JP4325975B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技盤の遊技領域に設けられ且つ所定の始動条件の成立に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報画像の可変表示を行い表示結果を導出表示する画像表示装置と、前記始動条件の成立に基づいて前記表示結果をその導出表示以前に決定する表示結果事前決定手段と、を備え、該表示結果事前決定手段が表示結果を特定表示結果とすることを決定したときに前記画像表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般に、可変表示装置を備えた遊技機としての例である弾球遊技機は、可変表示装置で図柄(識別情報画像)を可変表示(これを変動ともいう)し、その表示結果が予め定めた大当り図柄(特定表示結果)となったことを条件に特定遊技状態を発生するようになっていた。このような弾球遊技機では、始動入賞口への遊技球の入賞時に予め当り外れを判定し、その後、その判定結果に基づいた表示結果を可変表示装置に導出表示するようになっていた。また、可変表示装置を画像表示装置によって構成し、リーチ時等の演出表示としてキャラクタ等の画像を表示することで、視覚的な興趣を向上するものや、遊技者のボタン操作により図柄の変動パターンを変化させるもの(例えば、特許文献1参照)が提案されていた。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−17658号公報(第4−13頁、図12)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1の構成では、遊技者のボタン操作によって図柄の変動パターンを変化させると共に、図柄の停止タイミングを通常時(ボタン操作がないとき)に比べて早める、言い換えれば図柄の変動時間を通常時に比べて短縮する構成となっていた。このため、可変表示装置を画像表示装置によって構成した場合、遊技者のボタン操作タイミングにより次の演出画像に移行するまでの時間にばらつきが出てしまい、画像表示制御において複雑な時間管理が必要となることから、画像表示制御に多大な制御負担がかかっていた。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、遊技者の選択指示に応じてリーチ演出の選択が可能な画像表示装置を備えた遊技機において、識別情報画像の可変表示開始から可変表示終了までの時間を一定にすることで、画像表示制御における制御負担を軽減することができる遊技機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明においては、遊技盤の遊技領域に設けられ且つ所定の始動条件の成立に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報画像の可変表示を行い表示結果を導出表示する画像表示装置と、前記始動条件の成立に基づいて前記表示結果をその導出表示以前に決定する表示結果事前決定手段と、を備え、該表示結果事前決定手段が表示結果を特定表示結果とすることを決定したときに前記画像表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる遊技機であって、前記識別情報画像を含む画像データを記憶する画像データ記憶手段と、前記画像データを用いて前記画像表示装置の表示を制御する表示制御手段と、遊技者の操作を検出する検出手段と、前記遊技領域を透視可能にその前面側を覆い且つ前記画像表示装置の表示画面と対向するように設けられたガラス板と、を備え、前記表示制御手段は、所定条件が成立すると前記可変表示中において複数種類の選択肢画像を表示する選択肢画像表示手段と、前記検出手段の検出に基づいて遊技者がいずれの選択肢を選択したかを判定する判定手段と、該判定手段の判定結果に対応する選択結果を表示する選択結果表示手段と、異なった演出時間である複数種類のリーチ演出画像のうち遊技者の選択結果に対応するリーチ演出画像を表示するリーチ演出手段と、前記選択結果表示手段により選択結果が表示された後にリーチ演出画像に移行するまでの時間を、選択されたリーチ演出画像の表示時間に応じて変化させることで、いずれのリーチ演出画像が選択された場合においても識別情報画像の可変表示開始から可変表示終了までの時間を一定にする表示時間設定手段と、を含み、前記検出手段は、前記画像表示装置の前記表示画面の外周を覆う飾り部材に、前記表示画面に対し該表示画面に傾けて斜めに設置された投射光を発する投光部と該投光部の光路上の物体により反射した光を受光する受光部とを有し、前記投光部から前記ガラス板に対して斜めに発する投射光の光路上における所定の検出範囲に前記物体があるか否かを検出可能であって、前記投射光のうち前記ガラス板を透過した投射光の光路上における前記検出範囲が、前記ガラス越しに前記表示画面を正面から視認したときに前記選択肢画像の表示位置と重畳する光センサからなり、前記投光部及び前記受光部は、前記投射光のうち前記ガラス板により反射した投射光の光路上における前記検出範囲に前記表示画面やその他の遊技機部品も入らない位置及び向きとなるように前記飾り部材に設置されていることを特徴とする。このように構成することにより、遊技者の操作に応じてリーチ演出の選択が可能な画像表示装置の構成において、識別情報画像の可変表示開始から可変表示終了までの時間を一定とすることで、画像表示制御におけるリーチ演出の時間の管理を統一化し、制御負担を軽減することができる。また、遊技者は、選択したい選択肢の表示を押すような感覚でガラス前面に指を移動させるだけで、目視することはできない光センサの有効検出範囲に指を自動的に移動させることができ、指を検出した光センサから検出信号が出力されるため、遊技者にとってリーチ選択時の遊技の進行方法・光センサの検出方法を容易に理解することができ興趣が増す。また、ガラス板自体をタッチセンサにするよりも、安価かつ制御負担の軽減が図れる構成とすることができる。
【0006】
また、請求項2の発明においては、前記表示制御手段は、前記検出手段の検出に基づいて表示するリーチ演出画像を決定することを特徴とする。このように構成することにより、遊技者の操作がそのままリーチ演出に反映されるので遊技者参加型の遊技内容となり、ひいては遊技の演出効果を高めることができる。
【0007】
また、請求項3の発明においては、前記選択肢画像表示手段は、前記リーチ演出画像の一部を前記選択肢画像で表示するデータとして用いることを特徴とする。このように構成することにより、リーチ演出画像を選択肢画像で表示するデータとして活用することでデータ量を軽減することができ、然も同一データを使用することで、リーチ選択の内容を遊技者に分り易くできる。
【0008】
また、請求項4の発明においては、前記画像データ記憶手段は、前記リーチ演出画像のデータを動き補償予測符号化による圧縮データを含む動画像データとして格納する圧縮データ格納手段を含み、前記表示制御手段は、前記動画像データを伸張するデータ伸張手段と、該データ伸張手段により伸張された動画像データに基づいて生成される画像を順次表示させるデータ再生手段と、前記動画像データに含まれる静止表示対象画像データを表示させる静止画像再生処理手段と、を含み、前記リーチ演出画像は、前記データ再生手段により表示され、前記選択肢画像は、前記静止画像再生処理手段により表示されることを特徴とする。このように構成することにより、データの再生時以外では、リーチ演出画像のデータを圧縮データとして記憶しておくため、予め記憶しておくデータ量をより一層軽減することができる。然も、この構成によれば、リーチ演出画像と選択肢画像の表示において同一データを使用することで、リーチ選択の内容を遊技者に分り易くできる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0010】
先ず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面から見た正面図、図2はパチンコ遊技機1の遊技領域を正面から見た正面図、図3はパチンコ遊技機1の内部構造を示す全体背面図である。
【0011】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、縦長な方形状に枠組形成される外枠2aと、該外枠2aの内側に開閉可能に軸支されかつパチンコ遊技機1の主要構成部が集約して設けられる前面枠2bと、該前面枠2bの前面上部に開閉自在に軸支されて設けられる額縁状のガラス扉枠2とから構成されている。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿3が設けられている。前面枠2bにおいて、打球供給皿3の下部には、打球供給皿3から溢れた貯留球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。また、ガラス扉枠2の後方に位置する前面枠2bには、前面側に遊技領域7が形成された遊技盤6が着脱可能に設けられている。前面枠2b及びガラス扉枠2は、パチンコ遊技機1の正面から見て左側の端部において軸支され、軸支位置を開閉軸として開閉される。ガラス扉枠2には、遊技盤6の遊技領域7をほぼ透視し得る透視窓が開設され該透視窓の裏面からガラス板が装着されている。遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカー27が設けられている。遊技領域7の外周には、遊技効果ランプ28a,28b,28cが設けられている。
【0012】
図2に示すように、遊技領域7の中央付近には、液晶表示器よりなる特別図柄表示部9と遊技演出に合わせて作動する役物キャラクタ64とリーチ選択遊技画面で遊技者からの選択指示(遊技者の操作)を検出する検出手段としての光センサ61,62,65とを含む可変表示装置8が設けられている。なお、光センサについては図5等を用いて詳述する。
【0013】
また、特別図柄表示部9の表示画面には、始動記憶の表示と普通図柄の可変表示が演出内容・図柄変動等と合わせて表示されるように構成されている。この始動記憶の表示点灯数により、識別情報としての特別図柄を始動させるための始動入賞口14への入賞数が記憶されている数を遊技者は認識できる。また、遊技領域内にはゲート通過記憶表示器40が設けられている。このゲート通過記憶表示器40のLEDの点灯している数により、普通図柄を始動させるための通過ゲート11への遊技球の通過数が上限を4として記憶されていることが表示される。
【0014】
遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点灯表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。
【0015】
遊技が開始された際の打球発射装置34から発射された打玉は、誘導レール76を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を流下してくる。打球が通過ゲート11を通ってゲートスイッチ12で検出されると、特別図柄表示部9内に表示される普通図柄の表示が変動する状態になる。また、打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ17で検出されると、図柄の変動を開始できる状態であれば、特別図柄表示部9内の図柄回転を始める。図柄の変動を開始できる状態でなければ、特別図柄表示部9内に表示される始動入賞記憶の表示点灯数を1増やす点灯表示がなされる。
【0016】
特別図柄表示部9内の映像の回転(以下、これを特図ゲームともいう)は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の画像の組合せ(例えば、111,777等のゾロ目)が大当り図柄の組合せであると、大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行する。即ち、大入賞口20が、一定時間経過するまで、又は、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、大入賞口20の開放中に打球が特定入賞領域に入賞しVカウントスイッチ22で検出されると、継続権が発生し大入賞口20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
【0017】
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図3を参照して説明する。パチンコ遊技機1の遊技盤6の裏側には、前面枠2bが設けられており、さらに向かって手前に機構板36が備えられている。前面枠2bには、特別図柄表示部9の表示制御を行う表示制御基板80、基板ケース32に覆われ遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板31、及びパチンコ玉の払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された賞球基板37が設置されている。さらに、モータの回転力を利用して打玉を遊技領域7に発射する打球発射装置34と、スピーカー27及び遊技効果LED・ランプ28a,28b,28cに信号を送るためのランプ制御基板35が設けられている。一方、機構板36の上部には玉タンク38が設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方からパチンコ玉が玉タンク38に供給される。玉タンク38内のパチンコ玉は、誘導樋39を通って玉払出装置に供給される。
