JP4680831B2 - 圧延機のロールネック用シール構造 - Google Patents

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Description

本発明は、圧延機のロールネック用シール構造に関する。さらに詳しくは、ロール冷却水の圧延機内部への進入防止と潤滑油の外部飛散を防止するために圧延ロールのネック部に取り付けられるロールネック用シール構造に関する。
従来のロールネック用シール構造として、特許文献1のものがある。
図6において、符号Rはロールを示しており、符号RNはロールネック部を示している。このロールネック部RNには、環状の嵌着部104が取り付けられている。
また、符号101は圧延機のハウジング側部材を示しており、このハウジング側部材の内周面と前記嵌着部104との間には、リテーナ102を介してオイルシール110が設けられている。このオイルシール110は、リテーナ102に対して所定の嵌合力を有する金属環111と、この金属環111に一体に設けられたゴム製のシールリップ112とから構成されている。そして、シールリップ112の先端は嵌着部104におけるロール側部材の径方向に沿う側面に軸方向から接触するように取付けられており、このシールリップ112によってロールRの冷却に使用される水が圧延機のハウジング内に浸入することを防いでいる。
しかも、上記従来例のオイルシール110では、シールリップ112は金属環111と一体になっており金属環111に確実に支持されている。このため、ロールRが軸心回りに回転した場合でも、シールリップ112と嵌着部104におけるロール側部材の径方向に沿う側面の接触状態が安定するから、所定のシール性が確保されるとともに、シールリップ112の寿命が延長され、オイルシール110そのものの寿命も延長される。
しかるに、シールリップ112は寿命が延長されたとしてもある程度の期間使用すれば交換が必要となり、その交換の際には、まず、ロールRと嵌着部104がロール軸から取り外される。そして、特許文献1のオイルシール110の場合には、リテーナ102とともにオイルシール110をハウジング101から取り外さなければならない。
しかも、金属環111とシールリップ112が一体なのでリテーナ102から金属環111を取り外さなければシールリップ112の交換が行えないのであるが、金属環111はリテーナ102に嵌合しているので、取り外し時には専用の治具が必要である。そして、新しいシールリップ112を取り付ける場合でも、シールリップ112が金属環111と一体であるためにハンマーやその他の工具を使用しなければ装着できない。したがって、シールリップ112の交換作業には時間がかかるとともに作業性が悪く、外側のシールリップ112であってもオンラインでは容易に交換できない。
また、外側のシールリップ112の交換であれば、上記作業だけでよいのであるが、内側のシールリップ112を交換する場合には、リテーナ102を完全にロール軸から外してしまわなければならないため、さらに作業時間を要する。
特開2005−40799号
本発明は上記事情に鑑み、シールリップの交換作業が容易である圧延機のロールネック用シール構造を提供することを目的とする。
第1発明の圧延機のロールネック用シール構造は、圧延機のロールネック部に設けられるシールであって、該シール構造は、前記ロールネック部の外周面に取り付けられる油切部材と、前記油切部材の周囲に設けられ、前記ロールネック部の半径方向において該油切部材との間に空間が形成されるように配設されるフロントシールプレートと、該フロントシールプレートと前記油切部材との間に設けられる弾性材料製のシール部材とを備えており、前記フロントシールプレートには、前記ロールネック部を囲むように環状の溝が形成された、該ロールネック部の軸方向と交差する軸方向面が形成されており、前記油切部材には、その外周面に沿って、前記軸方向面と対向する対向面が形成されており、前記シール部材は、前記フロントシールプレートにおける環状の溝に押し込んで取り付けられる固定部分と、該固定部分に基端部が連結されたリップ部分とを備えており、該リップ部分は、前記固定部分を前記フロントシールプレートの軸方向面における環状の溝に取り付けたときに、その先端が前記油切部材の対向面に接するように形成されていることを特徴とする。
