JP4685309B2 - 高分解能位置決めおよび多探針プローブの位置決め用ナノドライブ - Google Patents
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Description
(発明の分野)
本発明は一般的に高分解能位置決め用および多点プローブの位置決め用ナノドライブに関し,さらに,テストサンプルの特定位置上の電気的性質を調べる技術特に,例えば,LSIおよびVLSI複合体等の半導体集積回路をプロービングおよび解析する技術に関連している。
【0002】
(関連技術の説明)
慣性力により非常に小さな動きを作り出す方法が文献,例えば,米国特許第5229679号から知られている。この方法を図17を参照しながら説明する。
【0003】
従来技術に従って非常に小さな動きを作り出す装置はサポート1701,可動部1703,圧電素子1705および慣性部1707を含んでいる。可動部1703は重力またはスプリング荷重によりサポート1701に対して保持される。圧電素子はそこへ電界を加えることにより伸縮することができる。伸縮が緩やかに生じる場合には,サポートおよび可動部間の摩擦力により可動部のいかなる動きも防止される。しかしながら,圧電素子が迅速に伸縮するように可動部上の電界が変化する場合には,可動部上の力が可動部と基板間の摩擦力を越えて,可動部は基板に対してその位置を1μm以下だけ変えてしまうことがある。このようにして,緩やかな収縮に迅速な伸張が続くと可動部は位置を変えてしまう。それは図17aから図17cに示されている。素子の緩やかな収縮と迅速な伸張を繰り返すことにより,可動部は数mmにわたって移動することができる。図17dから図17fに示すように,圧電素子の迅速な収縮と緩やかな伸張を繰り返すことにより,可動部を反対方向に移動させることができる。
【0004】
従来技術では,可動部の動きを作り出すのに圧電素子の移動方向の長さの変化しか使用されない。動きを与える圧電素子上の電界の時間依存性が文献にのこぎり波形として記述されている(例えば,米国特許第5568004号)。
【0005】
従来技術では,実現されている既知の全ての動作原理が可動部1703を使用してそこに固定された物体を下層サポート1701に固定されるもう一つの物体まで動かす。さらに,現在実現されている既知の全ての動作原理では,摩擦力は重力,電磁力,または外部スプリング荷重等の外力により非常に非対称的な方法で誘起される。
【0006】
テストサンプルの電気的性質をテストするために最も広く使用されている技術には,国際特許出願WO94/11745に記載されているような四探針プローブを利用して被処理半導体ウエーハの表面の抵抗率もしくはキャリヤ濃度プロフィールを発生することが含まれる。さらに,例えば,エス.エム.スツェ,Semiconductor devices-Physics and Technology, Wiley New York(1985)を参照されたい。
【0007】
図1に一般的に示すように,従来の四探針プローブ技術は典型的にインライン構成として位置決めされる点を有する。図2に詳細に示すように,2つの周辺点に電流を加えることにより,四探針プローブの2つの内部点で電圧を測定することができる。したがってテストサンプルの電気的抵抗率を次式で求めることができ,
ρ=c・(V/I)
ここに,Vは内部の点間で測定した電圧であり,Iは周辺点に加えられる電流であり,cはテストサンプルの表面接触分離dおよびディメンジョンによって決まるジオメトリファクタである。修正係数を計算するためのいくつかの方式が開発されており,エフ.エム.スミツ,Measurement of Sheet Resistivities with the Four-Point Probe, Bell System Technical L. 37,711(1985),EP0299875B1,およびジェー.シおよびワイ.サン,New method for calculation of the correction factors for the measurement of sheet resistivity of a square sample with a square four-point probe, Rev.Schi.Instrum.681814(1997)を参照されたい。
【0008】
四探針プローブは一般的に,例えば半導体ウエーハである,テストサンプルと接触位置決めされる4つのタングステンもしくは固体炭化タングステンからなっている。外部位置決めシステムが四探針プローブをウエーハ表面に対して垂直な方向に移動させることにより半導体ウエーハと物理的に接触させる。例えばでこぼこのウエーハ表面に四探針が全て物理的に接触することを保証するために,ウエーハ表面に対して垂直な圧力を四探針プローブに加えなければならない。したがって,表面上のチップからの圧力はチップ間で変動する。チップは典型的には0.5mm程度の図1に示す距離dだけ離されている。
【0009】
前記した四探針プローブに替わるものは米国特許第5,347,226号に開示され本開示の一部としてここに組み入れられているSR(広がり抵抗)プローブである。SRプローブは1本のカンチレバーアーム上に配置された2つのプローブチップからなっている。SRプローブは,半導体ウエーハのでこぼこな表面との物理的接触を正確に制御するために加えられる圧力等を監視しながら,外部位置決めシステムによりウエーハ表面と物理的に接触させられる。しかしながら,チップは同じカンチレバービーム上に配置されているため,最大圧力を監視しながら監視された圧力により1つのチップは物理的接触が悪いままとされることがある。
【0010】
さらに,抵抗測定方法および測定プローブ製作方法に関する一般的技術分野について説明されている米国特許第5,475,318号,米国特許第5,540,958号,米国特許第5,557,214号,欧州特許EP0466274および欧州特許出願EP98610023.8,独国特許出願DE19648475および日本国特許出願JP07199219,JP01147374およびJP H8−15318を参照されたい。米国特許は本開示の一部としてここに組み入れられている。さらに,IEEE1989,pg.289−292,第7号のスーニルホン等のdesign and fabrication of a monolithic high-density probe card for high-frequency on-wafer testingに関する論文,IEEE1996,pg.429−434,第6号のチャンジオールリー等のhigh-density silicon microprobe arrays for LCD pixel inspectionに関する論文,Journal of Vacuum Science & Technology B(Microelectronics Processing and Phenomena)1991第9号,pg.666のテー.フジイ等のmicropattern measurement with an atomic force microscopeに関する論文,Journal of Vacuum Science & Technology B(Microelectronics Processing and Phenomena)1993第11号,pg.2386のエッチ.ダブリュ.ピー.クープ等のConstructive three-dimensional lithography with electron beam induced deposition for quantum effect devicesに関する論文,Journal of Vacuum Science & Technology B(Microelectronics Processing and Phenomena)1996第14号,pg.6のエッチ.ダブリュ.クープ等のconductive dots, wires, and supertips for field electron emitters produced by deposition on samples having increased temperatureに関する論文,およびPhysics Rev. B 1995第51号,pg.5502のキュー.ニウ等のdouble tip scanning tunneling microscope for surface analysisに関する論文を参照されたい。
【0011】
さらに,テストされるテストサンプルの表面との接触の確立に関する前記制限とは別に,従来技術のプローブはテスト技術の小型化に関して限界を有し,それはこれまで知られているプローブは任意の2つのチップ間の最大間隔を0.5mm程度の寸法に制限するためであり,それは,特に四探針プローブに関する限り,製造技術に個別のテストピンを機械的に位置決めおよび拘束することが含まれるためであり,またSRプローブに関する限り全体構造に関して極端な複雑さを示しまたSRプローブの全体構造によりSRプローブの利用に関してある欠点があるためである。
【0012】
本発明の目的は従来のテスト技術に比べてより小さいディメンジョンの電子回路をテストすることができるテストプローブ,特にテストピン間の間隔を100nm程度の,例えば,1nm−1μmもしくはそれ以下の0.5mmよりも小さい間隔とすることができる新しいテストプローブを提供することである。
【0013】
本発明の特別な利点は,本発明に従ったテストプローブが個別に曲げたり撓めたりすることができるプローブアームを含んでいるため,新しい多探針プローブを含む新しいテスト技術により任意のテストピンとテストサンプルの特定位置との間に信頼できる接触を確立するのにプローブを利用できるという事実に関連している。
【0014】
本発明の特徴は,本発明に従ったテストプローブを電子回路の製作とコンパチブルな工程で製作することができるため,測定電子装置をテストプローブ上に一体化することができ,プレーナ技術,CMOS技術,厚膜技術もしくは薄膜技術およびLSIおよびVLSI製作技術を含む任意適切な回路技術により作られる任意のデバイス上でテストを実施することができるという事実に関連している。
【0015】
前記目的,前記利点および前記特徴は,本発明の好ましい実施例の下記の説明から自明となる非常にたくさんの他の目的,利点および特徴と共に,本発明の第1の特徴に従って,テストサンプルの特定位置における電気的性質をテストする多探針プローブによって得られ,それは,
(a) 支持体と,
(b) 第1の多数の導電性プローブアームであって,前記支持体の表面と共面に位置決めされ,前記支持体から自由に延び,前記第1の多数の導電性プローブアームの個別に撓むことができる動作を与える第1の多数の導電性プローブアームと,を含み,
(c) 前記導電性プローブアームは前記導電性プローブアームを前記支持ウエーハ本体上にそれと面接触させて製作し,前記支持体を提供する前記ウエーハ本体の一部を除去して前記支持体から自由に延びる前記導電性プローブアームを提供することを含む前記多探針プローブの製作工程から作り出される。
【0016】
本発明の基本的な実現に従って,本発明の第1の特徴に従った多探針プローブは,特に支持体からプローブが製作されるプレーナ技術を含む,電子回路製作技術に従って実現され,それは第1の多数の導電性プローブアームがその上に製作されるウエーハ本体から作り出され,CVD(chemical vapor deposition),PECVD(plasma enhanced CVD),ECR(electron cyclotron resonance),もしくはスパッタリング,エッチングあるいは任意他の製作技術,例えば,電子ビームリソグラフィ,AFM(atomic force microscopy)リソグラフィもしくはレーザリソグラフィ,等の高分解能リソグラフィ法,等の任意の既知の技術により達成される堆積を含み,それから元の支持体の一部が機械的研削もしくはエッチングにより除去されて自由に延びる導電性プローブアームが作り出され,それは本発明の第1の特徴に従って多探針プローブのテストピンを構成する本発明の特徴を示す。
【0017】
元のウエーハ本体から除去されて導電性プローブアームを支持する本体を作り出す前記部分は元のウエーハ本体の非主要部もしくは主要部を構成することができ,支持体は本発明に従った多探針プローブの別の実施例に従って,導電性プローブアームの自由に延びる部分に比べて寸法的に非主要部もしくは主要部を構成することができる。
