JP4684159B2 - 薬剤ピッキング方法及び装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、一般商品を取り扱う物流用ピッキングシステムにおいて、商品棚の商品を種類別に収容保管する各商品庫ごとに、点灯動作及び点滅動作が可能なランプと数量表示部とを有するピッキング指示装置を設けるとともに、配送指示データに基づいて所定の商品庫のランプを、取り出すべき商品の数量が1個の場合は点灯動作させ、取り出すべき商品の数量が2個以上の場合は点滅動作させるとともに、数量表示部にピッキングすべき商品の数量を表示する制御装置を設け、ピッキングを終了した時に終了スイッチを手動操作することによりランプの点灯又は点滅及び数量表示を停止することが開示されている。
しかし、この先行技術は、ピッキングすべき商品を収容するすべての商品庫において同時に点灯動作又は点滅動作をするだけであるので、作業者は取り出すべき商品の数量が1個か2個以上かが判るに過ぎないから、ランプが点灯動作又は点滅動作をしている商品庫を随意の順序で選択してピッキングを行うことができる。従って、ピッキング作業が常に効率良く行われるとは限らない。また、一人の作業者がピッキング作業を終了するたびに、次の作業者のためにピッキングすべき商品庫を順次表示するシステムであるため、このような物流におけるピッキングシステムを薬局の薬剤ピッキングに転用する場合は、一度に複数の調剤者が各別の処方箋に基づいて行う同時ピッキングや追い越しピッキングができないので、作業効率の面から改善が求められていた。
しかし、この発明においても、ピッキングすべき薬剤の種類が複数である場合の指令手段による薬品庫の選択順序、及び複数人の調剤者によりピッキング作業を行う場合のピッキング順序などについては,一顧もされていない。従って、ピッキング作業効率の向上の要望に応えるには限度があり、また、同時ピッキングや追い越しピッキングは不可能である。さらに、調剤済み薬剤と各調剤者との対応関係の明確化の要望に応えることもできない。
その提案された薬剤ピッキングシステムは、調剤者が調剤受付をする受付装置と、多数の薬品庫を備える薬剤棚に設けられた調剤管理装置と、調剤者が携帯する端末装置とからなり、前記受付装置は受付表示部と受付制御部とを有し、その受付制御部は、処方箋の処方調剤データに基づき受付表示部に薬剤出庫画面を表示させ、調剤者が調剤者として自分を指定すると処方調剤データと調剤者データを調剤管理装置に送り、その調剤管理装置から終了信号を受けるとピッキングされた薬剤の薬剤名を端末装置に送るものであり、前記調剤管理装置は、薬品庫に設けられた表示部と、薬品庫の内部に設けられたピッキング終了スイッチと、受付装置から送られた調剤者データに基づいて表示部に調剤者表示を開始させ、端末装置から送られたID信号を調剤者データと照合し、ピッキング終了スイッチが操作され、かつ、薬品庫が閉じられたときに、表示部の調剤者表示を終了させ、当該薬剤のピッキングが終了したことを示す終了信号を受付装置へ送る薬品庫制御部とを備えたものであり、前記端末装置は、端末表示部と、受付装置から送られた薬剤名を端末表示部に表示させ、調剤管理装置へID信号を送り、確認終了信号を受付装置へ送る端末制御部とを備えたものである。
そのほかの技術的事項及び効果として、各表示部に複数色の個別表示ランプ(LED)と代表表示ランプを設け、受付装置から送られた調剤者データに基づいて対応色の個別表示ランプと代表表示ランプを点灯させることにより、調剤者を該当薬剤のある薬品庫へ誘導する効果が得られる点(0033)、調剤者表示を色分けにより視覚的にわかり易く表示できる点、複数の調剤者が同じ薬剤を同時にピッキングすることが可能になる点(0029)、及び各ランプの点滅や点滅速度の違いの組み合わせにより、多数人の同時ピッキングが可能になる点(0029)が記載されている。さらに、受信したIDデータが調剤者データと不一致の場合は警告信号が端末装置から発させられるので、ピッキングミスを予知でき、受付装置に記録される点が記載されている(0035)。
