JP4681104B2 - 古紙回収袋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、古紙回収袋に関する。さらに詳しくは、本発明は、古紙収納時には長方形の底面を有する袋形状をなし、袋の形状保持性が良好であり、収納すべき古紙の適量を容易に判断することができ、古紙収納後に袋に設けられたミシン目において切断することにより、袋の側面にテープが形成され、該テープにより古紙を結束することができる古紙回収袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
新聞、チラシ、雑誌などの古紙の回収と再利用は、パルプ原木資源の節約と国内外の森林資源の温存につながる。また、古紙を回収し再利用することにより、固形廃棄物としての自治体によるゴミ収集と処理への負担を軽減することができる。古紙の利用は、パルプの代替として経済的に有利であるばかりでなく、資源環境問題への寄与が大きい。このために、各家庭からの新聞などの古紙の回収が積極的に進められている。
回収された古紙は、古紙集荷段階において選別が行われる。この工程は人手に頼らざるを得ないが、以後の機械的処理や古紙パルプの品質への影響が大きい。従来、新聞、チラシ、雑誌などの古紙は、紙袋又はプラスチックフイルム製の袋に収納され、各家庭より回収されていた。しかし、古紙を選別するためには、いったん袋から取り出す必要があり、多くの手間がかかっていた。このために、古紙集荷業者より、袋に収納した状態でなく、紐でしばった状態で各家庭より古紙を提供してほしいという要望が出されるようになった。紐でしばった状態であれば、紐を切断することにより、容易に選別する状態とすることができる。
しかし、一般家庭において、古紙を紐でしばった状態で提供することは、それほど簡単なことではない。読了後の新聞は、不規則に折り畳まれた状態となりやすく、さらにチラシや雑誌が加わると、そのままで積み重ねることは困難であり、いったん袋に収納したのち取り出して、あらためて紐でしばったり、あるいは、あらかじめ紐を設置しておくことができる特殊なプラスチック容器などを用いる必要があった。また、一束とするに適する古紙の量を判断することも意外にむつかしく、紐でしばろうとすると古紙の量が多すぎて、古紙の一部を取り除いてしばり直したり、あるいは、紐でしばってみると、古紙が圧しつけられて小さい束になってしまうこともたびたび起こっていた。
このために、家庭において、手間をかけることなく、適量の古紙を簡単に紐でしばった状態とすることができる古紙の収納手段が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、古紙収納時には長方形の底面を有する袋形状をなし、袋の形状保持性が良好であり、収納すべき古紙の適量を容易に判断することができ、古紙収納後に袋に設けられたミシン目において切断することにより、袋の側面にテープが形成され、該テープにより古紙を結束することができる古紙回収袋を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、古紙収納時に長方形の底面が形成されるプラスチックフイルム製の古紙回収袋において、(A)袋上縁より縁底面に達する複数本のミシン目を設け、袋に古紙を積み重ねて収納した後に、ミシン目において袋側面フイルムを切断して袋の側面に古紙を結束するテープを形成するプラスチックフイルム製の袋と、(B)該プラスチックフイルム製の袋の底面とほぼ同寸法の底面と、該プラスチックフイルム製の袋の深さの1/3〜3/4の深さを有し、該プラスチックフイルム製の袋の底部を嵌装するプラスチックフイルム製の袋を組み合わせることにより、古紙回収袋の形状保持性が向上するとともに、収納すべき古紙の適量を判断し、容易に古紙を紐でしばった状態となし得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、古紙収納時に長方形の底面が形成されるプラスチックフイルム製の古紙回収袋において、(A)袋上縁より袋底面に達する8本のミシン目を有し、袋に古紙を積み重ねて収納した後に、前記ミシン目において袋側面フイルムを切断することにより、直方体の側面の四隅を挟んで隣接する各一対のミシン目の間にある袋側面フイルムの四隅の切除部を除去できるように形成されてなり、かつ、該切除部の取り外し後に、直方体の各側面