JP4681135B2 - エアバッファシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の内側空間に空気の噴流による幕を形成して、温度の異なる領域の空気の混合や煤煙等を遮断するエアバッファシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
建物内において、壁や扉のない連続した空間に、温度や、空気中に含まれる煤煙の濃度などが異なる領域を、気流によって区分するエアシールド技術として、エアカーテン装置を用いるものが知られている。図7はエアカーテン装置による従来のエアシールド技術を概略的に示すもので、エアカーテン装置は図7(A)に示されるような簡易型と、図7(B)に示されるようなプッシュ−プル型に大別される。
【0003】
このうち、図7(A)に示される簡易型のエアカーテン装置は、天井、床あるいは側方の壁に、送風機からの空気吹出口101を設け、この空気吹出口101から、対向面へ向けて空気の噴流(エアカーテン)F1を幕状に吹き出し、外部の冷気あるいは暖気の侵入を防止するものである。図示の例は、空気吹出口101を天井103に設け、噴流F1を対向壁面(床面)104へ向けて垂直に吹き出させるものである。
【0004】
空気の噴流F1は、外側空間S1と等温にする場合や、外側空間S1より低温にする場合や、外側空間S1より高温にする場合があり、内側空間S2を暖房したり、あるいは冷房するなどの使用目的によって、適切に選択される。また、この簡易型の場合は、噴流F1が対向壁面104に到達すると、外側空間S1及び内側空間S2の空気と混合して、二次気流F2を生じるので、この二次気流F2が内側空間S2に悪影響を及ぼさないための配慮が必要になる。
【0005】
図7(B)に示されるプッシュ−プル型のエアカーテン装置は、天井、床あるいは側方の壁に空気吹出口101を設け、対向壁面に、空気吹出口101と対向する吸気口102を設けることによって、空気吹出口101から垂直に吹き出した噴流F1を、対向する吸気口102で吸い込ませるものである。
【0006】
プッシュ−プル型のエアカーテン装置は、図7(A)の簡易型のものに比較して、対向壁面104付近での噴流速度の減少が少なく、二次気流の影響も生じないため、エアシールド効果が高い。しかしその反面、送風機の動力消費、設置スペース、コストが増大する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したエアカーテン装置による従来のエアシールド技術においては、次のような問題が指摘される。
【0008】
エアカーテン装置は、設置上及び使用上の観点から、通常、空気吹出口101を天井103に設ける。また、内側空間S2が居住空間である場合は、エアカーテン近傍の温熱環境改善のために、冬期は暖気を、夏期は冷気を吹き出す。冬期の場合、天井の空気吹出口101から吹き出された暖気は、それよりも低温の周囲の空気による浮力を受けるので、この浮力に抗して床面104まで暖気噴流を到達させるためには、吹き出し速度をかなり大きくする必要がある。しかし、吹き出し速度を大きくするほど周囲の空気との混合も大きくなって熱の損失が増大し、しかも送風のための動力消費や、風切り音による騒音が増大するといった問題を生じる。
【0009】
エアカーテンにおいては、噴流F1により形成されたエアシールド層は、人や物体が横切ることによって乱れるので、温度や、空気中に含まれる煤煙の濃度などに対する区分性能が著しく低下する。また、外部の風やエアカーテン近傍の気流もエアシールド層の形成の妨げになる。そして、従来の技術においてこのような外乱に対処するには、吹き出し速度を大きくするといった方法しかなく、したがって、先に説明したように、周囲の空気との混合による熱の損失、動力消費や風切り音の増大といった問題を生じる。
【0010】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたもので、その技術的課題は、空気の流れによる区分機能が外乱によって破壊されにくく、かつ熱の損失や動力消費及び騒音を低減することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
