JP4679785B2 - 新規な(r)−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸(d−フェニル乳酸)脱水素酵素およびそれをコードする遺伝子 - Google Patents
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Description
【発明の背景】
発明の分野
本発明は、光学活性2−ヒドロキシ酸誘導体、例えば(R)−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸(以下、「D−フェニル乳酸」と略記することがある)またはその誘導体を製造するための新規なD−フェニル乳酸脱水素酵素(以下、「D−PLDH」と略記することがある)およびその酵素をコードする遺伝子に関する。
【0002】
背景技術
D−フェニル乳酸は、アゴノマイセタレス(Agonomycetales)に属する糸状菌PF1022株(Mycelia sterilia、FERM BP−2671)によって産生されるPF1022物質[シクロ(D−ラクチル−L−N−メチルロイシル−D−3−フェニルラクチル−L−N−メチルロイシル−D−ラクチル−L−N−メチルロイシル−D−3−フェニルラクチル−L−N−メチルロイシル)](Sasaki,T.et al.,J.Antibiotics,45,692(1992))の前駆物質である。最近、PF1022物質を直接生成する酵素およびその遺伝子が明らかにされた(WO01/18179A1)。また、PF1022物質生産菌の液体培養期間中に、外部よりフェニル乳酸誘導体を添加すると、添加したフェニル乳酸誘導体を取り込んだ新規なPF1022物質が産生されることが知られている(WO97/20945号)。この時、添加する前駆体は、(R)−2−ヒドロキシ体であることが望ましい。
【0003】
微生物が産生するある種の酵素は、光学活性な化合物、例えばD−乳酸(Taguchi,H.et al.,J.Biol.Chem.,266,p.12588(1991))を特異的に生成することが知られている。また、ある種の酵素または有用な酵素を産生する微生物を利用して産業上有用な化合物、例えば(R)−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸等を製造する方法は多数報告されている(特許第2750017号、同第2752754号、同第2774341号、同第2873236号、特公平6−61271号、特開平6−197774号、特開平10−75797号)。酵素を用いた反応は、化学合成に比べると、目的とする化合物を選択的に効率良く製造できることが特徴であるが、その反面、酵素の持つ基質特異性が厳密であるために、目的とする化合物に特異的に作用する酵素の探索が必要である。これまでに微生物由来のD−フェニル乳酸に特異的な脱水素酵素が報告された例はない。
【0004】
【発明の概要】
本発明者らは、フェニルピルビン酸を特異的に還元し、D−フェニル乳酸を生成する酵素、すなわち、D−フェニル乳酸脱水素酵素(D−PLDH)およびその遺伝子を単離することに成功した。また、この遺伝子を大腸菌において大量に発現させることに成功した。
【0005】
本発明はD−フェニル乳酸脱水素酵素を提供することをその目的とする。
【0006】
本発明はまた、D−フェニル乳酸脱水素酵素をコードする遺伝子を提供することをその目的とする。
【0007】
本発明は更にまた、D−フェニル乳酸脱水素酵素を発現させるための組換えベクターおよび形質転換体並びにD−フェニル乳酸脱水素酵素の製造法の提供をその目的とする。
【0008】
本発明はまた、PF1022物質およびその誘導体の大量生産系およびその製造法の提供をその目的とする。
【0009】
本発明によるD−フェニル乳酸脱水素酵素は、下記からなる群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるタンパク質である:
(a)配列番号2のアミノ酸配列、および
(b)置換、欠失、付加、および挿入から選択される1以上の改変を有し、かつD−フェニル乳酸脱水素酵素活性を有する配列番号2のアミノ酸配列の改変アミノ酸配列。
【0010】
本発明によるD−フェニル乳酸脱水素酵素遺伝子は、D−フェニル乳酸脱水素酵素をコードするヌクレオチド配列からなるものである。
【0011】
本発明によるD−フェニル乳酸脱水素酵素遺伝子はまた、下記からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなる:
(c)配列番号1のDNA配列、
(d)配列番号1のDNA配列と少なくとも70%の同一性を有し、かつD−フェニル乳酸脱水素酵素活性を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(e)置換、欠失、付加、および挿入から選択される1以上の改変を有し、かつD−フェニル乳酸脱水素酵素活性を有するタンパク質をコードする配列番号1のDNA配列の改変DNA配列、および
(f)ストリンジェントな条件下で配列番号1のDNA配列とハイブリダイズし、かつD−フェニル乳酸脱水素酵素活性を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
【0012】
本発明による組換えベクターは、本発明によるD−フェニル乳酸脱水素酵素遺伝子を含んでなるものである。
【0013】
本発明による形質転換体は、本発明による組換えベクターを含んでなる宿主である。
【0014】
本発明によるD−フェニル乳酸脱水素酵素の製造法は、本発明による形質転換体を培養し、培養物から酵素を採取する工程を含んでなるものである。
【0015】
本発明によるPF1022物質の生産系は、本発明による組換えベクターにより形質転換されたPF1022物質生産菌である。
【0016】
本発明によるPF1022物質の製造法は、本発明による組換えベクターにより形質転換されたPF1022物質生産菌を培養し、培養物からPF1022物質を採取する工程を含んでなるものである。
【0017】
