JP4682999B2 - 固定子のモールド成形方法、固定子のモールド成形装置、及び固定子構造 - Google Patents

固定子のモールド成形方法、固定子のモールド成形装置、及び固定子構造 Download PDF

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Description

本発明は、モータの固定子のコイルエンド部にコネクタを設け、樹脂モールドする技術に関する。
モータの固定子のコイルエンドは、ワニスを用いて保護する方法もあるが、近年では絶縁性樹脂を用いてモールドする方法も用いられている。
例えば、特許文献1に示される電動機の製造方法では、上型及び下型を用いて、固定子を覆うキャビティを形成し、その内部に固定子を配置して樹脂モールドする方法が開示されている。
図15に、特許文献1の固定子の端部を樹脂モールドする際の断面図を示す。
下型112には、固定子の樹脂モールド部分の外周部分と内周部分が形成され、内周部分に固定鉄心101を差し込んで保持し、上型111をかぶせる。固定鉄心101のコイルエンド部分には巻線102が露出しており、一端に電源入力コネクタ105が備えられている。
電源入力コネクタ105には凸部108が備えられており、上型111に設けられた凹部に嵌り込むようになっている。そして、上型111と下型112で形成する成形空間106部分に、樹脂を注入してモールド成形を行う。
この際に、一定の圧力で樹脂を成形空間106に流し込むことになるが、電源入力コネクタ105に備えられる凸部108が上型111の凹部に嵌り込んでいるので、電源入力コネクタ105が移動し変形することもなくモールド成形することが可能になる。
特開2005―168224号公報
しかしながら、特許文献1に開示される従来技術には、コネクタ部分のシール性に課題があると考えられる。
上型111と下型112に挟まれる電源入力コネクタ105は、樹脂やゴム等の絶縁可能な材料で作られている。しかし、樹脂やゴムは熱や圧力を加えられることで変形しやすい。また、寸法公差を確保することも困難である。
したがって、上型111及び下型112と、電源入力コネクタ105の間に隙間ができてしまい、モールド成型中に樹脂が漏れてしまうなどの問題がある。
モールド成型時に樹脂が漏れてしまうと、漏れの程度によっては電源入力コネクタ105の端子部分も樹脂で覆われてしまい、不良品となってしまう。
電源入力コネクタ105の寸法を、上型111と下型112で押し潰すような大きさにしてシールすることも考えられるが、上型111及び下型112と当接する電源入力コネクタ105の当接面は、面粗度を高くしてシール性を確保する必要があるのでコストがかさむ。また電源入力コネクタ105が大きめになってしまうと上型111と下型112で電源入力コネクタ105を押し潰して破損しまう虞もあるので、好ましくない。
また、電源入力コネクタ105を破損しないにしても、押し潰すようにして樹脂モールドを行うことで、モールド成形後に電源入力コネクタ105が変形したままになってしまい、相手の端子と接続しにくくなる虞もある。
そこで、本発明は、このような課題を解決するために、樹脂モールドの際にコネクタ部分のシールを確保可能な固定子のモールド成形方法、固定子のモールド成形装置、及び固定子構造を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明による固定子のモールド成形方法は以下のような特徴を有する。
(1)可動型と固定型とを用いて固定子の巻線部とコネクタとを覆い、前記コネクタの固定子径方向外側端面を前記可動型と前記固定型の間に挿入されるスライド型にて封止し、前記可動型と前記固定型とで固定子コアを挟んで形成されるキャビティにモールド樹脂を注入することで、前記固定子がモールド成形される、固定子のモールド成形方法において、バスバを有して前記巻線部と接続されるコネクタ板は、前記コネクタの前記固定子径方向外側端面に配置され、前記コネクタ板の外周部分に形成され、その厚みが外周に向かって徐々に減少させて形成されるシール部分は、前記モールド樹脂の押圧力を受けて、前記スライド型と当接し、前記コネクタの前記固定子径方向外側端面を封止することを特徴とする。
(2)(1)に記載される固定子のモールド成形方法において、前記コネクタの前記固定子径方向外側端面に、前記シール部分より内周側であって前記シール部分より突出して形成され、前記スライド型と当接するバックアップ部を備え、前記バックアップ部が前記スライド型に当接した状態で、前記シール部分と前記スライド型との間には隙間が形成され、前記キャビティに前記モールド樹脂が流入した際に、前記シール部分が前記モールド樹脂に押圧されて前記モールド樹脂の圧力で変形し、前記スライド型に当接することを特徴とする。
(3)(1)又は(2)に記載される固定子のモールド成形方法において、前記コネクタは、前記固定子径方向外側端面に直交する切断面が、前記固定子径方向外側端面を長辺とする台形形状に前記バックアップ部となる突出部が前記長辺から突出する形状に形成されることを特徴とする。
また、前記目的を達成するために、本発明による固定子のモールド成形装置は以下のような特徴を有する。
(4)固定子の巻線部とコネクタとを覆う可動型及び固定型と、前記可動型と前記固定型の間に挿入され、前記コネクタの固定子径方向外側端面を封止するスライド型と、を備える固定子のモールド成形装置において、前記スライド型に、前記コネクタの前記固定子径方向外側端面に配置されるコネクタ板の外周に向かって徐々に厚みを減少させて形成されたシール部分が当接するシール当接面が形成され、前記固定子をモールド成形する際に、前記可動型と前記固定型とで固定子コアを挟んで形成されるキャビティに流入するモールド樹脂の押圧力を受けて、前記スライド型の前記シール当接面と前記シール部分が当接し、前記コネクタの前記固定子径方向外側端面を封止することを特徴とする。
