以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
先ず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面から見た正面図、図2はパチンコ遊技機1の遊技領域を正面から見た正面図、図3はパチンコ遊技機1の内部構造を示す全体背面図である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、縦長な方形状に枠組形成される外枠2aと、該外枠2aの内側に開閉可能に軸支されかつパチンコ遊技機1の主要構成部が集約して設けられる前面枠2bと、該前面枠2bの前面上部に開閉自在に軸支されて設けられる額縁状のガラス扉枠2とから構成されている。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿3が設けられている。前面枠2bにおいて、打球供給皿3の下部には、打球供給皿3から溢れた貯留球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。また、ガラス扉枠2の後方に位置する前面枠2bには、前面側に遊技領域7が形成された遊技盤6が着脱可能に設けられている。前面枠2b及びガラス扉枠2は、パチンコ遊技機1の正面から見て左側の端部において軸支され、軸支位置を開閉軸として開閉される。ガラス扉枠2には、遊技盤6の遊技領域7をほぼ透視し得る透視窓が開設され該透視窓の裏面からガラス板が装着されている。遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカー27が設けられている。遊技領域7の外周には、遊技効果ランプ28a,28b,28cが設けられている。
図2に示すように、遊技領域7の中央付近には、液晶表示器よりなる特別図柄表示部9と遊技演出に合わせて作動する役物キャラクタ64と図柄選択や図柄停止等の選択遊技画面で遊技者からの指示(選択指示あるいは停止指示)を検出する光センサ61,62とを含む可変表示装置8が設けられている。なお、光センサについては図5等を用いて詳述する。
また、特別図柄表示部9の表示画面には、始動記憶の表示と普通図柄の可変表示が演出内容・図柄変動等と合わせて表示されるように構成されている。この始動記憶の表示点灯数により、識別情報としての特別図柄を始動させるための始動入賞口14への入賞数が記憶されている数を遊技者は認識できる。また、遊技領域内にはゲート通過記憶表示器40が設けられている。このゲート通過記憶表示器40のLEDの点灯している数により、普通図柄を始動させるための通過ゲート11への遊技球の通過数が上限を4として記憶されていることが表示される。
遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点灯表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。
遊技が開始された際の打球発射装置34から発射された打玉は、誘導レール76を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を流下してくる。打球が通過ゲート11を通ってゲートスイッチ12で検出されると、特別図柄表示部9内に表示される普通図柄の表示が変動する状態になる。また、打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ17で検出されると、図柄の変動を開始できる状態であれば、特別図柄表示部9内の図柄回転を始める。図柄の変動を開始できる状態でなければ、特別図柄表示部9内に表示される始動入賞記憶の表示点灯数を1増やす点灯表示がなされる。
特別図柄表示部9内の映像の回転(以下、これを特図ゲームともいう)は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の画像の組合せ(例えば、111,777等のゾロ目)が大当り図柄の組合せであると、大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行する。即ち、大入賞口20が、一定時間経過するまで、又は、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、大入賞口20の開放中に打球が特定入賞領域に入賞しVカウントスイッチ22で検出されると、継続権が発生し大入賞口20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図3を参照して説明する。パチンコ遊技機1の遊技盤6の裏側には、前面枠2bが設けられており、さらに向かって手前に機構板36が備えられている。前面枠2bには、特別図柄表示部9の表示制御を行う表示制御基板80、基板ケース32に覆われ遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板31、及びパチンコ玉の払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された賞球基板37が設置されている。さらに、モータの回転力を利用して打玉を遊技領域7に発射する打球発射装置34と、スピーカー27及び遊技効果LED・ランプ28a,28b,28cに信号を送るためのランプ制御基板35が設けられている。一方、機構板36の上部には玉タンク38が設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方からパチンコ玉が玉タンク38に供給される。玉タンク38内のパチンコ玉は、誘導樋39を通って玉払出装置に供給される。
図4は、遊技制御基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。また、図4には、払出制御基板37、ランプ制御基板35、音制御基板70、及び表示制御基板80が示されている。遊技制御基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ53と、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ19、満タンスイッチ41、球切れスイッチ42、球切れ検出スイッチ43、及び賞球カウントスイッチ44からの信号を遊技制御用マイクロコンピュータに与えるスイッチ回路58と、入賞球装置15を開閉するソレノイド16と大入賞口20の開閉板を開閉するソレノイド21及び役物キャラクタ64を作動させるソレノイド13を遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM55、制御用プログラムに従って制御動作を行うCPU56及びI/Oポート部57を含む遊技制御用のマイクロコンピュータである。この実施の形態ではROM54,RAM55はCPU56に搭載されている。即ち、CPU56は1チップマイクロコンピュータである。なお、CPU56とROM54,RAM55とは1チップ化されていなくてもよい。つまり、ROM54、RAM55及びI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、マイクロコンピュータにおける情報入出力可能な端子である。
また、本実施形態における特別図柄を可変表示する特別図柄表示部9の表示制御は、表示制御基板80に搭載されている表示制御用マイクロコンピュータによって行われる。遊技制御基板31から表示制御基板80には、可変表示装置8の表示,ランプの点灯,遊技音発生等の演出の制御に関する指令情報として表示制御コマンドが伝送される。表示制御基板80では、伝送されてきた表示制御コマンドに応じて特別図柄表示部9の表示制御を行う。さらに、表示制御基板80は、光センサ61,62で検出された信号が入力され、その指定値により後述する演出態様等の変更を行うことができる。また、表示制御基板80では、その伝送されてきた表示制御コマンドの解析がなされ、選択されている演出,光センサ61,62からの入力信号等に基づいてランプ・音制御コマンドを設定し、それぞれランプ・音制御制御基板に出力される。
ところで、表示制御基板80は、遊技制御基板31から出力される表示制御コマンドデータ(変動パターンコマンド)に基づいて特図ゲームに用いられる画像を特別図柄表示部9上に表示する。このため、表示制御基板80は、演出画像表示制御手段としての画像処理プロセッサであるGCL(Graphics Controller LSI)と、動画圧縮・伸張部と、キャラクタのデータを格納する画像データ記憶手段としてのCGROMと、フレームバッファ、キャラクタのソースデータ、パレットデータを格納するSDRAM(VRAM:Video RAM)と、特別図柄表示部9に信号を出力するための表示制御部及びDACとを備えている。なお、GCLは、描画順序や、色数、拡大縮小率、パレット番号、座標等を指定するためのパラメータとなるアトリビュートを解析するためのアトリビュート解析部、SDRAMにおけるアドレス情報を生成するためのVRAMアドレス生成部、クリッピング部、半透明輝度変調部、パレットバッファ、CGデータバッファから構成されている。
