder Model‐YS 3300)により、再生信号の位置誤差信号(PES)測定を行い、下記評価基準に基づいて、評価した。結果を表1に示す。
[評価基準]
◎:サーボフォローイングでき、かつPESがトラック幅の±10%未満の媒体
○:サーボフォローイングできたが、PESがトラック幅の±10%以上±20%以下の媒体
×:サーボフォローイングできなかった媒体
上記磁気記録媒体の作製において作製した磁気記録媒体について、再生トラック幅0.1μm、再生ギャップ0.06μmのGMRヘッドを搭載したハードディスク用磁気ヘッドテスタ(アイメス社製、BitFinder Model‐YS 3300)により、再生信号の位置誤差信号(PES)測定を行い、下記評価基準に基づいて、評価した。結果を表1に示す。
[評価基準]
◎:サーボフォローイングでき、かつPESがトラック幅の±10%未満の媒体
○:サーボフォローイングできたが、PESがトラック幅の±10%以上±20%以下の媒体
×:サーボフォローイングできなかった媒体
(実施例2〜12)
<モールド構造体の作製>
実施例1において、頂部の10点平均粗さRz1、及び底部(基準面2a)の10点平均粗さRz2、頂部の面平均粗さRa1、底部(基準面2a)の面平均粗さRa2、及び側壁部の面平均粗さRa3を表1−1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜12のモールド構造体を作製した。
<モールド構造体の作製>
実施例1において、頂部の10点平均粗さRz1、及び底部(基準面2a)の10点平均粗さRz2、頂部の面平均粗さRa1、底部(基準面2a)の面平均粗さRa2、及び側壁部の面平均粗さRa3を表1−1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜12のモールド構造体を作製した。
<磁気記録媒体の作製>
実施例1において、実施例2〜12で作製した各モールド構造体を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜12の磁気記録媒体を作製した。
実施例1において、実施例2〜12で作製した各モールド構造体を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜12の磁気記録媒体を作製した。
<<転写性の評価>>
実施例1と同様にして、作製した実施例2〜12のモールド構造体による転写性を評価した。結果を表1−2に示す。
実施例1と同様にして、作製した実施例2〜12のモールド構造体による転写性を評価した。結果を表1−2に示す。
<<剥離性の評価>>
実施例1と同様にして、作製した実施例2〜12のモールド構造体の剥離性を評価した。結果を表1−2に示す。
実施例1と同様にして、作製した実施例2〜12のモールド構造体の剥離性を評価した。結果を表1−2に示す。
<<サーボ特性の評価>>
実施例1と同様にして、作製した実施例2〜12の磁気記録媒体のサーボ特性を評価した。結果を表1−2に示す。
実施例1と同様にして、作製した実施例2〜12の磁気記録媒体のサーボ特性を評価した。結果を表1−2に示す。
(実施例13、14)
<モールド構造体の作製>
図4A〜Bは、本実施例におけるモールド構造体の作製方法を示す工程図である。
表1の条件で、実施例1と同様にして凹凸形状を有する原盤11を作製した。図4Bに示すように、原盤11の表面の凹凸パターンをもとに、この表面にスパッタリングにより、導電膜22を形成した。その後、導電膜22が付与された原盤を、下記組成のNi電鋳浴に浸漬させて50〜150rpmの回転速度で回転させながら、電鋳処理を行い、厚み300μmのポジ状凹凸パターンを有するNi盤を作製した。その後、このNi盤を原盤から剥離し、残留するレジスト膜を除去し洗浄した。このようにして、モールド構造体が得られた。
−Ni電鋳浴組成及び温度−
・ スルファミン酸ニッケル…600g/L
・ ホウ酸・・・40g/L
・ 界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)・・・0.15g/L
・ pH=4.0
・ 温度=55℃
なお、導電膜22を所定の厚さに成膜してNi盤23を作製する際には、Ni盤23の凹部の断面形状が、図2A〜Bに示す凸部3の断面形状を転写した断面形状となるように行った。
