JP4686165B2 - エミッション安定化装置及びエミッション安定化方法 - Google Patents

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本発明は、電界放出型エミッタを電子源に有する電子管、例えば電界放出型エミッタを電子源に有する撮像素子において、電界放出素子にて放出される電子の放出状態を安定化させるためのエミッション安定化装置及びエミッション安定化方法に関するものである。
電界放出型エミッタ(Field Emitter )を電子源に有する各種電子管としては、例えば電界放出形蛍光表示管(Field Emission Display,FED )や電界放出型エミッタを電子源とする撮像素子(Field Emitter Image Sensor,FEIS)等が知られている。
FED は、電子を放出するエミッタをカソードに設け、このエミッタの近傍に配置したゲートに適当な電圧を加えてエミッタから電子を引き出し、この電子を蛍光体を備えたアノードに射突させて発光を得る素子であり、これらの発光部や電極類等は内部が高真空状態とされた気密容器である外囲器内に収納封止された構造となっている。
FEISは、特許文献1に例示するように、電子を放出するエミッタをカソードに設け、このエミッタの近傍に配置したゲートに適当な電圧を加えてエミッタから電子を引き出し、光電変換膜を該電子のビーム(電子線)によって走査し、外光の入射で該光電変換膜に発生した信号電荷を該電子線によって読み取り、画像電気信号として出力するものである。これらの電極類等も内部が高真空状態とされた気密容器である外囲器内に収納封止された構造となっている。
特開2000−48743 号公報
前記FED の製造においては、電子を放出するエミッタが設けられるカソードは、外囲器を構成する基板の一つである陰極基板の内面側に高温プロセスを経て形成され、また該陰極基板を用いた外囲器の組み立て工程自体も高温プロセスで行われる。従って、FED の製造においては、完成時には外囲器内の真空雰囲気に少なくとも一部が晒される陰極基板その他の真空部品等は、この高温プロセスで高温真空脱ガス処理を受けて吸着していたガスが放出されることとなる。
しかしながら、前記FEISのように、外囲器内に光電変換膜を構成するアモルファスセレン等の耐熱性の低い材料が含まれている場合には、製造工程において前記FED のように高熱処理を行うことができないので、構成部晶に吸着したガスを高温工程で放出させることができない。
前記FEISでは、特にエミッタにはカソード製造プロセスにおいてガスの吸着等があるが、耐熱性の低い光電変換膜の加熱を避けるためにカソードだけを真空チャンバー内に入れて脱ガス処理をする等の工程を経たとしても、これだけでは吸着ガスを必ずしも十分に除去することはできない。
また、FEISの外囲器を大気中で組み立てる際にカソード等には再度ガス吸着が生じてしまうこと避けられず、このようなFEISの外囲器を後工程で室温にて真空排気して封止しても、カソード等のガス吸着を十分に脱ガスすることはできない。
このため、完成したFEISに所定の駆動電圧を印加してもカソード(エミッタ)から好ましいエミッションが得られない場合があり、又はカソード近傍でのガス放出により電界放出の暴走やショートが発生してカソードの破壊に至る場合があるという不都合があった。
本発明は、上述した課題を克服するためになされたものであり、電界放出型エミッタを電子源とした撮像素子等の電子管において、製造時等に電子の放出を安定化させ、実用時に安定化した電子放出にて電子管又は撮像素子として機能できるようにするエミッション安定化装置及びエミッション安定化方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載されたエミッション安定化装置は、電子を放出する電界放出型エミッタを備えたカソードと、ゲートと、コレクタを有する電子素子に用いられ、前記電界放出型エミッタからの電子のエミッションを安定化させるエミッション安定化装置であって、前記