JP3961289B2 - 環状デプシペプチド合成酵素およびその遺伝子並びに環状デプシペプチドの大量生産系 - Google Patents
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Description
発明の分野
本発明は、環状デプシペプチド合成酵素およびその遺伝子並びに環状デプシペプチドの大量生産系に関し、更に詳細には、駆虫活性を有するPF1022物質の合成酵素およびその遺伝子並びにPF1022物質の大量生産系に関する。
関連技術の説明
PF1022物質[シクロ(D−ラクチル−L−N−メチルロイシル−D−3−フェニルラクチル−L−N−メチルロイシル−D−ラクチル−L−N−メチルロイシル−D−3−フェニルラクチル−L−N−メチルロイシル)]は、アゴノマイセタレス(Agonomycetales)に属する糸状菌、PF1022菌株(Mycelia sterilia、FERM BP−2671)により生産される環状デプシペプチドであり、動物寄生性の線虫類に対して極めて高い駆虫活性を示す(特開平3−35796号、Sasaki,T.et al.J.Antibiotics.,45,692,(1992))。そのため、本物質は動物用の駆虫薬として有用であると共に、さらに高活性な本物質の誘導体を合成するための原料として有用である。
一般に、天然から分離された微生物の生産する二次代謝産物の量は、微量である。そのため、これを産業的に利用するためには、二次代謝産物の生産量を向上させる必要がある。生産量を向上させるためには、培養方法の検討、培地成分の検討、および前駆体の添加といった発酵条件の改良、並びに紫外線照射または突然変異誘発剤による突然変異を利用した菌株の改良が行われる。最近では、これらの方法に加えて遺伝子組換えの手法を利用した生産性の向上も行われるようになってきた。
その方法としては、生合成経路の酵素遺伝子の発現増強、生合成の制御遺伝子の発現増強、不必要な生合成経路の遮断、等が行われている(Khetan,A.and Hu,W.−S.Manual of Industrial Microbiology and Biotechnology 2nd edition,p.717,(1999))。また、特殊な例としては、酸素利用能の向上を目的として、細菌のヘモグロビン遺伝子を発現させ、生産性を向上させる方法も知られている(Minas,W.et al.Biotechnol.Prog.,14,561,(1998))。
遺伝子組換えの手法を用いて生産性の向上を図る際に、最も一般的な手法は、生合成経路の酵素遺伝子の発現増強である。この手法を適応するためには、対象とする微生物において形質転換の方法が確立していること、発現増強のために利用可能なプロモーターおよびターミネーターが存在すること、また生合成経路が明らかとなっており、それらの遺伝子が単離されていることが必要である。PF1022物質生産菌においては、形質転換により外来遺伝子を導入することに成功している(WO97/00944号)が、生合成経路の遺伝子は単離されていない。
PF1022物質は、L−N−メチルロイシン、D−乳酸、およびD−フェニル乳酸がエステル結合およびアミド結合を介して結合した構造からなり、生産菌中では4分子のL−ロイシン、2分子のD−乳酸、2分子のD−フェニル乳酸から、ある種のペプチド合成酵素により合成されると考えられる。ペプチド合成酵素とは、アミノ酸やヒドロキシ酸を基質として、ペプチド、デプシペプチド、リポペプチド、ペプチドラクトン等の微生物の二次代謝産物の生合成を行う酵素であり、既に幾つかのペプチド合成酵素の配列が明らかとなっている(Marahiel,M.A.et al.Chem.Rev.,97,2651,(1997))。この酵素による反応は、mRNAを鋳型としたリボソームによるタンパク質の合成系とは全く異なっている。ペプチド合成酵素は、各基質に対して1つのドメインを持ち、各基質はこのドメインでATPにより活性化され、ドメイン中のホスホパントテン酸を介して結合し、これらが各ドメイン間の領域の触媒作用によりアミド結合やエステル結合を形成すると考えられている。
発明の概要
本発明は環状デプシペプチド、特にPF1022物質、を合成する酵素(以下「環状デプシペプチド合成酵素」とする)を提供することをその目的とする。
本発明はまた、環状デプシペプチド合成酵素をコードする遣伝子(以下「環状デプシペプチド合成酵素遺伝子」とする)を提供することをその目的とする。
本発明は更にまた、環状デプシペプチド合成酵素を発現させるための組換えベクターおよび形質転換体、並びに環状デプシペプチドの大量生産系およびその製造法の提供をその目的とする。
本発明は、環状デプシペプチド合成酵素の製造法の提供をその目的とする。
本発明による環状デプシペプチド合成酵素は、下記からなる群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるタンパク質である:
(a)配列番号2のアミノ酸配列、および
(b)置換、欠失、付加、および挿入から選択される1以上の改変を有し、かつ環状デプシペプチド合成酵素活性を有する配列番号2のアミノ酸配列の改変アミノ酸配列。
本発明による環状デプシペプチド合成酵素遺伝子は、環状デプシペプチド合成酵素をコードするヌクレオチド配列からなるものである。
本発明による環状デプシペプチド合成酵素遺伝子はまた、下記からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなる:
(c)配列番号1のDNA配列、
(d)配列番号1のDNA配列と少なくとも70%の同一性を有し、かつ環状デプシペプチド合成酵素活性を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(e)置換、欠失、付加、および挿入から選択される1以上の改変を有し、かつ環状デプシペプチド合成酵素活性を有するタンパク質をコードする配列番号1のDNA配列の改変DNA配列、および