<モールド構造体の作製>
図4A〜Bは、本実施例におけるモールド構造体の作製方法を示す工程図である。
表1の条件で、実施例1と同様にして凹凸形状を有する原盤11を作製した。図4Bに示すように、原盤11の表面の凹凸パターンをもとに、この表面にスパッタリングにより、導電膜22を形成した。その後、導電膜22が付与された原盤を、下記組成のNi電鋳浴に浸漬させて50〜150rpmの回転速度で回転させながら、電鋳処理を行い、厚み300μmのポジ状凹凸パターンを有するNi盤を作製した。その後、このNi盤を原盤から剥離し、残留するレジスト膜を除去し洗浄した。このようにして、モールド構造体が得られた。
−Ni電鋳浴組成及び温度−
・ スルファミン酸ニッケル…600g/L
・ ホウ酸・・・40g/L
・ 界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)・・・0.15g/L
・ pH=4.0
・ 温度=55℃
なお、導電膜22を所定の厚さに成膜してNi盤23を作製する際には、Ni盤23の凹部の断面形状が、図2A〜Bに示す凸部3の断面形状を転写した断面形状となるように行った。
<磁気記録媒体の作製>
実施例1と同様に作製した磁気記録媒体中間体に対してPMMA樹脂からなるインプリントレジスト液を100nmの厚みとなるようにスピンコート法により塗布し、インプリントレジスト層を形成した。
得られたインプリントレジスト層付き磁気記録媒体中間体に対し、上記Niからなるモールド構造体を対向させて配置し、150℃に加熱した状態で3MPaの圧力で30秒間加圧してパターン転写した後、60℃まで冷却してパターン硬化させた。その後、モールド構造体と磁気記録媒体中間体を剥離して、磁気記録媒体中間体上のインプリントレジスト層に凹凸パターンを形成した。
次いで、形成した凹凸パターンをマスクとしてエッチングを行い、凹凸形状を磁気記録層に形成した。以上により、実施例13、14の垂直磁気記録媒体を作製した。
実施例1と同様に作製した磁気記録媒体中間体に対してPMMA樹脂からなるインプリントレジスト液を100nmの厚みとなるようにスピンコート法により塗布し、インプリントレジスト層を形成した。
得られたインプリントレジスト層付き磁気記録媒体中間体に対し、上記Niからなるモールド構造体を対向させて配置し、150℃に加熱した状態で3MPaの圧力で30秒間加圧してパターン転写した後、60℃まで冷却してパターン硬化させた。その後、モールド構造体と磁気記録媒体中間体を剥離して、磁気記録媒体中間体上のインプリントレジスト層に凹凸パターンを形成した。
次いで、形成した凹凸パターンをマスクとしてエッチングを行い、凹凸形状を磁気記録層に形成した。以上により、実施例13、14の垂直磁気記録媒体を作製した。
<<転写性の評価>>
実施例1と同様にして、作製した実施例13、14のモールド構造体による転写性を評価した。結果を表1−2に示す。
実施例1と同様にして、作製した実施例13、14のモールド構造体による転写性を評価した。結果を表1−2に示す。
<<剥離性の評価>>
実施例1と同様にして、作製した実施例13、14のモールド構造体の剥離性を評価した。結果を表1−2に示す。
実施例1と同様にして、作製した実施例13、14のモールド構造体の剥離性を評価した。結果を表1−2に示す。
<<サーボ特性の評価>>
実施例1と同様にして、作製した実施例13、14の磁気記録媒体のサーボ特性を評価した。結果を表1−2に示す。
実施例1と同様にして、作製した実施例13、14の磁気記録媒体のサーボ特性を評価した。結果を表1−2に示す。
(実施例15、16)
<モールド構造体の作製>
図5A〜Bは、本実施例におけるモールド構造体の作製方法を示す断面図である。表1−1の原盤加工条件で、実施例1と同様にして凹凸形状を有する原盤11を作製した。作製した原盤を用いて、PMMAからなる熱可塑性樹脂シートを対向して配置し、150℃に加熱した状態で3MPaの圧力で30秒間加圧してパターン転写した後、60℃まで冷却してパターン硬化させた。その後、モールド構造体と剥離することで、凹凸形状を有する樹脂モールド構造体1を得た。
<モールド構造体の作製>