の中央に残存する袋側面フイルムが、収納された古紙を結束するテープであって、該テープが、底面の長辺側のテープ3と、底面の短辺側のテープ4とが溶着されてなる十字形状テープとなるように形成されてなるプラスチックフイルム製の袋、及び、(B)該プラスチックフイルム製の袋の底面とほぼ同寸法の底面と、該プラスチックフイルム製の袋の深さの1/3〜3/4の深さを有し、該プラスチックフイルム製の袋の底部を嵌装するプラスチックフイルム製の袋より構成されてなることを特徴とする古紙回収袋を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の古紙回収袋は、古紙収納時に長方形の底面が形成されるプラスチックフイルム製の古紙回収袋において、(A)袋上縁より縁底面に達する複数本のミシン目を有し、袋に古紙を積み重ねて収納した後に、前記ミシン目において袋側面フイルムを切断することにより、一対のミシン目の間にある袋側面フイルムの切除部を除去できるように形成されてなり、かつ、該切除部の取り外し後に残存する袋側面フイルムが収納された古紙を結束するテープとなるように形成されてなるプラスチックフイルム製の袋、及び、(B)該プラスチックフイルム製の袋の底面とほぼ同寸法の底面と、該プラスチックフイルム製の袋の深さの1/3〜3/4の深さを有し、該プラスチックフイルム製の袋の底部を嵌装するプラスチックフイルム製の袋より構成される。
図1(a)は、本発明の古紙回収袋のプラスチックフイルム製の袋(A)の一態様の開いた状態を示す斜視図であり、図1(b)は、本発明の古紙回収袋のプラスチックフイルム製の袋(B)の一態様の開いた状態を示す斜視図であり、図1(c)は、袋(A)の底部を袋(B)に嵌装した状態を示す斜視図であり、図1(d)は、古紙を収納した後にテープにより結束した状態を示す斜視図である。本発明の古紙回収袋に使用するプラスチックフイルムに特に制限はなく、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどを挙げることができる。
【0006】
本発明の古紙回収袋の袋(A)は、袋上縁より袋底面に達する複数本のミシン目1を有し、袋に古紙を積み重ねて収納した後に、ミシン目において袋側面フイルムを切断することにより、一対のミシン目の間にある袋側面フイルムの切除部2が除去され、切除部を取り除いた後に、収納された古紙を結束するテープ3及び4が袋の側面に形成される。本発明の古紙回収袋の寸法に特に制限はなく、収納する古紙の種類に応じて適宜選択することができる。新聞古紙回収袋として使用する場合は、底面の長辺と短辺が、それぞれ30〜34cm程度と24〜26cm程度であることが好ましい。本発明の古紙回収袋の袋(A)を製造するためのフイルムの厚さに特に制限はないが、10〜50μmであることが好ましく、20〜40μmであることがより好ましい。
本発明の古紙回収袋においては、袋(A)の底部が、袋(B)に嵌装される。袋(B)は、袋(A)より剛性の大きい材料で形成することが好ましい。袋(B)の剛性を大きくすることにより、図1(c)に示すように袋(A)の底部を袋(B)に嵌装した状態において、形状保持性が向上し、古紙回収袋への古紙の投入、収納が容易になる。また、袋(B)の剛性を大きくすることにより、袋(A)により薄手のフイルムを用いることができ、袋(A)をより経済的に製造することができる。本発明の古紙回収袋の袋(B)を製造するためのフイルムの厚さに特に制限はないが、30〜100μmであることが好ましく、50〜80μmであることがより好ましい。
【0007】
本発明の古紙回収袋において、袋(A)の底部をプラスチックフイルム製の袋(B)に嵌装したとき、袋(A)の上部は、図1(c)に示すように立てた状態とすることができ、あるいは、袋(A)の上部を、袋(B)側に折り返した状態とすることもできる。本発明の古紙回収袋において、袋(B)の底面は、袋(A)の底面とほぼ同寸法である。また、袋(B)の深さは、袋(A)の深さの1/3〜3/4である。袋(B)の深さは、収納すべき古紙の適量と一致させることが好ましい。袋(B)の深さを収納すべき古紙の適量と一致させることにより、収納された古紙が袋(B)の上縁まで達したとき、迷うことなく古紙を結束することができる。袋(B)の深さが袋(A)の深さの1/3未満であると、古紙回収袋に収納する古紙の量が少なすぎて、古紙回収袋が有効に利用されないおそれがある。袋(B)の深さが袋(A)の深さの3/4を超えると、古紙を結束する際に結び目をつくるテープが短くなりすぎて、結束が困難となるおそれがある。本発明の古紙回収袋において、袋(A)と袋(B)は異なる色であることが好ましい。例えば、袋(A)を無着色のプラスチックフイルムで製造し、袋(B)を緑色、黄色、赤色などの着色プラスチックフイルムで製造することができる。袋(A)と袋(B)を異なる色とすることにより、袋(B)の上縁の識別が容易になり、収納される古紙の適量をより容易に判断することができる。