また、ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段ではランプ制御用マイクロコンピュータにより、遊技効果LED28a、賞球ランプ51、球切れランプ52、ゲート通過記憶表示器40、役物飾りランプ63及び、装飾ランプ25の点灯制御が行われる。即ち、表示制御基板80から伝送されるランプ制御コマンド等の情報にしたがい、ランプ制御用マイクロコンピュータがランプ制御コマンドに応じて制御対象機器を駆動する制御を行う。
また、音制御基板70には、音制御用マイクロコンピュータが搭載されており、この音制御用マイクロコンピュータが、音制御コマンドに応じてスピーカー27からの出力される遊技音等の制御を行う。表示制御基板80から伝送される音制御コマンド等の情報にしたがい、音制御用マイクロコンピュータが、音制御コマンドに応じて制御対象機器を駆動する制御を行う。
図5は、本実施形態による可変表示装置8を右上から見た斜視図を示す図である。図5においては、図1に示された可変表示装置8と共通する部分については同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
図5を参照して、本実施形態の可変表示装置8においては、特別図柄表示部9の左上部に、遊技者により画面表示上の左側の選択肢(例えば、「左側図柄」の選択肢)の選択を検出するための第1の光センサ61が斜め下方向に向け設けられ、特別図柄表示部9の右上部に、遊技者により画面表示上の右側の選択肢(例えば、「右側図柄」の選択肢)の選択を検出するための第2の光センサ62が斜め下方向に向け設けられている。光センサ61,62の各々は、光を前方へ投光する投光部、投光に応じて物体により反射した光を受光する受光部、及び、受光部における反射光を受光した受光スポットの位置に基づいて前方に存在する物体までの距離を算出し所定距離範囲内の物体の有無を検出する演算検出部とを含み、センサの前方の所定距離範囲内に物体(例えば、遊技者の指先)を検出した場合に検出信号を出力する。なお、この光センサ61,62からの検出信号は、前述した遊技制御基板31を経ることなく、前述した表示制御基板80に直接的に入力される。これにより、遊技制御基板31に入力信号が入力されないため不正防止を図れる。
本実施形態で用いる光センサ61,62は、上述したように簡易な構造であるため、省スペース化を実現でき可変表示装置8のデザインを損なうことなく組み込みやすくなる。また、物体を検出する方法が物体からの反射光を受光部で受光した際の受光スポットの位置により物体までの距離を計測し、その物体までの距離が所定距離範囲内にあるか否かで検出を行う(測距式)ため、受光量で検出を行うセンサと比較して、物体固有の反射率に影響を受けず確実に検出できる。さらに、検出可能な反射率を人間(遊技者)の肌の反射率(約40パーセント)を含む値に設定可能であるため、髪の毛や衣服で検出される誤検出の発生が極度に防止でき検出の精度を高めることができる。さらに、物体の有無を検出することができる範囲を示す所定距離範囲を設定することができるため、遊技場必要としない距離にある物体、例えば遊技台から1m離れた物体等を検出してしまう誤検出を防止することも可能となる。具体的には、図6を参照し説明する。
図6は、パチンコ遊技機1の可変表示装置8の横断面図であり、これを参照し本実施形態で用いるセンサの検出方法を段階的に説明する。なお、図6では、ガラス扉枠2のガラス板10と、光センサ61からの投射光を実線で、物体に衝突後の反射光を点線で表わしている。
先ず、図6(A)では、透過部材の性質を考慮せずに基本的な検出の仕組みを説明する。光センサ61の投射部から投射された投射光は、ガラス板10を透過しパチンコ遊技機1の外部に放たれる。外部に放たれた投射光路上の所定距離範囲内に遊技者が指を移動させることにより、投射光が指に衝突し反射する。その反射した反射光が再びガラス板10を透過しパチンコ遊技機1の内部に進入し、光センサ61の受光部で受光される。その際に、光センサは、受光した受光スポットの位置に基づき、反射点である遊技者の指までの距離が所定距離範囲内であったか否かを判別し所定距離範囲内であった場合には、表示制御基板80に入力信号を出力するように構成されている。
次に、透過部材の性質を考慮した場合を図6(B)を参照し説明する。先ず、透過部材は、光が該透過部材を透過(貫通)する場合にその光の一部を反射させ光路を変更させる性質を有している。本実施形態では、ガラス板10が透過部材であるため図6(A)を参照し説明したように、例えば、物体固有の反射率を考慮せず、また、光センサの検出可能な所定距離範囲をある程度調整しなければ図6(B)に示すような誤検出を発生することとなる。投射光がガラス板10に衝突した際に、投射光の一部がパチンコ遊技機1の外部に放出されることなく内部に反射し、遊技機部品(例えば、特別図柄表示部9の表示面)に衝突し、その衝突による反射光の一部が再びガラス板10により反射され光センサの受光部で受光される。これにより、光センサは常に遊技機部品(例えば、特別図柄表示部9の表示面)を誤検出してしまう可能性が有り、本来必要とする遊技者の指が光路上に移動されているか否かの検出が不可能となる。
そこで、本実施形態では、上述した不都合を避けるために、光センサの検出可能となる反射率の範囲と所定距離範囲を独自に調節設定した光センサを使用している。これにより、センサ感度・検出精度の向上を実現している。
即ち、光センサの検出可能な反射率を人間の肌の反射率(約40パーセント)を含むように30パーセントから70パーセントの値に限定している。これにより、遊技者が反射率の高い白色の衣服を身に着けていたとしても反射率が高いため検出することはなく、逆に、遊技者が頭を下げた際に反射率の低い髪の毛を検出することもなく、光センサによる検出の精度を各段に向上させることができる。
また、光センサが物体の有無を検出できる所定距離範囲を遊技者の手が届く範囲の距離、例えば、ガラス板10の前面側表面から5cmまで等のように限定している。これにより、遊技中、遊技者の顔を光センサが検出してしまうことがなく検出の信頼性が向上する。
以上、独自の調節設定を行った光センサを使用した場合について、具体的に図6(C)を参照し説明する。
光センサから投射された投射光92は、ガラス板10に衝突し反射した投射光91が生じる。その投射光91は、その投射光路上に位置する可変表示装置8やその他遊技機部品にA点で衝突し、その後は図6(B)の説明と同様、光センサで受光されることとなる。しかし、本実施形態で用いる光センサは、A点までの距離を所定距離範囲内に含めないように調節設定しているため、可変表示装置8やその他遊技機部品を検出した旨の検出信号が出力される場合はない。
また、投射光92がガラス板10を透過し、本実施形態で用いる光センサが設定されている所定距離範囲内で、限定している反射率の範囲内に含まれる遊技者の指に衝突し、それにより反射する反射光93は受光され、遊技者の指を検出した旨の検出信号が光センサから出力される。
つまり、光センサの有効範囲を設定することで、ガラス板10により反射した投射光91の光路上に存在する遊技機部品等の設置されている範囲以外の所定距離範囲内に存在する遊技者の指のみを検出可能としている。これにより、パチンコ遊技機1の部品自体を検出してしまうことはなく、誤検出を完全に防止することができる。なお、本実施形態では、光センサの検出可能な所定距離範囲を調節したが、これに限らず、光センサの設置位置・設置方向を調節する場合でもよく、透過部材により反射された投射光路上の、遊技機部品が設置されている範囲以外の所定距離範囲の物体のみを検出可能にするものであればよい。
また、光センサの検出可能な反射率の数値を限定することで、光センサの設定されている反射率範囲内でなければ、投射光路上に物体が存在してもその物体を検出した旨の検出信号が光センサから出力されることはない。これにより、光センサに検出をさせようとする遊技者自らの意思がない場合には、前述したように遊技者の衣服や髪の毛を偶然誤って検出することもなく、極めて検出精度の高い状態で遊技を行うことができる。このように光センサの検出精度を高めることにより後述する図柄選択においても、左の選択肢を選択したにもかかわらず、右の選択肢を選択していたり又は何の選択もされていないといった不都合は生じず、図柄選択を十分に楽しむことができ、遊技に対する興趣をさらに増すことができる。