第2発明の圧延機のロールネック用シール構造は、第1発明において、前記シール部材の固定部分は、前記フロントシールプレートの環状の溝に取り付けたときに該環状の溝における一対の内側面と対向する一対の側面に、該一対の側面に沿って連続する複数の突起が形成されており、該複数の突起は、前記一対の側面に形成されている突起の先端間の距離が、前記環状の溝における一対の内側面間の距離よりも長く、しかも、該固定部分の先端から基端に向かっては倒れやすく該固定部分の基端から先端に向かっては倒れにくい形状に形成されていることを特徴とする。
第3発明の圧延機のロールネック用シール構造は、第1発明において、前記フロントシールプレートにおける環状の溝の開口部分には、前記軸方向面から凹んだ座面が設けられており、前記シール部材には、前記固定部分と前記リップ部分との間に、前記固定部分の幅よりも広幅である台座部分が設けられており、該台座部分は、前記フロントシールプレートにおける環状の溝に前記固定部分を挿入すると、該台座部分における前記固定部分側の面が、該環状の溝の座面と面接触するように形成されていることを特徴とする。
第4発明の圧延機のロールネック用シール構造は、第1発明において、前記フロントシールプレートは、圧延機のロール側に位置するロール側軸方向面と、圧延機のロールに対して反対側に位置する反ロール側軸方向面とを備えており、前記ロール側軸方向面の環状の溝に取り付けられるシール部材は、前記ロール側軸方向面の環状の溝に取り付けられたときに、そのリップ部分が、前記ロールネック部の軸方向に対して傾斜した状態であってかつ前記ロール側軸方向面から前記油切部材の対向面に向かうに従い前記ロールネック部から離間するように形成されていることを特徴とする。
第5発明の圧延機のロールネック用シール構造は、第4発明において、前記フロントシールプレートにおける反ロール側軸方向面の環状の溝に取り付けられるシール部材は、前記反ロール側軸方向面の環状の溝に取り付けられたときに、そのリップ部分が、前記ロールネック部の軸方向に対して傾斜した状態であってかつ前記反ロール側軸方向面から前記油切部材の対向面に向かうに従い前記ロールネック部に接近するように形成されていることを特徴とする。
第1発明によれば、シール部材は固定部分を環状の溝に押し込んで取り付けられているから、そのリップ部分を引っ張るだけでフロントシールプレートから取り外すことができる。しかも、シール部材は弾性を有する弾性材料製であるから、人の手でも簡単に押し込んだり引き抜いたりすることができる。よって、シール部材の着脱に特別な工具が不要であるから、シール部材の交換を短時間で行うことができる。
第2発明によれば、複数の突起は、固定部分の先端から基端に向かっては倒れやすい形状に形成されているので、シール部材の取付作業を簡単に行うことができる。しかも、固定部分の基端から先端に向かっては倒れにくい形状に形成されているので、引き抜く方向に力が加わったときには突起が抵抗となるので、シール部材をしっかりとフロントシールプレートに固定しておくことができる。
第3発明によれば、台座部分によって、溝を、フロントシールプレートの軸方向面と油切部材の対向面との間の空間から隔離することができるので、水等が溝を通過してフロントシールプレート内に侵入することを防ぐことができる。しかも、溝とシール部材の接触面積を大きくすることができるから、シール部材の姿勢安定性を高めることができる。
第4発明によれば、ロール側軸方向面に取り付けられたシール部材では、そのリップ部分がロール側軸方向面から対向面に向かうに従いロールネック部から離間するように傾斜しているので、ロール側軸方向面と対向面との隙間にロールネック部の半径方向外方からロールネック部に向かって侵入する異物に対するシール性を高めることができる。
第5発明によれば、フロントシールプレート内部と外部を2つのシール部材によって分離することができるから、シール性を高めることができる。しかも、反ロール側軸方向面に取り付けられたシール部材では、そのリップ部分が反ロール側軸方向面から対向面に向かうに従いロールネック部に接近するように傾斜しているから、フロントシールプレートの外部から内部に向かって侵入する異物に対するシール性を高めることができる。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明は、線材を高速で回転する一対のロール間に挟んで成形する圧延機において、ロールと、圧延機内部との間をロールネック部においてシールするためのシール構造であり、シール構造を構成するシール部材の交換が容易となるようにしたことに特徴を有している。