【0018】
図4は、遊技制御基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。また、図4には、払出制御基板37、ランプ制御基板35、音制御基板70、及び表示制御基板80が示されている。遊技制御基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ53と、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ19、満タンスイッチ41、球切れスイッチ42、球切れ検出スイッチ43、及び賞球カウントスイッチ44からの信号を遊技制御用マイクロコンピュータに与えるスイッチ回路58と、入賞球装置15を開閉するソレノイド16と大入賞口20の開閉板を開閉するソレノイド21及び役物キャラクタ64を作動させるソレノイド13を遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
【0019】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM55、制御用プログラムに従って制御動作を行うCPU56及びI/Oポート部57を含む遊技制御用のマイクロコンピュータである。この実施の形態ではROM54,RAM55はCPU56に搭載されている。即ち、CPU56は1チップマイクロコンピュータである。なお、CPU56とROM54,RAM55とは1チップ化されていなくてもよい。つまり、ROM54、RAM55及びI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、マイクロコンピュータにおける情報入出力可能な端子である。
【0020】
また、本実施形態における特別図柄を可変表示する特別図柄表示部9の表示制御は、表示制御基板80に搭載されている表示制御用マイクロコンピュータによって行われる。遊技制御基板31から表示制御基板80には、可変表示装置8の表示,ランプの点灯,遊技音発生等の演出の制御に関する指令情報として表示制御コマンドが伝送される。表示制御基板80では、伝送されてきた表示制御コマンドに応じて特別図柄表示部9の表示制御を行う。さらに、表示制御基板80は、光センサ61,62,65で検出された信号が入力され、その指定値により後述する演出態様等の変更を行うことができる。また、表示制御基板80では、その伝送されてきた表示制御コマンドの解析がなされ、選択されている演出,光センサ61,62,65からの入力信号等に基づいてランプ・音制御コマンドを設定し、それぞれランプ・音制御制御基板に出力される。
【0021】
ところで、表示制御基板80は、遊技制御基板31から出力される表示制御コマンドデータ(変動パターンコマンド)に基づいて特図ゲームに用いられる画像を特別図柄表示部9上に表示する。このため、表示制御基板80は、表示制御手段としての画像処理プロセッサであるGCL(Graphics Controller LSI)と、動画圧縮・伸張部と、キャラクタのデータを格納する画像データ記憶手段としてのCGROMと、フレームバッファ、キャラクタのソースデータ、パレットデータを格納するSDRAM(VRAM:Video RAM)と、特別図柄表示部9に信号を出力するための表示制御部及びDACとを備えている。なお、GCLは、描画順序や、色数、拡大縮小率、パレット番号、座標等を指定するためのパラメータとなるアトリビュートを解析するためのアトリビュート解析部、SDRAMにおけるアドレス情報を生成するためのVRAMアドレス生成部、クリッピング部、半透明輝度変調部、パレットバッファ、CGデータバッファから構成されている。
【0022】
また、ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段ではランプ制御用マイクロコンピュータにより、遊技効果LED28a、賞球ランプ51、球切れランプ52、ゲート通過記憶表示器40、役物飾りランプ63及び、装飾ランプ25の点灯制御が行われる。即ち、表示制御基板80から伝送されるランプ制御コマンド等の情報にしたがい、ランプ制御用マイクロコンピュータがランプ制御コマンドに応じて制御対象機器を駆動する制御を行う。
【0023】
また、音制御基板70には、音制御用マイクロコンピュータが搭載されており、この音制御用マイクロコンピュータが、音制御コマンドに応じてスピーカー27からの出力される遊技音等の制御を行う。表示制御基板80から伝送される音制御コマンド等の情報にしたがい、音制御用マイクロコンピュータが、音制御コマンドに応じて制御対象機器を駆動する制御を行う。
【0024】
図5は、本実施形態による可変表示装置8を右上から見た斜視図を示す図である。図5においては、図1に示された可変表示装置8と共通する部分については同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0025】
図5を参照して、本実施形態の可変表示装置8においては、特別図柄表示部9の左上部に、遊技者により画面表示上の左側の選択肢(例えば、「左側キャラクタ」の選択肢)の選択を検出するための第1の光センサ61が斜め下方向に向け設けられ、特別図柄表示部9の右上部に、遊技者により画面表示上の右側の選択肢(例えば、「右側キャラクタ」の選択肢)の選択を検出するための第2の光センサ62が斜め下方向に向け設けられ、特別図柄表示部9の中央上部(役物キャラクタ64の下側部分)に、遊技者により画面表示上の中央の選択肢(例えば、「中央キャラクタ」の選択肢)の選択を検出するための第3の光センサ65が斜め下方向に向け設けられている。光センサ61,62,65の各々は、光を前方へ投光する投光部、投光に応じて物体により反射した光を受光する受光部、及び、受光部における反射光を受光した受光スポットの位置に基づいて前方に存在する物体までの距離を算出し所定距離範囲内の物体の有無を検出する演算検出部とを含み、センサの前方の所定距離範囲内に物体(例えば、遊技者の指先)を検出した場合に検出信号を出力する。なお、この光センサ61,62,65からの検出信号は、前述した遊技制御基板31を経ることなく、前述した表示制御基板80に直接的に入力される。これにより、遊技制御基板31に入力信号が入力されないため不正防止を図れる。
【0026】
本実施形態で用いる光センサ61,62,65は、上述したように簡易な構造であるため、省スペース化を実現でき可変表示装置8のデザインを損なうことなく組み込みやすくなる。また、物体を検出する方法が物体からの反射光を受光部で受光した際の受光スポットの位置により物体までの距離を計測し、その物体までの距離が所定距離範囲内にあるか否かで検出を行う(測距式)ため、受光量で検出を行うセンサと比較して、物体固有の反射率に影響を受けず確実に検出できる。さらに、検出可能な反射率を人間(遊技者)の肌の反射率(約40パーセント)を含む値に設定可能であるため、髪の毛や衣服で検出される誤検出の発生が極度に防止でき検出の精度を高めることができる。さらに、物体の有無を検出することができる範囲を示す所定距離範囲を設定することができるため、遊技場必要としない距離にある物体、例えば遊技台から1m離れた物体等を検出してしまう誤検出を防止することも可能となる。具体的には、図6を参照し説明する。
【0027】
図6は、パチンコ遊技機1の可変表示装置8の横断面図であり、これを参照し本実施形態で用いるセンサの検出方法を段階的に説明する。なお、図6では、ガラス扉枠2のガラス板10と、光センサ61からの投射光を実線で、物体に衝突後の反射光を点線で表わしている。
【0028】
先ず、図6(A)では、透過部材の性質を考慮せずに基本的な検出の仕組みを説明する。光センサ61の投射部から投射された投射光は、ガラス板10を透過しパチンコ遊技機1の外部に放たれる。外部に放たれた投射光路上の所定距離範囲内に遊技者が指を移動させることにより、投射光が指に衝突し反射する。その反射した反射光が再びガラス板10を透過しパチンコ遊技機1の内部に進入し、光センサ61の受光部で受光される。その際に、光センサは、受光した受光スポットの位置に基づき、反射点である遊技者の指までの距離が所定距離範囲内であったか否かを判別し所定距離範囲内であった場合には、表示制御基板80に入力信号を出力するように構成されている。
【0029】
次に、透過部材の性質を考慮した場合を図6(B)を参照し説明する。先ず、透過部材は、光が該透過部材を透過(貫通)する場合にその光の一部を反射させ光路を変更させる性質を有している。本実施形態では、ガラス板10が透過部材であるため図6(A)を参照し説明したように、例えば、物体固有の反射率を考慮せず、また、光センサの検出可能な所定距離範囲をある程度調整しなければ図6(B)に示すような誤検出を発生することとなる。投射光がガラス板10に衝突した際に、投射光の一部がパチンコ遊技機1の外部に放出されることなく内部に反射し、遊技機部品(例えば、特別図柄表示部9の表示面)に衝突し、その衝突による反射光の一部が再びガラス板10により反射され光センサの受光部で受光される。これにより、光センサは常に遊技機部品(例えば、特別図柄表示部9の表示面)を誤検出してしまう可能性が有り、本来必要とする遊技者の指が光路上に移動されているか否かの検出が不可能となる。
【0030】
そこで、本実施形態では、上述した不都合を避けるために、光センサの検出可能となる反射率の範囲と所定距離範囲を独自に調節設定した光センサを使用している。これにより、センサ感度・検出精度の向上を実現している。
【0031】
即ち、光センサの検出可能な反射率を人間の肌の反射率(約40パーセント)を含むように30パーセントから70パーセントの値に限定している。これにより、遊技者が反射率の高い白色の衣服を身に着けていたとしても反射率が高いため検出することはなく、逆に、遊技者が頭を下げた際に反射率の低い髪の毛を検出することもなく、光センサによる検出の精度を各段に向上させることができる。
【0032】
また、光センサが物体の有無を検出できる所定距離範囲を遊技者の手が届く範囲の距離、例えば、ガラス板10の前面側表面から5cmまで等のように限定している。これにより、遊技中、遊技者の顔を光センサが検出してしまうことがなく検出の信頼性が向上する。
【0033】
以上、独自の調節設定を行った光センサを使用した場合について、具体的に図6(C)を参照し説明する。
【0034】
光センサから投射された投射光92は、ガラス板10に衝突し反射した投射光91が生じる。その投射光91は、その投射光路上に位置する可変表示装置8やその他遊技機部品にA点で衝突し、その後は図6(B)の説明と同様、光センサで受光されることとなる。しかし、本実施形態で用いる光センサは、A点までの距離を所定距離範囲内に含めないように調節設定しているため、可変表示装置8やその他遊技機部品を検出した旨の検出信号が出力される場合はない。
【0035】
また、投射光92がガラス板10を透過し、本実施形態で用いる光センサが設定されている所定距離範囲内で、限定している反射率の範囲内に含まれる遊技者の指に衝突し、それにより反射する反射光93は受光され、遊技者の指を検出した旨の検出信号が光センサから出力される。
【0036】
つまり、光センサの有効範囲を設定することで、ガラス板10により反射した投射光91の光路上に存在する遊技機部品等の設置されている範囲以外の所定距離範囲内に存在する遊技者の指のみを検出可能としている。これにより、パチンコ遊技機1の部品自体を検出してしまうことはなく、誤検出を完全に防止することができる。なお、本実施形態では、光センサの検出可能な所定距離範囲を調節したが、これに限らず、光センサの設置位置・設置方向を調節する場合でもよく、透過部材により反射された投射光路上の、遊技機部品が設置されている範囲以外の所定距離範囲の物体のみを検出可能にするものであればよい。
【0037】
また、光センサの検出可能な反射率の数値を限定することで、光センサの設定されている反射率範囲内でなければ、投射光路上に物体が存在してもその物体を検出した旨の検出信号が光センサから出力されることはない。これにより、光センサに検出をさせようとする遊技者自らの意思がない場合には、前述したように遊技者の衣服や髪の毛を偶然誤って検出することもなく、極めて検出精度の高い状態で遊技を行うことができる。このように光センサの検出精度を高めることにより後述するリーチ選択においても、左の選択肢を選択したにもかかわらず、右の選択肢を選択していたり又は何の選択もされていないといった不都合は生じず、リーチ選択を十分に楽しむことができ、遊技に対する興趣をさらに増すことができる。
【0038】
図7は、後述するリーチ選択時の特別図柄表示部9の表示画面と光センサ61,62,65の検出可能範囲との関係を説明するための図であり、遊技者が正面位置から表示画面を見た場合を示している。より具体的には、リーチ選択時に光センサ61,62,65の判定が有効になった場合のガラス板10前面における有効検出範囲を図面上だ円で囲い示している。本実施形態においては、光センサ61の有効検出範囲をガラス板10前面側で検出可能とし、かつ、その有効検出範囲を遊技者が正面位置から見た場合に左の選択肢の表示と重なるように設定している。光センサ62の有効検出範囲についても同様に右の選択肢の表示と重なるように設定している。また、光センサ66の有効検出範囲についても同様に中央の選択肢の表示と重なるように設定している。即ち、遊技者がリーチ選択画面の表示を見た場合に、特別図柄表示部9に表示される選択肢と光センサ61,62,65の有効検出範囲が互いに重なり合うようにそれぞれ設定されている。これにより、遊技者は、選択したい選択肢の表示を押すような感覚でガラス前面に指を移動させるだけで、目視することはできない光センサの有効検出範囲に指を自動的に移動させることができ、指を検出した光センサから検出信号が出力される。つまり、特別図柄表示部9の表示画像と光センサ61,62,65の有効検出範囲がそれぞれリンクするように設定しているため、遊技者にとってリーチ選択時の遊技の進行方法・光センサの検出方法を容易に理解することができ興趣が増す。また、ガラス板10自体をタッチセンサにするよりも、安価かつ制御負担の軽減が図れる構成とすることができる。