図7は、後述する図柄選択時の特別図柄表示部9の表示画面と光センサ61,62の検出可能範囲との関係を説明するための図であり、遊技者が正面位置から表示画面を見た場合を示している。より具体的には、図柄選択時に光センサ61,62の判定が有効になった場合のガラス板10前面における有効検出範囲を図面上だ円で囲い示している。本実施形態においては、光センサ61の有効検出範囲をガラス板10前面側で検出可能とし、かつ、その有効検出範囲を遊技者が正面位置から見た場合に左の選択肢の表示と重なるように設定している。光センサ62の有効検出範囲についても同様に右の選択肢の表示と重なるように設定している。即ち、遊技者が図柄選択画面の表示を見た場合に、特別図柄表示部9に表示される選択肢と光センサ61,62の有効検出範囲が互いに重なり合うようにそれぞれ設定されている。これにより、遊技者は、選択したい選択肢の表示を押すような感覚でガラス前面に指を移動させるだけで、目視することはできない光センサの有効検出範囲に指を自動的に移動させることができ、指を検出した光センサから検出信号が出力される。つまり、特別図柄表示部9の表示画像と光センサ61,62の有効検出範囲がそれぞれリンクするように設定しているため、遊技者にとって図柄選択時の遊技の進行方法・光センサの検出方法を容易に理解することができ興趣が増す。また、ガラス板10自体をタッチセンサにするよりも、安価かつ制御負担の軽減が図れる構成とすることができる。
さらに、本実施形態においては、図柄選択画面において表示されている左側と右側の選択肢の表示数に光センサの数を対応させている。これと同様に、選択肢が3つ以上ある場合でも、その選択肢に対応した光センサを検出させることで選択できる。これにより、1回の選択作業でいずれの選択肢についても選択可能となり、選択肢を複数設けた場合であっても選択作業が面倒になる不都合は生じず、図柄選択の選択肢の項目を多様に設定することが可能となる。なお、右側の光センサ62は、図柄選択の演出表示以外に後述する図柄停止の演出表示でも用いられ、遊技者の停止指示を検出する停止指示検出手段を構成するようになっている。
また、上述のように、複数の光センサを設けた場合であっても、各々の光センサの検出範囲が重ならないように設定設置しているため、複数の光センサにおいて同時に検出がなされる場合はなく誤検出の防止につながる。なお、本実施形態では、仮に複数の検出信号が同時に出力されたとしても、表示制御基板80には誤検出時事前決定処理手段が組み込まれており、誤検出が発生した場合は予め設定している入力値を採用するため、不都合は発生しない。
なお、光センサは、可変表示装置8に限らず、例えば、可変入賞球装置15等、遊技領域7内において遊技者が選択可能となる場所であればどのような場所に設けてもよい。前述したように光センサの所定距離範囲をガラス扉枠2のガラス板10より外部側に設定しておけば、打玉の流下経路途中であっても打玉を検出することはなく、遊技演出との関連性を考慮した場合にさまざまな配置パターンを実現でき、そのデザインを見た遊技者は該遊技台に興味を示し興趣を向上させることができる。
さらに、この本実施形態においては、次のような効果を得ることができる。前述のような遊技者による選択を検出するために、遊技者に非接触で選択の検出を行って選択に関する信号入力を行う光センサのような非接触入力手段を用いたことにより、物理的なスイッチ(例えば、押しボタンスイッチ)のように遊技者に接触する態様で選択の検出を行って選択に関する信号入力を行う接触入力手段を用いる場合と比較して、装置が物理的に破損するおそれが少なくなる。また、光センサのような非接触入力手段を遊技領域7に設けたことにより、遊技機の枠(例えば、ガラス扉枠2、前面枠2b)を共通化することができる。これにより、遊技機の機種変更を行う場合には遊技盤を新しいものに交換するに際して遊技枠毎新しいものに交換せずに遊技盤のみを交換することで足りるようにすることができる。
図8は、パチンコ遊技機1の遊技制御に用いられる乱数を生成するための各種ランダムカウンタを示す図である。図8は、ランダムカウンタの例として、R1、R2、R3−1、R3−2、R3−3、及びR4の乱数を発生させるためのランダムカウンタがそれぞれ示されており、このうちのR1、R2、R3−1、R3−2、R3−3が表示結果事前決定手段を構成している。
このパチンコ遊技機1は、前述した大当り状態を発生させるか否か等をランダムカウンタのカウント値(乱数)によりランダムに決定する。以下に、ランダムカウンタの代表例を示す。
R1は、特別図柄表示部9の表示結果に基づいて特定遊技状態としての大当りを発生させるか否かをランダムに決定するためのものである。
R2は、大当り事前決定時の停止図柄(左,中,右が同一の停止図柄)を決定するために用いられるランダムカウンタ(又は大当り図柄決定用乱数そのものを示す場合もある)である。
R3−1、R3−2、R3−3は、R1によりはずれと決定された場合に、特別図柄表示部9に停止表示される左、中、右のはずれ図柄を事前決定するために用いられるランダムカウンタである。
R4は、特別図柄が可変表示される際の変動種類(変動パターンの種類)を決定するためのランダムカウンタであり、0から加算更新されてその上限である250まで加算更新された後再度0から加算更新される。このR4は、タイマ割り込み毎(0.002秒毎)及び、割り込み処理余り時間毎に1ずつ加算される。なお、変動パターンについては、R1、R2、R3により抽出した値によって利用するテーブルの種類が決まり、R4により抽出された値を添字として対応するパターンテーブルをルックアップする。この点については後で詳述する。
以上に示したランダムカウンタは、カウンタ別に定められた抽出条件の成立に応じてランダムなタイミング(例えば始動入賞発生時等)でデータが抽出される。これにより、各ランダムカウンタから抽出されたデータは、ランダムな値(乱数値)になる。
なお、図示を省略したが、特別図柄表示部9の表示画面中で表示される普通図柄の表示結果もランダムカウンタにより決定される。そのランダムカウンタは、例えば、2msec毎に1ずつ加算されるものであり、0からカウントアップして上限である10までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す。このランダムカウンタのカウント値は、普通図柄の表示結果に基づいて発生する普通当りを発生させるか否かをランダムに決定するためのものである。ゲートスイッチ12によりゲート通過検出がされると、それに応じてランダムカウンタのカウント値が抽出される。そして、ゲート通過検出がされた場合は、その抽出されたランダムカウンタの値が、普通当り判定値(例えば「2」)と一致するか否かの判断がなされ、一致した場合に普通当りを発生させる制御が行われる。普通当りが決定された場合には、それに応じて普通当りに該当する停止図柄が決定され、はずれが決定された場合には、その他のランダムカウンタを用いて普通図柄の停止表示結果が決定される。
図9は、遊技制御基板31から表示制御基板80へ伝送される演出制御コマンドとしての表示制御コマンドデータとランダム3カウンタの抽出値との対応関係を記憶しているテーブルである。この図9のテーブルは、遊技制御基板31内のROM54により記憶されている。
コマンドデータは、2バイトデータで構成されており、上位1バイトによりMODEデータが構成され、下位1バイトによりEXTデータが構成されている。MODEデータは、当該コマンドデータが何を指令するデータかを大まかに特定するためのデータである。EXTデータは、コマンドの具体的内容を指定するためのデータである。
ランダム3−1〜ランダム3−3の抽出値が例えば「0」の場合には、EXTデータが00Hとなり、抽出値が「1」の場合にはEXTデータが01Hとなり、抽出値が「11」の場合にはEXTデータが0BHとなる。従って、例えばランダム3−3の抽出値が「5」であった場合には、表示コマンドは92H05Hとなる。
図10は、変動開始コマンドによって特定される可変表示装置8の可変表示の表示時間及び可変表示パターンを説明するための図である。変動開始コマンドは、MODEデータは「80H」であり、EXTデータは「01H」「02H」「03H」…「86H」「87H」であり、番号それぞれに対応する可変表示装置8の可変表示の表示時間はT1,T2,T3…T135,T136であり、また、可変表示パターンは、「通常変動はずれ」、「リーチAはずれ」、「リーチA当り」…「リーチFはずれ」、「リーチF当り」、「図柄選択当り」、「図柄選択はずれ」、「図柄停止確変当り」、「図柄停止非確変当り」等である。