【発明の具体的説明】
微生物の寄託
実施例1 1.に記載されるPF1022菌株は、1989年1月24日付で独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番1号中央第6)に寄託された。受託番号は、FERM BP−2671である。
【0018】
実施例3 3.に記載されるプラスミドpDPLDH−1で形質転換された大腸菌(DH5α)は、2000年4月12日付けで、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託された。受託番号はFERM BP−7545である。
【0019】
遺伝子およびタンパク質
本発明によればD−フェニル乳酸脱水素酵素およびその遺伝子が提供される。
【0020】
本発明による酵素は、2−オキソ−3−フェニルプロピオン酸(以下「フェニルピルビン酸」ということがある)に作用してこれを還元し、(R)−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸に変換する。基質であるフェニルピルビン酸をあらかじめ修飾しておくことによりD−フェニル乳酸の誘導体または類縁物質を製造できる。
【0021】
D−フェニル乳酸の誘導体としては、例えば、p−アミノフェニル乳酸、p−ニトロフェニル乳酸、p−ヒドロキシフェニル乳酸が挙げられる。この場合、D−フェニル乳酸誘導体の合成基質としては、例えば、p−アミノフェニルピルビン酸、p−ニトロフェニルピルビン酸、p−ヒドロキシフェニルピルビン酸を使用できる。
【0022】
D−フェニル乳酸の類縁物質としては、例えば、抗高血圧剤の原料として用いられる(R)−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸が挙げられる。この場合、D−フェニル乳酸類縁物質の合成基質としては、例えば、2−オキソ−4−フェニル酪酸を使用できる。
【0023】
配列(b)において、改変の数は、例えば1〜数個、より具体的には1〜6個であることができる。
【0024】
配列(e)において、改変の数は、例えば1〜数十個であることができる。
【0025】
配列(b)および配列(e)において改変が複数個存在する場合、導入された改変の種類は同一でも異なっていてもよい。
【0026】
配列(d)において、配列番号1のDNA配列との同一性は、好ましくは少くとも80%、より好ましくは少くとも90%、最も好ましくは少くとも95%であることができる。
【0027】
配列(f)において、「ストリンジェントな条件」とは、ハイブリダイゼーション後のメンブレンの洗浄操作を、高温下低塩濃度溶液中で行うことを意味する。
【0028】
配列(b)に関して、「D−フェニル乳酸脱水素酵素活性を有する」か否かは、例えば、D−フェニル乳酸脱水素酵素の基質(例えば、フェニルピルビン酸)と、還元型補酵素であるニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)とを準備し、被験タンパク質を作用させ、酵素反応によって生じる物理化学的変化、例えば、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸の吸光度変化および/または生成物であるD−フェニル乳酸の量的変化を測定することにより評価することができる(実施例3参照)。
【0029】
配列(d)、(e)、および(f)に関して、「D−フェニル乳酸脱水素酵素活性を有するタンパク質をコードする」か否かは、例えば、被験ヌクレオチド配列を宿主にて発現させ、得られたタンパク質を、D−フェニル乳酸脱水素酵素の基質(例えば、フェニルピルビン酸)と、還元型補酵素であるニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)と作用させ、酵素反応によって生じる物理化学的変化、例えば、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸の吸光度変化および/または生成物であるD−フェニル乳酸の量的変化を測定することにより評価することができる(実施例3参照)。
【0030】
本発明による酵素のアミノ酸配列が与えられれば、それをコードするヌクレオチド配列は容易に定まり、配列番号2に記載されるアミノ酸配列をコードする種々のヌクレオチド配列を選択することができる。従って、本発明による酵素をコードするヌクレオチド配列とは、配列番号1に記載のDNA配列の一部または全部に加え、同一のアミノ酸をコードするDNA配列であって縮重関係にあるコドンをDNA配列として有する配列をも意味するものとし、更にこれらに対応するRNA配列も含まれる。
【0031】
本発明による酵素および遺伝子の起源は特に限定されるものではなく、本発明による酵素を産生しうる微生物であれば特に限定されないが、好ましくはPF1022物質生産菌(Mycelia sterilia、FERM BP−2671)である。
【0032】
本発明による酵素のN末端アミノ酸配列は、例えば、SDS−ポリアクリルアミド電気泳動法にて酵素を泳動し、得られた酵素バンドを電気的にポリビニリデンフルオライド(PVDF)膜等に移動させた後に、プロテインシークエンサーにて分析することで決定できる。
【0033】
本発明による酵素の内部アミノ酸配列は、例えば、酵素をタンパク質分解酵素等で部分消化した後に、上記SDS−ポリアクリルアミド電気泳動以降の操作および逆相クロマトグラフィーによる分離操作を実施することにより決定できる。
【0034】
本発明による遺伝子は例えば下記のようにして得ることができる。
【0035】
PF1022物質生産菌からゲノムDNAを抽出し、適当な制限酵素にて切断後、ファージベクターを用いて、PF1022物質生産菌のゲノムDNAからなるライブラリーを作製する。或いは、PF1022物質生産菌から全RNAを抽出し、オリゴdTをプライマーとした逆転写酵素反応にてmRNAに対応したcDNAを調製後、ファージベクターを用いて、PF1022物質生産菌のcDNAからなるライブラリーを作製する。
【0036】
