JP4683999B2 - ステイオンタブ式缶蓋 - Google Patents

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Description

本発明は、ステイオンタブ式缶蓋の改良に関する。
ステイオンタブ式缶蓋は、主に飲料缶の缶蓋に用いられており、パネル上にリベットを介して固着されたタブの後端部の把持部を持ち上げることによって破断開口部に沿って形成されたスコアを破断したとき、破断開口片の一部がパネルに繋がった状態でパネルの裏面側に折り込まれて開口される。この開口時の作動を詳しく説明すれば、まず、タブの把持部に指を掛けて引き上げたとき、初期段階では、タブ先端の押圧部が破断開口部上に当接して支点とされ、リベットに引き上げ方向の力が生じる。更にタブの把持部を引き上げたとき、リベット側に形成されたスコアに初期破断が生じ、連続的にスコアの破断が開始される。そして更に、連続してタブの把持部を引き上げたとき、前記初期破断の直後からは、リベットが支点とされて、タブ先端の押圧部が、破断開口片を押圧してスコアの破断が続けられる。その後、タブの押圧部がスコアに沿って破断された破断開口片を缶蓋の裏面側に押し下げ、開口作業が完了する。
ところで、近年では需用者からスコアが破断された後の飲み口から注ぎ出される飲料の量が少ないので、もう少し飲み口を大きくして欲しいという要望が多い。そこで、近年では破断開口部を幅方向(パネルの平面上においてタブの軸方向と直交する方向)に広めに形成し、内容物の単位時間当たりの注ぎ出し量を多くする対策がなされている(下記特許文献1参照)。
しかしながら、幅方向に広い破断開口部を有する缶蓋においては、タブを起こしてスコアを開口する際にスコアが一気に開口してしまい、飲料等の内容物が外部に飛び散ることがあった。また、幅方向に広い破断開口部を有する缶蓋では、飲料等を注ぎ出す際に飲料等が破断開口部に沿って広がった状態で注ぎ出されるため、利用者が直接口から飲もうとすると口から外にこぼれたり、開口幅の狭いコップなどに飲料等を注ぐ際にはコップの口から外にこぼれてしまうおそれがある。
特開平10−296362号公報
本発明は、ステイオンタブ式缶蓋の改良を目的とし、さらに詳しくは前記不都合を解消するために、破断開口部を開口する時にスコアが一気に破断されることがない缶蓋を提供することを目的とする。また、本発明は、利用者が直接開口部に口を付けて内容物を飲む際には飲みやすく、内容物を注ぎ出す際には開口幅の狭いコップ等にも容易に注ぐことができる缶蓋を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、缶胴の開口部に取り付けられるパネルと、前記パネルの中央近傍に位置するリベットにより固定されその前方に位置して前記パネルを押圧する押圧部とその後方に位置して利用者に把持される把持部とを有するタブと、前記パネルに始端と終端とが間隔をなして位置し始端から前記リベット近傍を通過する第1破断部と前記第1破断部から連続して前記パネルの外周に向けて湾曲し前記終端に連続する第2破断部とを備えたスコアと、前記スコアによって包囲形成された破断開口部とを備え、前記タブの押圧部によって前記スコアを破断しつつ前記破断開口部をパネルの裏面方向に押し下げて破断開口部を開口すると共に開口することによって形成される破断開口片の一部がパネルに繋がった状態でパネルの裏面側に折り込まれるステイオンタブ式缶蓋であって、前記パネルの平面において前記タブの前後方向を軸方向とし、該軸方向に直交する方向を幅方向としたとき、前記破断開口部の前記幅方向の寸法が前記軸方向よりも大とされたものにおいて、前記スコアは、前記リベット中心を通って軸方向に延びる線と前記第2破断部とが交差する箇所に、前記第2破断部の一部として前記パネルの外周縁に向けて円弧状に突出する膨出部を備えていることを特徴とする。