【0039】
さらに、本実施形態においては、リーチ選択画面において表示されている左側、中央、右側の選択肢の表示数に光センサの数を対応させている。これと同様に、選択肢が4つ以上ある場合でも、その選択肢に対応した光センサを検出させることで選択できる。これにより、1回の選択作業でいずれの選択肢についても選択可能となり、選択肢を複数設けた場合であっても選択作業が面倒になる不都合は生じず、リーチ選択の選択肢の項目を多様に設定することが可能となる。
【0040】
また、上述のように、複数の光センサを設けた場合であっても、各々の光センサの検出範囲が重ならないように設定設置しているため、複数の光センサにおいて同時に検出がなされる場合はなく誤検出の防止につながる。なお、本実施形態では、仮に複数の検出信号が同時に出力されたとしても、表示制御基板80には誤検出時事前決定処理手段が組み込まれており、誤検出が発生した場合は予め設定している入力値を採用するため、不都合は発生しない。
【0041】
なお、光センサは、可変表示装置8に限らず、例えば、可変入賞球装置15等、遊技領域7内において遊技者が選択可能となる場所であればどのような場所に設けてもよい。前述したように光センサの所定距離範囲をガラス扉枠2のガラス板10より外部側に設定しておけば、打玉の流下経路途中であっても打玉を検出することはなく、遊技演出との関連性を考慮した場合にさまざまな配置パターンを実現でき、そのデザインを見た遊技者は該遊技台に興味を示し興趣を向上させることができる。
【0042】
さらに、この本実施形態においては、次のような効果を得ることができる。前述のような遊技者による選択を検出するために、遊技者に非接触で選択の検出を行って選択に関する信号入力を行う光センサのような非接触入力手段を用いたことにより、物理的なスイッチ(例えば、押しボタンスイッチ)のように遊技者に接触する態様で選択の検出を行って選択に関する信号入力を行う接触入力手段を用いる場合と比較して、装置が物理的に破損するおそれが少なくなる。また、光センサのような非接触入力手段を遊技領域7に設けたことにより、遊技機の枠(例えば、ガラス扉枠2、前面枠2b)を共通化することができる。これにより、遊技機の機種変更を行う場合には遊技盤を新しいものに交換するに際して遊技枠毎新しいものに交換せずに遊技盤のみを交換することで足りるようにすることができる。
【0043】
図8は、パチンコ遊技機1の遊技制御に用いられる乱数を生成するための各種ランダムカウンタを示す図である。図8は、ランダムカウンタの例として、R1、R2、R3−1、R3−2、R3−3、及びR4の乱数を発生させるためのランダムカウンタがそれぞれ示されており、このうちのR1、R2、R3−1、R3−2、R3−3が表示結果事前決定手段を構成している。
【0044】
このパチンコ遊技機1は、前述した大当り状態を発生させるか否か等をランダムカウンタのカウント値(乱数)によりランダムに決定する。以下に、ランダムカウンタの代表例を示す。
【0045】
R1は、特別図柄表示部9の表示結果に基づいて特定遊技状態としての大当りを発生させるか否かをランダムに決定するためのものである。
【0046】
R2は、大当り事前決定時の停止図柄(左,中,右が同一の停止図柄)を決定するために用いられるランダムカウンタ(又は大当り図柄決定用乱数そのものを示す場合もある)である。
【0047】
R3−1、R3−2、R3−3は、R1によりはずれと決定された場合に、特別図柄表示部9に停止表示される左、中、右のはずれ図柄を事前決定するために用いられるランダムカウンタである。
【0048】
R4は、特別図柄が可変表示される際の変動種類(変動パターンの種類)を決定するためのランダムカウンタであり、0から加算更新されてその上限である250まで加算更新された後再度0から加算更新される。このR4は、タイマ割り込み毎(0.002秒毎)及び、割り込み処理余り時間毎に1ずつ加算される。なお、変動パターンについては、R1、R2、R3により抽出した値によって利用するテーブルの種類が決まり、R4により抽出された値を添字として対応するパターンテーブルをルックアップする。この点については後で詳述する。
【0049】
以上に示したランダムカウンタは、カウンタ別に定められた抽出条件の成立に応じてランダムなタイミング(例えば始動入賞発生時等)でデータが抽出される。これにより、各ランダムカウンタから抽出されたデータは、ランダムな値(乱数値)になる。
【0050】
なお、図示を省略したが、特別図柄表示部9の表示画面中で表示される普通図柄の表示結果もランダムカウンタにより決定される。そのランダムカウンタは、例えば、2msec毎に1ずつ加算されるものであり、0からカウントアップして上限である10までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す。このランダムカウンタのカウント値は、普通図柄の表示結果に基づいて発生する普通当りを発生させるか否かをランダムに決定するためのものである。ゲートスイッチ12によりゲート通過検出がされると、それに応じてランダムカウンタのカウント値が抽出される。そして、ゲート通過検出がされた場合は、その抽出されたランダムカウンタの値が、普通当り判定値(例えば「2」)と一致するか否かの判断がなされ、一致した場合に普通当りを発生させる制御が行われる。普通当りが決定された場合には、それに応じて普通当りに該当する停止図柄が決定され、はずれが決定された場合には、その他のランダムカウンタを用いて普通図柄の停止表示結果が決定される。
【0051】
図9は、遊技制御基板31から表示制御基板80へ伝送される演出制御コマンドとしての表示制御コマンドデータとランダム3カウンタの抽出値との対応関係を記憶しているテーブルである。この図9のテーブルは、遊技制御基板31内のROM54により記憶されている。
【0052】
コマンドデータは、2バイトデータで構成されており、上位1バイトによりMODEデータが構成され、下位1バイトによりEXTデータが構成されている。MODEデータは、当該コマンドデータが何を指令するデータかを大まかに特定するためのデータである。EXTデータは、コマンドの具体的内容を指定するためのデータである。
【0053】
ランダム3−1〜ランダム3−3の抽出値が例えば「0」の場合には、EXTデータが00Hとなり、抽出値が「1」の場合にはEXTデータが01Hとなり、抽出値が「11」の場合にはEXTデータが0BHとなる。従って、例えばランダム3−3の抽出値が「5」であった場合には、表示コマンドは92H05Hとなる。
【0054】
図10は、変動開始コマンドによって特定される可変表示装置8の可変表示の表示時間及び可変表示パターンを説明するための図である。変動開始コマンドは、MODEデータは「80H」であり、EXTデータは「01H」「02H」「03H」…「86H」「87H」であり、番号それぞれに対応する可変表示装置8の可変表示の表示時間はT1,T2,T3…T135,T136であり、また、可変表示パターンは、「通常変動はずれ」、「リーチAはずれ」、「リーチA当り」…「リーチFはずれ」、「リーチF当り」、「リーチ選択当り」、「リーチ選択はずれ」等である。
【0055】
図11は、パチンコ遊技機1の大当り制御を行うための概略を示すフローチャートである。先ず、0〜630の範囲でカウントするランダムカウンタR1のカウント数を抽出する。
【0056】
高確率時(確変時)でない通常時では、その抽出値が「7」又は「269」のときには大当りを発生させることが事前決定され、R2からデータを抽出し、その抽出値に基づいて、特別図柄表示部9に表示される大当り図柄が決定される。一方、R1の抽出値が「7」又は「269」以外のときには、はずれが事前決定され、R3−1、R3−2、R3−3からデータを抽出し、その抽出値に基づいて特別図柄表示部9に表示されるはずれ図柄が決定される。ここで、この決定されたはずれ図柄が偶然ゾロ目の図柄であった場合には、R3−2の抽出値を「1」減算し、強制的にはずれ図柄にして表示制御する。
【0057】
一方、高確率時(確変時)の場合には、R1の抽出値が7,139,269,311,353,395,437,509,581,623のときに大当り状態を発生させることが決定される。一方、高確率時においてランダム1の抽出値が上記カウンタ値以外のときに、はずれが事前決定される。
【0058】
図12は、前述した変動パターンテーブルの選択決定処理の1例をフローチャートで示したものである。先ず、S1において、R1の抽出値が大当り状態を発生させるカウンタ値であるか、又は、はずれ状態となるカウンタ値であるか判断がなされる。
【0059】
抽出値が大当り状態を発生させるカウンタ値であった場合は、S2により大当り用の変動パターンテーブルを選択し、選択した変動パターンテーブルをルックアップしR4により抽出された値の変動パターンが設定される。
【0060】
抽出値がはずれ状態となるカウンタ値であった場合は、S3によりR2で抽出された値に基づき左・中・右の各図柄が設定され、S4において設定された各図柄がリーチ状態となり得るか否かを判断する。かかる判断によりS5、S6では、それぞれリーチはずれ用変動パターンテーブルかはずれ用変動パターンテーブルかのいずれかのテーブルを選択し、選択した変動パターンテーブルをルックアップしR4により抽出された値の変動パターンが設定される。
【0061】
図13は、遊技制御基板31により実行される遊技制御メイン処理及び割込処理を示すフローチャートである。図13において、(A)は遊技制御メイン処理が示され、(B)に割込処理が示されている。この割込処理は、例えば2msec毎に1回実行される。
【0062】
遊技制御メイン処理においては、SA1により、スタックポインタの設定がなされる。これは、スタックポインタの指定アドレスをセットするためのスタックセット処理である。次にSA2により、初期化処理が行われる。初期化処理では、RAM55にエラーが含まれているか判定され、エラーが含まれている場合には、RAM55を初期化すること及び各種フラグの初期化設定などの処理が行われる。さらに、初期化処理では、後述する割込処理を実行するタイミングを規定するタイマ割込時間(例えば2msec)をCPU56に設定する処理がなされる。これにより、電源投入等によるリセット後、初めての割込処理を行う際、実行タイミング規定のために計時が開始される。また、初期化処理においては、種々のタイマがセットされると共に、表示制御基板80のサブ基板初期化コマンドを出力する処理が行われる。
【0063】
次に、確定図柄(予定停止図柄)を決定する等のためのR3、R4更新処理がSA3により行われる。このパチンコ遊技機1においては、可変表示装置8の可変表示での特別図柄の確定図柄が乱数(ランダムカウンタのカウント値)に基づいて決定される(表示結果事前決定手段)。このSA3では、そのように停止図柄を決定するための表示用乱数が更新される。次にSA4により、タイマ割込ありか否かの判断がなされる。タイマ割込がない場合にはSA3へ戻り、SA3とSA4とによる無限ループにより表示図柄乱数の更新処理が繰返し実行される。
【0064】
一方、タイマ割込処理は、初期化処理で規定されたタイマ割込時間(例えば2msec)毎に実行され、SA17によりタイマ割込ありが設定され、SA18により割込許可処理がなされる。その結果、SA4によりYESの判断がなされ、SA5に進み、タイマ割込なしが設定され、SA6〜SA16の処理が実行されることとなる。このSA6〜SA16の処理が実行された後にはSA3へ制御が進み、SA5によるタイマ割込なしが設定されているために、SA3,SA4のステップを無限ループで繰返し実行することとなる。この状態で再度2msecの時間が経過すれば、タイマ割込処理によるタイマ割込ありの設定に従ってSA4によりYESの判断がなされて、SA5〜SA16の処理が実行されることとなる。
【0065】
SA6では、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23等の状態を入力し、各入賞口や可変入賞球装置に対する入賞があったか否か等を判定するスイッチ処理がなされる。始動口スイッチ17により始動入賞が検出された場合には、このスイッチ処理において、始動記憶処理が実行される。
【0066】
次に、SA7によりエラー処理がなされる。このエラー処理は、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断を行い、その結果に応じて必要ならば警報を発生させる等の処理である。
【0067】
次にSA8へ進み、乱数更新処理がなされる。これは、遊技制御に用いられる各種の判定用乱数を示す各ランダムカウンタを更新する処理である。具体的には、R1のカウンタの更新処理である。
【0068】