コレクタの電圧を実質的に前記電子素子の常用電圧に保持しておき、前記カソードの駆動電圧と前記ゲートの駆動電圧を段階的に上昇させることにより、放電を生じずに前記電界放出型エミッタから安定的にガスを放出させつつ前記コレクタのコレクタ電流を上昇させて、前記電界放出型エミッタからの電子のエミッションの安定化を図るエミッション安定化装置において、前記電子素子は、複数の前記電界放出型エミッタを含む電界放出型エミッタ群と、前記コレクタとして光電変換膜とを有する撮像素子であり、最初の段階では、1ラインずつ順次、前記電界放出型エミッタ群を選択し電子を放出するライン駆動を行い、単位時間当たりの平均のエミッション量が最終的に常用するラスター駆動での単位時間当たりのエミッション量の平均値に達した後は、1画素ずつ順次、前記電界放出型エミッタ群を選択し電子を放出するラスター駆動を行いながら、
前記カソードの駆動電圧と前記ゲートの駆動電圧とを前記撮像素子の常用電圧に到達させることを特徴としている。
請求項に記載されたエミッション安定化方法は、
複数の電界放出型エミッタを含む電界放出型エミッタ群を備えたカソードと、ゲートと、コレクタとしての光電変換膜とを有する撮像素子のエージング時に適用され、前記電界放出型エミッタからの電子のエミッションを安定化させるエミッション安定化方法において、
前記コレクタの電圧を前記撮像素子の常用電圧に保持しておき、
最初の段階では、1ラインずつ順次、前記電界放出型エミッタ群を選択し電子を放出するライン駆動を行いながら、前記ゲートの駆動電圧を段階的に上昇させ、
単位時間当たりの平均のエミッション量が最終的に常用するラスター駆動での単位時間当たりのエミッション量の平均値に達した後は、1画素ずつ順次、前記電界放出型エミッタ群を選択し電子を放出するラスター駆動を行いながら、前記カソードおよび前記ゲートの駆動電圧を段階的に上昇させることで、
放電を生じさせずに前記電界放出型エミッタ群から安定的にガスを放出させつつ、前記カソードの駆動電圧と前記ゲートの駆動電圧を前記撮像素子の常用電圧に到達させて前記コレクタの電流を前記撮像素子の常用電圧にて安定化させることを特徴としている。
本発明の装置乃至方法によれば、電界放出素子を電子源とする損傷素子等の電子素子の安定化作業において、コレクタ電流が安定した状態をしばらくホールドしてから次の電圧に段階的に昇圧していくので、放電を生じることなく電界放出型エミッタから安定的にガスを放出させつつコレクタ電流を上昇させて当該電子素子等の常用電流に到達させることができる。また、個々の電界放出型エミッタ群からのエミッション電流が少ない場合には複数の電界放出エミッタ群を選択するライン駆動で、エミッション電流が多くなった後は1画素ずつ電界放出型エミッタ群を選択するラスター駆動を行うため、安定的に短時間で電界放出型エミッタからガスを放出させることができる。
このため、当該電子素子等を使用する際に所望のエミッションを安定的に得てその機能を達成することができ、特にカソード近傍でのガス放出による電界放出の暴走やショートの発生が未然に防止されてカソードの破壊等の事故の発生を確実に防止できるという効果がある。
本発明を実施するための最良の形態の一例を図1〜図4を参照して説明する。図1は本例の装置の制御対象となる撮像素子の基本構造と該撮像素子に接続される本装置の一部を模式的に表した図であり、図2は本装置と撮像素子の全体構成図であり、図3は本装置による撮像素子のエミッション安定化作業における制御の流れを示す手順図であり、各電極等め制御対象ごとに分けて電圧値等の制御量の波形とともに図示したものである。図4は本例の装置の制御対象となる撮像素子に印加するゲート駆動波形とカソード駆動波形を模式的に表した図である。
図1に模式化して示す電子素子としての撮像素子1は、電子を放出するエミッタ5を備えたカソード6と、カソード6から電子を引き出すために電位が与えられるゲート4と、引き出した電子ビームを制御するためのメッシュ電極3(本発明のコレクタに相当)と、透光性の電極を備えた光電変換膜(本発明のコレクタに相当)を備えており、さらにこれら電極等を真空雰囲気内に保持する気密容器として図示しない外囲器を有している。撮像素子1の各画素からは、図4に示すゲート4およびカソード6に印加する駆動波形に応じて電子が放出される。