(5)(4)に記載される固定子のモールド成形装置において、前記スライド型に形成される前記シール当接面の内周に、バックアップ当接面が形成され、前記スライド型を前記コネクタ側にスライドさせることで、前記コネクタの前記シール部分から突出して形成されるバックアップ部が前記バックアップ当接面に当接し、前記キャビティに前記モールド樹脂が流入した際に、前記シール部分が前記モールド樹脂に押圧されて前記モールド樹脂の圧力で変形し、前記スライド型の前記シール当接面に当接することを特徴とする。
また、前記目的を達成するために、本発明による固定子構造は以下のような特徴を有する。
(6)コネクタを備え、巻線部をモールド樹脂によって樹脂モールドされて形成される固定子構造において、バスバを有して前記巻線部と接続されるコネクタ板は、前記コネクタの固定子径方向外側端面に配置され、前記コネクタの外周部分の厚みが、シール部分としてその外周に向かって徐々に減少させて形成され、前記モールド樹脂の押圧力を受けて前記シール部分が、前記モールド樹脂のキャビティを形成する可動型と固定型の間に挿入されるスライド型と当接して、前記コネクタの前記固定子径方向外側端面を封止することを特徴とする。
(7)(6)に記載される固定子構造において、
前記コネクタは、前記ステータ外側端面に直交する切断面が、前記ステータ外側端面を長辺とする台形断面に形成されることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明による固定子のモールド成形方法により、以下のような作用、効果が得られる。
まず、(1)に記載される発明は、可動型と固定型とを用いて固定子の巻線部とコネクタとを覆い、コネクタの固定子径方向外側端面を可動型と固定型の間に挿入されるスライド型にて封止し、可動型と固定型とで固定子コアを挟んで形成されるキャビティにモールド樹脂を注入することで、固定子がモールド成形される、固定子のモールド成形方法において、バスバを有して巻線部と接続されるコネクタ板は、コネクタの固定子径方向外側端面に配置され、コネクタ板の外周部分に形成され、その厚みが外周に向かって徐々に減少させて形成されるシール部分は、モールド樹脂の押圧力を受けて、スライド型と当接し、コネクタの固定子径方向外側端面を封止するので、樹脂成形時に、可動型と固定型とスライド型が形成するキャビティに充填されるモールド樹脂によって、コネクタのシール部分が押されて、シールされる。
この際に、シール部分の外周部は厚みが薄くなっているので、充填される樹脂の圧力によって、シール部分がスライド型に密着する。特に外周部分の厚みが薄くなっている場所は、圧力によって変形しやすくなっているので、スライド型の面に沿って密着する。そして、シール部分がスライド型に密着することで、モールド樹脂がシール部分とスライド面の間からコネクタ外側端面に漏れ出すことを抑制することができる。
コネクタの前面の端子部分にモールド樹脂が漏れだして固着すると、コネクタの相手側の端子との接続性が悪くなり、コネクタとしての機能を阻害してしまう虞があるが、シール性を高めることで、モールド樹脂がコネクタ外側端面に漏れ出すといった不良による良品率の低下を抑えることができる。
また、シール部分の外周部分が変形するだけであるので、コネクタは相手側端子と接続性が阻害されることも抑えることができる。
また、(2)に記載される発明は、(1)に記載される固定子のモールド成形方法において、コネクタの固定子径方向外側端面に、シール部分より内周側であってシール部分より突出して形成され、スライド型と当接するバックアップ部を備え、バックアップ部がスライド型に当接した状態で、シール部分とスライド型との間には隙間が形成され、キャビティにモールド樹脂が流入した際に、シール部分がモールド樹脂に押圧されてモールド樹脂の圧力で変形し、スライド型に当接する。つまり、位置決めはバックアップ部によって行われ、モールド樹脂に押圧されてシール部分がシールを確保するので、バックアップ部によりコネクタの形状変形を防ぐと共に、樹脂がコネクタ外側端面に漏れ出すことを抑制することができる。
コネクタには先端に相手側端子と接続するための金属部品である端子が突出して設けられている。当接するスライド型は端子の位置を避けてシール部分と当接する必要があるが、スライド型側の端子を避けるための開口が大きいと、可動型、固定型、及びスライド型で形成されるキャビティにモールド樹脂が流入するとコネクタに高い圧力がかかり、コネクタが変形しやすい。
コネクタが変形してしまい、端子が所定の位置に来ないと相手端子と接続することが難しくなる。しかし、バックアップ部を設けてコネクタをスライド型に当接させて、モールド樹脂からの圧力をスライド型にガイドさせてやることで、コネクタの変形を防ぐことが可能である。
また、前述の通りコネクタは絶縁性の高い樹脂やゴムで成形されることが多い。樹脂やゴムは寸法精度が出しにくいため、コネクタの形状精度を確保することは難しい。しかし、このバックアップ部の周囲にシール部分を形成する際に、バックアップ部がスライド型に当接した状態でシール部分がスライド型との間に隙間ができるような寸法にすることで、隙間の部分でコネクタのバックアップ部とシール部分との高さの差の寸法公差を吸収し得る。
そして、シール部分の外周が徐々に薄くなる形状に製作されているため、モールド樹脂の圧力でスライド型の表面に馴染みやすい。よって、コネクタの製作精度に気を遣わなくて済み、シール部分は樹脂の圧力でスライド型に当接するのでシール性も確保でき、モールド樹脂がステータ外面端面に漏れて不良となりにくい。