図1は、請求項1の発明に係るエアバッファシステムの概略構成を示す説明図で、この図における右側が、温度や空気中に含まれる煤煙の濃度などの区分対象となる内側空間S1、左側が外側空間S2である。すなわち、このエアバッファシステムは、一方の壁面6にエアバッファの外側境界とすべき位置Pよりも内側に位置して設けられ空調機2に接続された噴流F1の空気吹出口1と、前記壁面6と対向する他方の壁面7に前記空気吹出口1からの噴流F1の内側境界近傍に位置して設けた拘束障壁3と、前記他方の壁面7に設けられ前記エアバッファの外側境界とすべき位置Pで前記拘束障壁3からの二次気流F2を堰き止める堰手段4と、からなり、前記拘束障壁3より内側の内側空間S1が冷房される場合は前記空気吹出口1から冷気を吹き出し、前記内側空間S1が暖房される場合は前記空気吹出口1から暖気を吹き出すことによって、前記拘束障壁3と前記堰手段4の間の領域S3内に、前記拘束障壁3の近傍から前記堰手段4の近傍へ向けて徐々に温度が前記堰手段4より外側の外側空間S2の温度に近付く温度傾斜を形成するものである。
【0012】
上記請求項1の発明の構成において、空気吹出口1からの噴流F1は、拘束障壁3の高さに達すると、コアンダ効果、すなわち気流が物体の表面に沿って流れる性質によって、拘束障壁3に沿って流れようとするため、空気吹出口1からの吹き出し速度は、この拘束障壁3まで到達可能な速度であれば良く、したがって、拘束障壁3を設けずに他方の対向壁面7まで到達させる場合よりも、吹き出し速度を低くして、空調機2における消費動力の低減を図ることができる。なお、空気吹出口1からの噴流F1の必要な風速は、非等温の噴流の式によって容易に求めることができる。
【0013】
拘束障壁3は、空気吹出口1から噴流F1の内側境界近傍に位置しているため、噴流F1は、コアンダ効果によって拘束障壁3における内側空間S1と反対側の面3aに沿って流れ、対向壁面7に衝突した後、この壁面7に沿った二次気流F2となる。二次気流F2は、徐々に温度が外側空間S2の温度に近付きながらエアバッファの外側境界位置Pへ向かい、そこに設けられた堰手段4によって堰き止められ、収束して押し上げられる。
【0014】
上述のような空気の流れが、拘束障壁3と堰手段4との間の領域S3に形成されることによって、この領域S3全体が、内側空間S1と外側空間S2の間のエアバッファとして作用する。エアバッファ領域S3内では、拘束障壁3の近傍から堰手段4の近傍へ向けて徐々に温度が外側空間S2の温度に近付く温度傾斜を有する。そしてエアバッファ領域S3内の空気の温度は、堰手段4の近傍では外側空間S2との温度差が小さく、しかも堰手段4が外側空間S2との温度差による換気を抑制するので、熱損失が低減される。
【0015】
また、拘束障壁3の近傍でも、空気吹出口1からの噴流F1とその周囲の空気との温度差が小さく、したがって、拘束障壁3によるコアンダ効果と相俟って、噴流F1は他方の壁面7へ一層到達しやすくなる。その結果、空気吹出口1への空調機2における消費動力の低減を図ることができ、噴流F1が周囲の空気と混合することによる熱損失も抑えられる。
【0016】
図2は、請求項2の発明に係るエアバッファシステムの構成を示す概略構成説明図である。すなわち請求項2の発明に係るエアバッファシステムは、一方の壁面6にエアバッファの外側境界とすべき位置Pよりも内側に位置して設けられ空調機2に接続された噴流F1の空気吹出口1と、前記壁面6と対向する他方の壁面7に前記空気吹出口1からの噴流F1の内側境界近傍に位置して設けた拘束障壁3と、前記他方の壁面7に設けられ前記エアバッファの外側境界とすべき位置Pで前記拘束障壁3からの二次気流F2を前記一方の壁面6に向けて送風する送風機5と、からなり、前記拘束障壁3より内側の内側空間S1が冷房される場合は前記空気吹出口1から冷気を吹き出し、前記内側空間S1が暖房される場合は前記空気吹出口1から暖気を吹き出すことによって、前記拘束障壁3と前記送風機5の間の領域S3内に、前記拘束障壁3の近傍から前記送風機5の近傍へ向けて徐々に温度が前記送風機5より外側の外側空間S2の温度に近付く温度傾斜を形成するものである。