【0018】
本発明の基本的実現に従って本発明の第1の特徴に従った多探針プローブの特徴を示す導電性プローブアームにより,テストサンプルの表面に関して垂直に移動される前記した四探針プローブから明確なテストされるテストサンプルの表面に関して導電性プローブアームの角位置決めにおける多探針プローブの接触が可能とされる。多探針プローブの導電性プローブアームの角方位により可撓性で弾性湾曲可能な導電性プローブアームはテストサンプルの任意特定の所期位置に接触して,問題とする位置と信頼度の高い電気的接触を達成することができる。
【0019】
湾曲もしくは撓んで導電性プローブアームと接触するテストサンプルに関する導電性プローブアームの角位置決めを利用して多探針プローブとテストサンプルのテスト位置間の接触を確立する本発明の特徴を示す技術により,プローブアームはテストされるテストサンプルを機械的に破壊したり劣化させることを防止され,それはLSIおよびVLSI回路等の特定用途においては決定的に重要なことである。
【0020】
従来技術の四探針プローブアームとは異なり,第1の多数の導電性プローブアームを含む本発明に従った多探針プローブは,導電性プローブアームを互いにかつ支持体に対して任意の相互方位としてテストされる特定のテストサンプル等の特定の必要条件に適合させることができる生産技術を利用するため,任意適切な構成とすることができる。この点について,本発明の特定の特徴,すなわち電子回路を生産するのに使用される技術とコンパチブルな生産技術を利用する可能性,により多探針プローブはマイクロシステム用の既存のCAD/CAM技術を利用して特定の必要条件に従って容易に構成することができる。しかしながら,本発明の第1の特徴に従った多探針プローブの好ましい実施例に従って,第1の多数の導電性プローブアームは支持体の多数の平行な自由延長部を一方向に構成している。
【0021】
特定の必要条件,特に,テストサンプルを構成する被テスト電子回路の特定の構成もしくはジオメトリに従って本発明の第1の特徴に従って多探針プローブを構成する前記した可能性により,導電性プローブアームは支持体の1表面上に位置決めすることができ,あるいは,別の実施例に従って支持体の2つの対向面上に,あるいは支持体の非対向面上,例えば,立方支持体の隣接表面上に位置決めすることができる。
【0022】
本発明の第1の特徴に従った多探針プローブの1表面上の第1の多数の導電性プローブアームは2の倍数からなり,少なくとも2本の導電性プローブアームから64本の導電性プローブアームまでの範囲であり,好ましい実施例として1表面上に位置決めされた4本の導電性プローブアームを有する。2つの周方向に位置決めされた導電性プローブアーム間でテストサンプルの表面にテスト信号を加えると,2つの内部導電性プローブアーム間でテストサンプルの電気的性質の情報を含むテスト信号が得られる。
【0023】
本発明の第1の特徴に従った多探針プローブの第1の多数の導電性プローブアームは矩形断面を有し,ディメンジョンは次のように定義される,幅は多探針プローブの支持体の表面に平行であり,奥行きは多探針プローブの支持体の表面に垂直であり,長さは多探針プローブの支持体から自由に延びる導電性プローブアームの長さである。第1の多数の導電性プローブアームのディメンジョン比は長さ対幅が500:1から5:1の範囲内であって50:1および10:1の比も含まれ好ましい実施例では10:1の比であり,幅対奥行比は20:1から2:1の範囲内であり好ましい実施例では10:1の比である。第1の多数のプローブアームの長さは20μmから2mmの範囲内であり好ましい実施例では200μmの長さである。導電性プローブアームの遠端点の分離は1μmから1mmの範囲であり,好ましい実施例では20μm,40μmおよび60μmである。しかしながら,前記したように,本発明の第1の特徴に従った多探針プローブのディメンジョンは生産技術の現在の技術状況の関数として変動し,したがって本発明に対する制約とはならない。
【0024】
第1の多数のプローブアームの遠端は本発明の第1の特徴に従った多探針プローブの支持体に対向する長さの端部に続く多様な任意の形状を含む。自由に延びる導電性プローブアームの長さの連続部は尖った遠端点,テーパー付き遠端点もしくは拡大円形,楕円形もしくは直交方形遠端もしくはそれらの組合せとしての形状を含む。第1の多数の導電性プローブアームの精巧な遠端点により,LF範囲およびHF範囲の周波数を含むDCからRFまでの周波数範囲におけるテストサンプルの抵抗性,容量性もしくは誘導性電気的性質である,テストサンプルの電気的性質の測定を最適化することができる。
【0025】
本発明の第1の特徴に従った多探針プローブはさらに,特定の必要条件に従って,支持体上の第1の多数の導電性プローブアーム間の共面,持上げもしくはアンダーカットエリア上に配置された第2の多数の導電性電極を含む。第2の多数の導電性電極は第1の多数の導電性プローブアームをアクティブガード(active gurd)して漏洩抵抗を著しく低減するのに適しており,その結果,本発明の測定精度が高められる。
【0026】
本発明の第1の特徴に従った多探針プローブの支持体の材料はセラミック材料もしくはGe,Si等の半導体材料もしくはそれらの組合せを含む。半導体材料Ge,Siもしくはそれらの組合せを使用することにより,多探針プローブの製作工程における微細製作技術が考慮され,したがって微細製作技術の利点から利益が得られる。
【0027】
第1の多数の導電性プローブアームの頂面上の導電層および本発明の第1の特徴に従った多探針プローブ上の第2の多数の導電性電極の導電層はAu,Ag,Pt,Ni,Ta,Ti,Cr,Cu,Os,W,Mo,Ir,Pd,Cd,Re,導電性ダイヤモンド,メタルシリサイドもしくはそれらの任意の組合せ等の導電性材料で作られる。
【0028】
本発明の好ましい実施例の以下の詳細な説明から明らかである非常に多くの他の目的,利点および特徴が,本発明の特定の特徴に従って,テストサンプルの特定位置における電気的性質をテストする多探針プローブによって得られ,それは,さらに,
(d)前記第1の多数の導電性プローブアームの前記遠端から延びる第3の多数の導電性チップエレメントを含み,
(e)前記導電性チップエレメントはその前記遠端における前記第1の多数の導電性プローブアーム上の電子ビーム堆積のメタライゼーション工程から作り出される。
【0029】
本発明の好ましい実施例のこの特徴により導電性チップエレメントの極端に小さい分離が行われ,したがって極端に小さいディメンジョンを有する広範なテストサンプルに対する測定ツールを提供することができる。
【0030】
第3の多数の導電性チップエレメントはプライマリセクションおよびセカンダリセクションを含むことができ,導電性チップエレメントはその各プライマリセクションを介して導電性プローブアームに接続され,セカンダリセクションは自由接触端を規定する。それにより多探針プローブのいくつかの任意の構成および設計が得られる。
【0031】
本発明の特定の特徴に従った多探針プローブは各プライマリセクションに対する第1の軸方向を規定し,第1の軸方向は支持体と自由接触端間の合計距離の増加を構成する。プライマリセクションの軸方向は第3の多数の導電性チップエレメントの自由接触端間の分離の減少を構成し,もしくは隣接する第3の多数の導電性チップエレメントの自由接触端間の分離の減少を構成する。さらに,各セカンダリセクションに対する第2の軸方向が規定され,第2の軸方向は支持体と自由接触端間の合計距離の増加の増加を構成する。セカンダリセクションの第2の軸方向は第3の多数の導電性チップエレメントの自由接触端間の分離の減少を構成する。セカンダリセクションに対する第2の軸方向は隣接する第3の多数の導電性チップエレメントの自由接触端間の分離の減少を構成する。
【0032】
さらに,プライマリセクションの第1の軸方向は支持体の第1の表面により規定される面に平行な方向,もしくは支持体の第2の表面により規定される面に向かって収束する方向に延びる。同様に,セカンダリセクションの第2の軸方向は支持体の第1の表面により規定される面に平行な方向,もしくは支持体の第2の表面により規定される面に向かって収束する方向に延びる。これらの設計構成により多様なテストサンプルを検査する広範な可能性が得られる。
【0033】
第3の多数の導電性チップエレメントは第1の多数の導電性プローブアームに等しいか,第1の多数の導電性プローブアームよりも少ないか,あるいは第1の多数の導電性プローブアームよりも多くすることができ,好ましい応用は2で割れる第3の多数の導電性チップエレメントを有する。
【0034】
第3の多数の導電性チップエレメントは1nm−100nmの範囲の導電性チップエレメントの自由接触端の分離を有し,好ましい応用では,2nm,5nm,10nm,20nm,50nm,100nmの分離を有する。
【0035】
導電性チップエレメントのディメンジョンは導電性プローブアームの遠端と導電性チップエレメントの自由接触端間の距離として全長を規定し,全長は100nmから100μmの範囲内であり,好ましい応用では全長は500nmから50μmおよび1μmから10μmの範囲内であり,直径は10nmから1μmの範囲内であり,好ましい応用では全長は50nmから500nmの範囲内である。
【0036】
第3の多数の導電性チップエレメントの生産に利用される材料は主としてカーボンからなり,さらにある濃度の混入物を含む。
【0037】
第3の多数の導電性チップエレメントは傾斜電子ビーム堆積工程,垂直電子ビーム堆積工程,もしくは傾斜電子ビーム堆積と垂直電子ビーム堆積の組合せ工程から作り出すことができる。第3の多数の導電性チップエレメントのメタライゼーションはインシチュー(in-situ)金属堆積もしくはエクスシチュー(ex-situ)金属堆積工程から作り出すことができる。
【0038】
前記目的,前記利点および前記特徴は,本発明の好ましい実施例の以下の詳細な説明から明らかな非常に多くの他の目的,利点および特徴と共に,本発明の第3の特徴により,多探針プローブを製作する方法によって得られ,それは,
(i) ウエーハ本体を提供するステップと,
(ii) 前記ウエーハ本体と共面かつ面関係で位置決めされた第1の多数の導電性プローブを製作するステップと,
(i) 前記ウエーハ本体の一部を除去して前記導電性プローブアームがそれから自由に延びる支持体を構成する前記ウエーハ本体の前記非除去部から自由に延びる前記導電性プローブアームを提供するステップと,
(ii) 前記第1の多数の導電性プローブアームの前記遠端から延びる第3の多数の導電性チップエレメントを製作するステップと,を含む。
【0039】
本発明の第2の面に従って多探針プローブを作り出す方法は,支持体に関して自由に延びる導電性プローブアームを作り出すことができる任意の関連技術を含むことができる。関連しかつ興味ある技術は半導体マイクロ製作技術,厚膜技術,薄膜技術またはそれらの組合せに基づいている。
【0040】
第3の多数の導電性チップエレメントの製作は下記のステップを含む。
(a) 水平に平行な支持体の前記第1の表面を有する多探針プローブを顕微鏡室内の保持手段上に搭載する,
(b) 前記導電性チップエレメントの前記プライマリセクションおよび前記セカンダリセクションの傾斜を示す角度αおよびβを選択する,
(c) 1つの位置に電子ビームを5分間集束させて得られる第1の堆積の長さを測定することにより堆積速度を測定する,
(d) 前記保持手段を傾斜および回転させ前記選択した角度αおよびβとの一致を示す前記電子ビームの角度と同一の視野角から前記第1の堆積の視野を与える,
(e) 前記導電性プローブアームの前記遠端の1つの上にある長さを堆積する,
(f) 前記保持手段を傾斜および回転させて第2の堆積位置の視野を与える,
(g) 前記導電性プローブアームの隣接する前記遠端上に前記長さを堆積する,
(h) 導電性プローブアームの分離がそのじぐざくの分割よりもおよそ100nm大きくなるまでステップcからgを繰り返す,
(i) 前記セカンダリセクションの傾斜を示す角度α1を選択する,
(j) 前記保持手段を傾斜および回転させてβ=0およびα=α1を選択する,
(k) 前記プライマリセクションに連続して前記セカンダリセクションを延ばす,
(l) 第1および第2の堆積における電子ビームの位置を交番することにより堆積が進行することを保証する。