まず、本発明のシール構造が採用される圧延機を説明する。
図4は本実施形態のシール構造が採用される圧延機の正面図である。図5は図4のV−V線概略断面矢視図である。図4および図5において、符号Hは圧延機のハウジングを示しており、このハウジングH内には一対のロール軸Sが互いに平行となるように配設されており、図示しない動力源によって同期して回転するように構成されている。この一対のロール軸Sの先端は、ハウジングHの前面(図5では左側の面)から突出しており、その突出した部分に一対のロールRが取り付けられている。この一対のロールRには両者の間に線材等を通すためのパスラインが形成されており、一対のロール軸Sを回転させながら一対のロールR間のパスラインに線材等を通すことによって、線材を圧延加工することができるのである。
ロールRによって圧延作業を行うと、ロールRは線材との摩擦等によって熱くなってしまうのであるが、ロールRはその温度が上昇すると熱膨張し線材の成形精度が低下してしまうので、圧延作業中はロールRを冷却するためにロールRを囲むように設けられたパイプPからロールRに水が噴き付けられている。このロールRの冷却に使用された水がハウジングH内に入った場合には圧延機が故障する恐れがあるので、ロール軸Sにおいて、ロールRが取り付けられている部分とハウジングHの前面との間に位置するロールネック部RNには、ハウジングHの内部と外部とを分離するシール構造が設けられるのである。
つぎに、シール構造を説明する。
図1は本実施形態のシール構造の概略説明図である。同図において、符号11はハウジングHの前面を覆うように設けられたフロントシールプレートを示している。このフロントシールプレート11には一対の貫通孔11h,11hが形成されており、この一対の貫通孔11h,11hに前記一対のロール軸Sがそれぞれ挿通されている。そして、フロントシールプレート11は、一対の貫通孔11h,11hに前記一対のロール軸Sが挿通された状態では、その一対の貫通孔11h,11hの内端縁がロールネック部RNを囲むように配設されている。以下、この貫通孔11hの内端縁近傍を、単にフロントシールプレート11の端縁部という。
なお、フロントシールプレート11はハウジングHに液密に取り付けられており、前記一対の貫通孔11h,11hを除き、フロントシールプレート11に対してハウジングH側の空間とロールR側の空間は液密に隔離されている。
図1に示すように、前記ロール軸Sにおけるロールネック部RNの外周面には、油切部材12A,12Bが設けられている。この油切部材12A,12Bは、円環状に形成されたベース部12aを備えており、このベース部12aの内面とロールネック部RNとの間が液密となるように固定されている。
この油切部材12A,12Bのベース部12aの外周面には、壁状部12bが立設されている。油切部材12Aでは、壁状部12bは、ベース部12aのロールR側の端線に沿って設けられており、ロール軸Sの軸方向から見たときに略ドーナツ状となるように形成されている。一方、油切部材12Bでは、壁状部12bは、ベース部12aのハウジングH側の端線に沿って設けられており、ロール軸Sの軸方向から見たときに略ドーナツ状となるように形成されている。
しかも、一対の油切部材12A,12Bは、両者がロールネック部RNに取り付けられたときには、油切部材12A,12Bにおけるベース部12aと壁状部12bによって断面略U字状となり、油切部材12A,12Bにおける壁状部12bによってフロントシールプレート11の端縁部をロール軸Sの軸方向から挟むように形成されている。つまり、フロントシールプレート11に対してハウジングH側の空間とロールR側の空間は、フロントシールプレート11の端縁部と油切部材12A,12Bにおける壁状部12bによって形成される、断面略U字状の空間Aでのみ連通された状態となるのである。
上記のフロントシールプレート11において、ロールネック部RNの軸方向(図1では左右方向)に位置する面が特許請求の範囲にいう軸方向面であり、ロールR側の面およびハウジングH側の面が、それぞれ特許請求の範囲にいうロール側軸方向面、反ロール側軸方向面に相当する。以下では、ロール側軸方向面をロール側軸方向面RSといい、反ロール側軸方向面をハウジング側軸方向面HSという。
