JP4683346B2 - マスタ・スレーブ通信システムおよびマスタ・スレーブ通信方法 - Google Patents
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Description
図10は、スレーブ#2への出力データがノイズ等により破壊され、受信に失敗したスレーブ#2はマスタへ何も返さない場合を例示している。このように各スレーブに対し個別に制御データの交換を再実行(以下、単に再送と表記)する方式では、再送対象となるスレーブが増えた場合、通信周期を超過し、通信周期の揺らぎが発生する問題があった。このため、全スレーブに対して再送が可能なだけ余裕を持った通信周期を予め設定しなければならない問題があった。
加えて、従来方式は方式1および方式2ともに、再送を逐次実行しているため、通信周期内の先頭に割付けられたスレーブの再送が優先され、後続の局では再送が行われない可能性がある。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、再送を行っても揺らぎの発生しない通信周期で制御データを交換することができる通信システムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、1台のマスタと1台または複数台のスレーブをシリアル伝送路で接続し、所定の通信周期で前記マスタと前記スレーブ間で制御データの交換を行うマスタ・スレーブ通信システムにおいて、
前記マスタは、前記制御データの交換に必要な通信見込み時間を前記スレーブ毎に登録する手段と、
前記通信周期における前記制御データの交換中に通信異常を検出した前記スレーブを再送対象として登録する手段と、
前記通信異常を検出した時と同一の前記通信周期内において、前記再送対象として登録されたスレーブとの前記制御データの交換を再実行する手段とを具備し、
前記制御データの交換を再実行する手段は、前記制御データの交換の再実行に使用可能な再送残り時間を算出し、前記再送残り時間が前記再送対象として登録されたスレーブの前記通信見込み時間より長い場合に前記再送残り時間から前記通信見込み時間を減算すると共に前記制御データの交換の再実行を行い、
前記制御データの交換の再実行結果が正常に終了したかを確認し、正常に終了した場合、前記再送対象として登録されたスレーブの登録を削除し、
前記再実行結果にかかわらず、前記制御データの交換の再実行の対象を再送対象として登録された次のスレーブとし、
前記再送残り時間が前記通信見込み時間より短くなるか、前記再送対象として登録されたスレーブが全てなくなるまで、前記制御データの交換の再実行を繰り返すことを特徴とするものである。
前記マスタは、前記制御データの交換に必要な通信見込み時間を前記スレーブ毎に登録する手段と、
前記通信周期における前記制御データの交換中に通信異常を検出した前記スレーブを再送対象として登録する手段と、
通信異常を検出した時と同一の前記通信周期内において、前記再送対象として登録されたスレーブとの前記制御データの交換を再実行する手段とを具備し、
前記スレーブを再送対象として登録する手段は、前記制御データ交換中に通信異常を検出した前記スレーブを、前記制御データの交換の再実行に使用可能な再送残り時間を算出し、前記再送残り時間が前記スレーブの前記通信見込み時間より長い場合に登録し、
前記制御データの交換を再実行する手段は、前記再送対象として登録されたスレーブに対し前記制御データの交換を再実行するものであることを特徴とするものである。
前記通信周期毎に実行される前記マスタの処理が、
前記制御データの交換に必要な通信見込み時間を前記スレーブ毎に登録するステップと、
前記スレーブへ前記制御データを送信するステップと、
前記スレーブから前記制御データを受信するステップと、
前記制御データの交換の再実行に使用可能な再送残り時間を算出するステップと、
前記送信ステップまたは前記受信ステップにて通信異常を検出した場合は、再送対象として該スレーブを無条件に登録するステップを前記スレーブ毎に繰り返すステップと、
前記再送対象として登録されたスレーブを取り出すステップと、
前記制御時データの交換の再実行に使用可能な再送残り時間と前記スレーブの前記制御データの交換に必要な通信見込み時間を比較するステップと、
前記再送残り時間が前記再送対象として登録されたスレーブの前記通信見込み時間より長い場合に前記再送時間から前記通信見込み時間を減算すると共に前記制御データの交換を再実行するステップと、
前記制御データの交換の再実行結果が正常に終了したかを確認し、正常に終了した場合、前記再送対象として登録されたスレーブの登録を削除するステップと、