また、(3)に記載される発明は、(1)又は(2)に記載される固定子のモールド成形方法において、コネクタは、固定子径方向外側端面に直交する切断面が、固定子径方向外側端面を長辺とする台形形状にバックアップ部となる突出部が長辺から突出する形状に形成されるので、固定子径方向外側端面をコネクタの正面とすると、樹脂モールドする際にモールド樹脂からコネクタの背面にかかる圧力を受ける受圧面積を増やすことができる。さらに、受圧面積が増えた上でシール部分は外周にいくほど厚みが薄くなることで、先端側が変形しやすく、モールド樹脂の圧力でシール部分がスライド型に当接しやすくなる。
よって、スライド型とシール部分が当接して馴染み、封止するのでモールド樹脂が固定子径方向外側端面に漏れて不良となりにくい。
このような特徴を有する本発明による固定子のモールド成形装置により、以下のような作用、効果が得られる。
まず、(4)に記載される発明は、固定子の巻線部とコネクタとを覆う可動型及び固定型と、可動型と固定型の間に挿入され、コネクタの固定子径方向外側端面を封止するスライド型と、を備える固定子のモールド成形装置において、スライド型に、コネクタの固定子径方向外側端面に配置されるコネクタ板の外周に向かって徐々に厚みを減少させて形成されたシール部分が当接するシール当接面が形成され、固定子をモールド成形する際に、可動型と固定型とで固定子コアを挟んで形成されるキャビティに流入するモールド樹脂の押圧力を受けて、スライド型のシール当接面とシール部分が当接し、コネクタの固定子径方向外側端面を封止するので、固定子を樹脂モールドした際にコネクタの固定子径方向外側端面にモールド樹脂が漏れ出さない固定子のモールド成形装置を提供することができる。
また、(5)に記載される発明は、(4)に記載される固定子のモールド成形装置において、スライド型に形成されるシール当接面の内周に、バックアップ当接面が形成され、スライド型をコネクタ側にスライドさせることで、コネクタのシール部分から突出して形成されるバックアップ部がバックアップ当接面に当接し、キャビティにモールド樹脂が流入した際に、シール部分がモールド樹脂に押圧されてモールド樹脂の圧力で変形し、スライド型のシール当接面に当接するので、バックアップ当接面でバックアップ部を受け、モールド樹脂の圧力によるコネクタの変形を防ぐことが可能となる。
また、モールド樹脂の圧力で、シール当接面にシール部分に形成された面が当接するので、固定子を樹脂モールドした際にコネクタの固定子径方向外側端面にモールド樹脂が漏れ出さない固定子のモールド成形装置を提供することができる。
また、このような特徴を有する本発明による固定子構造により、以下のような作用、効果が得られる。
まず、(6)に記載される発明は、コネクタを備え、巻線部をモールド樹脂によって樹脂モールドされて形成される固定子構造において、バスバを有して巻線部と接続されるコネクタ板は、コネクタの固定子径方向外側端面に配置され、コネクタの外周部分の厚みが、シール部分としてその外周に向かって徐々に減少させて形成され、モールド樹脂の押圧力を受けてシール部分が、モールド樹脂のキャビティを形成する可動型と固定型の間に挿入されるスライド型と当接して、コネクタの固定子径方向外側端面を封止するので、コネクタの外周部分に設けられたシール部分がスライド型に当接し、コネクタ部分のシール性をシール部分とスライド型に密着することによって確保可能であるので、固定子のコネクタ部分に不良が発生することによる良品率の低下を抑えることができる。
また、(7)に記載される発明は、(6)に記載される固定子構造において、コネクタは、ステータ外側端面に直交する切断面が、ステータ外側端面を長辺とする台形断面に形成されるので、スライド型とシール部分が当接して馴染み、封止するのでモールド樹脂がステータ外面端面に漏れて不良となりにくい。
次に、本発明の第1の実施例について、図面を参照しつつ説明する。
まず、第1実施例の構成について概略を簡単に説明する。
(第1実施例)
図1に、第1実施例の固定子10の斜視図を示す。また、図2に、固定子10のうち平行巻きコイル11、傾斜巻きコイル12及び固定子コア13の配置状態を表す平面図を示す。また、図3に、図2の固定子10はA−B−C断面を示す。
固定子10は、図1に示すように、固定子コア13に平行巻きコイル11又は傾斜巻きコイル12を配設した状態で、コイルエンドを樹脂モールドして樹脂モールド部20を設けた形状となっている。樹脂モールド部20の一端には、端子18が備えられるコネクタ板17が設けられている。この固定子10の内部は、図2に示されるように鋼板を積層して形成した固定子コア13に備えるティース部13Aに、インシュレータ15に導線が巻回されたコイルが配設されている。
コイルは、平行巻きコイル11と傾斜巻きコイル12の2種類あり、固定子コア13のティース部13Aに平行巻きコイル11及び傾斜巻きコイル12が交互に配設される。これによって、固定子コア13のスロット内におけるコイルの占積率を向上させることができる。固定子コア13には、3カ所に位置決め孔13Bが形成されている。
平行巻きコイル11と傾斜巻きコイル12は、U、V、Wの3相のコイルを形成するようにバスバ14により接続されている。バスバ14のU、V、W相の各端部は、コネクタ板17に設けられた三本の端子18に接続されている。コネクタ板17は固定子コア13の片端に一定の高さに位置決めされて取り付けられている。
なお、コネクタ部16は、コネクタ板17が樹脂モールドされることによって形成される。したがって、バックアップ穴16Aも樹脂モールド部20が形成された時点で形成されるが、図2には、コネクタ部16の位置が分かるように実線で記載している。
図4に、固定子10に設けられるコネクタ部16の正面図を示す。図3のE矢視図である。