また、一対の油切部材12A,12Bの壁状部12bにおいて、フロントシールプレート11の端縁部と対向する面、つまり油切部材12Aではロール側軸方向面RSと対向する面、油切部材12Bではハウジング側軸方向面HSと対向する面が特許請求の範囲にいう対向面である。
なお、図1に示すように、油切部材12Aにおける壁状部12bの外端縁にはロール側軸方向面RSに向かって突出した突起部12cを設ければ、壁状部12bの対向面とロール側軸方向面RSとの間の隙間が小さくなり空間A内に水が入りにくくなるが、この突起部12cは設けても設けなくてもよい。
図1および図2に示すように、このフロントシールプレート11の端縁部における両軸方向面RS、HSには、前記一対の油切部材12A,12Bの壁状部12bと対向する位置に、溝11a,11cが形成されている。この溝11a,11cは、ロールネック部RNの周囲を囲むように環状に形成されている。言い換えれば、この溝11a,11cは、フロントシールプレート11におけるロール軸Sが挿通される貫通孔11hと同心かつその貫通孔11hを囲むように形成されている。
なお、図1および図2では、溝11a,11cは、ロールネック部RNからの距離が異なるように、つまりフロントシールプレート11の断面視で千鳥配置となるように形成されているが、ロールネック部RNからの距離が同じになるように形成してもよいのは、いうまでもない。
前記溝11a,11cには、シール部材15A,15Bが取り付けられている。このシール部材15A,15Bは、ゴム等のような弾性を有する弾性材料を素材として環状に形成されたものである。
このシール部材15A,15Bは、溝11a,11cに挿入され固定される固定部分18A,18Bとリップ部分16A,16Bとを備えており、このリップ部分16A,16Bは、その基端が台座部分17A,17Bを介して固定部分18A,18Bに連結されている。なお、シール部材15A,15Bのリップ部分16A,16Bはロール軸Sの軸方向に対して傾斜した状態となるように形成されているが、詳細は後述する。
図2(A)、(B)に示すように、固定部分18A,18Bは、前記フロントシールプレート11の溝11a,11cの幅D2よりも幅が狭い基軸部とこの基軸部の両側面に形成された突起とを備えている。この突起18aは、その先端間の距離D1が、溝11a,11bの幅D2よりも長くなるように形成されている。しかもこの突起18aは、固定部分18A,18Bの先端から基端に向かって(固定部分18A,18Bの先端から台座部分17A,17Bに向かって)は倒れやすく固定部分18A,18Bの基端から先端に向かっては倒れにくい形状に形成されている。
このため、シール部材15A,15Bの固定部分18A,18Bを前記フロントシールプレート11の溝11a,11cに押し込むときに突起18aが倒れることにより固定部分18A,18Bと溝11a,11bとの間に発生する抵抗を小さくすることができるので、シール部材15A,15Bの取付作業を簡単に行うことができる。しかも、引き抜く方向に力が加わったときには固定部分18A,18Bと溝11a,11bとの間に発生する抵抗が大きくなるので、シール部材15A,15Bをしっかりとフロントシールプレート11に固定しておくことができる。
さらに、突起18aによって、溝11a,11cの内面と固定部分18A,18Bの基軸部両側面との間をシールすることができるので、後述するようにリップ部分16A,16Bによってシールされた水等が溝11a,11cの内面とシール部材15A,15Bの固定部分18A,18Bの基軸部両側面との間を通過することも防ぐことができる。
なお、突起18aは、シール部材15A,15Bの固定部分18A,18Bの基軸部両側面に一つずつ設けてもよいが、図2に示すように基軸部の各側面にそれぞれ複数設けておけば、フロントシールプレート11へのシール部材15A,15Bの固定性を高めることができ、しかも、シール性も高めることができるので、好適である。
図1に示すように、シール部材15A,15Bのリップ部分16A,16Bは、固定部分18A,18Bを溝11a,11bに取り付けたときに、その先端が一対の油切部材12A,12Bの壁状部12bの対向面に接触する長さに形成されている。具体的には、後述するフロントシールプレート11における溝11a,11cの座面11b,11dからリップ部分16A,16Bの先端までの距離Lが、座面11b,11dから対向面までの距離よりも長くなるように形成されているのである。
