JP4685420B2 - 可塑化粘着樹脂 - Google Patents

可塑化粘着樹脂 Download PDF

Info

Publication number
JP4685420B2
JP4685420B2 JP2004348788A JP2004348788A JP4685420B2 JP 4685420 B2 JP4685420 B2 JP 4685420B2 JP 2004348788 A JP2004348788 A JP 2004348788A JP 2004348788 A JP2004348788 A JP 2004348788A JP 4685420 B2 JP4685420 B2 JP 4685420B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive resin
plasticized
resin
screw
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004348788A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006152216A (ja
Inventor
久雄 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Bolt Manufacturing Co Ltd
Phoenix Co Ltd
Original Assignee
Fuji Bolt Manufacturing Co Ltd
Phoenix Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Bolt Manufacturing Co Ltd, Phoenix Co Ltd filed Critical Fuji Bolt Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2004348788A priority Critical patent/JP4685420B2/ja
Publication of JP2006152216A publication Critical patent/JP2006152216A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4685420B2 publication Critical patent/JP4685420B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、塑性変形により粘着性及び接着性が生じる特性を有した樹脂(可塑化粘着樹脂)及びその製造方法に関するものであり、この可塑化粘着樹脂は、室温近辺で変形自在で耐水性能にすぐれ、半永久的に再現可能な粘着効果を有する。又、本発明は、このような可塑化粘着樹脂を用いたネジの緩み止め方法に関するものでもある。更に、本発明は、このような可塑化粘着樹脂が雄ネジ及び雌ネジのネジ山部分に塗布されたボルト及びナットに関するものでもある。
従来、室温で変形可能な素材は、パテや造形材料が知られている。パテは天然ゴム及び合成ゴムに各種の粘性調整成分として各種鉱物粉が用いられ、合成ゴムにはシリコン系のものやブチル系のものがある。また各種鉱物粉として亜鉛華、酸化チタン、石膏、粘土粉末などが用いられている。
従来の素材はゴム系であるため、適当な大きさに分割しようと手で引きちぎる場合に、素材自身が細長く糸状に伸びたり、保持強度が充分でないなどの欠点があった。従来品はパテとして開発されたものであり接合時の接着力は充分でなかった。また、土の粘土、油粘土、紙粘土その他の粘土はよく変形するが接着能力は殆ど有しない。
従来から大量に使用されている熱融着樹脂用の合成樹脂は、塩化ビニル樹脂系、エチレン酢酸ビニル樹脂系、熱可塑性エラストマー系などがある。例えば、一般工作用では酢酸ビニル樹脂系接着剤が主である。その組成は約60%がエチレン・酢酸ビニル樹脂共重合体で残りの約40%が石油油脂系である。該合成樹脂は近年の技術開発の進歩に伴い、着実に性能向上が図られ、熱融着される工業部材として幅広く使用されている。しかしながら、前記の合成樹脂は専用の接着ガンを必要とし、工業用や特殊工芸用など専門分野以外では、手軽に使用ができるほどの性能は得られていなかった。
ところで、アタクチックポリプロピレン(APP)は、アイソタクチックポリプロピレンを製造する際にほぼ4〜5%程度生じる副生成物であり、非晶質性のオレフィン樹脂の1種であるが、その主な用途に関しては、防湿紙を製造する際のホットメルト接着剤としての用途(例えば下記の特許文献1及び2)や、アスファルト用舗装材としての用途(例えば下記の特許文献3)等が知られているに過ぎない。
特開昭61−97496号公報 特開平9−316252号公報 特開2002−339305号公報
一方、ネジの緩みを防止するための接着剤の分野においては、ネジ、ボルト、ナット等のネジ部材のネジ山部分に塗布することによって緩み止め機能や密着性を付与することが可能な接着剤として種々開発されてきており、例えば下記の特許文献4及び5に記載されているものが挙げられる。
特開平10−130587号公報 特開2001−154157号公報
しかしながら、これらの接着剤はいずれも液体であり、ネジ山に塗布した後で乾燥・硬化(重合)工程が必要であり、塗布直後から性能を発揮するものではなく、又、使用前・使用後において密閉した状態で保存しなければならないという問題点があった。
そこで本発明の課題は、このような従来の不便性を解消するために室温から体温近辺で手などで圧力を加えると塑性変形させることができ、揉み続けることにより一層軟らかくなり、粘着性が発揮されることを特徴とする可塑化粘着樹脂を提供することである。
又、本発明の課題は、融着のための専用ガンなどを必要とせず、可塑性や粘着性に優れ、機械的、物理特性に優れた可塑化粘着樹脂を、経済的に有利な条件で製造する可塑化粘着樹脂の製造方法、ならびに当該可塑化粘着樹脂を用いたネジの緩み止め方法を提供することである。
更に、本発明は、ネジの緩み防止機能を有したボルト及びナットを提供することを課題とするものでもある。
本発明者は上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の配合割合でアタクチックポリプロピレン(APP)をワックス類と混練すると、常温で指圧による塑性変形が可能で、変形繰り返しに応じて軟化するとともに粘着性(接着性)が生じ、放置すると硬度を増すとともに粘着性が減少する特性を有した混練物が得られ、混練後に長期間保存した場合であっても指で揉むことによって粘着性が何度でも発現し、この混練物をネジ、ボルト、ナット等のネジ部材のネジ山部分に付着させてネジ止めを行なうことにより緩み止め機能や密着性が付与できることを見い出して、本発明を完成させるに至った。
又、本発明者は、粘着特性に優れた複合材料の製造方法の開発を鋭意検討した結果、混練押出機の可塑化過程の樹脂圧力を制御することにより、機械的、物理特性に優れた可塑化粘着樹脂を生産することが可能であることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の可塑化粘着樹脂は、塑性変形により粘着性及び接着性が生じる特性を有した樹脂であって、当該樹脂が、アタクチックポリプロピレンとワックス成分とから成り、前記樹脂における前記アタクチックポリプロピレンの配合割合が85〜40重量%であり、前記ワックス成分の配合割合が15〜60重量%であることを特徴とする。この際、本発明では、この可塑化粘着樹脂中に、遮光性を付与するための遮光性付与剤として、平均粒径100μm以下の金属粉末が、アタクチックポリプロピレンとワックス成分の配合物100重量部に対して1〜10重量部の割合で含有されてもよい。