コネクタ板17に設けられた3本の端子18は、コネクタ板17のバックアップ部17Cに設けられており、その外周にはシール部分17Bが設けられている。シール部分17Bに対してバックアップ部17Cは段差が設けられ突出する形状に形成されている。
シール部分17Bは外周に向かうにしたがって徐々にその厚みが薄く形成されている。したがって、断面形状は台形形状となっており、バックアップ部17Cが形成される側が長辺となる。また、バックアップ部17Cには、2つのコネクタ位置決め穴17Aが形成されている。
なお、このシール部分17B及びバックアップ部17Cの図4に示される面がコネクタ板17のステータ外側端面となる。
図5に、コネクタ板17を裏側から見た背面図を示す。図3のFF断面図である。
コネクタ板17の背面には、端子18を接続する端子支持部17Dが備えられている。なお、図中に示されているバックアップピン35については、後述で説明する。
コネクタ部16は、図2に示されるように、固定子10の中心線上には設けられず、若干ずれた位置に配置されている。このようにずれて配置されることで、コネクタ部16が固定子10の外側に突出する量を減らすことができ、固定子10の体格を小さくすることに貢献する。固定子10の体格を小さくすることは、自動車の設計上の要請からである。
コネクタ板17の端子18が固定子10の外周方向に向いていることも、設計上の要請からであり、外周側に向けることで、接続部分を固定子10の外周側面に設けることができるので、結果的に固定子10を用いたモータの取り付けスペースが薄くなるメリットがある。
次に、固定子10を樹脂モールドする金型の構成について説明する。
図6に、固定型21と可動型22、及びスライド型31を用いて固定子10の樹脂モールド部20を形成する工程の断面図を示す。また、図7に、図6の固定型21を上面から見た平面図を示す。固定型21及びスライド型31は二点差線で示している。
固定型21は、中央に中心柱23が設けられている下型であり、中心柱23の外周面に、固定子10の固定子コア13が備えるティース部13Aの内周面が嵌合される。
固定型21には、中央に形成される中心柱23の中心に貫通するピン24とその周囲に設けられるパイプ25が設けられている。ピン24の先端には凸状リング24Aが形成されている。パイプ25は固定型21に対して上下に摺動可能である。
また、固定型21の中心柱23の外周には固定子コア13の位置決め孔13Bの位置決めが可能なように位置決めピン37が備えられている。
可動型22は、固定型21に対して上下に移動する上型である。スライド型31は可動型22にスライド可能に保持され、可動型22と一緒に上下に移動する。
固定型21の中心柱23の周囲には、固定子10の固定子コア13外周を支える固定子コア支持部21Aが形成されており、固定子コア13の平行巻きコイル11及び傾斜巻きコイル12の配設される部分より外側と当接して固定子10を支持する。
一方、可動型22にも、固定子10の固定子コア13の上面と当接する固定子コア当接部22Aが形成されている。この固定子コア当接部22Aは、固定子コア13に備えられる平行巻きコイル11及び傾斜巻きコイル12の外側に設けられているバスバ14の更に外周の、固定子コア13の上面と、スライド型31の部分を除いて当接する。
可動型22の中央には、円錐流路28が形成され、一端には注入口29と接続されている。注入口29からはモールド樹脂が注入される。円錐流路28の他端には、導入路27が接続される。導入路27は円盤状に固定型21の中心柱23上面と、可動型22の下面に挟まれて形成される。
スライド型31は、コネクタ板17の端子18を固定子10の外周方向に突出するために必要となる。スライド型31を用いないと、固定子10の樹脂モールド部20を成形後、可動型22から固定子10が抜けなくなってしまうためである。
スライド型31を可動型22に保持するために、固定子10のコネクタ板17と対応する位置に、可動型22にはガイド部溝38が形成される。そして、ガイド部溝38に摺動可能にスライド型31は可動型22に保持されている。
スライド型31にはスライドベース32が設けられ、油圧シリンダ34のロッドと接続している。スライドベース32には2本のコネクタ位置決めピン33が取り付けられている。コネクタ位置決めピン33は、コネクタ板17のコネクタ位置決め穴17Aに対向している。
スライド型31には、コネクタ板17のバックアップ部17Cが嵌り込むような段差が設けられ、コネクタ板17のバックアップ部17Cの端面が当接するバックアップガイド31Aが設けられている。バックアップガイド31Aは端子18を避けるように溝が設けられている。スライド型31の下面には、固定子コア13を押さえる固定子コア押さえ部31Bが形成されている。
このような、固定型21、可動型22及びスライド型31によって、図6に示すようにキャビティ26が形成され、このキャビティ26に導入路27が接続されてキャビティ26内部にモールド樹脂が流し込まれて固定子10の樹脂モールド部20を成形する。
次に、可動型22及びスライド型31の動きについて説明を行う。
図8に、固定型21に固定子10が配設され、可動型22が上部に退避している状態の断面図を示す。また、図9に、固定型21が可動型22の所定の位置に降下している状態の断面図を示す。
可動型22は図示しない駆動機構により、固定型21の上部に退避している。すなわち、金型が開いている状態である。この時、スライド型31の油圧シリンダ34は原点位置にあり、図面左側に位置している。
この状態において、ハンドリング装置や作業者によって固定子コア13が固定型21の所定の位置に配置される。固定子10のティース部13Aの内周面は中心柱23の外周面に嵌合され、固定子コア13に形成される位置決め孔13Bは、固定型21に備えられた位置決めピン37に嵌め込まれる。こうして、固定子10の固定型21に対する位置が決定され、コネクタ板17は固定子10の製作精度により、固定型21の所定の箇所に位置決めされる。