図11は、パチンコ遊技機1の大当り制御を行うための概略を示すフローチャートである。先ず、0〜630の範囲でカウントするランダムカウンタR1のカウント数を抽出する。
高確率時(確変時)でない通常時では、その抽出値が「7」又は「269」のときには大当りを発生させることが事前決定され、R2からデータを抽出し、その抽出値に基づいて、特別図柄表示部9に表示される大当り図柄が決定される。一方、R1の抽出値が「7」又は「269」以外のときには、はずれが事前決定され、R3−1、R3−2、R3−3からデータを抽出し、その抽出値に基づいて特別図柄表示部9に表示されるはずれ図柄が決定される。ここで、この決定されたはずれ図柄が偶然ゾロ目の図柄であった場合には、R3−2の抽出値を「1」減算し、強制的にはずれ図柄にして表示制御する。
一方、高確率時(確変時)の場合には、R1の抽出値が7,139,269,311,353,395,437,509,581,623のときに大当り状態を発生させることが決定される。一方、高確率時においてランダム1の抽出値が上記カウンタ値以外のときに、はずれが事前決定される。
図12は、前述した変動パターンテーブルの選択決定処理の1例をフローチャートで示したものである。先ず、S1において、R1の抽出値が大当り状態を発生させるカウンタ値であるか、又は、はずれ状態となるカウンタ値であるか判断がなされる。
抽出値が大当り状態を発生させるカウンタ値であった場合は、S2により大当り用の変動パターンテーブルを選択し、選択した変動パターンテーブルをルックアップしR4により抽出された値の変動パターンが設定される。
抽出値がはずれ状態となるカウンタ値であった場合は、S3によりR2で抽出された値に基づき左・中・右の各図柄が設定され、S4において設定された各図柄がリーチ状態となり得るか否かを判断する。かかる判断によりS5、S6では、それぞれリーチはずれ用変動パターンテーブルかはずれ用変動パターンテーブルかのいずれかのテーブルを選択し、選択した変動パターンテーブルをルックアップしR4により抽出された値の変動パターンが設定される。
図13は、遊技制御基板31により実行される遊技制御メイン処理及び割込処理を示すフローチャートである。図13において、(A)は遊技制御メイン処理が示され、(B)に割込処理が示されている。この割込処理は、例えば2msec毎に1回実行される。
遊技制御メイン処理においては、SA1により、スタックポインタの設定がなされる。これは、スタックポインタの指定アドレスをセットするためのスタックセット処理である。次にSA2により、初期化処理が行われる。初期化処理では、RAM55にエラーが含まれているか判定され、エラーが含まれている場合には、RAM55を初期化すること及び各種フラグの初期化設定などの処理が行われる。さらに、初期化処理では、後述する割込処理を実行するタイミングを規定するタイマ割込時間(例えば2msec)をCPU56に設定する処理がなされる。これにより、電源投入等によるリセット後、初めての割込処理を行う際、実行タイミング規定のために計時が開始される。また、初期化処理においては、種々のタイマがセットされると共に、表示制御基板80のサブ基板初期化コマンドを出力する処理が行われる。
次に、確定図柄(予定停止図柄)を決定する等のためのR3、R4更新処理がSA3により行われる。このパチンコ遊技機1においては、可変表示装置8の可変表示での特別図柄の確定図柄が乱数(ランダムカウンタのカウント値)に基づいて決定される。このSA3では、そのように停止図柄を決定するための表示用乱数が更新される。次にSA4により、タイマ割込ありか否かの判断がなされる。タイマ割込がない場合にはSA3へ戻り、SA3とSA4とによる無限ループにより表示図柄乱数の更新処理が繰返し実行される。
一方、タイマ割込処理は、初期化処理で規定されたタイマ割込時間(例えば2msec)毎に実行され、SA17によりタイマ割込ありが設定され、SA18により割込許可処理がなされる。その結果、SA4によりYESの判断がなされ、SA5に進み、タイマ割込なしが設定され、SA6〜SA16の処理が実行されることとなる。このSA6〜SA16の処理が実行された後にはSA3へ制御が進み、SA5によるタイマ割込なしが設定されているために、SA3,SA4のステップを無限ループで繰返し実行することとなる。この状態で再度2msecの時間が経過すれば、タイマ割込処理によるタイマ割込ありの設定に従ってSA4によりYESの判断がなされて、SA5〜SA16の処理が実行されることとなる。
SA6では、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23等の状態を入力し、各入賞口や可変入賞球装置に対する入賞があったか否か等を判定するスイッチ処理がなされる。始動口スイッチ17により始動入賞が検出された場合には、このスイッチ処理において、始動記憶処理が実行される。
次に、SA7によりエラー処理がなされる。このエラー処理は、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断を行い、その結果に応じて必要ならば警報を発生させる等の処理である。
次にSA8へ進み、乱数更新処理がなされる。これは、遊技制御に用いられる各種の判定用乱数を示す各ランダムカウンタを更新する処理である。具体的には、R1のカウンタの更新処理である。
次にSA9へ進み、表示図柄乱数の更新処理が行われる。この処理は、SA3と同じ処理であり、具体的には、ランダム3−1,ランダム3−2,ランダム3−3を更新する処理である。
次にSA10へ進み、特別図柄プロセス処理がなされる。この特別図柄プロセス処理では、複数ある処理のうち1つが特別図柄プロセスフラグの値に従って選択されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中において更新される。次に、普通図柄プロセス処理がSA11により行われる。この普通図柄プロセス処理では、特別図柄表示部9の表示画面に表示される普通図柄の可変表示を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次にSA12に進み、特別図柄コマンド処理が実行される。この特別図柄コマンド処理は、前述した特別図柄表示用のコマンドデータを遊技制御基板31が表示制御基板80へ伝送する処理である。次にSA13へ進み、普通図柄コマンド処理が実行される。この普通図柄コマンド処理は、特別図柄表示部9の表示画面に表示される普通図柄の可変表示を表示制御するためのコマンドデータを遊技制御基板31が表示制御基板80に伝送する処理である。
次にSA14へ進み、情報出力処理がなされる。この情報出力処理は、情報出力回路60を介して前述した確変情報、大当り情報、始動情報を外部出力する処理である。次にSA15へ進み、ソレノイド出力処理がなされる。このソレノイド出力処理は、前述したソレノイド16,21を励磁制御するための制御信号をソレノイド回路59へ出力するための処理である。次にSA16へ進み、賞球処理がなされる。この賞球処理は、遊技制御基板31が賞球基板37に対し賞球個数信号と賞球可能信号とを送信して、賞品球の払出指令を行うための処理である。このSA16の後制御がSA3へ進む。
図14は、SA10により示された特別図柄プロセス処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理は、特別図柄用プロセスフラグの値に応じて、10種類の処理(SB1〜SB10)のうち、いずれかが実行されるように制御される。SB1〜SB10において、以下のような処理が実行される。
SB1において、特別図柄変動待ち処理が行われる。始動入賞口14(この実施の形態では可変入賞球装置15の入賞口)に打玉が入賞して始動口スイッチ17がオンするのを待つ。始動口スイッチ17がオンすると、始動入賞記憶数が満タンでなければ、始動入賞記憶数を「1」加算更新すると共に大当り判定用乱数を抽出する。
SB2において、特別図柄判定処理が行われる。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、抽出されている大当り判定用乱数の値に応じて、大当りとするかはずれとするかを決定する。
SB3において、停止図柄設定処理が行われる。左右中図柄の停止図柄を決定する。
SB4において、変動パターン設定処理が行われる。大当りか否かの判定結果及びリーチ判定用乱数の値等に応じた変動パターンテーブルをルックアップし、変動パターン決定用乱数の値に応じて変動パターンを決定する。即ち、図12等に示された処理が実行される。