又、本発明は、塑性変形により粘着性及び接着性が生じる特性を有した上記の可塑化粘着樹脂を製造するための方法であって、この製法は、アタクチックポリプロピレンとワックス成分とを85〜40:15〜60の重量比率にて配合し、得られた配合物を溶融混合した後、凝固点以下の温度にまで冷却することを特徴とする。
更に、本発明の製造方法は、前記の溶融混合によって得られた溶融混合物を、圧力を加えながら、先端部分に所要形状の開口を有するノズルの先端から押し出すことを特徴とするものでもある。
又、本発明は、上記の可塑化粘着樹脂を用いたネジの緩み止め方法であり、この方法においては、雄ネジの少なくとも先端側ネジ山部と、雌ネジの少なくともネジ山部のいずれか一方に、上記の可塑化粘着樹脂を塗布した後、雄ネジ又は雌ネジを回転させてネジ止めを行なうことを特徴とする。
更に、本発明の、ネジの緩み防止機能を有したボルト及びナットは、当該ボルトの雄ネジの少なくとも先端側ネジ山部と、ナットの雌ネジのネジ山部のいずれか一方に、上記の可塑化粘着樹脂が塗布されていることを特徴とする。
本発明の可塑化粘着樹脂は、水や有機溶剤などの薄め液を用いずに使用できるために無臭であり、しかも環境に優しく、化学反応のような不可逆性の接着機構による接着ではないのでリサイクル(繰り返し使用)が容易である。又、この可塑化粘着樹脂の表面は、塑性変形を受ける前にはべとついていないため、任意の形状に自由自在に加工でき、彫塑や溶解型流し成形も可能である。その上、熱軟化させるための特殊な道具がいらないので取り扱いが容易であり、粘着性を利用した接合の他に、加熱溶融による接合も行なえる。更に、本発明の可塑化粘着樹脂は、ほとんどあらゆるものを接着可能であり、テフロン(登録商標)同士を接着させることもできる。
まず、本発明の可塑化粘着樹脂(可塑化接着樹脂)について説明する。
塑性変形により粘着性が生じる特性を有した本発明の可塑化粘着樹脂は、アタクチックポリプロピレン(APP)とワックス成分とから成り、このAPPは、アイソタクチックポリプロピレンを製造する際に生じる副生成物であって、主鎖に結合したメチル基の配置がランダムなポリマーで、ブロックコポリマー、モノポリマー、ランダムコポリマーなどがある。軟化点は125〜160℃で耐熱性として空気中で加熱すると230℃以上の温度になると一部分解しガス化する。耐薬品性としてアルカリ、酸、塩類にしてはアイソタクチックと同様に安定である。市販されている三菱化学株式会社製のユカタック(商品名)のシリーズは更なる精製を行なうことなくそのまま利用できる。この際、APPの平均分子量は20000〜100000の範囲であることが好ましく、APPの平均分子量が20000よりも極端に小さい場合には、低粘度品となって好ましくなく、逆に100000よりも極端に大きい場合には、高粘度品となるので好ましくない。
一方、本発明の可塑化粘着樹脂中に配合されるワックス成分としては、一般に知られているカルナウバ・ワックス、ヌカロウ、精製ホホバ油、マイクロ・ワックス、パラフィン・ワックス、ポリエチレン・ワックス、キャスティング・ワックス、セレシン・ワックス、オゾケライト・ワックス、モンタン・ワックス、蜜ロウ、木ロウ、各種配合ワックスなどが使用でき、これらのワックスは、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用してもよい。上記脂肪族炭化水素としては、特に限定されるものではないが、各ワックスの性能や価格を比べて選定することが好ましい。
本発明においては、固体ポリオレフィン系ワックス(パラフィンワックス)が好ましいが、マイクロクリスタリンワックスや低分子量ポリエチレンワックスなどの、天然又は合成ワックスも好ましい。本発明において特に好ましいワックス成分は、日本ワックス株式会社から精密鋳造用キャスティングワックスとして市販されているものであり、このワックスの凝固点は62〜80℃、融点は77〜95℃、針入度は100g/25℃の条件において約3〜9で、日本ワックス株式会社製のK−シリーズ品番K−724やK−512やK−114など強度が強いものを使用することが好ましい。
本発明では、主材料に粘着付与樹脂としてAPPが用いられ、添加剤としてワックス成分が用いられるが、ワックス成分は、主材料の軟化温度を下げることが目的で入れるものであり、主材料より軟化温度が低いものを選ぶことは当然であるが、単に軟化温度を下るだけでなく、粘着付与樹脂の粘着性能を抑える目的もある。従って、各種のワックス類から主材料より融点の低いものが適宜選択される。例えば、パラフィンなどのように相手の物質に付着しにくい材料を選択すればよいが、それで性質を保ちつつ強度も相当程度必要で、混合したことにより強度低下が著しく損なわれるものは使用できない。
そして、本発明の可塑化粘着樹脂における前記樹脂における前記APPの配合割合は85〜40重量%、好ましくは80〜50重量%で、前記ワックス成分の配合割合は15〜60重量%、好ましくは20〜50重量%であり、この配合比率が85:15以上(即ち、APPの配合割合が大きく、例えば90:10の比率)の場合には、APP成分が多くなって配合物の粘着性が大きくなり過ぎるので好ましくない。逆に、この配合比率が40:60以下(即ち、APPの配合割合が小さく、例えば30:70の比率)の場合には、ワックス成分が多くなって配合物が硬くなり、脆くなるので好ましくない。
この物理的性質に属する靭性や伸びに関しては、本発明では粘着性と共に重要な要素である。配合比は粘着性能との関連があるので、使用感のよい適当な配合比になるように製品化する。ただし、ワックス成分が多いほど室温では問題がなくても、高温使用時の性能を左右するので配合比には注意を要する。
前記APPとワックス成分が上記割合で配合された本発明の可塑化粘着樹脂は、常温で指圧による塑性変形が可能であり、変形を繰り返す度合いに応じて粘着性を帯び、放置すると放置時間に応じて硬度が増加すると共に粘着性が減少し、このような現象が半永久的に繰り返し起こる、という性質を有している。しかも、指で圧力を加えることで混練ができるだけでなく、簡単に手でちぎって必要量を調整することもでき、樹脂の表面に発現した粘着性を利用して、物と物とを接着することもできる。
尚、上記のAPP成分とワックス成分とから成る本発明の可塑化粘着樹脂は、一般的には乳白色からわずかに着色した白色であるが、本発明の効果が著しく損なわれない限り、目的に応じて他の成分を配合してもよい。他の成分としては、例えば、抗菌剤、酸化防止剤、金属粉末、顔料、染料、無機質材、岩石粉砕材、珪藻土やその他各種の土などを挙げることができる。配合成分は単独で用いてもよいし組み合わせて用いてもよい。
本発明の可塑化粘着樹脂を、不透明性(遮光性)が付与された製品とする場合には、遮光性を付与するための遮光性付与剤として、平均粒径100μm以下の金属粉末が、(前記APP+前記ワックス成分)の配合物100重量部に対して1〜10重量部の割合、好ましくは3重量部前後の割合で添加されることが好ましい。この際、前記配合物100重量部に対して金属粉末が1重量部以下の添加では十分な遮光性を得ることが困難であり、逆に10重量部を極端に超えて添加すると樹脂が脆くなるので好ましくない。