D−PLDHのN末端アミノ酸配列および内部アミノ酸配列をもとに、適当なプライマーを合成し、それを用いてPF1022物質生産菌由来のゲノムDNAまたはcDNAを鋳型としたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行い、D−PLDH遺伝子のDNA断片を増幅する。このDNA断片をプローブとして用い、ゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリーのスクリーニングを行う。このようにしてD−PLDH遺伝子の全領域または発現に必要な領域を単離することができる。これらのDNA断片の塩基配列を決定した後、翻訳開始コドンの上流および翻訳終結コドンの下流に、PCR等の手法により適当な制限酵素切断部位を導入し、D−PLDHのみを含む遺伝子断片を得ることができる。
【0037】
組換えベクター
本発明によればD−フェニル乳酸脱水素酵素をコードするヌクレオチド配列を含んでなる組換えベクターが提供される。
【0038】
本発明による組換えベクターの構築の手順および方法は、遺伝子工学の分野で慣用されているものを用いることができる。
【0039】
本発明において使用できるベクターとしては、宿主染色体DNAに組込まれるものや、自己複製可能な自律的複製配列を有するベクターを宿主細胞内でプラスミド状態で存在させるものが挙げられ、例えば、pUC系(pUC18またはpUC118等)、pBluescript系(pBluescriptII KS+等)、およびpBR322等のプラスミドが挙げられる。宿主細胞内に存在する遺伝子のコピー数は、1コピーでも複数であっても良い。
【0040】
本発明による組換えベクターは、例えば、D−フェニル乳酸脱水素酵素をコードするヌクレオチド配列の上流にプロモーターを、また下流にターミネーターをそれぞれ作動可能に連結し、場合によっては遺伝子マーカーおよび/または他の制御配列を作動可能に連結することにより作製できる。
【0041】
本発明による遺伝子へのプロモーターおよびターミネーターの連結、および発現ユニットのベクターへの挿入は、公知の方法に従って行うことができる。
【0042】
本発明に用いるプロモーターおよびターミネーターは特に限定されず、例えば3−ホスホグリセリン酸キナーゼ、グルタルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ等の解糖系酵素遺伝子の制御配列、トリプトファンシンターゼ等のアミノ酸合成系酵素遺伝子の制御配列、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等の加水分解酵素遺伝子の制御配列、硝酸還元酵素、オロチジン−5’−リン酸脱水素酵素、アルコール脱水素酵素等の酸化還元酵素遺伝子の制御配列、およびWO01/18219A1に記載のAbp1等のPF1022物質生産菌中で高発現するPF1022物質生産菌由来の遺伝子の制御配列が挙げられる。
【0043】
本発明による遺伝子を他のタンパク質の翻訳領域をコードする外来遺伝子と連結させて融合タンパク質として発現させてもよい。
【0044】
遺伝子マーカーの導入は、例えば、制御配列にPCR法により適当な制限酵素切断部位を導入し、これをプラスミドベクターに挿入した後、薬剤耐性遺伝子および/または栄養要求性相補遺伝子等の選択マーカー遺伝子を連結する事により行うことができる。
【0045】
選択マーカーは形質転換体の選択手法に応じて適宜選択できるが、例えば、薬剤耐性をコードする遺伝子や栄養要求性を相補する遺伝子を使用することができる。薬剤耐性遺伝子としては、デストマイシン、ベノミル、オリゴマイシン、ハイグロマイシン、G418、ブレオマイシン、フォスフィノスリシン、アンピシリン、カナマイシン等の薬剤に対する遺伝子が挙げられる。栄養要求性を相補する遺伝子としては、argB、pyr4、trpC、TRP1、niaD、LEU2、URA3等の遺伝子が挙げられる。
【0046】
形質転換体およびD−フェニル乳酸脱水素酵素の製造
本発明によれば前記ベクターにより形質転換された宿主が提供される。
【0047】
本発明において使用できる宿主としては、遺伝子組換えの宿主として使用可能な微生物であれば特に限定されるものではない。使用できる宿主の例としては、任意の細菌類または真菌類の微生物が挙げられ、好ましくは大腸菌、乳酸菌、放線菌、酵母、糸状菌であり、より好ましくは、PF1022物質を生産する糸状菌であり、特に好ましくはPF1022菌株(Mycelia sterilia、FERM BP−2671)またはその変異株である。
【0048】
宿主への遺伝子発現用の組換えベクターの導入は、常法に従って行うことができる。導入法としては、例えば、エレクトロポレーション法、ポリエチレングリコール法、アグロバクテリウム法、リチウム法または塩化カルシウム法等が挙げられ、宿主細胞にとって効率の良い手法が選択される。PF1022物質生産菌を宿主として用いる場合、好ましくはポリエチレングリコール法である。
【0049】
形質転換体の培養は常法に従って、培地、培養条件等を適宜選択することにより行うことができる。培地としては、慣用の成分、例えば炭素源としては、グルコース、シュークロース、水飴、デキストリン、澱粉、グリセロール、糖蜜、動植物油等が使用できる。また、窒素源としては、大豆粉、小麦胚芽、ファーマメディア、コーンスティープリカー、綿実粕、肉エキス、ポリペプトン、マルトエキス、イーストエキス、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、尿素等の有機または無機窒素化合物が使用できる。その他必要に応じ、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、コバルト、塩素、リン酸、硫酸およびその他のイオンを生成することのできる無機塩類、例えば塩化カリウム、炭酸カルシウム、リン酸水素2カリウム、硫酸マグネシウム、リン酸1カリウム、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸銅を添加することも有効である。また、必要に応じてチアミン(チアミン塩酸塩等)等の各種ビタミン、グルタミン酸(グルタミン酸ナトリウム等)、アスパラギン(DL−アスパラギン等)等のアミノ酸、ヌクレオチド等の核酸類、抗生物質等の選抜薬剤を添加することもできる。さらに、菌の発育を助け、本発明による酵素の生産を促進するような有機物および無機物を適当に添加することができる。