本発明のステイオンタブ式缶蓋においてタブによりスコアを破断するときは、タブの把持部を押し上げることによりタブの押圧部によって前記第1破断部が破断され、さらなるタブの押し上げによって第1破断部から第2破断部へスコアの破断が進行する。そして、前記第2破断部のスコアの破断が進行して前記膨出部まで達したときは、前記膨出部によりスコアの破断する方向が変更されるのでスコアの破断に制動力が働く。これにより、従来のようにスコアが一気に破断することが抑制されるので、内容物の外部への飛散が抑制される。また、この状態からさらにタブを押し上げると、前記膨出部及びそれに続く第2破断部が破断され、前記破断開口部が開口される。
このように、前記破断開口部が開口されると、前記パネルの破断形状は、前記膨出部によって前記パネルの外周縁近傍が円弧状に切り取られた形状となる。従って、内容物を注ぎ出す際にはその円弧状に切り取られた部分を中心に内容物が注ぎ出されるため、従来の単に幅方向に広い開口部を有する缶蓋に比べて注ぎ出される内容物の幅が狭まるので、本発明の缶蓋を飲料缶として用いた場合は、購入者が内容物である飲料を飲む際には飲みやすくなり、開口幅の狭いコップなどに内容物を注ぐ際には注ぎやすくなる。さらに、前記膨出部が切り取られることにより生じる凹部から内容物を注ぎ出すことができるので、内容物の液切れが良好なものとなると共に、液溜まりが非常に少なくなる。
また、本発明のステイオンタブ式缶蓋においては、前記第1破断部は前記始端から後方に向けて円弧状に膨出すると共に前記リベットの前方に向かう始端湾曲部を有し、前記パネルの平面において前記軸方向に直交する方向を幅方向とし、前記リベット中心を通って軸方向に延びる線と前記第2破断部とが交差する点から前記リベット中心までの寸法を基準寸法としたときに、前記始端湾曲部の軸方向後端部が前記リベット中心に対して軸方向前方に所定量オフセットされると共に、前記スコア始端の幅方向端部から前記リベット中心までの寸法が前記基準寸法に対して17%から25%の割合に形成されていることが好ましい。
前記第2破断部に前記膨出部を設けた場合、前記タブの押圧部から破断されるスコアまでの寸法が若干長くなるが、前記スコアの始端湾曲部の軸方向後端部を軸方向前方にオフセットすると共に前記スコア始端の幅方向端部から前記リベット中心までの寸法を前記基準寸法に対して17%から25%に形成することにより、前記第1破断部が破断された際のタブの起きあがり量が抑制されるので、前記膨出部にタブの押圧力が及びやすい。このため、前記膨出部を設けた場合でも開口不良等の防止効果が得られる。尚、この割合は小数点以下を四捨五入したものである。
ここで、前記スコア始端の幅方向端部から前記リベット中心までの寸法が前記基準寸法の17%未満になると、前記第1破断部に生じる応力が大きくなるため、スコアではない箇所、例えばリベット近傍の肉厚が薄くなっている部分に亀裂が入り、結果として開口不良となるおそれがある。また、前記スコア始端の幅方向端部から前記リベット中心までの寸法が前記基準寸法の25%を越えると、前記第1破断部が破断された際にタブの起きあがり量が大きくなり、第2破断部が終端まで破断されずに開口不良となるおそれがある。
また、本発明のステイオンタブ式缶蓋においては、前記タブは、前記リベットより前方の押圧部が円弧状に形成され、前記リベットにより前記パネルに取り付けられる固定部と、前記固定部の側方及び後方を囲む切り込みとを有し、前記スコアの始端が位置する側の切り込みの先端部が他方の切り込みの先端部より前方に向けて突出していることが好ましい。
前記タブを起立させたときは、前記固定部の両側にある切り込みの先端部を結ぶ線を軸として起立する。このため、前記スコアの始端が位置する側の切り込みの先端が他方の切り込みの先端よりも前方に突出しているときは、前記タブが起立する際の軸が傾斜する。このように前記タブが起立する際の軸が傾斜すると、前記把持部が引き上げられた際に前記押圧部において最も力が加わる点が前記スコアの始端と反対側、即ち前記第1破断部に連続する第2破断部側に移動する。このため、前記第1破断部が破断され、次いで前記第2破断部が破断される際には前記第2破断部が破断される方向に前記タブからの押圧力が作用するので、前記スコアの破断が円滑に行われる。