(f)ストリンジェントな条件下で配列番号1のDNA配列とハイブリダイズし、かつ環状デプシペプチド合成酵素活性を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
本発明による組換えベクターは、本発明による環状デプシペプチド合成酵素遺伝子を含んでなるものである。
本発明による形質転換体および環状デプシペプチドの大量生産系は、本発明による組換えベクターを含んでなる宿主である。
本発明による環状デプシペプチドの製造法は、本発明による形質転換体を培養し、培養物から環状デプシペプチドを採取することを含んでなるものである。
本発明による環状デプシペプチド合成酵素の製造法は、本発明による形質転換体を培養し、培養物から環状デプシペプチド合成酵素を採取することを含んでなるものである。
本発明によれば、環状デプシペプチド合成酵素をPF1022物質生産菌において過剰発現させることができ、またPF1022物質を大量に生産させることができる。
発明の具体的説明
微生物の寄託
実施例1 1.に記載されるPF1022菌株は、1989年1月24日付で通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号)に寄託された。受託番号は、FERM BP−2671である。
実施例2 1.(1)に記載されるプラスミドpPFsynで形質転換された大腸菌(DH5α)は、1999年9月1日付で通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号)に寄託された。受託番号は、FERM BP−7253である。
実施例2 1.(1)に記載されるプラスミドpPFsynNで形質転換された大腸菌(DH5α)は、1999年9月1日付で通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号)に寄託された。受託番号は、FERM BP−7254である。
遺伝子およびタンパク質
本発明によれば環状デプシペプチド合成酵素、好ましくはPF1022物質合成酵素、およびその遺伝子が提供される。
本発明による酵素は、4分子のL−ロイシン、2分子のD−乳酸、および2分子のD−フェニル乳酸に作用して、PF1022物質を合成できる。D−乳酸、L−ロイシン、およびD−フェニル乳酸をあらかじめ修飾しておくことによりPF1022物質の誘導体を製造できる。
PF1022物質の誘導体としては、例えば、PF1022物質中の二つのフェニル基のパラ位がアミノ基により置換されたものが挙げられる。この場合、pF1022物質の誘導体の合成基質としては、例えば、D−フェニル乳酸の代わりにD−p−アミノフェニル乳酸を使用できる。
配列(b)において、改変の数は、例えば1〜数個、より具体的には1〜6個であることができる。
配列(e)において、改変の数は、例えば1〜数十個であることができる。
配列(b)および配列(e)において変異が複数個存在する場合、導入された変異の種類は同一でも異なっていてもよい。
配列(d)において、配列番号1のDNA配列との同一性は、好ましくは少くとも80%、より好ましくは少くとも90%、最も好ましくは少くとも95%であることができる。
配列(f)において、「ストリンジェントな条件」とは、ハイブリダイゼーション後のメンブレンの洗浄操作を、高温下低塩濃度溶液中で行うことを意味し、例えば、0.2×SSC濃度(1×SSC:15mMクエン酸3ナトリウム、150mM塩化ナトリウム)、0.1% SDS溶液中で60℃、15分間の洗浄条件を意味する。
配列(b)に関して、「環状デプシペプチド合成酵素活性を有する」か否かは、例えば、環状デプシペプチドの基質を準備し、被験タンパク質を作用させ、環状デプシペプチドの生成を例えばクロマトグラフィーによって確認することにより評価することができる。
配列(d)、(e)、および(f)に関して、「環状デプシペプチド合成酵素活性を有するタンパク質をコードする」か否かは、例えば、実施例2に記載のように被験ヌクレオチド配列を宿主にて発現させ、得られたタンパク質を環状デプシペプチドの基質と作用させ、環状デプシペプチドの生成を例えばクロマトグラフィーによって確認することにより評価することができる。
本発明による合成酵素のアミノ酸配列が与えられれば、それをコードするヌクレオチド配列は容易に定まり、配列番号2に記載されるアミノ酸配列をコードする種々のヌクレオチド配列を選択することができる。従って、本発明による合成酵素をコードするヌクレオチド配列とは、配列番号1に記載のDNA配列の一部または全部に加え、同一のアミノ酸をコードするDNA配列であって縮重関係にあるコドンをDNA配列として有する配列をも意味するものとし、更にこれらに対応するRNA配列も含まれる。
本発明による遺伝子は例えば下記のようにして得ることができる。
PF1022物質生産菌からゲノムDNAを抽出し、適当な制限酵素にて切断後、ファージベクターを用いて、PF1022物質生産菌のゲノムDNAからなるライブラリーを作製する。ペプチド合成酵素のアミノ酸配列の保存領域、あるいはPF1022物質生産菌から精製した環状ペプチド合成酵素の部分アミノ酸配列を元に、適当なプライマーを合成し、それを用いてPF1022物質生産菌由来のゲノムDNAを鋳型としたPCR法を実施し、環状ペプチド合成酵素遺伝子のDNA断片を増幅する。このDNA断片をプローブとして用い、ゲノムライブラリーのスクリーニングを行う。このようにして、環状ペプチド合成酵素遺伝子の全域を単離することができる。このDNA断片の塩基配列を決定した後、翻訳開始コドンの上流および翻訳終始コドンの下流に、PCR等の手法により適当な制限酵素切断部位を導入し、環状ペプチド合成酵素遺伝子のみを含む遺伝子断片を得ることができる。
組換えベクター
本発明によれば環状デプシペプチド合成酵素をコードするヌクレオチド配列を含んでなる組換えベクターが提供される。