【0050】
培養法としては、好気的条件での振とう培養法、通気撹拌培養法または深部好気培養法により行うことができるが、特に深部好気培養法が最も適している。宿主によっては嫌気培養法により培養することができる。
【0051】
培地のpHは、例えばpH6〜pH8程度である。培養法としては、好気的条件での振とう培養法、通気攪拌培養法により行うことができる。培養に適当な温度は、15℃〜60℃であるが、好ましくは20℃〜40℃付近で生育する。培養時間は、例えば6時間〜240時間、好ましくは8時間〜168時間程度である。
【0052】
培養中のD−フェニル乳酸脱水素酵素の量が最高になった時に培養を停止し、培養物からD−フェニル乳酸脱水素酵素を単離、精製する。
【0053】
本発明による酵素の培養物からの単離、精製は、培養した微生物菌体を破砕し、得られた無細胞抽出液を通常の精製手段に付することにより行うことができる。例えば培養物を遠心分離またはろ過することによって回収した菌体を、物理的破砕法、例えば超音波処理、海砂および乳鉢・乳棒を使った破砕、或いはボールミル、フレンチプレス、凍結破砕器、ブレンダーまたはミキサー等によって破壊し、遠心分離によって残渣を除くことで無細胞抽出液を得る。培養物から遠心分離またはろ過することによって回収した菌体をただちに破砕しない場合は、凍結または凍結乾燥により保存することができ、必要な時に破砕することができる。次に、無細胞抽出液を硫酸アンモニウム分画法、イオン交換クロマトグラフィー法、アフィニティクロマトグラフィー法、吸着クロマトグラフィー法、ゲルろ過法等の通常の精製方法を単独でまたは組み合わせることにより、活性を保持した酵素を得ることができる。
【0054】
本発明によれば、D−フェニル乳酸脱水素酵素の大量生産系が提供される。D−フェニル乳酸脱水素酵素の大量生産系として使用できる宿主としては、大腸菌、乳酸菌、放線菌、酵母、糸状菌が挙げられる。
【0055】
本発明による酵素はフェニルピルビン酸をD−フェニル乳酸に変換する。一方、PF1022物質は4分子のL−ロイシン、2分子のD−乳酸、および2分子のD−フェニル乳酸から環状デプシペプチド合成酵素により合成される。従って、D−フェニル乳酸はPF1022物質合成の際の原料物質に相当する。よって、D−フェニル乳酸をPF1022物質生産菌において大量に発現させることができれば、PF1022物質を大量に生産させることが可能である。従って本発明によれば、本発明による酵素が発現するように形質転換されたことを特徴とするPF1022物質の大量生産系が提供される。PF1022物質は動物用の駆虫薬として有用である(Sasaki, T. et al. J. Antibiotics., 45,692,(1992))。
【0056】
PF1022物質の大量生産系として使用できるPF1022物質生産菌は、PF1022物質を生産する糸状菌が好ましく、最も好ましくはPF1022菌株(Mycelia sterilia、FERM BP−2671)である。
【0057】
PF1022生産菌は、本発明による酵素遺伝子以外の遺伝子により更に形質転換されていてもよい。例えば、PF1022物質の合成スキームにおいて作用する酵素遺伝子を場合によっては強力なプロモーターとともに導入することによりPF1022物質の生産を向上させることができる。このような遺伝子としては環状デプシペプチド合成酵素(WO01/18179A1)が挙げられる。
【0058】
また、本発明による酵素が作用する基質、すなわち、フェニルピルビン酸、その誘導体、および類縁物質を合成しない宿主においては、不足する基質、基質の誘導体、または基質の類縁物質を添加して培養することにより、あるいは不足する基質、基質の誘導体、または基質の類縁物質をコードする遺伝子で宿主を形質転換することにより、D−フェニル乳酸およびその誘導体および類縁物質を生産させることが可能である。このような酵素遺伝子としてはコリスミ酸からp−アミノフェニルピルビン酸への生合成経路に関与する遺伝子(WO01/23542A1)が挙げられる。
【0059】
コリスミ酸からp−アミノフェニルピルビン酸への生合成経路に関与する遺伝子が導入された宿主においては、p−アミノフェニルピルビン酸が合成され、本発明による酵素がp−アミノフェニルピルビン酸をp−アミノフェニル乳酸に変換する。その結果、変換されたp−アミノフェニル乳酸がPF1022物質の原料となり、ベンゼン環のパラ位がアミノ基により修飾されたPF1022物質誘導体[シクロ(D−ラクチル−L−N−メチルロイシル−D−3−(4−アミノ−フェニル)ラクチル−L−N−メチルロイシル−D−ラクチル−L−N−メチルロイシル−D−3−フェニルラクチル−L−N−メチルロイシル)]が合成される。アミノ基のような官能基により修飾されたPF1022物質誘導体はより高活性なPF1022物質誘導体を製造するための原料として有用である。
【0060】
形質転換に用いられる組換えベクターとしては、PF1022物質生産菌で機能する制御配列(プロモーター、ターミネーター等)を本発明による酵素遺伝子に作動可能に連結した発現ベクターが好ましく、最も好ましくはPF1022菌株(Mycelia sterilia、FERM BP−2671)において機能する制御配列を本発明による酵素遺伝子に作動可能に連結した発現ベクターである。発現を増強するための強力なプロモーターとしてはAbp1プロモーター(WO01/18219A1)が挙げられる。
【0061】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0062】
実施例1 D−PLDHの単離・精製
1.菌体の調製
