JP4683001B2 - 固定子のモールド成形装置、及び成形方法 - Google Patents
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Description
樹脂を射出成形する技術については、様々な分野に於いて利用されてきており、これらの技術をモータのコイルエンドを樹脂モールドすることに利用することが考えられる。
特許文献1には、多数個取りする金型による成形によって、所定形状の樹脂注入空間に樹脂を注入することで形成する射出成形金型であって、流路に流路断面積を可変させるゲート圧可変入子を設け、時間経過に伴い流路断面積を制御することで充填バランスを調整し、不良品率を低下させることができる技術が記載されている。
図11に、出願人が検討していた固定子10の樹脂モールド方法を表す断面図を示す。
固定子10に用いられる固定子コア13は、鋼板を積層して形成されている。このため、固定子コア13の積厚L1にバラツキが発生する。固定型21と可動型22で固定子コア13を挟む方式である場合に、図11に示すように固定型21の側面と可動型22の内面の間に形成される最小流路幅L2は、固定子コア13の積厚L1に対して変化しない。最小流路幅L2が変化しないと言うことは、流路断面積に変化がないことを意味する。
一方、固定子コア13の積厚L1が増えることで、モールド樹脂の必要注入量は増加する。
このため、固定子10のコイルエンドを樹脂モールドするにあたって、サイクルタイム内に成形しようとすると、最小流路幅L2を通過するモールド樹脂の流速を上げ、キャビティ26への注入量を増やす必要がある。
例えば車載モータに固定子を使用する場合に、使用時には高温になるが、停止時には外気と同じ温度まで低下するので、場合によっては温度差が百度近くになる場合もある。このようなヒートサイクルを受けると、ウェルド発生部分から破壊が起こる虞がある。
つまり、固定子10のモールド成形時において、モールド樹脂の流速が上がることは好ましくない。
流速が上がる場合、有効断面積を増やしてやることで、これを抑制することが可能になる。そこで、モールド樹脂が供給される流路内に特許文献1や特許文献2のように流路断面積を制御する機構を設けることも考えられる、
しかし、図11に示すよう固定子10のコイルエンドをモールド樹脂成形する場合のように、流路が円盤状である場合には、特許文献1や特許文献2のように流路断面積を可変に構成することは困難であり、金型の形状を複雑にすることは好ましくない。
(1)固定子コアの外周部を挟む可動型及び固定型を備え、前記可動型及び前記固定型とで前記固定子コアを挟んで形成するキャビティにモールド樹脂を充填することで、前記固定子コアの端面から突出するコイルエンド部を樹脂モールドする固定子のモールド成形装置において、前記固定子コアの積厚方向と前記可動型の可動方向が一致し、前記可動型と前記固定型が構成する隙間に、前記キャビティに通じ、前記モールド樹脂を供給する流路を備え、前記流路のうち、前記可動型の可動方向と交差する部分に、前記モールド樹脂の通過する最小流路幅部分が配置されることを特徴とする。
(3)固定子コアの外周部を可動型及び固定型で挟み、前記固定子コアの端面から突出するコイルエンド部をモールド樹脂でモールドするモールド成形方法において、前記固定子コアの積厚方向と前記可動型の可動方向が一致し、前記可動型と前記固定型とで前記固定子コアを挟んだ際に、前記可動型と前記固定型との隙間に形成された前記モールド樹脂が供給される流路であって、前記可動型の可動方向に交差する部分に配置される前記最小流路幅部分に前記モールド樹脂を通過させ、前記固定型と前記可動型とで前記固定子コアを挟んで形成されるキャビティに前記モールド樹脂を供給することを特徴とする。
まず、(1)に記載される発明は、固定子コアの外周部を挟む可動型及び固定型を備え、可動型及び固定型とで固定子コアを挟んで形成するキャビティにモールド樹脂を充填することで、固定子コアの端面から突出するコイルエンド部を樹脂モールドする固定子のモールド成形装置において、固定子コアの積厚方向と可動型の可動方向が一致し、可動型と固定型が構成する隙間に、キャビティに通じ、モールド樹脂を供給する流路を備え、流路のうち、可動型の可動方向と交差する部分に、モールド樹脂の通過する最小流路幅部分が配置される。
ここでいう最小流路幅部分とは、可動型が固定型に挟まれた固定子コアの中心軸を通る面を断面とした場合に、この断面に現れる可動型と固定型の隙間であって、モールド樹脂が通過する流路の幅のうち最小の部分のことを指す。この最小流路幅部分で最小流路断面積となるように隙間を決定すれば、最小流路幅部分で流速が決定することになる。