このような金属粉末の種類は特に限定されるものではないが、一般的には樹脂練り込み用の光輝性アルミニウム粉末として市販されている平均粒径100μm以下のもの(例えばメッシュ200は74μm以下)などが好ましく、このような光輝性アルミニウム粉末が配合された本発明の可塑化粘着樹脂は、シルバーメタリック調の色調を有した製品となり、ネジ山部への付着状態や付着量を容易に目視により観察できる。
上述の本発明の可塑化粘着樹脂は、接着対象物に対して付着または巻き付け易いような種々の形態で提供することができ、例えば2〜5mmの外径を有した紐状(ロープ状)の他、テープ状(帯状)、カード状、ブロック状などであってもよい。
次に、前述の可塑化粘着樹脂を製造するための本発明の製法について説明する。
本発明の製法では、前述のAPPと前述のワックス成分とを85〜40:15〜60、好ましくは80〜50:20〜50の重量比率にて配合し、得られた配合物を溶融混合した後、凝固点以下の温度にまで冷却するが、この際、市販の混合機が種々利用でき、二軸混練押出機を用いる場合には、可塑化粘着樹脂に可塑化現象を起こさせる領域条件として押出圧力が10000kPa以上となる条件で定義された臨界押出量以上の押出速度で成形を行なう。本発明の製法において、2軸混練押出機を用いる場合には、APPとワックス成分が二つの凝固温度を有するから温度管理が重要である。常に凝固温度以下で尚かつ近辺に凝固温度に近いほど混合樹脂は軟らかいので、混練動力が少なくてすむ。ただし、ノズルから押し出す付近では常温状態が望ましいので、送風式や水冷式などの適当な手段を用いて冷却を行う。
また、本発明は、バッチ生産方式として、前記のAPPとワックス成分を上記の比率で配合し、溶融混合した後、得られた混合物を一定量ごとに分けて成形型を用いてカード状や円板状などにプレス成形してもよい。
更に本発明では、内部まで凝固点以下に均一に達して硬化した混合樹脂を頑丈なシリンダーに投入し、ピストンで強力な圧力を加えて適当な大きさの口径を有するノズルから、大気圧の外部に押し出して成形しても良く、ノズル口径は押出口径が小さい程、強力な圧力を必要とし、動力損失も大きい。使用条件として望ましいのは、3mm程度のノズル口径であるが、一つの口金に複数本のノズルを有すれば能率的に生産できる。
上記の混合樹脂を、圧力を加えながら、先端部分に所要形状の開口を有するノズル先端から押し出し加工する際、紐状の製品を製造するには円形開口を有したノズルを使用すれば良く、数mm以上の板状のものや1mm以下の厚みのシート状やテープ状の製品を製造するには、前記のノズルから出た成形材を、一定クリアランス(隙間)を有するローラー間に通して薄く伸ばせば簡便に得られる。
上記製法にて得られた可塑化粘着樹脂は、所望の形状に加工した後に長期間の貯蔵(保存)を行なうと、樹脂表面の粘着性が低下してほとんどベトツキのない状態となるが、手や指で混練した際に粘着性が回復する機能を有している。
さらにまた本発明は、前記の主剤と軟化材を適当な比率の配合で溶融混合した後、エンドレスコンベヤーまたはドラムに滴下させて得ることもできる。この滴下樹脂物を適当な方法で剥離させて、ローラに1回または複数回通過させることにより、テープ状のものを製造する。巻き取りや箱詰め手段は慣用方法で行う。なお、コンベヤやドラムには送風式や水冷式などの適当な手段での冷却を行う。
板状の粘着樹脂を成形する場合は、型に入れて成型するか、射出成形機を用いてもよい。さらに、サンドイッチ構造の板などを連続して製造する場合は、トンネル構造の炉に入れて製造すれば能率的である。
本発明では、副産物であるAPPに本発明の手段を用いて新たに有効な物性を付与することができ、物性の優れた可塑化粘着樹脂を経済的に有利な条件で得ることができる。
上記の本発明の製法により得られる可塑化粘着樹脂は、再利用可能な製品を提供できるので廃棄物公害を起こすことが少ない。従って、エネルギー資源の節約や地球環境の保護にも役立てることができ、その工業的価値は極めて大きい。
本発明の製造方法により製造される可塑化樹脂組成物は、粘着付与樹脂と離型性の高い固形剤とを組み合わせることにより得られる複合材料である。
更に本発明は、前述の可塑化粘着樹脂を用いて、メガネのネジや各種機械に使用されるボルト‐ナット等のネジの緩みを防止するための方法でもあり、この方法では、雄ネジの少なくとも先端側ネジ山部と、雌ネジのネジ山部のいずれか一方に前述の可塑化粘着樹脂を塗布した後、雄ネジを回転させてネジ止めを行なう。ネジ山部に可塑化粘着樹脂を塗布する際には、紐状やテープ状の樹脂をネジ部に巻き付けたり、ネジ山部分に擦り付けて付着させたりするのが一般的であるが、浴槽の中に樹脂を入れて180℃前後に加熱することにより溶融させ、溶融状態の樹脂中に雄ネジの先端側ネジ山部を浸漬させ、引き上げ、冷却(放冷)を行ない、ネジ山部に樹脂を塗布してもよい。
本発明では、雄ネジの少なくとも先端側ネジ山部あるいは雌ネジのネジ山部に本発明の可塑化粘着樹脂を塗布した後、雄ネジ又は雌ネジを回転させてネジ止めを行なうと、樹脂がネジ山部に入り込んだ状態となり、確実なネジ止めが達成され、振動部分に取り付けられた場合であってもネジの緩みが生じない。そして、一定期間後にネジを取り外す必要が生じた際であっても、接着剤で固定した場合のようにネジが外れなくなったりすることがなく、特別な工具を使用しなくてもネジの取り外しが容易に行なえる。
上記の方法にて使用される本発明のボルト及びナットでは、雄ネジの少なくとも先端側ネジ山部分に前記の可塑化粘着樹脂が塗布されているか、あるいは、雌ネジのネジ山部に前記の可塑化粘着樹脂が塗布されており、もちろん、雄ネジ側と雌ネジ側の両方のネジ山部分に前記の可塑化粘着樹脂が塗布されていてもよい。
本発明の可塑化粘着樹脂は、一般工業用途としての、ネジの緩み防止に使用できるだけでなく、シーリング材や成形用バインダーとしても利用でき、一般家庭用の固形粘着接着剤や、医薬用品材としての義歯安定剤や、変形自在な握り部(グリップ部)や固定包帯、あるいは、工芸用部材としての精密鋳造型材、工芸創作物、穴埋め材などにも利用でき、応用用途は広範囲である。
以下、本発明の可塑化粘着樹脂の用途の具体例を示す。
本発明により製造された可塑化粘着樹脂を、ネジに付着させると緩みにくいネジが容易にできる。従来のネジの緩み防止法としては、ダブルナット、スプリングワッシャ、スプリングワッシャ内蔵のロックネジ、ダブルナットの平面接触部をテーパー接触として摩擦力を高めた方法、ナイロンなどをネジ軸に縦筋上彫り込んで入れる方法など数々の手法があるがまだ決定的なものはなかった。また、ネジ部に接着剤を塗る方法もあるが、増し締めなどはできないし、分解修理する用途には不向きであった。これに対し、本発明の樹脂は粘着接着性を有し、可塑化過程は繰り返しおこなうことができるので、何度でも再利用できる特徴を有する。メガネに使用しているネジ類のような小物から車両などに使われるような大きな物にまで使える。しかも、専用ナットやボルトを予め用意せずに殆ど全てのネジの締結に利用できる。ネジには予めディッピィングなどの手法でネジ部に可塑化粘着樹脂を付着させてもよい。付着の厚み量は、可塑化粘着樹脂を溶融させる温度やネジの予熱温度などの関係で決まるので、温度制御により容易に厚みをコントロールさせることができる。一旦付着した可塑化粘着樹脂はそのままでは余り粘着性能を発揮しないが、ねじ込むことにより、表面に付着している可塑化粘着樹脂が粘性を帯びてきて、やがて相手部材との接合を始める。本発明の可塑化粘着樹脂は増し締めや分解が可能で、成分が残っていればそのまま再利用できるし、量が少なければ追加してもよい。本発明品をネジ部の緩み止めに用いれば、錆の防止にもなり、また金属同士の固着や錆を原因としての、分解時にも緩め易く、また強固にしまった状態のナットの頭などを潰してしまって分解困難に陥ることを防止できる。また、可塑化粘着樹脂で固定されたナットは成人男性が指で回して解くことが困難になるくらいである。しかし、これは24時間放置後の場合であって、可塑化粘着樹脂は揉むことによって充分に軟らかくすることが可能なので、女性や子供の手でも容易にナットをボルトに固定できる。また、予め、表面に可塑化粘着樹脂を塗りつけたボルトは、放置されている時間が長いのでナイロンナットを回すときのように器具を使用する場合も生じるが、目的に応じて塗布量を調節すればよいので手だけで回すことも可能になる。