【0041】
本発明の第2の特徴に従って多探針プローブを製作する方法は,さらに,第1の多数の導電性プローブアームの遠端から延びる第3の多数の導電性チップエレメントに導電層を施す技術が電子ビーム堆積のメタライゼーションを含むことができる。
【0042】
本発明の目的は既知の動作原理をより単純な方法で機械的に実現することである。特に,本発明において摩擦力は移動部および基板内の固有の弾性力により生じる。それを達成するために,移動部および基板は直径および表面粗さが非常に高精度で加工される。
【0043】
既知の動作原理の従来のインプリメンテーションに優る本発明の利点は多い。
1.移動部およびサポート間の摩擦力は外面したがって周囲に対する方位に依存しない。
2.本発明は完全な円柱対称性を有し,温度変化に対して非常に鈍感とされる。
3.本発明において移動部を支持する力は外面上に均一に分布され,無比の機械的安定性を与える大きな支持エリアを与える。
4.本発明は最小数の移動部を含む。
5.移動部およびサポート間の摩擦の分布領域は流体力学的シールを構成し,本発明をマイクロピペットおよびマイクロバルブシステムに応用することができる。
【0044】
本発明の第2の目的は非常に高精度で空間内の特定点を位置決めする手段を提供することである。例えば,顕微鏡プローブをこの点に取り付けることができる。
【0045】
本発明の第3の目的は高調波信号だけを使用して移動部の動作を起動する新しい方法を提供することである。この方法は電気的に制御するのが容易でありアクチュエータの寿命を延ばす。
【0046】
本発明の第4の目的は極端に小さい体積の気体または液体を制御することができるマイクロピペット装置を提供することである。
【0047】
本発明の第5の目的は気体または液体流を極端な精度まで制御することができるマイクロバルブ装置を提供することである。
【0048】
前記した目的を達成するために,本発明は一つまたは二つの電気機械アクチュエータの遠端に固定された一つまたは二つの慣性部材を提供し,アクチュエータは可動部材および基板間に分布された固有摩擦力が存在するように周囲の基板により移動可能に支持される可動部材に固定される。可動部材および基板間を連結する分布された固有摩擦は流体力学的シールを提供する。電気機械アクチュエータに電界を加えることにより,移動部材はサポートに対して移動される。
【0049】
前記目的,前記利点および前記特徴は,後述する本発明の好ましい実施例の詳細な説明から明らかとなるおびただしい他の目的,利点および特徴と共に,本発明の第3の特徴に従って,高分解能を有する特定のドライブツール用円柱状ナノドライブにより得られ,それは,
第1の縦軸および円柱状内面を有する内部開放端円柱状空間を画定する支持体と,
外部接触面,第1の搭載面および第2の搭載面を画定する可動部材であって,前記外部接触面は前記内部開放端円柱状空間と噛み合い,前記可動部材は前記内部開放端円柱状空間内へ挿入され前記可動部材の前記接触面および前記内部開放端円柱状空間の前記円柱状内面は前記可動部材と前記支持体間のスライディングフィットを作り出す可動部材と,を含み,
前記可動部材と前記支持体間のスライディングフィットは前記円柱状内面と前記外部接触面間の全接触エリアに沿って確立され,かつ前記接触エリアの任意の特定のエリアにおいて原子寸法の1から5乗以下の,好ましくは1から3,3から5または2から4乗のサイズを有するディメンジョンの間隔をその間に画定する前記外部接触面および前記円柱状内面により提供され,さらに,
第1の近端および第2の近端を有し前記可動部材に対するカウンターウェイトを提供する慣性体と,
第2の縦軸,第3の近端および第4の近端を画定するアクチュエータであって,前記アクチュエータは前記第3の近端において前記慣性体の前記第1の近端に接続され前記アクチュエータの前記第4の近端は前記可動部材の前記第1の搭載面に接続され,前記アクチュエータの前記第2の縦軸は前記開放端円柱状空間の前記第1の縦軸に実質的に平行であるアクチュエータを含み,
前記アクチュエータは前記第1の縦軸に平行な方向への前記アクチュエータの伸縮により前記円柱状空間内へ前記可動部材を移動させる。
【0050】
本発明の第3の特徴に従った円柱状ナノドライブは高分解能位置決め,特に,多探針プローブの高精度位置決め手段を提供する。
【0051】
本発明の第3の特徴に従った円柱状ナノドライブの支持体は炭化物や窒化物等の化学的に不活性の固い材料で作られ全体的に三角形,矩形,楕円形,円錐形,立方形,球形または円柱形の外面またはそれらの任意の組合せを画定し,好ましくは支持体は全体的に円柱形の外面を画定する。支持体の円柱形外面は第1の縦軸と実質的に同軸の第3の縦軸を画定し,内部開放端円柱状空間は内径を有する円形断面エリアを画定する。
【0052】
同様に,可動部材は炭化物や窒化物等の化学的に不活性の固い材料で作られ全体的に三角形,矩形,楕円形,立方形,球形,円錐形または円柱形の外形またはそれらの任意の組合せを画定する。好ましくは,可動部材は立体円柱形の一端に第1の搭載面を画定し円柱形の他端に第2の搭載面を画定する全体的な立体円柱形状を画定する。第1および第2の搭載面は,可動部材と支持体との間にスライディングヒットを提供するために,開放端円柱状表面の内径に実質的に等しい外径を有する円形領域を画定する。可動部材は可動部材と支持体の円柱状内面との間のスライディングヒットを構成する開放端円柱状表面の内径に実質的に等しい外径を有する全体的に円柱状のカップ形状を画定する。可動部材は第1の搭載面を構成する底部カップ状内面および第2の搭載面を構成する底部カップ状外面を画定しかつ第1の搭載面に搭載されるアクチュエータの第4の近端を有し,アクチュエータの第2の縦軸は開放端円柱状空間の第1の縦軸に実質的に平行である。全体的に円柱状のカップ形状は可動部材と支持体の円柱状表面との間のスライディングヒットを構成する支持体の円柱状表面の外径に実質的に等しい内径を有する。可動部材はさらに第1の搭載面を構成する底部カップ状外面および第2の搭載面を構成する底部カップ状内面を画定しかつ第1の搭載面に搭載されるアクチュエータの第4の近端を有し,アクチュエータの第2の縦軸は開放端円柱状空間の第1の縦軸に実質的に平行である。
【0053】
本発明の第3の特徴に従ったナノドライブの慣性体は炭化物や窒化物等の化学的に不活性の固い材料で作られ全体的に立方形,円錐形,三角形,矩形,楕円形,球形または円柱形の外形またはそれらの任意の組合せを画定する。好ましくは,不活性体は第1の近端において第3の縦軸および実質的に同軸の第1の縦軸を有するアクチュエータの第3の近端に接続された第3の縦軸を有する全体的な円柱形状を画定する。さらに,不活性体は電気的測定を実施するためのプローブ手段を含むことができる。
【0054】
ナノドライブおよびプローブのディメンジョンにより組合せはテストサンプルに高分解能測定を実施することができる。さらに,円柱状ナノドライブの可能な多様な幾何学的形状により多様なインプリメンテーションに対して円柱状ナノドライブをカスタム化するための理想的な機会が提供される。
【0055】
円柱状という用語は固定された平面曲線を切断するように固定された直線に平行に移動する直線により作り出される表面として定義される数学的感覚で考えられるものである。
【0056】
本発明の第3の特徴に従った円柱状ナノドライブのアクチュエータは全体的な三角形,立方形,円錐形,矩形,楕円形,球形または円柱形またはそれらの任意の組合せを画定する。好ましくは,アクチュエータは円形断面エリアを有する全体的な円柱形状を画定し石英等の圧電材料から構成される。さらに,アクチュエータは縦方向および横方向に伸縮しアクチュエータを電気的,磁気的,機械的,流体的または空気圧的またはそれらの任意の組合せで作動させる,好ましくは,アクチュエータを電気的に作動させることにより可動部材の縦方向の動きを提供する。
【0057】
アクチュエータは,さらに,その内面および/または外面上に搭載された電極を含み,電極に電気的信号を加えることによりアクチュエータを縦方向および横方向に伸縮させる。電気的信号はDC信号および/または交番する方形波信号,交番する三角波信号または正弦波信号等のAC信号またはそれらの任意の組合せにより構成される。任意の組合せの電気的信号に従って動作するアクチュエータを有する本発明の第3の特徴に従った円柱状ナノドライブのインプリメンテーションによりさまざまな利点が達成される。例えば,円柱状ナノドライブの制御は任意所望の方法で変更させて円柱状ナノドライブの所望の動作および所望の速度を形成することができる。
【0058】
本発明の第3の特徴に従った円柱状ナノドライブの第1の実施例では,内部円柱状空間を画定する支持体は,さらに,同軸配置され内部円柱状空間に通じ第1の縦軸へ向かってテーパー付けられて開口を介した内部円柱状空間への低減されたアクセスを残すことによりマイクロピペットを構成するテーパー付けされた拡張空間部を画定する。この実施例は一般的なピペットでは到達できない場所において流体を除去したり送出したりするための優れた手段を提供する。
【0059】
本発明の第3の特徴に従った円柱状ナノドライブの第2の実施例では,支持体は少なくとも二つの開口を含む内部空間と通じる内部円柱状空間を画定し,可動部材は少なくとも二つの開口間の内部空間制御通路内へ移動することができ,したがってマイクロバルブを構成する。この実施例は多様な円筒状エレメント内の流体や気体流を制御する手段を提供する。
【0060】
マイクロバルブおよびマイクロピペットは極微ロボットまたは極微医療技術または任意他の極微処理技術においてマイクロバルブを使用できるようにする物理的ディメンジョンを有することができる。
【0061】
本発明の第3の特徴に従った円柱状ナノドライブの第3の実施例では,円柱状ナノドライブはさらに遠端および第7の近端を画定する第2の慣性体および第5の近端,第6の近端および第4の縦軸を画定する第2のアクチュエータを含んでいる。第2のアクチュエータの第5の近端は第2の慣性体の第7の近端に接続され,第2のアクチュエータの第5の近端は可動部材の第2の搭載面に接続されている。第2のアクチュエータの第4の縦軸は,可動部材の実質的に連続的な動作を提供するように,開放端円柱状空間の第1の縦軸に実質的に平行とされている。第2のアクチュエータを円柱状ナノドライブ上に導入することにより可動部材の動作はより滑らかとなり,したがって,可動部材の位置決めのより正確な制御が達成される。このようにして,さらに良好な高分解能位置決め手段が提供される。
【0062】
前記目的,前記利点および前記特徴は,後述する本発明の好ましい実施例の詳細な説明から明らかとなるおびただしい他の目的,利点および特徴と共に,本発明の第4の面に従って,テストサンプルの特定位置上の電気的性質を調べる多探針テスト装置により得られ,それは,
(iii) 前記テストサンプルを受入れ支持する手段と,
(iv) テスト信号を発生する電気発生器手段および測定信号を検出する電気測定手段とを含む電気的性質テスト手段と,
(v) 多探針プローブであって,
(a) 支持体と,
(b) 前記支持体の表面と共面関係に位置決めされ,前記支持体から自由に延び,第1の多数の導電性プローブアームの個別にフレクシブルな動作を与える前記第1の多数の導電性プローブと,を含み,
(c) 前記導電性プローブアームはそれを支持ウエーハ本体上にそれと面接触して作り出し,前記ウエーハ本体の一部を除去して前記支持体およびそこから自由に延びる前記導電性プローブアームを提供することを含む前記多探針プローブの製造工程から作り出され,
(d) 前記多探針プローブは前記電気的性質テスト手段に通じている,多探針プローブと,
(iv) 前記多探針プローブを前記テストサンプルに対して往復させて前記導電性プローブアームが前記テストサンプルの前記特定場所に接触してその電気的性質の前記テストを実施するナノドライブ手段と,を含んでいる。
【0063】
