JP4680237B2 - 穀類の非貯蔵タンパクを融合キャリアとして使用する胚乳におけるポリペプチド発現方法及びその使用 - Google Patents

穀類の非貯蔵タンパクを融合キャリアとして使用する胚乳におけるポリペプチド発現方法及びその使用 Download PDF

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Description

本発明は、遺伝子工学分野に属するものであり、更に詳しくは、穀類の非貯蔵タンパクを融合キャリアとして使用する胚乳におけるポリペプチド発現方法及びその使用、即ち、水稲や大麦などの穀類の胚乳細胞をバイオリアクターとし、タンパク融合の技術策略を採用して、遺伝子導入方法により胚乳細胞特異的融合タンパク発現ベクターを、水稲や大麦細胞に導入し、遺伝子が導入された水稲や大麦の胚乳細胞中で特異的に融合タンパクを発現させて多量に蓄積する方法及び該方法により生産された植物由来のポリペプチドに関する。
小分子ポリペプチドは、一般的に、アミノ酸配列の数が100以下であるポリペプチドを指す。近来、それらは医薬、疾病治療、分子ワクチンなどの分野において広く使用されている。それらの用途には抗表面抗原、抗各種病原菌作用、疾病診断並びにエイズ(AIDS)及び腫瘍の治療などが含まれる。特に、幾つかの分子生物学―例えば、バクテリオファージ提示技術の発展に伴って、多くのポリペプチドが発見されてきたので、各種の機能研究、臨床試験及び疾病治療のニーズに応じた多くのポリペプチドを生産する必要性が生じてきた。通常、これらアミノ酸配列の数が40以下であるポリペプチドは主として化学合成にて生産されるが、化学合成の過程において、不完全的な化学反応と化学修飾が幾つかあり(非特許文献1:Dobeli, 等1998,Protein Expression & Purification, Vol,12 : 404-414)、アミノ酸配列の数が40以下のポリペプチドであっても、合成が困難であることがある。それゆえに、生物学システムによりポリペプチドを生産することが、その優位性と必要性を有するようになってきた。
前世紀の50年代に、主要医薬製品の生産は細菌をバイオリアクターとしていた。しかし、細菌は原核生物に属し、真核細胞のタンパク質合成と加工システムを備えていない。そして、ある種のタンパク質の生物活性は、タンパク質の修飾にて得られるものに依存するので、その応用には制限があった。酵母が第二世代のバイオリアクターとして、前世紀の70年代に医薬製品の生産に応用され始めたが、その収量が低く、その体内修飾・加工システムがすべて完全ではなかったので、その広範囲な応用は制限された。第三世代のバイオリアクターは高等動・植物細胞をバイオリアクターとして利用した。現在、真核バイオリアクターは動物バイオリアクターと植物バイオリアクターの二種類に大別される。動物バイオリアクターには更に細胞培養と遺伝子導入動物の二種類があり、現在、主要な医用抗体は、動物CHO細胞系(又はマウス)を使用した細胞培養にて生産されている。遺伝子導入動物の研究は、主に遺伝子導入乳牛の乳腺細胞における組換えタンパク質の発現及び(鶏)卵アルブミン中での組換えタンパク質の発現に焦点が当てられている。しかしながら、動物細胞培養と遺伝子導入動物は、動物病原菌の汚染問題を克服できず、且つ動物細胞培養のコストが極めて高いので、大規模な生産には莫大な資金を必要とする。現在、全世界でモノクローナル抗体を千キロ/年しか生産できていないと見積もられている。千キロの生産能力の拡大には、40億米ドルの投資と10年を要する、と試算されている。これらのデータは、現有の組換えタンパク質の生産システムと能力が市場の要求を大幅に下回っていることを示している。したがって、ポリペプチドの巨大な市場要求を満足させるためには、高効率で安全な発現システムの出現を緊急に必要としている。
ほとんどの場合に、組換えタンパク質の発現にはアミノ酸配列の数が少なくとも80個以上であるポリペプチドを必要とするが、その発現レベルが非常に低い。故に、ポリペプチドの発現レベルを向上させる方法は、主に、融合タンパクを利用する方式となる。これまで、融合タンパク発現システムの研究は原核生物である大腸菌と酵母に対して焦点が当てられてきた。例えば、マルトース結合タンパク質(maltose binding protein MBP)、FLAG(非特許文献2:Einhauer et al, 2001, J. Biochem.Biophys.Methods, Vol 49:455-465)、及びグルタチオン(GST)(非特許文献3:Papaioannou et al, 2002, Protein Expression & Purification, Vol,13:462-466)などが大腸菌と酵母の宿主発現系に適用された。幾つかの融合蛋白発現システムが既に商品化されているが、実験室の基礎研究に適用されたに過ぎない。植物発現系を利用してポリペプチドを発現させる研究が、比較的最近始まった。最近、タンパク質のジスルフィド結合ディスムターゼ(PDI)と緑色蛍光タンパク質(GFP)を融合タンパク質としてポリペプチドを発現させたとの報道がなされたが、その発現量は非常に低いものであった。一方、大腸菌及び酵母を宿主として、みごとに多くのポリペプチドが発現されたが、これら宿主には病原汚染の可能性があるとされ、安全性に対して明らかなリスクが存在している。また、現在使用されている原核細胞の融合タンパクキャリアにおける融合タンパク質の分子量が比較的大きく、発現量が低く、発現後に不溶性の混在物を形成し、それらが下流の加工にトラブルをもたらすので、真核生物、特に高等植物細胞の宿主系に用いられるには不適である。植物細胞を利用しポリペプチドを発現させることが試みられたが、その発現量がいつもボトルネック問題となっていた。