このため、フロントシールプレート11のロール側軸方向面RSと油切部材12Aの壁状部12bの対向面との間の空間はシール部材15Aのリップ部分16Aによってシールされ、フロントシールプレート11のハウジング側軸方向面HSと油切部材12Bの壁状部12bの対向面との間の空間はシール部材15Bのリップ部分16Bによってシールされる。よって、フロントシールプレート11に対してハウジングH側の空間とロールR側の空間がシール部材15Aによってシールされ、ロールRに供給される水がハウジングH側の空間に侵入することを防ぐことができるのである。
なお、シール部材はいずれか一方だけ設けてもよいのであるが、2つのシール部材15A,15Bを設けておけば、シール性を高めることができる。
さらになお、図1では、シール部材をロール側軸方向面RSおよびハウジング側軸方向面HSにそれぞれ一つずつ設けているが、シール部材は各面にそれぞれ複数設けたり一方の面には複数設けるようにしてもよく、この場合には、シール性をさらに高めることができる。
また、溝11aに取り付けられるシール部材15Aは、そのリップ部分16Aがロール側軸方向面RSから油切部材12Aの壁状部12bの対向面に向かうに従い前記ロールネック部から離間するように形成されている。このため、ロール側軸方向面RSと対向面との隙間にロールネック部RSの半径方向外方からロールネック部RSに向かって侵入する異物に対するシール性を高めることができる。言い換えれば、リップ部分16Aの上方から空間A内に侵入する異物に対するシール性を高めることができるから、ロールRに供給される水がリップ部分16Aを通過する確率を低くすることができる。
一方、溝11cに取り付けられるシール部材15Bのリップ部分16Bは、ハウジング側軸方向面HSから油切部材12Bの壁状部12bの対向面に向かうに従いロールネック部RSに接近するように形成されている。このため、ハウジング側軸方向面HSと対向面との隙間にロールネック部RSの半径方向内方から外方に向かって移動する異物に対するシール性を高めることができる。言い換えれば、空間A内からハウジングH側の空間に侵入する異物に対するシール性を高めることができる。すると、ロールRに供給される水等がシール部材15Aのリップ部分16Aを通過して空間A内に入ったとしても、シール部材15Bのリップ部分16BによってハウジングH側の空間に侵入する確率を低くすることができるので、圧延機の安全性を高めることができる。
なお、シール部材15A,15Bのリップ部分16A,16Bは、上記の方向と逆向きに傾斜するように形成してもよい。つまり、シール部材15Aのリップ部分16Aをロール側軸方向面RSから油切部材12Aの壁状部12bの対向面に向かうに従い前記ロールネック部に接近するように形成し、シール部材15Bのリップ部分16Bをハウジング側軸方向面HSから油切部材12Bの壁状部12bの対向面に向かうに従いロールネック部RSから離間するように形成してもよい。
さらになお、ロール側軸方向面RSやハウジング側軸方向面HSに複数のシール部材15A,15Bを設ける場合であれば、各面に設けられるシール部材のリップ部分が互いに逆向きに傾斜するように形成してもよく、この場合には、シール部材のリップ部分の上方から空間A内に侵入する異物に対するシール性および、空間A内から外方に向かう異物に対するシール性の両方を高めることができるから、好適である。
図2に示すように、固定部分18A,18Bとリップ部分16A,16Bとの間には、台座部分17A,17Bが設けられている。この台座部分17A,17Bは、その幅D3が固定部16の基軸部溝11a,11cの幅D2より広くなるように形成されている。
一方、フロントシールプレート11における溝11a,11cの周囲には、軸方向面RS、HSから凹んだ座面11b,11dが形成されている。
このため、シール部材15A,15Bの固定部分18A,18Bを前記フロントシールプレート11の溝11a,11cに押し込んだときに、台座部分17A,17Bにおける固定部分18A,18B側の面が座面11b,11dに面接触するように台座部分17A,17Bを形成しておけば、台座部分17A,17Bによって、溝11a,11cを、フロントシールプレート11の軸方向面RS、HSと油切部材12Aの壁状部12bの対向面との間空間から隔離することができる。すると、リップ部分16A,16Bによってシールした水等が、溝11a,11cの内面とシール部材15A,15Bの固定部分18A,18Bの側面との間を通過することも防ぐことができるから、シール構造のシール性を高めることができる。