前記再実行結果にかかわらず、前記制御データの交換の再実行の対象を再送対象として登録された次のスレーブとするステップと、
前記再送残り時間が前記通信見込み時間より短くなるか、前記再送対象として登録されたスレーブが全てなくなるまで、前記制御データの交換の再実行を繰り返すステップからなることを特徴とするものである。
前記通信周期毎に実行される前記マスタの処理が、
前記制御データの交換に必要な通信見込み時間を前記スレーブ毎に登録するステップと、
前記スレーブへ前記制御データを送信するステップと、
前記スレーブから前記制御データを受信するステップと、
前記制御データの交換の再実行に使用可能な再送残り時間を算出するステップと、
前記送信ステップまたは受信ステップにて通信異常を検出した場合は、前記制御データの交換の再実行に使用可能な再送残り時間が前記スレーブの前記制御データの交換に必要な通信見込み時間より長い場合のみ前記通信異常を検出したスレーブを再送対象として登録するステップを前記スレーブ毎に繰り返すステップと、
前記再送対象として登録されたスレーブを取り出すステップと、
前記スレーブとの制御データの交換を再実行するステップからなるものであることを特徴とするものである。
請求項5、11に記載の発明によると、通信見込み時間も実システムで計測するため、算出のための複雑な計算を必要としない。
請求項6、12に記載の発明によると、各スレーブの制御データの交換に必要な通信見込み時間を、制御データの交換中に再計測することで、通信見込み時間をより正確に計測ができ、再送をより高い精度で管理できる。
21〜23 スレーブ
30〜35 伝送路
41 HUB
110 機器固有制御部
120 記憶部
121 送信バッファ
1211, 1212, 121n スレーブ#1, #2, #nの送信バッファ
122 受信バッファ
1221, 1222, 122n スレーブ#1, #2, #nの受信バッファ
123 再送リスト
1232 再送スレーブ数
1233 再送スレーブ選択
1234 再送対象スレーブ一覧
1235 再送時間上限
1236 再送残り時間
1237 通信周期
124 スレーブリスト
12411 スレーブ#1の局アドレス
12421 スレーブ#1の送信バッファへのポインタ
12431 スレーブ#1の受信バッファへのポインタ
12441 スレーブ#1の通信見込み時間
130 通信制御部
131 通信周期タイマ
132 計測用タイマ
また、スレーブから受信した応答データは、通信制御部130により記憶部120の受信バッファ122に格納され、格納された応答データは前記機器固有制御部110に読み出される。また、マスタは、指令データの送信または応答データの受信に失敗、すなわち、制御データの交換に失敗したスレーブを登録する再送リスト123と、伝送路に接続されているスレーブに関する情報を格納するスレーブリスト124とを備えている。
再送リスト123は、通信周期1237、通信周期内で再送に使用可能な時間の最大値を格納する再送時間上限1235、再送対象となる制御データの交換で異常検出したスレーブ数および当該スレーブのスレーブ情報へのポインタを格納する再送スレーブ数1232および再送対象スレーブ一覧1234、再送対象スレーブ一覧1234の現在再送対象となっているスレーブを指す再送スレーブ選択1233、および、通信周期内に再送可能な時間を格納する再送残り時間1236から構成される。
これに対し、通信周期毎に、再送スレーブ数1232は0に、再送残り時間1236は再送時間上限1235に初期化される。再送スレーブ数1232は、制御データの交換中に指令データの送信または応答データの受信に失敗した場合に1インクリメントされ、再送の実行により制御データの交換が正常終了した場合に1デクリメントする。再送残り時間1236は再送の結果に拘らず再送を実行する度に再送対象のスレーブの通信見込み時間12441だけ減算される。
次に、マスタは計測用タイマ132を起動後(S30002)、計測用指令データを送信し(S30003)、スレーブからの計測用応答データを受信する(S30004)。マスタは、スレーブからの計測用応答データを正常に受信した場合、計測用タイマ132を停止し(S30006)、タイマの現在時刻から通信見込み時間を算出し(S30007)、スレーブリスト124の該当スレーブの通信見込み時間12441に登録する(S30008)と共に、算出した通信見込み時間を累積しておく(S30009)。