本発明の第4の特徴に従った多探針テスト装置は基本的に本発明の第1の特徴に従った多探針プローブを含んでおり,本発明の第4の特徴に従った多探針テスト装置の構成要素を構成するこの多探針プローブは本発明の第1の特徴に従った多探針プローブの前記特徴のいずれかに従って実現することができる。さらに,本発明の第2の特徴に従った多探針テスト装置は本発明の第3の特徴に従った円柱状ナノドライブを含み,本発明の第4の特徴に従った多探針テスト装置のもう一つの構成要素を構成するこの円柱状ナノドライブは本発明の第3の特徴に従って実現することができる。さらに,多探針テスト装置はテストサンプルの表面へテスト信号を与える電気発生器手段を含むテストサンプルをテストする電気的性質テスト手段を含み,前記テスト信号は抵抗,インダクタンス,キャパシタンス,スルーレート,単位利得帯域幅および3dB帯域幅の測定値等の特定の必要条件に従って,LFからHFを含むRFまでの電流もしくは電圧,パルス信号または信号,DCまたは正弦波,方形波,三角波信号内容を有するACもしくはそれらの組合せである。電気的性質テスト手段はさらに前記したテスト信号タイプおよび周波数範囲の測定信号を検出するファシリティを提供する電気測定手段を含み,測定テスト信号の高速フーリエ変換(FFT),位相同期およびリアルタイム可視化のような機能を含む広範な電気的性質テスト情報を提供する。電気的性質テスト手段は,特定の必要条件に従って,テストサンプルのプロービングを行ってテストサンプルの表面と電気的性質テスト手段間のリンクを実施するプロービング手段を特徴とする。
【0064】
本発明の第4の特徴に従った多探針テスト装置は本発明の第1の特徴に従って多探針プローブを往復させ保持し,本発明の第1の特徴に従って多探針プローブをテストサンプルに対して位置決めして導電性プローブアームがテストサンプルの表面上の特定の位置と物理的接触を得て電気的性質のテストを実施し,かつ本発明の第1の特徴に従ってテストサンプルに対する多探針プローブの特定位置を記録し,全空間方向において1nmから0.1μmの範囲の分解能を有するナノドライブ手段も含んでいる。テストサンプルの表面と共面であるかあるいはそれに垂直である,全空間方向において完全な機動性を有する目的は,本発明の第1の特徴に従った1つの校正された多探針プローブを利用してテストサンプルの全表面上で多探針測定を行うことができ,したがって多数の校正の違いによる不正確さを回避することである。機動性にはテストサンプルの表面に平行な軸に沿った角動作が含まれ,本発明の第1の特徴に従ってテストサンプルの表面と多探針プローブ上の導電性プローブアームの長さとの間の角度が与えられ,導電性プローブの柔軟性を利用してテストサンプルの表面上のデバイスの破壊や劣化に対して保証し,また本発明の第1の特徴に従ってテストサンプルの表面に垂直な軸に沿って多探針プローブを360°回転させて任意の相互相対共面角位置を有するテストサンプルの表面上のデバイスの測定を行うことができる。
【0065】
本発明の第4の特徴に従った多探針テスト装置はさらに,テストサンプルの表面と本発明の第1の特徴に従った多探針プローブの多数の導電性プローブアーム間の物理的接触を感知する手段を含み,テストサンプルの非破壊テストを保証してテストサンプルの表面上のデバイスの破壊を回避する。
【0066】
(実施例の詳細な説明)
好ましい実施例は多探針プローブの製作に向けられ,図3−6に関して説明される。
【0067】
図3に中間製作状態におけるウエーハ10,例えば半導体ウエーハの断面,を示す。それは酸化シリコン等の,電気的に絶縁する,支持層14により被覆された基板12の表面16を示している。支持層14の堆積はCVD(chemical vapour deposition),PECVD(plasma enhanced CVD),ECR(electron cyclotron resonance)もしくはスパッタリング等の任意の既知の従来技術により遂行することができる。図3に示すように,支持層14はパターン化されエッチングされてテーパー付き端点14a−dを有するビームを形成する。ビームは任意特定の形もしくは対称性に限定されず,適切な端点を有する任意のジオメトリとすることができる。
【0068】
パターンは支持層14の頂面上の4本のビームを規定するホトレジストパターン(図3には図示せず)を形成することにより形成される。ホトレジストパターンは従来のホトリソグラフィックホトレジスト形成,露光,現像および除去技術により形成される。次に,支持層は基板の頂面から支持層14のマスクされない部分が除去されるまで,ドライエッチングやウエットエッチング等の,任意既知の従来技術を使用してエッチングされる。
【0069】
本発明の別の実施例では,4本のビームもしくはその一部を電子ビームリソグラフィ,AFM(atomic force microscopy)リソグラフィもしくはレーザリソグラフィ等の高分解能リソグラフィ法を使用して規定することができる。
【0070】
支持層がパターン化されると,基板が部分的に除去されてパターン化された支持層が解放され,図4に示すように,尖った端点14a−dを有する4本のカンチレバーを形成する。
【0071】
好ましい実施例では,基板12の頂面および底面に窒化シリコンの保護層(図4には図示せず)を堆積することにより基板が除去される。次に,従来のホトリソグラフィックホトレジスト形成,露光,現像および除去技術により基板の底面上にホトレジストパターンが形成される。次に,SF6およびO2もしくは類似の試薬を含むプラズマ内で反応性イオンエッチング(RIE)を使用することにより基板の底面上の非マスクエリア内の窒化物層が除去され,自由に延びるプローブアームが露出されるまで水酸化カリウム(KOH)もしくは類似の化学的性質を含むエッチング化学作用を使用して基板がエッチングされる。次に,RIEもしくは燐酸(H3PO4)または類似の化学的性質を含む化学作用によるウエットエッチングを使用して基板の頂面から窒化物の保護層が除去される。
【0072】
図5に支持層14をアンダーカットする基板12のエッチングを示す。好ましい実施例では,このエッチングステップは等方性RIEエッチ等のドライエッチング法により実施される。
【0073】
製作の最終段階を図6に示し,ウエーハの頂面上への導電層18の堆積を含んでいる。導電層はAu,Ag,Pt,Ni,Ta,Ti,Cr,Cu,Os,W,Mo,Ir,Pd,Cd,Re,導電性ダイヤモンド,メタルシリサイドもしくはそれらの組合せ等の導電性材料から作られる。あるいは,導電層は高濃度ドープ半導体材料で作ることができる。導電層は電子ビーム加熱真空蒸着,もしくは任意他の類似の既知の技術を使用して堆積することができる。支持層14のアンダーカットにより,導電層は支持層内に作られた4本のビーム間に導電経路を生成せず,したがって4つの絶縁された電極が支持ビームの頂面上に形成され,点18a−dはビームを介して外部位置決めおよび測定装置(図6には図示せず)に接続することができる。
【0074】
図6に示すように,導電層の堆積により基板上に電極が作り出される。好ましい実施例では,これらの電極は導電性プローブアームのポジティブガードに使用されて,漏洩抵抗が著しく低減されしたがって本発明の測定精度が高められる。
【0075】
再び図6について,本発明では最小プローブ端点分離sはおよそ1μmである。しかしながら,最小プローブ端点分離は微細製作技術における現在の技術状態によって決まり,本発明が制約を受けることはない。したがって,微細製作技術がますます小型のデバイスを製作するにつれ,最小プローブ端点分離sも低減することができる。
【0076】
動作において,外部位置決め装置は本発明に従って作られた多探針プローブをテストサンプルの表面と物理的に接触させて配置する。テストサンプルの表面と4本全部の導電性プローブアームとの電気的接触が達成されると,2本の導電性プローブアームに電流が加えられ他の2本の導電性アーム間の対応する電圧が測定される。電流を加えて電圧を検出する方法は既知の任意の方法とすることができる。
【0077】
本発明の多探針テスト装置の好ましい実施例を図7に示す。図は多探針テスト装置100を示し,XYZ位置決め機構を有するステージ112上にテストサンプル110が搭載される。この機構は自動的にもしくは手動で制御することができる。本発明に従って作られた多探針プローブ102が,0.1μmもしくはそれよりも良好な分解能でZ方向に移動させることができる,プローブホルダー104上でテストサンプルの表面上に搭載される。随意,プローブホルダー104は同様な空間分解能でXおよびY方向に制御することができる。機構100はAFMやSTM(Scanning Tunneling Microscope)のそれと類似である。プローブ端点からの接続114はコントローラ106へ入力され,それは多探針プローブをテストサンプル110に対して移動させることができる。随意,テストサンプル110からの接続116もコントローラ106に入力することができる。コントローラ106はコンピュータもしくはプログラムされたマイクロコントローラとすることができる。4本のプローブアームの端点を使用して4点抵抗を監視するかあるいは4本のプローブアームの端点とテストサンプル110間の2点抵抗を監視することにより,コントローラ106は4本のプローブアームの全ての端点がテストサンプルと物理的に接触するまで多探針プローブをテストサンプルに向けて移動させることができる。プローブアーム長を有する多探針プローブをテストサンプル110の表面に対して,垂直よりも小さく平行よりも大きい,角度で保持することにより,完全に個別的なプローブアーム可撓性が達成され,テストサンプル頂面上の単独デバイスの破壊を回避することに関して安全な動作モードが得られる。次に,テストサンプル抵抗率の測定を行うことができ,コントローラ106は測定データを解析し測定情報をディスプレイ108上にディスプレイする。コントローラ106は多探針プローブに反応して,テストサンプル110をXY面内で移動させこの手順を繰り返す。
【0078】
図8はテストサンプルステージが標準光学顕微鏡214上のxy位置決め222からなる類似の装置200を示す。本発明に従って作られた多探針プローブ202が顕微鏡対物レンズ212上に搭載されるプローブホルダー204上に配置され,オペレータはテストサンプル表面上の特徴を識別しこれらの特徴における四探針測定を実施することができる。このようにして,単独超小型デバイスもしくは多結晶粒等のμmサイズテストサンプル特徴を制御された方法でプローブすることができる。図7に示す前記した装置100と同様に,テストサンプルに接続するリード216だけでなくプローブからの4本のリード218がコントローラ206に入力され,コントローラはプローブホルダーの動作を制御する出力信号220を出力し,コントローラ206は測定データを解析してディスプレイ208上に提示する。
【0079】
図9は半導体ウエーハ内の取り外し可能な多探針プローブを示す。ウエーハはいくつかの多探針プローブを有することができ,それらはウエーハから分離することができる。この製作技術により極端に繰返し可能な安全な多探針プローブの製作方法が提供される。
【0080】
図10に電位計および電流源を含み測定を実施するのに使用される回路の回路図を示す。多探針プローブの製作に集積回路技術を応用することにより電位計,電流源および付加回路をウエーハ上に集積することができる。
【0081】
本発明の特定の実施例はプローブアーム上にチップを成長させる電子ビーム堆積技術を利用する。図11(a)は表面に垂直な関係の電子ビーム1103を有するプローブアームの表面1105から成長させて,表面に垂直な軸を有するプライマリチップ1101を作り出すこのような電子ビーム堆積を示す。図11(b)に示すように,電子ビーム1115を表面1113に関して傾けることにより,基板の表面1113上にプライマリチップ1111として,または表面1113に垂直な予め製作されているチップ1107の頂部に連続してセカンダリチップ1109として傾斜電子ビーム堆積が成長する。
【0082】
図12(a)に示すように,チップの電気的性質は低分圧有機金属化合物注入を利用してチップ1201に混入物1203を加えることにより修正することができ,これにより900Ωもの低抵抗を有するチップを得ることができる(インシチュー(in-situ)メタライゼーション)。図12(b)に示すように,チップの電気的性質は,また,チップ成長の終了に続いてチップ1201および表面1105上に金属層1205,1207を作り出す金属霧もしくは蒸発1209を適用することにより修正することができる(イクスシチュー(ex-situ)メタライゼーション)。2つ以上の適用角度を使用して引き続き蒸発1209を適用することにより,チップ1101および表面1105の良好な金属カバレッジが達成され,有用なチップ1101が得られる。図12はチップをメタライゼーションするための両方法を示し,図11(a)に関連して記述された実施例に共通の特徴には同じインデックス番号が付与されている。