したがって、最小流路幅部分が可動型と固定型が構成する隙間であって、可動型の稼働方向に交差する流路に配置されていることで、固定子コアの積厚の増加に伴い、最小流路幅部分も増加することで、モールド樹脂の流速を低下させることが可能となる。
モールド樹脂の流速が増加すると、前述したようにウェルドの発生が助長される傾向にある。ウェルドの発生は、樹脂モールド部分の強度を低下させる虞があるため好ましくない。
よって、モールド樹脂の通過する最小流路幅部分を、可動型と固定型が構成する隙間であって、可動型の可動方向に交差する流路に配置することで、供給流量が増加した場合にも流速の増加を抑制する固定子のモールド成形装置の提供を可能とし、ウェルドの発生を抑え、固定子の品質を向上させることができる。
固定子コアの積厚が増えることで可動型と固定型で固定子コアを挟んで形成するキャビティに流入すべきモールド樹脂の量が増加した場合であっても、固定子コアの積厚に応じて変化する最小流路幅部分によって、流速の増加を抑えることが可能となるので、ウェルドの発生を抑制することが可能である。
また、最小流路幅部分を、キャビティと流路の接続部分に設けることで、モールド樹脂が硬化した後、不要部分と固定子のコイルエンドの分離が容易になる。
また、(3)に記載される発明は、固定子コアの外周部を可動型及び固定型で挟み、固定子コアの端面から突出するコイルエンド部をモールド樹脂でモールドするモールド成形方法において、固定子コアの積厚方向と可動型の可動方向が一致し、可動型と固定型とで固定子コアを挟んだ際に、可動型と固定型との隙間に形成されたモールド樹脂が供給される流路であって、可動型の可動方向に交差する部分に配置される最小流路幅部分にモールド樹脂を通過させ、固定型と可動型とで固定子コアを挟んで形成されるキャビティにモールド樹脂を供給するので、モールド樹脂の供給量の増加に伴い、最小流路断面積も増加するために、モールド樹脂の流速の増加を抑えることができる。
まず、本実施例の構成を説明する。
図1に、本実施例の固定子10の斜視図を示す。また、図2に、固定子10における平行巻きコイル11、傾斜巻きコイル12及び固定子コア13の配置状態を表す平面図を示す。また、図3に、図2の固定子10はA−B−C断面を示す。
固定子10は、図1に示すように、固定子コア13に平行巻きコイル11又は傾斜巻きコイル12を配設した状態で、コイルエンドを樹脂モールドして樹脂モールド部20を設けた形状となっている。樹脂モールド部20の一端には、端子18が備えられるコネクタ板17が設けられている。この固定子10の内部は、図2に示されるように鋼板を積層して形成した固定子コア13に備えるティース部13Aに、インシュレータ15に導線が巻回されたコイルが配設されている。
樹脂モールド部20を形成する樹脂は、不飽和ポリエステルや、エポキシ樹脂等の絶縁性の樹脂であり、熱硬化性を示す材料である。
平行巻きコイル11と傾斜巻きコイル12は、U、V、Wの3相のコイルを形成するようにバスバ14により接続されている。バスバ14のU、V、W相の各端部は、コネクタ板17に設けられた三本の端子18に接続されている。コネクタ板17は固定子コア13の片端に一定の高さに位置決めされて取り付けられている。
なお、コネクタ部16は、コネクタ板17が樹脂モールドされることによって形成される。したがって、バックアップ穴16Aも樹脂モールド部20が形成された時点で形成されるが、図2にはコネクタ部16の位置が分かるように実線で記載している。
固定型21は、中央に中心柱23が設けられている下型であり、中心柱23の外周面に、固定子10の固定子コア13が備えるティース部13Aの内周面が嵌合される。
固定型21には、中央に形成される中心柱23の中心に貫通するピン24とその周囲に設けられるパイプ25が設けられている。ピン24の先端には凸状リング24Aが形成されている。パイプ25は固定型21に対して上下に摺動可能である。
また、固定型21の中心柱23の外周には固定子コア13の位置決め孔13Bの位置決めが可能なように位置決めピン37が備えられている。
また、中心柱23の上面、すなわち可動型22と流路を形成する可動型22側の面には、流路断面調整凸部21Bが形成されている。流路断面調整凸部21Bは、リング状に中心柱23の上面に形成されている。
固定型21の中心柱23の周囲には、固定子10の固定子コア13外周を支える固定子コア支持部21Aが形成されており、固定子コア13の平行巻きコイル11及び傾斜巻きコイル12の配設される部分より外側と当接して固定子10を支持する。
