JP4683271B2 - 車両用折畳み式トップ - Google Patents

Description

本発明は、可動に支承されたルーフ部分が調整機構によって閉鎖位置と開放位置との間で位置調整可能な車両の折畳み式トップに関する。

特許文献１により、この種の折畳み式トップが知られている。この折畳み式トップは、ルーフ運動機構を介して車体部分に調整可能に支承されたルーフ部分を備えている。ルーフ運動機構は４リンク機構を備え、この４リンク機構の駆動運動は、ルーフ運動機構のアームの１つに直接伝達される。

特許文献２によって知られている格納可能な車両ルーフは、４リンクを介して中央のルーフ部分に揺動可能に支承された後側ルーフ部分を備えている。揺動駆動装置は、４リンク機構のアームの１つに直接作用している。
独国特許出願公開第１０２４３０７０号明細書 独国特許出願公開第１０１５０２１９号明細書

本発明の根底をなす課題は、調整可能に支承されたルーフ部分のための調整機構が、付加的な機能を発揮（補助機能を実施）するのに適しているように形成されている、冒頭に述べた折畳み式トップを提供することである。

この課題は、上記の折畳み式トップにおいて本発明に従い、調整機構がルーフ部分のほぼ静止時に付加的な機能を発揮する（補助機能を実施する）係止装置として形成されていることによって解決される。この付加的な機能は特に、ルーフ部分のロック解除またはロックを行う機能である。それによって、ルーフ部分はその閉鎖位置で別個の駆動装置なしにロック解除可能であるので、その後の駆動運動の際に調整機構を閉鎖位置から外に移動し、特に持上げることができる。勿論、折畳み式トップの開閉時に行われる他の運動も実施可能である。この他の運動は、例えばソフトトップロッドのための折畳み運動である。

本発明の有利な実施形が従属請求項に記載されている。

調整機構または係止装置は、好ましくは６リンク装置であり、調整機構または係止装置は好ましくは支承部材に揺動可能に支承された揺動アームを備え、この揺動アームはルーフ部分用ロック装置の一部であるロック部材を備えている。ロック装置は、多彩に形成可能であり、例えばピンまたはスタッドに係合するロッキングバーまたは穴または溝に係合するスライダまたはその類似物を備えている。

調整機構または係止装置が支承部材に揺動可能に支承された揺動アームと、支承部材に揺動可能に支承されたアングルレバーと揺動アームの間の第１の連結アームと、アングルレバーとルーフ部分を支承するルーフ運動機構の一方のアームの枢着突起との間の第２の連結アームとを備えていると有利であり、駆動装置が揺動アームに連結されていると合目的である。

調整機構の支承部材は、車体固定の部材または折畳み式トップの一部または折畳み式トップの支承部であり、少なくとも一時的に動くことができる。

有利な実施形では、他の機能のための少なくとも１つの他の操作機構が調整機構または係止装置に連結され、例えばルーフのロック装置がウインドスクリーン支持パネルに連結されている。

次に、図を参照して実施の形態に基づいて折畳み式トップを詳しく説明する。

車両室内の上方の閉鎖位置と、後部の格納室またはトップ格納箱内に折畳み式トップを格納する開放位置との間で位置を調整可能である車両の折畳み式トップ、例えばハードトップは、後側ルーフ部分１（図１参照）と、その前に配置された少なくとも１つの前側ルーフ部分２を備えている。この前側ルーフ部分２は、両側がそれぞれ主４リンク機構によって車体に揺動可能に支承されている。主４リンク機構は、前側ルーフ部分２に固定連結された上側支承部材３を備えている。この上側支承部材３には、主４リンク機構の両アーム（図示していない）が揺動可能に枢着されている。このような折畳み式トップは特許文献２に開示されている。折畳み式トップの基本構造に関して特許文献２が参照される。

後側ルーフ部分１は、ルーフ運動機構を介して支承部材３に調節可能に支承されている。この運動機構は第１アーム４と第２アーム５を有する４リンク機構を備えている。この両アーム４、５は、一方ではヒンジ６または７によって支承部材３に揺動可能に支承され、他方ではアーム８を介してヒンジ９または１０によって互いに連結されている。後側ルーフ部分１がアーム８に固定されているか、またはアーム８が後側ルーフ部分１の一部であるルーフ部分支持体として形成されている。

後側ルーフ部分１の位置を調整するための調整機構は揺動アーム１１を備えている。この揺動アームはヒンジ６，７の間に配置されたヒンジ１２によって支承部材３に揺動可能に支承され、枢着個所１４において駆動装置１３に連結されている。この駆動装置は例えば油圧式ピストンシリンダユニットとして形成され、支承部材３、支承部材３の延長部またはこの支承部材３に固定連結された支持部材に支持されている（図示していない）。