マスタは、前記S30001からS30009の手順を、スレーブリスト124に登録された全スレーブ分繰り返した後、前記S30009で算出した通信見込み時間の累積値と再送リスト123の通信周期1237との差を再送時間上限値として算出する(S30011)。算出した再送時間上限値は、再送リスト123の再送時間上限1235へ格納する。本例では、計測用指令データと制御データの指令データ、および、計測用応答データと制御データの応答データを、それぞれ同一のデータ長にしたが、データ長は合わせず、通信見込み時間の算出時にデータ長の差異分の伝送時間を補正しても良い。
本例の通信周期は、制御データの交換を行う帯域と、それを再実行する帯域から構成される。マスタは、前記制御データを交換する帯域では、最初に通信周期の開始を示す同期フレームを一斉同報した後、各スレーブと個別に制御データの交換を実行する。ここで、指令データの送信または応答データの受信に失敗したスレーブがあれば、マスタは再送リスト123に登録する。次にマスタは、再送リスト123の登録に従って再送を行う。ここで、制御データの交換が全て正常に実行された場合、再送を行う帯域を使用して、メッセージ通信を実行してもよい。また、再送を行う場合も、通信周期終了までの残り時間の範囲内で、メッセージ通信を実行してもよい(不図示)。
通信制御部130は、通信周期開始のタイミングで、再送リスト123の初期化を行う(S10001)。具体的には、再送スレーブ数1232の0クリアと、再送残り時間1236に再送時間上限1235の代入を行う。次に記憶部からスレーブリスト124の先頭に登録されたスレーブ情報から、スレーブの送信バッファと受信バッファを取り出し(S10002)、スレーブへ指令データを送信する(S10003)。送信後は、前記スレーブからの応答データを受信する(S10004)。
また、この時再送スレーブ数1232のインクリメントする前の値が0の場合、再送スレーブ選択1233には再送対象スレーブ一覧1234の先頭ポインタを格納する。指令データの送信、応答データの受信のいずれも成功した場合、再送リスト123の更新は行わない。通信制御部130は、前記手順をスレーブリスト124の登録された順にスレーブ毎に実行するため、次のスレーブのスレーブ情報をスレーブリスト124から取り出し(S10014)、ステップS10002から繰り返す。
再送を行った場合、指令データの送信、応答データの受信が正常に終了したかを確認し(S10015)、いずれも成功した場合、該スレーブのスレーブ情報を再送リスト123から削除する(S10016)。スレーブ情報の削除とは、再送対象スレーブ一覧1234の再送スレーブ選択1233が示す配列要素に登録されている該当スレーブ情報へのポインタを削除すると共に、再送スレーブ数1232を1デクリメントすることを意味する。
再送を行った場合、その再送結果にかかわらず、再送スレーブ選択1233を再送対象スレーブ一覧1234の次のスレーブに更新(S10017)した後、ステップS10007から繰り返す。このとき、その更新前の再送スレーブ選択1233が再送対象スレーブ一覧1234に登録された最後のスレーブを指していた場合、再送対象スレーブ一覧1234に登録された最初のスレーブを指すように、再送スレーブ選択1233を更新する。
以上により、再送リスト123に登録されたスレーブは、再送機会が平等に与えられる上、再送に失敗した場合でも再送残り時間がある限り、繰り返し再送することができる。
しかし、第2の実施例では、指令データの送信、または、応答データの受信に失敗した場合、前記スレーブの通信見込み時間12441と再送残り時間1236を比較し(S20012)、通信見込み時間12441が再送残り時間1236以下の場合は、再送残り時間1236から通信見込み時間12441を減算した後(S20013)、前記スレーブのスレーブ情報を再送リスト123に登録する(S20014)。
これに対して、通信見込み時間12441が再送残り時間1236より大きい場合、スレーブ情報の再送リスト123への登録は行わない。
但し、第2の実施例の再送方法(図7のS20007以降)を、第1の実施例の再送方法(図6のS10007以降)に変更し、再送残り時間がある限り同一スレーブに対し複数回再送することができるように変更しても良い。
これに対し、第3の実施例では、制御データの交換開始後、指令データの送信前(図6ではS10002とS10003の間、図7ではS20002とS20003の間)に計測用タイマ132を起動し、送信処理/受信処理の正常判定後(図6ではS10005とS10006の間、図7ではS20005とS20006の間)に計測用タイマ132を停止させ、タイマの現在時刻から通信見込み時間を算出し、算出した通信見込み時間でスレーブリスト124の該当スレーブの通信見込み時間12441を更新する。ここで、更新する通信見込み時間12441には、毎通信周期に算出する結果を使用せずに、複数回で平均化した値を使用しても良い。