上述した欠陥と制限のために、高等植物の融合タンパク質発現キャリアを開発することは、重要になりつつあるように見える。特に、近来、高等植物は、バイオリアクターとして、価格が低く、発現量が高く、生産の拡大が容易で、病原菌汚染がないなどの利点がある。高等植物細胞を利用してポリペプチドを生産することには、大きな将来性が見える。これまでは、これら原核生物の融合キャリアの分子量が比較的大きく、細胞小器官輸送信号の欠乏などから、それは均しく高等植物細胞の発現に適さないとされてきた。これより、高等植物に適する融合キャリアを研究・開発することには、とても重要な意義と応用可能性がある。米国のVentria Bioscience社は、既に融合キャリアとして水稲貯蔵タンパク質を採用し小分子ポリペプチドを発現させることに成功した。Ventria Bioscience社は、融合タンパク質キャリアとして塩溶性貯蔵タンパク質(グロブリン)を利用して高いレベルで発現させることを実現したが、塩溶性貯蔵タンパク質によりポリペプチドを発現させることには、溶解性の問題があるので、その応用は大きな制限を受ける。水稲胚乳細胞には、貯蔵タンパク質の外に、多量に発現される別の二種類のタンパク質、すなわち小胞体結合タンパク質(BiP)とタンパク質のジスルフィド結合ディスムターゼ(PDI)があり、それらはすべてプロテインボディーIに貯蔵される。Bipタンパク質のC末端部分が全て分子シャペロン(chaperone)機能を有しており、タンパク質が正常機能を有するタンパク質配座に折り畳まれることに寄与する。それを融合タンパク質とすれば、貯蔵タンパク質がプロテインボディー内に貯蔵されたように融合タンパク質をプロテインボディー内に貯蔵させるだけではなく、融合タンパク質の溶解性を向上し、これによって、現在の貯蔵タンパク質を融合タンパク質とする不溶性の問題を克服することができる。水稲胚乳における発現量が高い非貯蔵タンパク質の他の一つはPDIである。PDIは二種類の機能を有している、即ち一つはそのN末端部分にジスルフィド結合ディスムターゼ活性を有することであり、もう一つはそのC末端部分に分子シャペロン機能を有することである。そのC末端部分を融合タンパク質キャリアとすることは、同様に融合タンパク質の発現と溶解性を向上するという目的を実現できる。本発明は、融合キャリアとして、胚乳に特異的に発現された二つの非貯蔵タンパク質:PDIとBipを使用することにより、現在の貯蔵タンパク質を融合タンパク質とする国際特許の欠陥を克服できる、即ち、発現量と溶解性を向上させることができる。したがって、本発明は、独創性を有するものである。
インシュリン様成長因子(IGFs)は、多くの増殖と新陳代謝の過程に関係する重要な成長因子の一つであり、人体の骨格成長に対して重要な作用を有するだけでなく、相応する細胞の成熟を促進して人体創傷の癒合に関係することができる。インシュリン様成長因子(Insulin-like growth Factor-I、IGF−I)は、70個のアミノ酸及び3個のジスルフィド結合を含みグリコシル化部位のない単鎖ポリペプチド分子である(非特許文献4:De Bree, et al., 1998,Protein Expression & Purification, Vol:13,319-325)。その中の識別可能なジスルフィド結合の位置の分析に基づけば、その二次構造はインシュリンに似ていると考えられ、それらの保存的グリシン(conservative glycines)が全て同じ部位に位置し、且つ、相似する非極性核心アミノ酸残基を含んでいる。医療分野において、それは広い応用の現状と可能性を有する。組換えだけで生産されたヒトIGF−I(rhIGF−I)及びその複合体は、既に成長ホルモン敏感症候群(growth hormone insensitivity syndrome、GHIS)を治療するために効率的に使われており、その中には成長ホルモン欠陥(GH receptor deficiency)、IGF遺伝子欠乏、成長ホルモン信号導入経路の阻害が含まれている。その外に、それはI型又はII型糖尿病にかかった、又は、重篤なインシュリン耐性症状がある一連の患者を治療するために使われている。それらの患者に対してrhIGF−Iで治療した結果、全て明らかに患者の症状が改善された。その外に、rhIGF−I又はその複合体rhIGF−I/IGFBP−3で慢性炎症、栄養障害などの症状、例えばクローン病(Crohn's disease、限局性回腸炎とも呼ばれる)、若年性慢性関節炎、及び膀胱/胆嚢繊維化などを治療してもよい。それらの疾患において、IGFsに関する薬効研究はまだ非常に制限されている。IGFsの供給がとてもタイトであることがその主要理由の一つである(非特許文献5:Savage, et al., 2005, Edocr Development, Vol. 9: 100-106)。
Dobeli, 等1998,Protein Expression & Purification, Vol,12 : 404-414 Einhauer et al, 2001, J. Biochem.Biophys.Methods, Vol 49:455-465 Papaioannou et al, 2002, Protein Expression & Purification, Vol,13:462-466 De Bree, et al., 1998,Protein Expression & Purification, Vol:13,319-325 Savage, et al., 2005, Edocr Development, Vol. 9: 100-106
本発明の目的は新規ポリペプチド発現方法を提供することである。