次にSA9へ進み、表示図柄乱数の更新処理が行われる。この処理は、SA3と同じ処理であり、具体的には、ランダム3−1,ランダム3−2,ランダム3−3を更新する処理である。
【0069】
次にSA10へ進み、特別図柄プロセス処理がなされる。この特別図柄プロセス処理では、複数ある処理のうち1つが特別図柄プロセスフラグの値に従って選択されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中において更新される。次に、普通図柄プロセス処理がSA11により行われる。この普通図柄プロセス処理では、特別図柄表示部9の表示画面に表示される普通図柄の可変表示を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0070】
次にSA12に進み、特別図柄コマンド処理が実行される。この特別図柄コマンド処理は、前述した特別図柄表示用のコマンドデータを遊技制御基板31が表示制御基板80へ伝送する処理である。次にSA13へ進み、普通図柄コマンド処理が実行される。この普通図柄コマンド処理は、特別図柄表示部9の表示画面に表示される普通図柄の可変表示を表示制御するためのコマンドデータを遊技制御基板31が表示制御基板80に伝送する処理である。
【0071】
次にSA14へ進み、情報出力処理がなされる。この情報出力処理は、情報出力回路60を介して前述した確変情報、大当り情報、始動情報を外部出力する処理である。次にSA15へ進み、ソレノイド出力処理がなされる。このソレノイド出力処理は、前述したソレノイド16,21を励磁制御するための制御信号をソレノイド回路59へ出力するための処理である。次にSA16へ進み、賞球処理がなされる。この賞球処理は、遊技制御基板31が賞球基板37に対し賞球個数信号と賞球可能信号とを送信して、賞品球の払出指令を行うための処理である。このSA16の後制御がSA3へ進む。
【0072】
図14は、SA10により示された特別図柄プロセス処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理は、特別図柄用プロセスフラグの値に応じて、10種類の処理(SB1〜SB10)のうち、いずれかが実行されるように制御される。SB1〜SB10において、以下のような処理が実行される。
【0073】
SB1において、特別図柄変動待ち処理が行われる。始動入賞口14(この実施の形態では可変入賞球装置15の入賞口)に打玉が入賞して始動口スイッチ17がオンするのを待つ。始動口スイッチ17がオンすると、始動入賞記憶数が満タンでなければ、始動入賞記憶数を「1」加算更新すると共に大当り判定用乱数を抽出する。
【0074】
SB2において、特別図柄判定処理が行われる。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、抽出されている大当り判定用乱数の値に応じて、大当りとするかはずれとするかを決定する。
【0075】
SB3において、停止図柄設定処理が行われる。左右中図柄の停止図柄を決定する。
【0076】
SB4において、変動パターン設定処理が行われる。大当りか否かの判定結果及びリーチ判定用乱数の値等に応じた変動パターンテーブルをルックアップし、変動パターン決定用乱数の値に応じて変動パターンを決定する。即ち、図12等に示された処理が実行される。
【0077】
SB5において、全図柄変動開始処理が行われる。特別図柄表示部9において全図柄が変動開始されるように制御する。このとき、表示制御基板80に対し表示制御コマンドとして、変動パターンコマンドと、左右中予定停止図柄(最終停止図柄)をそれぞれ指令する左,中,右の3つの停止図柄コマンドとが送信される。
【0078】
SB6において、全図柄停止待ち処理が行われる。所定時間が経過すると、特別図柄表示部9において表示される全図柄が停止されるように制御する。また、全図柄停止のタイミングまで、所定のタイミングで左右図柄が停止されるように制御する。
【0079】
SB7において、大当り表示処理が行われる。R1に基づく抽出値が大当り状態を発生させる値であった場合には、R2により抽出された値に対応した表示制御コマンドが表示制御基板80に送信されるように制御すると共に内部状態(プロセスフラグ)をステップSB8に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップSB10に移行するように更新する。また、遊技制御基板80の表示制御用マイクロコンピュータは表示制御コマンドのデータに従って、特別図柄表示部9に大当り表示を行う。大当り表示は遊技者に大当りの発生を報知するためになされるものである。具体的には、大当りが確率変動状態(特別遊技状態)を付随する確変大当りであるか否かを判別し、確変大当りでなければ通常大当り(非確変大当り)であることを示す表示を行う一方、大当りが確変大当りであれば確変大当りであることを示す表示を行う。
【0080】
SB8において、大当り中ラウンド表示処理が行われる。特別図柄表示部9に大当り中のラウンドを表示する制御を開始する。
【0081】
SB9において、大入賞口開放中V表示処理が行われる。大当り中ラウンド表示の表示制御コマンドデータを表示制御基板80に送信する制御等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、大当り遊技状態の継続条件が成立していれば内部状態をSB8に移行するように更新する。大当り遊技状態の終了条件が成立していれば、内部状態をSB10に移行するように更新する。
【0082】
SB10において、大当り終了表示処理が行われる。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知するための表示を行う。この表示が終了したら、内部フラグ等を初期状態に戻し、内部状態をSB1に移行するように更新する。
【0083】
前述したように、始動入賞口14に打玉が入賞すると、遊技制御基板31は、特別図柄プロセス処理において、大当りとするかはずれとするかの決定、停止図柄の決定、変動表示期間の決定等を行い、その決定に応じた表示制御コマンド及びINT信号を表示制御基板80に向けて出力する。表示制御基板80側の表示制御用マイクロコンピュータは、遊技制御基板31からの表示制御コマンドに応じて特別図柄表示部9の表示制御を行う(表示制御手段)。
【0084】
図15は、(A)が表示制御メイン処理を示すフローチャートであり、(B)がタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。表示制御メイン処理においては、SC1において、初期化処理が行われる。この初期化処理においては、RAMに記憶されている記憶内容すべてが消去され、新たに各パラメータの初期値(例えば、「0」)が設定される。
【0085】
次に、SC2においてタイマ割込フラグがセットされているか否かが判別される。タイマ割込フラグがセットされていなければSC2に戻り、タイマ割込フラグがセットされていれば、SC3に進みタイマ割込フラグをクリアしてからSC4においてコマンド解析処理を行う。SC4のコマンド解析処理においては、遊技制御基板31から送信されてきたコマンドを受信して、いかなるコマンドであるかを解析し、可変表示装置8に表示するための図柄をセットする処理が行われる。
【0086】
次に、SC5においては、表示制御プロセス処理が行われる。この表示制御プロセス処理は、図19を用いて後述するが、可変表示装置8に表示させるための変動開始コマンド受信待処理、選択遊技判定処理、可変表示動作開始処理、図柄変動中処理、全図柄停止待ち処理、及び大当り表示処理等の処理が行われる。SC6においては、音・ランプ制御コマンド処理が行われる。この音・ランプ制御コマンド処理は、前述したように、遊技制御基板31から表示制御基板80に伝送されてきた変動パターンコマンドと特別図柄表示部9で表示されている演出の種類(ゲームモード)、さらに、光センサ61,62,65からの検出信号に基づき遊技音やランプ点灯パターンなどについてのコマンドの設定がなされ、それぞれ対応した音・ランプ制御基板に伝送される処理が行われる。これにより、同期のとれた演出を行うことができる。また、図15の(B)においてはタイマ割込処理が行われ、SC7においてタイマ割込フラグがセットされている。このタイマ割込は33msec秒毎に行われる。そして、SC8において、タイマ割込許可がなされてタイマ割込処理を終了する。なお、タイマ割り込み処理は、33msec経過する毎に1回行われる。
【0087】
図16は、ランダムカウンタ抽出値成立条件を満たした場合、遊技制御基板31にコマンドを記憶するRAM55の記憶領域である図柄変動バッファ記憶領域を説明するための図である。ランダムカウンタ抽出値成立条件を満たす毎に、抽出値に対応する各図柄変動コマンドが記憶される。
【0088】
図17は、遊技制御基板31から送信されてきたコマンドを記憶する表示制御用マイクロコンピュータのRAM(記憶領域)である受信コマンドバッファ記憶領域を説明するための図である。遊技制御基板31から送信されてきたコマンドを表示制御基板80が受信する毎に、受信個数カウンタが0からカウントアップされる。そして、コマンド受信個数カウンタが0のときには受信コマンドバッファ1が選択されて、その受信コマンドが記憶される。
【0089】
図18は、遊技制御基板31から出力されてきたコマンドが入力された表示制御基板80において行われるコマンド解析処理を説明するためのフローチャートである。図18に示すコマンド解析処理においては、SD1〜SD8において、コマンド受信バッファに受信コマンドがあるか否か、左中右の図柄の指定コマンドであるか否かを判別し、各図柄停止格納エリアに図柄番号を格納する。
【0090】
また、SD7において受信コマンドが右図柄指定コマンドでなければSD9に進み、受信コマンドが変動パターン決定用コマンドであるか否かが判別される。SD9において、受信コマンドが変動パターン決定用コマンドであれば、SD10において変動パターンコマンドエリアに変動パターンを格納してSD1に戻る。
【0091】
また、SD9において受信コマンドが変動パターン決定用コマンドでなければ、SD11において受信コマンドがいかなるコマンドか判定して、対応したフラグをセットしてSD1に戻る。即ち、変動開始コマンドであれば変動開始コマンドに対応したフラグをセットし、図柄確定コマンドであれば図柄確定コマンドに対応したフラグをセットするのである。
【0092】
図19は、表示制御プロセス処理を説明するためのフローチャートである。表示制御プロセス処理においては、SE1において変動開始コマンド受信待処理が行われる。変動開始コマンド受信待処理においては、コマンド受信割込処理によって、可変表示の時間及び可変表示パターンを特定可能な変動開始コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否かを確認する。さらに、受信していなかった場合には、客待ちデモ時プロセス処理を行う。
【0093】
また、SE2においては、選択遊技判定処理が行われる。選択遊技判定処理においては、変動開始コマンド(変動パターンコマンド)に応じて、変動パターンコマンドが選択遊技可能となる特定変動パターン(「リーチ選択当り」又は「リーチ選択はずれ」のリーチ選択演出用の変動パターン)か、もしくは選択遊技を行うことができない通常の変動パターンかを判断し、変動パターンを設定する。
【0094】
次に、SE3においては、可変表示動作開始設定処理が行われる。可変表示動作開始設定処理においては、変動パターンに対応したタイマをスタートさせ可変表示が開始されるように制御する。
【0095】
次に、SE4においては、図柄変動中処理が行われる。図柄変動中処理においては、変動パターンを構成する各変動状態(選択遊技、変動速度や背景、キャラクタ)の切替タイミングを制御すると共に、変動時間の終了を監視する。選択遊技を行う場合はその場合の画面表示のタイミングを制御する。また左右図柄の停止制御を行う。
【0096】
また、SE5においては、全図柄停止待ち処理が行われる。全図柄停止待ち処理においては、変動時間の終了時に、全図柄の停止を指示する図柄確定コマンドを受信していたら、図柄の変動を停止するための表示制御(図柄確定制御)を行う。また、SE6においては大当り表示制御処理が行われる。大当り表示制御処理においては、変動時間の経過後、確変大当り表示又は通常大当り表示するための制御を行う。
【0097】
図20は、変動開始コマンド受信待ち処理を説明するためのフローチャートである。変動開始コマンド受信待ち処理においては、先ず、表示制御用マイクロコンピュータは、左中右の特別図柄の変動が開始される指示を行うと共に、可変表示時間及び可変表示パターンを特定可能な変動開始コマンドを受信したか否かが確認される(SF1)。SF1において、変動開始コマンドを受信していなければ、SF3においては、客待ちデモ時プロセス処理が行われる。客待ちデモ時プロセス処理においては、変動開始コマンド(変動パターンコマンド)を受信していない場合に処理が行われる。
【0098】
ここで、客待ちデモ時とは、例えば、始動入賞があった場合に、その始動入賞に起因した特別図柄表示部9の導出動作が開始され、その後、可変表示の表示結果が表示されたにもかかわらず、その始動入賞以後に新たな始動入賞がないため、図柄の変動等が行われない状態時をいう。但し、大当り状態は始動入賞に起因して発生する状態であることと遊技状態が待機状態ではないため、客待ちデモ時には含まれない。
【0099】