固定子10が位置決めされた後、図9に示すように可動型22を図示しない駆動機構により降下する。可動型22が降下すると共に、バックアップピン35はコネクタ板17の背面に差し込まれる。図示しない検出器により、可動型22の固定子コア当接部22Aが固定子コア13の上面に当接する位置で降下を停止する。この状態は仮締め状態であり、可動型22は固定子コア13に対して殆ど力をかけていない。
図10に、コネクタ板17の周囲の拡大断面図を示す。
可動型22が停止した仮締め状態で、スライド型31の油圧シリンダ34が駆動され、スライドベース32が前進する。これによりコネクタ位置決めピン33及びスライド型31が前進する。
スライド型31のコネクタ位置決めピン33が前進することにより、コネクタ板17のコネクタ位置決め穴17Aは、コネクタ位置決めピン33により位置決めされ、コネクタ位置決め穴17Aが所定の深さを備えているので、更にスライド型31は前進する。
そして、バックアップ部17Cの端面にバックアップガイド31Aの端面に形成されるバックアップ当接面31Cが突き当たる位置まで前進して、スライド型31は停止する。このスライド型31のコネクタ位置決めピン33及びバックアップガイド31A、可動型22のバックアップピン35によってコネクタ板17は位置決めされる。
スライド型31が定位置に移動したことを確認して、可動型22を更に下げて固定子コア13とのシール性を確保する。可動型22は下方に数十トンの押圧力をかけることで、固定子コア13の上面は固定子コア当接部22Aで、固定子コア13の下面は固定子コア支持部21Aで押圧され、確実にシールし、キャビティ26を形成する。
このようにして、固定型21、可動型22、スライド型31によってキャビティ26が形成され、図6に示す注入口29からモールド樹脂が注入されることで、樹脂モールドを行う。
第1実施例は以上のような構成となっているので、以下に示すような作用、効果を奏する。
まず、第1実施例の構成によって、シール部分17Bのシール性を確保することが可能である点が挙げられる。
樹脂モールドを行う際に問題となるのは、コネクタ板17の周囲のシール性の確保である。図10に示すように、コネクタ板17のシール部分17Bはスライド型31に当接することでシール性を確保する必要がある。
コネクタ板17はバックアップピン35に背面を支えられ、コネクタ位置決めピン33及びバックアップガイド31Aによって前面を支えられているが、コネクタ板17自身が樹脂やゴムで形成されているため、あまり寸法精度を期待できない。
したがって、バックアップ部17Cの段差の高さの寸法によっては、シール部分17Bとスライド型31との間に隙間ができてモールド樹脂が端子18側に漏れ出してしまうことも考えられる。
図11に、コネクタ板17がスライド型31のバックアップガイド31Aに当接する状態を表す部分拡大断面図を示す。
コネクタ板17は、バックアップ部17Cがバックアップガイド31Aに形成されるバックアップ当接面31Cに当接した状態で、シール部分17Bがスライド型31のシール当接面31Dから浮く寸法に、バックアップ部17Cとシール部分17Bとの段差高さd1が決定されている。
ここで、シール隙間d2はコネクタ板17の製造寸法公差を考慮して設けられており、寸法公差よりもシール隙間d2を大きくすれば、コネクタ板17の公差を吸収することができる。
このようにキャビティ26にモールド樹脂を注入して、固定子10の樹脂モールド部20を形成する。
コネクタ板17は、図11に示すようにシール部分17Bがコネクタ板17の周囲にいくにつれて徐々に板厚が減少するように形成されている。
したがって、キャビティ26にモールド樹脂を注入した場合に、樹脂圧力Pが発生することになる。樹脂圧力Pは数MPa程度の圧力があり、モールド樹脂は加熱されている。その為、図11に示すようにシール部分17Bの先端が樹脂圧力Pによって曲がり、スライド型31に形成されたシール当接面31Dに当接する。
図12に、コネクタ板17のコネクタ板17の外周部が矩形の場合の図面を示す。
コネクタ板17の外周部が矩形である場合、シール部分17Bの先端でも樹脂圧力Pによって曲がりにくく殆ど変形しないため、シール隙間d2があるとその部分からモールド樹脂が漏れてしまう虞がある。
しかし、図11に示されるようにコネクタ板17の厚みが外周に向かって徐々に薄く形成されていることで、樹脂圧力Pによってシール部分17Bとスライド型31のシール当接面31Dが当接しやすくなる。また、コネクタ板17の背面に斜面が形成されることで、シール性に寄与する樹脂圧力Pを受圧する面積を増やすことが可能となる。すなわち、斜面の部分でも樹脂圧力Pを受けて、コネクタ板17の先端が変形することに作用するため、よりシール性を高めることが可能となる。
また、段差高さd1をバックアップ部17Cがバックアップガイド31Aに先に当接し、シール隙間d2が形成されるようにコネクタ板17の寸法を設定することで、コネクタ板17の変形を極力抑えることが可能となる。これによって、端子18の位置精度を確保することが可能となる。
以上に説明したように、第1実施例に示した固定子のモールド成形方法、固定子のモールド成形装置、及び固定子構造では以下に示すような、構成、作用、効果が得られる。