SB5において、全図柄変動開始処理が行われる。特別図柄表示部9において全図柄が変動開始されるように制御する。このとき、表示制御基板80に対し表示制御コマンドとして、変動パターンコマンドと、左右中予定停止図柄(最終停止図柄)をそれぞれ指令する左,中,右の3つの停止図柄コマンドとが送信される。
SB6において、全図柄停止待ち処理が行われる。所定時間が経過すると、特別図柄表示部9において表示される全図柄が停止されるように制御する。また、全図柄停止のタイミングまで、所定のタイミングで左右図柄が停止されるように制御する。
SB7において、大当り表示処理が行われる。R1に基づく抽出値が大当り状態を発生させる値であった場合には、R2により抽出された値に対応した表示制御コマンドが表示制御基板80に送信されるように制御すると共に内部状態(プロセスフラグ)をステップSB8に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップSB10に移行するように更新する。また、遊技制御基板80の表示制御用マイクロコンピュータは表示制御コマンドのデータに従って、特別図柄表示部9に大当り表示を行う。大当り表示は遊技者に大当りの発生を報知するためになされるものである。具体的には、大当りが確率変動状態(特別遊技状態)を付随する確変大当りであるか否かを判別し、確変大当りでなければ通常大当り(非確変大当り)であることを示す表示を行う一方、大当りが確変大当りであれば確変大当りであることを示す表示を行う。
SB8において、大当り中ラウンド表示処理が行われる。特別図柄表示部9に大当り中のラウンドを表示する制御を開始する。
SB9において、大入賞口開放中V表示処理が行われる。大当り中ラウンド表示の表示制御コマンドデータを表示制御基板80に送信する制御等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、大当り遊技状態の継続条件が成立していれば内部状態をSB8に移行するように更新する。大当り遊技状態の終了条件が成立していれば、内部状態をSB10に移行するように更新する。
SB10において、大当り終了表示処理が行われる。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知するための表示を行う。この表示が終了したら、内部フラグ等を初期状態に戻し、内部状態をSB1に移行するように更新する。
前述したように、始動入賞口14に打玉が入賞すると、遊技制御基板31は、特別図柄プロセス処理において、大当りとするかはずれとするかの決定、停止図柄の決定、変動表示期間の決定等を行い、その決定に応じた表示制御コマンド及びINT信号を表示制御基板80に向けて出力する。表示制御基板80側の表示制御用マイクロコンピュータは、遊技制御基板31からの表示制御コマンドに応じて特別図柄表示部9の表示制御を行う。
図15は、(A)が表示制御メイン処理を示すフローチャートであり、(B)がタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。表示制御メイン処理においては、SC1において、初期化処理が行われる。この初期化処理においては、RAMに記憶されている記憶内容すべてが消去され、新たに各パラメータの初期値(例えば、「0」)が設定される。
次に、SC2においてタイマ割込フラグがセットされているか否かが判別される。タイマ割込フラグがセットされていなければSC2に戻り、タイマ割込フラグがセットされていれば、SC3に進みタイマ割込フラグをクリアしてからSC4においてコマンド解析処理を行う。SC4のコマンド解析処理においては、遊技制御基板31から送信されてきたコマンドを受信して、いかなるコマンドであるかを解析し、可変表示装置8に表示するための図柄をセットする処理が行われる。
次に、SC5においては、表示制御プロセス処理が行われる。この表示制御プロセス処理は、図19を用いて後述するが、可変表示装置8に表示させるための変動開始コマンド受信待処理、選択遊技判定処理、可変表示動作開始処理、図柄変動中処理、全図柄停止待ち処理、及び大当り表示処理等の処理が行われる。SC6においては、音・ランプ制御コマンド処理が行われる。この音・ランプ制御コマンド処理は、前述したように、遊技制御基板31から表示制御基板80に伝送されてきた変動パターンコマンドと特別図柄表示部9で表示されている演出の種類(ゲームモード)、さらに、光センサ61,62からの検出信号に基づき遊技音やランプ点灯パターンなどについてのコマンドの設定がなされ、それぞれ対応した音・ランプ制御基板に伝送される処理が行われる。これにより、同期のとれた演出を行うことができる。また、図15の(B)においてはタイマ割込処理が行われ、SC7においてタイマ割込フラグがセットされている。このタイマ割込は33msec秒毎に行われる。そして、SC8において、タイマ割込許可がなされてタイマ割込処理を終了する。なお、タイマ割り込み処理は、33msec経過する毎に1回行われる。
図16は、ランダムカウンタ抽出値成立条件を満たした場合、遊技制御基板31にコマンドを記憶するRAM55の記憶領域である図柄変動バッファ記憶領域を説明するための図である。ランダムカウンタ抽出値成立条件を満たす毎に、抽出値に対応する各図柄変動コマンドが記憶される。
図17は、遊技制御基板31から送信されてきたコマンドを記憶する表示制御用マイクロコンピュータのRAM(記憶領域)である受信コマンドバッファ記憶領域を説明するための図である。遊技制御基板31から送信されてきたコマンドを表示制御基板80が受信する毎に、受信個数カウンタが0からカウントアップされる。そして、コマンド受信個数カウンタが0のときには受信コマンドバッファ1が選択されて、その受信コマンドが記憶される。
図18は、遊技制御基板31から出力されてきたコマンドが入力された表示制御基板80において行われるコマンド解析処理を説明するためのフローチャートである。図18に示すコマンド解析処理においては、SD1〜SD8において、コマンド受信バッファに受信コマンドがあるか否か、左中右の図柄の指定コマンドであるか否かを判別し、各図柄停止格納エリアに図柄番号を格納する。
また、SD7において受信コマンドが右図柄指定コマンドでなければSD9に進み、受信コマンドが変動パターン決定用コマンドであるか否かが判別される。SD9において、受信コマンドが変動パターン決定用コマンドであれば、SD10において変動パターンコマンドエリアに図柄番号を格納してSD1に戻る。
また、SD9において受信コマンドが変動パターン決定用コマンドでなければ、SD11において受信コマンドがいかなるコマンドか判定して、対応したフラグをセットしてSD1に戻る。即ち、変動開始コマンドであれば変動開始コマンドに対応したフラグをセットし、図柄確定コマンドであれば図柄確定コマンドに対応したフラグをセットするのである。
図19は、表示制御プロセス処理を説明するためのフローチャートである。表示制御プロセス処理においては、SE1において変動開始コマンド受信待処理が行われる。変動開始コマンド受信待処理においては、コマンド受信割込処理によって、可変表示の時間及び可変表示パターンを特定可能な変動開始コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否かを確認する。さらに、受信していなかった場合には、客待ちデモ時プロセス処理を行う。
また、SE2においては、選択遊技判定処理が行われる。選択遊技判定処理においては、変動開始コマンド(変動パターンコマンド)に応じて、変動パターンコマンドが選択遊技可能となる特定変動パターン(「図柄選択当り」又は「図柄選択はずれ」の図柄選択演出用の変動パターン、あるいは「図柄停止確変当り」又は「図柄停止非確変当り」の図柄停止演出用の変動パターン)か、もしくは選択遊技を行うことができない通常の変動パターンかを判断し、変動パターンを設定する。
次に、SE3においては、可変表示動作開始設定処理が行われる。可変表示動作開始設定処理においては、変動パターンに対応したタイマをスタートさせ可変表示が開始されるように制御する。
次に、SE4においては、図柄変動中処理が行われる。図柄変動中処理においては、変動パターンを構成する各変動状態(選択遊技、変動速度や背景、キャラクタ)の切替タイミングを制御すると共に、変動時間の終了を監視する。選択遊技を行う場合はその場合の画面表示のタイミングを制御する。また左右図柄の停止制御を行う。
また、SE5においては、全図柄停止待ち処理が行われる。全図柄停止待ち処理においては、変動時間の終了時に、全図柄の停止を指示する図柄確定コマンドを受信していたら、図柄の変動を停止するための表示制御(図柄確定制御)を行う。また、SE6においては大当り表示制御処理が行われる。大当り表示制御処理においては、変動時間の経過後、確変大当り表示又は通常大当り表示するための制御を行う。