また、前記タブの押圧部は円弧状に形成されているので、前記タブを起こす角度が大きくなるにつれて、前記パネルの表面に当接する前記タブの押圧部の当接位置が押圧部の中央から徐々に前記スコアの始端及び終端の方向に向けて移動していく。本発明のステイオンタブ式缶蓋では、前記タブが起立する際の軸が傾斜しているので、前記スコアの膨出部の後端(前記スコアの終端側端部)近傍までスコアが破断されるときに、従来のタブで押圧した場合に比べて前記当接位置が前記押圧部の中央寄りに位置するようになる。これにより、前記当接位置が従来のタブに比べてタブの傾動時の軸よりも離れた位置となるため、前記タブにより前記破断開口部を大きく押し込むことができるので、前記スコアの破断を容易に行うことができる。
さらに、前記タブを前記パネルから90゜以上傾動させた際には、前記タブが起立する際の軸が傾斜しているので、前記タブの押圧部が前記破断開口部が折り込まれる側に押し込まれる。また、前記タブが起立する際の軸が傾斜していることにより、従来のタブに比べて前記パネルに当接する前記押圧部の当接位置がタブの傾動時の軸よりも離れた位置となるため、前記破断開口部に効率よくタブの力を及ぼすことができる。このため、前記スコアを終端部またはその近傍まで確実に破断することができる。これにより、前記スコアの破断が前記膨出部で制動された場合であっても、前記タブの押圧力が前記スコアに及びやすいので、スコアの開口が容易に行われる。
また、本発明のステイオンタブ式缶蓋においては、前記タブの押圧部の裏面に、前記タブの軸方向中心線から前記スコアの始端とは反対側に位置する突起が設けられていることが好ましい。このように、前記タブの押圧部に前記突起が設けられているときは、前記第1破断部が破断され、次いで前記第2破断部が破断される際には前記第2破断部が破断される方向に前記タブからの押圧力が作用するので、前記スコアの破断が円滑に行われる。また、前記膨出部が破断される際にも前記突起により前記タブからの押圧力が前記膨出部に及びやすいので、前記スコアの破断を容易に行うことができる。さらに、前記突起が前記破断開口部の表面に当接している状態では、突起の設けられていない側の押圧部の裏面と前記破断開口部との表面には間隙が生じている。従って、前記スコアの第1破断部を破断する初期破断の際に前記把持部を持ち上げると、突起が設けられていない側の押圧部が前記間隙の分だけ移動して前記破断開口部に当接する。これにより、前記把持部が持ち上げられるので、スコアの初期破断が容易となる。
次に、本発明のステイオンタブ式缶蓋の実施形態の一例について、図1乃至図6を参照して説明する。本実施形態の缶蓋1は、図1に示すように、飲料缶2の天蓋として使用されており、パネル3の表面にはスコア4が刻設され、リベット5を介してタブ6が取り付けられている。本実施形態においては、図1における上下方向、即ちタブの軸線方向を軸方向とし、左右方向、即ち軸方向と直交する方向を幅方向として説明する。
スコア4は、図2において、始端7と終端8とがパネル3の中心から左側に位置しており、始端7からリベット5の近傍を通って幅方向に延びる第1破断部9と、第1破断部9の終点から終端8まで湾曲して延びる第2破断部10とを有している。また、第2破断部10の略中央部分には、軸方向前方(図1において下方向)に向けて円弧状に突出する膨出部11が設けられている。また、符号7aはスコア4の始端7の始端湾曲部の軸方向の後端部を示し、符号7bはスコア4の始端7の幅方向端部を示す。パネル3において、このスコア4によって囲まれる部分が破断開口部12となり、スコア4がすべて破断された際には破断開口片となる。
図2における一点鎖線は、第1破断部9と第2破断部10との境界線を示す。また、図2においては、スコア4は2重線となっているが、実際に破断されるのは2重線の外側の線のみであり、内側の線は外側の線を刻設する際に加工歪みを最小限に抑えると共に、外側の線が破断されやすいように設けられた補助スコアである。また、図2において膨出部11の近傍に点線で表されているのは従来のスコアの形状である。また、パネル3の破断開口部12を囲むスコア4がすべて破断されると、パネル3上に飲み口が形成されると共に、タブ6によりパネル3の裏面に折り込まれる破断開口片が形成される。