(1)可動型22と固定型21とを用いて固定子10の平行巻きコイル11及び傾斜巻きコイル12とコネクタ板17とを覆い、コネクタ板17のステータ外側端面を可動型22と固定型21の間に挿入されるスライド型31にて封止し、可動型22と固定型21とで固定子コア13を挟んで形成されるキャビティ26にモールド樹脂を注入することで、固定子10がモールド成形される、固定子10のモールド成形方法において、コネクタ板17のシール部分17Bの厚みは、その外周に向かって徐々に減少させて形成され、モールド樹脂の押圧力を受けてシール部分17Bがスライド型31と当接して、コネクタ板17のステータ外側端面を封止するので、樹脂成形時に、可動型22と固定型21とスライド型31が形成するキャビティに充填されるモールド樹脂によって、コネクタ板17のシール部分17Bが押されて、シールされる。
この際に、シール部分17Bの外周部は厚みが薄くなっているので、充填される樹脂の圧力によって、シール部分17Bがスライド型31に密着する。そして、モールド樹脂がシール部分17Bとスライド面の間からコネクタ外側端面に漏れ出すことを抑制することができる。
このように、シール部分17Bとスライド型31に密着することによってコネクタ部16のシール性を確保可能であるので、コネクタ板17の前面の端子部分にモールド樹脂が漏れだして固着するといった不良による良品率の低下を抑えることができる。
また、シール部分17Bの外周部分が変形するだけであるので、相手の端子と接続しにくくなるようなこともない。
(2)(1)に記載される固定子のモールド成形方法において、コネクタ板17のステータ外側端面に、スライド型31と当接するバックアップ部17Cを備え、バックアップ部17Cの周囲にシール部分17Bが形成され、バックアップ部17Cがスライド型31に当接した状態で、シール部分17Bとスライド型31との間には隙間が形成され、キャビティ26にモールド樹脂が流入した際に、シール部分17Bがモールド樹脂に押圧されてモールド樹脂の圧力で変形し、スライド型31に当接する。つまり、位置決めはバックアップ部17Cによって行われ、モールド樹脂に押圧されてシール部分17Bがシールを確保するので、モールド樹脂がコネクタ外側端面に漏れ出すことを抑制することができる。
(3)(1)又は(2)に記載される固定子のモールド成形方法において、コネクタ板17は、ステータ外側端面に直交する切断面が、ステータ外側端面を長辺とする台形断面に形成されるので、ステータ外側端面をコネクタ板17の正面とすると、樹脂モールドする際にモールド樹脂からコネクタ板17の背面にかかる圧力を受ける受圧面積を増やすことができる。さらに、受圧面積が増えた上でシール部分17Bは外周にいくほど厚みが薄くなることで、先端側が変形しやすく、モールド樹脂の圧力でシール部分17Bがスライド型31に当接しやすくなる。
よって、スライド型31とシール部分17Bが当接して馴染み、封止するのでモールド樹脂がステータ外側端面に漏れて不良となりにくい。
このような特徴を有する第1実施例による固定子のモールド成形装置により、以下のような作用、効果が得られる。
(4)固定子10の平行巻きコイル11及び傾斜巻きコイル12とコネクタ板17とを覆う可動型22及び固定型21と、可動型22と固定型21の間に挿入され、コネクタ板17のステータ外側端面を封止するスライド型31と、を備える固定子10のモールド成形装置において、スライド型31に、コネクタ板17の外周に向かって徐々に厚みを減少させて形成されたシール部分17Bが当接するシール当接面31Dが形成され、固定子10をモールド成形する際に、可動型22と固定型21とで固定子コア13を挟んで形成されるキャビティ26に流入するモールド樹脂の押圧力を受けて、スライド型31のシール当接面31Dとシール部分17Bが当接し、コネクタ板17のステータ外側端面を封止するので、固定子10を樹脂モールドした際にコネクタ板17のステータ外側端面にモールド樹脂が漏れ出さない固定子10のモールド成形装置を提供することができる。
(5)(4)に記載される固定子のモールド成形装置において、スライド型31に形成されるシール当接面31Dの内周に、シール当接面31Dと異なる高さにバックアップ当接面31Cが形成され、スライド型31をコネクタ板17側にスライドさせることで、コネクタ板17のシール部分17Bから突出して形成されるバックアップ部17Cがバックアップ当接面31Cに当接し、キャビティ26にモールド樹脂が流入した際に、シール部分17Bがモールド樹脂に押圧されてモールド樹脂の圧力で変形し、スライド型31のシール当接面31Dに当接するのでバックアップ当接面31Cでバックアップ部17Cを受け、モールド樹脂の圧力によるコネクタ板17の変形を防ぐことが可能となる。
また、モールド樹脂の圧力で、シール当接面31Dにシール部分17Bに形成された面が当接するので、固定子を樹脂モールドした際にコネクタ板17のステータ外側端面にモールド樹脂が漏れ出さない固定子10のモールド成形装置を提供することができる。
また、このような特徴を有する第1実施例による固定子構造により、以下のような作用、効果が得られる。
(6)コネクタ板17を備え、平行巻きコイル11及び傾斜巻きコイル12をモールド樹脂によって樹脂モールドされて形成される固定子構造において、コネクタ板17の外周部分の厚みが、シール部分17Bとしてその外周に向かって徐々に減少させて形成され、モールド樹脂の押圧力を受けてシール部分17Bが、モールド樹脂のキャビティ26を形成する可動型22と固定型21の間に挿入されるスライド型31と当接して、コネクタ板17のステータ外側端面を封止するので、コネクタ板17の外周部分に設けられたシール部分17Bがスライド型31に当接し、コネクタ部16のシール性をシール部分17Bとスライド型31に密着することによって確保可能であるので、固定子10のコネクタ部16に不良が発生することによる良品率の低下を抑えることができる。
(7)(6)に記載される固定子構造において、コネクタ板17は、ステータ外側端面に直交する切断面が、ステータ外側端面を長辺とする台形断面に形成されるので、スライド型31とシール部分が当接して馴染み、封止するのでモールド樹脂がステータ外面端面に漏れて不良となりにくい。