図20は、変動開始コマンド受信待ち処理を説明するためのフローチャートである。変動開始コマンド受信待ち処理においては、先ず、表示制御用マイクロコンピュータは、左中右の特別図柄の変動が開始される指示を行うと共に、可変表示時間及び可変表示パターンを特定可能な変動開始コマンドを受信したか否かが確認される(SF1)。SF1において、変動開始コマンドを受信していなければ、SF3においては、客待ちデモ時プロセス処理が行われる。客待ちデモ時プロセス処理においては、変動開始コマンド(変動パターンコマンド)を受信していない場合に処理が行われる。
ここで、客待ちデモ時とは、例えば、始動入賞があった場合に、その始動入賞に起因した特別図柄表示部9の導出動作が開始され、その後、可変表示の表示結果が表示されたにもかかわらず、その始動入賞以後に新たな始動入賞がないため、図柄の変動等が行われない状態時をいう。但し、大当り状態は始動入賞に起因して発生する状態であることと遊技状態が待機状態ではないため、客待ちデモ時には含まれない。
なお、電源投入後の未だ始動入賞が無い状態は、客待ちデモ時に含むと解する。例えば、午前10時にパチンコ遊技機1の電源を投入しその日の午前11時まで始動入賞が一度も無く図柄変動が行われていないため客待ちデモ時には含まれないようにもとれるが、そうではなく、前日の午後10時前後までは始動入賞があり図柄変動が行われていたと考えるのが通常であり、前日の最後の始動入賞後図柄変動が行われ表示結果が導出されたにもかかわらず新たに当日11時まで始動条件が成立していない待機状態であることとなる。
次に、変動開始コマンドを受信していれば、SF2において、プロセスフラグは選択遊技判定処理に設定されて変動開始コマンド受信待ち処理を終了するのである。この変動開始コマンドは、図10に示すいずれかである。従って、可変表示時間及び可変表示パターンを特定可能な変動開始コマンドを受信した場合には、表示制御プロセスフラグの値を選択遊技判定処理SE2に対応した値に変更するのである。
図21は、選択遊技判定処理を説明するためのフローチャートである。図18に示すように、選択遊技判定処理においては、SG1において、遊技制御基板31から送信されてきた受信コマンドが選択遊技実行可能な特定変動パターンコマンド(「図柄選択当り」又は「図柄選択はずれ」の図柄選択演出用の変動パターンコマンド、あるいは「図柄停止確変当り」又は「図柄停止非確変当り」の図柄停止演出用の変動パターンコマンド)か否かを判定し、SG2、SG3でその受信した変動パターンコマンドに対応した変動パターンを設定する。SG4において、プロセスフラグは可変表示動作開始処理に設定されて選択遊技判定処理を終了するのである。
図22は、可変表示動作開始設定処理を説明するためのフローチャートである。図22に示すように、可変表示動作開始設定処理においては、SH1において可変表示装置8の可変表示時間を計時するための可変表示時間タイマをスタートさせ、SH2において、設定された変動パターン及び可変表示時間で、可変表示装置8において表示結果を導出表示するための可変表示を開始する。次にSH3において、プロセスフラグを図柄変動中処理に設定してから可変表示動作開始設定処理を終了する。
図23は、図柄変動中処理を説明するためのフローチャートである。図柄変動中処理においては、SI1において、可変表示時間タイマがタイムアウトしているか否かが判別される。即ち、表示結果を導出表示するための可変表示を終了するタイミングであるか否かが判別される。SI1において可変表示時間タイマがタイムアウトしていればSI2に進み、プロセスフラグを全図柄停止待ち処理に設定してから図柄変動中処理を終了するが、SI1において可変表示時間がタイムアウトしていなければそのまま図柄変動中処理を終了する。
図24は、全図柄停止待ち処理を説明するためのフローチャートである。全図柄停止待ち処理においては、先ず、SJ1において、左中右の図柄を停止させるための確定コマンドを受信しているか否かが判別される。SJ1において確定コマンドを受信していなければ全図柄停止待ち処理をそのまま終了するが、SJ1において確定コマンドを受信していればSJ2に進み、確定図柄を表示する。次に、SJ3において、確定図柄が大当り図柄であるか否かが判別される。SJ3において確定図柄が大当り図柄であればSJ4に進み、プロセスフラグを大当り表示処理に設定してから全図柄停止待ち処理を終了するが、SJ3において確定図柄が大当り図柄でなければSJ5に進み、プロセスフラグを変動開始コマンド受信待ち処理に設定してから全図柄停止待ち処理を終了する。
次に、前述した選択遊技判定処理において「図柄選択当り」又は「図柄選択はずれ」の特定変動パターンコマンド(図柄選択演出用の変動パターンコマンド)と判定された場合に行われる図柄選択演出の具体的な表示画像について図25乃至図27を参照して説明する。なお、特別図柄表示部9は、図25(A)〜(C)に示すように、通常の図柄変動時、左・中・右の各可変表示部101,102,103を表示する通常表示態様で図柄変動を行うようになっており、最初に、通常の図柄変動として変動中の可変表示部101,102,103を左、右、中の順で停止していく。そして、図25(C)に示すように、左右の可変表示部101,103の停止時点でリーチ状態とすると(図25(C)中には、各可変表示部101,103に「7」の図柄を揃って停止したリーチ状態を例示)、図25(D)に示すように、リーチ図柄(「7・7」)を表示する左右の可変表示部101,103をそれぞれ縮小すると共に外側上部に移動させる。
次に、図25(E)に示すように、図柄変動中にある中央の可変表示部102に換えて、当りを決定し得る当り決定図柄104(「7」の図柄)と、はずれを決定し得るはずれ決定図柄105(「8」の図柄)を左右に並べて表示する。その後、図25(F)に示すように、当り決定図柄104とはずれ決定図柄105がそれぞれ卵の中に包まれて見かけ上同一の図柄(「?」が付された卵の図柄)に変化したような表示を行うことで、当り決定図柄104とはずれ決定図柄105を見かけ上同一となる選択肢画像としての左側図柄106と右側図柄107に置き換える。次いで、図25(G)(H)に示すように、これらの図柄106,107を高速でシャフルする表示を行い、シャフル終了後の左側図柄106と右側図柄107の表示に加えて「選択して下さい」の文字108を表示することで、あたかも当り決定図柄104とはずれ決定図柄105がシャフルされて、そのうちのいずれか一方(遊技者が「当り決定図柄」であろうと推測する側の図柄)を遊技者に選択させるような演出表示を行う。また、このような図柄選択の演出では、図柄の選択が可能な有効期間が予め設定されており、図26(A)に示すように、残りの有効期間を遊技者に報知するための残り時間報知部109(同図中には「のこり時間5秒」の文字表示を例示)が表示される。具体的には、表示制御基板80内の表示制御用マイクロコンピュータが前記光センサ61,62の検出有効期間を設定し、これを図柄選択の有効期間としている。また、本実施形態では、残り時間報知部109で有効期間のカウントダウン表示を行う構成としているが、この構成に限定するものではなく、遊技者が残りの有効期間を認識できるもの(例えば、有効期間の経過に伴って帯状の表示を徐々に縮小していく構成等)であればいずれの構成であってもよい。
次に、上記した図柄選択の有効期間内で光センサ61,62の検出に基づく左側図柄106又は右側図柄107の選択が行われると、図26(B)に示すように、選択された側の図柄が他方の図柄と差別化された表示態様に変化する。つまり、このときには、光センサ61からの検出信号又は光センサ62からの検出信号のいずれかが表示制御基板80に入力され、その入力された検出信号が光センサ61からのものか、あるいは光センサ62からのものかを表示制御基板80に搭載されたCPUにて判定し、いずれの選択肢画像(左側図柄106又は右側図柄107)が選択されたかを特定する。図26(B)中では、遊技者によって左側図柄106が選択され、該左側図柄106(「?」が付された卵の図柄)が光り輝く表示態様に変化した場合を例示している。なお、図柄選択の有効期間内で遊技者が図柄選択を行わなかった場合、言い換えれば、光センサ61,62の検出がなかった場合、左側図柄106が自動的に選択されるようになっている。また、実施形態中では、選択された選択肢画像(左側図柄106)を光り輝く表示態様に変化させることで、視覚的な差別化を図っているが、これに限らず、例えば、選択された選択肢画像にキャラクタを付加表示する等して差別化してもよい。その後は、図26(C)に示すように、選択されなかった右側図柄107が消えると共に、選択された左側図柄106が特別図柄表示部9の中央の表示領域に移動され、次いで、図26(D)に示すように、中央に移動した左側図柄106がひび割れる表示を行う。