【0083】
プローブのジオメトリの平面図,側面図および正面図を図13に示す。プローブは電子ビーム堆積を利用してその上にプライマリチップ1303が成長されているプローブアーム1301を有して示されている。プライマリチップ1303はプローブアーム1301の軸長方向とプライマリチップ1303の軸長方向との間に角度1307(α1)を作り出す。セカンダリチップ1305はプローブアーム1301上のプライマリチップ1303から延びている。プライマリチップ1303はさらにプローブアーム1301の軸長方向に関して傾斜1309(β1)とセカンダリチップ1305と付加傾斜1311(β2)を有する。
【0084】
いくつかのチップ構成が図14に示されている。図14(a)は4本の平行プローブアームを示しており,そのうち2本はアウタープローブアーム1401であり,2本は,2本のインナープローブアーム1301上に位置決めされた2つのプライマリチップ1303を有するインナープローブアーム1301である。2つのプライマリチップ1303はそれが共通方位を指すようにインナープローブアーム1301の軸方向に関して角度を作り出す。図14(b)は端点が同じチップ分離を有するように位置決めされた4つのプライマリチップ1303,1403を有する4本の平行なプローブアーム1301,1401を示す。図14(c)は各々が遠端から延びるプライマリチップ1303,1403を有する4本の平行なプローブアーム1301,1401を示す。2本のインナープローブアーム1301は共通方位を指すプライマリチップ1303を有し,2本のアウタープローブアーム1401はその軸方向を指している。図14(d)から(f)はプライマリチップ1303,1403に付加されるセカンダリチップ1305,1405を示す。
【0085】
電子ビーム堆積を応用してプライマリおよびセカンダリチップを作り出す製作方式を図15に示す。図15(a)は遠端1501および1505を有する2本のプローブアーム1301を示している。電子ビームは遠端1505の表面のコーナー1503に向けられて,プライマリチップ1303を作り出す。図15(b)に示すように,電子ビームは続いて遠端1501の表面のコーナー1507へ向けられて,第2のプライマリチップ1301を作り出す。この手順は2つのプライマリチップ1301間の分離がその間の所期ギャップG’よりも幾分大きくなるまで繰り返される。プライマリチップ1303はそれが多探針プローブの支持体から離れた向きを指すようにプローブアーム1301の軸方向に対する角度および遠端1501,1505に関する角度を作り出す。セカンダリチップ1305はさらにプライマリチップ1303の軸方向に関する角度を作り出す。プライマリチップ1301に関するセカンダリチップ1305のこのセカンダリ角度指定を達成するために,図15(e)に示すように多探針プローブが回転される。
【0086】
図16は前記しかつ図15に示した製作方式の電子顕微鏡図である。
【0087】
図18aに示すように,円柱状ナノドライブの好ましい実施例は周囲の基板1801に移動可能に支持された円柱状可動部材1803を含んでいる。電気機械アクチュエータ1805が可動部材上に固定され,慣性部材1807が前記アクチュエータの遠端に固定されている。分布された固有摩擦力が可動部材とサポートとの間に存在する。この摩擦力は可動部材およびサポートの内部弾性力から生じ,可動部材およびサポートの高精度加工により現れる。好ましい実施例では,サポートおよび可動部材は1マイクロメータよりも小さい直径公差内で嵌合するように加工される。それはフライス削り,きりもみ,エッチング,ホーニング,研磨,ラッピング,または任意他の既知の材料加工技術を使用して実施することができる。好ましい実施例では,可動部材およびサポートは半導体炭化物または窒化物等の化学的に不活性な固い材料からなっている。電気機械アクチュエータは少なくとも二つの電極を有し,それを可動部材の移動方向と平行に移動させることができる。好ましい実施例では,電気機械アクチュエータは一つの内部電極および四つの外部電極を有する圧電チューブであり,アクチュエータの,したがって慣性部材の横方向および縦方向動作を与える。
【0088】
第2の実施例では,本発明に従った円柱状ナノドライブ内の可動部材は,図18bに示すように,一端が閉じた中空チューブである。電気機械アクチュエータはチューブの底部に固定される。
【0089】
第3の実施例では,本発明に従った円柱状ナノドライブ内の可動部材は,図18cに示すように,一端が閉じた中空チューブでありチューブの内側に移動可能に支持される。
【0090】
図19aは本発明に従ったマイクロピペット1901の実施例を示す。マイクロピペットは本発明に従った円柱状ナノドライブからなり,それはチューブ1903の内側に移動可能に支持される可動部材1907を有し,前記チューブはそれを通って非常に少量の液体または気体を分与または取得することができる開口1913を有する。電気機械アクチュエータ1909が可動部材に固定され,慣性部材1911がアクチュエータの遠端に固定される。可動部材の位置は電気機械アクチュエータに加えられる電気信号により制御され,チューブ内の気体または液体の堆積が非常に高精度で制御されるようにされる。図19bはマイクロピペットの断面図である。
【0091】
図20aは本発明に従ったマイクロバルブ2001の実施例を示す。マイクロバルブは本発明に従った円柱状ナノドライブからなり,それは気体または液体2005が流れる二つの開口を有するチューブ2003の内側に移動可能に支持される。可動部材はそこに固定される電気機械アクチュエータ2009へ電気信号を加えることにより前記流れを完全にまたは一部阻止することができ,したがって流れは非常に高精度で制御することができる。図20bはマイクロバルブの断面図である。
【0092】
図21aは本発明に従ったナノポジショナー2101の実施例を示す。ナノポジショナーは本発明に従った円柱状ナノドライブからなり可動部材は円筒状基板2103により移動可能に支持される。基板の位置は電気機械アクチュエータ2105に電気信号を加えて変えることができる。アクチュエータの遠端にはやはり円柱状ナノドライブの慣性部材であるプローブ2109が固定されている。プローブは電気機械アクチュエータに電気信号を加えることにより材料2111に対して全方向に移動させることができる。図21bはナノポジショナーの断面図である。図21cは可動部材が両側に固定された二つのアクチュエータを有するナノポジショナーの別の実施例を示す。付加アクチュエータ2107は遠端において固定された慣性部材2113を有する。アクチュエータ2113はアクチュエータ2105に無関係に制御することができ,それによりプローブを材料に対する可動部材の移動方向にミリメートルの距離にわたって連続的に移動させることができる。それを達成するのに必要な電界が図23aから図23bに略示されている。のこぎり歯状波形が一方のアクチュエータに加えられ,反対符号の同様な波形が他方のアクチュエータに加えられる。二つの波形の振幅および位相を微調整することにより,プローブの連続動作が生じる。
【0093】
図22aから図22cはアクチュエータが横方向および縦方向の両方向へ移動することができる本発明に従った円柱状ナノドライブ内の可動部材の動作を制御する電気信号の波形を示す。アクチュエータの縦方向移動は図22aに示すように高調波発振信号により制御される。一方または両方の横方向動作が縦方向信号の半分の周波数を有する高調波発振電気信号により駆動され,かつ横方向信号の全ての極値が縦方向信号の最大値または最小値と一致する場合には,可動部材は上または下へ変位される。それらの波形が図22bから図22cに示されている。高調波信号の振幅および波形を変えることにより,高調波信号の周期当たりの可動部材の動作を任意に小さくすることができる。
【0094】
図24は本発明に従った完全なマイクロピペット装置2401を略示している。マイクロピペットは図19に関して前記したように構成され,可動部材2405はピペットチップ2423内ヘテーパー付けされるチューブ2403の内側で移動可能に支持される。可動部材上には遠端に固定された慣性部材2409を有する電気機械アクチュエータ2407が固定される。電気機械アクチュエータ上の電極は電線2415により増幅器2417−2421を介してコントロールボックス2411に接続されている。コントロールボックスはコンピュータ,マイクロプロセッサまたは個別デジタルまたはアナログ部品を含むことができる。コントロールボックスはコンピュータにより遠隔制御したり可動部材の速度および方向を選択することができるパネル2413により制御することができる。
【0095】
マイクロピペット装置のより進んだ実施例では,マイクロピペットは気体または液体が分与または抽出される媒体に対してマイクロピペットチップを移動できるように手動またはモータステージに取り付けられる。モータステージの場合には,マイクロピペットおよび実施動作が流体または気体の分与または抽出と同期化される自動マイクロピペットが実現される。
【0096】
図25は本発明に従った完全なマイクロバルブ装置2501を略示している。マイクロバルブは図20に関して前記したように構成され,可動部材2505はその中に気体または液体の横流2513が存在するチューブ2503の内側に移動可能に支持される。可動部材上には遠端に固定された慣性部材2509を有する電気機械アクチュエータ2507が固定される。電気機械アクチュエータ上の電極は電線2515により増幅器2517−2521を介してコントロールボックス2511に接続されている。コントロールボックスはコンピュータ,マイクロプロセッサまたは個別デジタルまたはアナログ電子部品を含むことができる。
【0097】
図26aは本発明に従った完全なナノポジショナー装置2601を略示している。ナノポジショナー装置は慣性部材2609が微細プローブ,例えば非常に鋭利な電極,を含む本発明に従った円柱状ナノドライブの実施例から構成される。ナノポジショナー装置はプローブをサンプル2611に対して移動させることができる。プローブからの電気的接続2619を増幅器2617を介してコントロールボックス2613へ送ることができる。また,サンプルとコントロールボックス間で電気的接続2621を行うことができる。コントロールボックスは微細プローブからの電気信号を使用してサンプルに対する微細プローブの位置を調整する帰還システムを含んでいる。プローブの位置はコントロールボックスと,周囲基板2603内に移動可能に支持される,円柱状ナノドライブの可動部材2605上の電気機械アクチュエータ2607間の少なくとも一つの電気的接続2623により制御される。アクチュエータへの電気信号は増幅器2625−2629を通過することができる。好ましい実施例では,アクチュエータはサンプルに対する微細プローブの横方向および縦方向動作を許す圧電チューブを含んでいる。このようにして,サンプル材料の走査を位置の関数として得ることができ,得られたデータをコントロールボックスに接続されたディスプレイ2615上に示すことができる。
【0098】
図26bはナノポジショナー装置の別の実施例を示し,さらに,本発明に従った円柱状ナノドライブの可動部材に固定された第2の電気機械アクチュエータ730を含んでいる。慣性部材732が電気機械アクチュエータの遠端に固定されている。第2の電気機械アクチュエータとコントロールボックスとの間に少なくとも一つの電気的接続2631がある。電気信号は増幅器2633−2637を通過することができる。
【0099】
(多探針プローブの使用を示す例)
プローブチップ(図9に示す)がウエーハから取り出され,エポキシを使用して,4つの大きな厚膜電極パッドを有するセラミックダイ(5mm×10mm)上に搭載される。シリコンチップ上の導電性プローブアームは,Kulicke−Soffaウェッジボンディング(wedge-bonding)機械を使用して,その間を25μm厚の金ワイヤでボンディングすることによりセラミックダイ上のパッドに接続される。
【0100】
セラミックチップはKarl−Sussプローブステーション上の顕微鏡対物レンズ周りに嵌合するように加工されるアルミニウムマウント上に機械的に固定されかつ電気的に接続される。このマウントにより多探針プローブの導電性プローブアームは顕微鏡の視野中央に焦点を合わせることができる。次に,顕微鏡の通常の垂直ステージを使用してテストサンプルを移動させて焦点を合わせることができる。テストサンプルの焦点が合わされると,多探針プローブはテストサンプルに接触して測定を実施することができる。この機構は図8に一般的に示すものに類似している。