本例のエミッション安定化装置は、この撮像素子1の製造工程において、カソード6(エミッタ5)等に吸着しているガスを除去しながら駆動条件を定常条件に近づけていき、完成した撮像素子1を所定の駆動電圧で駆動した場合にカソード6近傍でのガス放出により電界放出の暴走やショート等が発生することなくカソード6(エミッタ5)から好ましいエミッションが得られて所定の条件で駆動できるようにするための装置である。
図2に示すように、本例のエミッション安定化装置は、制御手段としてのパーソナルコンピュータ7(PC)と、ディスプレイと、記録メディアを有している。また、エミッション安定化装畳は、PC7の制御により対象物である撮像素子1の外囲器内を真空状態に吸引排気可能な真空排気台8と、該真空排気台8内に設けられて排気された撮像素子1の外囲器内の真空度を測定する真空計9とを有している。なお該真空計9からの情報は前記PC7に制御情報として入力される。
さらに、エミッション安定化装置は、前記PC7に制御されて前記撮像素子1を駆動する駆動回路部10を備えている。この駆動回路部10は、図1又は図2に示すように、ドライバ基板11を駆動するための電源 Vlogic と、ドライバ基板11のゲート駆動IC12を介してゲート4に与えるゲート駆動信号の駆動電圧Vlを段階的に与えるゲート電源V1と、ドライバ基板11のカソード駆動IC13を介してカソード6に与える駆動信号の駆動電圧V2を段階的に与えるカソード電源V2と、メッシュ電極3に定常条件のメッシュ電圧V3を与えるメッシュ電源V3と、光電変換膜2に定常条件の光電変換膜印加電圧V4を与える光電変換膜電源V4とを有している。これらの電源は前記PC7によって制御される。
本例では主としてメッシュ電極3をコレクタとして使用する。本例で主としてコレクタとして使用するメッシュ電極3とメッシュ電源V3の間には電流計I3が設けられ、エミッション安定化のための本装置動作時にメッシュ電極3の電流I3を測定して前記PC7に情報を送ることができるように構成されている。
なお、図1に示すように、ゲート4に接続されるゲート駆動ICI2のLow 側をゲート電源Vlに保護抵抗14を介して接続して0Vとしているが、ゲート4−カソード6間でリークが生じると保護抵抗14に電流が流れて電位が上昇するので、これをモニター電圧Verrとして前記PC7が監視している。
次に、本例のエミッション安定化装置による撮像素子1のエミッション安定化動作を制御手順に従い説明する。なお、以下の例では電圧値、電流値、真空度等の数値を具体的に説明するが、これらの数値は一例にすぎず、諸条件に応じて任意に設定可能である。
図3において、上から1段目(横の並び)は光電変換膜印加電圧V4を示し、同2段目はメッシュ電圧V3を示し、同3段目はカソード電圧V2を示し、同4段目はゲート電圧Vlを示し、同5段目は光電変換膜電流I4を示し、同段目はメッシュ電流I3を示し、同段目は真空計9が検知した真空排気台8内の真空度Pを示し、同段目は本装置の制御段階(フェーズ)を示す。本装置による制御手順は図3の最も左の欄(縦の並び)から順次右の欄に移行しつつ進行する。
まず、撮像素子1を真空排気台8に取り付けて外囲器内を真空吸引できるようにし、撮像素子1の各電極を本装置の要所にそれぞれ接続する。
フェーズ0
図3のフェーズ0において、PC7は真空排気台8を駆動し、撮像素子1の外囲器内を真空吸引する。真空度Pが1×10-7Pa以上であった場合、警報を出力して一次停止する。本装置では、安全のため自動的にフェーズ1に移行することは避け、改めてPC7に続行の指示を与えた場合にのみフェーズ1に進めるように構成されている。
フェーズ1