また、本発明の可塑化粘着樹脂をテープ上にして配管部の締結ネジ部に用いれば、液体や気体の漏れを防止するシール効果も期待できる。シール効果を期待する溶剤系のものについては、現在各種のものがあるが、硬化原理が溶剤の揮発により行われるので、揮発した部分には微細な空洞が生じる。液体のような大きな分子は通さなくても気体のような小さな分子は抜け出る恐れがある。2液硬化反応型にはそのような欠点はなくても余り強固な接合をしてしまうと分解整備の必要があるときに困難を生じる。また、テフロン(登録商標)テープなどのような製品もあるが、あくまでも固体であるから完全に密封することは困難である。その点この可塑化粘着樹脂をテープ状のシール材として用いれば、一見固体のように見えても、高粘度の流動体であるから、単位面積当りに高圧を加えられれば変形してネジ部に馴染む。なお、ネジ部に巻き付けたり擦り付けたりする可塑化粘着樹脂の形状はテープ状に限定されるものでなく、細いロープ状やその他の物でもよい。また、耐水性能が非常によいので水関係のシールにも適する。ただし、可塑化粘着樹脂が溶け出す温度領域では使えないので、その目的用には高温領域に融点のあるワックスを用いるとよい。
また、本発明の可塑化粘着樹脂を適当な太さのロープ状にして提供すれば、配管部のフランジ部や漏れ防止のパッキン部に用いることができる。この場合は高価な専用パッキンやOリングなどを使用せずに、簡便に密封できるものとして提供できる。特にワックス成分を含有していることにより、ガスバリアー性が高まる。
また、本発明の可塑化粘着樹脂を板と板の間に成形すれば安価で提供可能な制振板となる。従来の技術では、階段に使用されているものを例にとれば、鉄板と鉄板でゴム板を挟み込むものがある。ゴム板と鉄板を接合するには接着剤を用いる必要があるが、この可塑化粘着樹脂は鉄板と鉄板の間に、適当な厚みに成型した可塑化粘着樹脂を挟み込んで、凝固点以上の加熱炉内を、製品内部まで均一に温度上昇する時間で通過させればよい。また、凝固点以下の温度であっても、例えば常温状態の環境下でも樹脂が板の側面からはみ出るほどの強力な圧力にローラなどで加圧することで板同士やフィルム同士の接合が可能となるし、板とフィルムの接合も可能となる。可塑化粘着樹脂は物理特性として反発係数が極端に低いので、鉄板同士が共振を起こさない。これによって、上記の構造を有する積層物の優れた遮音効果が発揮される。
また、本発明の可塑化粘着樹脂を床材に用いて、遮音効果の高い床材づくりに応用する場合を説明する。現在、マンションなどで用いられている階下への遮音手段はコンクリート床の厚みによる質量効果が殆どであり、最近では床材である木製板材裏面に制振性能を期待して硬質のスポンジゴムなどを貼り付けた物がある。スポンジゴムは板材の質量に比較してその質量割合が少ないので、従って遮音効果も少ない。本発明の可塑化粘着樹脂を板材と板材の間に貼り付ける様なサンドイッチ加工をすれば、板材は殆ど共振しなくなる。従って著しい遮音効果を発揮することになる。
また、本発明の可塑化粘着樹脂をオーディオシステムなどの遮音に用いることができる。従来、オーディオの雑音の遮音に関しては、高級なオーディオシステムを目指す場合にはスピーカーなどが出す音をプレーヤー装置が受けてプレーヤー本体が無用な振動をしない工夫をしており、各種の方法が工夫されていた。その目的の為にスピーカーを浮かす部品をインシュレーターといい、プレーヤー本体を浮かす為にも用いられる。可塑化粘着樹脂は樹脂特性として振動減衰効果があるので、インシュレーターを上下に分割し、その間に可塑化粘着樹脂層を設ける構造にして用いれば、遮音効果や制振効果が発揮される。
また、本発明の可塑化粘着樹脂を義歯安定剤として使うことで良好なる義歯安定剤を提供することが可能となる。従来の義歯安定剤は長時間では唾液に溶解してしまう性質があるものが多く健康上問題であった。本発明の可塑化粘着樹脂は、義歯に良く馴染み薄く伸ばせる。しかも水に対する溶解は起きないので安心である。義歯安定剤は本来は歯茎と義歯が設計通りに製作されれば生じない。問題は隙間部が年齢と共に歯茎の痩せに応じて空いてくる隙間に食べ物が詰まる現象である。本発明の可塑化粘着樹脂を使用することにより、食物が詰まる空間をできるだけ無くする目的に合致した製品が製造できるので、義歯の補正が歯科医に頼らず自ら簡便にできる製品を提供できる。
また、本発明の可塑化粘着樹脂を貼付剤として使うことで簡便なる貼付剤を提供することが可能となる。従来の貼付剤は殆どが粘着テープを使った物であり、練り消しゴムの様な軟質ゴムの付着力を利用した製品があったが、主成分がゴムであり、風化現象を避けられず、また粘着性能も優れていないので、この開発製品は作られなくなった。しかし、この可塑化粘着樹脂を応用した貼付け剤は、風化現象がないので長期使用に耐える。しかも、粘着性能も相当に強いものを提供できる。カード形状に形成した製品は、財布などに収納することも可能で、しかも、接着効果は半永久的に発揮できる。とっさの時の紙類の貼付け用に提供できる。
また、本発明の可塑化粘着樹脂を、置物の地震時の転倒防止用粘着剤となる。この種のものは、後で取り外すことを考えると接着剤で固定できない。従って、本発明の可塑化粘着樹脂は何度でも繰り返し着脱可能な用途向けの簡便な粘着剤として提供できるので、地震時用の用途だけでなく、一時貼り付けを目的とした用途なら、殆ど全ての物の固定用に適する。
また、本発明の可塑化粘着樹脂をシリコンゴムなどで形成した袋の中に入れることで、形態を任意に変えることができる物体を提供できる。前記の袋入りの可塑化粘着剤は内部に充填している樹脂を適当な温度にすると軟らかくなるので成形自在となる。従って、食器の握り部などに使えば、障害を持った人の手の不自由度に合わせて、個人用に成形可能な握り部を提供できる。また、従来、手術により失われた乳房の形状に合わせることは、複雑な工程と手間を要し必然的に高価になりがちであった。本発明の可塑化粘着樹脂をシリコンゴムなどで形成した袋の中に入れ、適当な温度に内部に充填している可塑化粘着樹脂を加温すると、手で自在に変形させることが可能となるので、失った乳房の形状を容易な手段で復元することが可能な医療用の製品を提供できる。加温はやけどの心配をするほどの高温にならないので扱いやすい。また、本発明の可塑化粘着樹脂は袋に入れずに直接使用してもよい。