なお、電源投入後の未だ始動入賞が無い状態は、客待ちデモ時に含むと解する。例えば、午前10時にパチンコ遊技機1の電源を投入しその日の午前11時まで始動入賞が一度も無く図柄変動が行われていないため客待ちデモ時には含まれないようにもとれるが、そうではなく、前日の午後10時前後までは始動入賞があり図柄変動が行われていたと考えるのが通常であり、前日の最後の始動入賞後図柄変動が行われ表示結果が導出されたにもかかわらず新たに当日11時まで始動条件が成立していない待機状態であることとなる。
【0100】
次に、変動開始コマンドを受信していれば、SF2において、プロセスフラグは選択遊技判定処理に設定されて変動開始コマンド受信待ち処理を終了するのである。この変動開始コマンドは、図10に示すいずれかである。従って、可変表示時間及び可変表示パターンを特定可能な変動開始コマンドを受信した場合には、表示制御プロセスフラグの値を選択遊技判定処理SE2に対応した値に変更するのである。
【0101】
図21は、選択遊技判定処理を説明するためのフローチャートである。図18に示すように、選択遊技判定処理においては、SG1において、遊技制御基板31から送信されてきた受信コマンドが選択遊技実行可能な特定変動パターンコマンド(「リーチ選択当り」又は「リーチ選択はずれ」のリーチ選択演出用の変動パターンコマンド)か否かを判定し、SG2、SG3でその受信した変動パターンコマンドに対応した変動パターンを設定する。SG4において、プロセスフラグは可変表示動作開始処理に設定されて選択遊技判定処理を終了するのである。
【0102】
図22は、可変表示動作開始設定処理を説明するためのフローチャートである。図22に示すように、可変表示動作開始設定処理においては、SH1において可変表示装置8の可変表示時間を計時するための可変表示時間タイマをスタートさせ、SH2において、設定された変動パターン及び可変表示時間で、可変表示装置8において表示結果を導出表示するための可変表示を開始する。次にSH3において、プロセスフラグを図柄変動中処理に設定してから可変表示動作開始設定処理を終了する。
【0103】
図23は、図柄変動中処理を説明するためのフローチャートである。図柄変動中処理においては、SI1において、可変表示時間タイマがタイムアウトしているか否かが判別される。即ち、表示結果を導出表示するための可変表示を終了するタイミングであるか否かが判別される。SI1において可変表示時間タイマがタイムアウトしていればSI2に進み、プロセスフラグを全図柄停止待ち処理に設定してから図柄変動中処理を終了するが、SI1において可変表示時間がタイムアウトしていなければそのまま図柄変動中処理を終了する。
【0104】
図24は、全図柄停止待ち処理を説明するためのフローチャートである。全図柄停止待ち処理においては、先ず、SJ1において、左中右の図柄を停止させるための確定コマンドを受信しているか否かが判別される。SJ1において確定コマンドを受信していなければ全図柄停止待ち処理をそのまま終了するが、SJ1において確定コマンドを受信していればSJ2に進み、確定図柄を表示する。次に、SJ3において、確定図柄が大当り図柄であるか否かが判別される。SJ3において確定図柄が大当り図柄であればSJ4に進み、プロセスフラグを大当り表示処理に設定してから全図柄停止待ち処理を終了するが、SJ3において確定図柄が大当り図柄でなければSJ5に進み、プロセスフラグを変動開始コマンド受信待ち処理に設定してから全図柄停止待ち処理を終了する。
【0105】
次に、前述した選択遊技判定処理において「リーチ選択当り」又は「リーチ選択はずれ」の特定変動パターンコマンド(リーチ選択演出用の変動パターンコマンド)と判定された場合に行われるリーチ選択演出の具体的な表示画像について図25乃至図32を参照して説明する。なお、本実施形態では、図27に示すように、個々に特有のキャラクタ104,105,106を動画像表示する3種類のリーチA,B,Cを設定しており、これらリーチA,B,Cの中から遊技者の選択指示でリーチ種類が選択されるようになっている。また、各キャラクタ104,105,106の動画像表示によるリーチA,B,Cの演出時間は、それぞれ時間T1,T2,T3と異なって設定されている。また、各キャラクタ104,105,106の動画像表示によるリーチ演出(リーチA,B,C)は、特定変動パターンコマンド以外のリーチ変動パターンコマンドのときに出現するものであり、この場合には、後述するリーチ選択演出用の画像(表示態様a〜c)が省かれたリーチ演出の表示となる。
【0106】
図25のタイムチャートに示すように、先ず、図柄変動が開始されてリーチ表示態様となる。特別図柄表示部9での具体的な表示は、図28(A)に示すように、特別図柄表示部9の左・中・右の各可変表示部101,102,103で図柄変動を開始し、可変表示部101,102,103を左、右、中の順で停止していく。そして、図28(B)に示すように、左右の可変表示部101,103の停止時点でリーチ表示態様となる(図28(B)中には、各可変表示部101,103に「7」の図柄を揃って停止したリーチ表示態様を例示)。リーチ表示態様が表示されると、この時点で選択肢画像(図28(C))となる表示態様aに切り換わり(選択肢画像表示手段)、これと同時に光センサ61,62,65によるリーチ種類の選択指示の検出が有効に切り換わる。表示態様aは、図28(C)に示すように、各リーチA,B,Cと対応したキャラクタ104,105,106を特別図柄表示部9の下側領域に左・中・右に並列して表示すると共に、特別図柄表示部9の上側領域に「リーチ画像を選択してください」の文字107を表示することで、各リーチA,B,Cのいずれかを遊技者に選択させる演出表示となる。表示態様aにおける特別図柄表示部9の右上領域には、リーチ表示態様を停止表示した左右の可変表示部101,103と、図柄変動中となる中央の可変表示部102と、が縮小表示される。また、このようなリーチ選択の演出では、リーチ選択が可能な有効期間S1が予め設定されている。具体的には、表示制御基板80内の表示制御用マイクロコンピュータが光センサ61,62,65の検出有効期間を設定し、これをリーチ選択の有効期間S1としている。
【0107】
次に、上記したリーチ選択の有効期間S1内で光センサ61,65,62の検出に基づくキャラクタ104,105,106(リーチA,B,C)の選択が行われると、これと同時に表示態様aから表示態様bに切り換わる(選択結果表示手段)と共に、光センサ61,62,65によるリーチ種類の選択指示の検出が無効に切り換わる。つまり、このときには、光センサ61からの検出信号(キャラクタ104(リーチA)を選択したとき)、光センサ65からの検出信号(キャラクタ105(リーチB)を選択したとき)、光センサ62からの検出信号(キャラクタ106(リーチC)を選択したとき)のいずれかが表示制御基板80に入力され、その入力された検出信号がいずれの光センサ61,62,65からのものかを表示制御基板80に搭載されたCPUで判定し、いずれのキャラクタ104,105,106(リーチA,B,C)が選択されたかを特定する(判定手段)。表示態様bは、図28(D)に示すように、表示態様aから「リーチ画像を選択してください」の文字107を消すと共に、選択されたキャラクタを他のキャラクタと差別化して表示する態様であり、同図中では、遊技者によってキャラクタ104(リーチA)が選択され、該キャラクタ104の表示明度が増大する一方、その他のキャラクタ105,106の表示明度が減少する場合を例示している。表示態様bにおける特別図柄表示部9の右上領域には、表示態様aと同様に、リーチ表示態様を停止表示した左右の可変表示部101,103と、図柄変動中となる中央の可変表示部102と、が縮小表示される。
【0108】
なお、リーチ選択の有効期間S1内で遊技者がリーチ選択を行わなかった場合、言い換えれば、光センサ61,62,65の検出がなかった場合、予め設定したリーチ演出(例えば、リーチA)が自動的に選択されるようになっている。その後は、表示態様bを所定期間表示した後に表示態様cに切り換わる。但し、このような表示態様bから表示態様cに切り換わるタイミングは、後で詳述するように光センサ61,62,65によるリーチ種類の選択指示の検出タイミング、及び選択されたリーチ種類に関わらず、一定に設定されている。表示態様cは、図28(E)に示すように、表示態様bから選択されなかったキャラクタ105,106を消すと共に、選択されたキャラクタ104を特別図柄表示部9の中央領域に移動して拡大表示する態様である。表示態様cにおける特別図柄表示部9の右上領域には、表示態様a,bと同様に、リーチ表示態様を停止表示した左右の可変表示部101,103と、図柄変動中となる中央の可変表示部102と、が縮小表示される。
【0109】
その後は、各リーチA,B,Cで異なった表示時間で表示態様cを表示し、次いで表示態様cから表示態様dに切り換え、各リーチA,B,Cに予め異なって設定された表示時間T1,T2,T3で表示態様dを表示することでリーチ演出表示を行い(リーチ演出手段)、最終的な表示結果を導出する。なお、表示態様c及び表示態様dの表示時間は、それぞれ各リーチA,B,Cで異なって設定されているが、いずれのリーチA,B,Cにおいても表示態様cの表示開始時点から表示態様dの表示終了時点(表示結果の導出時点)までの期間は、一定期間S3に設定されている。表示態様dは、図28(F)に示すように、各リーチA,B,Cに対応したキャラクタ104,105,106の動画像によるリーチ演出表示であり、同図中では、図28(C)で遊技者が選択したキャラクタ104(リーチA)の動画像によるリーチ演出画像が表示される。また、表示態様dにおける特別図柄表示部9の右上領域には、表示態様a,b,cと同様に、リーチ表示態様を停止表示した左右の可変表示部101,103と、図柄変動中となる中央の可変表示部102と、が縮小表示される。そして、表示結果の導出時点では、各可変表示部101〜103が元の大きさで特別図柄表示部9に表示されると共に中央の可変表示部102の変動が停止されて表示結果が導出表示される(図27参照)。即ち、図27に示すように、リーチAでは、キャラクタ104の動画像データが表示時間T1の間で再生表示された後に最終的な表示結果が元の大きさの可変表示部101〜103に導出表示される。また、リーチBでは、キャラクタ105の動画像データが表示時間T2の間で再生表示された後に最終的な表示結果が元の大きさの可変表示部101〜103に導出表示される。また、リーチCでは、キャラクタ106の動画像データが表示時間T2の間で再生表示された後に最終的な表示結果が元の大きさの可変表示部101〜103に導出表示される。なお、図27に示した動画像データの表示制御に関しては後述する。
【0110】
ところで、上記した表示態様bから表示態様cに切り換えるタイミング、言い換えれば図柄変動の開始時点から表示態様bの表示終了時点までの期間は、予め一定期間S2に設定されている。この構成を図26(A)(B)の各タイムチャートを参照して説明すると、先ず、図26(A)に示すように、表示態様aでの表示開始から時間t1が経過した時点で光センサ61,62,65による選択指示の検出があると、これと同時に表示態様aを表示態様bに切り換え、また、これと同時に光センサ61,62,65による選択指示の検出を無効に切り換える。その後は、表示態様aでの表示開始から予め定めた時間(期間S2)が経過するまでの間、表示態様bでの表示を継続し、期間S2が経過した時点で表示態様cに切り換えて表示する。一方、図26(B)に示すように、表示態様aでの表示開始から時間t2(但し、時間t2は、t1<t2<S1の不等式を満たす値とする)が経過した時点で光センサ61,62,65による選択指示の検出があった場合では、選択指示の検出と同時に表示態様aを表示態様bに切り換えると共に、光センサ61,62,65による選択指示の検出を無効に切り換え、その後、表示態様aでの表示開始から期間S2が経過するまでの間、表示態様bでの表示を継続し、期間S2が経過した時点で表示態様cに切り換えて表示する。即ち、図26(A)の場合では、時間t1が表示態様aの表示時間となり、時間S2−t1が表示態様bの表示時間となるのに対して、図26(B)の場合では、時間t2が表示態様aの表示時間となり、時間S2−t2が表示態様bの表示時間となる。
【0111】
このように、本実施形態では、リーチ演出の選択表示において、いずれのリーチA,B,Cにおいても、図柄変動の開始時点から表示態様bの表示終了時点までを一定時間に設定する(選択指示のタイミングに応じて表示態様bの表示時間を調整する)と共に、表示態様cの表示開始時点から表示態様dの表示終了時点(表示結果の導出時点)までを一定時間に設定する(各リーチA,B,Cの表示態様dに応じて表示態様cの表示時間を調整する)ことで、図柄の変動開始から変動終了(表示結果の導出)までの時間を一定にしている。言い換えれば、選択結果が表示された後に(表示態様bの表示開始時点から)リーチパターンに移行する(表示態様dの表示開始時点)までの時間を、選択されたリーチパターン(各リーチA,B,Cにおける表示態様d)の演出時間(表示時間T1,T2,T3)に応じて変化させることで、いずれのリーチパターンが選択された場合においても図柄の変動開始から変動終了(表示結果の導出)までの時間を一定にしている(表示時間設定手段)。なお、実施形態中では、選択結果を表示する表示態様bを表示した後、一旦表示態様cに切り換えて次にリーチ演出表示となる表示態様dを表示する構成としているが、これに限らず、表示態様bを表示した後にそのままリーチ演出表示(表示態様d)に移行するようにしてもよい。但し、このような場合にも、各リーチA,B,Cで予め異なって表示時間が設定された表示態様dに応じて、表示態様bの表示開始時点から表示態様dの表示開始時点までの時間を変化させ、いずれのリーチパターンが選択された場合においても図柄の変動開始から変動終了(表示結果の導出)までの時間を一定にするものである。