本実施形態の缶蓋1におけるタブ6は、図3に示すように、指をかけて上方に引き上げるための把持部13と、破断開口部12を押圧する円弧状の押圧部14と、リベット5に固定される固定部15と、この固定部15の周囲を略コ字状に囲む切り込み16とを有している。この切り込み16の図3における左側の端部16aは、右側の端部16bに比べて下方に長く伸びている。従って、タブ6の把持部13が引き上げられたときは、この切り込みの端部16aと端部16bとを結ぶ傾動軸17を軸としてタブ6が傾動することになる。
従って、把持部13を引き上げた際に押圧部14において最も力が加わる点を被押圧点18とすると、図2に示すように、リベット5の中心を通る軸線方向を基準として、スコア4の始端7及び終端8が設けられている側とは反対側である右側に被押圧点18がオフセットすることになる。尚、タブ6の切り込み16の端部16a,16bの突出量が同一であり、押圧部14に後述する突起19が設けられていない状態では、被押圧点18はリベット5の中心を通る軸線上に位置する。
また、本実施形態では、パネル3に取り付けられる前のタブ6について、固定部15の位置を従来のタブに比べてパネル3側に向けて深く沈ませている。従来のタブの固定部は、タブをパネルの表面に載置した際にある程度浮き上がるようにしており、リベットで固定することによりタブをパネル側に強く押し付けるようにしている。本実施形態においては、固定部15の浮き上がり量を減らし、タブ6をパネル3に載置した際に固定部5がパネルの表面に当接するようにしている。そして、リベット5で固定部15を固定した際に、タブ6の押圧部14の裏面がパネル3の破断開口部12の表面に当接するようにし、タブ6がパネル3に強く押し付けられないよう軽く当接するようにしている。
次に、本実施形態の缶蓋1の各部の寸法について説明する。本実施形態では、図2に示すように、リベット5の中心と、リベット5の中心を通る軸線と第2破断部10の膨出部11とが交差する点との間の寸法を基準寸法Aとしている。本実施形態では、この基準寸法Aは20.2mmである。また、タブ6の長さHは24.2mm、タブ6の幅Gは16.0mmである(寸法はいずれも小数点第2位以下を四捨五入。以下同じ。)。
また、スコア始端湾曲部の軸方向後端部7aのリベット5中心からの軸方向のオフセット量Bは、基準寸法Aの約5.0%である1.0mmに設定されている。また、スコア始端7の幅方向端部7bからリベット5中心までの長さCは、基準寸法Aの約23.8%である4.8mmに設定されている。また、スコア4の膨出部11の軸方向の突出量Dは、基準寸法Aの約9.9%の2mmであり、膨出部11の幅Fはタブ6の幅Gの約83%の13.2mmとしている。また、タブ6の切り込み16の端部16a,16bの突出量の差Eは、基準寸法Aの約5.0%である1.0mmに設定されている。
本実施形態では、各部の寸法の範囲は以下の通りとなる。まず、スコア始端湾曲部の軸方向後端部7aのオフセット量Bは、基準寸法Aの約2.5%から5.9%とすることが好ましく、本実施形態では0.5mmから1.2mmの範囲となる。また、スコア始端7の幅方向の端部7bからリベット5の中心までの寸法Cは、基準寸法Aの約17.3%から24.8%とすることが好ましく、本実施形態では3.5mmから5.0mmの範囲となる。このオフセット量Bが上限値を上回り、寸法Cが下限値を下回るとスコア4の初期破断時に第1破断部9に大きな力が加わり、スコア4以外の箇所に破断が及ぶおそれがある。一方、このオフセット量Bが下限値を下回り、寸法Cが上限値を上回るとスコア4の初期破断時にタブ6の起立量が大きくなりすぎ、スコア4の開口不良となるおそれがある。
