JP5996934B2 - 回転子積層鉄心の樹脂封止方法及び回転子積層鉄心の製造装置 - Google Patents
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この具体的な方法として、例えば特許文献1には、図5に示すように、鉄心片を積層して形成された鉄心本体100aを、上型101と下型102を有する樹脂封止装置103にセットした後、上型101又は下型102(図5では、上型101)に設けられた樹脂溜めポット104から、永久磁石105が挿入された磁石挿入孔106内に樹脂部材107を充填する方法が開示されている。なお、符号100は、永久磁石105が樹脂封止された回転子積層鉄心である。
また、特許文献2には、図6に示すように、鉄心本体115を上型109及び下型110で挟んで、上型109に設けられた樹脂溜め部111から樹脂部材112を、永久磁石113が挿入された磁石挿入部114に注入し硬化させた際、回転子積層鉄心108の鉄心本体115の上表面側に形成される樹脂流路部分とゲート部分に、不要な樹脂部材112が残留することを防ぐため、鉄心本体115の上表面に、樹脂注入孔116が形成されているカルプレート(ダミー板ともいう)117を当接配置し、カルプレート117の樹脂注入孔116を介して樹脂溜め部111から磁石挿入部114に樹脂部材112を注入し硬化させた後、カルプレート117を鉄心本体115から除去する方法が開示されている。
ここで、特許文献1では、図8に示すように、鉄心本体100aを上型101と下型102を有する樹脂封止装置103にセットした後、上型101に設けられた樹脂溜めポット104から、永久磁石105が挿入された磁石挿入孔106内に樹脂部材107を充填する際、鉄心本体100aの端面にうねりが存在していると、上型101の下面全体が鉄心本体100aの上端面全体と密着せず、上型101の下面と鉄心本体100aの上面との間に隙間が生じることになる。そして、隙間が、樹脂溜めポット104の周囲、樹脂溜めポット104から磁石挿入孔106の上端部に樹脂部材107を案内するランナー104aの周囲、及び磁石挿入孔106の上端部の周囲の少なくとも1つに形成されると、鉄心本体100aの上端部に樹脂部材107が漏れ出し、その隙間が鉄心本体100aの上端面の外周まで延伸している場合(領域G1に存在する場合)、樹脂部材107を充填する過程で樹脂部材107が隙間を介して鉄心本体100aの外周部に漏れ出すという問題が生じる。
前記樹脂溜め部から前記磁石挿入部への前記樹脂部材の充填は、前記磁石挿入部の注入口と前記樹脂溜め部が設けられた前記金型との間に形成され、前記鉄心本体に当接する密閉突出部によって、前記樹脂溜め部から前記注入口の周囲領域を選択的に押圧して行い、しかも、前記密閉突出部は、前記樹脂溜め部が設けられた前記金型に形成されている。
前記樹脂溜め部から前記磁石挿入部への前記樹脂部材の充填は、前記磁石挿入部の注入口と前記樹脂溜め部が設けられた前記金型との間に形成され、前記鉄心本体に当接する密閉突出部によって、前記樹脂溜め部から前記注入口の周囲領域を選択的に押圧して行い、しかも、前記密閉突出部は、前記樹脂溜め部が設けられた前記金型に当接する一枚の板からなるカルプレートに形成されている。
前記磁石挿入部の注入口と前記樹脂溜め部が設けられた前記金型との間に形成され、前記鉄心本体に当接し、前記樹脂溜め部から前記注入口の周囲領域を選択的に押圧する密閉突出部を有し、しかも、前記密閉突出部は、前記樹脂溜め部が設けられた前記金型に形成されている。
前記磁石挿入部の注入口と前記樹脂溜め部が設けられた前記金型との間に形成され、前記鉄心本体に当接し、前記樹脂溜め部から前記注入口の周囲領域を選択的に押圧する密閉突出部を有し、しかも、前記密閉突出部は、前記樹脂溜め部が設けられた前記金型に当接する一枚の板からなるカルプレートに形成されている。