そして、前記特定変動パターンコマンドが「図柄選択当り」の場合、言い換えれば前記R1の抽出値によって大当りが決定され、且つ図柄選択の演出表示を実行する場合は、図26(E)に示すように、ひび割れた左側図柄106の中から当り決定図柄104(「7」の図柄)が現れた表示を行う。その後は、図26(F)に示すように、特別図柄表示部9の表示態様を通常表示態様に戻すと共に、各可変表示部101,102,103に大当り図柄(「777」)を表示して最終的な表示結果を導出し、次いで、図26(G)に示すように、大当りとなった旨を遊技者に報知する「大当り」の文字110を特別図柄表示部9の画面全体に表示する。一方、特定変動パターンコマンドが「図柄選択はずれ」の場合、言い換えれば前記R1の抽出値によってはずれが決定され、且つ図柄選択の演出表示を実行する場合は、図27(A)に示すように、ひび割れた左側図柄106の中からはずれ決定図柄105(「8」の図柄)が現れた表示を行う。その後は、図27(B)に示すように、特別図柄表示部9の表示態様を通常表示態様に戻すと共に、各可変表示部101,102,103にはずれ図柄(「787」)を表示して最終的な表示結果を導出する。
なお、上記した実施形態では、「図柄選択当り」及び「図柄選択はずれ」のいずれの場合においても、選択肢画像を2つに設定しているが、この構成に限定するものではない。例えば、「図柄選択はずれ」の場合には、「図柄選択当り」の場合に比べて選択肢画像の数を多く設定するようにしてもよい(例えば、「図柄選択当り」の場合は2つの選択肢画像を設定する一方、「図柄選択はずれ」の場合は4つの選択肢画像を設定する)。こうすることで、大当りとなる期待感を視覚的に向上することができる。また、大当りが事前決定されたときにのみ選択可能な演出表示として、選択肢画像に変化する前の図柄を全て当り決定図柄で表示するようにしてもよい。こうすることで、視覚的に大当りへの期待感を向上することができる。
次に、前述した選択遊技判定処理において「図柄停止確変当り」又は「図柄停止非確変当り」の特定変動パターンコマンド(図柄停止演出用の変動パターンコマンド)と判定された場合に行われる図柄停止演出の具体的な表示画像について図28及び図29を参照して説明する。最初に、図28(A)〜(D)に示すように、通常の図柄変動として変動中の可変表示部101,102,103を左、右、中の順で停止していく。そして、図28(D)に示すように、各可変表示部101,102,103の変動を停止して、はずれ図柄(「766」)を仮の停止図柄として一旦表示する。
次に、図28(E)に示すように、仮の停止図柄(「766」のはずれ図柄)に換えて、図柄停止の演出表示態様として、特定情報画像としての特定図柄(確変大当りを決定し得る「○」の確変決定図柄110aと非確変大当りを決定し得る「×」の非確変決定図柄110b)を縦スクロールで変動する特定可変表示部110と、右側の光センサ62の有効検出範囲がリンクするように設定された図柄停止ボタン画像111と、「大当り直撃」及び「図柄を止めて下さい」の各文字112,113と、前記残り時間報知部109と同様に図柄の停止指示が可能な残りの有効期間を遊技者に報知するための残り時間報知部114(同図中には「のこり5秒」の文字表示を例示)と、が表示される(特定演出表示手段)。具体的に、表示制御基板80内の表示制御用マイクロコンピュータが光センサ62の検出有効期間を設定し、これを図柄停止の有効期間としている(演出表示期間設定手段)。
次に、上記した図柄停止の有効期間内で図柄停止ボタン画像111の前方に遊技者が指を移動させると、これを遊技者の停止指示として光センサ62が検出する。つまり、このときには、光センサ62からの検出信号が表示制御基板80に入力されたか否かを表示制御基板80に搭載されたCPUにて判定する(判定手段)。そして、このような光センサ62による停止指示の検出タイミングに応じて特定図柄の変動を停止する(停止手段)。このとき、前記特定変動パターンコマンドが「図柄停止確変当り」の場合、言い換えれば前記R1及びR2の抽出値によって確変大当りが決定され、且つ図柄停止の演出表示を実行する場合は、図28(F)に示すように、「○」の確変決定図柄110aを停止表示すると共に、最終的な表示結果として確変大当り図柄115(同図中では「777」の確変大当り図柄を例示)を表示する。その後は、図28(F)に示す特定図柄の変動を停止した(確変決定図柄110aを停止表示した)図柄停止の演出表示から、図28(G)に示す特別図柄の表示結果等を表示する所定の演出画像(同図中では、確変大当り図柄115と「確変大当り」の文字116を表示する画像を例示)に切り換えて表示する(画像切換手段)。
一方、特定変動パターンコマンドが「図柄停止非確変当り」の場合、言い換えれば前記R1及びR2の抽出値によって非確変大当りが決定され、且つ図柄停止の演出表示を実行する場合は、図29(A)に示すように、「×」の非確変決定図柄110bを停止表示すると共に、最終的な表示結果として非確変大当り図柄(通常大当り図柄:同図中では「666」の非確変大当り図柄を例示)117を表示し、その後は、図29(B)に示す特定図柄の変動を停止した(非確変決定図柄110bを停止表示した)図柄停止の演出表示から、図29(B)に示す特別図柄の表示結果等を表示する所定の演出画像(同図中では、通常大当り図柄117と「通常大当り」の文字118を表示する画像を例示)に切り換えて表示する。なお、図柄停止の有効期間内で遊技者が図柄停止の指示を行わなかった場合、言い換えれば、光センサ62による停止指示の検出がなかった場合、予め定めた所定のタイミングで特定図柄の変動を停止するようになっている。但し、このような場合でも、停止表示される特定図柄は、R2の抽出値によって決定された確変・非確変に応じた確変決定図柄110aあるいは非確変決定図柄110bが停止表示されるようになっている。
次に、上記した光センサ62による停止指示の検出とこれに応じた図柄停止の演出表示画面について図30(A)(B)を参照して説明する。先ず、図30(A)に示すように、特別図柄表示部9で通常の図柄変動が行われて仮の停止図柄が一旦停止表示されると、この時点で前記図28(E)に示した特定可変表示部110や図柄停止ボタン画像111等を表示する図柄停止の演出表示態様(特定図柄を変動する表示態様A)に切り換える。なお、特定可変表示部110での特定図柄の変動は、表示態様Aに切り換わると同時に開始される。また、演出表示態様Aに切り換わり図柄停止ボタン画像111が表示されるのと同時に、光センサ62による停止指示の検出が有効となり、その有効となった時点から予め定めた時間T1が経過するまでの期間を光センサ62の検出有効期間T1として設定する。
そして、検出有効期間T1内において表示態様Aでの表示開始、言い換えれば特定図柄の変動開始から時間t1が経過した時点で光センサ62による停止指示の検出があると(光センサ62がONすると)、これと同時に表示態様Aを前記図28(F)あるいは図29(A)に示した特定図柄の変動を停止した表示態様Bに切り換える。また、このとき、時間(検出有効期間)T1は経過していないが、停止指示の検出と同時に光センサ62による停止指示の検出を無効に切り換える。その後は、特定図柄の変動開始(表示態様Aでの表示開始)から予め定めた時間T2が経過するまでの期間を図柄停止の演出表示期間T2として表示態様Bでの表示を継続し、時間(演出表示期間)T2が経過した時点で前記図28(G)あるいは図29(B)に示した特別図柄の表示結果等を表示する所定の演出画像(表示態様C)に切り換えて表示する。
次に、特定図柄の変動開始から時間t2が経過した時点で光センサ62による停止指示の検出があった場合について図30(B)を参照して説明する。但し、時間t2は、t1<t2<T1の不等式を満たす値とする。即ち、図30(B)は、光センサ62による停止指示の検出が検出有効期間T1内であり、且つ前記図30(A)に示した検出タイミングよりも遅く行われた場合を例示している。図30(B)に示すように、特別図柄表示部9で通常の図柄変動が行われて仮の停止図柄が一旦停止表示されると、この時点で特定図柄を変動する表示態様Aに切り換える。その後、検出有効期間T1内において特定図柄の変動開始から時間t2が経過した時点で光センサ62による停止指示の検出があると(光センサ62がONすると)、これと同時に表示態様Aを特定図柄の変動を停止した表示態様Bに切り換えると共に、光センサ62による停止指示の検出を無効に切り換える。即ち、前記図30(A)の場合では、時間t1が表示態様Aの表示時間となるのに対して、図30(B)の場合では、時間t2が表示態様Aの表示時間となる。