本発明による組換えベクターの構築の手順および方法は、遺伝子工学の分野で慣用されているものを用いることができる。
本発明において使用できるベクターとしては、宿主染色体DNAに組込まれるものや、自己複製可能な自律的複製配列を有するベクターを宿主細胞内でプラスミド状態で存在させるものが挙げられ、例えば、pUC系(pUC18またはpUC118等)、pBluescript系(pBluescriptII KS+等)、およびpBR322等のプラスミドが挙げられる。宿主細胞内に存在する遺伝子のコピー数は、1コピーでも複数であっても良い。
本発明による組換えベクターは、例えば、環状デプシペプチド合成酵素をコードするヌクレオチド配列の上流にプロモーターを、また下流にターミネーターをそれぞれ作動可能に連結し、場合によっては遺伝子マーカーおよび/または他の制御配列を作動可能に連結することにより作製できる。
本発明による遺伝子へのプロモーターおよびターミネーターの連結、および発現ユニットのベクターへの挿入は、公知の方法に従って行うことができる。
本発明に用いるプロモーターおよびターミネーターは特に限定されず、例えば3−ホスホグリセレートキナーゼ、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、エノラーゼ等の解糖系酵素遺伝子の制御配列、オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ、トリプトファンシンターゼ等のアミノ酸合成系酵素遺伝子の制御配列、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、アセトアミダーゼ等の加水分解酵素遺伝子の制御配列、ナイトレートレダクターゼ、オロチジン−5’−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ等の酸化還元酵素遺伝子の制御配列、およびAbp1等のPF1022物質生産菌中で高発現するPF1022物質生産菌由来の遺伝子の制御配列が挙げられる。
本発明による遺伝子を他のタンパク質の翻訳領域をコードする外来遺伝子と連結させて融合タンパク質として発現させてもよい。
遺伝子マーカーの導入は、例えば、制御配列にPCR法により適当な制限酵素切断部位を導入し、これをプラスミドベクターに挿入した後、薬剤耐性遺伝子および/または栄養要求性相補遺伝子等の選択マーカー遺伝子を連結する事により行うことができる。
遺伝子マーカーは形質転換体の選択手法に応じて適宜選択できるが、例えば、薬剤耐性をコードする遺伝子や栄養要求性を相補する遺伝子を使用することができる。薬剤耐性遺伝子としては、デストマイシン、ベノミル、オリゴマイシン、ハイグロマイシン、G418、ブレオマイシン、ビアラホス、ブラストサイジンS、フレオマイシン、フォスフィノスリシン、アンピシリン、カナマイシン等の薬剤に対する遺伝子が挙げられる。栄養要求性を相補する遺伝子としては、amdS、pyrG、argB、trpC、niaD、TRP1、LEU2、URA3等の遺伝子が挙げられる。
形質転換体および環状デプシペプチドの製造
本発明によれば前記ベクターにより形質転換された宿主が提供される。
本発明において使用できる宿主としては、遺伝子組換えの宿主として使用可能な微生物であれば特に限定されるものではない。使用できる宿主の例としては、任意の細菌類または真菌類の微生物が挙げられ、好ましくは大腸菌、バチルス属細菌、放線菌、酵母、糸状菌、より好ましくは、PF1022物質を生産する糸状菌、最も好ましくはPF1022菌株(Mycelia sterilia、FERM BP−2671)である。
宿主への遺伝子発現用の組換えベクターの導入は、常法に従って行うことができる。導入法としては、例えば、エレクトロポレーション法、ポリエチレングリコール法、アグロバクテリウム法、リチウム法または塩化カルシウム法等が挙げられ、宿主細胞にとって効率の良い手法が選択される。PF1022物質生産菌を宿主として用いる場合、好ましくはポリエチレングリコール法である。
形質転換体の培養は常法に従って、培地、培養条件等を適宜選択することにより行うことができる。培地としては、慣用の成分、例えば炭素源としては、グルコース、シュークロース、セルロース、水飴、デキストリン、澱粉、グリセロール、糖蜜、動・植物油等が使用できる。また、窒素源としては、大豆粉、小麦胚芽、ファーマメディア、コーン・スティープ・リカー、綿実粕、ブイヨン、ペプトン、ポリペプトン、マルトエキス、イーストエキス、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、尿素等が使用できる。その他必要に応じ、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、コバルト、塩素、リン酸、硫酸およびその他のイオンを生成することのできる無機塩類、例えば塩化カリウム、炭酸カルシウム、リン酸水素2カリウム、硫酸マグネシウム、リン酸1カリウム、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸銅を添加することも有効である。また、必要に応じてチアミン(チアミン塩酸塩等)等の各種ビタミン、グルタミン酸(グルタミン酸ナトリウム等)、アスパラギン(DL−アスパラギン等)等のアミノ酸、ヌクレオチド等の微量栄養素、抗生物質等の選抜薬剤を添加することもできる。さらに、菌の発育を助け、環状デプシペプチドの生産を促進するような有機物および無機物を適当に添加することができる。
培養法としては、好気的条件での振とう培養法、通気撹拌培養法または深部好気培養法により行うことができるが、特に深部好気培養法が最も適している。培地のpHは、例えばpH6〜pH8程度である。培養に適当な温度は、15℃〜40℃であるが、多くの場合26℃〜37℃付近で生育する。環状デプシペプチド合成酵素および環状デプシペプチドの生産は、培地および培養条件、または使用した宿主により異なるが、いずれの培養法においても通常2日〜25日間でその蓄積が最高に達する。