一方、可動型22にも、固定子10の固定子コア13の上面と当接する固定子コア当接部22Aが形成されている。この固定子コア当接部22Aは、固定子コア13に備えられる平行巻きコイル11及び傾斜巻きコイル12の外側に設けられているバスバ14の更に外周の、固定子コア13の上面と、スライド型31の部分を除いて当接する。
可動型22の中央には、円錐流路28が形成され、一端には注入口29と接続されている。注入口29からはモールド樹脂が注入される。円錐流路28の他端には、導入路27が接続される。導入路27は円盤状に固定型21の中心柱23上面と、可動型22の下面に挟まれて形成される。
スライド型31を可動型22に保持するために、固定子10のコネクタ板17と対応する位置に、可動型22にはガイド部溝38が形成される。そして、ガイド部溝38に摺動可能にスライド型31は可動型22に保持されている。
スライド型31にはスライドベース32が設けられ、油圧シリンダ34のロッドと接続している。スライドベース32には2本のコネクタ位置決めピン33が取り付けられている。コネクタ位置決めピン33は、コネクタ板17のコネクタ位置決め穴17Aに対向している。
このような、固定型21、可動型22及びスライド型31によって、図4に示すようにキャビティ26が形成され、このキャビティ26に導入路27が接続されてキャビティ26内部にモールド樹脂が流し込まれて固定子10の樹脂モールド部20を成形する。
図6に、固定型21に固定子10が配設され、可動型22が上部に退避している状態の断面図を示す。また、図7に、固定型21が可動型22の所定の位置に降下している状態の断面図を示す。
可動型22は図示しない駆動機構により、固定型21の上部に退避している。すなわち、金型が開いている状態である。この時、スライド型31の油圧シリンダ34は原点位置にあり、図面左側に位置している。
この状態において、ハンドリング装置や作業者によって固定子コア13が固定型21の所定の位置に配置される。固定子10のティース部13Aの内周面は中心柱23の外周面に嵌合され、固定子コア13に形成される位置決め孔13Bは、固定型21に備えられた位置決めピン37に嵌め込まれる。こうして、固定子10の固定型21に対する位置が決定され、コネクタ板17は固定子10の製作精度により、固定型21の所定の箇所に位置決めされる。
可動型22が停止した仮締め状態で、スライド型31の油圧シリンダ34が駆動され、スライドベース32が前進する。これによりコネクタ位置決めピン33及びスライド型31が前進する。
そして、端子面17Cにコネクタガイド31Aの端面に形成されるバックアップ当接面31Cが突き当たる位置まで前進して、スライド型31は停止する。このスライド型31のコネクタ位置決めピン33及びコネクタガイド31A、可動型22のバックアップピン35によってコネクタ板17は位置決めされる。
スライド型31が定位置に移動したことを確認して、可動型22を更に下げて固定子コア13とのシール性を確保する。可動型22は下方に数十トンの押圧力をかけることで、固定子コア13の上面は固定子コア当接部22Aで、固定子コア13の下面は固定子コア支持部21Aで押圧され、確実にシールし、キャビティ26を形成する。
このようにして、固定型21、可動型22、スライド型31によってキャビティ26が形成され、図4に示す注入口29からモールド樹脂が注入されることで、樹脂モールドを行う。
まず、キャビティ26へのモールド樹脂の供給流量が増加した場合にも流速の上昇を抑制可能とすることができる点が挙げられる。
型を閉じた状態、すなわち固定型21に対して可動型22が図4に示すように近接し、固定型21の固定子コア支持部21Aと、可動型22の固定子コア当接部22Aで固定子コア13の外周を挟み込んで、スライド型31が前進し、コネクタ板17の端子面17Cにバックアップ当接面31Cに当接している状態で、モールド樹脂が円錐流路28からキャビティ26に充填される。
この際モールド樹脂は、注入口29から注入され、円錐流路28から導入路27を通ってキャビティ26に至るが、円盤状に形成されている導入路27では、流路断面調整凸部21Bによって、最も流路が狭くなる。この部分が最小流路幅部分となり、キャビティ26に流入するモールド樹脂の流速が決定する。
円錐流路28に供給されるモールド樹脂は、導入路27を通過して、図8に網掛けして示すキャビティ26に充填される。このとき、固定型21の中心柱23上面には、クレータ状に流路断面調整凸部21Bが形成されているので、最小流路幅L2にて流速が調整される。
ところで、固定型21の流路断面調整凸部21Bと可動型22の内面で決まる最小流路幅L2は、固定子コア13の積厚L1によって変化する。
これは、固定型21と可動型22で固定子コア13を挟む構造であるためである。よって、固定子コア13の積厚L1が増えれば最小流路幅L2も増える。