【0017】
請求項2の構成によれば、拘束障壁3側からエアバッファの外側境界位置Pへ向かう二次気流F2は、そこに設けられた送風機5によって、壁面6へ向けて強制的に送風される。このため、送風機5からの噴流F3が一種のエアシールド層を形成するので、先に説明したように、エアバッファの外側境界位置Pの近傍では外側空間S2との温度差が小さいことと相俟って、外側空間S2との温度差換気による熱損失が有効に抑制される。なお、送風機5による噴流F3の必要な風速は、非等温の噴流の式によって容易に求めることができる。
【0018】
請求項1又は請求項2の発明に係るエアバッファシステムは、温度や空気中に含まれる煤煙の濃度などの異なる領域の区分を、空気吹出口1からの噴流F1や、送風機5による噴流F3のみに依存するのではなく、拘束障壁3から堰手段4又は送風機5までの領域S3全体がバッファとして機能するので、人や物体の横断や外部からの風圧といった外乱によって容易に破壊されず、安定した機能を奏する。
【0019】
なお、このシステムにおいて外乱により効果が損なわれるのは、エアバッファ領域S3内へ外気が一度に大量に流入し、エアバッファ領域S3内の空気が急激に外部の状態に近付いてしまう場合である。仮に、エアバッファ領域S3内の気塊と同量の外気が侵入しても、エアバッファ領域S3内の温度は、外側空間S2の温度と外気侵入直前のエアバッファ領域S3内の温度の平均温度となるだけである。
【0020】
請求項3の発明に係るエアバッファシステムは、後述する図3に示されるように、他方の壁面が床面22であり、拘束障壁及び堰手段が、前記床面22に設置された家具13、衝立、手摺14等により形成されるものである。すなわち、家具や衝立、手摺等を適切に配置することによって、本システムにおける拘束障壁及び堰手段として利用することができる。
【0021】
請求項4の発明に係るエアバッファシステムは、後述する図5及び図6に示されるように、他方の壁面が床面22,25であり、拘束障壁及び堰手段が、前記床面22,25に形成した凹部23の立上り面23a,23b,25aからなり、前記凹部23が空気の流通が可能な通気板24で被われたものである。すなわち、拘束障壁及び堰手段が床面より高く形成された場合は、人や物体の移動に支障を生じることが考えられるが、請求項4の構成によれば、このような障碍物とならない拘束障壁及び堰手段を形成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態について説明する。まず図3は、本発明のエアバッファシステムをオープンタイプのアトリウムに適用した第一の実施の形態を示す概略構成説明図である。
【0023】
この図3において、参照符号21は一方の壁面である天井板、参照符号22は他方の壁面である床面で、両者21,22間に、壁や扉のない連続した空間が形成されており、この図における右側が、本システムによる区分対象となる内側空間であるオフィスS11、左側が外側空間であるアトリウムS12である。オフィスS11とアトリウムS12の間には、本システムによるエアバッファ領域となる通路S13が、図示の断面と直交する方向に延びている。
【0024】
天井板21には、通路S13とアトリウムS12との境界位置P1よりも内側、具体的には通路S13におけるオフィスS11側の端部に位置して、図示の断面と直交する方向に細長く延びる空気吹出口11が設けられ、天井裏の空間に配置された空調機12に接続されている。通路S13とアトリウムS12との境界位置P1は、本システムによるエアバッファ領域の外側境界とすべき位置に相当する。
【0025】
空調機12は、オフィスS11内における天井板21に設けられた吸気口12aから、オフィスS11内の空気を吸入して加熱又は冷却し、内蔵された送風機(図示省略)によって、可変ダンパ12bを介して空気吹出口11から通路S13内へ噴流F1を鉛直方向に吹き出し、幕状のエアシールド層を形成するものである。
【0026】