PF1022物質生産菌(Mycelia sterilia、FERM BP−2671)に対しUV照射またはNTG処理により突然変異を誘発し、PF1022物質の生産性を向上させたPF1022物質生産菌432−26株を種培地[1% イーストエキス、1% マルトエキス、2% ポリペプトン、2.5% グルコース、0.1% リン酸水素2カリウム、0.05% 硫酸マグネシウム(pH7.0)](WO01/18179A1)50mlの入った適当な容器に接種し、26℃にて3日間振とう培養し一次種培養とした。この培養液をWO97/20945号に記載の培地500mlの入った適当な容器に接種し、26℃にてロータリーシェーカーを用いて3日間培養し二次種培養とした。この培養液を、同培地500mlの入った適当な容器に接種し26℃にてロータリーシェーカーを用いて4日〜6日間培養した。培養終了後の培養液を、市販のナイロン製生地およびヌッチェを用いて吸引ろ過し、同時に脱イオン水にて菌体を洗浄した。得られた菌体ケーキを直ちにマイナス80℃にて凍結させ、凍結乾燥器にて2晩乾燥させた。このようにして調製した凍結乾燥菌体は、密閉容器に入れてマイナス80℃で保存可能であった。
【0063】
2.D−PLDHの抽出・精製
0.1Mフェニルピルビン酸 2μl、0.1M NADPH 2μl、緩衝液A(10mMトリス−塩酸、10mM DTT、pH8)および任意の量の酵素液試料を添加し全容を100μlとし、26℃で2時間反応させた。加熱処理により反応を停止させた後、反応液をHPLC(カラム:L−column ODS 4.6φ×150mm(化学品検査協会)、移動相:0.1M硫酸ナトリウム:アセトニトリル(3.9:1)アイソクラテック、流速1ml/分、40℃、UV検出210nm)にて分析し、フェニル乳酸の生成量をもって本酵素の活性とした。また、酵素反応産物の光学活性を分析するために、別にHPLC(カラム:CHIRALPAK WH 0.46φ×25cm(ダイセル化学工業)、移動相:25mM硫酸銅水溶液、1ml/分、40℃、UV検出210nm)を用いた。
以下の操作は全て4℃で実施した。実施例1の1で得られた凍結乾燥菌体約70gをボールミル(ポット外径210φmm、ボール直径35φmm、東京硝子器械)を用いて1晩破砕した。微粉末になった菌体に抽出緩衝液(50mMトリス−塩酸、10mMDTT、50mM塩化カリウム、pH8)1.5Lを添加してよく懸濁させた。菌体懸濁液をマグネティックスターラーを用いて約1時間緩やかに攪拌した。次いで、菌体懸濁液を高速冷却遠心機SCR20B(ローターNo.RPR9、日立工機)8000rpmで30分間遠心分離して上澄約1.2Lを回収した。回収した上澄を、担体としてレッドセファロースCL6B(アマシャムファルマシア社)が充填されているカラム(26φ×300mm)に通した。非吸着画分が完全になくなるまで緩衝液Aにてカラムを洗浄した後、1M塩化カリウムを含む緩衝液Aにて溶出するタンパク質を分画した。活性画分をまとめ、担体としてスーパーデックス200(アマシャムファルマシア社)が充填されているカラム(26φ×950mm)を用いてゲルクロマトグラフィーを実施した。活性画分を、直ちにMonoQ10/10(アマシャムファルマシア社)にかけた。緩衝液Aでカラムを洗浄後、吸着しているタンパク質を0〜0.3M塩化カリウムグラジエント溶出した。活性画分をまとめ、緩衝液Aで10倍に希釈し、AMPアガロース(アマシャムファルマシア社)が充填しているカラム(16φ×100mm)にかけた。非吸着画分を回収し、直ちにヒドロキシアパタイトが充填されているカラム(5φ×50mm)にかけた。非吸着画分を回収し、再びMonoQ10/10に吸着させた。タンパク質を0〜0.2M塩化カリウムグラジエント溶出させた。活性画分にはポリアクリルアミド電気泳動で、ほぼ単一の分子量約38kDaのタンパク質が含まれていた。
【0064】
3.D−PLDHの内部部分アミノ酸配列の決定
実施例1の2で得られたタンパク質をSDS−ポリアクリルアミド電気泳動で濃縮・単離し、PVDF膜に電気的に移動させた。PVDF膜上に移動したタンパク質をクマシーブリリアントブルーにて染色し、その存在と位置を確認した。タンパク質の存在する位置のPVDF膜を切り抜きプロテインシーケンサーにてN末端アミノ酸配列を分析しようと試みたが、有効な解析ができなかった。
実施例1の2で得られたタンパク質をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で濃縮・単離し、クマシーブリリアントブルーにてゲルを染色した。目的とするタンパク質を含むゲルを切り出した。これを小試験管中で脱色液(0.2M重炭酸アンモニウム、50%アセトニトリル、pH8.0)200μlで繰り返し洗浄しクマシーブリリアントブルーをゲルから洗い流したのち、ゲルを減圧下で乾燥させた。半乾燥したゲルに、緩衝液B(0.2M重炭酸アンモニウム、0.02%Tween20、pH8.0)5μlを添加し、トリプシンをモル基準で100分の1量となるように添加した。10分ほど放置して酵素をゲル内に拡散させた後、更に200μlの緩衝液Bを添加し37℃で48時間、該タンパク質を酵素消化した。トリフルオロ酢酸で酵素反応を停止させ、反応液を回収した。ゲルを洗浄液(0.1%トリフルオロ酢酸、60%アセトニトリル)200μlで良く洗浄し、洗浄液は先に回収した反応液に混合した。洗浄を更に2回繰り返しトリプシン消化物を回収した。回収したトリプシン消化物を減圧下で乾燥させた後に、60μlの蒸留水を加えこれをトリプシン消化されたペプチド断片試料とした。これをModel172μプレパラティブHPLCシステム(パーキンエルマー アプライドバイオシステム社)を用いてクロマトグラフィー(カラム:C18 0.21φ×220mm、0.1%トリフルオロ酢酸、5%アセトニトリル〜0.085%トリフルオロ酢酸、35%アセトニトリル グラジエント)を行い分画した。得られたペプチド断片ピークのうちの2つのペプチド断片についてアミノ酸配列を分析し、次のような配列を決定した。
ペプチド断片1:ANVAGFVTTSEPK(配列番号3)
ペプチド断片2:AGDWVTK(配列番号4)
【0065】
実施例2 D−PLDHのcDNAの単離