また、膨出部11の軸方向の突出量Dは、基準寸法Aの約0.5%から14.9%の0.1mmから3.0mmの範囲となる。この膨出部11の突出量Dが上限値を上回ると、スコア4の破断時に制動力が大きくなりすぎるため、スコア4の開口不良となるおそれがある。また、この膨出部11の突出量Dが下限値を下回ると、スコア4の破断時に制動力が不足すると共に、内容物の注ぎ出しにおいて狭い口のコップに注ぎにくい等の不都合が生じる。
また、膨出部11の幅方向の寸法Fは、タブ6の幅Gの90%以内が好ましく、本実施形態では14.4mm以下となる。膨出部11の幅方向の寸法Fがタブ6の幅Gの90%を越えると、破断開口部12が開口されて形成される飲み口の中にタブ6が潜り込み、タブ6が飲み口を塞いでしまって内容物が注ぎ出しにくくなるおそれがある。また、膨出部11の幅Fの最小値は、スコア4の第2破断部10全体の幅等に応じて適宜決定する。
また、タブ6の切り込み16の端部16a,16bについては、突出量の差Eが基準寸法Aの約1.0%から7.4%程度とし、本実施形態では0.2mmから1.5mmとしている。この突出量の差Eがその下限値よりも小さいと、タブ6が起立された際の傾きが不十分となり、開口性を向上させる効果が十分得られない。逆に、突出量の差Eがその上限値よりも大きいと、タブ6が起立された際の傾きが強くなりすぎ、破断開口部12に十分力を伝えられなくなるため、スコア4の開口不良を起こすおそれがある。
尚、従来から用いられている通常の缶蓋についてスコア始端の位置を調べたところ、スコア始端の幅方向の端部からリベット中心までの寸法Cは基準寸法Aの26.3%から29.8%となっていた。このように、従来の缶蓋には、寸法Cが基準寸法Aの17%から25%の範囲内に入るものはなかった。
次に、以上のように構成された缶蓋1の開口操作について説明する。飲料缶2内の飲料を飲む際には、まず利用者がタブ6の把持部13に指をかけて上方に引き上げる。本実施形態においては、上述のようにタブ6の固定部15のパネル3側への沈み量を調節することにより、タブ6がパネル3に軽く当接するように形成されているため、利用者は把持部13を容易に上方に引き上げることができる。
タブ6の把持部13の持ち上げによって、押圧部14が破断開口部12の表面に押圧されると、押圧部14が支点となってリベット5が上方に押し上げられ、スコア4の第1破断部9が破断する。この状態からさらにタブ6の把持部13を引き上げると、切り込み16の左右端部16a,16bを結ぶ傾動軸17を軸にしてタブ6が傾動される。このタブ6の動きに応じて、スコア4の第1破断部9から破断位置が第2破断部10に移動していき、膨出部11の右側端部まで到達する。このとき、被押圧点18が図2において右側にオフセットされているので、スコア4の破断位置には図2においてリベット5の中心から幅方向右側に力が加わるため、スコア4の破断が円滑に行われる。
また、スコア4の破断位置が膨出部11まで達すると、スコア4が破断される方向が変化するため、その変化時の抵抗によってスコア4の破断に制動力が作用する。これにより、従来のようにスコア4が一気に開口して内容物である飲料が外部に飛び散ることが防止される。
また、膨出部11の右側端部に達した破断箇所は、タブ6のさらなる引き上げ動作により徐々に膨出部11を進行し、最終的にスコア4の終端8に到達する。このとき、タブ6の固定部15における傾動軸17が傾斜しているため、タブ6の角度が側面視で90゜を越えて傾動された場合に、破断開口部12の折れ曲がり方向に向かってタブ6の押圧部14が押し込まれる。また、また、タブ6が起立する際の傾動軸17が傾斜していることにより、タブ6を起こす角度が同一の場合、従来のタブに比べて破断開口部12に当接する押圧部14の当接位置が中央側(図3における押圧部14の下端部側)に近くなる。
このように、従来のタブに比べて、タブを起こす角度が同一であっても押圧部14の当接位置が傾動軸17から離れた位置となるため、押圧部14によって破断開口部12をより奥まで押し付けることができる。従って、タブ6によってスコア4を終端8またはその近傍まで確実に破断することができる。これにより、破断開口部12の周囲のスコア4がすべて破断されると共に、スコア4の破断により形成される破断開口片がパネル3の裏面に折り込まれる。