また、本発明の可塑化粘着樹脂を布などに塗布して用いてもよい。例えば、野球バットなどのスポーツ器具の握り部に、可塑化粘着樹脂を布など塗布してテープ状に形成したものを巻き付けてもよい。このようにすることで、手の平と握り部との摩擦力が握り部素材より増加してグリップ力が増す。これは高速スイング時に遠心力により手からバットなどが滑って抜け出すことを防止するのに役立つ。このような目的のものとしては、ゴムを主成分とするテープをグリップに巻いたりしていたが、可塑化粘着樹脂を用いたものの方が摩擦力が高まる。また、押しつけるか加熱するだけで容易に布の終端部分を処理できる。可塑化粘着樹脂を塗布するものは布に限定されるものでなく、紙でも不織布でもよい。また、可塑化粘着樹脂が表面層に定着する方法を採用すればよいのであって、塗布法に限定されず、含浸法でもよい。また、シート状にした可塑化粘着樹脂と布や紙とを挟んで、プレスまたはローラで圧力をかけて接着してもよい。可塑化粘着樹脂は加圧すれば瞬時に接着可能であるし、加温すれば加圧力も少なくてすむ。層は一層に限らず複数層にしてもよい。また、可塑化粘着樹脂を表面に定着させる方法は塗布法や含浸法に限定されるものでなく高温にしてスプレー状に吹きつけて固定させてもよい。
また、本発明の可塑化粘着樹脂を靴の紐に塗ることにより紐がほどけにくくなるので、従来の紐靴が何度も歩く途中で結び直さねばならない煩わしさを解消できる。紐が緩みにくくなるのは、紐表面に可塑化粘着剤層が薄く形成されて、紐相互の摩擦抵抗が増大するので緩み難くなるのである。可塑化粘着剤は結び目近辺の紐表面に手で擦りつけて付着させてもよいが、予め、紐メーカなどが塗布した紐を提供してもよい。可塑化粘着剤は表面層に僅かに付着していれば摩擦力増大の機能を充分に発揮できる。また、可塑化粘着剤付の紐を解く場合には解き難いということはなく、紐自身がべたつくということもない。従って、可塑化粘着樹脂を表面に定着させる方法は、塗布法に限定されるものでなく、含浸法でもよいし、高温にしてスプレーしてもよい。
また、本発明の可塑化粘着樹脂をドライバーの先端に付着させることでビスを保持するのが容易になる。従来、ボルトやビスを手で添えることが困難な狭い部分にねじ込む場合には、ドライバー先端部を磁化させたドライバーがボルトやビスを吸着保持することにより、片手でねじ込むことが可能であった。しかし、ボルトやビスが磁気反応する鉄系素材でできているものには対応できても、その他の素材でできているものには対応できなかった。また、鉄系であっても耐食性を重んじたステンレス鋼で18−8ステンレス鋼(SUS304)といわれるものはCr18%−Ni8%が素材の鉄に添加されており、非磁化の特徴があるので磁石吸着できない。近年、錆を嫌う場所の用途には18−8ステンレス鋼でできたボルトやビスが増加しているので、本発明の可塑化粘着樹脂をドライバー先端部に付着させて得られる一時保持目的の吸着手段は簡便でよい。なお、可塑化粘着樹脂をプラスネジの頭などに予め塗布することでも同様の効果が得られる。この場合には通常のドライバーが使用可能となる。
以下に実施例を用いて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その趣旨を逸脱しない限り、これによって限定されるものではない。
実施例1:APPとワックス成分の配合比率を変化させた際の硬度変化試験
三菱化学株式会社製のアタクチックポリプロピレン(商品名:ユカタック−E2,平均分子量:約30000)と、融点が58℃近辺である市販のパラフィンワックスとを用い、上記成分の配合割合が0:100〜100:0(重量比率)となるようにして配合して、各配合物を約180℃前後の温度に加熱しながら撹拌して溶融混合を行ない、適当な大きさの成形金型内に入れて、自然冷却することにより試験片(樹脂A)直径約34mm、厚み約3mmを製造した。
又、上記のAPPと、日本ワックス株式会社製の精密鋳造用キャスティングワックス(品番:K−724)とを0:100〜100:0(重量比率)となるようにして配合し、得られた配合物100重量部に対してそれぞれ、樹脂練り込み用アルミニウム粉末(中塚金属箔粉工業株式会社製、粒径:74μm以下)3重量部を配合し、適当な大きさの成形金型内に入れて自然冷却することにより試験片(樹脂B)直径約34mm、厚み約3mmを製造した。
上記で得られた各試験片(樹脂A及びB)について、JIS K6031に規定するA型硬度計を用いて硬度測定を行なった。測定は約20℃に設定した環境中で行い、放射温度計を用いて各試験片の温度計測も行なった。尚、上記試験片の中には可塑化し易いものが含まれ、硬度計の針は時間と共に変化するので、計測針を押し当てて15秒経過後の計器の度数を測定し、各試験片の硬度とした。
図1は、上記の硬度測定により得られた硬度変化を示すグラフである。
図1から、選択するワックスとその配合比率で仕上がり製品の性状を示す元となる指標の硬度に相当の違いが現れることがわかる。
実施例2:本発明の可塑化粘着樹脂の製造例I
前記実施例1記載のAPP70重量部と、融点が58℃近辺である市販のパラフィンワックス30重量部とを配合し、得られた配合物を約170℃の温度に加温しながら撹拌溶融を行ない、適当な大きさの成形金型内に入れて自然冷却することにより試験片(樹脂A)直径約34mm、厚み約3mmを製造した。
この工程により得られた樹脂Aを自社開発製の縦型油圧プレス成形機の中に複数枚重ねて入れ、同サイズのピストンでシリンダー内の樹脂Aを強力な圧力で押しつけた。押しつけ圧力は樹脂Aが数10000kPa以上の圧力を必要とした。樹脂Aの温度が常温状態で押出を行った場合は先端部ノズル直径により押出圧力に相当の違いが生じた。内径2mmの円形開口の場合では初期圧力60000kPa程度以上を必要とした。
成形機の先端に設けられたノズルから可塑化された樹脂が一旦押し出されると押出圧力は30000kPa程度に急速に低下した。
本実施例では成形機の先端に設けられたノズルから可塑化された樹脂が押し出され出すと押出圧力は30000kPa程度に急速に低下した。本実施例では外径2mmの紐状の形態を有した本発明の可塑化粘着樹脂(乳白色)を製造した。樹脂Aが通過する全ての部分を予め加温しておけば押出圧力は相当下げられた。
実施例3:本発明の可塑化粘着樹脂の製造例II
前記実施例1記載のAPP64重量部、日本ワックス株式会社製の精密鋳造用キャスティングワックス(品番:K−724)33重量部の他に、樹脂練り込み用アルミニウム粉末(中塚金属箔粉社製、粒径74ミクロン以下 )3重量部を配合し、得られた配合物を、実施例1と同様に成形した。
そして、得られた樹脂Bを自社開発油圧プレス成形機の中に複数枚重ねて入れ、同サイズ径のピストンでシリンダー内の樹脂Bを強力な圧力で押しつけた。押しつけ圧力は数万kPa以上の圧力を必要とし、樹脂温度Bを常温で押出を行った場合は、先端部ノズル直径により押出圧力に相当違いが生じた。内径3mmの円形開口の場合では初期圧力45000kPa程度以上を必要とした。
成形機の先端に設けられたノズルから可塑化された樹脂が押し出され出すと押出圧力は30000kPa程度に急速に低下した。
本実施例では外径3mmの紐状の形態を有した本発明の可塑化粘着樹脂(シルバーメタリック色)を製造したが、樹脂Bが通過する全ての部分を予め加温しておけば押出圧力は相当に下げられた。
実施例4:上記実施例2及び3記載の可塑化粘着樹脂についての、手揉み後の硬度経時変化試験
上記実施例2及び3で得られた可塑化粘着樹脂をそれぞれ使用し、手揉みした時の柔らかさの度合いと、時間経過後の硬度増加を測定した。(20℃の環境中で保存)尚、経過時間毎の硬度測定は、それぞれの樹脂を手で揉み始めて最も柔らかくなった状態にした後で行ない、測定方法は、前記実施例1の場合と同じとした。