1.cDNAの単離とcDNAライブラリーの作製
PF1022物質生産菌(Mycelia sterilia、FERM BP−2671)に対しUV照射またはNTG処理により突然変異を誘発し、PF1022物質の生産性を向上させたPF1022物質生産菌432−26株を、種培地[1% イーストエキス、1% マルトエキス、2% ポリペプトン、2.5% グルコース、0.1% リン酸水素2カリウム、0.05% 硫酸マグネシウム(pH7.0)](WO01/18179A1)10mlの入った試験管に接種し、26℃にて3日間振とう培養した。種培養液を、WO97/20945号に記載の培地培地50mlの入った適当な容器に接種し26℃にてロータリーシェーカーを用いて6日間培養し、遠心分離により菌体を回収した。得られた菌体を液体窒素で凍結後、乳鉢および乳棒を用いて磨砕した。磨砕した菌体からISOGEN(ニッポンジーン社)により、添付の操作方法に従い全RNAを単離した。更に全RNAからmRNA Purification Kit(アマシャムファルマシア社)により、添付の操作方法に従い、mRNAを精製した。
こうして得られたmRNAから、TimeSaver cDNA Synthesis Kit(アマシャムファルマシア社)により、添付の操作方法に従ってcDNAを合成した。このcDNAをファージベクターのLambda ZAP II(ストラタジーン社)に挿入した。このようにして作製した組換えファージベクターについて、Gigapack III Gold Packaging Extract(ストラタジーン社)により、添付の操作方法に従ってインビトロパッケージングを行った。その後、この組換えファージを大腸菌XL1−Blue MRF'株に感染させ、プレートにて培養しプラークを形成させた。このようにして作製したcDNAライブラリーは、6.8×105 プラーク形成単位であった。更に、このcDNAライブラリーをLambda ZAP IIに添付の操作方法に従い増幅した。この増幅したcDNAライブラリー中の組換えファージを大腸菌XL1−Blue MRF'株に感染させ、プレートにて培養しプラークを形成させた。
【0066】
2.D−PLDH遺伝子の部分DNA断片の単離
実施例1の3にて得られたペプチド断片1および2の配列から、以下の2種類のプライマーを合成した。
プライマー1:5'−GTIGTIACRAAICCNGCNAC−3'(配列番号5)
プライマー2:5'−GCIGGIGAYTGGGTNAC−3'(配列番号6)
【0067】
これらのプライマーを用い、WO01/18179A1に記載の方法で単離されたPF1022物質生産菌(FERM BP−2671)のゲノムDNAを鋳型としてPCRを行った。PCRは、100μlの反応液中、ゲノムDNA80ngを鋳型とし、2.5unitのExTaqDNAポリメラーゼ(宝酒造社)、添付の緩衝液およびdNTP混合液、更に終濃度0.5μMとなるように2種類のプライマーをそれぞれ添加し以下の条件で反応を行った。94℃ 5分間[94℃ 1分間、58℃ 1分間、72℃ 30秒間]×40回、72℃ 7分間、4℃保存。続いて反応液を2%アガロース電気泳動にて分析したところ、約550bpのDNA断片が増幅したため、これを市販のSephaglas BandPrep Kit(アマシャムファルマシア社)を用いてアガロースゲルから回収した。回収したDNA断片とpT7Blue T−Vector(Novagen社)をDNA Ligation Kit ver.2(宝酒造社)を用い、添付の操作方法に従って連結させた。
【0068】
このようにしてクローニングしたDNA断片の塩基配列の決定は、DNA Sequencing Kit dRhodamine Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction(パーキンエルマー社)およびABI PRISM 310 Genetic Analyzer(パーキンエルマー社)を用いて、添付の操作方法に従い行った。その結果、単離したDNA断片の塩基配列は、D−α−ケト酸特異的脱水素酵素と相同性を示し、目的とするD−PLDHの遺伝子の一部であることが強く示唆された。
【0069】
3.D−PLDHのcDNA全域のクローニング
実施例2の2にて得られたDNA断片の塩基配列情報をもとに新たに以下の2種類のプライマーを合成した。
プライマー3:5'−AAGGGATCCCAGCAGAGCACGATGAA−3'(配列番号7)
プライマー4:5'−GCAGGCTCGGCTGTAGTTATCAAA−3'(配列番号8)
【0070】
実施例2の2にて得られたDNA断片を鋳型とし、プライマー3およびプライマー4を用いたPCRにより増幅したPCR産物を、cDNAライブラリーのスクリーニングに使用するプローブとした。PCRは、100μlの反応液中、実施例2の2にて得られたDNA断片が挿入されているpT7Blueプラスミドベクター500ngを鋳型とし、2.5unitのExTaqDNAポリメラーゼ(宝酒造社)、添付の緩衝液およびdNTP混合液、更に終濃度0.5μMとなるように2種類のプライマーをそれぞれ添加し以下の条件で反応を行った。94℃ 5分間[94℃ 1分間、60℃ 1分間、72℃ 30秒間]×40回、72℃ 7分間、4℃保存。続いて反応液を2%アガロース電気泳動にかけ、約530bpのDNA断片を確認し、これをSephaglas BandPrep Kit(アマシャムファルマシア社)を用いてアガロースゲルから回収した。回収したDNA断片を、ECL ダイレクトDNA/RNAラベリング・検出システム(アマシャムファルマシア社)を用い、添付の操作方法に従って標識を付加し、ハイブリダイゼーションに使用する核酸プローブとした。
【0071】