図3のフェーズ1およびフェーズ2においては撮像素子1をライン駆動する。ライン駆動とは、放出される電子ビームが撮像素子1の前記光電変換膜2を走査する際に、画素の行ごとに対応したデータを出力する駆動方式であり、図4の駆動波形においてV2を0Vとした場合に相当する。フェーズ1およびフェーズ2では、カソード6の1画素分から放出される電子ビームおよび放出ガスが少ないため、1ライン分の画素から同時に電子ビームを出す本駆動方式としている。具体的には次の動作ステップ1)〜を順番に行う。
1)本装置の駆動用ロジック電源である電源Vlogic は5Vで駆動する。
2)メッシュ電圧V3は、0Vからメッシュ電極3の駆動時の定常条件である500Vまで20秒かけて昇圧する。昇圧時にメッシュ電流I3が 1μA を超えれば異常警報を出して装置の作動を終了する。昇圧してメッシュ電圧V3印加後にメッシュ電流I3が0.05μA を超えれば異常警報を出して装置の作動を終了する。
3)ゲート駆動電圧Vlを0Vから20V まで昇圧する(昇圧速度0.5V/sec)。
4)メッシュ電流I3が0.03μA を超えるまでは1V/minでゲート電圧Vlを昇圧し、メッシュ電流I3が0.05μA を超えたらフェーズ2に移行する。メッシュ電流I3が0.05μA 未満でゲート駆動電圧Vlが60V を超えたら中断して警報を出す。
なお、本フェーズにおいては、実質的に常用電圧に近い500Vの電圧がメッシュ電極3に加わっているので、電流はメッシュ電極3に流れ、放出された電子がゲート4に流れ込んでガスを放出させて不安定化する等の不都合は生じない。また、本フェーズからカソード6のエミッタ5等から徐々にガスの放出がはじまるが、放出されたガスは真空排気台8によって排出される。
フェーズ2
図3のフェーズ2においては撮像素子1をライン駆動する。具体的には次の動作ステップ1)〜を順番に行う。
1)メッシュ電流I3の安定を確認する。
2)ゲート駆動電圧Vlを1V上昇させる(昇圧速度0.5V/sec)。
3)メッシュ電流I3 の安定を確認する。
4) 2),3)の手順を繰り返し、ゲート電圧Vlを段階的に上昇させていく。
5)メッシュ電流I3が平均で2μAを超えたらフェーズ3に移行する。
本フェーズにおいては、前フェーズに引き続き、カソード6のエミッタ5等から徐々にガスが放出されるが、放出されたガスは真空排気台8によって排出されるので、真空計9が検出する撮像素子1の外囲器内の真空度は上昇と下降を繰り返し、やがて放出されるガスが少なくなり、高真空状態に落ち着いていく。
フェーズ3
図3のフェーズ3においては撮像素子1をラスター駆動する。ラスター駆動とは、電子ビームが前記撮像素子1の前記光電変換膜2を走査する際に、各画素ごとに対応したデータが出力される駆動方式であり、フェーズ3以降では、カソード6の1画素から放出される電子ビームおよび放出ガスが多くなるため、各画素から順次電子ビームを出す本駆動方式としている。具体的には次の動作ステップ1)〜を順番に行う。
1)カソード駆動電圧V2として初期値20V を印加する。
2)メッシュ電流I3の安定を確認する。
3)ゲート駆動電圧Vlを2V上昇させる(昇圧速度0.5V/sec。カソード駆動電圧V2は20V で固定する。)。
4)メッシュ電流I3の安定を確認する。
5) 3),4)の手順を繰り返し、ゲート駆動電圧Vlを段階的に上昇させていく。
6)ゲート駆動電圧Vlが40V で本フェーズの上記手順4)が終了したら、フェーズ4に移行する。
フェーズ4
図3のフェーズ4においては撮像素子1を引き続きラスター駆動する。具体的にほ次の動作ステップ1)〜を順番に行う。
1)ゲート駆動電圧Vl、カソード駆動電圧V2共に2V上昇させる(昇圧速度0.5V/sec)。
2)メッシュ電流I3の安定を確認する。
3) 1),2)の手順を繰り返し、ゲート駆動電庄Vlとカソード駆動電圧V2を段階的に上昇させていく。
4)ゲート駆動電圧Vlが60V になったらフェーズ5に移行する(このときカソード駆動電圧V2は40V )。
フェーズ5
図3のフェーズ5においては撮像素子1を引き続きラスター駆動する。具体的には次の動作ステップ1)〜を順番に行う。
1)カソード駆動電圧V2を10V 上昇させる(昇圧速度0.5V/sec)。このときゲート駆動電圧Vlは60V 、カソード電圧駆動V2は50V である。
