JP4683482B2 - 車載フィルムアンテナ及びその搭載方法 - Google Patents

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本発明は、エレメントがフィルムシートに形成されてなる車載フィルムアンテナ及びその搭載方法に関する。
車両に搭載される車載フィルムアンテナとして、出願人は、特願2005−150949を出願した。ところで、この種の車載フィルムアンテナでは、エレメントが形成されているフィルムシートがウィンドウに貼付けられる構成であるので、例えば車両を買換えるときにフィルムシートを再利用する場合には、買換える前の車両のウィンドウからフィルムシートを剥がし、その剥がしたフィルムシートを買換えた後の車両のウィンドウに貼付けて再利用することになる。
しかしながら、このようにフィルムシートをウィンドウに貼替える構成では、貼替える毎にフィルムシートが劣化したりウィンドウの汚れなどが付着したりすることになり、フィルムシートの耐久性及び視認性が低下すると共に美観が損なわれるという問題があった。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐久性及び視認性が低下することがないと共に美観が損なわれることもなく、フィルムシートを適切に再利用することができる車載フィルムアンテナ及びその搭載方法を提供することにある。
請求項に記載した車載フィルムアンテナによれば、第2のフィルムシートが車両ボデー側に装着されると共に第1のフィルムシートの端部が第2のフィルムシートに装着されることで、エレメントと導通する端子が接続パターンと導通されてエレメントが給電または接地されるように構成したので、車両を交換するときに第1のフィルムシートを再利用する場合には、第1のフィルムシートを、交換する前の車両に装着されている第2のフィルムシートから離脱し、その離脱した第1のフィルムシートを、交換した後の車両に装着されている第2のフィルムシートに装着することで、第1のフィルムシートを適切に再利用することができる。
この場合も、第1のフィルムシートをウィンドウに貼替える必要がないので、第1のフィルムシートが劣化したりウィンドウの汚れなどが付着したりすることがなく、耐久性及び視認性が低下することがないと共に、美観が損なわれることもなく、特に、フロントウィンドウの点検シールが貼付けられている部位に搭載する場合であっても、第1のフィルムシートを点検シールから剥がしたり点検シールに貼付けたりする必要がないので、点検シールの影響を受けることもない。
請求項に記載した車載フィルムアンテナによれば、フィルムシートが硬質材料からなる誘電体から構成されているので、フィルムシートが車両に装着されている状態でフィルムシートを安定させることができる。
請求項に記載した車載フィルムアンテナの搭載方法によれば、エレメントと導通する端子を第1のフィルムシートの端部に形成し、第1のフィルムシートの端部が着脱可であると共に車両ボデー側に着脱可能な第2のフィルムシートに接続パターンを形成し、第2のフィルムシートを車両ボデー側に装着すると共に共に第1のフィルムシートの端部を第2のフィルムシートに装着することで端子を接続パターンと導通させてエレメントを給電または接地せるようにしたので、上記した請求項に記載したものと同様にして、車両を交換するときに第1のフィルムシートを再利用する場合には、第1のフィルムシートを、交換する前の車両に装着されている第2のフィルムシートから離脱し、その離脱した第1のフィルムシートを、交換した後の車両に装着されている第2のフィルムシートに装着することで、第1のフィルムシートを適切に再利用することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態として、例えばテレビ電波の周波数帯域である470〜770[MHz]帯域の電波を受信する車載フィルムアンテナがフロントウィンドウのコーナー部付近に搭載される場合に適用したものについて、図1ないし図3を参照して説明する。車載フィルムアンテナ1を構成するフィルムシート2は、3箇所で鋭角に屈曲された形状をなすエレメント3が形成されていると共に3箇所で凸部2a〜2c(本発明でいう端部)が形成されて構成されている。尚、エレメント3は、全体としてフロントウィンドウの材質であるガラスの誘電率による波長短縮率「0.7〜0.8」倍が考慮された長さに設計されている。
凸部2aにはエレメント3の略中央の屈曲部3aでエレメント3と導通する給電用端子4(本発明でいう端子)が形成されており、凸部2bにはエレメント3の一端部3bでエレメント3と導通する接地用端子5(本発明でいう端子)が形成されており、凸部2cにはエレメント3の他端部3cでエレメント3と導通する接地用端子6(本発明でいう端子が形成されている。また、フィルムシート2は、硬質材料からなる透明な誘電体から構成されている。