図1、図2に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る回転子積層鉄心の製造装置は、鉄心片11を積層して鉄心本体12を形成する図示しない鉄心片積層機構と、少なくとも一方が昇降する上型15と下型16(この実施の形態では、上型15が固定され、下型16が昇降する)を備え、上型15及び下型16を用いて鉄心本体12を上下方向から押圧し、鉄心本体12に複数設けられ、永久磁石14(未磁化のものを含む)がそれぞれ挿入された磁石挿入部13に、上型15及び下型16のいずれか一方の金型、本実施の形態では上型15に形成された樹脂溜め部17から磁石挿入部13に樹脂部材18を充填する樹脂封止機構10とを有している。
これによって、鉄心本体12の磁石挿入部13に挿入した永久磁石14を鉄心本体12に固定することができ、図示しない回転軸を取り付けることにより回転子積層鉄心19が形成される。ここで、符号20は、回転軸が挿通される軸孔、符号21は、樹脂溜め部17内の溶融状態の樹脂部材18を加圧して、樹脂溜め部17から樹脂部材18を磁石挿入部13に流出させるプランジャである。なお、プランジャ21は、上型15の上方に配置される図示しないプランジャ駆動手段と連結している。以下、詳細に説明する。
図1、図2に示すように、回転子積層鉄心19の樹脂封止方法は、複数の鉄心片11を積層して形成された鉄心本体12に設けられた複数の磁石挿入部13に永久磁石14をそれぞれ挿入した後、鉄心本体12を上型15及び下型16で押圧した状態で、上型15に形成された樹脂溜め部17から磁石挿入部13に樹脂部材18を充填して、鉄心本体12に永久磁石14を固定する方法であって、樹脂溜め部17から磁石挿入部13への樹脂部材18の充填は、磁石挿入部13の注入口と上型15の間に形成され、鉄心本体12の上端面に当接する密閉突出部23によって、樹脂溜め部17から磁石挿入部13の注入口の周囲領域を選択的に押圧して行っている。以下、詳細に説明する。
続いて、図示しない鉄心本体予熱機構を用いて、永久磁石14が挿入された鉄心本体12を、樹脂部材18の溶融温度付近まで予熱する。ここで、樹脂部材18には、熱硬化性樹脂を使用することができ、予熱温度は、樹脂部材18の溶融温度より10〜20℃の範囲で高い温度又は低い温度とする。予熱が終了した鉄心本体12は、鉄心本体予熱機構から取り出され、樹脂封止機構10にセットされる。なお、この実施の形態では熱硬化性樹脂を使用したが、これに代えて熱可塑性樹脂を使用してもよい。
予熱が終了した鉄心本体12を下型29の所定位置に載置し、鉄心本体12の上端面にカルプレート30を載置する。次いで、下型29を上型28に向けて上昇させ、カルプレート30の上表面を上型28の下面に当接させると、樹脂溜め部27から樹脂部材18が流出する流出口の周囲をカルプレート30の上部側で覆うことができる。一方、カルプレート30の下表面に形成された密閉突出部26が、樹脂溜め部27から磁石挿入部13の注入口の周囲領域を選択的に押圧するので、鉄心本体12の上端面にうねりが存在していても、カルプレート30の樹脂注入孔31から磁石挿入部13の注入口の周囲領域に密閉突出部26を密着させることができる。
そして、樹脂部材18の硬化が完了した後、鉄心本体12の押圧状態を解放するため下型29を下降させると、鉄心本体12がカルプレート30と共に下降するので、カルプレート30が載置された状態の鉄心本体12を下型29から取り出し、カルプレート30を鉄心本体12から引き離すと、樹脂注入孔31内で硬化した樹脂部材18はカルプレート30と共に取り除かれ、鉄心本体12の上端面に不要樹脂部材が残留することはない。このため、不要樹脂部材の除去作業が削減されて、回転子積層鉄心19の生産性が向上する。
更に、本実施の形態とその他の実施の形態や変形例にそれぞれ含まれる構成要素を組合わせたものも、本発明に含まれる。