本発明の第2の目的は、その薬剤ピッキング方法を実現するための薬剤ピッキング装置を提供することにある。
また、本発明の第3の目的は、調剤済み薬剤の監査を容易かつ確実に行える薬剤ピッキング装置を提供することにある。
さらに、本発明の第4の目的は、調剤業務の支援の仕方を改善することにより、同時ピッキング及び追い越しピッキングをも可能として、ピッキング作業効率のさらなる向上を図ることができる薬剤ピッキング装置を提供することにある。
(a)当日ピッキング作業を行う調剤者の識別コード(以下、IDという。)を登録するステップ、
(b)調剤者に調剤開始が可能であることを音声(ブザー又はメロディ)で知らせるステップ、
(c)処方箋に基づき入力された処方調剤データに基づき、当該薬剤を収容している薬品庫を検索し、検索された薬品庫に設けてある数量表示部にピッキングすべき薬剤の数量を表示し、その薬品庫に設けてある所定の色で発光する複数のランプのうち調剤作業を行う者として指定された調剤者のIDに対して予め定められた色と同色のランプを、最初にピッキングすべき薬品庫のランプは点滅させるとともに、後順位でピッキングすべき薬品庫のすべてのランプは点灯させるステップ、
(d)各薬品庫に設けられた受信器が調剤者の指先に装着した調剤者ID発信器から登録されているIDと一致するIDを受信した時、前記点滅させたランプを点灯に変えるステップ、
(e)ランプが点滅から点灯に変えられた薬品庫に設けられたピッキング終了スイッチが操作され、かつ、その薬品庫の扉が閉じられたことを検知したことに基づき、前記点滅から点灯に変えられたランプを消灯するとともに、前記数量表示部の表示を消去し、当該処方箋の処方調剤データに基づきピッキングすべき薬品庫がほかにある場合には、点灯させてあるランプのうち次順位でピッキングすべき薬品庫のランプを順次点灯から点滅に変えるステップからなり、
(f)前記ランプが点灯から点滅に変えられる薬品庫の順序を調剤者がピッキングするための移動距離が最短距離となるように決定することを特徴としている(請求項1)。
また、上記ピッキング方法において、ランプを点滅から点灯に変えた後、そのランプが設けてある薬品庫の受信器がそのランプを点滅から点灯に変える前に受信したIDと同じIDを再び受信する前にその薬品庫の扉が閉じられたことを検知したときは、警報音を出すことが好ましい(請求項3)。
(1)薬剤棚と、調剤支援パソコンと、調剤者識別コード発信器(以下、調剤者ID発信器という。)とからなり、
(2)前記薬剤棚は、薬剤を種類ごとに区分けして保管する多数の薬品庫を有し、
(2a)前記各薬品庫には、互いに異なる色で発光するランプと、前記調剤支援パソコンから与えられる制御信号によりそのランプの点滅、点灯又は消灯を制御するランプ制御部と、ピッキングすべき薬剤の数量を表示する数量表示器と、前記調剤者ID発信器を触れ又は近接させたときに調剤者IDを受信して前記調剤支援パソコンに送る調剤者識別コード受信器(以下、調剤者ID受信器という。)と、薬品庫から所定数量の薬剤をピッキングした後に操作されるピッキング終了スイッチと、当該薬品庫の扉の開閉を検知する扉開閉センサとが設けてあり、
(3)前記調剤支援パソコンは、ピッキングを行う調剤者のIDを登録する調剤者登録手段と、前記薬剤棚のいずれかの薬品庫の調剤者ID受信器から送られてくるIDを登録されたIDと照合する調剤者認証手段と、処方箋に基づき入力された処方調剤データを基に当該薬剤を収容している薬品庫を検索して、ピッキングすべき薬品庫を決定する薬品庫決定手段と、決定された薬品庫から調剤者がピッキングするための移動距離が最短距離となるようにピッキングすべき薬品庫の順序を決定するピッキング順序決定手段と、最初にピッキングすべき薬品庫のピッキング終了スイッチからの終了信号に基づきピッキング順序を1薬品庫ずつ順次繰り上げるピッキング順序繰り上げ手段と、前記薬品庫決定手段により決定されたピッキングすべき薬品庫に調剤者ID、ピッキング順序データ及び薬剤数量データを送る送信手段とを有し、