次に本発明の第2の実施例を、図面を用いて説明する。
(第2実施例)
第2実施例の固定子構造及び固定子のモールド形成装置に関しては、第1実施例とほぼ同じである。ただし、コネクタ板17の寸法管理が若干異なるので以下に説明をする。
図13に、第2実施例のコネクタ板17とスライド型31の当接部分の拡大断面図を示す。第1実施例の図11に対応する図面である。
第2実施例のコネクタ板17は、シール部分17Bとバックアップ部17Cの高さの差である段差高さd1が、シール部分17Bがスライド型31に当接した際に、バックアップ部17Cがバックアップガイド31Aの端面に当接しない高さに設定されている。
このバックアップガイド31Aの端面とバックアップ部17Cとの隙間である当接隙間d3は、コネクタ板17の寸法公差を考慮して形成されており、バックアップ部17Cがプラスで製作された場合にバックアップガイド31Aにギリギリあたらない程度の寸法とする。
したがって、シール部分17Bがスライド型31に当接した状態で、コネクタ板17の背面から力がかかっていなければ、当接隙間d3ができている状態となる。
第2実施例は、上記で説明したような構成となっているので、以下の作用、効果を奏する。
図14に、モールド樹脂がキャビティ26に注入された際のコネクタ板17の状態を示す。
固定型21、可動型22及びスライド型31でキャビティ26が形成され、注入口29からモールド樹脂が注入されて、円錐流路28及び導入路27を通過してキャビティ26に流入した際に、コネクタ板17は図14に示すような変形を起こす。
コネクタ板17は、樹脂圧力Pによって、コネクタ板17の背面から圧力を受けて、バックアップ部17Cがバックアップガイド31Aの端面に当接するまで変形を起こす。この際、シール部分17Bの外周部は、コネクタ板17の中央部が押されることによってスライド型31から離れる方向に力が働くが、樹脂圧力Pによっても押され、シール部分17Bの外周先端が徐々に厚みが薄くなるように形成されていることで、シール部分17Bの外周先端もスライド型31に当接することになる。
このように、樹脂圧力Pによってスライド型31とシール部分17Bが密着するので、シール性を発揮し、コネクタ板17の端子18側へのモールド樹脂が漏れる虞を抑制することができる。
また、段差高さd1をシール部分17Bがスライド型31に先に当接し、当接隙間d3が形成されるようにコネクタ板17の寸法を設定することで、シール性を高めることが可能となる。
以上に説明したように、第2実施例に示した固定子のモールド成形方法及び固定子では以下に示すような、構成、作用、効果が得られる。
(1)可動型22と固定型21とを用いて固定子10の平行巻きコイル11及び傾斜巻きコイル12とコネクタ板17とを覆い、コネクタ板17のステータ外側端面を可動型22と固定型21の間に挿入されるスライド型31にて封止し、可動型22と固定型21とで固定子コア13を挟んで形成されるキャビティ26にモールド樹脂を注入することで、固定子10がモールド成形される、固定子10のモールド成形方法において、コネクタ板17のシール部分17Bの厚みは、その外周に向かって徐々に減少させて形成され、モールド樹脂の押圧力を受けてシール部分17Bがスライド型31と当接して、コネクタ板17のステータ外側端面を封止するので、樹脂成形時に、可動型22と固定型21とスライド型31が形成するキャビティに充填されるモールド樹脂によって、コネクタ板17のシール部分17Bが押されて、シールされる。
この際に、シール部分17Bの外周部は厚みが薄くなっているので、充填される樹脂の圧力によって、シール部分17Bがスライド型31に密着する。そして、モールド樹脂がシール部分17Bとスライド面の間からコネクタ外側端面に漏れ出すことを抑制することができる。
このように、シール部分17Bとスライド型31に密着することによってコネクタ部16のシール性を確保可能であるので、コネクタ板17の前面の端子部分にモールド樹脂が漏れだして固着するといった不良による良品率の低下を抑えることができる。
また、シール部分17Bの外周部分が変形するだけであるので、相手の端子と接続しにくくなるようなこともない。
(2)(1)に記載される固定子のモールド成形方法において、コネクタ板17は、ステータ外側端面に直交する切断面が、ステータ外側端面を長辺とする台形断面に形成されるので、ステータ外側端面をコネクタ板17の正面とすると、樹脂モールドする際にモールド樹脂からコネクタ板17の背面にかかる圧力を受ける受圧面積を増やすことができる。さらに、受圧面積が増えた上でシール部分17Bは外周にいくほど厚みが薄くなることで、先端側が変形しやすく、モールド樹脂の圧力でシール部分17Bがスライド型31に当接しやすくなる。
よって、スライド型31とシール部分17Bが当接して馴染み、封止するのでモールド樹脂がステータ外面端面に漏れて不良となりにくい。
以上において、実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、第1実施例及び第2実施例のコネクタ板17の形状を長方形の板状としているが、これは自動車に搭載する際に固定子10の厚みを極力減らしたいという要請があるためで、例えば円形の板状とし、コネクタ部16を円筒形状にすることを妨げない。
また例えば、平行巻きコイル11及び傾斜巻きコイル12を巻き線タイプのコイルとして示しているが、エッジワイズ曲げ加工したコイルを用いても良い。
その他、設計上の制約により発明の要旨を逸脱しない範囲で形状を変更することを妨げない。