【0008】
本発明の古紙回収袋において、収納された古紙が袋(B)の上縁まで達したとき、図1(c)に示す状態で、袋(A)のミシン目1を袋(B)の上縁まで切断し、形成されたテープ3と3及び4と4を結び合わせて収納された古紙を結束する。次いで、テープの結び目をつかんで袋(A)を持ち上げ、袋(B)から離す。袋(A)のミシン目1を完全に切断して除去部2を取り除くと、図1(d)に示す状態となるので、そのまま回収に寄託することができる。
本発明の古紙回収袋を使用することにより、古紙収納時には袋の状態で簡便に古紙を収納することができ、古紙を回収に寄託するときには、手間をかけることなくテープで結束した状態とすることができる。本発明の古紙回収袋は、プラスチックフイルム製なので、形成される古紙を結束するテープは、回収時の取り扱いに必要な強度を有する一方、古紙選別場において容易に切断することができる。従来、時として強度の大きい延伸テープヤーンなどにより古紙が結束されて回収に寄託され、ヤーンの切断に手間どる場合も見られたが、本発明の古紙回収袋を使用することにより、このような作業上の問題は解消する。
【0009】
図2(a)は、本発明の古紙回収袋のプラスチックフイルム製の袋(A)の一態様の畳まれた状態を示す側面図であり、図2(b)は、図2(a)のC−C線切断部端面図であり、図2(c)は、ミシン目において切断して切除部を除去したときの底面を下方から眺めた部分平面図であり、図2(d)は、プラスチックフイルム製の袋(B)の一態様の畳まれた状態を示す側面図である。本態様の袋(A)は、両側縁5にガゼット部6を有し、下縁7が幅方向に直線状に溶着され、ガゼット部フイルム8と袋表面フイルム9の各1対が、袋下縁のガゼット内折り端10から、袋両側縁に斜方向に溶着されて斜方溶着線11が形成されている。また、2枚の袋表面フイルムと2枚のガゼット部フイルムの合計4枚のフイルムを貫通し、袋上縁より縁下縁に達する1対の直線状のミシン目12が設けられている。このミシン目は、図2(b)の一点鎖線Dの位置に設けられている。
本態様の袋(A)を開くと、斜方溶着線11と側縁5の交点13が、袋の底面の長方形の頂点となって、図1(a)に示す状態の天面が開いた直方体状の袋となる。この袋へ古紙を収納したのち、直方体の側面の四隅に形成されたいる切除部2をミシン目において切断して除去することにより、直方体の各側面にテープが形成されるので、テープにより収納された古紙を結束して図1(d)に示す状態として、回収に寄託することができる。図2(c)に示すように、底面の長辺側のテープ3は、下縁7の溶着線により相互に溶着されており、底面の短辺側のテープ4は、斜方溶着線11により長辺側のテープと溶着されているので、溶着部は収納された古紙を結束して取り扱うために必要な十分な強度を有している。
図2(d)に側面図を示す袋(B)は、深さが浅く、ミシン目がないことを除くと、袋(A)と同様に両側縁14にガゼット部を有し、下縁15が幅方向に直線状に溶着され、ガゼット部フイルムと袋表面フイルムの各1対が、袋下縁のガゼット内折り端16から、袋両側縁に斜方向に溶着されて斜方溶着線17が形成されている。本態様の袋(B)を開くと、斜方溶着線17と側縁14の交点18が、袋の底面の長方形の頂点となって、図1(b)に示す状態の天面が開いた直方体状の袋となる。
【0010】
本発明の古紙回収袋においては、プラスチックフイルム製の袋(A)のミシン目の袋上縁端又は袋上縁端と袋下縁端に切り欠きを設けることが好ましい。切り欠きの形状に特に制限はないが、半長円形などの直線同士の交点を有しない形状であることが好ましい。ミシン目の袋上縁端に切り欠きを設けることにより、ミシン目の両側から両手で引っ張って、容易にミシン目を切断することができる。