培養中の環状デプシペプチド合成酵素、あるいは環状デプシペプチドの量が最高になった時に培養を停止し、培養物から環状デプシペプチド合成酵素あるいは環状デプシペプチドを単離、精製する。
培養物から環状デプシペプチド合成酵素あるいは環状デプシペプチドを採取するためには、その性状を利用した通常の分離手段、例えば溶剤抽出法、イオン交換樹脂法、吸着または分配カラムクロマトグラフィー法、ゲル濾過法、透析法、沈殿法、結晶化法等を単独で、または適宜組み合わせて抽出精製することができる。
環状デプシペプチド合成酵素は、例えば、ブチルアガロース等を使用した疎水性クロマトグラフィーにより効率よく精製できる。
環状デプシペプチドは、例えば、培養物中からはアセトン、メタノール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル等で抽出できる。環状デプシペプチドをさらに精製するには、シリカゲル、アルミナ等の吸着剤、セファデックスLH−20(ファルマシア社)またはトヨパールHW−40(東ソー社)等を用いるクロマトグラフィーを行うと良い。以上のような方法により、またはこれらを適宜組み合わせることにより、純粋な環状デプシペプチドが得られる。
本発明によれば、環状デプシペプチドの大量生産系が提供される。環状デプシペプチドの生産系、特にPF1022物質の生産系として使用できる宿主としては、PF1022物質を生産する糸状菌が好ましく、最も好ましくはPF1022菌株(Mycelia sterilia、FERM BP−2671)である。形質転換に用いられる組換えベクターとしては、PF1022物質生産菌で機能する制御配列(プロモーター、ターミネーター等)を環状デプシペプチド合成酵素遺伝子に作動可能に連結した発現ベクターが好ましく、最も好ましくはPF1022菌株(Mycelia sterilia、FERM BP−2671)において機能する制御配列を環状デプシペプチド合成酵素遺伝子に作動可能に連結した発現ベクターである。環状デプシペプチド、特にPF1022物質は、好ましくは、PF1022物質生産菌で機能する制御配列が環状デプシペプチド合成酵素遺伝子に作動可能に連結された発現ベクターによって形質転換されたPF1022物質生産菌を培養し、培養物から環状デプシペプチドを単離することにより製造できる。
PF1022物質の基質であるL−ロイシン、D−乳酸、またはD−フェニル乳酸を合成しない宿主においては、不足する基質または基質の誘導体を添加して培養することにより、PF1022物質またはPF1022物質の誘導体を生産させることが可能である。
実 施 例
以下に実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1:PF1022物質生産菌からの環状デプシペプチド合成酵素遺伝子のクローニング
1.ゲノムDNAの単離とゲノムライブラリーの作製
ゲノムDNAは、PF1022菌株(Mycelia sterilia、FERM BP−2671)に対してUV照射またはNTG処理により突然変異を誘発し、PF1022の生産性を向上させたPF1022物質生産菌432−26株から抽出した。PF1022物質生産菌432−26株を50mlの種培地[1%イーストエキス、1%マルトエキス、2%ポリペプトン、2.5%グルコース、0.1%リン酸水素2カリウム、0.05%硫酸マグネシウム(pH7.0)]で26℃にて2日間培養し、遠心分離により菌体を回収した。得られた菌体を液体窒素で凍結後、乳鉢と乳棒を用いて磨砕した。この磨砕した菌体からISOPLANT(ニッポンジーン社)により、添付のプロトコールに従いゲノムDNAを単離した。単離したゲノムDNAをSau3A Iにより部分分解した後、アガロースゲル電気泳動により15kb〜20kbのDNA断片を回収し、これをアルカリフォスファターゼで処理し、DNA断片の末端を脱リン酸化した。このDNA断片をファージベクターのLambda DASH II(ストラタジーン社)に挿入した。このようにして得られた組換えファージベクターについて、GigapackIII Gold Packaging Extract(ストラタジーン社)により、添付のプロトコールに従ってin vitroパッケージングを行った。その後、この組換えファージを大腸菌XL1−Blue MRA(P2)株に感染させ、プレートにて培養しプラークを形成させた。
2.環状デプシペプチド合成酵素遺伝子の部分DNA断片の単離
既知のペプチド合成酵素のマルチプルアライメントを行い、良好に保存された領域として、WTSMYDG(配列番号3)とVVQYFPT(配列番号4)を見出した。これらの配列を元に、5′−TGGACIWSNATGTAYGAYGG−3′(配列番号5)および5′−GTIGGRAARTAYTGIACNAC−3′(配列番号6)のプライマーを合成した。これらのプライマーを用い、PF1022物質生産菌から単離したゲノムDNAを鋳型としてPCRを行った。PCRは、50μlの反応液中、ゲノムDNA50ngを鋳型とし、1.25unitのExTaq DNAポリメラーゼ(宝酒造社)、添付のバッファーおよびdNTP Mixture、および10μMのプライマーを用い、以下の条件で反応を行った。94℃3分間、[94℃1分間、65℃(1サイクル毎に0.5℃下げる)1分間、72℃1分間]×30回、72℃3分間。この反応により約350bpのDNA断片が増幅し、このDNA断片をOriginal TA Cloning Kit(インビトロジェン社)を用い、添付のプロトコールに従ってpCR2.1プラスミドベクターに挿入した。
このようにしてクローニングしたDNA断片の塩基配列の決定は、DNA Sequencing Kit dRhodamine Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction(アプライドバイオシステムズ社)とABI PRISM 310 Genetic Analyzer(アプライドバイオシステムズ社)を用いて、添付のプロトコールに従い行った。その結果、単離したDNA断片の塩基配列は、ペプチド合成酵素遺伝子と相同性を示し、目的とする環状デプシペプチド合成酵素遺伝子の一部であることが明らかとなった。
3.環状デプシペプチド合成酵素遺伝子全域のクローニング
ゲノムライブラリーのスクリーニングに使用したプローブは、PCRにより、フルオレセイン標識dUTPをDNA断片に取り込ませることにより調製した。PCRは、50μlの反応液中、100ngの環状デプシペプチド合成酵素遺伝子DNA断片が挿入されたpCR2.1プラスミドベクターを鋳型とし、1.25unitのExTaq DNAポリメラーゼ(宝酒造社)および添付のバッファー、0.2mM dATP、0.2mM dCTP、0.2mM dGTP、0.02mM dTTP、0.18mMフルオレセイン標識dUTP(FluoroGreen、アマシャム ファルマシア バイオテク社)および10μMのプライマー(配列番号5および配列番号6)を用い、以下の条件で反応を行った。94℃2分間、(94℃30秒間、55℃1分間、72℃1分間)×25回、72℃3分間。この反応により、約350bpのフルオレセイン標識プローブが作製された。
実施例1の1において作製したプラークの形成されたプレート上に、Hybond−N+メンブレン(アマシャム ファルマシア バイオテク社)を載せ、プラークを付着させた。このメンブレンをアルカリ処理し、メンブレン上の組換えファージDNAを1本鎖に変性しメンブレンに吸着させた。ファージDNAが吸着したメンブレンを、Hybridization Buffer Tablets(アマシャム ファルマシア バイオテク社)を用いて調製したバッファーに入れた後、60℃で1時間インキュベートした。これに、上記のフルオレセインでラベルされたプローブを熱変性して添加し、60℃で一晩ハイブリダイゼーションを行った。その後、メンブレンを1×SSC(SSC:15mMクエン酸3ナトリウム、150mM塩化ナトリウム)−0.1% SDS溶液中で60℃、15分間洗浄し、さらに、0.2×SSC−0.1% SDS溶液中で60℃、15分間洗浄した。フルオレセインが結合したプラークの可視化は、DIG洗浄ブロックバッファーセット(ベーリンガー・マンハイム社)、アルカリフォスファターゼでラベルされた抗フルオレセイン抗体(Anti−fluorescein−AP,Fab fragment、ベーリンガー・マンハイム社)、発色基質としてニトロブルーテトラゾリウムクロライド(ベーリンガー・マンハイム社)およびX−フォスフェート(ベーリンガー・マンハイム社)を用い、添付のプロトコールに従って行った。このようにしてプローブに相同な領域の5′上流域および3′下流域を含む陽性クローンを選抜した。
4.塩基配列の決定
このようにして単離された陽性クローン中のDNA断片を、ファージベクターの配列である5′−GCGGAATTAACCCTCACTAAAGGGAACGAA−3′(配列番号7)および5′−GCGTAATACGACTCACTATAGGGCGAAGAA−3′(配列番号8)をプライマーとして用い、PCRにより増幅した。PCRは、50μlの反応液中、陽性クローンDNA100ngを鋳型とし、2.5unitのLA Taq DNAポリメラーゼ(宝酒造社)、添付のバッファーおよびdNTP Mixture、2.5mM塩化マグネシウム、および0.2μMのプライマーを用い、以下の条件で反応を行った。94℃1分間、(98℃10秒間、68℃15分間)×25回、72℃15分間。得られたPCR産物を精製した後、ネブライザー処理し、ランダムに0.5kb〜2.0kbに分解した。この断片の末端をT4 DNAポリメラーゼで平滑化し、T4ポリヌクレオチドキナーゼによりリン酸化した後、pT7Blue(ノバジェン社)のEcoRV部位に挿入し、大腸菌JM109株に導入した。このようにして得られた168個のコロニーをM13 Primer H4(宝酒造社)およびM13 Primer RV(宝酒造社)を用いて直接PCRし、これを精製した後、M13 Primer M4(宝酒造社)をプライマーとしてシークエンスを行った。PCRは、50μlの反応液中、1.25unitのExTaq DNAポリメラーゼ(宝酒造社)、添付のバッファーおよびdNTP Mixture、および0.5μMのプライマーを用い、以下の条件で反応を行った。94℃4分間、(94℃30秒間、55℃30秒間、72℃2分間)×30回、72℃3分間。また、シークエンスは、DNASequencing Kit dRhodamine Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction(アプライドバイオシステムズ社)とABI PRISM 310 Genetic Analyzer(アプライドバイオシステムズ社)を用いて、添付のプロトコールに従い行った。
得られた結果から、解析が不十分な領域については、プライマーを解析済みの塩基配列を元に新たに設計してPCRにより増幅し、これを精製した後、PCRに用いたプライマーを用いてシークエンスを行った。これにより、陽性クローン中のDNA断片15606bpの塩基配列を決定した。
この配列を解析したところ9633bpからなるオープンリーディングフレーム(ORF)が存在し、この配列から予測されるタンパク質は、3210アミノ酸残基、354kDaであり、ペプチド合成酵素と相同性を示すことが明らかとなった。また、最も高い相同性を示したタンパク質はエニアチン合成酵素(S39842)であり、その相同性は56%であった。このように単離した本発明の環状デプシペプチド合成酵素遺伝子のORFの塩基配列を配列表の配列番号1に、またそのアミノ酸配列を配列番号2に示した。
実施例2:環状デプシペプチド合成酵素遺伝子の過剰発現によるPF1022生産性の向上
1.遺伝子発現用の組換えベクターの構築(図1)
(1)環状デプシペプチド合成酵素遺伝子領域のクローニング
実施例1の3で得られた陽性クローンから、挿入されたDNA断片をNotIにより切り出し、pBluescriptII KS+(ストラタジーン社)のNotI部位に挿入し、プラスミドpPF7を作製した。pPF7をBanIIIおよびSmaIにより切断した後、アガロースゲル電気泳動し、約8250bpのDNA断片をアガロースゲルから回収した。この断片をpBluescriptII KS+に挿入し、プラスミドpPF7−1を作製した。
pPF7を鋳型とし、N末端付近からBanIII部位までの約440bp(配列番号9および配列番号10を使用)または約470bp(配列番号11および配列番号10を使用)を増幅するためのプライマーとして、5′−AGCATCGGATCCTAACAATGGGCGTTGAGCAGCAAGCCCTA−3′(配列番号9、ORFのN末端から10番目のMetから翻訳開始するように設計)または5′−AGCATCGGATCCTAACAATGTCAAACATGGCACCACTCCCTA−3′(配列番号11、ORFのN末端1番目のMetから翻訳開始するように設計)、および5′−TTTGCTTCGTACTCGGGTCCT−3′(配列番号10)を用い、また、SmaI部位からC末端までの約920bpを増幅するためのプライマーとして、5′−GCATCGCGATACTAGAGAAG−3′(配列番号12)および5′−AGCATCGAATTCGGATCCCTAAACCAACGCCAAAGCCCGAAT−3′(配列番号13)を用いてPCRを行った。この際、本発明の環状デプシペプチド合成酵素遺伝子の5′側および3′側に、BamHI部位を導入するようにプライマーの設計を行った。PCRは、50μlの反応液中、150ngのプラスミドDNAを鋳型とし、2.5unitのKOD DNAポリメラーゼ(東洋紡績社)、添付のバッファーおよびdNTP Mixture、1mM塩化マグネシウム、および0.5μMのプライマーを用い、以下の条件で反応を行った。98℃30秒間、(98℃15秒間、65℃2秒間、74℃30秒間)×10回、74℃1分間。各プライマーを用いて得られたPCR反応液をエタノール沈殿し、PCR産物を回収した。N末端領域に関しては、BamHIおよびBanIIIにより、また、C末端領域に関しては、SmaIよびBamHIにより切断した後、アガロースゲル電気泳動し、DNA断片をアガロースゲルから回収した。
pPF7−1のSamI、BamHI部位に、上記のC末端領域PCR断片を挿入し、プラスミドpPF7−2を作製した。このプラスミドをBanIIIおよBamHIで切断した後、アガロースゲル電気泳動し、約9170bpのDNA断片をアガロースゲルから回収した。このDNA断片並びに配列番号9および配列番号10を用いて作製したN末端領域を、同時に、pBluescript II KS+のBamHI部位に挿入することにより、本発明の環状デプシペプチド合成酵素遺伝子を再構築し、プラスミドpPFsyn(ORFのN末端から10番目のMetから翻訳開始)を作製した。
一方、pPF7−2から切り出した約9170bpのDNA断片並びに配列番号9および配列番号11を用いて作製したN末端領域を、同時に、pHSG299(宝酒造社)のBamHI部位に挿入することにより、本発明の環状デプシペプチド合成酵素遺伝子を再構築し、プラスミドpPFsynN(ORFのN末端1番目のMetから翻訳開始)を作製した。このようにして両末端にBamHI部位を持つ環状デプシペプチド合成酵素遺伝子を作製した。
pPFsynまたはpPFsynNをBamHIで切断した後、環状デプシペプチド合成酵素遺伝子領域をそれぞれゲルから回収した。
(2)Abp1遺伝子の発現制御領域を用いた発現ベクターの構築
PF1022物質生産菌のゲノムDNAの単離
PF1022物質生産菌(FERM BP−2671)のゲノムDNAの単離は(H.Horiuchi et.al.,J.Bacteriol.,170,272−278,(1988))に記載の方法に従った。具体的には、まずPF1022菌株(FERM BP−2671)を種培地(可溶性澱粉 2.0%、グルコース 1.0%、ポリペプトン 0.5%、小麦胚芽 0.6%、酵母エキス 0.3%、大豆粕 0.2%および炭酸カルシウム 0.2%;殺菌前がpH7.0;WO97/00944号 実施例1参照)で2日間培養し、遠心分離(3500rpm、10分)によって菌体を回収した。次いで、得られた菌体を凍結乾燥後、TEに懸濁し、3%SDS溶液中、60℃、30分間処理後、TE飽和フェノール抽出により、菌体残渣を除去した。抽出液はエタノール沈澱化後、リボヌクレアーゼA(シグマ社製)およびプロテイナーゼK(和光純薬社製)処理し、さらに12%ポリエチレングリコール6000により核酸を沈殿化させた。これをTE飽和フェノール抽出、エタノール沈殿化を行い、同沈殿をTEに溶解し、これをゲノムDNAとした。
PF1022物質生産菌のゲノムライブラリーの作製
上記のように調製したPF1022物質生産菌由来ゲノムDNAをSau3AIにより部分消化した。これをファージベクター、λEMBL3クローニングキット(ストラタジーン社製)のBamHIアームにT4リガーゼ(宝酒造社製ライゲーションキットVer.2)を用いて連結させた。これをエタノール沈澱後、TEに溶解した。連結混合物の全量をギガパックIIIプラスパッケージングキット(ストラタジーン社製)を用いて、大腸菌LE392株に感染させ、ファージプラークを形成させた。この方法により得られた1.3×104個(2.6×104PFU/ml)のファージライブラリーを用いてAbp1遺伝子のクローニングを行った。
PF1022物質生産菌由来のゲノムDNAからのAbp1遺伝子クローニング
プローブはAbp1遺伝子の翻訳領域をPCR法により増幅し、用いた。前記のようにPF1022物質生産菌から調製したゲノムDNAを鋳型に、8−73Uおよび8−73Rなる合成プライマーを用いて、レッツゴーPCRキット(サワディーテクノロジー社製)に従いPCRを行った。PCRの反応条件は、94℃30秒間、50℃30秒間、72℃90秒間のステップを25回繰り返すことにより増幅を行った。以下に8−73Uおよび8−73RのDNA配列を示す。
このようにして得られたPCR産物はECLダイレクトシステム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)を用いて、標識化した。前記のように作成したファージプラークを、ハイボンドN+ナイロントランスファーメンブラン(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に転写し、アルカリ変成後、5倍濃度SSC(SSC:15mMクエン酸3ナトリウム、150mM塩化ナトリウム)で洗浄し、乾燥させDNAを固定した。キットに記載の方法に従って、1時間のプレハイブリダイゼーション(42℃)の後、先の標識化したプローブを添加し、16時間(42℃)ハイブリダイゼーションを行った。プローブの洗浄は前述キットに記載の方法に従った。プローブの洗浄を行ったナイロン膜は、検出溶液に1分間浸したあと、メディカルX線フィルム(富士写真フィルム社製)に感光させ、1個の陽性クローンを得た。本クローンはサザン解析の結果、少なくとも6kbのHindIII断片がゲノムDNAの制限酵素断片長と一致していた。このHindIII断片の制限酵素地図を図2に示す。HindIII断片はpUC119にサブクローニングし(pRQHin/119)、以降の実験に供した。
発現ベクターの構築
pRQHin/119を鋳型にAbp1遺伝子のプロモーター領域およびターミネーター領域をPCR法を用いて増幅した。プロモーターの増幅はABP−NecoおよびABP−Nbam、一方、ターミネーターの増幅はABP−CbamおよびABP−Cxbaなるプライマーを用い、PCRスーパーミックスハイフィデリティ(ライフテックオリエンタル社製)によりPCR法を行った。反応条件は、94℃30秒間、50℃30秒間、72℃90秒間のステップを25回繰り返すことにより増幅を行った。以下にABP−Neco、ABP−Nbam、ABP−CbamおよびABP−CxbaのDNA配列を示す。
各PCR産物はマイクロスピンS−400カラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)で精製し、エタノール沈殿化の後、プロモーターはEcoRIおよびBamHI、ターミネーターはBamHIおよびXbaIで消化し、同様の酵素で消化したpBluescriptII KS+に順次連結した。これをXbaIで消化し、pMKD01(WO98/03667号)由来デストマイシン耐性カセットを挿入しpABPdを構築した(図3)。pABPdはAbp1遺伝子のプロモーターおよびターミネーターを有する。
前記のようにゲルから回収した環状デプシペプチド合成酵素遺伝子領域をpABPdのBamHI部位に挿入し、環状デプシペプチド合成酵素遺伝子を発現させるための発現ベクターであるpABP/PFsyn(ORFのN末端から10番目のMetから翻訳開始)およびpABP/PFsynN(ORFのN末端1番目のMetから翻訳開始)を作製した。
2.PF1022物質生産菌への環状デプシペプチド合成酵素遺伝子の導入と発現
PF1022菌株(Mycelia sterilia、FERM BP−2671)への発現ベクターの導入は、WO97/00944号に記載された実施例1の方法に従って行い、ハイグロマイシンBに対する耐性度の高い株を選抜した。これらの株における目的遺伝子の導入の確認は、Abp1プロモーターの配列から作製したプライマー、5′−TGATATGCTGGAGCTTCCCT−3′(配列番号20)および環状デプシペプチド合成酵素遺伝子の配列から作製したプライマー、5′−GCACAACCTCTTTCCAGGCT−3′(配列番号21)を用いたPCRにより行った。このようにしてハイグロマイシンBに対する耐性度が高く本発明の環状デプシペプチド合成酵素遺伝子が導入された遺伝子導入株を選抜した。
50mlの種培地にて遺伝子導入株および親株(Mycelia sterilia、FERM BP−2671)をそれぞれ別々に26℃で2日間培養した後、それぞれの培養液1mlを50mlの別々の生産培地[6%水飴、2.6%澱粉、2%小麦胚芽、1%ファーマメディア、0.2%硫酸マグネシウム7水和物、0.2%炭酸カルシウム、0.3%塩化ナトリウム(pH 7.5)]に接種し、26℃で4日間培養した。培養液を4500rpmで5分間遠心することにより集菌し、得られたそれぞれの菌体を0.3M塩化カリウムで洗浄した。それぞれの菌体を液体窒素により凍結した後、凍結乾燥を行った。
以下に示す抽出操作は、氷上、または4℃の低温室にて実施した。凍結乾燥した菌体10mgおよび1.0mlのガラスビーズ(径0.5mm)を入れた2mlのマイクロチューブに、1.0mlの抽出バッファー[50mMトリス−塩酸(pH8.0)、0.3M塩化カリウム、60%グリセロール、10mMエチレンジアミン4酢酸2ナトリウム、5mMジチオスレイトール、10μMロイペプチン、1mMフェニルメタンスルホン酸、60μg/mlキモスタチン]を添加した。このマイクロチューブをMini−Bead−Beater−8(バイオスペック社)にセットし、最高速度で3分間運転することにより抽出を行った。これを15000rpmで5分間遠心した後、100μlの上清を100μlの10%トリクロロ酢酸溶液中に入れ、混合した。15分間放置した後、15000rpmで10分間遠心し、得られた沈殿を、15μlのアルカリ溶液(2%炭酸ナトリウム、0.4%水酸化ナトリウム)に溶解し、60μlのサンプルバッファー[125mMトリス−塩酸(pH6.8)、20%グリセロール、4%ドデシル硫酸ナトリウム、10%2−メルカプトエタノール、50mg/lブロムフェノールブルー]を添加した。これを沸騰水中で5分間加熱した後、電気泳動システム(テフコ社)により、4%〜20%のポリアクリルアミドゲルを使用して電気泳動[Sodium Dodecyl sulfate−polyacrylamide gel electrophoresis(SDS−PAGE)]を行った。電気泳動後のポリアクリルアミドゲルは、クイック−CBB(和光純薬社)を用い、添付のプロトコールに従い染色した。親株およびpABP/PFsynを導入した遺伝子導入株から抽出したタンパク質の電気泳動の結果を図4に示した。また、親株およびpABP/PFsynNを導入した遺伝子導入株から抽出したタンパク質の電気泳動の結果を図5に示した。
このように、遺伝子導入株の環状デプシペプチド合成酵素の発現量は、親株に比べ顕著に高かった。
3.PF1022物質の抽出と定量
50mlの種培地にて遺伝子導入株および親株をそれぞれ別々に26℃で2日間培養した後、それぞれの培養液1mlを50mlの別々の生産培地に接種し、26℃で6日間培養した。それぞれの培養液から10ml分を採取し3000rpmで10分間遠心し、別々に集菌した。それぞれの菌体に10mlのメタノールを加えて激しく振とうし、30分間静置した。その後、再度振とうし、3000rpmで10分間遠心した後、上清中のそれぞれの菌体から抽出したPF1022物質を液体クロマトグラフィーにより各々定量した。カラムとしては、LiChrospher 100 RP−18(e)(関東化学社)を用い、カラム温度は40℃、移動相は80%アセトニトリル、流速は1.0ml/minとして、210nmの吸収によりPF1022物質を検出した。この条件におけるPF1022物質の保持時間は5分間〜6分間であった。実験は2反復で行い、親株およびpABP/PFsynを導入した遺伝子導入株から抽出したPF1022物質の定量結果の平均値を表1に示した。
遺伝子導入株は親株の約2.5倍のPF1022物質の生産性を示した。本発明の環状デプシペプチド合成酵素を過剰発現させることにより、PF1022物質の生産性が高まることが明らかとなった。
また、親株およびpABP/PFsynNを導入した遺伝子導入株から抽出したPF1022物質の定量結果の平均値を表2に示した。
遺伝子導入株は親株の4.3〜6.0倍のPF1022物質の生産性を示した。本発明の環状デプシペプチド合成酵素を過剰発現させることにより、PF1022物質の生産性が高まることが明らかとなった。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
図1はプラスミドpABP/PFsynの作製方法を示す。
図2はAbp1遺伝子を含む6kbのHindIII断片の制限酵素地図を示す。
図3はpABPdの構成および制限酵素地図を示す。
図4は親株およびpABP/PFsynを導入した遺伝子導入株から抽出したタンパク質の電気泳動の結果を示す。
図5は親株およびpABP/PFsynNを導入した遺伝子導入株から抽出したタンパク質の電気泳動の結果を示す。
Claims (12)
- 下記からなる群から選択されるアミノ酸配列を含んでなる、タンパク質:
(a)配列番号2のアミノ酸配列、および
(b)置換、欠失、付加、および挿入から選択される1以上の改変を有し、かつPF1022物質[シクロ(D−ラクチル−L−N−メチルロイシル−D−3−フェニルラクチル−L−N−メチルロイシル−D−ラクチル−L−N−メチルロイシル−D−3−フェニルラクチル−L−N−メチルロイシル)]合成酵素活性を有する配列番号2のアミノ酸配列の改変アミノ酸配列。 - 請求項1に記載のタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
- 配列番号1のDNA配列からなる、請求項2に記載のポリヌクレオチド。
- 下記からなる群から選択されるポリヌクレオチド:
(c)配列番号1のDNA配列、
(e)置換、欠失、付加、および挿入から選択される1以上の改変を有し、かつPF1022物質合成酵素活性を有するタンパク質をコードする配列番号1のDNA配列の改変DNA配列、および
(f)ストリンジェントな条件[0.2×SSC濃度(1×SSC:15mMクエン酸3ナトリウム、150mM塩化ナトリウム)、0.1%SDS溶液中で60℃、15分間の洗浄条件]下で配列番号1のDNA配列とハイブリダイズし、かつPF1022物質合成酵素活性を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列。 - 請求項2〜4のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含んでなる、組換えベクター。
- 請求項5に記載の組換えベクターを含んでなる宿主。
- PF1022物質合成酵素を発現している、請求項6に記載の宿主。
- PF1022物質を生産する、アゴノマイセタレス( Agonomycetales )に属する糸状菌である、請求項6または7に記載の宿主。
- 請求項6〜8のいずれか一項に記載の宿主を培養し、培養物から環状デプシペプチドを採取することを含んでなる、環状デプシペプチドの製造法。
- 環状デプシペプチドがPF1022物質およびPF1022物質中の二つのフェニル基のパラ位がアミノ基により置換されたPF1022物質の誘導体である、請求項9に記載の製造法。
- 請求項6〜8のいずれか一項に記載の宿主を培養し、培養物から環状デプシペプチド合成酵素を採取することを含んでなる、環状デプシペプチド合成酵素の製造法。
- 環状デプシペプチドがPF1022物質およびPF1022物質中の二つのフェニル基のパラ位がアミノ基により置換されたPF1022物質の誘導体である、請求項11に記載の製造法。
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