実施例2の1にて作製したプラークの形成されたプレート上に、ブロッティングメンブレンHybond−N+(アマシャムファルマシア社)を載せ、プラークを写し取った。このメンブレンを真壁の方法(真壁和裕 著、細胞工学別冊目で見る実験ノートシリーズ バイオ実験イラストレイテッド4、125−133頁、1997年 秀潤社)に従って処理しDNAをメンブレンに固定化させた。この時メンブレンの洗浄には5×SSCを用いた。ECL ダイレクトDNA/RNAラベリング・検出システム(アマシャムファルマシア社)を用い、添付の操作方法に従って標識核酸プローブおよびメンブレンに固定化されているファージDNAをハイブリダイズさせ、続いて標識核酸プローブがハイブリダイズしたプラークを検出した。このようにして、プローブに相同な領域の5'上流および3'下流を含む陽性ファージを選抜した。
【0072】
陽性ファージを、Lambda ZAP II(ストラタジーン社)に添付の操作方法に従って処理し、D−PLDHのcDNA遺伝子が挿入されているプラスミドを調製した。
【0073】
4.塩基配列の決定
このようにして単離されたD−PLDHのcDNA遺伝子が挿入されているプラスミドを鋳型とし、プラスミド由来の配列である、プライマー5:5'−TAATACGACTCACTATAGGG−3'(配列番号9)および/またはプライマー6:5'−AATTAACCCTCACTAAAGGG−3'(配列番号10)をプライマーとしてシークエンスを行った。シークエンスはDNA Sequencing Kit dRhodamine Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction(パーキンエルマー社)およびABI PRISM 310 Genetic Analyzer(パーキンエルマー社)を用いて、添付の操作方法に従い実施した。得られた結果から、塩基配列が未知の部分については、塩基配列解読の終了した部分から新たにプライマーを設計して、更なるシークエンスを繰り返した。これにより、プラスミドに挿入されたD−PLDHのcDNA遺伝子1509bpの塩基配列を決定した。
【0074】
この配列を解析したところ、1011bpからなるオープンリーディングフレーム(ORF)が存在した。このORFから予測されるタンパク質は336アミノ酸残基、分子量が36.5kDaであり、D−乳酸脱水素酵素等との相同性を示した。最も高い相同性を示したタンパク質はグリセレートデヒドロゲナーゼであり、その相同性は37%であった。単離した本発明のD−PLDH遺伝子のORFの塩基配列を配列表の配列番号1に、アミノ酸配列を配列番号2に示した。
【0075】
実施例3 D−PLDH遺伝子の大量発現によるD−PLDHの大量調製
1.遺伝子発現用のD−PLDH遺伝子の調製
実施例2の3で調製したプラスミドを鋳型とし、両端にHindIII部位を導入したD−PLDH遺伝子を増幅させるために、5'末端にHindIII部位を、またその直後にストップコドンを、更にその直後にリボゾーム結合部位を付加したプライマー7:5'−AAGCTTGTAAGGAGATATACATGGCCCAAGCACAACCA−3'(配列番号11)、および5'末端にHindIII部位のみを付加したプライマー8:5'−ATGCAAGCTTTAGTGAACCCTATACTTGG−3'(配列番号12)を用いてPCRを行った。PCRは、20μlの反応液中に80ngプラスミドDNAを鋳型とし、1unitのTaKaRa LA−Taq DNAポリメラーゼ(宝酒造)、添付の緩衝液、dNTPミックス、25mM塩化マグネシウム、および100pMのプライマーを用い、以下の条件で反応を行った。94℃ 1分間、[98℃ 15秒間、68℃ 3分間]×30回、72℃ 10分間。続いて反応液を1%アガロース電気泳動にかけて、約1000bpのDNA断片を確認し、これをSephaglas Band Prep Kit(アマシャムファルマシア社)を用いてアガロースゲルから回収した。回収したPCR産物およびpT7Blue T−Vector(Novagen社)をDNA Ligation Kit ver.2(宝酒造社)を用い、添付の操作方法に従って連結させた。D−PLDHと連結したプラスミドを大腸菌DH5αに導入して増幅し、Concert Rapid Plasmid Purification systems(Gibco BRL Products)を用いてプラスミドDNAを回収した。
このように増幅したD−PLDHの遺伝子配列を、実施例2の4にて用いたD−PLDH遺伝子由来のプライマーとpT7プラスミドベクターの塩基配列由来のプライマーを用いて確認した。シークエンスはDNA Sequencing Kit BigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction(パーキンエルマー社)およびABI PRISM 310 Genetic Analyzer(パーキンエルマー社)を用いて、添付の操作方法に従い実施した。
配列確認後、約12μgのD−PLDH遺伝子を連結したpT7プラスミドベクターを含む24μlのDNA溶液と3μlのHindIII(東洋紡)および3μlの添付の緩衝液を良く混合し、37℃で18時間反応させた。続いて反応液を1%アガロース電気泳動にかけて、約1000bpのDNA断片を確認し、これをSephaglas Band Prep Kit(アマシャムファルマシア社)を用いてアガロースゲルから回収し、発現用D−PLDH遺伝子とした。
【0076】
2.遺伝子発現用のベクターの構築
市販のpUC119(宝酒造)約2.5μgを含む溶液を、HindIII(東洋紡)および添付の緩衝液と共に37℃で18時間反応させた後、フェノール抽出しDNAを回収した。このDNAに、3μlのアルカリホスファターゼC75(宝酒造)、3μlの添付の緩衝液、および24μlの滅菌水を添加し50℃で30分間反応させ、末端のリン酸を除去した。脱リン酸したDNAをフェノール抽出して回収し、3μlのTE緩衝液(10mMトリス−塩酸、1mM EDTA、pH8)に溶解した。
実施例3の1にて調製した発現用D−PLDH遺伝子5μlおよび、HindIIIで消化し末端を脱リン酸化したpUC119ベクター0.5μlを、DNA Ligation Kit ver.2(宝酒造)を用い、添付の操作方法に従って連結させて、プラスミドpDPLDH−1を作製した(第1図)。
【0077】
3.大腸菌でのD−PLDHの発現