一方、車両側では、車両ボデー7とフロントウィンドウ8との境界に配置されている樹脂からなるセラミックパターン9に、給電用接続コネクタ10(本発明でいう接続コネクタ)及び接地用接続コネクタ11,12(本発明でいう接続コネクタ)が配置されている。これら給電用接続コネクタ10及び接地用接続コネクタ11,12の配置態様は、上記した給電用端子4及び接地用端子5,6の配置態様と対応している。
給電用接続コネクタ10は、同軸ケーブル13の内側導体13aと電気的に接続されており、同軸ケーブルの外側導体13bは、車両ボデー7の接地点14と電気的に接続されている。この場合、給電用接続コネクタ10は、図2に示すように、その開口部15がバネ性を有して構成されており、フィルムシート2の凸部2aが給電用端子4と共に開口部15に矢印A1方向から挿入されると、バネ力が作用することでフィルムシート2の凸部2aが給電用端子4と共に固定保持されると共に給電用端子4が接点16と接触することで同軸ケーブル13の内側導体13aと導通して給電されるように構成されている。
また、フィルムシート2の凸部2aが給電用接続コネクタ10に装着されている状態でフィルムシート2に矢印A2方向への所定量以上の引抜く力が作用すると、フィルムシート2の凸部2aが給電用端子4と共に給電用接続コネクタ10から引抜かれて離脱するようになっている。尚、同軸ケーブル13は、接着テープ17により車両ボデー7に固定保持されている。
接地用接続コネクタ11は、AV線18を介して車両ボデー7の天井部分7aと電気的に接続されている。この場合、接地用接続コネクタ11も、上記した給電用接続コネクタ10と同様にして、図3に示すように、その開口部19がバネ性を有して構成されており、フィルムシート2の凸部2bが接地用端子5と共に開口部19に矢印A3方向に挿入されると、バネ力が作用することでフィルムシート2の凸部2bが接地用端子5と共に固定保持されると共に接地用端子5が接点20と接触することでAV線18と導通して接地されるように構成されている。
また、この場合も、フィルムシート2の凸部2bが接地用接続コネクタ11に装着されている状態でフィルムシート2に矢印A4方向への所定量以上の引抜く力が作用すると、フィルムシート2の凸部2bが接地用端子5と共に接地用接続コネクタ11から引抜かれて離脱するようになっている。さらに、接地用接続コネクタ12は、AV線21を介して車両ボデー7のピラー部分7bと電気的に接続されており、接地用接続コネクタ11と同様に構成されている。尚、これら同軸ケーブル13やAV線18,21は、樹脂カバー22により覆われる。
ところで、以上は、ループ型のアンテナに適用した場合を説明したが、接地用端子5,6と接地用接続コネクタ11,12との電気的な接続を省略することで、オープン型のアンテナに適用した場合も同様の原理で実現することができる。
以上に説明したように第1の実施形態によれば、フィルムシート2が車両ボデー7とフロントウィンドウ8との境界のセラミックパターン9に配置されている給電用接続コネクタ10及び接地用接続コネクタ11,12に装着されることで、給電用端子4が給電用接続コネクタ10と導通されてエレメント3が給電されると共に接地用端子5,6が接地用接続コネクタ11,12と導通されてエレメント3が接地されるように構成したので、フィルムシート2を、交換する前の車両の給電用接続コネクタ10及び接地用接続コネクタ11,12から離脱し、その離脱したフィルムシート2を、交換した後の車両の給電用接続コネクタ10及び接地用接続コネクタ11,12に装着することで、フィルムシート2を適切に再利用することができる。
この場合、フィルムシート2をフロントウィンドウ8に貼替える必要がないので、フィルムシート2が劣化したりフロントウィンドウ8の汚れなどが付着したりすることがなく、耐久性及び視認性が低下することがないと共に、美観が損なわれることもなく、特に、本実施形態のようにフロントウィンドウ8の点検シール23が貼付けられている部位に搭載する場合であっても、フィルムシート2を点検シール23から剥がしたり点検シール23に貼付けたりする必要がないので、点検シール23の影響を受けることもない。また、フィルムシート2を硬質材料からなる誘電体から構成したので、フィルムシート2が車両に搭載されている状態でフィルムシート2を安定させることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図4を参照して説明する。尚、上記した第1の実施形態と同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。この第2の実施形態では、接地用接続コネクタが接地用端子よりも幅広に形成されている。