揺動アーム１１は、その揺動支承部（ヒンジ１２）とは反対側の端部に、特にフックまたはスタッドの形をしたロック作用部材１５を備えている。このロック作用部材１５は、例えばピンまたは保持穴のようなロック保持部材１６と協働する。このロック保持部材１６は、例えば保持板１７によって後側ルーフ部分１に固定連結されている。この保持板１７は、好ましくは側方においておよび後側ルーフ部分１の上側エッジ１８の近くで後側ルーフ部分１の下面に固定されている。

調整機構は更に、第１の連結アーム１９を備えている。この連結アーム１９は、一方ではヒンジ２０によって揺動アーム１１に枢着され、他方ではヒンジ２１によってアングルレバー２２に連結されている。アングルレバーは、互いに約９０°の角度をなす２つの脚２３、２４を有する。この場合、ヒンジ２１は両脚２３、２４の基部の中央に配置されている。第１の脚２３は、ヒンジ２５によって支承部材３に枢着されている。一方、第２の脚２４は、ヒンジ２６によって第２の連結アーム２７に連結されている。第２の連結アーム２７は、ヒンジ２８を介して枢着突起２９に連結されている。この枢着突起２９は、支承部材３側の第１アーム４のヒンジ６の範囲において、第１アーム４から曲がって特に上方に（図１において）延びている。

したがって、調整機構は、支承部材３、揺動アーム１１、第１連結アーム１９、アングルレバー２２、第２連結アーム２７および枢着突起２９を備えた６リンク式駆動装置として形成されている。４リンク式装置と異なり、付加的な機能を発揮する係止装置であるこの６リンク式駆動装置は、枢着突起２９を介して後側ルーフ部分１を支承する４リンクの第１のアーム４に係止され一方、揺動アーム１１は例えば後側ルーフ部分１をロック解除するために、最初に動かされる。

ルーフの閉鎖位置（図１参照）において、第１連結アーム１９は、ロック位置に配置された揺動アーム１１上に次のような位置に配置されている。すなわち、第１連結アーム１９の両ヒンジ２０、２１を通る縦軸線が、揺動アーム１１のヒンジ１２と第１連結アーム１９の上側ヒンジ２０を通る接続線とほぼ一致するか、または小さなオーバーセンター位置にあるように配置されている。

揺動アーム１１は、そのロック作用部材１５を介して後側ルーフ部分１１を車両または車両ルーフ上のその閉鎖位置に保持している。

揺動アーム１１が駆動ユニット１３によって最初に動かされると、揺動アーム１１はそのロック位置（図１）からロック解除位置（図２）に揺動する。このロック解除位置では、揺動アーム１１が後側ルーフ部分１のロック保持部材１６を解放する。後側ルーフ部分１のロック解除のための揺動アーム１１のこの最初の開放運動の際、第１連結アーム１９のヒンジ２０は、同様に揺動アーム１１の揺動支承部１２の回りに揺動運動を行う。連結アーム１９は、他方ではヒンジ２１によってアングルレバー２３によって保持されている。このアングルレバー２３は、後側ルーフ部分１の重量によって図１に示したその出発位置で予荷重を受けている。したがって、連結アーム１９の長さとその配置は、ヒンジ２０の揺動運動によって連結アーム１９がヒンジ２１において全く動かないか、または無視できるほどしか動かないように、調和が図られている。それによって、関連する駆動運動は、調整機構を介して第１アーム４ひいては後側ルーフ部分１に伝達されない。したがって、揺動アーム１１の最初の駆動運動または揺動運動の間、第１アーム４は係止位置または静止位置にある。

駆動装置１３によって揺動アーム１１を更に揺動させると（図２から図３へ）、第１連結アーム１９は、アングルレバー２３を開放方向（図２，３において反時計回り）に引っ張る。というのは、両ヒンジ２０，２１を通る連結アーム１９の縦軸線と、揺動アーム１１のヒンジ１２と第１連結アーム１９のヒンジ２０を通る接続線との間の角度が大きくなるからである。アングルレバー２３の揺動運動は、調整機構によって第１アーム４の揺動運動、ひいては後側ルーフ部分１を支承する４リンク機構の揺動運動を生じる。４リンク機構は、後側ルーフ部分１の上側エッジ１８を持上げ、後側ルーフ部分１を揺動させ、更に前側ルーフ部分２の上方へ（図４参照）、そして前側ルーフ部分２のほぼ上方の前側の開放位置まで（図５参照）移動させる。この配置において、車両ルーフは例えば特許文献２に開示された折畳み式トップに相応して、後方に向けて車両の格納室またはトップ格納箱に格納可能である。この場合、ルーフの格納運動は、後側ルーフ部分１が前側開放位置に達する前に開始することができる。