床面22には、空気吹出口11からの噴流F1の内側境界近傍、具体的には空気吹出口11の真下の位置よりもややオフィスS11側に位置して、例えばロッカーのような背の高い家具13が、図示の断面と直交する方向に並んで設置されている。この家具13は、衣類の収納といった本来の使用目的のほかに、本システムにおける拘束障壁としての機能と、通路S13とオフィスS11との間の目隠しとしての機能を兼ねるものである。
【0027】
また、床面22には、通路S13とアトリウムS12との境界位置Pに、手摺又はフェンス14が設けられている。この手摺又はフェンス14は、通路S13とアトリウムS12とを区画する本来の機能のほかに、本システムにおけるエアバッファの外側境界とすべき位置での堰手段としての機能を兼ねる。
【0028】
以上の構成において、空調機12によって空気吹出口11から吹き出される噴流F1は、オフィスS11が冷房される場合は冷気であり、オフィスS11が暖房される場合は暖気である。
【0029】
噴流F1は、拘束障壁となる家具13の高さに達すると、コアンダ効果によってこの家具13の通路S13側の面に沿って流れ、床面22に衝突した後、この床面22に沿った二次気流F2となる。二次気流F2は、徐々に温度がアトリウムS12の温度に近付きながら、通路S13内をアトリウムS12側へ向かって流れ、そこに設けられた堰手段としての手摺又はフェンス14によって堰き止められて上昇する。
【0030】
上述のような空気の流れが、家具13の列と手摺又はフェンス14との間の通路S13に形成されることによって、この通路S13全体が、オフィスS11とアトリウムS12との間のエアバッファとして作用する。通路S13内では、家具13の列の近傍から手摺又はフェンス14の近傍へ向けて徐々に温度がアトリウムS12の温度に近付く温度傾斜を有する。このため、手摺又はフェンス14の近傍ではアトリウムS12との温度差が小さい。また、手摺又はフェンス14の高さが床面22から天井板21までの高さの半分程度あれば、この手摺又はフェンス14が図2の送風機5による吹き上げ噴流F4と同等の効果を発揮し、アトリウムS12との温度差による換気を有効に抑制するので、送風機5を設けなくても、二次気流F2が周囲の空気と混合することによる熱損失が抑えられる。
【0031】
また、家具13の列の近傍でも、空気吹出口11からの噴流F1とその周囲の空気との温度差が小さく、したがって、噴流F1が暖気である場合も、周囲の空気から受ける浮力が小さく、家具13におけるコアンダ効果と相俟って、噴流F1は床面22へ到達しやすくなる。その結果、空気吹出口1への空調機2における消費動力の低減を図ることができ、噴流F1が周囲の空気と混合することによる熱損失が抑えられる。
【0032】
図4は、上記実施の形態の構成により暖房時の温度区分を行った場合(A)と、先に説明した図7(A)の簡易型エアカーテンによる従来の方法で暖房時の温度区分を行った場合(B)の、通路S13からオフィスS11にかけての空間の温度分布を測定した結果を比較して示すものである。この実験結果から、従来の技術(B)によるものは、19℃の冷気が空間下部から進入して20〜21℃の冷域がオフィスS11内に大きく広がっており、しかも空気吹出口からの暖気吹き出しによる23〜25℃の暖域が、浮力によって天井を這うように分布し、鉛直方向の温度傾斜が大きい。これに対し、実施の形態の構成による場合(A)では、バッファ領域S13の効果により、オフィスS11への冷域の侵入がなく、オフィスS11では23〜25℃の暖域が床面近傍まで一様に分布し、温度傾斜が小さいことが確認された。
【0033】
また、オフィスS11内の温度が設定温度に達するまでの時間も、従来の技術によるものよりも早く、すなわち暖房の立上り性能の点からも、本発明システムの優位性が確認された。
【0034】
次に図5は、本発明のエアバッファシステムを倉庫に適用した第二の実施の形態を示す概略構成説明図で、この図における右側が、エアバッファによる区分対象となる内側空間である倉庫内空間S21、左側が外側空間である出入口側空間S22である。
【0035】