【0101】
電位計および電流源からなる電子装置がアルミニウムマウントに内蔵されてプローブと電極間の距離を最小限に抑える。それにより測定におけるノイズが最小限に抑えられる。主要な回路図は図10に示されている。多探針プローブの2つのインナー導電性プローブアームは入力インピーダンスが10GΩよりも高く増幅率が5000である電位計(計装増幅器)に接続される。プローブの周辺の2本の導電性プローブアームは10nAから1μAの範囲の調整可能な出力を送出す電流源(電流コンバータへの差動電圧)に接続される。電流出力は電圧差V1−V2に比例する。これらの電圧はデジタル/アナログコンバータを有するコンピュータにより外部発生される。同じコンピュータが付属アナログ/デジタルコンバータを介して電位計の出力電圧Voを検出する。大地に対して浮動させるためにバッテリが回路に給電する。
【0102】
電流の両極性について電位計の電圧をサンプリングし,2つの値の平均をとることにより測定が実施される。この平均化手順は電子装置内の熱ドリフトを解消するのに有用である。
【0103】
(下記のポイントにより表わされる本発明の本質的特徴)
1.テストサンプルの特定位置上の電気的性質をテストする多探針プローブであって,
(a) 第1の表面を規定する支持体と,
(b) 第1の多数の導電性プローブアームであって,各々が前記支持体の前記第1の表面と共面関係に位置決めされる近端および遠端を規定し,かつその前記近端において前記支持体に接続され前記支持体から自由に延びる前記遠端を有し,前記第1の多数の導電性プローブアームに個別の撓み運動を与える第1の多数の導電性プローブアームと,を含み,
(c) 前記導電性プローブアームは,前記支持するウエーハ本体と面接触関係でその上に前記導電性プローブアームを製作し,前記支持体を提供する前記ウエーハ本体の一部を除去し,前記支持体から自由に延びる前記導電性プローブアームを提供することを含む前記多探針プローブの製作工程から作り出される多探針プローブ。
【0104】
2.ポイント1記載の多探針プローブであって,前記第1の多数の導電性プローブアームは単向性であり,前記支持体の第1の多数の平行自由延長部を構成する多探針プローブ。
【0105】
3.ポイント1もしくは2記載の多探針プローブであって,前記支持体はさらに前記第1の表面に平行な第2の表面を含み,前記多探針プローブはさらに前記支持体の前記第2の表面と共面関係に位置決めされる近端および遠端を規定するさらに多数の導電性プローブアームを含み,前記さらに多数の導電性プローブアームはその前記近端において前記支持体に接続されかつそこから自由に延びる前記遠端を有し,前記さらに多数の導電性プローブアームに個別に撓むことができる動作を与える多探針プローブ。
【0106】
4.ポイント1−3記載の多探針プローブであって,前記第1の多数の導電性プローブアームは2の倍数であり,少なくとも2本の前記導電性プローブアームから64本の前記導電性プローブアームの範囲であり,好ましい応用は4本の前記導電性プローブアームを有する多探針プローブ。
【0107】
5.ポイント1−4記載の多探針プローブであって,前記第1の多数の導電性プローブアームは実質的に矩形の断面を有し,幅のディメンジョンを前記支持体の前記第1の表面に垂直な前記矩形断面のライン間の距離として,奥行きのディメンジョンを前記支持体の前記第1の表面に平行な前記矩形断面のライン間の距離として,かつ長さのディメンジョンを前記導電性プローブアームの前記近端からその前記遠端までの距離として規定する多探針プローブ。
【0108】
6.ポイント1−5記載の多探針プローブであって,前記第1の多数の導電性プローブアームは前記長さ対幅の比が,50:1および10:1等の,500:1から5:1の範囲内であり,好ましい応用は10:1の比を有する多探針プローブ。
【0109】
7.ポイント1−6記載の多探針プローブであって,前記第1の多数の導電性プローブアームは前記幅対奥行きの比が20:1から2:1の範囲内であり,好ましい応用は10:1の比を有する多探針プローブ。
【0110】
8.ポイント1−7記載の多探針プローブであって,前記第1の多数の導電性プローブアームはその前記遠端から延びるテーパー付きエレメントを有する多探針プローブ。
【0111】
9.ポイント1−7記載の多探針プローブであって,前記第1の多数の導電性プローブアームはその前記遠端から延びる尖った形状のエレメントを有する多探針プローブ。
【0112】
10.ポイント1−7記載の多探針プローブであって,前記第1の多数の導電性プローブアームはその前記遠端から延びる拡大円形,楕円形もしくは直交方形エレメントを有する多探針プローブ。
【0113】
11.ポイント1−10記載の多探針プローブであって,前記第1の多数の導電性プローブアームはその長さが20μmから2mmの範囲内であり,好ましくは200μmの長さである多探針プローブ。
【0114】
12.ポイント1−11記載の多探針プローブであって,前記第1の多数の導電性プローブアームはその遠端の分離が1μmから1mmの範囲内であり,好ましい応用は20μm,40μmおよび60μmの前記分離を有する多探針プローブ。
【0115】
13.ポイント1−12記載の多探針プローブであって,さらに前記第1の多数の導電性プローブアーム間の前記第1の表面上に規定された第2の多数のエリア上に位置決めされる第2の多数の導電性電極を含み,さらに前記電極および前記導電性プローブアーム間の絶縁間隔を含み,前記第2の多数の導電性電極はアクティブガーディング(active guarding)に特に適している多探針プローブ。
【0116】
14.ポイント13記載の多探針プローブであって,前記第2の多数のエリアは前記支持体の前記第1の表面に関してスエージされている多探針プローブ。
【0117】
15.ポイント13記載の多探針プローブであって,前記第2の多数のエリアは前記支持体の前記第1の表面に関して持上げられている多探針プローブ。
【0118】
16.ポイント13記載の多探針プローブであって,前記第2の多数のエリアは前記第1の多数の導電性プローブアーム間で前記支持体の前記第1の表面と共面関係である多探針プローブ。
【0119】
17.ポイント13−16記載の多探針プローブであって,前記第2の多数のエリアは前記支持体の前記第1の表面に関してスエージ,持上げおよび共面の組合せである多探針プローブ。
【0120】
18.ポイント13および17記載の多探針プローブであって,前記第2の多数のスエージされたエリアは前記支持体上の前記第1の多数の導電性プローブアームをアンダーカットして,前記支持体に対向する前記導電性プローブアームの表面よりも小さい前記支持体の支持面を提供する多探針プローブ。
【0121】
19.ポイント13,17および18記載の多探針プローブであって,前記第1の多数の導電性プローブアームをアンダーカットする前記第2の多数のスエージされたエリアは,前記支持するウエーハ本体上にそれと面接触する前記導電性プローブアームを製作し,前記支持体上に前記第2の多数のスエージされたエリアを提供する前記ウエーハ本体の一部をCVD(chemical vapour deposition),PECVD(plasma enhanced CVD),ECR(electron cycloyton resonance)もしくはスパッタリング,機械的研削,エッチング,電子ビームリソグラフィ,AFM(atomic force microscopy)リソグラフィもしくはレーザリソグラフィ等の高解像度リソグラフィ方法の工程により除去することを含む前記多探針プローブの製作工程から作り出される多探針プローブ。
【0122】
20.ポイント1−19記載の多探針プローブであって,支持体はセラミック材料で出来ている多探針プローブ。
【0123】
21.ポイント1−19記載の多探針プローブであって,支持体は半導体材料で出来ている多探針プローブ。
【0124】
22.ポイント21記載の多探針プローブであって,前記半導体材料はGe,Siもしくはその任意の組合せからなる多探針プローブ。
【0125】
23.ポイント20−22記載の多探針プローブであって,
(a) 前記多数の導電性プローブアーム上に位置決めされた導電層と,
(b) 前記第1の多数の導電性プローブアーム間で前記支持体上の前記電極として作用する導電層と,
を含む多探針プローブ。
【0126】
24.ポイント23記載の多探針プローブであって,前記導電層はAu,Ag,Pt,Ni,Ta,Ti,Cr,Cu,Os,W,Mo,Ir,Pd,Cd,Re,導電性ダイヤモンド,メタルシリサイドもしくはそれらの任意の組合せからなる多探針プローブ。
【0127】
25.ポイント1−24記載の多探針プローブであって,さらに,
(d) 前記第1の多数の導電性プローブアームの前記遠端から延びる第3の多数の導電性チップエレメントを含み,
(e) 前記導電性チップエレメントは前記第1の多数の導電性プローブアームの前記遠端における電子ビーム堆積のメタライゼーション工程から作り出される,多探針プローブ。
【0128】
26.ポイント25記載の多探針プローブであって,前記第3の多数の導電性チップエレメントの各々がプライマリセクションおよびセカンダリセクションを含み,前記導電性チップエレメントはその各プライマリセクションを介して前記導電性プローブアームに接続されており,前記セカンダリセクションは自由接触端を規定する多探針プローブ。
【0129】
27.ポイント25もしくは26記載の多探針プローブであって,前記プライマリセクションの各々が第1の軸方向を規定し,前記第1の軸方向は前記支持体と前記自由接触端間の合計距離の増加を構成する多探針プローブ。
【0130】
28.ポイント27記載の多探針プローブであって,前記プライマリセクションの前記第1の軸方向は前記第3の多数の導電性チップエレメントの前記自由接触端間の分離の減少を構成する多探針プローブ。
【0131】
29.ポイント27−28記載の多探針プローブであって,前記プライマリセクションの前記第1の軸方向は前記第3の多数の導電性チップエレメントの隣接する前記自由接触端間の分離の減少を構成する多探針プローブ。
【0132】
30.ポイント25−29記載の多探針プローブであって,前記セカンダリセクションの各々が第2の軸方向を規定し,前記第2の軸方向は前記支持体と前記自由接触端間の合計距離の増加を構成する多探針プローブ。
【0133】
31.ポイント30記載の多探針プローブであって,前記セカンダリセクションの前記第2の軸方向は前記第3の多数の導電性チップエレメントの前記自由接触端間の分離の減少を構成する多探針プローブ。
【0134】
32.ポイント30−31記載の多探針プローブであって,前記セカンダリセクションの前記第2の軸方向は前記第3の多数の導電性チップエレメントの隣接する前記自由接触端間の分離の減少を構成する多探針プローブ。
【0135】
33.ポイント27−32記載の多探針プローブであって,前記プライマリセクションの前記第1の軸方向は前記支持体の前記第1の表面により規定される面に平行に延びる多探針プローブ。
【0136】
34.ポイント27−32記載の多探針プローブであって,前記プライマリセクションの前記第1の軸方向は前記支持体の前記第2の表面により規定される面に向かって収束する方向に延びる多探針プローブ。
【0137】
35.ポイント30−34記載の多探針プローブであって,前記セカンダリセクションの前記第2の軸方向は前記支持体の前記第1の表面により規定される面に平行に延びる多探針プローブ。
【0138】
36.ポイント30−34記載の多探針プローブであって,前記セカンダリセクションの前記第2の軸方向は前記支持体の前記第2の表面により規定される面に向かって収束する方向に延びる多探針プローブ。
【0139】
37.ポイント25−36記載の多探針プローブであって,前記第3の多数の導電性チップエレメントは前記第1の多数の導電性プローブアームに等しく,好ましい応用は2で割れる第3の多数を有する多探針プローブ。
【0140】
38.ポイント25−36記載の多探針プローブであって,前記第3の多数の導電性チップエレメントは前記第1の多数の導電性プローブアームよりも少なく,好ましい応用は2で割れる第3の多数を有する多探針プローブ。
【0141】