2)メッシュ電流I3の安定を確認する。
3)ゲート駆動電圧Vl、カソード駆動電圧V2共に5V上昇させる(昇圧適度0.5V/sec)。
4)メッシュ電流I3の安定を確認する。
5) 3),4)の手順を繰り返し、ゲート駆動電圧Vlが80V で手順4)が終了したらフェーズ6に移行する。
フェーズ6
図3のフェーズ6においては撮像素子1の各電極に常用電圧を印加し、エミッション安定化を完了する。具体的には次の動作ステップ1)〜を順番に行う。
1)ゲート駆動電圧Vlを60V 、カソード駆動電圧V2を50V 、光電変換膜印加電圧V4を60V 〜100Vとする。
2)上記状態で、20分経過した後、終了とする。
3)終了処理として、光電変換膜印加電圧V4、ゲート駆動電圧Vl、カソード駆動電圧V2、メッシュ電圧V3の順に電圧をOFF してディスプレイに表示するか、又は他の手段で終了を報知する。
そして、真空排気台8に接続された撮像素子1の接続部(外囲器の吸引孔)を封止して外囲・器内の高真空状態を固定し、エミッションが安定化された撮像素子1が完成する。
このように、本例ではエミッション安定化操作を気密外囲器を最終的に封止する際に気密外囲器内を吸引しながら行ったが、気密外囲器を封止した後に行っても良いし、両方の時点で行っても良い。なお、気密外囲器を封止した後に上記安定化動作を行った場合、エミッタ5等から放出されたガスは管内のゲッタ一に吸着されることとなる。
次に、以上説明した本例の構造・作用については、次のように構成してもよい。
A.メッシュ電流I3の安定の判断
フェーズ2〜5において、1分ごとのメッシュ電流I3の変動率が±1%以下になった場合、もしくは10分経過してメッシュ電流I3に急激な変化がない場合に、メッシュ電流I3が安定しているとして次のステップに移行してよい。
B.異常終了の判定と終了方法
真空度の急激な変化やメッシュ電流I3の急激な変化があったときに異常と判定し、光電変換膜印加電圧V4、ゲート駆動電圧Vl、カソード駆動電圧V2、メッシュ電圧V3の順に電圧をOFF して処理を終了する。
C.リモート監視
他のコンピュータからネットワーク経由で監視できるようにしてもよい。
D.ライン駆動からラスター駆動への切り替えの境界について
エミッションが少ない段階のライン駆動から、エミッションが多くなった段階のラスター駆動への切り替えの境界は、ライン駆動での単位時間当たりの平均エミッション電流値が、ラスター駆動で最終的に常用するエミッション電流値の単位時間当たりの平均値に等しくなったときに設定している。それぞれの駆動では、1画素(個々の電界放出エミッタ群)における単位時間当たりの電子放出(エミッション)時間が異なっているため、「ライン駆動での駆動で[エミッション電流値×エミッション時間]が常用の時のそれと同じになったとき」と言い換えることもできる。
このように設定する理由は以下の通りである。
(1) 撮像素子内のガスの放出量はおおまかに単位時間当たりのエミッション量(平均値)に比例すると考えられる。
(2) 電子放出時間が長いライン駆動の方がラスター駆動より少ないエミッション量(より低いゲート電圧)で、ラスター駆動と同様のガス放出の効果が得られる。
(3) 撮像素子内に同じ量のガス放出が生じた場合、ゲート電圧の低い方が放電ははるかに起こりにくくエミッタが破壊される危険が少ない。
(4) よって、ライン駆動では、ラスター駆動で行う場合と同等のガス出し作業が、低いゲート電圧で安全に行うことができる。
(5) ライン駆動での作業で、平均電流が同じ場合のラスター駆動でのガス出しはほぼ済んでいるが、コレクタからのガス放出量に関しては、ゲート電圧にも比例する部分があるため、ラスター駆動に切り替え、徐々に電圧を上げる作業を付け加える必要がある。
(6) このラスター駆動におけるガス放出量は、先にライン駆動を行っているため、格段に少なく、ゲート電圧が高くなっても放電が非常に起こりにくくなっているため、安全に作業ができる。