【0112】
つまり、本実施形態では、遊技制御基板31にて大入賞口20を開閉する駆動制御や図柄の変動を開始させるためのコマンドを送信する処理を行う。このため、表示制御基板80に入力される光センサ61,62,65からの検出信号(指示検出)の入力タイミングによって図柄の変動時間が変化してしまうようでは、遊技制御基板31側でいつ変動が停止するかが確認できなくなってしまい、当該変動による表示結果が大当りとなる場合には大入賞口20を開放するタイミングが大当りの表示とズレてしまう状態や、当該変動による表示結果がハズレとなる場合には次の変動を開始するコマンドを前の変動が終了しないうちに送信してしまう状態等の不具合が生じることとなる。
【0113】
次に、動画像データに基づく遊技演出表示について図29乃至図32を参照して説明する。図29は、遊技演出で使用される動画像データのデータ構造の一例を示す説明図である。この動画像データは、本例では、表示制御基板80が備えるROMに格納されている。リーチ演出で使用される動画像データは、本例では、MPEG2と呼ばれる符号化技術によりデータ圧縮された状態で表示制御基板80が備えるCGROMに格納されている(圧縮データ格納手段)。
【0114】
本例では、動画像データに基づく動画像演出が複数種類予め用意されている。即ち、複数種類の動画像データが予め用意されてCGROMに格納されている。なお、この例では、大当り遊技演出時に使用される動画像データ、リーチ演出時に使用される動画像データ等、使用される演出毎に区別されてCGROMに格納されている。そして、例えば、動画像演出を実行するときに、例えば、乱数等を利用して使用する動画像データが選択され、選択された動画像データに基づく動画像演出が実行される。
【0115】
図29に示すように、動画像データは、シーケンスと呼ばれるストリームデータによって構成される。シーケンスは、画像の大きさを示す情報等のシーケンス全体に関連する情報が含まれているシーケンスヘッダで始まり、シーケンスエンドで終了する。このシーケンスは、例えば、動画像による1単位の遊技演出を実現するためのビデオプログラム全体の符号化データによって構成されている。即ち、本例では、動画像による遊技演出の種類毎に予めシーケンスが用意され、動画像による遊技演出を実行するための動画像データは、1つのシーケンスによって構成されている。シーケンスは、MPEG2機能拡張情報と、少なくとも1つのGOP(Group Of Picture)とを含む。シーケンスに含まれているMPEG2機能拡張情報は、MPEG2に準拠した符号化データであることを示す情報等の各種の情報を含む。
【0116】
各GOPは、GOPヘッダと、Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャのうち少なくとも1つのピクチャとを含む。ここで、Iピクチャは、フレーム内符号化によって符号化されているピクチャである。Pピクチャは、過去のフレームのみを用いて前方向の動き補償予測を行うピクチャである。Bピクチャは、過去及び未来の両フレームを用いて双方向の動き補償予測を行うピクチャである。
【0117】
各ピクチャは、ピクチャヘッドと、MPEG2機能拡張情報と、少なくとも1つのスライスとを含む。ピクチャヘッドには、Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャのいずれかを識別するための情報や、各ピクチャの表示順序を指定する情報等が含まれている。ピクチャに含まれているMPEG2機能拡張情報には、例えば、フレーム構造やフィールド構造を設定するための情報等が含まれる。スライスは、分割フレーム内符号化を実現するためにピクチャが細分化された1つの単位を意味する。
【0118】
各スライスは、スライス情報と、少なくとも1つのマクロブロックとを含む。スライス情報は、スライス内で使用される符号化情報が含まれている。符号化情報には、例えば、量子化特性を示す情報が該当する。
【0119】
各マクロブロックは、マクロブロック情報と、複数のブロックとを含む。1つのマクロブロックには、例えば、4個の輝度信号ブロックと、2個(Cr信号、Cb信号各1個)の色差信号ブロックとが含まれる。マクロブロック情報には、マクロブロック単位で符号化制御を行うための情報等が含まれる。各ブロックは、輝度信号、Cr信号、Cb信号のいずれかのDCT(離散コサイン変換)係数データ(離散コサイン変換によって得られる係数群)から構成される。なお、各ブロックは、EOB(End Of Block)コードで終了する。
【0120】
なお、本例では、各シーケンスは、再生時に表示されるキャラクタ等の表示物体が速い動きをする部分には、キーフレームとして用いられるIピクチャを多く用いるようにしている。また、各シーケンスは、再生時に表示されるキャラクタ等の表示物体の動きが少ない部分には、PピクチャやBピクチャを多く用いた構成とされている。特に、表示物体の動きがない部分や、動きが特に少ない部分には、最もデータ量の少ないBピクチャを多く用いた構成とされている。
【0121】
上記のように、表示物体の動きが速い部分には、キーフレームデータ(例えば、Iピクチャデータ)を多く用いて動画像データを構成しているので、動きの速い物体が表示される動画像によって演出を行う場合であっても、情報の欠落がほとんどない良好な画像品質の画像を符号化によって得ることができ、そのような良質の画像によって動画像演出を行うことができる。よって、表示物体の動きが速い部分の画像品質を向上させることができる。
【0122】
また、上記のように、表示物体の動きが遅い部分には、前方向予測符号化フレームデータ(例えば、Pピクチャデータ)や双方向予測符号化フレームデータ(例えば、Bピクチャデータ)を多く用いて動画像データを構成しているので、画像品質を劣化させることなく、動画像データのデータ量を削減することができる。このような効果は、データ圧縮率が向上するので、動画像データによって再生される動画像における表示物体の動きが速い部分が少ないほど著しい。
【0123】
つまり、上記のように、表示物体の動きが速い部分には、キーフレームデータを多く用い、表示物体の動きが遅い部分には、前方向予測符号化フレームデータや双方向予測符号化フレームデータを多く用いるようにして動画像データを作成しているので、全体としての画像品質を向上させることができると共に、動画像データのデータ総量を低減させることができるようになる。
【0124】
次に、表示制御基板80に搭載されているGCLの機能について説明する。GCLは、表示制御用CPUからの指示に従って、動画像データを用いた動画像による各種の演出を実行する機能を有している。
【0125】
図30は、GCLが実行する復号化処理の例を示すフローチャートである。復号化処理において、GCLは、先ず、後述する静止表示フラグがオンでなければ(SK1のN)、CGROMに格納されている演出に使用する動画像データ(シーケンス)からピクチャを示すピクチャデータを読み出す(SK2)。ピクチャデータは、動画像データにて配列されている順番に従って再生することができるような順番で読み出される。なお、再生される順番と復号化される順番は必ずしも一致しない。例えば、Bピクチャは、その後に配されているIピクチャ又はPピクチャを復号化した後に復号化される。
【0126】
読み出したピクチャデータが静止表示対象ピクチャであれば(SK3のY)、GCLは、静止表示フラグをオン状態とし(SK4)、静止表示時間タイマをスタートさせる(SK5)。
【0127】
静止表示対象ピクチャとは、所定期間継続して静止表示させるピクチャとして予め定められているピクチャを意味する。静止表示対象ピクチャであるか否かを示す情報は、各ピクチャのMPEG2機能拡張情報に格納されている。従って、GCLは、各ピクチャのMPEG2機能拡張情報を確認することで、読み出したピクチャが静止表示対象ピクチャであるか否かを判定することができる。
【0128】
静止表示フラグは、例えば、表示制御基板80が備えるRAMの所定の領域に設けられており、静止表示処理(図30及び図31に示す処理において、静止表示フラグがオン状態とされてからオフ状態とされるまでの一連の処理)の実行中であるか否かの判定に用いられるフラグである。
【0129】
静止表示時間タイマは、静止表示対象ピクチャによる静止表示処理を実行する期間(例えば、3秒、5秒等の期間)を計測するためのタイマである。例えば、静止表示時間タイマは、カウンタを含む表示制御用CPUによって構成される。具体的には、表示制御用CPUは、所定期間(例えば、2ms)毎にカウントアップしていくカウンタのカウント値を監視し、計測開始後に所定回数(例えば、3秒を計測する場合には1500回)カウントされたことを確認したときに計測時間が経過したものと判定することで、静止表示時間を計測する。
【0130】
次いで、GCLは、動画圧縮・伸張部を制御して読み出したピクチャデータを復号化し(SK6;データ伸張手段)、展開領域指定ポインタが指す画像メモリの展開領域に、復号化したピクチャデータをフレーム単位で展開する(SK7)。なお、復号化を行うときには、動画圧縮・伸張部は、対象となるピクチャデータがIピクチャデータであるか、Pピクチャデータであるか、Bピクチャデータであるかに応じた復号化処理を実行する。
【0131】
そして、GCLは、展開領域指定ポインタが次に使用される展開領域を指すようにしておくために、展開領域指定ポインタの値を更新する(SK8)。
【0132】
なお、画像メモリは、再生に用いる画像データをフレーム単位で展開するために、例えば、SDRAMの所定の領域に設けられている。画像メモリには、フレーム単位で画像データを展開するための展開領域が複数設けられている。展開領域指定ポインタは、例えば、SDRAMの所定の領域に設けられ、復号化した画像データを展開する展開領域を指すポインタである。例えば、画像メモリに展開領域0から展開領域11までの12個の展開領域が設けられている場合には、展開領域指定ポインタは、0〜11までの範囲の値をとる。そして、SK8にて、展開領域指定ポインタの値が、復号化された画像データが再生される順番で画像メモリに展開されるような値に更新される。そして、GCLによって、次回の復号化処理のSK7にて、展開領域指定ポインタの値と同一の値が設定されている展開領域が画像データを展開する領域として選択される。
【0133】
具体的には、例えば、Iピクチャ、B1ピクチャ、B2ピクチャ、Pピクチャの順番で再生される場合には、Iピクチャ、Pピクチャ、B1ピクチャ、B2ピクチャの順番で復号化されることになる。この場合、Iピクチャの画像データを画像メモリに展開した後、展開領域指定ポインタの値を3加算し、加算後の展開領域指定ポインタが指す展開領域にPピクチャの画像データを展開した後、展開領域指定ポインタの値を2減算し、減算後の展開領域指定ポインタが指す展開領域にB1ピクチャの画像データを展開した後、展開領域指定ポインタの値を1加算し、加算後の展開領域指定ポインタが指す展開領域にB2ピクチャの画像データを展開した後、展開領域指定ポインタの値を次に復号化されるピクチャに応じて更新するようにすればよい。なお、展開領域指定ポインタの値が12となった場合には0に戻される。
【0134】
図31は、GCLが実行する動画再生処理の例を示すフローチャートである。動画再生処理において、GCLは、再生領域指定ポインタが指す画像メモリの展開領域に展開されているフレームデータを用いて特別図柄表示部9に画像を表示する(SL1)。
【0135】
次いで、GCLは、静止表示フラグがオン状態であれば(SL2のY)、静止表示対象ピクチャを用いた静止表示処理中であるので、静止表示時間タイマがタイムアウトしているか否かを確認する(SL3)。静止表示時間タイマがタイムアウトしていた場合には、GCLは、静止表示フラグをオフ状態とし(SL4)、再生領域指定ポインタが次に使用される展開領域を指すようにしておくために、再生領域指定ポインタの値を更新する(SL5)。なお、静止表示時間タイマがタイムアウトしていなければ、静止表示処理を継続して実行するために、再生領域指定ポインタの値は更新しない。
【0136】
再生領域指定ポインタは、例えば、SDRAMの所定の領域に設けられ、動画再生を行うために次に用いられる画像データが展開されている展開領域を指すポインタである。例えば、画像メモリに展開領域0から展開領域11までの12個の展開領域が設けられている場合には、再生領域指定ポインタは、0〜11までの範囲の値をとり、SL5にて再生領域指定ポインタの値が1加算されるように構成される。なお、再生領域指定ポインタの値が12となった場合には0に戻される。そして、GCLによってSL1にて、再生領域指定ポインタの値と同一の値が設定されている展開領域が、動画再生のために次に使用する画像データが格納されている領域として選択される。
【0137】
なお、上述した画像再生処理は、例えば、上述した復号化処理の後に続けて実行される。但し、画像データが復号化される順番と再生される順番が異なるので、動画再生処理よりも復号化処理が少なくとも数回分先行して実行される必要がある。この復号化処理及び動画再生処理は、動画像による遊技演出が行われるときに呼び出されて繰り返し実行される。復号化処理及び動画再生処理が繰り返し実行されることで、特別図柄表示部9の画面上に、圧縮されている動画像データに基づく動画像が表示され、遊技演出が実行される(データ再生手段)。