39.ポイント25−36記載の多探針プローブであって,前記第3の多数の導電性チップエレメントは前記第1の多数の導電性プローブアームよりも多く,好ましい応用は2で割れる第3の多数を有する多探針プローブ。
【0142】
40.ポイント25−39記載の多探針プローブであって,前記第3の多数の導電性チップエレメントは1nm−100nmの範囲の前記導電性チップエレメントの前記自由接触端の分離を有し,好ましい応用は2nm,5nm,10nm,20nm,50nm,100nmの前記分離を有する多探針プローブ。
【0143】
41.ポイント25−40記載の多探針プローブであって,前記導電性チップエレメントの各々が導電性プローブアームの前記遠端と前記導電性チップエレメントの前記自由接触端との間の距離として全長を規定し,前記全長は100nmから100μmの範囲であり,好ましい応用は500nmから50μmおよび1μmから10μmの範囲内の前記全長を有する多探針プローブ。
【0144】
42.ポイント25−41記載の多探針プローブであって,前記導電性チップエレメントの各々が直径を規定し,前記直径は10nmから1μmの範囲であり,好ましい応用は50nmから500nmの範囲内の前記全長を有する多探針プローブ。
【0145】
43.ポイント25−42記載の多探針プローブであって,前記第3の多数の導電性チップエレメントは主として炭素からなる多探針プローブ。
【0146】
44.ポイント25−43記載の多探針プローブであって,前記第3の多数の導電性チップエレメントはさらにある濃度の混入物からなる多探針プローブ。
【0147】
45.ポイント25−42記載の多探針プローブであって,前記第3の多数の導電性チップエレメントは傾斜電子ビーム堆積工程から作り出される多探針プローブ。
【0148】
46.ポイント25−42記載の多探針プローブであって,前記第3の多数の導電性チップエレメントは垂直電子ビーム堆積工程から作り出される多探針プローブ。
【0149】
47.ポイント25−42記載の多探針プローブであって,前記第3の多数の導電性チップエレメントは傾斜電子ビーム堆積と垂直電子ビーム堆積の組合せ工程から作り出される多探針プローブ。
【0150】
48.ポイント25−47記載の多探針プローブであって,前記第3の多数の導電性チップエレメントの前記メタライゼーションはインシチュー(in-situ)金属堆積工程から作り出される多探針プローブ。
【0151】
49.多探針プローブの製作方法であって,該方法は,
(i) ウエーハ本体を製作するステップと,
(ii) 前記ウエーハ本体と共面および表面関係に位置決めされる第1の多数の導電性プローブアームを製作するステップと,
(iii) 前記ウエーハ本体の一部を除去して,そこから前記導電性プローブアームが自由に延びる支持体を構成する,前記ウエーハ本体の前記非除去部から自由に延びる前記導電性プローブアームを提供するステップと,
(iv) 前記第1の多数の導電性プローブアームの前記遠端から延びる第3の多数の導電性チップエレメントを製作するステップと,
を含む多探針プローブの製作方法。
【0152】
50.ポイント49記載の方法であって,支持するウエーハ本体と共面および表面関係の導電性プローブアームを応用する技術は,微細製作技術,プレーナ技術,CMOS技術,厚膜技術,薄膜技術もしくはそれらの組合せを含む方法。
【0153】
51.ポイント49および50記載の方法であって,前記第1の多数の導電性プローブアームの前記遠端から延びる第3の多数の導電性チップエレメントを応用する技術は,電子ビーム堆積のメタライゼーションを含む方法。
【0154】
52.ポイント49−51記載の方法であって,前記第3の多数の導電性チップエレメントの製作は,
(a) 水平に平行な支持体の前記第1の表面を有する多探針プローブを顕微鏡室内の保持手段上に搭載するステップと,
(b) 前記導電性チップエレメントの前記プライマリセクションおよび前記セカンダリセクションの傾斜を示す角度αおよびβを選択するステップと,
(c) 1つの位置に5分間電子ビームを集束させて得られる第1の堆積の長さを測定することにより堆積速度を測定するステップと,
(d) 前記保持手段を傾斜および回転させて,前記選択した角度αおよびβとの一致を示す前記電子ビームの角度と同じ視野角から,前記第1の堆積の視野を与えるステップと,
(e) 前記導電性プローブアームの前記遠端の1つの上にある長さを堆積させるステップと,
(f) 前記保持手段を傾斜および回転させて第2の堆積位置の視野を与えるステップと,
(g) 前記導電性プローブアームの前記遠端の近隣に前記長さを堆積させるステップと,
(h) 導電性プローブアームの分離がそのぎざぎざの分離よりもおよそ100nm大きくなるまでステップcからgを繰り返すステップと,
(i) 前記セカンダリセクションの傾斜を示す角度α1を選択するステップと,
(j) 前記保持手段を傾斜および回転させてβ=0およびα=α1を選択するステップと,
(k) 前記プライマリセクションに連続して前記セカンダリセクションを延ばすステップと,
(l) 電子ビームの位置を第1および第2の堆積で交番させて堆積の進行を保証するステップと,
を含む方法。
【0155】
53.ポイント49−52記載の方法であって,多探針プローブはポイント1−48のいずれかに記載の多探針プローブのいずれかの特徴を有する方法。
【0156】
54.特に高解像度を有するドライビングツール用の円柱状ナノドライブであって,
第1の縦軸および円柱状内面を有する内部開放端円柱状空間を画定する支持体と,
外部接触面,第1の搭載面および第2の搭載面を画定する可動部材であって,前記外部接触面は前記内部開放端円柱状空間に嵌合し,前記可動部材は前記内部開放端円柱状空間内へ挿入され前記可動部材の前記接触面および前記内部開放端円柱状空間の前記円柱状内面は前記可動部材と前記支持体間のスライディングヒットを作り出し,
前記可動部材と前記支持体間の前記スライディングヒットは前記円柱状内面と前記外部接触面間の全接触エリアに沿って確立されかつ前記接触エリアの任意の特定のエリアにおいて原子寸法の1から5乗以下,好ましくは,1から3,3から5または2から4乗のサイズを有するディメンジョンの間隔をその間に画定する前記外部接触面および前記円柱状内面により提供され,さらに,
第1の近端および第2の近端を有し前記可動部材に対するカウンターウェイトを提供する慣性部材と,
第2の縦軸,第3の近端および第4の近端を画定するアクチュエータであって,前記アクチュエータは前記第3の近端において前記慣性部材の前記第1の近端に接続され前記アクチュエータの前記第4の近端は前記可動部材の前記第1の搭載面に接続され,前記アクチュエータの前記第2の縦軸は前記開放端円柱状空間の前記第1の縦軸に実質的に平行であるアクチュエータと,を含み,
前記アクチュエータはその前記第1の縦軸に平行な方向への伸縮により前記可動部材を前記円柱状空間内へ移動させる円柱状ナノドライブ。
【0157】
55.ポイント54記載の円柱状ナノドライブであって,前記支持体は炭化物および窒化物等の化学的に不活性な固い材料から構成される円柱状ナノドライブ。
【0158】
56.ポイント54または55記載の円柱状ナノドライブであって,前記支持体は全体的に三角形,矩形,楕円形,円錐形,立方形,球形または円柱形の外面またはそれらの任意の組合せを画定し,好ましくは,前記支持体は全体的に円柱形の外面を画定する円柱状ナノドライブ。
【0159】
57.ポイント56記載の円柱状ナノドライブであって,前記支持体の前記円柱形外面は前記第1の縦軸と実質的に同軸の第3の縦軸を画定する円柱状ナノドライブ。
【0160】
58.ポイント54から57記載の円柱状ナノドライブであって,前記内部開放端円柱状空間は内径を有する円形断面エリアを画定する円柱状ナノドライブ。
【0161】
59.ポイント54から58のいずれかに記載の円柱状ナノドライブであって,前記可動部材は炭化物および窒化物等の化学的に不活性な固い材料から構成される円柱状ナノドライブ。
【0162】
60.ポイント54から59のいずれかに記載の円柱状ナノドライブであって,前記可動部材は全体的に三角形,矩形,楕円形,立方形,球形,円錐形,または円柱形の外部形状またはそれらの任意の組合せを画定し,好ましくは,前記可動部材は立体円柱形状の一端における前記第1の搭載面および前記円柱形状の他端における前記第2の搭載面を画定する全体的な前記立体円柱形状を画定し,前記第1および前記第2の搭載面は前記開放端円柱状表面の前記内径に実質的に等しい外径を有する円形エリアを画定して,前記可動部材と前記支持体間のスライディングヒットを提供する円柱状ナノドライブ。
【0163】
61.ポイント54から59のいずれかに記載の円柱状ナノドライブであって,前記可動部材は前記可動部材と前記支持体の前記円柱状内面間のスライディングヒットを構成する前記開放端円柱状表面の前記内径に実質的に等しい外径を有する全体的な円柱カップ形状を画定し,かつ前記第1の搭載面を構成する底部カップ状内面および前記第2の搭載面を構成する底部カップ状外面を画定しさらに前記第1の搭載面に搭載される前記アクチュエータの前記第4の近端を有し前記アクチュエータの前記第2の縦軸は前記開放端円柱状空間の前記第1の縦軸に実質的に平行である円柱状ナノドライブ。
【0164】
62.ポイント54から59のいずれかに記載の円柱状ナノドライブであって,前記可動部材は前記可動部材と前記支持体の前記円柱状表面間のスライディングヒットを構成する前記支持体の前記円柱状表面の前記外径に実質的に等しい内径を有する全体的な円柱カップ形状を画定し,かつ前記第1の搭載面を構成する底部カップ状外面および前記第2の搭載面を構成する底部カップ状内面を画定しさらに前記第1の搭載面に搭載される前記アクチュエータの前記第4の近端を有し前記アクチュエータの前記第2の縦軸は前記開放端円柱状空間の前記第1の縦軸に実質的に平行である円柱状ナノドライブ。
【0165】
63.ポイント54から62のいずれかに記載の円柱状ナノドライブであって,前記慣性体は炭化物および窒化物等の化学的に不活性な固い材料から構成される円柱状ナノドライブ。
【0166】
64.ポイント54から63のいずれかに記載の円柱状ナノドライブであって,前記慣性体は全体的に立方形,円錐形,三角形,矩形,楕円形,球形または円柱形の外部形状またはそれらの任意の組合せを画定し,好ましくは,前記慣性体は前記第1の近端において第3の縦軸および実質的に同軸の前記第1の縦軸を有する前記アクチュエータの前記第3の近端に接続される前記第3の縦軸を有する全体的な円柱形の形状を画定する円柱状ナノドライブ。
【0167】
65.ポイント54から64のいずれかに記載の円柱状ナノドライブであって,前記慣性体はさらにプローブ手段を含む円柱状ナノドライブ。
【0168】
66.ポイント54から65のいずれかに記載の円柱状ナノドライブであって,前記アクチュエータは全体的に三角形,立方形,円錐形,矩形,楕円形,球形または円柱形の形状またはそれらの任意の組合せを画定し,好ましくは,前記アクチュエータは円形断面エリアを有する全体的な円柱形状を画定する円柱状ナノドライブ。
【0169】
67.ポイント54から66のいずれかに記載の円柱状ナノドライブであって,前記アクチュエータは縦方向および横方向に伸縮し前記アクチュエータを電気的,磁気的,機械的,流体圧的または空気圧的またはそれらの任意の組合せにより作動させる,好ましくは,前記アクチュエータを電気的に作動させることにより前記可動部材の縦方向動作を与える円柱状ナノドライブ。
【0170】
68.ポイント54から67のいずれかに記載の円柱状ナノドライブであって,前記アクチュエータは石英等の圧電材料から構成される円柱状ナノドライブ。
【0171】
69.ポイント54から68のいずれかに記載の円柱状ナノドライブであって,前記アクチュエータはさらにその内面および/または外面上に搭載された電極を含み,前記電極に電気信号を加えることにより前記アクチュエータを縦方向および横方向に伸縮させる円柱状ナノドライブ。
【0172】
70.ポイント69記載の円柱状ナノドライブであって,前記電気信号はDC信号および/または交番方形波信号,交番三角波信号または正弦波信号等のAC信号またはそれらの任意の組合せにより構成される円柱状ナノドライブ。
【0173】
71.ポイント54から70記載の円柱状ナノドライブであって,前記内部円柱状空間を画定する前記支持体はさらに同軸配置されて前記内部円柱状空間に通じかつ前記第1の縦軸に向かってテーパー付けされて開口を介した前記内部円柱状空間へのアクセスを小さくしてマイクロピペットを構成する円柱状ナノドライブ。