図2は、上記の硬度測定により得られた硬度の経時変化を示すグラフである。
図2から、本発明の可塑化粘着樹脂は、約5分を経過した後からグラフが徐々に上昇し硬度が硬くなる特性を有していることがわかる。このような特性を示す可塑化樹脂製品は、手揉み作業で柔らかくなればなるほど粘着性能が良くなり使い易くなる。また、一旦揉んで軟らかくした可塑化樹脂は放置すれば時間経過と共に硬度を増すが、放置後に硬度が増加する比率の高いものほど接合強度の性能がよい。
実施例5:上記実施例2及び3記載の可塑化粘着樹脂を用いたネジの緩み防止確認試験を行った。
a)ボルト‐ナット固定への使用例I
上記実施例2で得られた本発明の可塑化粘着樹脂を指で圧力を加えて5〜6回混練した後、市販のボルト‐ナットのボルトの先端側ネジ山部分の谷間を埋めるようにして可塑化粘着樹脂を擦り込んでナットを固定した。このようにしてネジ山に本発明の樹脂を擦り込んだ場合、ナットの締め始めから締め終わりまで常に一定の負荷がかかった状態で締め付けがなされ、ナット締め付け直後からナットが確実に固定されることが確認された。
又、上記実施例3で得られた可塑化粘着樹脂を用いた場合にも同様の結果が得られた。可塑化粘着樹脂の緩みトルクは上記状態て固定後に、24時間放置したM5サイズのナットを回す場合に、日本電産シンポ株式会社製のデジタルフォースゲージを用いて自社開発したデジタルトルクメーターで、10N/cm以上の初期回転抵抗があることが確認された。なお、本発明の可塑化粘着樹脂は、押出成形機での押出圧力が急速に減じた現象と同様に、ズリ始めの抵抗は大きいが、一旦ズレ出すと急速に抵抗を減ずる物性があることがわかった。
b)ボルト‐ナット固定への使用例II
上記実施例2で得られた本発明の可塑化粘着樹脂を、加熱手段を有した浴の中に入れ、徐々に昇温していくと70〜80℃の温度で溶融し始め、最終的には約160℃の温度を維持させた。この浴の中に市販のボルトの先端側ネジ山部を浸漬させて引き上げ、ネジ山部に樹脂を付着させた。このようにして樹脂を付着させたボルトにナットをネジ込んだ場合、ナットの締め始めから締め終わりまで常に一定の負荷がかかった状態で締め付けがなされ、ナット締め付け直後からナットが確実に固定されることが確認された。又、上記実施例3で得られた可塑化粘着樹脂を用いた場合にも同様の結果が得られた。
c)メガネのネジ固定へ使用した場合
上記実施例2で得られた本発明の可塑化粘着樹脂を指で圧力を加えて5〜6回混練した後、市販のメガネのネジのボルト部に少量付着させてからネジを固定した。このような状態でネジ止めされたメガネは長期間使用した後であってもネジの緩みがないことが確認された。又、上記実施例3で得られた可塑化粘着樹脂を用いた場合にも同様の結果が得られた。
実施例6:上記実施例2及び3記載の可塑化粘着樹脂を用いたテフロン(登録商標)板接着実験
上記実施例3で得られた本発明の可塑化粘着樹脂を指で圧力を加えて充分な柔らかさとなるまで混練した後、150mm×150mmの大きさのテフロン(登録商標)板(厚み約3mm)の表面に指で付着させ、その上から、同じ大きさのテフロン(登録商標)板を重ね合わせて指で圧着させた。このようにして得られた積層物の引張強度を、JIS K6849に従い、日本電産シンポ株式会社のデジタルフォースゲージを用いて自社開発した引張強度試験機で測定した。
1時間経過した後に測定したところ、約46N/cm2の接着強度が得られた。又、上記実施例3で得られた本発明の可塑化粘着樹脂を加熱して溶融させ、上記テフロン(登録商標)板間に挟んで溶融接合させた積層物の引張強度を、上記と同様にして1時間経過した後に測定したところ、約183N/cm2の接着強度であることが確認された。尚、本発明の可塑化粘着樹脂の硬度は経過時間の増加とともに増加する性質があるので、8時間後では25%程度も引張強度が増加する。さらに数日間程度の長期放置した場合では1時間放置の値より50〜70%程度も引張強度の増加が確認された。
また、溶融後、型に入れて自然冷却した場合の可塑化粘着樹脂は、日数増加と共に数日間で10〜20%も硬度が増加することが確認された。引張強度の増加の表現は増加した数値を元の数値で割り算して表現した。ただし、硬度の軟化や増加に関しての表現については、硬度計の針の度数変化を数値換算して差し引き計算したものを元の硬度計の数値で割り算した簡便な方法である。
この他、接着させる基材の材質をポリプロピレン板、アルミニウム板、木板などに変えて同様に試験した場合にも充分な接着強度が得られることが確認された。
引張強度は添加するワックスや配合比によって数値が変わる。日本ワックス株式会社製の精密鋳造用キャスティングワックスにはKシリーズがあるが、融点及び硬度は様々であり、硬度の硬いもの程、引張強度は強くなる傾向がある。ただし、強度が高まれば常温での手揉み作業も硬くて、作業者が使用しずらくなるので、使用目的に応じて適度な強度をもたせることがよい。
本発明に可塑化粘着樹脂を製造することに精密鋳造用のキャステイングワックスを用いたが、その理由としてキャステイングワックスの物理特性が一般のワックスに比較して、熱による膨張収縮率が小さいこと、硬度と強度のあること、加熱による変質の少ないこと、溶融粘度の小さいこと、溶融点の高いことである。
また、本発明の可塑化粘着樹脂は、従来からあるホットメルト接着剤と比べて、物理特性としての違いは、ホットメルト接着剤は固化すると強く硬くなることを目的とするものであって、固化したものは手で揉んだくらいでは容易に変形しない。従って、本発明の可塑化粘着樹脂が目的とする用途には使えない。
なお、本発明の可塑化粘着樹脂を製造するに際して用いるワックスは上記の実施例のワックスにこだわらず、他のメーカのものを用いてもよいし配合して用いてもよい。
本発明の可塑化粘着樹脂は、溶融接合ができることは勿論であるが、その他、指圧程度の圧力を加えると容易に変形し、変形を数回程度繰り返すと軟らかくなるとともに粘着性が発現してくる。また、この粘着性は放置すれば時間とともに粘着性が消失し、樹脂の硬度も元の硬度に戻る。ただし、溶融後に冷却放置したままものと、凝固点以下に冷却されたものを組織破壊したものとでは、一旦組織を破壊したものの方が同一温度条件でも20〜40%も軟らかくなる。
これは、樹脂内部の分子間の結合状態に微細な変化が生じ、同じ温度条件でも物理特性が変化したものであると言える。また溶融後に常温まで冷却された可塑化粘着樹脂は放置日数に応じて10〜20%も硬度が増すことも確認された。これは本発明の可塑化粘着樹脂の特徴的な物性変化であり、産業上での利用分野が広く、幅広い接着に利用できる。
しかも、本発明の可塑化粘着樹脂の場合には、化学反応のような接着機構による接着ではないために接着直後から十分な接着強度を示す。有機溶剤などを含まないので環境にも優しく、1回使用した後でも回収すれば何度でも再使用できる。密閉した状態での保存も不要の特徴もあり、容器形態にこだわらなくてよい。この樹脂をボルト、ナット、一般的なサラネジ、ナベネジ、止めネジ等の各種ネジのネジ山部に塗布してネジ止めを行なう本発明の方法を使用することにより、ネジの緩みを有効に防止でき、本方法は、メガネ分野においてメガネのネジが緩むのを防止するのにも適している。
実施例1における硬度測定により得られた配合比別硬度試験の結果を示すグラフである。 実施例4における硬度測定により得られた硬度の経時変化を示すグラフである。