(7) これらのことから、ライン駆動からラスター駆動への切り替えをライン駆動での単位時間当たりの平均エミッション電流値が、ラスター駆動で最終的に常用するエミッション電流値の単位時間当たりの平均値に等しくなったときに設定しており、効率的にかつ安全に、安定化工程を行うことができる。
以上説明した例においては、電界放出型エミッタを電子源とする電子素子として撮像素子を例示したが、本発明は、電界放出型エミッタを電子源として蛍光体層に電子を射突させて発光表示を行う電界放出型蛍光表示管等についても適用することができる。
図1は本例の装置の制御対象となる撮像素子の基本構造と該撮像素子に接続される本装置の一部を模式的に表した図である。 図2は本装置と撮像素子の全体構成図である。 図3は本装置による撮像素子のエミッション安定化操作における制御の流れを示す手順図であり、各電極等の制御対象ごとにわけて電圧値等の制御量の波形等を図示したものである。 図4は本例の装置の制御対象となる撮像素子に印加するゲート駆動波形とカソード駆動波形を模式的に表した図である。
符号の説明
1 電子素子としての撮像素子
2 コレクタとしての光電変換膜
3 コレクタとしてのメッシュ電極
4 ゲート
5 エミッタ
6 カソード
7 制御手段としてのPC
8 真空排気台
9 真空計
10 エミッション安定化装置および電子素子としての撮像素子
11 ドライバ基板
12 ゲート駆動IC
13 カソード駆動IC
14 保護抵抗

Claims (2)

  1. 電子を放出する電界放出型エミッタを備えたカソードと、ゲートと、コレクタを有する電子素子に用いられ、前記電界放出型エミッタからの電子のエミッションを安定化させるエミッション安定化装置であって、
    前記コレクタの電圧を実質的に前記電子素子の常用電圧に保持しておき、前記カソードの駆動電圧と前記ゲートの駆動電圧を段階的に上昇させることにより、
    放電を生じずに前記電界放出型エミッタから安定的にガスを放出させつつ前記コレクタのコレクタ電流を上昇させて、前記電界放出型エミッタからの電子のエミッションの安定化を図るエミッション安定化装置において、
    前記電子素子は、複数の前記電界放出型エミッタを含む電界放出型エミッタ群と、前記コレクタとして光電変換膜とを有する撮像素子であり、
    最初の段階では、1ラインずつ順次、前記電界放出型エミッタ群を選択し電子を放出するライン駆動を行い、
    単位時間当たりの平均のエミッション量が最終的に常用するラスター駆動での単位時間当たりのエミッション量の平均値に達した後は、1画素ずつ順次、前記電界放出型エミッタ群を選択し電子を放出するラスター駆動を行いながら、
    前記カソードの駆動電圧と前記ゲートの駆動電圧とを前記撮像素子の常用電圧に到達させることを特徴とするエミッション安定化装置。
  2. 複数の電界放出型エミッタを含む電界放出型エミッタ群を備えたカソードと、ゲートと、コレクタとしての光電変換膜とを有する撮像素子のエージング時に適用され、前記電界放出型エミッタからの電子のエミッションを安定化させるエミッション安定化方法において、
    前記コレクタの電圧を前記撮像素子の常用電圧に保持しておき、
    最初の段階では、1ラインずつ順次、前記電界放出型エミッタ群を選択し電子を放出するライン駆動を行いながら、前記ゲートの駆動電圧を段階的に上昇させ、
    単位時間当たりの平均のエミッション量が最終的に常用するラスター駆動での単位時間当たりのエミッション量の平均値に達した後は、1画素ずつ順次、前記電界放出型エミッタ群を選択し電子を放出するラスター駆動を行いながら、前記カソードおよび前記ゲートの駆動電圧を段階的に上昇させることで、
    放電を生じさせずに前記電界放出型エミッタ群から安定的にガスを放出させつつ、前記カソードの駆動電圧と前記ゲートの駆動電圧を前記撮像素子の常用電圧に到達させて前記コレクタの電流を前記撮像素子の常用電圧にて安定化させることを特徴とするエミッション安定化方法。
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