ルーフの閉鎖運動は、逆の運動順序で行われる。後側ルーフ部分１が調整機構またはルーフ運動機構によって再びその閉鎖位置に移動すると（図２）、揺動アーム１１をそのロック位置に揺動させるための最後の駆動運動が行われる。このロック位置では、揺動アームは後側ルーフ部分１を支承部材３に対してロックして保持する。したがって、後側ルーフ部分１と前側ルーフ部分２の間で更にロックする必要はない。

上記の調整機構によって、ルーフの支承部材または車体に直接的に可動に支承されロック可能であるルーフ部分を動かすことができる。

６リンク式駆動装置の全体の運動の間静止している前側ルーフ部分２、場合によっては前側ルーフ部分２に取付けまたは支承された他のルーフ部分は、例えば車両のウインドスクリーンの上側エッジのウインドスクリーン支持パネルにおいて、付加的なアームを用いて他の駆動装置を介して駆動運動によって同様にロックまたはロック解除可能である。この付加的なアームは、駆動装置の可動の５本のアームのうちの１本に、しかも支承部材３に支承された３本のアームのうちの１本（第１のアーム４またはその枢着突起２９、揺動アーム１１またはアングルレバー２２の脚２３または２４）にあるいは駆動装置の両連結アーム１９，２９の１本に枢着されている。

ルーフ運動機構によって調節可能に支承された後側ルーフ部分と、ルーフ運動機構に連結された調整機構とを備えた車両の閉鎖された折畳み式トップの概略的な部分側面図である。 調整機構の最初の操作の後の後側ルーフ部分を示す、図１と同様な図である。 調整機構を更に操作した後の持上げ中間位置にある後側ルーフ部分を示す、図１と同様な図である。 前側へ更に移動させた後の他の中間位置にある後側ルーフ部分を示す、図１と同様な図である。 前側ルーフ部分の上方の前側の端位置にある後側ルーフ部分を示す、図１と同様な図である。

符号の説明

１…後側ルーフ部分、２…前側ルーフ部分、３…上側支承部材、４…第１アーム、５…第２アーム、６…ヒンジ、７…ヒンジ、８…ヒンジ、９…ヒンジ、１０…ヒンジ、１１…揺動アーム、１２…ヒンジ、１３…駆動装置、１４…枢着個所、１５…ロック作用部材（フック）、１６…ロック保持部材（ピン）、１７…保持板、１８…上側エッジ、１９…第１連結アーム、２０…ヒンジ、２１…ヒンジ、２２…アングルレバー、２３…脚、２４…脚、２５…ヒンジ、２６…ヒンジ、２７…第２連結アーム、２８…ヒンジ、２９…枢着突起

Claims (8)

1. 折畳み式トップが閉鎖位置と開放位置との間で調整可能な車両の折畳み式トップにおいて、折畳み式トップのうち可動に支承されたルーフ部分（１）が調整機構によって調整可能であり、調整機構はルーフ部分（１）のほぼ静止時に付加的な機能を発揮する係止装置として構成されており、
   調整機構または係止装置は、
   支承部材（３）に揺動可能に支承された揺動アーム（１１）と、
   支承部材（３）に揺動可能に支承されたアングルレバー（２２）と揺動アーム（１１）との間の第１の連結アーム（１９）と、
   ルーフ部分（１）を支承するルーフ運動機構の一方のアーム（４）の枢着突起（２９）とアングルレバー（２２）との間の第２の連結アーム（２７）とを備え、
   駆動装置（１３）が揺動アーム（１１）に連結されている折畳み式トップ。
2. 前記調整機構または係止装置は、付加的な機能として、ルーフ部分（１）のロックまたはロック解除を行うことを特徴とする請求項１記載の折畳み式トップ。
3. 前記調整機構または係止装置は、６リンク機構を備えているかまたは６リンク機構であることを特徴とする請求項１または２記載の折畳み式トップ。
4. 揺動アーム（１１）がルーフ部分（１）用ロック装置の一部であるロック部材（１５）を備えていることを特徴とする請求項１、２又は３のうちいずれか一つに記載の折畳み式トップ。
5. 前記ロック装置がルーフ部分に、相手方ロック部材、特にロックピン（１６）を備えていることを特徴とする請求項４記載の折畳み式トップ。
6. 前記支承部材（３）が、車体固定の部材、折畳み式トップの一部、または支承部の一部であることを特徴とする請求項１〜５のうちいずれか一つに記載の折畳み式トップ。
7. 他の機能のための少なくとも１つの他の操作機構が、前記調整機構または係止装置に連結されることを特徴とする請求項１〜６のうちいずれか一つに記載の折畳み式トップ。
8. 前記他の操作機構が、支承部材（３）に支承されたアーム（４、１１、２２）または連結アーム（１９、２７）に連結されることを特徴とする請求項７記載の折畳み式トップ。

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