【0138】
また、上述した復号化処理と動画再生処理とが実行されることで、静止表示対象ピクチャを用いて静止表示処理が実行される。即ち、動画像データに含まれている予め定められた1フレーム分の画像データに基づく画像表示が繰り返し実行されることで、同一画像が所定期間継続して表示されることになり、動画像データに含まれている画像データを用いた静止表示が実現される(静止画像再生処理手段)。
【0139】
なお、静止表示対象ピクチャは、例えば、演出に用いられる動画像において、表示画像の変化が所定期間ないような場面を示す画像とされる。具体的には、前述した各種リーチA,B,Cにおける表示態様d(リーチ演出画像)で用いられるキャラクタ104,105,106の動画像データがデータ再生手段によって表示され、キャラクタ104,105,106の動画像データに含まれる静止表示対象画像データが選択肢画像をなす表示態様aとリーチ演出画像の選択結果を示す画像となる表示態様b,cに用いられ、静止画像再生処理手段によって表示される。
【0140】
図32は、静止表示対象ピクチャを用いて静止表示処理が実行されるとき(選択肢画像等を表示するとき)の特別図柄表示部9の表示状態の例を示す説明図である。この説明図では、静止表示対象画像として、動画演出における表示画像の変化が所定期間ない場面を構成する人物の画像を用いる。
【0141】
静止表示対象画像による演出を実行する場合には、図32(A)(B)に示すように、例えば、人物が動作している動画像が表示された後、図32(C)に示すように、動作していた人物が停止した画像が表示される。なお、図32(C)に示す画像は、静止表示対象画像である。
【0142】
図32(C)に示すように、静止表示対象画像が特別図柄表示部9に一旦表示されると、図32(D)(E)に示すように、静止表示時間タイマがタイムアウトするまで静止表示対象画像が繰り返し継続して表示される。そして、予め定められている所定期間が経過して静止表示時間タイマがタイムアウトすると、図32(F)(G)に示すように、静止していた人物が動き出して各種の動作を行うような動画像が特別図柄表示部9に表示され、特別図柄表示部9にて動画像演出が実行される。
【0143】
上記のように、動画像データに含まれている1フレーム分の画像データを用いて表示画像を所定期間静止させる静止表示を行う構成としたことで、動画像演出中に表示画面の変化がない場面が存在する場合に、そのような場面を表示させるための動画像データを用意しておく必要をなくすことができるので、静止表示を行うための動画像データを削減することができ、動画像データ全体のデータ量を低減させることができる。よって、動画像データの格納領域の必要容量を抑えることができる。
【0144】
以上のように、本実施形態の構成によれば、所定の始動条件の成立に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報画像(特別図柄)の可変表示を行い表示結果を導出表示する画像表示装置(特別図柄表示部9)と、前記始動条件の成立に基づいて前記表示結果をその導出表示以前に決定する表示結果事前決定手段(遊技制御基板31のCPU56により表示結果をその導出表示以前に決定する機能)と、を備え、該表示結果事前決定手段が表示結果を特定表示結果とすることを決定したときに前記画像表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる遊技機であって、前記識別情報画像を含む画像データを記憶する画像データ記憶手段(表示制御基板80のCGROM)と、前記画像データを用いて前記画像表示装置の表示を制御する表示制御手段(表示制御基板80のCPUにより特別図柄表示部9の表示を制御する機能)と、遊技者の操作を検出する検出手段(光センサ61,62,65)と、を備え、前記表示制御手段は、所定条件が成立すると前記可変表示中において複数種類の選択肢画像(3種類のキャラクタ104〜106を表示する表示態様a)を表示する選択肢画像表示手段と、前記検出手段の検出に基づいて遊技者がいずれの選択肢を選択したかを判定する判定手段と、該判定手段の判定結果に対応する選択結果(表示態様b,c)を表示する選択肢画像表示手段と、異なった演出時間(T1,T2,T3)である複数種類のリーチ演出画像(リーチA,B,Cの表示態様d)のうち遊技者の選択結果に対応するリーチ演出画像を表示するリーチ演出手段と、前記選択結果表示手段により選択結果が表示された後にリーチ演出画像に移行するまでの時間を、選択されたリーチ演出画像の表示時間(T1,T2,T3)に応じて変化させることで、いずれのリーチ演出画像が選択された場合においても識別情報画像の可変表示開始から可変表示終了までの時間を一定にする表示時間設定手段と、を含むことを特徴とする。このように構成することにより、遊技者の操作に応じてリーチ演出の選択が可能な画像表示装置の構成において、識別情報画像の可変表示開始から可変表示終了までの時間を一定とすることで、画像表示制御におけるリーチ演出の時間の管理を統一化し、制御負担を軽減することができる。
【0145】
また、前記表示制御手段は、前記検出手段の検出に基づいて表示するリーチ演出画像を決定する(光センサ61,65,62の検出に基づいて選択されたキャラクタ104,105,106と対応するリーチA,B,Cを実行する)ことを特徴とする。このように構成することにより、遊技者の操作がそのままリーチ演出に反映されるので遊技者参加型の遊技内容となり、ひいては遊技の演出効果を高めることができる。
【0146】
また、前記選択肢画像表示手段は、前記リーチ演出画像の一部(表示態様dのキャラクタ104,105,106)を前記選択肢画像で表示するデータとして用いることを特徴とする。このように構成することにより、リーチ演出画像を選択肢画像で表示するデータとして活用することでデータ量を軽減することができ、然も同一データを使用することで、リーチ選択の内容を遊技者に分り易くできる。
【0147】
なお、リーチ演出画像のデータ(リーチA,B,Cの表示態様d)は、前述したように、リーチ選択演出となる特定変動パターンコマンド以外にも通常リーチ時のリーチ変動パターンコマンドのときに共用される。即ち、リーチ演出画像は、通常のリーチ演出時に表示する画像と共用される。これにより、リーチ演出用の画像データを軽減することができる。
【0148】
また、前記画像データ記憶手段は、前記リーチ演出画像のデータを動き補償予測符号化による圧縮データを含む動画像データとして格納する圧縮データ格納手段(表示制御基板80のCGROM)を含み、前記表示制御手段は、前記動画像データを伸張するデータ伸張手段(図30に示すSK6)と、該データ伸張手段により伸張された動画像データに基づいて生成される画像を順次表示させるデータ再生手段(表示制御基板80により圧縮されている動画像データに基づく動画像を表示させる機能)と、前記動画像データに含まれる静止表示対象画像データを表示させる静止画像再生処理手段(表示制御基板80により動画像データに含まれている画像データを用いた静止表示を実現させる機能)と、を含み、前記リーチ演出画像は、前記データ再生手段により表示され、前記選択肢画像は、前記静止画像再生処理手段により表示されることを特徴とする。このように構成することにより、データの再生時以外では、リーチ演出画像のデータを圧縮データとして記憶しておくため、予め記憶しておくデータ量をより一層軽減することができる。然も、この構成によれば、リーチ演出画像と選択肢画像の表示において同一データを使用することで、リーチ選択の内容を遊技者に分り易くできる。
【0149】
なお、上記した実施形態では、選択肢画像によるリーチ演出画像の選択において、検出手段(光センサ61,62,65)の検出、言い換えれば遊技者の操作(選択指示)に応じたリーチ演出画像を選択する構成としているが、必ずしもこのような構成とする必要はない。例えば、図柄の変動開始以前に、選択されるリーチ演出画像を乱数抽出で決定しておき、リーチ選択時には、各リーチ演出画像と対応するキャラクタを順次高速にスクロール表示し、遊技者の操作(選択指示)タイミングに合わせて予め決定されているリーチ演出画像のキャラクタを停止表示し、あたかも遊技者がリーチ演出画像を選択したかのような演出を行っても良い。即ち、識別情報画像の可変表示開始以前にリーチ演出画像を決定し、遊技者の選択結果に依存せずに予め決定されたリーチ演出画像の演出表示を行う。これにより、事前にリーチ演出画像の表示時間(リーチ演出時間)を決定できるので、画像表示制御におけるリーチ演出の時間の管理を統一化し、制御負担を軽減することができる。
【0150】
また、本発明に係るリーチとは、停止した図柄(リーチ表示態様という)が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄(リーチ変動中の図柄という)については可変表示が行われていること、全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している状態である。具体的には、予め定められた複数の可変表示部に、予め定められた図柄が停止することで大当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の可変表示部に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の可変表示部において可変表示が行われている状態(例えば、左・中・右の可変表示部のうち左右の可変表示部には大当り図柄の一部となる図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中央の可変表示部は未だ可変表示が行われている状態)、有効ライン上の可変表示部の全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している状態(例えば、左・中・右の可変表示部の全てに可変表示が行われてどの状態が表示されても同一の図柄が揃っている状態で可変表示が行われている状態)である。また、リーチの際に、通常とは異なる演出がランプや音で行われることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクター(人物等を模した演出表示であり、図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景の表示態様を変化させたりすることがある。このキャラクターの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。そして、このようなリーチ演出表示で可変表示装置に表示される画像が「リーチ演出画像」である。また、「選択肢画像」とは、リーチ状態でいずれのリーチ演出画像を遊技者が選択するかを検出するために表示される画像である。
【0151】
また、実施形態中の弾球遊技機1は、始動入賞に基づいて特別図柄表示装置9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種弾球遊技機であったが、始動入賞に基づいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種弾球遊技機や、始動入賞に基づいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生又は継続する第3種弾球遊技機であっても、本発明を適用できる。さらには、画像表示装置を備えたスロットマシンであってもよい。また、実施形態中では、画像表示装置としての特別図柄表示部9を液晶(LCD)タイプの表示器で構成しているが、特にこれに限定するものではなく、CRT、LED、FED、EL、あるいはプラズマによる表示器で画像表示装置を構成してもよい。
【0152】
また、本実施形態では、特別遊技状態を特別図柄及び普通図柄の確率変動制御としているが、これに限定するものではなく、遊技者に有利となる遊技制御を特別遊技状態とすればよい。以下、この遊技制御を大当りに直接的には拘らないものと大当りに直接的に拘るものとに分けて説明する。即ち、特定遊技状態に加える特別遊技状態とは、特定遊技状態とは別の特別遊技状態のことであってもよいし、また特定遊技状態を含む特別遊技状態のことであってもよい。先ず、大当りに直接的には拘らない遊技制御としては、特別図柄乃至普通図柄に対しての時間短縮制御又は確率変動制御、電役(例えば、普通可変入賞球装置)の開放期間の延長制御、特別図柄乃至普通図柄に対しての始動通過領域の増設制御(例えば、普通入賞口を特別図柄の始動入賞口として設定変更する制御)、賞球数の増加制御(例えば、入賞に伴う賞球を通常時の13個から15個に増加する制御)、あるいは所定領域への通過率向上制御(例えば、始動入賞口の上流側に打玉規制装置を設け、該打玉規制装置の作動により始動入賞率を向上する制御)を特別遊技状態とすることができ、さらには前記第3種に本発明を適用した場合には、特定領域への入賞率向上制御を特別遊技状態としてもよい。一方、大当りに直接的に拘る遊技制御としては、ラウンド数の向上制御、カウント数の向上制御、大入賞口の開放延長制御、あるいは大入賞口への入賞に伴う賞球数の増加制御を特別遊技状態とすることができる。なお、上記した遊技制御を組合せて特別遊技状態とすることもできるのは言うまでもない。
【0153】
また、以上説明した実施形態から把握できる発明として以下のものがある。