本発明では、現有の原核生物と真核生物を宿主としたバイオリアクターの、低発現量、溶解性不良、無生物活性、不安全などの欠陥に対して、穀類の非貯蔵タンパク質である小胞体結合タンパク質(Bip)とタンパク質のジスルフィド結合イソメラーゼ(PDI)のC末端部分が有する分子シャペロン機能を利用して、それを融合タンパク質とし、小分子の目的ポリペプチド遺伝子と融合させる。水稲胚乳特異的なプロモーターとシグナルペプチドを利用して発現した融合タンパク質は、水稲胚乳細胞の内膜系に進入し、そして水稲胚乳のプロテインボディー中に貯蔵される。その結果、融合タンパク質は、高いレベルまで水稲種子中に大量に蓄積する。本発明は、他の発現系の、低発現量、溶解性不良、無生物活性などの問題を効率よく解決するだけではなく、動物由来の病原菌汚染問題を完全に回避することができる。
本発明は、更に、穀類のグルテリン遺伝子Gt13aのプロモーターとシグナルペプチドを利用して胚乳細胞の中に融合タンパク質を特異的に発現させ、水稲胚乳細胞のプロテインボディー中に貯蔵させる方法であって、融合タンパク質が細胞質中のプロテアーゼに攻撃されないようにして水稲胚乳内に大量に蓄積し、最終的に融合タンパク質を高収率で得る発現方法を提供することを目的とする。
本発明のもう一つの目的は、穀類の非貯蔵タンパク質BipとPDIのC末端分子シャペロンの機能ドメインを融合タンパク質キャリアとして利用して、融合タンパク質の胚乳細胞中の発現量と溶解性問題を解決し、水稲又は大麦などの穀類胚乳細胞中に高効率で小分子ポリペプチドを発現させる新技術プラットホームを確立することを目的とする。該プラットホームを利用して小分子ポリペプチドを生産することは、遺伝子導入乳牛と遺伝子導入鶏の発現系に比し、より安全で、ウィルス汚染がなく、スケールアップが容易である。しかも、他の植物発現系に比し、より高い収率を有するとともに生産コストが低い。
本発明の第三の目的について言えば、穀類の非貯蔵タンパク質が融合タンパク質キャリアとして利用して水稲及び大麦胚乳中にIGF−1を発現させるために使用される。即ち融合タンパク質の遺伝子と目的遺伝子の遺伝コドンを水稲が好む遺伝コドンに転換することによって、組換えタンパク質の翻訳レベルが向上し、最終的に融合タンパク質の水稲胚乳細胞における発現と蓄積が高められる。
穀類の非貯蔵タンパクを融合キャリアとして使用する胚乳におけるポリペプチド発現方法及びその使用が提供される。
以下に、本発明の方法を詳細に説明する。
A.水稲からの特異的なプロモーター及びシグナルペプチドの取得
強力な水稲胚乳特異的なプロモーター及びシグナルペプチドを取得するために、生物情報学の分析に基づき、水稲貯蔵タンパク質のグルテリン遺伝子ファミリーの一員であるGt13aを採用した(該プロモーターはかなり高い活性を有している)。Gt13aプロモーター及びそのシグナルペプチド配列を取得するために、遺伝子データバンクのGt13a(GenBank登録番号:AP003256)に基づき、PCR増幅にて一対のヌクレオチドプライマー(プライマー配列については、中国特許出願第200510019084.4号(中国特許出願公開第CN1896239号)の配列番号1と2(本願配列表の配列番号10および11)を参照)を合成した。クローニングの便を図るべく、フォワードプライマーの5’末端に粘着末端の制限酵素部位を導入し、リバースプライマーの5’末端に平滑末端の制限酵素部位を導入した。水稲品種:台北309の葉からゲノムDNAを抽出して該DNAを鋳型とし、標準のPCRプロトコールに従い、前記のプライマーを利用して1284塩基対を有するDNA断片を増幅取得した。DNA配列の分析の結果、該DNA断片が典型的なプロモーター構造を有しており、穀類胚乳における組換えタンパク質の発現を制御できるプロモーターとシグナルペプチドが得られたこと、更には該プロモーターとシグナルペプチドが配列番号1に記載のヌクレオチド配列を有していることが判った。
B.水稲胚乳細胞特異的に発現するキャリアの構築
PCRを経てGt13aプロモーターとシグナルペプチドを得た後、PCR生成物を粘着末端及び平滑末端エンドヌクレアーゼにて消化し、次いでこの断片と、粘着末端及び平滑末端エンドヌクレアーゼにて消化したpBI221断片(米国 Clontech社)とを接続した。次いで、大腸菌菌株DH10B(米国 Invitrogen社製の製品)に導入し、Gt13aプロモーター、Gt13aシグナルペプチドとNosターミネーターを有する、水稲胚乳細胞が特異的に発現するプラスミドを形成した(このプラスミドをpOsPMP2と名づけた)。図1から該プラスミドが配列番号2に記載のヌクレオチド配列を有していることが判った。
C.融合タンパク質キャリアと目的遺伝子の遺伝コドンの最適化と遺伝子合成
米国のバイオテクノロジー情報センター(NCBI)のGenBankから水稲Bip遺伝子(GenBank登録番号:AAB63469)、小麦のPDI遺伝子(GenBank登録番号:AJ277377)とインシュリン様成長因子遺伝子(GenBank登録番号:CAA01955)のアミノ酸配列を取得し、DNA分析ソフトウェアであるMacベクター(Mac Vector、英国Accelrys社製の製品)でこれらの遺伝子のアミノ酸配列を、水稲好適遺伝コドンを含むヌクレオチド配列に転換した。これらの遺伝子は米国のBlue Heron Biotechnology社にて合成された。このようにして得られた水稲好適水稲Bip遺伝子のC末端は、配列番号3に示されたヌクレオチド配列を有している。このようにして得られた水稲好適小麦PDI遺伝子のC末端は、配列番号4に示されたヌクレオチド配列を有している。このようにして得られた水稲好適ヒトIGF−1遺伝子は、配列番号5に示されたヌクレオチド配列を有している。これらのもとの遺伝子配列と比べて、最適化されたこれらの遺伝子のヌクレオチド配列は11.2〜21.4%の割合で変化しており、遺伝コドンのそれは30.5〜54.3%の割合で変化していたが、そのアミノ酸の配列には変化がなかった(表1参照)。
Figure 0004680237
遺伝子の合成に際して、クローニングの便を図るべく、遺伝子を合成するプライマーの5’と3’末端にそれぞれ平滑末端及び粘着末端の制限エンドヌクレアーゼが付加される。
D.各種の融合タンパク質発現ベクターの構築