倉庫の場合、その出入口側に拘束障壁及び堰手段となる物を設置すると、人や車両等の出入りの妨げとなるため、この実施の形態においては、床面22に二次気流F2の通路となる凹部23を形成し、その倉庫内空間S21側の内側立上り面23aを拘束障壁として機能させ、出入口側空間S22側の外側立上り面23bを堰手段として機能させたものである。凹部23は、人や車両等の通行を可能とするために、所要の強度のグレーチングあるいはメッシュ板等からなる通気板24で被われている。
【0036】
拘束障壁としての内側立上り面23aは、空気吹出口11からの噴流F1の内側境界近傍、具体的には空気吹出口11の真下の位置よりもやや倉庫内空間S21側に位置して形成され、堰手段としての外側立上り面23bは、空気吹出口11の真下の位置より出入口側に位置して形成されている。また、外側立上り面23bには、凹部23における下部空間を向いた吸気口15a及び鉛直上方を向いた空気吹出口15bを有する送風機15が設置されている。
【0037】
上記図5の構成によれば、空気吹出口11からの噴流F1は、床面22の高さに達すると、通気板24を通過して、コアンダ効果により、内側立上り面23aに沿って凹部23に入り込み、この凹部23内を二次気流F2となって外側立上り面23bへ向けて流れ、そこで堰き止められると共に、送風機15によって鉛直上方へ吹き上げられて、噴流F3となる。
【0038】
したがって、上述のような空気の流れによって、先に説明した第一の実施の形態と同様に、凹部23の真上の空間S23全体が、倉庫内空間S21と出入口側空間S22との間のエアバッファとして作用する。そして、送風機15からの噴流F3が一種のエアシールド層を形成し、また、外側立上り面23bの近傍では外側空間S2との温度差が小くなっているので、外側空間S2との温度差換気による熱損失が有効に抑制される。
【0039】
次に図6は、本発明のエアバッファシステムを倉庫における荷下ろしスペースに適用した第三の実施の形態を示す概略構成説明図で、この図における右側が、エアバッファによる区分対象となる内側空間である倉庫の荷下ろし空間S21’、左側が外側空間である出入口側空間S22である。荷下ろし空間S21’側の床面は、出入口側よりも高いプラットホーム25となっており、この実施の形態においては、プラットホーム25における出入口側の段差面25aを、本システムの拘束障壁として利用している。その他の部分の構成は、図5と同様である。
【0040】
なお、上述した各実施の形態においては、空気吹出口11へ送風する空調機12の吸気口12aが、本システムによる区分対象となる内側空間、すなわちオフィスS11、倉庫内空間S21あるいは荷下ろし空間S21’に設置しているが、これをバッファ領域となる通路S13あるいは凹部上の空間S23に設置しても、同等の効果が得られる。
【0041】
【発明の効果】
請求項1の発明に係るエアバッファシステムによれば、拘束障壁におけるコアンダ効果によって、空気吹出口からの噴流の吹き出し速度を拘束障壁まで到達可能な速度に低減することができるので、消費動力及び騒音の低減を図ることができる。しかも、拘束障壁と堰手段との間の領域全体が、内側空間と外側空間の間のエアバッファとして作用するので、人や物体の通過といった外乱によって破壊されにくいエアシールドを形成することができ、温度差換気による熱損失が低減される。
【0042】
請求項2の発明に係るエアバッファシステムによれば、拘束障壁からの二次気流を吹き上げる送風機を設けることによって、この送風機からの噴流が請求項1における堰手段と同様の機能を奏し、拘束障壁と送風機との間の領域全体が、内側空間と外側空間の間のエアバッファとして作用するので、人や物体の通過といった外乱によって破壊されにくいエアシールドを形成することができ、温度差換気による熱損失が低減される。
【0043】
請求項3の発明に係るエアバッファシステムによれば、家具や衝立、手摺等を適切に配置することによって、本システムにおける拘束障壁及び堰手段として利用することができるため、オープン型アトリウム等において有用である。
【0044】