第1実施例の、固定子10の斜視図を示している。 第1実施例の、固定子10のうち平行巻きコイル11、傾斜巻きコイル12及び固定子コア13の配置状態を表す平面図を示している。 第1実施例の、図2の固定子10はA−B−C断面を示している。 第1実施例の、固定子10に設けられるコネクタ部16の正面図を示している。 第1実施例の、コネクタ板17を裏側から見た背面図を示している。図2のFF断面図である。 第1実施例の、固定型21と可動型22、及びスライド型31を用いて固定子10の樹脂モールド部20を形成する工程の断面図を示している。 第1実施例の、固定型21を上面から見た平面図を示している。固定型21及びスライド型31は二点差線で示している。 第1実施例の、固定型21に固定子10が配設され、可動型22が上部に退避している状態の断面図を示している。 第1実施例の、固定型21が可動型22の所定の位置に降下している状態の断面図を示している。 第1実施例の、コネクタ板17の周囲の拡大断面図を示している。 第1実施例の、コネクタ板17がスライド型31のバックアップガイド31Aに当接する状態を表す部分拡大断面図を示している。 対比例として、コネクタ板17のコネクタ板17の外周部が矩形の場合を示している。 第2実施例の、コネクタ板17とスライド型31の当接部分の拡大断面図を示している。 第2実施例の、モールド樹脂がキャビティ26に注入された際のコネクタ板17の状態を示している。 特許文献1の、固定子の端部を樹脂モールドする際の断面図を示す。
符号の説明
10 固定子
11 平行巻きコイル
12 傾斜巻きコイル
13 固定子コア
14 バスバ
15 インシュレータ
16 コネクタ部
16A バックアップ穴
17 コネクタ板
17A コネクタ位置決め穴
17B シール部分
17C バックアップ部
17D 端子支持部
18 端子
20 樹脂モールド部
21 固定型
22 可動型
26 キャビティ
31 スライド型
35 バックアップピン

Claims (6)

  1. 可動型と固定型とを用いて固定子の巻線部とコネクタとを覆い、前記コネクタの固定子径方向外側端面を前記可動型と前記固定型の間に挿入されるスライド型にて封止し、前記可動型と前記固定型とで固定子コアを挟んで形成されるキャビティにモールド樹脂を注入することで、前記固定子がモールド成形される、固定子のモールド成形方法において、
    バスバを有して前記巻線部と接続されるコネクタ板は、前記コネクタの前記固定子径方向外側端面に配置され、
    前記コネクタ板の外周部分に形成され、その厚みが外周に向かって徐々に減少させて形成されるシール部分は、前記モールド樹脂の押圧力を受けて、前記スライド型と当接し、前記コネクタの前記固定子径方向外側端面を封止することを特徴とする固定子のモールド成形方法。
  2. 請求項1に記載される固定子のモールド成形方法において、
    前記コネクタの前記固定子径方向外側端面に、前記シール部分より内周側であって前記シール部分より突出して形成され、前記スライド型と当接するバックアップ部を備え、
    前記バックアップ部が前記スライド型に当接した状態で、前記シール部分と前記スライド型との間には隙間が形成され、
    前記キャビティに前記モールド樹脂が流入した際に、前記シール部分が前記モールド樹脂に押圧されて前記モールド樹脂の圧力で変形し、前記スライド型に当接することを特徴とする固定子のモールド成形方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載される固定子のモールド成形方法において、
    前記コネクタは、前記固定子径方向外側端面に直交する切断面が、前記固定子径方向外側端面を長辺とする台形形状に前記バックアップ部となる突出部が前記長辺から突出する形状に形成されることを特徴とする固定子のモールド成形方法。
  4. 固定子の巻線部とコネクタとを覆う可動型及び固定型と、前記可動型と前記固定型の間に挿入され、前記コネクタの固定子径方向外側端面を封止するスライド型と、を備える固定子のモールド成形装置において、
    前記スライド型に、前記コネクタの前記固定子径方向外側端面に配置されるコネクタ板の外周に向かって徐々に厚みを減少させて形成されたシール部分が当接するシール当接面が形成され、
    前記固定子をモールド成形する際に、前記可動型と前記固定型とで固定子コアを挟んで形成されるキャビティに流入するモールド樹脂の押圧力を受けて、前記スライド型の前記シール当接面と前記シール部分が当接し、前記コネクタの前記固定子径方向外側端面を封止することを特徴とする固定子のモールド成形装置。
  5. 請求項4に記載される固定子のモールド成形装置において、
    前記スライド型に形成される前記シール当接面の内周に、バックアップ当接面が形成され、
    前記スライド型を前記コネクタ側にスライドさせることで、前記コネクタの前記シール部分から突出して形成されるバックアップ部が前記バックアップ当接面に当接し、
    前記キャビティに前記モールド樹脂が流入した際に、前記シール部分が前記モールド樹脂に押圧されて前記モールド樹脂の圧力で変形し、前記スライド型の前記シール当接面に当接することを特徴とする固定子のモールド成形装置。
  6. コネクタを備え、巻線部をモールド樹脂によって樹脂モールドされて形成される固定子構造において、
    バスバを有して前記巻線部と接続されるコネクタ板は、前記コネクタの固定子径方向外側端面に配置され、
    前記コネクタの外周部分の厚みが、シール部分としてその外周に向かって徐々に減少させて形成され、
    前記モールド樹脂の押圧力を受けて前記シール部分が、前記モールド樹脂のキャビティを形成する可動型と固定型の間に挿入されるスライド型と当接して、前記コネクタの前記固定子径方向外側端面を封止することを特徴とする固定子構造。
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