1)pOsPMP25(Gt13a−PDIC−IGF−1−Nos)の構築:まず、pOsPMP2プラスミドDNAをMscIとXhoIで切断した後、PCR増幅されたヒトインシュリン様成長因子(human IGF−1)の最適化された遺伝子をpOsPMP2ベクター中にクローニングする。その結果物をE.coli宿主細胞DH10Bの形質転換に使って、IGF−1遺伝子を含む中間プラスミドを生成する。制限エンドヌクレアーゼNaeIとNcoIでpOsPMP3プラスミドDNAを消化し、PCR増幅されたPDICのDNA断片を中間プラスミドベクター中にクローニングし、最終的に水稲に特異的に発現する融合タンパク質発現ベクターpOsPMP25(Gt13a−PDIC−IGF−1−Nos)が形成される。
2)pOsPMP26(Gt13a−BipC−IGF−1−Nos)の構築:制限エンドヌクレアーゼNaeIとNcoIでpOsPMP3プラスミドDNAを消化し、PCR増幅されたBipCのDNA断片をpOsPMP3プラスミドベクター中にクローニングし、最終的に水稲種子に特異的に発現する融合タンパク質発現ベクターpOsPMP26(Gt13a−BipC−IGF−1−Nos)が形成される。
3)選択マーカー遺伝子ベクターの構築:選択マーカー遺伝子を水稲カルス組織内に効率的に発現させ遺伝子導入の選択効果を向上させるために、水稲システインプロティナーゼ(Cysteine proteinase β、CP)のプロモーターにより選択マーカー遺伝子(抗ハイグロマイシン遺伝子−−ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)をカルス組織内に特異的に発現させる。まず、一対のプライマー(配列番号6と配列番号7を参照)を合成する(各PCRプライマーの両端にHindIIIとSmaI部位がそれぞれ付加される)。水稲の品種である台北309のゲノムDNAを鋳型とし、標準PCR反応を採用して増幅し、長さが1103塩基対でありプロモーターを含む断片を形成し、PCR生成物をHindIIIとSmaIにて消化してから、該PCR断片をクローンベクターpBI221(米国 Clontech社)と接続し、次いで大腸菌菌株DH10Bを形質転換し、中間プラスミドpOsPMP4を生成する。選択マーカー遺伝子としてハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(Hygromycin β Phosphotransferase、Hpt)を採用した。該遺伝子はプラスミドpCAMBIA1301(オーストラリア CAMBIA社)から増幅して得られる。フォワードプライマー(配列番号8を参照)の5’末端に平滑末端の制限エンドヌクレアーゼ部位SmaIを付加し、リバースプライマー(配列番号9を参照)の5’末端に粘着末端の制限エンドヌクレアーゼ部位XhoIを付加し、pCAMBIA1301プラスミドを鋳型とし、標準PCR反応を採用して増幅し、ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子断片を形成する。PCR生成物をSmaIとXhoIで、pOsPMP4 DNAをNaeIとXhoIで消化する。次いで、ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子断片とCP(Cysteine proteinase β、CP)プロモーターを有するpOsPMP4プラスミドのNaeIとXhoI消化されたDNA断片とを接続し、大腸菌菌株DH10Bを形質転換し、最終的に水稲組織に特異的に発現する選択マーカー発現ベクターが生成される。該ベクターをpOsPMP5と名付ける。
水稲遺伝子の遺伝形質転換:水稲種子の殻を取り除いてから、20%次亜塩素酸ナトリウム中で20分消毒した後、滅菌水で3回リンスする。該種子は、カルス組織誘導培地上で20〜25日間誘導し、誘導されたカルス組織を前処理培地に移して9〜10日間成長させた後、遺伝形質転換に用いる。0.5μgの発現ベクタープラスミドpOsPMP25およびpOsPMP25と選択マーカープラスミドpOsPMP5を有するDNAを、50μLの金粉、250μLの1M塩化カルシウム、50μLの0.1Mスペルミジンと混合した後、30分反応させる。100%エタノールで3回洗浄し、DNAで金粉を覆った後、米国 デュポン社の遺伝子銃プロトコールに従って、二つのプラスミドを、台北309が産生したカルス組織に共形質転換する。ハイグロマイシンBを含む選択培地上で45日間の選択を経た後で、ハイグロマイシンB耐性を有するカルス組織を、光照射下、再生培地上での20日間程度の誘導に供する。カルス組織が緑色の幼少植物株に分化してから、幼少植物株を根付き培地に移し、15〜20日間の誘導を経て、完全な植物株が形成される。これらの遺伝子導入植物は、PCRテストにて、融合タンパク質遺伝子を含むことが証明された。その後それらの遺伝子導入植物をテスト用地に移して成熟した種子を得るべく成長発育させた。この種子をT0代種子と名付ける。
高発現の遺伝子導入植物のスクリーニング:遺伝子導入水稲は四ヶ月程度で成長・発育し、出穂し開花した。それから一ヶ月経過後に成熟した遺伝子導入水稲T1代種子を形成した。その中で、50〜60%の遺伝子導入植物が正常に結実していた。T1代種子を収穫した後、水稲成熟胚乳の粗抽出物から、ウェスタンブロット法により、効率よく発現した遺伝子導入個体をスクリーニングし、タンパク質定量検出法である酵素結合免疫(ELISA)技術(米国 R&D system社の製品)にて定量的にそれらの発現量を解析した。T1代種子から融合タンパク質がハイレベルで発現された遺伝子個体をスクリーニングし、それを継続して行って、安定的に融合タンパク質を発現する遺伝子導入品種系統を得た。それを大規模な融合タンパク質の生産に用いる。