図5A〜Bは、本実施例におけるモールド構造体の作製方法を示す断面図である。表1−1の原盤加工条件で、実施例1と同様にして凹凸形状を有する原盤11を作製した。作製した原盤を用いて、PMMAからなる熱可塑性樹脂シートを対向して配置し、150℃に加熱した状態で3MPaの圧力で30秒間加圧してパターン転写した後、60℃まで冷却してパターン硬化させた。その後、モールド構造体と剥離することで、凹凸形状を有する樹脂モールド構造体1を得た。
<磁気記録媒体の作製>
実施例1において、表1−1に示すモールド構造体を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例15、16の磁気記録媒体を作製した。
実施例1において、表1−1に示すモールド構造体を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例15、16の磁気記録媒体を作製した。
<<転写性の評価>>
実施例1と同様にして、作製した実施例15、16のモールド構造体による転写性を評価した。結果を表1−2に示す。
実施例1と同様にして、作製した実施例15、16のモールド構造体による転写性を評価した。結果を表1−2に示す。
<<剥離性の評価>>
実施例1と同様にして、作製した実施例15、16のモールド構造体の剥離性を評価した。結果を表1−2に示す。
実施例1と同様にして、作製した実施例15、16のモールド構造体の剥離性を評価した。結果を表1−2に示す。
<<サーボ特性の評価>>
実施例1と同様にして、作製した実施例15、16の磁気記録媒体のサーボ特性を評価した。結果を表1−2に示す。
実施例1と同様にして、作製した実施例15、16の磁気記録媒体のサーボ特性を評価した。結果を表1−2に示す。
(比較例1〜3)
<モールド構造体の作製>
実施例1において、頂部の10点平均粗さRz1、及び底部(基準面2a)の10点平均粗さRz2、頂部の面平均粗さRa1、底部(基準面2a)の面平均粗さRa2、及び側壁部の面平均粗さRa3を表1−1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして、比較例1〜3のモールド構造体を作製した。
<モールド構造体の作製>
実施例1において、頂部の10点平均粗さRz1、及び底部(基準面2a)の10点平均粗さRz2、頂部の面平均粗さRa1、底部(基準面2a)の面平均粗さRa2、及び側壁部の面平均粗さRa3を表1−1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして、比較例1〜3のモールド構造体を作製した。
<磁気記録媒体の作製>
実施例1において、比較例1〜3で作製したモールド構造体を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1〜3の磁気記録媒体を作製した。
実施例1において、比較例1〜3で作製したモールド構造体を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1〜3の磁気記録媒体を作製した。
<<転写性の評価>>
実施例1と同様にして、作製した比較例1〜3のモールド構造体による転写性を評価した。結果を表1−2に示す。
実施例1と同様にして、作製した比較例1〜3のモールド構造体による転写性を評価した。結果を表1−2に示す。
<<剥離性の評価>>
実施例1と同様にして、作製した比較例1〜3のモールド構造体の剥離性を評価した。結果を表1−2に示す。
実施例1と同様にして、作製した比較例1〜3のモールド構造体の剥離性を評価した。結果を表1−2に示す。
<<サーボ特性の評価>>
実施例1と同様にして、作製した比較例1〜3の磁気記録媒体のサーボ特性を評価した。結果を表1−2に示す。
実施例1と同様にして、作製した比較例1〜3の磁気記録媒体のサーボ特性を評価した。結果を表1−2に示す。
表1−1及び表1−2に示すように、頂部の10点平均粗さRz1、及び底部(基準面2a)の10点平均粗さRz2が共に、0.5〜20nmである実施例1〜16は、インプリントレジスト層が表面に形成された基板に対して、密着性が高いモールド構造体を提供することができ、インプリント工程後のエッチング工程において問題となる残膜、パターン形状を面内均一とできた。 特に、頂部の10点平均粗さRz1が、0.5〜10nmである実施例1〜7は、頂部の10点平均粗さRz1が、10〜20nmである実施例8〜12よりも剥離性が高い磁気記録媒体を作製することができた。