固定子10の成形工程において、サイクルタイム内に固定子10を製造するためには、このモールド樹脂充填必要量が増えれば単位時間あたりに充填するモールド樹脂の量を増やす必要がある。
しかしながら、従来技術でも説明したように図11に示されるように最小流路幅L2を固定してしまうと、にモールド樹脂の流速を上げる必要が出てきてしまう。
キャビティ26に充填させるモールド樹脂の流速が変化すると、樹脂モールド部20の形成に影響を与えることが分かっている。
例えば、図9に示すようなウェルド19は、流速を上げることで発生が促進されることが分かっている。ウェルド19は、モールド樹脂をキャビティ26に充填する際に空気を巻き込むことできると考えられる。空気をモールド樹脂の中に巻き込み、それが潰れずに気泡として残ったまま樹脂モールド部20が形成されてしまうと、ウェルド19の部分の強度が弱くなってしまう。
基本的に樹脂モールド部20には外力が係ることは少ないが、車載した場合などには、使用時に平行巻きコイル11及び傾斜巻きコイル12が熱を発生し、周囲の温度も上昇する関係で高温になる可能性がある。一方、使用しない場合には外気と同じ温度になるので、場合によっては使用時と不使用時で百度近く温度差ができることになる。このばあい、ヒートサイクルによって樹脂が膨張収縮を繰り返すことになり、ウェルド19付近から亀裂が入る虞がある。
図10は、縦軸に型の温度、横軸にモールド樹脂を充填する際の射出速度を示している。温度と射出速度がある条件下で発生する管理条件50でモールド成形することが望ましく、ウェルド領域51や未硬化領域52、及び早期硬化領域53のような条件になると、樹脂モールド部20の形成に不具合が発生する虞がある。
よって、このような管理条件50でのモールド成形を実現するためにも、積厚L1の変化に対しても流速が変化しないことが望ましい。
しかし積厚L1の増加に伴い最小流路幅L2が広がることは、すなわち有効断面積が広くなることを意味する。
したがって、積厚L1が増加することで、モールド樹脂充填必要量が増加した場合にも、最小流路幅L2が広がることで有効断面積が広がり、つまり流速の上昇を抑制することができる。
導入路27は円盤状であるため、外周にいくほど有効断面積は広くなる。よって、積厚L1の変化幅があまり大きいと最小有効断面積部分が流路断面調整凸部21Bの部分でなくなってしまうが、固定子コア13の積厚L1の変動幅はコンマ数mm程度であるため、流路断面調整凸部21Bで最小流路幅L2を決定できるように、設計が可能である。
ここで注意すべきは、最小流路幅L2が固定子コア13の積厚L1が最大になった場合にも、モールド樹脂が通過する有効断面積を最小流路幅L2で決定するように決定される必要がある。
流速は最小流路断面積部分で決定される。しかし、円盤の外周部分の最小流路幅L2の部分で最小流路断面積を決定する場合には、最小流路幅L2に外周の長さを乗じた面積が、他の流路部分と比べて狭くなる必要がある。
仮に、円周長があまりに長くなると、図8に示されるような固定子コア13の中心を通る断面で、流路が最も狭くなったからといって、必ずしも最小流路断面積とはならず、発明の効果を奏しない可能性がある。つまり最小流路幅L2で流速が律速されないので意味がないのである。
すなわち、最小流路幅L2で最小流路断面積を構成できるように、固定型21の流路断面調整凸部21Bの高さを決めてやる必要がある。
したがって、固定子10の樹脂モールド部20にウェルド19が発生することで不良となることを防ぐことができ、歩留まりを向上させることができる。
また、固定子10を例えば車載して使用する際にも、ウェルド19の発生を抑えることで、樹脂モールド部20がヒートサイクルによって破損する虞を低減することが可能となるので、固定子10を用いたモータの寿命を向上させることが可能となる。
固定子10のコイルエンド部を樹脂モールドする場合、樹脂モールドの供給部分とキャビティ26の接続部分で分断する必要が出てくる。本実施例では、キャビティ26と導入路27の接続部分で分断し、固定子10を成形する必要がある。
例えば図11のような形状で、最小流路幅L2を固定型21の中心柱23の側面と可動型22の内面で形成される部分とすると、固定子10の樹脂モールド部20を形成した段階で、最小流路幅L2の部分がバリとして残ってしまう。このバリは製品として組み付ける際に好ましくないので、除去する必要があり、別途除去工程を必要とすることになる。
しかし、図8に示すように、固定型21の中心柱23の上面に流路断面調整凸部21Bを形成することで最小流路幅L2を作った場合、最小流路幅L2部分が細くなるので、導入路27部分のモールド樹脂が硬化した際に、導入路27下部から力を加えることで容易に固定子10の樹脂モールド部20と不要部分が分断可能となる。