本発明は、水稲、大麦などの穀類胚乳をバイオリアクターとし、可溶で、生物活性を有する組換え小分子ポリペプチドの融合タンパク質を生産し得るものであり、その発現レベルは水稲種子の重量の少なくとも0.3%以上に達するものである。即ち、1キログラムの種子当たりポリペプチド融合タンパク質収量が3グラム以上に達するものである。その発現量は、クロロプラスト発現系の最大量の20倍、ジャガイモ塊茎発現系の最大量の500倍である。
本発明は、水稲、大麦などの穀類の胚乳細胞をバイオリアクターとして利用して小分子ポリペプチドを生産し得るものであり、これは、動物、微生物と他の植物発現系に存在している、低発現量、高生産コスト、溶解性不良と低安全性などの欠陥を克服できるものである。
本発明は、穀類の非貯蔵タンパクを融合タンパクキャリアとして利用するものであり、これは、現有の米国特許出願「水稲貯蔵タンパクを融合タンパクキャリアとして利用して植物種子中に効率よく小分子ポリペプチドを発現させる」という技術(米国特許出願第US60/527,753号、名称:High-Level Expression of Fusion Polypeptides in Plant Seeds Utilizing Seed-Storage Proteins as Fusion Carriers)に存在している発現融合タンパクの不溶性の問題を効率的に克服できるものである。
本発明が非貯蔵融合タンパク系を利用するのは、その発現量が背景技術の発現量に比し20〜500倍と高く、組換えタンパクの可溶性が良好で、大量に発現した場合の可溶性問題を効率的に解決できるからである。発現された融合目的ポリペプチドは、切断されない場合でも、依然として生物活性を有していることができる。これは40〜50%の生産コストの節約を可能とする。本発明の特徴をまとめると、以下の通りである。
a.穀物種子の非貯蔵タンパクを融合タンパクキャリアとすることで、穀物種子内に各種の医薬又は保健用のポリペプチドを発現させ、その発現量が種子重量の0.3%以上に達する。
b.単子葉植物種子の貯蔵タンパク遺伝子のプロモーターとシグナルペプチドを利用することで、種子内に特異的に各種の医薬又は保健用のポリペプチドを発現させる、例えば、水稲胚乳に発現されたIGF−1融合タンパクの量は種子の乾燥重量の0.75%に達する。
c.種子内に発現された各種の医薬用のポリペプチドとは、アミノ酸配列が20〜100個であるポリペプチドを意味する。それは、ヒト血液中における各種の医用及び保健用ポリペプチド、各種の抗腫瘍ポリペプチド、各種の抗菌ポリペプチド、及び他の人体に対し治療と保健作用を有するポリペプチドを含んでいる。
d.水稲/大麦種子内に組換えヒトインシュリン様成長因子−1を発現させる。
発現ベクターの記号及びその意味は以下の通りである。
pOsPMP2−−−水稲胚乳特異的遺伝発現の基本ベクター
pOsBipC−−−組換えBip−IGF−1融合タンパク遺伝子を有するベクター
pOsPDIC−−−組換えPDI−IGF−1融合タンパク遺伝子を有するベクター
pOsPMP3−−−水稲コドン好適IGF−1遺伝子を有するベクター
pOsPMP25−−水稲胚乳特異的発現組換え融合タンパク遺伝子(Bip−C−IGF)のベクタープラスミド
pOsPMP26−−水稲胚乳特異的発現組換え融合タンパク遺伝子(PDI−C−IGF)のベクタープラスミド
pOsPMP5−−−水稲組織特異的発現選択マーカー発現ベクター
図面の簡単な説明
図1は、構築された水稲胚乳特異的発現ベクターpOsPMP2(Gt13a Sp−Stuff−Nos)の制限エンドヌクレアーゼ地図である。
図2は、構築されたpOsPMP25(Gt13a−BipC−IGF−1)の制限エンドヌクレアーゼ地図である。
図3は、構築されたpOsPMP26(Gt13a−PDIC−IGF−1)の制限エンドヌクレアーゼ地図である。
図4は、構築された水稲カルス組織特異的発現の選択マーカー遺伝子ベクターpOsPMP05(CP−Hpt−Nos)の制限エンドヌクレアーゼ地図である。
図5は、クーマシーブリリアントブルーで染色されたポリアクリルアミドゲル染色の図である。矢印は効率よく発現されたBipC−IGF−1融合タンパクがクーマシーブリリアントブルーで染色されて明瞭に見られることを示している。一方、対照サンプルである台北309と遺伝的に分離された単株には相応するタンパク質バンドが欠落している。
図6は、IGF−1特異的抗体によるウェスタンブロット法の図である。矢印は効率よく発現されたBipC−IGF−1融合タンパクを示し、融合タンパクが遺伝子導入胚乳中に存在していることが明らかに分かる。一方、対照サンプルである台北309と遺伝的に分離された単株には相応するタンパク質バンドが欠落している。
図7は、Bip特異的抗体によるウェスタンブロット法の図である。矢印は効率よく発現されたBipC−IGF−1融合タンパクと内因性非融合Bipタンパクを示している。遺伝子導入胚乳中には内因性BipタンパクとBipC−IGF−1融合タンパクが含まれているが、対照サンプルである台北309と遺伝的に分離された単株には内因性Bipタンパクしかなく、組換えBip−IGF融合タンパクは欠落している。
図8は、クーマシーブリリアントブルーで染色されたポリアクリルアミドゲル染色の図である。矢印は効率よく発現されたPDIC−IGF−1融合タンパクがクーマシーブリリアントブルーで染色されて明瞭に見られることを示している。一方、対照サンプルである台北309と遺伝的に分離された単株には相応するタンパク質バンドが欠落している。
図9は、IGF−1特異的抗体によるウェスタンブロット法の図である。矢印は効率よく発現されたPDIC−IGF−1融合タンパクを示しており、融合タンパクが遺伝子導入胚乳中に存在していることが明らかに分かる。一方、対照サンプルである台北309と遺伝的に分離された単株には相応するタンパク質バンドが欠落している。