これに対して比較例1は、10点平均粗さRz1は請求項1の範囲を満たしているが、10点平均粗さRz2が前記範囲を超えており、剥離性においてインプリントレジストの破損や剥れがないものの、転写性が不十分であり、サーボフォローイングできず、特性不良であった。これは、凹凸パターン転写後のエッチング工程において、パターン形状高さが不均一となり、磁性層からの出力が不安定になったためであると考えられる。また、比較例2〜3は、10点平均粗さRz1及び10点平均粗さRz2のいずれも請求項1の範囲を超えており、転写性、サーボ特性の評価の悪さに加え、モールド構造体のアンカー効果により充分な剥離性も得られなかった。
また、頂部の面平均粗さRa1、底部(基準面2a)の面平均粗さRa2、及び側壁部の面平均粗さRa3を0.1〜5nmに低減し、平滑な面を有するパターンを設けることで、アンカー効果が少なく、剥離性に優れ、ディスクリートトラックメディアや、パターンドメディアに高品質なパターンを転写形成するモールド構造体を提供することができた。
本発明のモールド構造体は、該モールド構造体上に形成された微細なパターンが、基板上のインプリントレジスト層に効率よく入り込み、高い歩留まりでパターンを形成することができるので、ディスクリートメディアの作製や、パターンドメディアの作製に好適である。
1 モールド構造体
2 基板
3 凹凸部
3a 凸部
3b 凹部
4 頂部
5 側壁部
24 インプリントレジスト層
40 磁気記録媒体の基板
50 磁性層
100 磁気記録媒体
2 基板
3 凹凸部
3a 凸部
3b 凹部
4 頂部
5 側壁部
24 インプリントレジスト層
40 磁気記録媒体の基板
50 磁性層
100 磁気記録媒体
Claims (9)
- 厚みが0.3mm〜2.0mmであり、表面にインプリントレジスト層が形成された基板に対し、凸部、及び凹部が表面に形成され、該凸部、及び凹部を前記インプリントレジスト層に押圧して該インプリントレジスト層に凹凸パターンを転写するモールド構造体であって、前記凸部の頂部の10点平均粗さRz1、及び凹部の底部の10点平均粗さRz2が、それぞれ0.5nm〜20nmであることを特徴とするモールド構造体。
- 頂部の10点平均粗さRz1が、0.5nm〜10nmである請求項1に記載のモールド構造体。
- 頂部の面平均粗さRa1、底部の面平均粗さRa2、及び側壁部の面平均粗さRa3が、それぞれ0.1nm〜5nmである請求項1から2のいずれかに記載のモールド構造体。
- 頂部の面平均粗さRa1と、基板におけるインプリントレジスト形成面の面平均粗さRaSとが下記数式(1)を満たす請求項1から3のいずれかに記載のモールド構造体。
Ra1≧RaS・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・数式(1) - 厚みが0.5mm〜10mmである請求項1から4のいずれかに記載のモールド構造体。
- 石英、金属及び樹脂のいずれかの材料からなる請求項1から5のいずれかに記載のモールド構造体。
- 表面にインプリントレジスト層が形成された基板に対し、凸部、及び凹部が表面に形成されたモールド構造体を、該凸部、及び凹部を前記インプリントレジスト層に押圧して該インプリントレジスト層に前記凹凸パターンを転写する転写工程を少なくとも含むインプリント方法であって、前記凸部の頂部の10点平均粗さRz1、及び凹部の底部の10点平均粗さRz2が、それぞれ0.5nm〜20nmであることを特徴とするインプリント方法。
- 請求項1から6のいずれかに記載のモールド構造体を、磁気記録媒体の基板上に形成されたインプリントレジスト層に押圧して前記モールド構造体に形成された凹凸パターンを転写する転写工程と、
前記凹凸パターンが転写されたインプリントレジスト層をマスクにして、前記磁気記録媒体の基板の表面に形成された磁性層をエッチングして、前記凹凸パターンに基づく磁性パターン部を前記磁性層に形成する磁性パターン部形成工程と、
前記磁性層上に形成された凹部に非磁性材料を埋め込む非磁性パターン部形成工程と、を少なくとも含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。 - 請求項8に記載の磁気記録媒体の製造方法によって作製されたことを特徴とする磁気記録媒体。
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