請求項4の発明に係るエアバッファシステムによれば、拘束障壁及び堰手段が、床面に形成した凹部の立上り面からなり、この凹部を、空気の流通が可能な通気板で被うことによって、バッファ領域を形成するものであるため、拘束障壁及び堰手段が人や車両等の通行の妨げにならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明に係るエアバッファシステムの概略構成を示す説明図である。
【図2】請求項2の発明に係るエアバッファシステムの概略構成を示す説明図である。
【図3】本発明のエアバッファシステムをオープンタイプのアトリウムに適用した第一の実施の形態を示す概略構成説明図である。
【図4】第一の実施の形態により暖房時の温度区分を行った場合(A)と、簡易型エアカーテンによる従来の方法で暖房時の温度区分を行った場合(B)の温度分布を測定した結果を比較して示す説明図である。
【図5】本発明のエアバッファシステムを倉庫に適用した第二の実施の形態を示す概略構成説明図である。
【図6】本発明のエアバッファシステムを倉庫における荷下ろしスペースに適用した第三の実施の形態を示す概略構成説明図である。
【図7】エアカーテン装置による従来のエアシールド技術を概略的に示すもので、(A)は簡易型エアカーテン装置、(B)はプッシュ−プル型エアカーテン装置である。
【符号の説明】
1,11 空気吹出口
2,12 空調機
3 拘束障壁
4 堰手段
5,15 送風機
6,7 壁面
13 家具(拘束障壁)
14 手摺又はフェンス(堰手段)
21 天井板(壁面)
22 床面(壁面)
23 凹部
23a 内側立上り面(拘束障壁)
23b 外側立上り面(堰手段)
24 通気板
25a 段差面(拘束障壁)
F1 噴流
F2 二次気流
F3 噴流
S1 内側空間
S2 外側空間
S3 エアバッファ領域
S11 オフィス(内側空間)
S12 アトリウム(外側空間)
S13 通路(エアバッファ領域)
S21 倉庫内空間(内側空間)
S22 出入口側空間(外側空間)
S23 凹部上空間(エアバッファ領域)

Claims (4)

  1. 一方の壁面にエアバッファの外側境界とすべき位置よりも内側に位置して設けられ空調機に接続された空気吹出口と、
    前記一方の壁面と対向する他方の壁面に前記空気吹出口からの噴流の内側境界近傍に位置して設けた拘束障壁と、
    前記他方の壁面に設けられ前記エアバッファの外側境界とすべき位置で前記拘束障壁からの二次気流を堰き止める堰手段と、
    からなり、
    前記拘束障壁より内側の空間が冷房される場合は前記空気吹出口から冷気を吹き出し、前記内側の空間が暖房される場合は前記空気吹出口から暖気を吹き出すことによって、前記拘束障壁と前記堰手段の間の領域内に、前記拘束障壁の近傍から前記堰手段の近傍へ向けて徐々に温度が前記堰手段より外側の空間の温度に近付く温度傾斜を形成することを特徴とするエアバッファシステム。
  2. 一方の壁面にエアバッファの外側境界とすべき位置よりも内側に位置して設けられ空調機に接続された空気吹出口と、
    前記一方の壁面と対向する他方の壁面に前記空気吹出口からの噴流の内側境界近傍に位置して設けた拘束障壁と、
    前記他方の壁面に設けられ前記エアバッファの外側境界とすべき位置で前記拘束障壁からの二次気流を前記一方の壁面に向けて送風する送風機と、
    からなり、
    前記拘束障壁より内側の空間が冷房される場合は前記空気吹出口から冷気を吹き出し、前記内側の空間が暖房される場合は前記空気吹出口から暖気を吹き出すことによって、前記拘束障壁と前記送風機の間の領域内に、前記拘束障壁の近傍から前記送風機の近傍へ向けて徐々に温度が前記送風機より外側の空間の温度に近付く温度傾斜を形成することを特徴とするエアバッファシステム。
  3. 他方の壁面が床面であり、
    拘束障壁及び堰手段が前記床面に設置された家具類、衝立、手摺等により形成されることを特徴とする請求項1に記載のエアバッファシステム。
  4. 他方の壁面が床面であり、
    拘束障壁及び堰手段が前記床面に形成した凹部の立上り面からなり、
    前記凹部が空気の流通が可能な通気板で被われたことを特徴とする請求項1に記載のエアバッファシステム。
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