図5、図6、図7は、水稲胚乳中に発現された組換え融合タンパクのポリアクリルアミドゲル染色とウェスタンブロット法の図を示している。組換え融合タンパクは遺伝子導入水稲胚乳から抽出された。遺伝子導入#26−13株系から11粒のT1代種子を取り出し、1mLのタンパク質抽出バッファーにて遺伝子導入水稲種子の各粒から全タンパクを抽出した。サンプル10μLを12%ポリアクリルアミドゲルに加え、電気泳動をした後でクーマシーブリリアントブルー染色とウェスタンブロット法により検出した。
図8、図9は、水稲胚乳中に発現された組換え融合タンパクのポリアクリルアミドゲル染色とウェスタンブロット法の図を示している。組換え融合タンパクは遺伝子導入水稲胚乳から抽出された。遺伝子導入#25−12株系から13粒のT1代種子を取り出し、1mLのタンパク質抽出バッファーにて遺伝子導入水稲種子の各粒から全タンパクを抽出した。サンプル10μLを、12%ポリアクリルアミドゲルに加え、電気泳動をした後でクーマシーブリリアントブルー染色とウェスタンブロット法により検出した。
配列番号1は、水稲グルテリン遺伝子Gt13aのプロモーター配列である。
配列番号2は、水稲胚乳特異的発現の基本ベクターである。
配列番号3は、人工合成されたコドン優先性BipのC末端のヌクレオチド配列とアミノ酸配列である。
配列番号4は、人工合成されたコドン優先性PDIのC末端のヌクレオチド配列とアミノ酸配列である。
配列番号5は、人工合成されたコドン優先性IGF−1のヌクレオチド配列とアミノ酸配列である。
配列番号6は、PCRに用いられた水稲CPプロモーターのフォワードプライマーである。
配列番号7は、PCRに用いられた水稲CPプロモーターのリバースプライマーである。
配列番号8は、PCRに用いられたハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子のフォワードプライマーである。
配列番号9は、PCRに用いられたハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子のリバースプライマーである。
配列番号10は、プライマー配列である。
配列番号11は、プライマー配列である。
[実施例1] Gt13aプロモーターとシグナルペプチドのクローニング
水稲ゲノム配列からグルテリンのGt13a遺伝子のプロモーターとシグナルペプチドをクローニングするために、上記配列番号1のプライマーを利用し、標準のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を採用して、台北309のゲノムDNAを増幅し、1284bpのDNA断片を得た。増幅された断片を制限エンドヌクレアーゼNaeIとXhoIにて消化し、ベクタープラスミドpBI221にクローニングし、水稲胚乳細胞特異的発現の発現ベクターpOsPMP2を産生した。DNA配列の解析により、このDNA断片が明瞭なプロモーター特徴とシグナルペプチドの配列(配列番号1)を有していることが分かった(図1参照)。
[実施例2]最適化水稲遺伝コドンの融合タンパクと目的遺伝子の人工合成
NIBCデータベースから水稲Bip遺伝子(GenBank登録番号:AAB63469)、小麦のPDI遺伝子(GenBank登録番号:AJ277377)と目的遺伝子であるヒトインシュリン様成長因子遺伝子−1(GenBank登録番号:CAA01955)のアミノ酸配列を取得し、DNA分析ソフトウェアであるMacベクターにて、融合タンパク遺伝子を、水稲遺伝コドンを含むヌクレオチド配列に転換した。その最適化された融合タンパクと目的遺伝子のデオキシヌクレオチドと遺伝コドンの変化について、その結果を表1に示す。しかしながら、そのアミノ酸配列は完全に同じである。これらの組換融合タンパク質と目的遺伝子は、米国 Blue Heron Biotechnology社にて人工合成された。遺伝子合成の過程において、遺伝子の両端にMylIとXho酵素部位を付加し、pUC119(米国 Blue Heron Biotechnology社)クローンベクタープラスミドベクターにクローニングし、水稲コドン好適BipC、PDICとIGF−1遺伝子(配列番号3、配列番号4、配列番号5)のpOsBipC、pOsPDICとpOsPMP3プラスミドを産生した。
[実施例3]水稲特異的発現の融合タンパク質キャリアの構築
まず、コドン好適ヒトインシュリン様成長因子(human IGF−1)遺伝子を、PCR法により増幅し、制限エンドヌクレアーゼMscIとXhoIにて消化したpOsPMP2プラスミドDNAにクローニングし、E.coli宿主細胞DH10Bを形質転換して、中間プラスミドpOsPMP3を産生した。pOsPMP3プラスミドDNAを制限エンドヌクレアーゼNaeIとNcoIにて消化すると共に、適当なエンドヌクレアーゼにてpOsPMP2(配列番号2参照)、pOsBipC、及びpOsPDICプラスミドDNAを消化し、融合タンパク質遺伝子と発現ベクタープラスミドpOsPMP2を結合した後で、大腸菌菌株DH10Bを形質転換した。産生された発現ベクタープラスミドはpOsPMP25とpOsPMP26である。そのプラスミドの制限エンドヌクレアーゼ地図を図2と図3に示す。
[実施例4] 水稲システインプロティナーゼβ(Cysteine proteinase β)のプロモーターのクローニング
PCR法を採用して水稲ゲノムDNAから水稲システインプロティナーゼβ遺伝子のプロモーターをクローニングした。GenBankのヌクレオチド配列に基づいて二つのPCRプライマー(プライマーの配列については、配列番号6と配列番号7を参照)をデザインした。標準のPCR反応を利用し、水稲人工細菌染色体バンクからスクリーニングして陽性クローン42M2(BACクローン番号)を得た。BACクローンをXhoIにて消化して、その5kbの断片を得た。サザンブロットの結果、これがシステインプロティナーゼβ遺伝子の全配列を含んでいることが確認された。このBACクローンDNAを鋳型とし、標準のPCR反応を利用して、1113bpを有するDNA断片を得、この断片をpBI221ベクターにクローニングして、中間ベクターpOsPMP04を産生した。
[実施例5] 選択マーカー遺伝子ベクターの構築