(4)前記各薬品庫のランプ制御部は、受信した前記調剤者IDに基づいて当該調剤者IDに対応する色のランプを動作させ、かつ、受信したピッキング順序データが最先順位データであるときはそのランプを点滅させ、後順位データであるときはそのランプを点灯させ、前記調剤者認証手段により調剤者が認証された旨の信号を受けたときは、点滅させてあるランプを点灯に変え、ピッキング終了信号を受けた時はその点灯しているランプを消灯するものであることを特徴としている(請求項4)。
<構成の説明>
図1は、本発明方法を実施するための薬剤ピッキング装置の構成を概略的に示す概念図、図2はレセコンの構成を示すブロック図、図3は調剤管理パソコンの構成を示すブロック図、図4は調剤管理パソコンの表示部に表示される処方調剤シート画面の一例を示す図、図5はレセコンにおける処方箋入力のフローチャート、図6は薬剤棚の一つの薬品庫の拡大正面図、図7は薬品庫制御装置の構成を示すブロック図、図8は識別信号発信器の一例を示す斜視図、図9は調剤ピッキングのフローチャート、図10は調剤監査のフローチャート、図11は受付窓口における薬剤引き渡し業務のフローチャート、図12は他の実施態様による調剤支援パソコンの機能を示すブロック図である。
レセコン1は、レセプトコンピュータの略称である。レセコン1は、薬局の受付に設置され、図2に示すように、入力部11と送受信部12とデータ処理部13と表示部14とを有する。
従来と同様に、受付窓口で患者から処方箋を受け取ると、オペレータが入力部11から入力作業者IDを入力し、次に処方箋記載事項及び処方調剤データを入力する。処方箋記載事項及び処方調剤データは、送受信部12を介して病院からオンラインで受信する場合もある。初めての患者の場合には「お薬についてのアンケート」に記入してもらい、現在服薬中の薬やアレルギーの有無等について確認し、そのデータを入力する。再来患者の場合は、前回処方調剤データを基に修正項目のみ入力する。これらの入力データに基づき、レセコン1のデータ処理部13により、薬歴禁忌情報シート、処方調剤シート、服薬情報文のデータシート画面が作成される。
本発明においては、レセコン1の送受信部12は、後述される調剤管理パソコン2の送受信部22及び薬剤棚3の各薬品庫の送受信部と接続されている。
調剤管理パソコン2は、調剤室に設置され、図3に示すように、入力部21と送受信部22とデータ処理部23と表示部24とを有しており、主として、調剤責任者及び調剤者による調剤の有無及び調剤進捗状況確認のために使用され、当日ピッキングを行う調剤者の登録、現実にピッキングを行う際に各薬品庫にアクセスする調剤者の認証を行う。
調剤者及び調剤責任者は、調剤作業開始前に調剤管理パソコン2の入力部21を操作して、その日の調剤者のIDを登録することができる。調剤者登録が行われるときは、そのIDに対して固有の色が指定され、IDにその色指定データが付加して格納される。調剤者ごとに異なる色が指定されるようになっている。この色は、後述される薬品庫に設けてある複数のランプのそれぞれの色と同じ色である。
一連の調剤作業進捗状況は、調剤管理パソコンにおいて最大5人分が「処方調剤シート」画面にて確認できる。もちろん、この画面は、受付におけるレセコンでも画面メニューを選択して確認できる仕組みになっている。
図4に示すように、処方調剤シート画面には、調剤者氏名及び対応ランプ色・調剤責任者名・例示的に最大5人分の処方箋及びそのピッキング作業の進捗状況を示す薬剤毎の完了ボックス(調剤未:白抜き、完了:青表示)・調剤完了入力アイコンが表示される。処方調剤シート画面については、後述されるピッキングの実行動作との関連で詳細に説明する。
薬剤棚3は、好ましい実施例においては、図1に示すように、調剤室に設置された調剤テーブル3Aの上に又はこれに近接して設けられ、薬剤を種類別に区分けして保管する多数の薬品庫301,302,...〜30n を有する。薬品庫は、指定された薬品庫からのピッキングの順序性を容易に認識できるようにするため、可能な限り、行列を整然と揃えて配設されている。