本発明の古紙回収袋においては、プラスチックフイルム製の袋(A)の下縁溶着線、斜方溶着線又はその両方を略平行な2本以上の溶着線とすることができる。溶着線を略平行な2本以上の溶着線とすることにより、切除部を切断除去して形成される十文字状テープの各結合部の強度が大きくなり、重量の大きい古雑誌、書籍などの古紙の結束に好適に用いることができる。平行な2本の溶着線の間隔は、0.5〜15mmであることが好ましく、1〜5mmであることがより好ましい。
本発明の古紙回収袋においては、プラスチックフイルム製の袋(A)の傾斜溶着線を、下縁溶着線に略垂直に交わり、下縁溶着線の近傍で湾曲して袋両側縁に達する形状とすることができる。傾斜溶着線をこの形状とした古紙回収袋は、底面の長辺側のテープと底面の短辺側のテープを結合する傾斜溶着線が、下縁溶着線の近傍において、底面の短辺側のテープの長さ方向に対して略垂直となり、古紙を結束して持ち上げたとき、底面の短辺側のテープにかかる応力が一点に集中することがないので、重量の大きい古雑誌、書物などの古紙の結束に好適に用いることができる。
【0011】
図3(a)は、本発明の古紙回収袋のプラスチックフイルム製の袋(A)の他の態様の側面図であり、図3(b)は、図3(a)のE−E線切断部端面図であり、図3(c)は、ミシン目において切断して切除部を除去したときの底面を下方から眺めた部分平面図である。本態様の袋(A)は、ミシン目の袋上縁端と袋下縁端に切り欠き19が設けられている。また、下縁溶着線20が平行な2本の溶着線であり、ガゼット部フイルム8と表面フイルム9の各1対を溶着する斜方溶着線21が平行な2本の下縁溶着線20の近傍で湾曲し、斜方溶着線と下縁溶着線が略垂直に交わっている。
本態様の古紙回収袋は、図3(c)に見られるように、底面の長辺側のテープ3と底面の短辺側のテープ4を結合する斜方溶着線21が、下縁溶着線20の近傍において、底面の短辺側のテープの長さ方向に対して略垂直となり、古紙を結束して持ち上げたとき、底面の短辺側のテープにかかる応力が一点に集中することがない。
【0012】
【発明の効果】
本発明の古紙回収袋は、古紙収納時には長方形の底面を有する袋形状をなし、袋の形状保持性が良好であり、収納すべき古紙の適量を容易に判断することができ、古紙収納後に袋に設けられたミシン目において切断することにより、袋の側面にテープが形成され、該テープで古紙を結束することにより、手間をかけることなく、簡単に古紙を紐でしばった状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の古紙回収袋の一態様の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の古紙回収袋の一態様の側面図、切断部端面図及び部分平面図である。
【図3】図3は、本発明の古紙回収袋の他の態様の側面図、切断部端面図及び部分平面図である。
【符号の説明】
1 ミシン目
2 切除部
3 テープ
4 テープ
5 側縁
6 ガゼット部
7 下縁
8 ガゼット部フイルム
9 袋表面フイルム
10 ガゼット内折り端
11 斜方溶着線
12 ミシン目
13 斜方溶着線と側縁の交点
14 側縁
15 下縁
16 ガゼット内折り端
17 斜方溶着線
18 斜方溶着線と側縁の交点
19 切り欠き
20 下縁溶着線
21 斜方溶着線
Claims (1)
- 古紙収納時に長方形の底面が形成されるプラスチックフイルム製の古紙回収袋において、(A)袋上縁より袋底面に達する8本のミシン目を有し、袋に古紙を積み重ねて収納した後に、前記ミシン目において袋側面フイルムを切断することにより、直方体の側面の四隅を挟んで隣接する各一対のミシン目の間にある袋側面フイルムの四隅の切除部を除去できるように形成されてなり、かつ、該切除部の取り外し後に、直方体の各側面の中央に残存する袋側面フイルムが、収納された古紙を結束するテープであって、該テープが、底面の長辺側のテープ3と、底面の短辺側のテープ4とが溶着されてなる十字形状テープとなるように形成されてなるプラスチックフイルム製の袋、及び、(B)該プラスチックフイルム製の袋の底面とほぼ同寸法の底面と、該プラスチックフイルム製の袋の深さの1/3〜3/4の深さを有し、該プラスチックフイルム製の袋の底部を嵌装するプラスチックフイルム製の袋より構成されてなることを特徴とする古紙回収袋。
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