pCAMBIA1301プラスミドDNAを鋳型とし、プライマー(配列番号8と配列番号9を参照)を使用し、標準のPCR反応を利用して増幅し、得られたPCR断片をSmaIとXhoIにて消化し、次いで、制限エンドヌクレアーゼNaeIとXhoIにて消化したpOsPMP4ベクターにクローニングし、水稲特異的発現選択マーカーベクターpOsPMP5を産生した(図4)。
[実施例6]遺伝子銃を介した遺伝子の形質転換
水稲の品種である台北309の種子を、その殻の除去後、20%次亜塩素酸ナトリウム中で20分消毒し、滅菌水で3回(10分/回)リンスした後、カルス組織誘導培地上で20〜25日間誘導し、カルス組織を産生させた。0.5μgのプラスミドpOsPMP25又はpOsPMP25と0.5μgの選択マーカープラスミドpOsPMP5を有するDNAとを、50μLの金粉、250μLの1M塩化カルシウム、50μLの0.1Mスペルミジンと混合した後、室温(20〜25℃)で30分反応させた。100%エタノールで3回洗浄した後、DNAにて金粉を覆い、次いで米国 デュポン社の遺伝子銃方法に従って、二つのプラスミドDNAを台北309のカルス組織の細胞中で共形質転換させた。50μg/mLのハイグロマイシンBを含む選択培地上での45日間のスクリーニングを経過(そこで成長し続けたカルス組織はハイグロマイシンB耐性を有する陽性カルス組織である)後、ハイグロマイシンB耐性を有するカルス組織を再生培地に移し、光照射下で20日間程度、更に誘導した。カルス組織が緑色の小植物株に分化した後、該小植物株を根付き培地に移し、15〜20日間の誘導を行った(その結果、完全な植物株が形成された)。最後にこれらの植物株を温室又はテスト用地に移して成熟した種子まで成長させた。
[実施例7]融合タンパク質を大量に発現する遺伝子導入植物のスクリーニング
遺伝子導入植物を温室又はテスト用地で開花し結実するまで成育させた(その種子をT1代種子と名づける)。T1代種子を収穫した後に、遺伝子導入植物の各株から10粒の種子を取り出し、10mLの抽出バッファー(50mM Tris、pH8.0、50mM NaCl、10mM EDTA)に加え、ホモジネートした。その溶液を遠心分離機にて10分遠心し(回転速度:14000rpm)、その上清に対して、ELISA定量試薬キットにて酵素結合免疫検出を行った。検出の結果、一粒の種子中のBip−IGF−1融合タンパク質の発現レベルが150μg程度に達していること、即ち、種子の乾燥重量の0.75%であることがわかった。T1代種子から融合タンパク質がハイレベルで発現された遺伝子導入個体をスクリーニングし、T1代から選択し続けて、融合タンパク質を安定的に発現する遺伝子導入品種を得た。それは大規模な融合タンパク質の生産に用いられた。
T1代種子から組換え融合タンパク質が最も高いレベルで発現された遺伝子導入個体をスクリーニングした。効率よく融合タンパク質を発現する遺伝子導入株系を検証するために、異なる遺伝子導入株系のT1代種子の粗抽出液をSDS−PAGEポリアクリルアミドゲル電気泳動、クーマシーブリリアントブルー染色とウェスタンブロット法にかけた。図5〜7は、遺伝子導入植物#26−13の11個の単株における融合タンパク質発現と遺伝的分離の結果を示すものである。レーン1〜11は遺伝子導入単株であり、その中で、レーン2、4と10は遺伝的分離の陰性単株であり、レーン12は非遺伝子導入植物(陰性対照)である。ポリアクリルアミドゲル中に融合タンパク質が明瞭に見えている(図5中に矢印で示した)。IGF−1抗体での検出の際に、遺伝子導入胚乳に予測分子量と同じ融合タンパク質が見えている。一方、非遺伝子導入台北309と遺伝的に分離された陰性個体中には融合タンパク質バンドが欠落している。これは典型的なメンデルの遺伝的分離割合を反映している(図6参照)。水稲Bip抗体での検出の際に、台北309と遺伝的に分離された陰性個体には内因性Bipタンパク質しか存在していないが、遺伝子導入個体には内因性Bipと組換えBip−IGF−1融合タンパク質の二つのタンパク質バンドが存在している(図7参照)。
図8〜9は、遺伝子導入植物#25−12の13個の単株における融合タンパク質発現と遺伝的分離の結果を示している。レーン1〜13は遺伝子導入単株で、その中でレーン3、5、8、10と11は遺伝的に分離された陰性単株であり、レーン14は非遺伝子導入植物(陰性対照)である。ポリアクリルアミドゲル中に融合タンパク質が明瞭に見えている(図8中に矢印で示した)。IGF−1抗体での検出の際に、遺伝子導入胚乳には予測分子量と同じ融合タンパク質が見えているが、非遺伝子導入台北309と遺伝的に分離された陰性個体には融合タンパク質バンドが欠落している。これは典型的なメンデルの遺伝分離割合を反映している(図9参照)。
穀類の非貯蔵タンパクを融合キャリアとして使用する胚乳におけるポリペプチド発現方法及びその使用が提供される。
図1は、構築された水稲胚乳特異的発現ベクターpOsPMP2(Gt13a−Sp−Stuff−Nos)の制限エンドヌクレアーゼ地図である。 図2は、構築されたpOsPMP25(Gt13a−BipC−IGF−1)の制限エンドヌクレアーゼ地図である。 図3は、構築されたpOsPMP26(Gt13a−PDIC−IGF−1)の制限エンドヌクレアーゼ地図である。 図4は、構築された水稲カルス組織特異的発現の選択マーカー遺伝子ベクターpOsPMP05(CP−Hpt−Nos)の制限エンドヌクレアーゼ地図である。 図5は、クーマシーブリリアントブルーで染色されたポリアクリルアミドゲル染色の図である。矢印は効率よく発現されたBipC−IGF−1融合タンパクがクーマシーブリリアントブルーで染色されて明瞭に見られることを示している。一方、対照サンプルである台北309と遺伝的に分離された単株には相応するタンパク質バンドが欠落している。 図6は、IGF−1特異的抗体によるウェスタンブロット法の図である。