例えば、樹脂溜め部を上型に設けたが、下型に設けてもよい。また、樹脂溜め部を下型に設け、カルプレートを下型と鉄心本体の下端面に当接して配置してもよい。
更に、カルプレートを鉄心本体に当接させて使用したが、カルプレートを上型の下端面に又は下型の上端面に予め当接させて配置するようにしてもよい。この場合、樹脂部材18の硬化が完了した鉄心本体を下降させる際に、カルプレートは、樹脂注入孔31内で硬化した樹脂部材18と共に鉄心本体から分離するので、不要樹脂部材が存在しない状態の鉄心本体が得られる。
Claims (4)
- 複数の鉄心片を積層して形成された鉄心本体に設けられた複数の磁石挿入部に永久磁石をそれぞれ挿入した後、前記鉄心本体を上型及び下型で押圧した状態で、該上型及び該下型のいずれか一方の金型に形成された樹脂溜め部から前記磁石挿入部に樹脂部材を充填して、前記鉄心本体に前記永久磁石を固定する回転子積層鉄心の樹脂封止方法において、
前記樹脂溜め部から前記磁石挿入部への前記樹脂部材の充填は、前記磁石挿入部の注入口と前記樹脂溜め部が設けられた前記金型との間に形成され、前記鉄心本体に当接する密閉突出部によって、前記樹脂溜め部から前記注入口の周囲領域を選択的に押圧して行い、しかも、前記密閉突出部は、前記樹脂溜め部が設けられた前記金型に形成されていることを特徴とする回転子積層鉄心の樹脂封止方法。 - 複数の鉄心片を積層して形成された鉄心本体に設けられた複数の磁石挿入部に永久磁石をそれぞれ挿入した後、前記鉄心本体を上型及び下型で押圧した状態で、該上型及び該下型のいずれか一方の金型に形成された樹脂溜め部から前記磁石挿入部に樹脂部材を充填して、前記鉄心本体に前記永久磁石を固定する回転子積層鉄心の樹脂封止方法において、
前記樹脂溜め部から前記磁石挿入部への前記樹脂部材の充填は、前記磁石挿入部の注入口と前記樹脂溜め部が設けられた前記金型との間に形成され、前記鉄心本体に当接する密閉突出部によって、前記樹脂溜め部から前記注入口の周囲領域を選択的に押圧して行い、しかも、前記密閉突出部は、前記樹脂溜め部が設けられた前記金型に当接する一枚の板からなるカルプレートに形成されていることを特徴とする回転子積層鉄心の樹脂封止方法。 - 少なくとも一方が昇降する上型と下型を有し、前記上型及び前記下型を用いて複数の鉄心片を積層して形成された鉄心本体を上下方向から押圧し、前記鉄心本体に複数設けられ、永久磁石がそれぞれ挿入された磁石挿入部に、前記上型及び前記下型のいずれか一方の金型に形成された樹脂溜め部から前記磁石挿入部に樹脂部材を充填して、前記鉄心本体に前記永久磁石を固定する回転子積層鉄心の製造装置において、
前記磁石挿入部の注入口と前記樹脂溜め部が設けられた前記金型との間に形成され、前記鉄心本体に当接し、前記樹脂溜め部から前記注入口の周囲領域を選択的に押圧する密閉突出部を有し、しかも、前記密閉突出部は、前記樹脂溜め部が設けられた前記金型に形成されていることを特徴とする回転子積層鉄心の製造装置。 - 少なくとも一方が昇降する上型と下型を有し、前記上型及び前記下型を用いて複数の鉄心片を積層して形成された鉄心本体を上下方向から押圧し、前記鉄心本体に複数設けられ、永久磁石がそれぞれ挿入された磁石挿入部に、前記上型及び前記下型のいずれか一方の金型に形成された樹脂溜め部から前記磁石挿入部に樹脂部材を充填して、前記鉄心本体に前記永久磁石を固定する回転子積層鉄心の製造装置において、
前記磁石挿入部の注入口と前記樹脂溜め部が設けられた前記金型との間に形成され、前記鉄心本体に当接し、前記樹脂溜め部から前記注入口の周囲領域を選択的に押圧する密閉突出部を有し、しかも、前記密閉突出部は、前記樹脂溜め部が設けられた前記金型に当接する一枚の板からなるカルプレートに形成されていることを特徴とする回転子積層鉄心の製造装置。
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