Claims (6)

  1. 熱溶融させずに使用され、圧力を加えた際に塑性変形して粘着性及び接着性が生じる特性を有する樹脂であって、当該樹脂が、アタクチックポリプロピレンとワックス成分とから成り、前記樹脂における前記アタクチックポリプロピレンの配合割合が85〜40重量%であり、前記ワックス成分の配合割合が15〜60重量%であることを特徴とする可塑化粘着樹脂。
  2. 前記可塑化粘着樹脂に遮光性を付与するための遮光性付与剤として、平均粒径100μm以下の金属粉末が、前記アタクチックポリプロピレンと前記ワックス成分の配合物100重量部に対して1〜10重量部の割合で含有されていることを特徴とする請求項1記載の可塑化粘着樹脂。
  3. 熱溶融させずに使用され、圧力を加えた際に塑性変形して粘着性及び接着性が生じる特性を有する樹脂を製造するための方法であって、アタクチックポリプロピレンとワックス成分とを85〜40:15〜60の重量比率にて配合し、得られた配合物を溶融混合した後、凝固点以下の温度にまで冷却して押出又は圧延することを特徴とする可塑化粘着樹脂の製造方法。
  4. 前記の溶融混合によって得られた溶融混合物を、凝固点以下の温度に冷却後、圧力を加えながら、先端部分に所要形状の開口を有するノズルの先端から押し出すことを特徴とする請求項3記載の可塑化粘着樹脂の製造方法。
  5. ネジの緩みを防止するための方法であって、雄ネジの少なくとも先端側ネジ山部と、雌ネジのネジ山部のいずれか一方に、前記請求項1又2記載の可塑化粘着樹脂を付着させた後、前記雄ネジ又は雌ネジを回転させてネジ止めを行なうことを特徴とするネジの緩み止め方法。
  6. ネジの緩み防止機能を有したボルト及びナットで、当該ボルトの雄ネジの少なくとも先端側ネジ山部と、ナットの雌ネジのネジ山部のいずれか一方に、前記請求項1又2記載の可塑化粘着樹脂が塗布されていることを特徴とするボルト及びナット。
JP2004348788A 2004-12-01 2004-12-01 可塑化粘着樹脂 Expired - Fee Related JP4685420B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004348788A JP4685420B2 (ja) 2004-12-01 2004-12-01 可塑化粘着樹脂