矢印は効率よく発現されたBipC−IGF−1融合タンパクを示し、融合タンパクが遺伝子導入胚乳中に存在していることが明らかに分かる。一方、対照サンプルである台北309と遺伝的に分離された単株には相応するタンパク質バンドが欠落している。 図7は、Bip特異的抗体によるウェスタンブロット法の図である。矢印は効率よく発現されたBipC−IGF−1融合タンパクと内因性非融合Bipタンパクを示している。遺伝子導入胚乳中には内因性BipタンパクとBipC−IGF−1融合タンパクが含まれているが、対照サンプルである台北309と遺伝的に分離された単株には内因性Bipタンパクしかなく、組換えBip−IGF融合タンパクは欠落している。 図8は、クーマシーブリリアントブルーで染色されたポリアクリルアミドゲル染色の図である。矢印は効率よく発現されたPDIC−IGF−1融合タンパクがクーマシーブリリアントブルーで染色されて明瞭に見られることを示している。一方、対照サンプルである台北309と遺伝的に分離された単株には相応するタンパク質バンドが欠落している。 図9は、IGF−1特異的抗体によるウェスタンブロット法の図である。矢印は効率よく発現されたPDIC−IGF−1融合タンパクを示しており、融合タンパクが遺伝子導入胚乳中に存在していることが明らかに分かる。一方、対照サンプルである台北309と遺伝的に分離された単株には相応するタンパク質バンドが欠落している。

Claims (14)

  1. 穀類非貯蔵タンパク質を融合タンパクキャリアとして用いて宿主胚乳細胞において効率よく小分子ポリペプチドを発現する方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする方法:
    1)胚乳特異的プロモーターと、胚乳特異的シグナルペプチドをコードするリーダー配列DNAを提供する工程;
    2)融合キャリアとしての穀類非貯蔵タンパク質の遺伝子と目的遺伝子を提供する工程;
    3)前記プロモーター及びリーダー配列DNAと、融合キャリアの遺伝子と、目的遺伝子とを含む発現ベクターを構築する工程;
    4)宿主胚乳細胞において発現ベクターを発現する工程;
    ここで、前記プロモーター及びリーダー配列DNAがGtl3a遺伝子に由来し、前記宿主が水稲、小麦又は大麦であり、前記非貯蔵タンパク質が水稲、小麦又は水稲由来の小胞体結合タンパク質(Bip)又はジスルフィド結合イソメラーゼ(PDI)のC末端であり、前記目的遺伝子が治療用小分子ポリペプチドをコードし、そして前記治療用小分子ポリペプチドが穀類非貯蔵タンパク質のC末端に存在する
  2. 発現ベクターを構築する前に、さらに、宿主優先性コドンに前記プロモーター及びリーダー配列DNA、前記融合キャリアの遺伝子と前記目的遺伝子の少なくとも一種を最適化させることを含む、請求項1に記載の方法。
  3. さらに、選択マーカーベクター共形質転換することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記宿主が水稲であり、前記非貯蔵タンパク質が水稲由来のBip又はPDIのC末端であり、前記治療用小分子ポリペプチドがヒトインシュリン様成長因子−1(IGF−1)である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記宿主が大麦であり、前記非貯蔵タンパク質が小麦由来のBip又はPDIのC末端であり、前記治療用小分子ポリペプチドがヒトIGF−1である、請求項1に記載の方法。
  6. 穀類胚乳細胞中にハイレベルで特異的に異種ポリペプチドを発現するための発現ベクターであって、
    (a)胚乳特異的プロモーター、
    (b)胚乳特異的シグナルペプチドをコードするリーダー配列DNA、
    (c)融合キャリアとしての穀類非貯蔵タンパク質の遺伝子、
    (d)目的遺伝子、
    を含むキメラ遺伝子を有し、
    前記融合キャリア遺伝子と目的遺伝子が宿主胚乳細胞において融合タンパク質を発現させるように前記(a)、(b)、(c)と(d)を結合してなる、発現ベクター;
    ここで、前記プロモーター及びリーダー配列DNAがGtl3a遺伝子に由来し、前記宿主が水稲、小麦又は大麦であり、前記非貯蔵タンパク質が水稲、小麦又は水稲由来のBip又はPDIのC末端であり、前記目的遺伝子が治療用小分子ポリペプチドをコードし、そして前記治療用小分子ポリペプチドが穀類非貯蔵タンパク質のC末端に存在する
  7. 前記プロモーター及びリーダー配列DNA、前記融合キャリアの遺伝子と前記目的遺伝子の少なくとも一種が、宿主細胞中に発現されるようにコドン最適化される、請求項6に記載の発現ベクター。
  8. 前記ベクターが、さらに、複製起点、選択マーカー、翻訳ターミネーターおよび転写ターミネーターからなる群から選ばれる少なくとも一種を含む、請求項6に記載の発現ベクター。
  9. 前記穀類が水稲であり、前記目的遺伝子がヒトIGF−1である、請求項8に記載の発現ベクター。
  10. 前記穀類が大麦であり、前記目的遺伝子がヒトIGF−1である、請求項8に記載の発現ベクター。
  11. 物細胞における小分子ポリペプチドの発現のための融合キャリアとしての穀類非貯蔵タンパク質の使用であって、前記穀類非貯蔵タンパク質が、任意の穀類の非貯蔵タンパク質由来のBip又はPDIのC末端であり、ここで前記小分子ポリペプチドが治療用小分子ポリペプチドであり、穀類非貯蔵タンパク質のC末端に存在する、使用。
  12. 前記穀類が水稲、小麦又は大麦であり、前記小分子ポリペプチドが治療用ペプチドである、請求項11に記載の使用。
  13. 前記穀類が水稲であり、前記小分子ポリペプチドがIGF−1である、請求項12に記載の使用。
  14. 前記穀類が大麦であり、前記小分子ポリペプチドがIGF−1である、請求項12に記
    載の使用。
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