Claims (12)
前記マスタは、前記制御データの交換に必要な通信見込み時間を前記スレーブ毎に登録する手段と、
前記通信周期における前記制御データの交換中に通信異常を検出した前記スレーブを再送対象として登録する手段と、
前記通信異常を検出した時と同一の前記通信周期内において、前記再送対象として登録されたスレーブとの前記制御データの交換を再実行する手段とを具備し、
前記制御データの交換を再実行する手段は、前記制御データの交換の再実行に使用可能な再送残り時間を算出し、前記再送残り時間が前記再送対象として登録されたスレーブの前記通信見込み時間より長い場合に前記再送残り時間から前記通信見込み時間を減算すると共に前記制御データの交換の再実行を行い、
前記制御データの交換の再実行結果が正常に終了したかを確認し、正常に終了した場合、前記再送対象として登録されたスレーブの登録を削除し、
前記再実行結果にかかわらず、前記制御データの交換の再実行の対象を再送対象として登録された次のスレーブとし、
前記再送残り時間が前記通信見込み時間より短くなるか、前記再送対象として登録されたスレーブが全てなくなるまで、前記制御データの交換の再実行を繰り返すことを特徴とするマスタ・スレーブ通信システム。
前記マスタは、前記制御データの交換に必要な通信見込み時間を前記スレーブ毎に登録する手段と、
前記通信周期における前記制御データの交換中に通信異常を検出した前記スレーブを再送対象として登録する手段と、
通信異常を検出した時と同一の前記通信周期内において、前記再送対象として登録されたスレーブとの前記制御データの交換を再実行する手段とを具備し、
前記スレーブを再送対象として登録する手段は、前記制御データ交換中に通信異常を検出した前記スレーブを、前記制御データの交換の再実行に使用可能な再送残り時間を算出し、前記再送残り時間が前記スレーブの前記通信見込み時間より長い場合に登録し、
前記制御データの交換を再実行する手段は、前記再送対象として登録されたスレーブに対し前記制御データの交換を再実行するものであることを特徴とするマスタ・スレーブ通信システム。
前記通信周期毎に実行される前記マスタの処理が、
前記制御データの交換に必要な通信見込み時間を前記スレーブ毎に登録するステップと、
前記スレーブへ前記制御データを送信するステップと、
前記スレーブから前記制御データを受信するステップと、
前記制御データの交換の再実行に使用可能な再送残り時間を算出するステップと、
前記送信ステップまたは前記受信ステップにて通信異常を検出した場合は、再送対象として該スレーブを無条件に登録するステップを前記スレーブ毎に繰り返すステップと、
前記再送対象として登録されたスレーブを取り出すステップと、
前記制御時データの交換の再実行に使用可能な再送残り時間と前記スレーブの前記制御データの交換に必要な通信見込み時間を比較するステップと、
前記再送残り時間が前記再送対象として登録されたスレーブの前記通信見込み時間より長い場合に前記再送時間から前記通信見込み時間を減算すると共に前記制御データの交換を再実行するステップと、
前記制御データの交換の再実行結果が正常に終了したかを確認し、正常に終了した場合、前記再送対象として登録されたスレーブの登録を削除するステップと、
前記再実行結果にかかわらず、前記制御データの交換の再実行の対象を再送対象として登録された次のスレーブとするステップと、
前記再送残り時間が前記通信見込み時間より短くなるか、前記再送対象として登録されたスレーブが全てなくなるまで、前記制御データの交換の再実行を繰り返すステップからなることを特徴とするマスタ・スレーブ通信方法。
前記通信周期毎に実行される前記マスタの処理が、
前記制御データの交換に必要な通信見込み時間を前記スレーブ毎に登録するステップと、
前記スレーブへ前記制御データを送信するステップと、
前記スレーブから前記制御データを受信するステップと、
前記制御データの交換の再実行に使用可能な再送残り時間を算出するステップと、
前記送信ステップまたは受信ステップにて通信異常を検出した場合は、前記制御データの交換の再実行に使用可能な再送残り時間が前記スレーブの前記制御データの交換に必要な通信見込み時間より長い場合のみ前記通信異常を検出したスレーブを再送対象として登録するステップを前記スレーブ毎に繰り返すステップと、
前記再送対象として登録されたスレーブを取り出すステップと、
前記スレーブとの制御データの交換を再実行するステップからなるものであることを特徴とするマスタ・スレーブ通信方法。
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