すなわち、車載フィルムアンテナ31を構成するフィルムシート32は、第1の実施形態で説明したフィルムシート2とは若干異なる形状であり、エレメント33が形成されていると共に3箇所で凸部32a〜32c(本発明でいう端部)が形成されており、それら凸部32a〜32cには給電用端子34(本発明でいう端子)及び接地用端子35,36(本発明でいう端子)が形成されている。
接地用接続コネクタ37の幅(図4中「a1」参照)は、接地用端子35の幅(図4中「a3」参照)よりも広く形成されていると共に、接地用接続コネクタ38の幅(図4中「a2」参照)は、接地用端子36の幅(図4中「a4」参照)よりも広く形成されている。また、接地用接続コネクタ37は、導電性シール39を介して車両ボデー7の天井部分7aと電気的に接続されており、接地用接続コネクタ38は、導電性シール40を介して車両ボデー7のピラー部分7bと電気的に接続されている。この場合、フィルムシート32と給電用接続コネクタ10及び接地用接続コネクタ37,38との着脱態様は、第1の実施形態で説明したフィルムシート2と給電用接続コネクタ10及び接地用接続コネクタ11,12との間の着脱態様と同様である。
以上に説明したように第2の実施形態によれば、フィルムシート32が車両ボデー7とフロントウィンドウ8との境界のセラミックパターン9に配置されている給電用接続コネクタ10及び接地用接続コネクタ37,38に装着されることで、給電用端子34が給電用接続コネクタ10と導通されてエレメント33が給電されると共に接地用端子35,36が接地用接続コネクタ37,38と導通されてエレメント33が接地されるように構成したので、上記した第1の実施形態に記載したものと同様にして、フィルムシート32を適切に再利用することができる。
特に、この第2の実施形態では、接地用接続コネクタ37,38を接地用端子35,36よりも幅広に形成したので、互いに異なる形状の複数のフィルムシートに対応することができ、単に1種類のフィルムシートを再利用することができるのみならず、互いに異なる形状の複数種類のフィルムシートを再利用することができ、汎用性を高めることができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について、図5及び図6を参照して説明する。尚、上記した第1の実施形態と同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。この第3の実施形態では、給電用端子及び接地用端子が接続パターンに装着されるように構成されている。
すなわち、車載フィルムアンテナ41を構成する第1のフィルムシート42は、第1の実施形態で説明したフィルムシート2と略同じ形状であり、3箇所で鋭角に屈曲された形状をなすエレメント43が形成されていると共に3箇所で凸部42a〜42c(本発明でいう端部)が形成されており、それら凸部42a〜42cには給電用端子44(本発明でいう端子)及び接地用端子45,46(本発明でいう端子)が形成されている。
第2のフィルムシート47は、車両ボデー7とフロントウィンドウ8との境界に配置されているセラミックパターン9にしたがった形状で、給電用接続パターン48,49(本発明でいう接続パターン)及び接地用接続パターン50,51(本発明でいう接続パターン)が形成されている。これら給電用接続パターン48,49及び接地用接続パターン50,51の配置態様は、上記した給電用端子44及び接地用端子45,46の配置態様と対応している。
この場合、図5(b)に示すように、第2のフィルムシート47がセラミックパターン9に装着された状態では、導電性シール52が給電用接続パターン49と車両ボデー7との間に跨って接着されることで給電用接続パターン49が車両ボデー7と電気的に接続され、導電性シール53,54が接地用接続パターン50,51と車両ボデー7との間に跨って接着されることで接地用接続パターン50,51が車両ボデー7と電気的に接続される。そして、図6(a)に示すように、第1のフィルムシート42が第2のフィルムシート47に装着され、給電用端子44が給電用接続パターン48と導通される共に接地用端子45,46が接地用接続パターン50,51と導通された後に、図6(b)に示すように、同軸ケーブル55の給電用コネクタ56の信号端子(図時せず)が給電用端子44と接触すると共に接地端子(図示せず)が給電用接続パターン49と接触するように給電用端子44と給電用接続パターン49とに跨って装着されることで、エレメント43が給電される共に接地されるように構成されている。