図6に一つの薬品庫30を代表的に示すように、いずれの薬品庫にも共通の構成要素として、その薬品庫の上部の薬剤の出し入れ時にも見え易く、操作し易い位置に部品取付パネル30aが設けられ、その部品取付パネル30aに表示部31と、ピッキング終了スイッチ32と、調剤者ID受信器33と、扉開閉センサ34と、薬品庫制御装置35とが取り付けられている。
本発明による薬剤ピッキングシステムを用いてのピッキング作業を行う調剤者は、図8に例示するような調剤者ID発信器4を指先に装着する。調剤者ID発信器4は、これに限定されないが、微小なRFIDチップで構成され、指ぬき41に内蔵されていることが好ましい。調剤者ID発信器4を内蔵した指ぬき41は、利き手の指先、例えば右手人差し指に、調剤者ID発信器4が指の裏側(手のひらと反対側)に向くように嵌めて装着される。指ぬきは調剤者に対してランプと対応させて予め定めてある色(特定のランプと同じ色)を有している。この調剤者ID発信器4は、当該調剤者に対して予め割付けたID信号を送信するものである。調剤者ID発信器4内蔵の指ぬき41に代えて、RFIDチップを先端に付着した手袋を用いることもできる。調剤者は指ぬき(又は手袋。以下、同じ。)41を嵌めた手をその指ぬきと同色のランプが点滅している薬品庫の扉を開けるため、例えば、摘み30’を把持するために近づけた際に、その指ぬきの調剤者ID発信器4を調剤者ID受信器33に触れると、調剤者ID発信器4からその調剤者のID信号が調剤者ID受信器33により読み取られるようになっている。
[薬剤ピッキング]
続いて、上記構成により薬剤ピッキングを行うときの作用について、図9のフローチャートに基づいて説明する。
調剤責任者はまず調剤管理パソコン2において、当日ピッキング作業を行う調剤者のIDを登録する(P21)。ID登録が済んだ後、登録した調剤者の中から調剤を行う者を指定すると、調剤管理パソコン2はその旨をレセコン1に送るので、レセコンの調剤進行管理部13Eは、薬剤棚の上部に設けられたブザー3Bを間欠鳴動(0.2秒間を2回)させて調剤者に調剤開始を知らせる。また、調剤管理パソコン2は指定された各調剤者に調剤させるべき処方調剤データを一つの処方箋ごとに割り振り、当該調剤者のIDデータと処方調剤データとをレセコン1に送る(P22)。
調剤管理パソコンには、ピッキン作業に関わる調剤棚の動きがリアルタイムでロギング(記録)される。すなわち、上述した一連のピッキング作業(ランプ点滅、調剤者認証、ランプ点灯、薬品庫扉閉、ピッキング終了、スイッチ押下、ランプ消灯等)において、変化点の入力情報とその時刻を全て記録している。これにより、なんらかのピッキングミスが万が一発生したとしても、どの調剤者の時に、いつの時点で、何の作業時に異常が発生したのかのトレーサビリティを担保しており当該要因に特定できるため、作業改善策が立てやすい。
調剤済みの薬剤については、調剤責任者により調剤管理パソコン2の支援を受けながら、調剤監査がなされる。調剤監査業務は、図10のフローチャートに示される手順で行われる。すなわち、調剤管理パソコン2の入力部21において調剤責任者のID登録がされる(P31)。調剤責任者は、調剤管理パソコン2の表示部24の処方調剤シート画面にて調剤進捗状況を確認し(P32)、次いで、同画面から調剤完了を確認した後、当該処方薬の内容や服用方法等を示した服薬情報文をその調剤管理パソコン2に接続されているプリンタ6に印字出力させる(P33)。そして、調剤責任者は、最後に、調剤者により調剤された薬剤と処方調剤シート画面とを照合確認して、現物照合を行う(P34)。
上記のようにして調剤監査を経た薬剤は、受付窓口において患者に次のようにして引き渡される。この受付窓口における薬剤引き渡し業務のフローを図11のフローチャートに基づいて説明する。すなわち、調剤された薬剤は、受付窓口で薬剤師が患者に見せ、患者の相談に応じながら投薬・服薬指導を行う(P41)。次に、患者に薬剤とともに服薬情報文を手渡す(P42)。そして、レセコン1の入力部11を操作して、薬剤代金の会計処理及び処方箋調剤の一連業務データの保存処理をすることにより、処方箋調剤業務が完結する(P43)。
続いて、上述された本発明によるピッキング方法において重要な事項について総括的に説明する。
[調剤者監視手段]
本発明の目的を達成するためには、薬剤棚に設けた薬品庫にアクセスする調剤者の監視と薬品庫から出し入れする薬剤の監視とが必要である。具体的には、薬剤棚の各薬品庫には表示部とRFIDを読み取るための接触式又は近接式のリーダを付設した。また、調剤者は、調剤者ID発信器を内蔵した色付き指ぬきを指先に装着する。指ぬきはランプと同色のものが同数用意されており、調剤者は自分のIDカラーの指ぬきと同色のランプの調剤作業が容易にできる。調剤者のIDカラーは基本的に固定であり、日々変わるというような紛らわしいことはしないことが好ましい。
調剤進行管理部13Eは、一つの処方箋について調剤作業を行うとき、ピッキングすべき全ての薬品庫のランプを動作させる。その際に、最初にピッキングすべき薬品庫のランプには点滅動作させ、そのほかにピッキングすべき薬品庫がある場合は、それらの薬品庫のランプを点灯(連続点灯)動作させる。そして、最初のピッキングを終了した後、順次、次にピッキングすべき薬品庫のランプの点灯動作を点滅動作に変える。これにより、ランプは、調剤者に対してピッキング位置の予告及びピッキング順序の誘導を行う機能を有する。
各薬品庫に、薬剤棚において同時に調剤作業が可能な最大調剤者数と等しい数のランプを備え、それぞれのランプを各調剤者に指定された色で色分けをするので、複数の調剤者が同時にピッキング作業を行う場合も、それぞれ自分に指定された色のランプによる順序誘導に従って、互いに紛れることなく、ピッキング作業を遂行することができる。
各薬品庫のランプL1〜L5は、例えば、赤・緑・オレンジ・青・白の5色を表示でき、最大5人の調剤者による同時作業を可能としている。また、追い越しピッキングを可能としている。すなわち、調剤者は各々決められた色のランプが点滅する薬品庫から、数量表示部NDに示された量の薬剤をピッキングすればよい。処方箋を見ながらのピッキングに対して、非常に心理的負担が軽減されるとともに、作業が平易になり作業効率向上に寄与する。
薬品庫から薬剤を取り出し、調剤して残り薬剤を元の薬品庫に戻し薬品庫の扉を閉めると、扉開閉センサ34が閉扉を検知する。さらに、ピッキング終了スイッチ32を押下すると該薬剤のピッキング終了をレセコン1が認識して、当該薬品庫の表示部31の表示(ランプ及び数量表示部)を全て消灯する。(1種類の薬剤ピッキング正常終了)
また、一つの処方箋に対するピッキングの開始時点と終了時点にブザーを2回短鳴動させることにより、視覚に頼りがちな薬剤ピッキング環境の中でピッキングの開始と終了を音声により明確に認識することができる。これは作業効率の向上に資する。
さらに、レセコン1では、ピッキング作業全体における受付番号・患者名・調剤者名・薬剤名・薬剤毎の調剤時刻・ID認証時刻・薬品庫扉閉時刻等の調剤履歴記録をロギングする機能を有しており、ピッキング業務に関わるトレーサビリティを担保している。
また、図4に例示されたように、処方調剤シート画面において5人分の調剤進捗状況が一目で分る工夫がされている。
図4に示された処方調剤シート画面には、表示項目として、5つの処方箋A〜Eについて、処方箋入力者氏名、受付番号、受付時間、処方箋発行病院名、処方箋番号、患者ID、保険番号、患者氏名、生年月日、年齢、性別、処方内容としての薬剤名(又は薬剤コード)、調剤者氏名、調剤責任者氏名、調剤開始時刻、調剤完了時刻、調剤監査結果、及び患者への薬剤手渡し時刻が表示され、それぞれの処方箋に対応して、入力内容が表示される。調剤者氏名の欄には、登録された調剤者5人の氏名とそれぞれのIDカラー(赤・緑・オレンジ・青・白)が表示されている。
そして、各処方箋に対する調剤進捗状況は、次のように表示されている。すなわち、
処方箋Aについては、ピッキング完了、調剤監査終了、患者への薬剤手渡し済み。つまり、処方箋Aのための一連の調剤業務が完了したことが示されている。
処方箋Bについては、ピッキング完了、現在調剤監査中。
処方箋Cについては、ピッキング作業中。
処方箋Dについては、処方箋入力完了。調剤責任者が本処方箋の調剤者として神崎早苗(IDカラーは青)を指定。なお、調剤者が入力されると、自動的に調剤開始時間が表示される。
処方箋Eについては、処方箋入力中。なお、入力が完了すると、調剤者氏名欄(所定の色付き)が点滅して、調剤者の指定入力が誘導される。
また、処方内容欄の「薬禁」又は「服情」のアイコンをクリックすることにより、薬歴禁忌情報シート又は服薬情報文の画面を開くことができる。
これにより、調剤責任者は、調剤された薬剤と処方箋(処方調剤シート)との現物による調剤監査だけではなく、調剤作業途上でのチェックもできる。すなわち、本発明により、調剤作業自動チェックの他に、調剤責任者による調剤薬剤と処方箋との現物監査を行う仕組みができて、ダブルチェック(調剤監査の二重化)システムが構築できた。
上記実施の形態による特長を挙げると、次の通りである。
(1)ピッキングにおいて、調剤者監視及び薬剤監視を同時に実現した。
(2)調剤者監視手段として、RFIDチップ内蔵の指ぬき方式を案出したので、ハンズ フリーピッキングを実現した。従来は、携帯端末を片手に持つか腕に装着してのピッキング作業であった。
(3)ランプの色分け又は点滅速度の差異により、複数調剤者による同時ピッキング及び 追い越しピッキングを可能にし、さらに調剤過誤を大幅に低減させる高精度なピッキングシステムである。
実現手段として、ランプの色分け又は点滅速度の差異による視覚認識と、開始ブザー/終了ブザーの音色又はメロディの違い等による聴覚認識を兼ね備えた、二重化個別調剤者認識方式であるので、調剤者は互いに自己の作業領域を容易に識別して同時ピッキング及び追い越しピッキングができる。
(4)調剤責任者は、調剤管理パソコンによりピッキング作業進捗状況をも確認できる。
(中間監査の実現)
(5)開始ブザー/終了ブザーは、調剤場所の雰囲気や好みにより、各種の単音ブザー音 又はメロディ音から調剤者が選択できる仕組みになっていて、調剤作業環境にも配慮している。
1 レセコン
2 調剤管理パソコン
3 薬剤棚
30,301,302〜30n 薬品庫
31 表示部
L,L1,L2,L3〜Ln ランプ
ND 数量表示部
32 ピッキング終了スイッチ
33 調剤者ID受信器
34 扉開閉センサ
35 薬品庫制御装置
3B ブザー
4 調剤者ID発信器(RFIDチップ)
41 指ぬき
Claims (7)
- 薬剤棚を構成する、薬剤を種類ごとに区分けして保管する多数の薬品庫のうち、処方箋に記載された薬剤を保管する薬品庫から所定量の薬剤を調剤者が取り出す薬剤ピッキング方法において、
(a)当日ピッキング作業を行う調剤者の識別コードを登録するステップ、
(b)前記登録された調剤者のうち現実にピッキング作業を行う調剤者として指定された調剤者に調剤開始が可能であることを音声で知らせるステップ、
(c)処方箋に基づき入力された処方調剤データを基に、当該薬剤を保管している薬品庫を検索し、検索された薬品庫に設けてある数量表示部にピッキングすべき薬剤の数量を表示するとともに、その薬品庫に設けてある複数のランプのうち前記指定された調剤者の識別コードに対応して予め定められた色で発光するするランプを、最初にピッキングすべき薬品庫のランプは点滅させ、後順位でピッキングすべき薬品庫のすべてのランプは点灯させるステップ、
(d)各薬品庫に設けられた受信器が調剤者の指先に装着した調剤者識別コード発信器から登録されている調剤者識別コードと一致する調剤者識別コードを受信した時、前記点滅させたランプを点灯に変えるステップ、
(e)ランプが点滅から点灯に変えられた薬品庫に設けられたピッキング終了スイッチが操作され、かつ、その薬品庫の扉が閉じられたことを検知したことに基づき、前記点滅から点灯に変えられたランプを消灯するとともに、前記数量表示部の表示を消去し、当該処方箋の処方調剤データに基づきピッキングすべき薬品庫がほかにある場合には、点灯させてあるランプのうち次順位でピッキングすべき薬品庫のランプを順次点灯から点滅に変えるステップからなり、
(f)前記ランプが点灯から点滅に変えられる薬品庫の順序を、調剤者がピッキングするための移動距離が最短距離となるように決定することを特徴とする薬剤ピッキング方法。 - ランプが点灯から点滅に変えられる薬品庫の順序を、薬剤棚の一端の薬品庫の列から他端の薬品庫の列の方向に移動するように決めることを特徴とする請求項1に記載の薬剤ピッキング方法。
- ランプを点滅から点灯に変えた後、そのランプが設けてある薬品庫の受信器がそのランプを点滅から点灯に変える前に受信した調剤者識別コードと同じ調剤者識別コードを再び受信する前にその薬品庫の扉が閉じられたことを検知したときは、警報音を出すことを特徴とする請求項1に記載の薬剤ピッキング方法。
- 薬剤棚と、調剤支援パソコンと、調剤者識別コード発信器とからなり、
前記薬剤棚は、薬剤を種類ごとに区分けして保管する多数の薬品庫を有し、
前記各薬品庫には、互いに異なる色で発光するランプと、前記調剤支援パソコンから与えられる制御信号によりそのランプの点滅、点灯又は消灯を制御するランプ制御部と、ピッキングすべき薬剤の数量を表示する数量表示器と、前記調剤者識別コード発信器を触れ又は近接させたときに調剤者識別コードを受信して前記調剤支援パソコンに送る調剤者識別コード受信器と、薬品庫から所定数量の薬剤をピッキングした後に操作されるピッキング終了スイッチと、当該薬品庫の扉の開閉を検知する扉開閉センサとが設けてあり、
前記調剤支援パソコンは、ピッキングを行う調剤者の識別コードを登録する調剤者登録手段と、前記薬剤棚のいずれかの薬品庫の調剤者識別コード受信器から送られてくる調剤者識別コードを登録された調剤者識別コードと照合する調剤者認証手段と、処方箋に基づき入力された処方調剤データを基に当該薬剤を収容している薬品庫を検索して、ピッキングすべき薬品庫を決定する薬品庫決定手段と、決定された薬品庫から調剤者がピッキングするための移動距離が最短距離となるようにピッキングすべき薬品庫の順序を決定するピッキング順序決定手段と、最初にピッキングすべき薬品庫のピッキング終了スイッチからの終了信号に基づきピッキング順序を1薬品庫ずつ順次繰り上げるピッキング順序繰り上げ手段と、前記薬品庫決定手段により決定されたピッキングすべき薬品庫に調剤者識別コード、ピッキング順序データ及び薬剤数量データを送る送信手段とを有し、
前記各薬品庫のランプ制御部は、受信した前記調剤者識別コードに基づいて当該識別コードに対応する色のランプを動作させ、かつ、受信したピッキング順序データが最先順位データであるときはそのランプを点滅させ、後順位データであるときはそのランプを点灯させ、前記調剤者認証手段により調剤者が認証された旨の信号を受けたときは、点滅させてあるランプを点灯に変え、ピッキング終了信号を受けた時はその点灯しているランプを消灯するものである薬剤ピッキング装置。 - ピッキング順序決定手段は、ランプが点灯から点滅に変えられる薬品庫のロケーション表示を、薬剤棚の一端の薬品庫の列から他端の薬品庫の列の方向に移動するものであることを特徴とする請求項4に記載の薬剤ピッキング装置。
- 調剤者識別コード発信器はRFIDチップを内蔵した指ぬきであり、薬品庫に設けられる調剤者識別コード受信器はRFIDリーダである請求項4又は5に記載の薬剤ピッキング装置。
- 指ぬきは薬品庫のいずれかのランプの発光色と同じ色を有することを特徴とする請求項6に記載の薬剤ピッキング装置。
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