分断が綺麗に行われれば、別途除去工程を設ける必要がなくなるので、コストダウンを図ることが可能である。
(1)固定子コア13の外周部を挟む可動型22及び固定型21を備え、可動型22及び固定型21とで固定子コア13を挟んで形成するキャビティ26にモールド樹脂を充填することで、固定子コア13の端面から突出するコイルエンド部を樹脂モールドする固定子10のモールド成形装置において、モールド樹脂の通過する最小流路幅L2部分を、可動型22と固定型21が構成する隙間であって、可動型22の可動方向に交差する導入路27に配置するので、固定子コア13の積厚L1が変化した場合には、固定子コア13を挟む可動型22と固定型21の距離が相対的に広くなり、サイクルタイム内にモールド樹脂の充填を終わらせようとすると、モールド樹脂の供給量を増加させる必要がある。
この場合に、最小流路幅L2部分が可動型22と固定型21が構成する隙間であって、可動型22の稼働方向に交差する導入路27に配置されていることから、固定子コア13の積厚L1の増加に伴い、最小流路幅L2部分も増加することとなる。
したがって、モールド樹脂の供給量の増加に伴い、最小流路幅L2部分の幅も増加するために、モールド樹脂の流速の増加を抑えることができる。
よって、モールド樹脂の通過する最小流路幅L2部分を、可動型22と固定型21が構成する隙間であって、可動型22の可動方向に交差する導入路27に配置することで、供給流量を増加した場合にも流速を上げることのない固定子10のモールド成形装置の提供を可能とし、ウェルド19の発生を抑えることができ、固定子10の品質を向上させることができる。
固定子コア13の積厚L1が増えることで可動型22と固定型21で固定子コア13を挟んで形成するキャビティ26に流入すべきモールド樹脂の量が増加した場合であっても、固定子コア13の積厚に応じて変化する最小流路幅L2部分によって、流速の増加を抑えることが可能となるので、ウェルド19の発生を抑制することが可能である。
また、最小流路幅L2部分を、キャビティ26と導入路27の接続部分に設けることで、モールド樹脂が硬化した後、不要部分と固定子10の樹脂モールド部20の分離が容易になる。
例えば、本実施例では、固定型21の中心柱23に流路断面調整凸部21Bを設けているが、可動型22側に凸部を設けて最小流路幅L2を形成することを妨げない。
19 ウェルド
20 樹脂モールド部
21 固定型
21B 流路断面調整凸部
22 可動型
23 中心柱
26 キャビティ
27 導入路
28 円錐流路
29 注入口
31 スライド型
37 位置決めピン
38 ガイド部溝
L1 積厚
L2 最小流路幅
Claims (3)
- 固定子コアの外周部を挟む可動型及び固定型を備え、前記可動型及び前記固定型とで前記固定子コアを挟んで形成するキャビティにモールド樹脂を充填することで、前記固定子コアの端面から突出するコイルエンド部を樹脂モールドする固定子のモールド成形装置において、
前記固定子コアの積厚方向と前記可動型の可動方向が一致し、
前記可動型と前記固定型が構成する隙間に、前記キャビティに通じ、前記モールド樹脂を供給する流路を備え、
前記流路のうち、前記可動型の可動方向と交差する部分に、前記モールド樹脂の通過する最小流路幅部分が配置されることを特徴とする固定子のモールド成形装置。 - 請求項1に記載の固定子のモールド成形装置において、
前記最小流路幅部分は、前記流路と前記キャビティとの接続部分であって、前記可動型又は前記固定型の表面に凸部を設けることで形成されることを特徴とする固定子のモールド成形装置。 - 固定子コアの外周部を可動型及び固定型で挟み、前記固定子コアの端面から突出するコイルエンド部をモールド樹脂でモールドするモールド成形方法において、
前記固定子コアの積厚方向と前記可動型の可動方向が一致し、
前記可動型と前記固定型とで前記固定子コアを挟んだ際に、前記可動型と前記固定型との隙間に形成された前記モールド樹脂が供給される流路であって、前記可動型の可動方向に交差する部分に配置される前記最小流路幅部分に前記モールド樹脂を通過させ、前記固定型と前記可動型とで前記固定子コアを挟んで形成されるキャビティに前記モールド樹脂を供給することを特徴とするモールド成形方法。
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- 2007-03-27 JP JP2007082767A patent/JP4683001B2/ja active Active
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