以上に説明したように第3の実施形態によれば、第2のフィルムシート47がセラミックパターン9に装着されると共に第1のフィルムシート42が第2のフィルムシート47に装着されることで、給電用端子44が給電用接続パターン48と導通されてエレメント43が給電されると共に接地用端子45,46が接地用接続パターン50,51と導通されてエレメント43が接地されるように構成したので、第1のフィルムシート42を、交換する前の車両に装着されている第2のフィルムシート47から離脱し、その離脱した第1のフィルムシート42を、交換した後の車両に装着されている第2のフィルムシート47に装着することで、上記した第1の実施形態に記載したものと同様にして、第1のフィルムシート42を適切に再利用することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
エレメントパターンの形状は他の形状であっても良い。車載フィルムアンテナは、テレビ用アンテナに限らず、ラジオ用アンテナ、GPS用アンテナ、VICS用アンテナ及びETC用アンテナなどの他の用途に供されるアンテナであっても良い。車載フィルムアンテナが搭載される箇所は、フロントウィンドウのコーナー部付近に限らず、リアウィンドウのコーナー部付近であっても良く、また、コーナー部付近でなくても良い。
本発明の第1の実施形態を示すもので、フィルムシートが接続コネクタから離脱されている態様を示す正面図(a)及びフィルムシートが接続コネクタに装着されている態様を示す正面図(b) 給電用端子が給電用接続コネクタから離脱されている態様を示す縦断側面図(a)及び給電用端子が給電用接続コネクタに装着されている態様を示す縦断側面図(b) 接地用端子が接地用接続コネクタから離脱されている態様を示す縦断側面図(a)及び接地用端子が接地用接続コネクタに装着されている態様を示す縦断側面図(b) 本発明の第2の実施形態を示すもので、フィルムシートが接続コネクタから離脱されている態様を示す正面図(a)及びフィルムシートが接続コネクタに装着されている態様を示す正面図(b) 本発明の第3の実施形態を示すもので、第2のフィルムシートが車両ボデーから離脱されている態様を示す正面図(a)及び第2のフィルムシートが車両ボデーに装着されている態様を示す正面図(b) 第1のフィルムシートが第2のフィルムシートに装着されている態様を示す正面図(a)及び同軸ケーブルが装着されている態様を示す正面図(b)
符号の説明
図面中、1は車載フィルムアンテナ、2はフィルムシート、2a〜2cは凸部(端部)、3はエレメント、4は給電用端子(端子)、5,6は接地用端子(端子)、7は車両ボデー、8はフロントウィンドウ(ウィンドウ)、10は給電用接続コネクタ(接続コネクタ)、11,12は接地用接続コネクタ(接続コネクタ)、31は車載フィルムアンテナ、32はフィルムシート、32a〜32cは凸部(端部)、33はエレメント、34は給電用端子(端子)、35,36は接地用端子(端子)、37,38は接地用接続コネクタ(接続コネクタ)、41は車載フィルムアンテナ、42は第1のフィルムシート、42a〜42cは凸部(端部)、43はエレメント、44は給電用端子(端子)、45,46は接地用端子(端子)、47は第2のフィルムシート、48,49は給電用接続パターン(接続パターン)、50,51は接地用接続パターン(接続パターン)である。

Claims (3)

  1. エレメントが第1のフィルムシートに形成されてなる車載フィルムアンテナであって、
    前記エレメントと導通する端子が前記第1のフィルムシートの端部に形成され、前記第1のフィルムシートの端部が着脱可能であると共に車両ボデー側に着脱可能な第2のフィルムシートに接続パターンが形成され、前記第2のフィルムシートが車両ボデー側に装着されると共に前記第1のフィルムシートの端部が前記第2のフィルムシートに装着されることで前記端子が前記接続パターンと導通されて前記エレメントが給電または接地されるように構成されていることを特徴とする車載フィルムアンテナ。
  2. 請求項1に記載した車載フィルムアンテナにおいて、
    前記フィルムシートが硬質材料からなる誘電体から構成されていることを特徴とする車載フィルムアンテナ。
  3. エレメントが第1のフィルムシートに形成されてなる車載フィルムアンテナを車両に搭載する方法であって、
    前記エレメントと導通する端子前記第1のフィルムシートの端部に形成、前記第1のフィルムシートの端部が着脱可能であると共に車両ボデー側に着脱可能な第2のフィルムシートに接続パターン形成、前記第2のフィルムシート車両ボデー側に装着ると共に前記第1のフィルムシートの端部前記第2のフィルムシートに装着ることで前記端子前記接続パターンと導通さて前記エレメント給電または接地させることを特徴とする車載フィルムアンテナの搭載方法
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