しかも、フロントシールプレート11とシール部材15A,15Bとの接触面積を大きくすることができるから、シール部材15A,15Bの姿勢安定性を高めることができる。
つぎに、本実施形態のシール構造の取付作業について説明する。
まず、フロンシールプレート11を外した状態において油切部材12Bをロール軸Sのロールネック部RNに取り付ける。ついで、フロントシールプレート11をハウジングHに取り付ける。このとき、溝11a,11cには、シール部材15A,15Bを取り付けておく。すると、フロンシールプレート11をハウジングHに取り付けたときに、シール部材15Bのリップ部分16Bの先端が油切部材12Aの壁状部12bに接触した状態となる。
そして、油切部材12Aをロールネック部分RNに取り付ければ、その壁状部12bにシール部材15Aのリップ部分16Aの先端が接触した状態となる。
すると、フロントシールプレート11に対するハウジングH側の空間とロールR側の空間がシール部材15A,15Bによってシールされる。
つぎに、シール部材15Aの交換作業について説明する。
まず、ロールRをロール軸Sから取り外し、ついて、油切部材12Aをロールネック部RNから取り外す。すると、フロントシールプレート11のロール側軸方向RSが露出し、シール部材15Aも露出する(図3(A))。
ついで、シール部材15Aのリップ部材16Aを持って引っ張れば、シール部材15Aはその固定部分16Aが溝11aに挿入されているだけであるから、容易に溝11aから取り外すことができる(図3(B))。
そして、新しいシール部材15Aの固定部分16Aを溝11aに押し込めば、簡単にフロントシールプレート11にシール部材15Aを取り付けることができる。
最後に油切部材12A、ロールRをロール軸Sに取り付ければ、シール部材15Aの交換は終了する。
つぎに、シール部材15Bの交換作業について説明する。
まず、ロール軸SからロールR、ロールネック部RNから油切部材12Aを取り外し、ついで、フロントシールプレート11をハウジングHから取り外す。この状態では、取り外したフロントシールプレート11にシール部材15Bが取り付けられたままである。そして、取り外されたフロントシールプレート11からシール部材15Bを取り外すのであるが、このときには、リップ部材16Bを持って引っ張れば、シール部材15Bを容易にフロントシールプレート11の溝11cから取り外すことができる。
ついで、新たなシール部材15Bの固定部分18Bを溝11cに押し込めば、簡単にフロントシールプレート11にシール部材15Bを取り付けることができる。
そして、新たなシール部材15Bが取り付けられたフロンシールプレート11をハウジングHに取り付け、油切部材12Aをロールネック部分RNに取り付ければ、シール部材15Bの交換が終了する。
以上のごとくシール部材15A,15Bは、そのリップ部分16A,16Bを引っ張るだけでフロントシールプレート11の溝11a,11cから取り外すことができるし、固定部分18A,18Bを溝11a,11cに押し込むだけでフロントシールプレート11に取り付けることができるから、交換を短時間で行うことができる。
しかも、シール部材15A,15Bは弾性を有する弾性材料製であり、人の手でも簡単に溝11a,11cに押し込んだり引き抜いたりすることができるから、着脱に特別な工具が不要であり、シール部材15A,15Bの交換作業を短時間で行うことができる。
とくに、シール部材15Aは圧延機冷却用の水に常時曝されておりシール部材15Bに比べて損傷が激しく交換回数が多くなるが、シール部材15Aの交換作業では、上記のごとくロールRと油切部材12Aをロール軸Sから取り外すだけでよく、また、フロントシールプレート11の溝11aへの着脱も容易かつ短時間で行うことができるので、シール部材15Aの交換による作業停止時間を短くでき、作業効率を向上させることができる。
本実施形態のシール構造の概略説明図である。 (A)はシール部材15Aの断面図であり、(B)はシール部材15Bの断面図であり、(C)はフロントシールプレート11にシール部材15A,15Bを取り付けた状態の拡大説明図である。 シール部材15Aを取り外す作業の概略説明図である。 本実施形態のシール構造が採用される圧延機の正面図である。 図4のV−V線概略断面矢視図である。 従来のロールネックシールの概略説明図である。