(1)識別情報画像の可変表示開始以前にリーチ演出画像を決定し、遊技者の選択結果に依存せずに予め決定されたリーチ演出画像の演出表示を行うことを特徴とする。このように構成することにより、事前にリーチ演出画像の表示時間(リーチ演出時間)を決定できるので、画像表示制御におけるリーチ演出の時間の管理を統一化し、制御負担を軽減することができる。
(2)リーチ演出画像は、通常のリーチ演出時に表示する画像と共用されることを特徴とする。このように構成することにより、リーチ演出用の画像データを軽減することができる。但し、ここでいう通常のリーチ演出とは、複数の選択肢の中からリーチ演出画像を選択した後にリーチ演出に移行されるリーチ演出以外のことである。
【0154】
【発明の効果】
以上、説明したところから明らかなように、請求項1の発明においては、遊技盤の遊技領域に設けられ且つ所定の始動条件の成立に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報画像の可変表示を行い表示結果を導出表示する画像表示装置と、前記始動条件の成立に基づいて前記表示結果をその導出表示以前に決定する表示結果事前決定手段と、を備え、該表示結果事前決定手段が表示結果を特定表示結果とすることを決定したときに前記画像表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる遊技機であって、前記識別情報画像を含む画像データを記憶する画像データ記憶手段と、前記画像データを用いて前記画像表示装置の表示を制御する表示制御手段と、遊技者の操作を検出する検出手段と、前記遊技領域を透視可能にその前面側を覆い且つ前記画像表示装置の表示画面と対向するように設けられたガラス板と、を備え、前記表示制御手段は、所定条件が成立すると前記可変表示中において複数種類の選択肢画像を表示する選択肢画像表示手段と、前記検出手段の検出に基づいて遊技者がいずれの選択肢を選択したかを判定する判定手段と、該判定手段の判定結果に対応する選択結果を表示する選択結果表示手段と、異なった演出時間である複数種類のリーチ演出画像のうち遊技者の選択結果に対応するリーチ演出画像を表示するリーチ演出手段と、前記選択結果表示手段により選択結果が表示された後にリーチ演出画像に移行するまでの時間を、選択されたリーチ演出画像の表示時間に応じて変化させることで、いずれのリーチ演出画像が選択された場合においても識別情報画像の可変表示開始から可変表示終了までの時間を一定にする表示時間設定手段と、を含み、前記検出手段は、前記画像表示装置の前記表示画面の外周を覆う飾り部材に、前記表示画面に対し該表示画面に傾けて斜めに設置された投射光を発する投光部と該投光部の光路上の物体により反射した光を受光する受光部とを有し、前記投光部から前記ガラス板に対して斜めに発する投射光の光路上における所定の検出範囲に前記物体があるか否かを検出可能であって、前記投射光のうち前記ガラス板を透過した投射光の光路上における前記検出範囲が、前記ガラス越しに前記表示画面を正面から視認したときに前記選択肢画像の表示位置と重畳する光センサからなり、前記投光部及び前記受光部は、前記投射光のうち前記ガラス板により反射した投射光の光路上における前記検出範囲に前記表示画面やその他の遊技機部品も入らない位置及び向きとなるように前記飾り部材に設置されていることを特徴とする。このように構成することにより、遊技者の操作に応じてリーチ演出の選択が可能な画像表示装置の構成において、識別情報画像の可変表示開始から可変表示終了までの時間を一定とすることで、画像表示制御におけるリーチ演出の時間の管理を統一化し、制御負担を軽減することができる。また、遊技者は、選択したい選択肢の表示を押すような感覚でガラス前面に指を移動させるだけで、目視することはできない光センサの有効検出範囲に指を自動的に移動させることができ、指を検出した光センサから検出信号が出力されるため、遊技者にとってリーチ選択時の遊技の進行方法・光センサの検出方法を容易に理解することができ興趣が増す。また、ガラス板自体をタッチセンサにするよりも、安価かつ制御負担の軽減が図れる構成とすることができる。
【0155】
また、請求項2の発明においては、前記表示制御手段は、前記検出手段の検出に基づいて表示するリーチ演出画像を決定することを特徴とする。このように構成することにより、遊技者の操作がそのままリーチ演出に反映されるので遊技者参加型の遊技内容となり、ひいては遊技の演出効果を高めることができる。
【0156】
また、請求項3の発明においては、前記選択肢画像表示手段は、前記リーチ演出画像の一部を前記選択肢画像で表示するデータとして用いることを特徴とする。このように構成することにより、リーチ演出画像を選択肢画像で表示するデータとして活用することでデータ量を軽減することができ、然も同一データを使用することで、リーチ選択の内容を遊技者に分り易くできる。
【0157】
また、請求項4の発明においては、前記画像データ記憶手段は、前記リーチ演出画像のデータを動き補償予測符号化による圧縮データを含む動画像データとして格納する圧縮データ格納手段を含み、前記表示制御手段は、前記動画像データを伸張するデータ伸張手段と、該データ伸張手段により伸張された動画像データに基づいて生成される画像を順次表示させるデータ再生手段と、前記動画像データに含まれる静止表示対象画像データを表示させる静止画像再生処理手段と、を含み、前記リーチ演出画像は、前記データ再生手段により表示され、前記選択肢画像は、前記静止画像再生処理手段により表示されることを特徴とする。このように構成することにより、データの再生時以外では、リーチ演出画像のデータを圧縮データとして記憶しておくため、予め記憶しておくデータ量をより一層軽減することができる。然も、この構成によれば、リーチ演出画像と選択肢画像の表示において同一データを使用することで、リーチ選択の内容を遊技者に分り易くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。
【図2】 パチンコ遊技機の遊技領域を正面から見た正面図である。
【図3】 パチンコ遊技機の内部構造を示す全体背面図である。
【図4】 遊技制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。
【図5】 パチンコ遊技機の可変表示装置を右上から見た斜視図である。
【図6】 パチンコ遊技機の可変表示装置を横から見た断面図である。
【図7】 リーチ選択時の特別図柄表示部の表示画面と光センサの検出可能範囲との関係を説明するための図である。
【図8】 パチンコ遊技機の遊技制御に用いられる乱数を生成するための各種ランダムカウンタを説明するための説明図である。
【図9】 確定図柄を指定するコマンドを説明するための図である。
【図10】 変動パターンコマンド(変動開始コマンド)を説明するための図である。
【図11】 パチンコ遊技機の大当り制御を行うための概略を示すフローチャートである。
【図12】 変動パターンテーブルの振分けを行うための概略を示すフローチャートである。
【図13】 遊技制御基板により実行される遊技制御メイン処理及び割り込み処理を示すフローチャートである。
【図14】 特別図柄プロセス処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図15】 表示制御基板により実行される表示制御メイン処理及び割り込み処理を示すフローチャートである。
【図16】 遊技制御に用いられる乱数を生成するための各種ランダムカウンタにより抽出された値に対応するコマンドを記憶するための遊技制御基板用のCPUの記憶領域(RAM)である図柄変動バッファ記憶領域を説明するための図である。
【図17】 遊技制御基板から送信されてきたコマンドを記憶するための表示制御用CPUの記憶領域(RAM)である受信コマンドバッファ記憶領域を説明するための図である。
【図18】 コマンド解析処理を説明するためのフローチャートである。
【図19】 表示制御プロセス処理を説明するためのフローチャートである。
【図20】 変動開始コマンド受信待ち処理を説明するためのフローチャートである。
【図21】 選択遊技判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図22】 可変表示動作開始設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図23】 図柄変動中処理を説明するためのフローチャートである。
【図24】 全図柄停止待ち処理を説明するためのフローチャートである。
【図25】 リーチ選択における表示態様を示すタイムチャートである。
【図26】 選択指示の検出とこれに応じた表示態様の切り換えを示すタイムチャートである。
【図27】 各リーチA,B,Cの演出時間を示す説明図である。
【図28】 選択肢画像を示す説明図である。
【図29】 リーチ演出で使用される動画像データのデータ構造の一例を示す説明図である。
【図30】 GCLが実行する復号化処理の例を示すフローチャートである。
【図31】 GCLが実行する動画再生処理の例を示すフローチャートである。
【図32】 静止表示対象ピクチャを用いて静止表示処理が実行されるときの特別図柄表示部の表示状態の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機(遊技機)
9 特別図柄表示部(画像表示装置)
31 遊技制御基板(表示結果事前決定手段)
61,62,65 光センサ(検出手段)
80 表示制御基板(画像データ記憶手段、表示制御手段)
101,102,103 可変表示部
104,105,106 キャラクタ
Claims (4)
- 遊技盤の遊技領域に設けられ且つ所定の始動条件の成立に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報画像の可変表示を行い表示結果を導出表示する画像表示装置と、前記始動条件の成立に基づいて前記表示結果をその導出表示以前に決定する表示結果事前決定手段と、を備え、該表示結果事前決定手段が表示結果を特定表示結果とすることを決定したときに前記画像表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる遊技機であって、
前記識別情報画像を含む画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
前記画像データを用いて前記画像表示装置の表示を制御する表示制御手段と、
遊技者の操作を検出する検出手段と、
前記遊技領域を透視可能にその前面側を覆い且つ前記画像表示装置の表示画面と対向するように設けられたガラス板と、を備え、
前記表示制御手段は、
所定条件が成立すると前記可変表示中において複数種類の選択肢画像を表示する選択肢画像表示手段と、
前記検出手段の検出に基づいて遊技者がいずれの選択肢を選択したかを判定する判定手段と、
該判定手段の判定結果に対応する選択結果を表示する選択結果表示手段と、
異なった演出時間である複数種類のリーチ演出画像のうち遊技者の選択結果に対応するリーチ演出画像を表示するリーチ演出手段と、
前記選択結果表示手段により選択結果が表示された後にリーチ演出画像に移行するまでの時間を、選択されたリーチ演出画像の表示時間に応じて変化させることで、いずれのリーチ演出画像が選択された場合においても識別情報画像の可変表示開始から可変表示終了までの時間を一定にする表示時間設定手段と、を含み、
前記検出手段は、
前記画像表示装置の前記表示画面の外周を覆う飾り部材に、前記表示画面に対し該表示画面に傾けて斜めに設置された投射光を発する投光部と該投光部の光路上の物体により反射した光を受光する受光部とを有し、前記投光部から前記ガラス板に対して斜めに発する投射光の光路上における所定の検出範囲に前記物体があるか否かを検出可能であって、前記投射光のうち前記ガラス板を透過した投射光の光路上における前記検出範囲が、前記ガラス越しに前記表示画面を正面から視認したときに前記選択肢画像の表示位置と重畳する光センサからなり、
前記投光部及び前記受光部は、前記投射光のうち前記ガラス板により反射した投射光の光路上における前記検出範囲に前記表示画面やその他の遊技機部品も入らない位置及び向きとなるように前記飾り部材に設置されていることを特徴とする遊技機。 - 前記表示制御手段は、前記検出手段の検出に基づいて表示するリーチ演出画像を決定することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
- 前記選択肢画像表示手段は、前記リーチ演出画像の一部を前記選択肢画像で表示するデータとして用いることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。
- 前記画像データ記憶手段は、前記リーチ演出画像のデータを動き補償予測符号化による圧縮データを含む動画像データとして格納する圧縮データ格納手段を含み、前記表示制御手段は、前記動画像データを伸張するデータ伸張手段と、該データ伸張手段により伸張された動画像データに基づいて生成される画像を順次表示させるデータ再生手段と、前記動画像データに含まれる静止表示対象画像データを表示させる静止画像再生処理手段と、を含み、前記リーチ演出画像は、前記データ再生手段により表示され、前記選択肢画像は、前記静止画像再生処理手段により表示されることを特徴とする請求項3記載の遊技機。
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