pDPLDH−1を添付の操作方法に従って導入した大腸菌DH5α(東洋紡)を、アンピシリン50μg/mlを含むLB寒天培地に塗布した。37℃で18時間静置培養した後、生育した大腸菌DH5αを、アンピシリン50μg/mlを含むLB培地2mlに接種し、37℃で18時間振とう培養して種培養とした。種培養液の一部を同様の培地2mlの入った試験管10本に接種し37℃で振とう培養を開始し、5時間後にIPTGを終濃度1mMとなるように添加して、更に2時間培養した。培養終了後、遠心分離で菌体を回収し、実施例1の2に記載の緩衝液Aにて洗浄した後に、緩衝液A2.5mlに懸濁させた。この菌体懸濁液を、氷冷下超音波細胞破砕機にて処理し、遠心分離にて菌体残渣を除去して得られた上清を、粗酵素液とした。対照には、D−PLDH遺伝子を含まないpUC119にて形質転換された大腸菌DH5αを用いた。
96穴マイクロタイタープレートに250μM NADPH、250μMフェニルピルビン酸を含む緩衝液A150μlを分注しておき、そこに粗酵素液50μlを添加し、ピペッティング操作により直ちに混合させ、26℃での340nmの吸光度変化を測定した。測定には吸光度マイクロアッセイリーダーBioLumin960(Molecular Dynamics社)を用い、反応開始後から経時的に吸光度の減少を追跡した。この時、1分間に1μmolのNADPHが酸化される酵素量を1unitとした。この結果を第1表に粗酵素液の酵素活性として示した。
【0078】
【表1】
【0079】
このように、pDPLDH−1により形質転換された大腸菌DH5αは、D−PLDH活性が、pUC119で形質転換された大腸菌DH5αと比べ、13倍に向上した。また、生産物を光学分割カラムにて分析した結果、D−PLDH遺伝子保持株の産生物質がD−フェニル乳酸であることを確認した。本発明による遺伝子がD−PLDH遺伝子であることが確認された。
【0080】
また、得られた粗酵素液を、MonoQ10/10を用い実施例1の2に示した条件に従って粗精製し、部分精製酵素液を調製した。この部分精製粗酵素液を用い96穴マイクロタイ1タープレート上で、基質であるフェニルピルビン酸の濃度を変化させ、酵素活性を測定した。また、反応基質をフェニルピルビン酸からピルビン酸に代替した時の酵素活性も測定した。フェニルピルビン酸の反応速度を100とした時の測定結果を第2表に示す。
【0081】
【表2】
【0082】
このように、本発明による酵素は公知の乳酸脱水素酵素等(特許第2750017号、Taguchi,H.et al.,J.Biol.Chem.,266,p.12588(1991))とは、明らかに性質が異なることが示され、アミノ酸配列および酵素学的性質のいずれの点からも新規酵素であることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、プラスミドpDPLDH−1の作製方法を示した図である。
【配列表】
Claims (11)
- 下記からなる群から選択されるアミノ酸配列を含んでなる、タンパク質:
(a)配列番号2のアミノ酸配列、および
(b)置換、欠失、付加、および挿入から選択される1〜数個の改変を有し、かつD−フェニル乳酸脱水素酵素活性を有する配列番号2のアミノ酸配列の改変アミノ酸配列。 - 請求項1に記載のタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
- 配列番号1のDNA配列からなる、請求項2に記載のポリヌクレオチド。
- 下記からなる群から選択されるポリヌクレオチド:
(c)配列番号1のDNA配列、
(d)配列番号1のDNA配列と少なくとも90%の同一性を有し、かつD−フェニル脱水素酵素活性を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(e)置換、欠失、付加、および挿入から選択される1〜数十個の改変を有し、かつD−フェニル乳酸脱水素酵素活性を有するタンパク質をコードする配列番号1のDNA配列の改変DNA配列、および
(f)ストリンジェントな条件下で配列番号1のDNA配列とハイブリダイズし、かつD−フェニル乳酸脱水素酵素活性を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列。 - 請求項2〜4のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含んでなる、組換えベクター。
- 請求項5に記載の組換えベクターを含んでなる非ヒト宿主。
- D−フェニル乳酸脱水素酵素を発現している、請求項6に記載の非ヒト宿主。
- PF1022物質生産菌である、請求項6または7に記載の非ヒト宿主。
- 請求項6〜8のいずれか一項に記載の非ヒト宿主を培養し、培養物からD−フェニル乳酸脱水素酵素を採取する工程を含んでなる、D−フェニル乳酸脱水素酵素の製造法。
- フェニルピルビン酸、p−アミノフェニルピルビン酸、p−ニトロフェニルピルビン酸、p−ヒドロキシフェニルピルビン酸、または2−オキソ−4−フェニル酪酸を、請求項1に記載のタンパク質、または請求項6〜8に記載の非ヒト宿主、その抽出物、その培養物、もしくはその培養物から精製された酵素と反応させ、次いでD−フェニル乳酸、p−アミノフェニル乳酸、p−ニトロフェニル乳酸、p−ヒドロキシフェニル乳酸、または(R)−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸を採取する工程を含んでなる、D−フェニル乳酸、p−アミノフェニル乳酸、p−ニトロフェニル乳酸、p−ヒドロキシフェニル乳酸、または(R)−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸の製造法。
- 請求項8に記載の非ヒト宿主を培養し、培養物からPF1022物質またはベンゼン環のパラ位がアミノ基により修飾されたPF1022物質誘導体を採取する工程を含んでなる、PF1022物質またはベンゼン環のパラ位がアミノ基により修飾されたPF1022物質誘導体の製造法。
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