符号の説明
11 フロントシールプレート
11a 溝
11b 座面
11c 溝
11d 座面
HS ハウジング側軸方向面
RS ロール側軸方向面
12 油切部材
15 シール部材
16 リップ部分
17 台座部分
18 固定部分
H ハウジング
S ロール軸
R ロール
RN ロールネック

Claims (5)

  1. 圧延機のロールネック部に設けられるシール構造であって、
    該シール構造は、
    前記ロールネック部の外周面に取り付けられる油切部材と、
    前記油切部材の周囲に設けられ、前記ロールネック部の半径方向において該油切部材との間に空間が形成されるように配設されるフロントシールプレートと、
    該フロントシールプレートと前記油切部材との間に設けられる弾性材料製のシール部材とを備えており、
    前記フロントシールプレートには、前記ロールネック部を囲むように環状の溝が形成された、該ロールネック部の軸方向と交差する軸方向面が形成されており、
    前記油切部材には、その外周面に沿って、前記軸方向面と対向する対向面が形成されており、
    前記シール部材は、
    前記フロントシールプレートにおける環状の溝に押し込んで取り付けられる固定部分と、
    該固定部分に基端部が連結されたリップ部分とを備えており、
    該リップ部分は、
    前記固定部分を前記フロントシールプレートの軸方向面における環状の溝に取り付けたときに、その先端が前記油切部材の対向面に接するように形成されている
    ことを特徴とする圧延機のロールネック用シール構造。
  2. 前記シール部材の固定部分は、
    前記フロントシールプレートの環状の溝に取り付けたときに該環状の溝における一対の内側面と対向する一対の側面に、該一対の側面に沿って連続する複数の突起が形成されており、
    該複数の突起は、
    前記一対の側面に形成されている突起の先端間の距離が、前記環状の溝における一対の内側面間の距離よりも長く、
    しかも、該固定部分の先端から基端に向かっては倒れやすく該固定部分の基端から先端に向かっては倒れにくい形状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の圧延機のロールネック用シール構造。
  3. 前記フロントシールプレートにおける環状の溝の開口部分には、前記軸方向面から凹んだ座面が設けられており、
    前記シール部材には、
    前記固定部分と前記リップ部分との間に、前記固定部分の幅よりも広幅である台座部分が設けられており、
    該台座部分は、
    前記フロントシールプレートにおける環状の溝に前記固定部分を挿入すると、該台座部分における前記固定部分側の面が、該環状の溝の座面と面接触するように形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の圧延機のロールネック用シール構造。
  4. 前記フロントシールプレートは、
    圧延機のロール側に位置するロール側軸方向面と、圧延機のロールに対して反対側に位置する反ロール側軸方向面とを備えており、
    前記ロール側軸方向面の環状の溝に取り付けられるシール部材は、
    前記ロール側軸方向面の環状の溝に取り付けられたときに、そのリップ部分が、前記ロールネック部の軸方向に対して傾斜した状態であってかつ前記ロール側軸方向面から前記油切部材の対向面に向かうに従い前記ロールネック部から離間するように形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の圧延機のロールネック用シール構造。
  5. 前記フロントシールプレートにおける反ロール側軸方向面の環状の溝に取り付けられるシール部材は、
    前記反ロール側軸方向面の環状の溝に取り付けられたときに、そのリップ部分が、前記ロールネック部の軸方向に対して傾斜した状態であってかつ前記反ロール側軸方向面から前記油切部材の対向面に向かうに従い前記ロールネック部に接近するように形成されている
    ことを特徴とする請求項4記載の圧延機のロールネック用シール構造。
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