【0174】
72.ポイント54から71記載の円柱状ナノドライブであって,内部空間に通じる前記内部円柱状空間を画定する前記支持体は少なくとも二つの開口を含み,前記可動部材は前記内部空間内へ移動することができ前記少なくとも二つの開口間の通路を制御してマイクロバルブを構成する円柱状ナノドライブ。
【0175】
73.ポイント54から72記載の円柱状ナノドライブであって,前記円柱状ナノドライブはさらに遠端および第7の近端を画定する第2の慣性体および第5の近端,第6の近端および第4の縦軸を画定する第2のアクチュエータを含み,前記第2のアクチュエータの前記第5の近端は前記第2の慣性体の前記第7の近端に接続され前記第2のアクチュエータの前記第5の近端は前記可動部材の前記第2の搭載面に接続され,前記第2のアクチュエータの前記第4の縦軸は前記開放端円柱状空間の前記第1の縦軸に実質的に平行であって前記可動部材の実質的に連続的な動作を与える円柱状ナノドライブ。
【0176】
74.テストサンプルの特定の位置上の電気的性質をテストするための多探針テスト装置であって,該装置は,
前記テストサンプルを受け入れて支持する手段と,
テスト信号を発生する電気発生器手段および測定信号を検出する電気測定手段を含む電気的性質テスト手段と,
多探針プローブであって,
支持体と,
前記支持体の表面と共面関係に位置決めされ,前記支持体から自由に延びて,第1の多数の導電性プローブアームの個別に撓むことができる動作を与える第1の多数の導電性プローブアームとを含む多探針プローブ,とを含み,
前記導電性プローブアームは支持するウエーハ本体と面接触して前記支持するウエーハ本体上に前記導電性プローブアームを製作し,前記支持体を提供する前記ウエーハ本体の一部を除去して前記支持体から自由に延びる前記導電性プローブアームを提供することを含む前記多探針プローブの製作工程から作り出され,
前記多探針プローブは前記電気的性質テスト手段と連絡されており,さらに,
前記導電性プローブアームが前記テストサンプルの前記特定位置と接触するように前記テストサンプルに対して前記多探針プローブを往復させてその電気的性質の前記テストを実施するナノドライブ手段を含む,多探針テスト装置。
【0177】
75.ポイント74記載の多探針テスト装置であって,前記ナノドライブ手段はポイント54から73記載の特徴を含む多探針テスト装置。
【0178】
76.ポイント74または75記載の多探針テスト装置であって,前記多探針プローブはポイント2から48記載の特徴を含む多探針テスト装置。
【0179】
77.ポイント74から76のいずれか記載の多探針テスト装置であって,前記電気的性質テスト手段はさらに前記テストサンプルの電気的性質プロービング手段を含む多探針テスト装置。
【0180】
78.ポイント74および77記載の多探針テスト装置であって,前記往復手段はさらに前記多探針プローブに対する前記手段の保持手段を含む多探針テスト装置。
【0181】
79.ポイント74から78記載の多探針テスト装置であって,さらに前記テストサンプルを横切って前記保持手段を位置決めして,前記テストサンプルに対する前記保持手段の位置を記録する手段を含む多探針テスト装置。
【0182】
80.ポイント74から79記載の多探針テスト装置であって,前記位置決め手段は前記テストサンプルと共面方向および前記テストサンプルに垂直な方向である全ての空間方向に機動性を有する多探針テスト装置。
【0183】
81.ポイント74から80記載の多探針テスト装置であって,前記位置決め手段はさらに,前記多探針プローブに対する前記手段に対して角位置を与える等の,前記保持手段の角運動手段を含む多探針テスト装置。
【0184】
82.ポイント74から81記載の多探針テスト装置であって,前記位置決め手段はさらに,前記多探針プローブに対する前記手段に対して角位置を与える等の,前記テストサンプルの表面に平行な軸に沿った前記保持手段の角運動手段を含む多探針テスト装置。
【0185】
83.ポイント74から82記載の多探針テスト装置であって,前記位置決め手段はさらに,前記多探針プローブに対する前記手段に対して角位置を与える等の,前記テストサンプルの表面に垂直な軸に沿った前記保持手段の角運動手段を含む多探針テスト装置。
【0186】
84.ポイント74から83記載の多探針テスト装置であって,前記位置決め手段はさらに前記テストサンプルと前記多探針プローブに対する前記手段との間の接触を感知する手段を含む多探針テスト装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】 テストサンプル上の従来の四探針測定技術の全体図である。
【図2】 図1に示す測定技術の詳細図である。
【図3】 堆積した支持層をパターン化した後の基板を示す図である。
【図4】 基板の一部を除去してカンチレバーを形成することを示す図である。
【図5】 支持層内のパターンをアンダーカットする基板のエッチングを示す図である。
【図6】 導電層の堆積を示す図である。
【図7】 本発明に従って作られた多探針プローブを使用してテストサンプルを測定する機構を示す図である。
【図8】 光学顕微鏡上に搭載された本発明に従って作られた多探針プローブを有する機構を示す図である。
【図9】 半導体ウエーハ内の取り外し可能な多探針プローブを示す図である。
【図10】 電位計および電流源を含み,測定を実施するのに使用される回路の主要回路図である。
【図11】 電子ビーム堆積を示す図であり,(a)は垂直電子ビーム堆積を示し,(b)は基板上もしくは予め作られたチップの頂部の連続部としての傾斜電子ビーム堆積を示す。
【図12】 チップのメタライゼーションを示す図であり,(a)は導電性混入物を加えるチップのインシチューメタライゼーションを示し,(b)は引続きメタライゼーションを適用するエクスシチューメタライゼーションを示す。
【図13】 プローブアームから延びるチップを有するプローブジオメトリを示す図である。
【図14】 一般的なチップ構成を示す図であり,(a)は2チップを示し,(b)は非均一チップ間隔を有する4チップを示し,(c)は4チップを示し,(d)−(f)はセカンダリチップを有する(a)−(c)を示す。
【図15】 プローブのチップ製作を示す図であり,(a)はプローブアーム1上にチップが成長される初期図を示し,(b)はサンプルを回転/傾斜させ鏡映図を得て,チップ1の指示する線上にチップが成長されることを示し,(c)−(d)はギャップGが所期ギャップG’よりも幾分大きくなるまで手順を繰り返す結果を示し,(e)はサンプルを回転させて正面図を得,さらに傾斜させてセカンダリチップの選択された角度α’を得ることを示し,(f)−(g)は両方のチップ端に成長されたセカンダリチップを示し,(h)は(f)−(g)を繰り返して調整された所期ギャップG’および長さを示す。
【図16】 製作シーケンス(図15と同じ)の走査電子顕微鏡図を示し,(a)−(c)はチップ1および2の初期成長を示し,(d)−(f)は第2の反復を示し,(g)−(l)は300nmのギャップG’となる第3の反復を示し,(j)はセカンダリチップの初期成長を示し,(k)はギャップを狭くし長さを10nm内に微調整した後のセカンダリチップを示し,(l)は完成したプローブの全体図を示す。
【図17】 精密な動作を遂行する従来の装置を示す図である。
【図18(a)】 本発明に従ったナノ位置決め装置の実施例を示す図である。
【図18(b)】 本発明に従ったナノ位置決め装置の実施例を示す図である。
【図18(c)】 本発明に従ったナノ位置決め装置の実施例を示す図である。
【図19(a)】 本発明に従ったマイクロピペット装置を示す図である。
【図19(b)】 本発明に従ったマイクロピペット装置を示す図である。
【図20(a)】 本発明に従ったマイクロバルブを示す図である。
【図20(b)】 本発明に従ったマイクロバルブを示す図である。
【図21(a)】 本発明に従った位置決め装置の実施例を示す図である。
【図21(b)】 本発明に従った位置決め装置の実施例を示す図である。
【図21(c)】 本発明に従った位置決め装置の実施例を示す図である。
【図22(a)】 本発明の移動部材の動作を遂行するために,その上の単一電気機械アクチュエータに加えられる電界を示す波形である。
【図22(b)】 本発明の移動部材の動作を遂行するために,その上の単一電気機械アクチュエータに加えられる電界を示す波形である。
【図22(c)】 本発明の移動部材の動作を遂行するために,その上の単一電気機械アクチュエータに加えられる電界を示す波形である。
【図23(a)】 本発明の移動部材の動作を遂行するために,その両側に固定された二つの電気機械アクチュエータに加えられる電界を示す波形である。
【図23(b)】 本発明の移動部材の動作を遂行するために,その両側に固定された二つの電気機械アクチュエータに加えられる電界を示す波形である。
【図24】 本発明に従ったマイクロピペット装置を示す略図である。
【図25】 本発明に従ったマイクロバルブ装置を示す略図である。
【図26(a)】 本発明に従ったナノ位置決め装置を示す略図である。
【図26(b)】 本発明に従ったナノ位置決め装置を示す略図である。
Claims (2)
- テストサンプルの特定の位置上の電気的性質をテストするための多探針テスト装置であって,該装置は,
前記テストサンプルを受け入れて支持する手段と,
テスト信号を発生する電気発生器手段および測定信号を検出する電気測定手段を含む電気的性質テスト手段と,
多探針プローブであって,
支持体と,
前記支持体の表面と共面関係に位置決めされ,前記支持体から自由に延びて,前記第1の多数の導電性プローブアームの個別に撓むことができる動作を与える第1の多数の導電性プローブアームとを含む多探針プローブ,とを含み,
前記導電性プローブアームは支持するウエーハ本体と面接触して前記支持するウエーハ上に前記導電性プローブアームを製作し,前記支持体を提供する前記ウエーハ本体の一部を除去して前記支持体から自由に延びる前記導電性プローブアームを提供することを含む前記多探針プローブの製作工程から作り出され,
前記多探針プローブは前記電気的性質テスト手段と連絡されており,さらに,
前記導電性プローブアームが前記テストサンプルの特定場所に接触するよう前記多探針プローブを前記テストサンプルに対して往復させ,その電気的性質の前記テストを実施するナノドライブ手段を含み,それは,
第1の縦軸および円柱状内面を有する内部開放端円柱状空間を画定する支持体と,
外部接触面,第1の搭載面および第2の搭載面を画定する可動部材であって,前記外部接触面は前記内部開放端円柱状空間に嵌合し,前記可動部材は前記内部開放端円柱状空間内へ挿入され前記可動部材の前記接触面および前記内部開放端円柱状空間の前記円柱状内面は前記可動部材と前記支持体間のスライディングヒットを作り出し,
前記可動部材と前記支持体間の前記スライディングヒットは,前記円柱状内面と前記外部接触面間の全接触エリアに沿って確立され,且つ前記接触エリアの任意の特定のエリアにおいて原子寸法の1から5乗以下のサイズを有するディメンジョンの間隔をその間に画定する前記外部接触面および前記円柱状内面により提供され,さらに,
第1の近端および第2の近端を有し前記可動部材に対するカウンターウェイトを提供する慣性体と,
第2の縦軸,第3の近端および第4の近端を画定するアクチュエータであって,前記アクチュエータは前記第3の近端において前記慣性体の前記第1の近端に接続され前記アクチュエータの前記第4の近端は前記可動部材の前記第1の搭載面に接続され,前記アクチュエータの前記第2の縦軸は前記開放端円柱状空間の前記第1の縦軸に実質的に平行であるアクチュエータと,を含み,
前記アクチュエータはその前記第1の縦軸に平行な方向への伸縮により前記可動部材を前記円柱状空間内へ移動させ前記多探針プローブを前記テストサンプルに対して往復させて前記導電性プローブアームが前記テストサンプルの前記特定の位置に接触するようにする多探針テスト装置。 - 請求項1記載の多探針テスト装置であって,前記位置決め手段はさらに前記テストサンプルと前記多探針プローブに対する前記手段との間の接触を感知する手段を含む多探針テスト装置。
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