そして、時間(演出表示期間)T2が経過するまで表示態様Bでの表示を継続し、時間(演出表示期間)T2が経過した時点で所定の演出画像となる表示態様Cに切り換えて表示する。即ち、前記図30(A)の場合では、時間T2−t1が表示態様Bの表示時間となるのに対して、図30(B)の場合では、時間T2−t2が表示態様Bの表示時間となる。このように、本実施形態では、図柄停止の演出表示において、特定図柄を停止表示する時間(表示態様Bの表示時間)を停止指示の検出タイミングに応じて調整することで、特定図柄の変動(表示態様Aの表示)を開始してから所定の演出画像(表示態様C)に切り換えるまでの時間を演出表示期間T2として一定に設定している。
つまり、本実施形態では、遊技制御基板31にて大入賞口20を開閉する駆動制御や図柄の変動を開始させるためのコマンドを送信する処理を行う。このため、表示制御基板80に入力される光センサ61,62からの検出信号(指示検出)の入力タイミングによって特定図柄の変動時間が変化してしまう(演出表示期間T2が一定でなくなる)ようでは、遊技制御基板31側でいつ変動が停止するか(演出表示期間が終了するか)が確認できなくなってしまい、当該変動による表示結果が大当りとなる場合には大入賞口20を開放するタイミングが大当りの表示とズレてしまう状態や、当該変動による表示結果がハズレとなる場合には次の変動を開始するコマンドを前の変動が終了しないうちに送信してしまう状態等の不具合が生じることとなる。
以上のように、本実施形態の構成によれば、始動条件の成立に基づいて表示結果をその導出表示以前に決定する表示結果事前決定手段(遊技制御基板31による制御)と、識別情報画像(特別図柄)と、所定条件の成立(図柄停止演出用の変動パターンコマンドとなる特定変動パターンコマンドが変動パターン設定処理にて選択され、そのコマンドを表示制御基板80が受信すること)に基づいて行われる特定演出(図柄停止演出)において可変表示される複数の特定情報画像(特定図柄としての確変決定図柄110a及び非確変決定図柄110b)とを含む画像データを記憶する画像データ記憶手段(表示制御基板80のCGROM)と、前記画像データに基づいて画像表示装置としての特別図柄表示部9の演出表示を制御する演出画像表示制御手段(表示制御基板80のCPU)と、前記特定情報画像の可変表示を停止させる遊技者の停止指示の有無を検出するための停止指示検出手段(光センサ62)と、を備え、前記演出画像表示制御手段は、前記所定条件が成立したときに複数の特定情報画像の可変表示を開始させる特定演出表示手段と、前記停止指示検出手段の検出に基づいて遊技者の停止指示の有無を判定する判定手段と、該判定手段により遊技者の停止指示があった旨の判定がなされると、前記表示結果事前決定手段によって決定された表示結果と対応する特定情報画像を停止表示する停止手段と、該停止手段によって特定情報画像が停止表示された後に前記停止表示された特定情報画像を所定の演出画像に切り換える画像切換手段と、前記停止指示検出手段による前記停止指示の検出タイミングに関わらず、前記特定情報画像の可変表示を開始してから前記所定の演出画像に切り換えるまでの時間(演出表示期間T2)を一定にする演出表示期間設定手段と、を含むことを特徴とする。このように構成することにより、遊技者の停止指示に応じて特定情報画像の可変表示を停止し得る画像表示装置の構成において、特定情報画像の可変表示開始から所定の演出画像(次の演出表示)に移行するまでの時間を一定とすることで、画像表示制御における特定演出の時間の管理を統一化し、制御負担を軽減することができる。
また、前記所定条件の成立は、前記表示結果事前決定手段によって前記特定表示結果となる旨が決定されたことを含むことを特徴とする。このように構成することにより、特定情報画像の演出表示を行った場合は特定遊技状態が発生するので、特定情報画像の演出表示に対する遊技者の期待感を向上することができる。
また、前記特定表示結果は、前記特定遊技状態終了後に遊技者にとって有利な特別遊技状態の発生条件となる特別表示結果(確変大当り図柄)を含み、前記複数の特定情報画像は、前記特別表示結果と対応する特定情報画像(確変決定図柄110a)と前記特別表示結果と対応しない特定情報画像(非確変決定図柄110b)とからなることを特徴とする。このように構成することにより、特定情報画像の演出表示によって特別遊技状態を発生するか否かを決定する構成となるので、特定情報画像の演出表示に対する遊技者の期待感をより一層向上することができる。
また、前記特定演出表示手段は、前記特定表示結果以外の表示結果が仮の表示結果として一旦停止表示された後に、前記複数の特定情報画像の可変表示を開始させる手段を含むことを特徴とする。このように構成することにより、遊技者に対して一旦はずれになったと思わせた後に特定情報画像の演出表示を行う構成となるので、遊技の射幸性を向上することができる。
また、前記演出表示期間設定手段は、前記特定情報画像を停止表示する時間を前記停止指示の検出タイミングに応じて調整することで、前記特定情報画像の可変表示を開始してから前記所定の演出画像に切り換えるまでの時間を一定にすることを特徴とする。このように構成することにより、動画を用いない画像で時間調整することができるので、画像表示制御における制御負担をより一層軽減することができる。
また、前記演出画像表示制御手段は、前記特定情報画像の停止表示に応じて前記表示結果事前決定手段によって決定された表示結果としての識別情報を表示する手段を含むことを特徴とする。このように構成することにより、特定情報画像の停止結果を遊技者に認識させ易くできる。
なお、上記した実施形態では、図柄停止の演出表示を行う場合、一旦はずれ図柄を仮の停止図柄として表示した後、確変大当りあるいは非確変大当りのいずれかを決定する構成としているが、これに限定するものではない。例えば、図柄停止の演出表示によって大当り図柄あるいははずれ図柄のいずれかを決定するようにしてもよい。また、非確変大当り図柄を仮の停止図柄として表示した後に、確変大当りあるいは非確変大当りのいずれかを決定する図柄停止の演出表示を行うようにしてもよい。
また、実施形態中の弾球遊技機1は、始動入賞に基づいて特別図柄表示装置9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種弾球遊技機であったが、始動入賞に基づいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種弾球遊技機や、始動入賞に基づいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生又は継続する第3種弾球遊技機であっても、本発明を適用できる。さらには、画像表示装置を備えたスロットマシンであってもよい。また、実施形態中では、画像表示装置としての特別図柄表示部9を液晶(LCD)タイプの表示器で構成しているが、特にこれに限定するものではなく、CRT、LED、VFD、EL、あるいはプラズマによる表示器で画像表示装置を構成してもよい。
また、本実施形態では、特別遊技状態を特別図柄及び普通図柄の確率変動制御としているが、これに限定するものではなく、遊技者に有利となる遊技制御を特別遊技状態とすればよい。以下、この遊技制御を大当りに直接的には拘らないものと大当りに直接的に拘るものとに分けて説明する。即ち、特定遊技状態に加える特別遊技状態とは、特定遊技状態とは別の特別遊技状態のことであってもよいし、また特定遊技状態を含む特別遊技状態のことであってもよい。先ず、大当りに直接的には拘らない遊技制御としては、特別図柄乃至普通図柄に対しての時間短縮制御又は確率変動制御、電役(例えば、普通可変入賞球装置)の開放期間の延長制御、特別図柄乃至普通図柄に対しての始動通過領域の増設制御(例えば、普通入賞口を特別図柄の始動入賞口として設定変更する制御)、賞球数の増加制御(例えば、入賞に伴う賞球を通常時の13個から15個に増加する制御)、あるいは所定領域への通過率向上制御(例えば、始動入賞口の上流側に打玉規制装置を設け、該打玉規制装置の作動により始動入賞率を向上する制御)を特別遊技状態とすることができ、さらには前記第3種に本発明を適用した場合には、特定領域への入賞率向上制御を特別遊技状態としてもよい。一方、大当りに直接的に拘る遊技制御としては、ラウンド数の向上制御、カウント数の向上制御、大入賞口の開放延長制御、あるいは大入賞口への入賞に伴う賞球数の増加制御を特別遊技状態とすることができる。なお、上記した遊技制御を組合せて特別遊技状態とすることもできるのは言うまでもない。