本実施形態では、スコア始端湾曲部の軸方向後端部7aがリベット5の中心から前方にオフセットされており、幅方向端部7bからリベット5中心までの長さCが基準寸法Aの約23.8%とされているため、タブ6によってスコア4を破断する際に、タブ6の起きあがり量が従来の缶蓋よりも抑制されるので、膨出部11及びその後方のスコア4も容易に開口することができる。その後、従来のタブと同様にタブ6の把持部13をパネル3の表面側に戻して開口操作が終了する。
そして、スコア4がすべて破断され、破断開口部12が破断開口片となってパネル3の裏面側に折返されたときは、飲み口の下端部に膨出部11が切り取られることによって生じた凹部が形成されるので、飲料をコップ等に注ぐ場合には、この凹部を中心に飲料が注ぎ出される。従って、飲み口から注ぎ出される飲料の幅は従来のスコアにより切り取られた飲み口の場合に比べて広がりが少なくなる。また、利用者が飲料を直接飲む場合でも、注ぎ出される飲料が幅方向に広がりすぎないので、快適に飲料を飲むことができる。さらに、飲み口において膨出部11が切り取られることによって生じた凹部から飲料が注ぎ出されるので、液切れがよくなると共に液溜まりが非常に少なくなる。
次に、本発明のステイオンタブ式缶蓋の変形例について図4乃至図6を参照して説明する。図4は本変形例の缶蓋1’が取り付けられた飲料缶2’の平面図である。図5は、本変形例の缶蓋1’に使用されるタブ6’を裏面から見た斜視図である。本変形例の缶蓋1’では、タブ6’の押圧部14’の形状が上記実施形態と異なっている。具体的には、図4及び図5に示すように、タブ6’の押圧部14’の裏面に、破断開口部12の表面に向けて突出する突起19が設けられている。このタブ6’は、従来と同様にアルミ板をプレス加工することにより形成しており、そのプレス加工の際に押圧部14’の一部が突起19として突出するように形成したものである。
このように、本変形例の缶蓋1’はタブ6’の押圧部14’に突起19が設けられているので、パネル3に取り付けられたときは、図6に示すように、突起19が破断開口部12の表面に当接し、突起が設けられていない押圧部14’の裏面と破断開口部12との間には間隙20が生じている。尚、その他の構成は、上記実施形態と同様であるので詳細な説明は省略する。
次に以上のように構成された缶蓋1’の開口操作について説明する。まず、タブ6’の把持部13に指をかけて上方に引き上げる。本変形例においては、図6において左側のタブ6’の押圧部14’の裏面と破断開口部12との間には間隙20があるため、押圧部14’の左側の裏面が破断開口部12の表面に当接するまで把持部13が軽い力で引き上げられる。
この状態からさらに把持部13を引き上げると、突起19及び左側の押圧部14’とが支点となってリベット5が上方に押し上げられ、スコア4の第1破断部9が破断される。この状態からさらにタブ6’の把持部13を引き上げると、切り込み16の左右端部を結ぶ傾動軸17を軸にしてタブ6’が傾動される。そして、このタブ6’の動きに応じて、スコア4の第1破断部9から破断位置が第2破断部10に移動していき、膨出部11の端部まで到達する。このとき、傾動軸17は傾きを持っており、さらに破断開口部12は突起19によって押圧されるので、スコア4の破断の方向にタブ6’の押圧力が作用するため、スコア4の第2破断部10は容易に破断される。また、スコア4の破断位置が膨出部11まで達すると、スコア4が破断される方向が変化するため、その変化時の抵抗によってスコア4の破断に制動力が作用する。
また、膨出部11に達した破断箇所は、タブ6’のさらなる引き上げ動作により徐々に膨出部11を進行する。このとき、タブ6’の突起19によって破断開口部12が押圧されるので、膨出部11までタブ6’の押圧力を有効に作用させることができる。また、タブ6’をさらに傾動させると、破断開口部12の表面にはタブ6’の突起19ではなく円弧状の押圧部14’が当接し、破断開口部12がパネル3の裏面にまで折り返される。このときも、傾動軸17が傾斜しているため、押圧部14’が破断開口部12の折返される方向に押し込まれるため、破断箇所が最終的にスコア4の終端8に到達する。これにより、破断開口部12の周囲のスコア4がすべて破断されると共に、スコア4の破断により形成される破断開口片がパネル3の裏面に折り込まれる。