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004348788A JP4685420B2 (ja) 2004-12-01 2004-12-01 可塑化粘着樹脂

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006152216A JP2006152216A (ja) 2006-06-15
JP4685420B2 true JP4685420B2 (ja) 2011-05-18

Family

ID=36630881

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004348788A Expired - Fee Related JP4685420B2 (ja) 2004-12-01 2004-12-01 可塑化粘着樹脂

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4685420B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013079463A (ja) * 2011-10-04 2013-05-02 Eishiyou Kagaku Kogyo Kk 靴紐のほどけ防止用スプレー

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5462236A (en) * 1977-10-27 1979-05-19 Mitsui Polychemicals Ltd Method of making hot melt adhesive
JPS59182871A (ja) * 1983-01-28 1984-10-17 ナシヨナル・スタ−チ・アンド・ケミカル・コ−ポレイシヨン 非くつつき性のホツトメルト接着剤
JPS6197496A (ja) * 1984-10-12 1986-05-15 ハリマ化成株式会社 防湿紙
JPH04315123A (ja) * 1991-04-15 1992-11-06 Wakayoshi Seisakusho:Kk ルーズレス式雌ネジ
JPH055353A (ja) * 1991-06-25 1993-01-14 Bridgestone Corp 床板支持装置
JPH07241953A (ja) * 1994-03-07 1995-09-19 Okura Ind Co Ltd 多層シルバーフィルム
JPH09316252A (ja) * 1996-05-31 1997-12-09 Goyo Paper Working Co Ltd 水分散性ホットメルト組成物及びこれを用いた防湿紙並びにその製造方法
JPH10130587A (ja) * 1996-10-28 1998-05-19 Three Bond Co Ltd ねじ部材などに用いられるプレコート型接着剤組成物

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5462236A (en) * 1977-10-27 1979-05-19 Mitsui Polychemicals Ltd Method of making hot melt adhesive
JPS59182871A (ja) * 1983-01-28 1984-10-17 ナシヨナル・スタ−チ・アンド・ケミカル・コ−ポレイシヨン 非くつつき性のホツトメルト接着剤
JPS6197496A (ja) * 1984-10-12 1986-05-15 ハリマ化成株式会社 防湿紙
JPH04315123A (ja) * 1991-04-15 1992-11-06 Wakayoshi Seisakusho:Kk ルーズレス式雌ネジ
JPH055353A (ja) * 1991-06-25 1993-01-14 Bridgestone Corp 床板支持装置
JPH07241953A (ja) * 1994-03-07 1995-09-19 Okura Ind Co Ltd 多層シルバーフィルム
JPH09316252A (ja) * 1996-05-31 1997-12-09 Goyo Paper Working Co Ltd 水分散性ホットメルト組成物及びこれを用いた防湿紙並びにその製造方法
JPH10130587A (ja) * 1996-10-28 1998-05-19 Three Bond Co Ltd ねじ部材などに用いられるプレコート型接着剤組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006152216A (ja) 2006-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2096277C1 (ru) Способ упаковки клеящей композиции (варианты) и упакованная клеящая композиция (варианты)
MX2007005095A (es) Proceso para empacar materiales plasticos como adhesivos de fusion en caliente.
BRPI0816227A2 (pt) composição e método de moldagem por cisalhamento mínimo, e objeto moldado
CN109207094A (zh) 一种eva热熔压敏胶黏剂及其制备方法
CN109689340A (zh) 由粉末状橡胶材料制造3d结构体的方法及其产品
CN105643756A (zh) 软木材及其成型方法
JP4685420B2 (ja) 可塑化粘着樹脂
US3267052A (en) Adhesive applicator crayon
US8735480B2 (en) Adhesive composition for tyres, method for producing this composition and method for glueing tyres using this composition
JPH06506250A (ja) 感圧接着テープおよびその製造方法
CN108912794A (zh) 一种腻子及其制备方法、施工方法
JP2008013732A (ja) 造形物用スラリー組成物、造形物の造形方法及び造形物用スラリー組成物を用いた各種材料、その使用方法
CN104987845B (zh) 一种环保型易撕保护胶带及其制备方法
JP2020143282A (ja) 新規の熱応答性接着剤、その材料の製作方法及びその使用方法
TW201704432A (zh) 用於黏性熱熔黏合劑之外殼材料
CN101376729A (zh) 一种液态固化弹性保护膜及其制造方法
JP2020186063A (ja) 粘着性物質包装用フィルム
Athavale Hand Book of Pressure Sensitive Adhesives and Coatings: Pressure Sensitive Adhesives Technology
JP2013516366A (ja) 粘着性ポリエステル樹脂を梱包する方法
JPS60197784A (ja) 水膨潤性組成物および止水性成形物
JPS6055307B2 (ja) ポリエチレン成形品
JP2014065781A (ja) 積層部材の製造方法及びそれに用いるホットメルト樹脂組成物
WO1993021387A1 (en) Pavement, pavement material and method of manufacturing same
JPH0564562B2 (ja)
JPS5910689B2 (ja) エポキシ樹脂系パテ状物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071122

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20071122

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20071122

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080115

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20091014

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100813

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100818

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101014

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110119

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110210

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140218

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4685420

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees