JP4679477B2 - モータ駆動装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献1に記載の他の装置は、回路構成を簡素化した内容となっているが、過電流が流れた際に、ローサイドに設けられた3個の電流検出部の信号がそれぞれの比較器の出力をORで検出される構成となっているため、例えばハイサイドのスイッチング素子が1個オンし、ローサイドのスイッチング素子が2個オンしたときに負荷を通して過電流が流れる状態の場合、仮に過電流判別信号のレベルを「1」とすると、過電流による装置保護は、ローサイドのスイッチング素子2個のどちらかの電流検出部の信号が過電流判別信号の「1」にならない限り働かないことになる。これにより、ハイサイドのスイッチング素子には、最大で過電流判別信号のレベルの2倍の電流が流れるまで装置保護が働かないことになるため、ハイサイドのスイッチング素子の選定においては、過電流判別信号のレベルの約2倍の電流を流すことができるものを選定する必要がある。また、負荷を空気調和機などで用いられる直流ブラシレスモータを使用した場合には、モータ内部に存在する永久磁石の保護を目的として、モータに流す電流を制限する必要があるが、この構成では、過電流判別信号のレベルの2倍の電流が流れるため、モータにおいても永久磁石の保護レベルの高いものを選定する必要があり、装置全体としての安価な構成が取りにくいという課題がある。
さらに、前述したように電流検出部がスイッチング素子のエミッタ側に接続されている。負荷を空気調和機などで用いられる直流ブラシレスモータを使用した場合には、モータ制御が意図しない状態になると、モータから平滑コンデンサに、スイッチングング素子に並列接続のダイオードを介して電流が流れる場合がある。この場合においては、インバータ部の停止を行うときに、電流検出部に前記の経路で流れる信号が発生しないため、インバータ部の駆動可否の判断ができないという課題がある。
また、第2の目的は、直流ブラシレスモータを使用した場合に、モータ内の永久磁石の保護レベルの高いものを選定する必要がなく、安価で、かつ最適な回路構成で過電流に対する保護を行うことができるモータ駆動装置を得るものである。
さらに、第3の目的は、直流ブラシレスモータを使用した場合に、モータから平滑コンデンサに、スイッチング素子に並列接続のダイオードを介して流れる電流を検出して、インバータの駆動可否を判断することができるモータ駆動装置を得るものである。
また、各電圧の加算値と第2の値とを比較し、その出力値の符号が負で当該出力値が第2の値より高いときに複数のスイッチング素子のオン・オフ動作を停止させる同期異常検出信号をインバータ制御部に出力するようにしているので、モータの同期駆動異常を検知することが可能になり、装置の駆動可否を判断することができる。
図1は本発明の実施の形態1を示すモータ駆動装置の回路図、図2は実施の形態1における電流検出の一例を示す回路図である。
図1において、全波整流回路部2は、ブリッジ接続された4個のダイオードからなり、交流電源1からの交流電圧を全波整流する。平滑コンデンサ3は、全波整流回路部2により全波整流された電圧を平滑する。インバータ部6は、例えばバイポーラトランジスタ、IGBT、パワーMOSFETなどからなる6個のスイッチング素子4a〜4fと、スイッチング素子4a〜4fにそれぞれ並列に接続されたダイオード5a〜5fとを備え、平滑コンデンサ3の直流電圧を三相交流に変換し、出力側に設けられたモータ7に印加する。なお、上側のスイッチング素子4a〜4c及びダイオード5a〜5cをハイサイドのスイッチング素子4a〜4c及びハイサイドのダイオード5a〜5cといい、下側のスイッチング素子4d〜4f及びダイオード5d〜5fをローサイドのスイッチング素子4d〜4f及びローサイドのダイオード5d〜5fという。
本装置に交流電源1が印加されると、全波整流回路部2が交流電圧を全波整流し、平滑コンデンサ3が全波整流された電圧を平滑する。インバータ制御部8からインバータ部6にパルス信号が出力されると、ハイサイド及びローサイドのスイッチング素子4a〜4fがパルス信号の入力に基づいてオン・オフ動作し、平滑コンデンサ3により平滑された直流電圧を制御に応じた電圧・周波数の3相交流に変換し、モータ7を駆動させる。この時、平滑コンデンサ3からインバータ部6を介してモータ7に駆動電流が流れる。
実施の形態2は、空気調和機などで使用されている直流ブラシレスモータを実施の形態1のモータ駆動装置に用いて示すものである。直流ブラシレスモータは、過電流によるモータ内部の永久磁石の磁力劣化(減磁)を考慮する必要があるが、前述したモータ駆動装置においては、インバータ部6に流れる全電流(合成電流)を精度よく検出し、その合成電流と過電流比較信号2とを比較して、スイッチング素子4a〜4fを過電流から保護することができるため、直流ブラシレスモータの永久磁石の磁力劣化を抑えることが可能である。
前記の実施の形態1、2は、力行電流時の過電流保護について述べたが、実施の形態3では、直流ブラシレスモータにおける同期駆動異常時の保護について図3及び図4を用いて説明する。図3は本発明の実施の形態3を示すモータ駆動装置の回路図、図4は実施の形態3における電流検出の一例を示す回路図である。なお、図1で説明した実施の形態1と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
Claims (3)
- 交流電圧を整流する整流回路部と、
該整流回路部により整流された電圧を平滑するコンデンサと、
複数のスイッチング素子及び各スイッチング素子にそれぞれ並列接続された複数のダイオードよりなり、複数のスイッチング素子のオン・オフ動作により前記コンデンサの直流電圧を交流に変換し、出力側のモータに供給するインバータ部と、
前記複数のスイッチング素子のオン・オフを制御するインバータ制御部と、
前記インバータ部の各アームのローサイドの各スイッチング素子に流れる電流をそれぞれ検出し、その値を電圧出力する複数の電流検出部と、
該複数の電流検出部により出力された電圧を加算する加算回路部と、
該加算回路部の出力値と予め設定された第1の値とを比較し、前記出力値の符号が正で当該出力値が前記第1の値より高いときに前記複数のスイッチング素子のオン・オフ動作を停止させる過電流検出信号を前記インバータ制御部に出力する第1の比較器と、
前記加算回路部の出力値と予め設定された第2の値とを比較し、前記出力値の符号が負で当該出力値が第2の値より高いときに前記複数のスイッチング素子のオン・オフ動作を停止させる同期異常検出信号を前記インバータ制御部に出力する第2の比較器と
を備えたことを特徴とするモータ駆動装置。 - 前記インバータ部の出力側のモータに直流ブラシレスモータが使用されていることを特徴とする請求項1記載のモータ駆動装置。
- 前記第1の値は、力行電流に対応した値であり、また、前記第2の値は、回生電流に対応した値であることを特徴とする請求項1又は2記載のモータ駆動装置。
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