尚、上記実施形態及び変形例における寸法は、350ml入りの飲料缶を例にして説明したが、これに限らず、上記寸法の比率を保てば缶コーヒー等に多く用いられている200ml入りの飲料缶に適用してもよい。また、上記実施形態及び変形例においては、飲料缶の缶蓋を例にして説明したが、これに限らず、内容物が液体である他の缶容器の缶蓋としてもよい。
本発明の実施形態の一例である缶蓋を飲料缶に用いた状態を示す平面図。 図1の缶蓋のリベットとスコアとの関係を示す説明的平面図。 図1の缶蓋に用いられるタブを示す説明的平面図。 本発明の変形例である缶蓋を示す平面図。 図4の缶蓋に用いられるタブを裏面から見た説明図。 図4の缶蓋のタブ先端部を前方から見た説明的一部断面図。
符号の説明
1…缶蓋、3…パネル、4…スコア、5…リベット、6…タブ、始端…7、終端…8、9…第1破断部、10…第2破断部、11…膨出部、12…破断開口部。

Claims (4)

  1. 缶胴の開口部に取り付けられるパネルと、前記パネルの中央近傍に位置するリベットにより固定されその前方に位置して前記パネルを押圧する押圧部とその後方に位置して利用者に把持される把持部とを有するタブと、前記パネルに始端と終端とが間隔をなして位置し始端から前記リベット近傍を通過する第1破断部と前記第1破断部から連続して前記パネルの外周に向けて湾曲し前記終端に連続する第2破断部とを備えたスコアと、前記スコアによって包囲形成された破断開口部とを備え、前記タブの押圧部によって前記スコアを破断しつつ前記破断開口部をパネルの裏面方向に押し下げて破断開口部を開口すると共に開口することによって形成される破断開口片の一部がパネルに繋がった状態でパネルの裏面側に折り込まれるステイオンタブ式缶蓋であって、
    前記パネルの平面において前記タブの前後方向を軸方向とし、該軸方向に直交する方向を幅方向としたとき、前記破断開口部の前記幅方向の寸法が前記軸方向よりも大とされたものにおいて、
    前記スコアは、前記リベット中心を通って軸方向に延びる線と前記第2破断部とが交差する箇所に、前記第2破断部の一部として前記パネルの外周縁に向けて円弧状に突出する膨出部を備えていることを特徴とするステイオンタブ式缶蓋。
  2. 前記第1破断部は前記始端から後方に向けて円弧状に膨出すると共に前記リベットの前方に向かう始端湾曲部を有し、
    前記パネルの平面において前記軸方向に直交する方向を幅方向とし、前記リベット中心を通って軸方向に延びる線と前記第2破断部とが交差する点から前記リベット中心までの寸法を基準寸法としたときに、
    前記始端湾曲部の軸方向後端部が前記リベット中心に対して軸方向前方に所定量オフセットされると共に、前記スコア始端の幅方向端部から前記リベット中心までの寸法が前記基準寸法に対して17%から25%の割合に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のステイオンタブ式缶蓋。
  3. 前記タブは、前記リベットより前方の押圧部が円弧状に形成され、前記リベットにより前記パネルに取り付けられる固定部と、前記固定部の側方及び後方を囲む切り込みとを有し、前記スコアの始端が位置する側の切り込みの先端部が他方の切り込みの先端部より前方に向けて突出すると共に、両先端部が前記リベットの前端部以上に前方に突出していることを特徴とする請求項1又は2に記載のステイオンタブ式缶蓋。
  4. 前記タブの押圧部の裏面に、前記タブの軸方向中心線から前記スコアの始端とは反対側に位置する突起が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のステイオンタブ式缶蓋。
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