JP4678985B2 - 光回路装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜素子の配置方法、光回路装置、及び光電子装置に係り、特に、所望の方向に薄膜素子を配置しうる薄膜素子の配置方法及びその薄膜素子を用いた光回路装置及び光電子装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時では、光の干渉効果を利用して所望の分光特性を得ることができる干渉フィルタ(Interference filter)が提案されている。
【0003】
干渉フィルタは、一般に、高屈折率の誘電体膜と低屈折率の誘電体膜とを交互に、数層から数十層、場合によっては数百層積層することにより構成されている。高屈折率の誘電体膜としては、例えばTiO2膜が用いられ、低屈折率の誘電体膜としては、例えばSiO2膜が用いられる。
【0004】
干渉フィルタは、微細な薄膜を用いて構成されているため、光回路装置の微細化に寄与することが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、干渉フィルタは、基板上に誘電体膜を積層することにより形成されるものであるため、干渉フィルタを構成する誘電体多層膜の面は、基板の面と平行になる。
【0006】
ここで、光回路装置の更なる高機能化を実現するためには、フィルタを構成する誘電体多層膜の面を基板の面に対して斜めに設定したり、基板の面に対して垂直に設定したりすることが望まれるが、薄膜素子を所望の方向に配置する技術は未だ提案されていなかった。このため、薄膜素子を所望の方向に配置する技術が待望されていた。
【0007】
本発明の目的は、薄膜素子を所望の方向に配置しうる薄膜素子の配置方法及びその薄膜素子を用いた光回路装置及び光電子装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、薄膜状の光学素子を、光回路基板上に任意の角度で搭載する光回路装置の製造方法において、前記光回路基板とは異なる第1の支持基板上に金属を含む2層の膜からなる傾動層を形成し、かつ、前記傾動層の前記薄膜状の光学素子を搭載する部分の下部に、前記傾動層とは別種の金属からなる解除層となる膜を形成し、前記傾動層の表面に接着剤を塗布し、前記第1の支持基板とは別の第2の支持基板上の前記薄膜状の光学素子を、前記接着剤により前記傾動層の表面に転写し、前記解除層をエッチングで除去することにより、前記解除層上の部分の前記傾動層を前記第1の支持基板から離し、前記傾動層の反りを利用して、前記傾動層上に転写した前記薄膜状の光学素子の角度を変化させることを特徴とする光回路装置の製造方法により達成される。これにより、薄膜状の光学素子を所望の方向に配置することができる。従って、かかる薄膜状の光学素子を用いて微細で高機能な光回路装置等を提供することができる。
【0009】
また、上記目的は、薄膜状の光学素子を、光回路基板上に任意の角度で搭載する光回路装置の製造方法において、前記光回路基板とは異なる第1の支持基板上に、所定の角度の傾斜面を持つ突起を形成し、前記突起の前記傾斜面に接着剤を塗布し、前記第1の支持基板とは別の第2の支持基板上の前記薄膜状の光学素子を、前記接着剤により前記傾斜面に転写し、前記突起をエッチングで除去し、前記第1の支持基板上の前記薄膜状の光学素子を第3の支持基板に押し付けることにより、前記薄膜状の光学素子の角度を変化させることを特徴とする光回路装置の製造方法により達成される。これにより、薄膜状の光学素子を所望の方向に配置することができため、微細で高機能な光回路装置を提供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による薄膜素子の配置方法を図1乃至図6を用いて説明する。図1乃至図6は、本実施形態による薄膜素子の配置方法を示す工程図である。なお、図1の紙面左側は平面図であり、紙面右側はA−A′線断面図である。図2の紙面左側は平面図であり、紙面右側はB−B′線断面図である。図5及び図6の紙面左側は平面図であり、紙面右側はC−C′線断面図である。
【0012】
本実施形態では、薄膜素子(Thin-film device)として光学フィルタを配置する場合を例に説明するが、本発明は、フィルタの配置のみならず、あらゆる薄膜素子の配置に広く適用することが可能である。
【0013】
まず、図1(a)に示すように、成長基板10を用意する。成長基板10の材料としては、例えばSiやガラス等を用いることができる。
【0014】
次に、成長基板10上に、例えばSiO2膜とTiO2膜とを交互に積層して成る誘電体多層膜14を成長する。誘電体多層膜14の総合的な膜厚は、例えば数μm〜数10μmとすることができる。このような誘電体多層膜14は、波長λ1の光信号を選択的に反射し、その他の波長の光信号を透過するフィルタを構成することができる。フィルタの波長選択特性は、市販のCADツールを用いて容易に設計することが可能である。図中、誘電体多層膜14に表された複数の線は、誘電体多層膜14を構成する膜の面を模式的に表したものである。
【0015】
次に、例えばCrより成るマスクパターン(図示せず)をマスクとして、誘電体多層膜14を斜めにパターニングすることにより、誘電体多層膜14より成る斜角柱状のフィルタ14a、14bを形成する(図1(b)参照)。フィルタ14aは紙面右側に傾くように形成し、フィルタ14bは紙面左側に傾くように形成する。なお、誘電体多層膜14を斜めにパターニングするためには、例えば、RIE(Reactive Ion Etching、反応性イオンエッチング)装置のエッチング室内に成長基板10を斜めに載置し、マスクパターンをマスクとして、RIE法により誘電体多層膜14をエッチングすればよい。
【0016】
次に、支持基板(Supporting substrate)16を用意する。支持基板16は、成長基板10側に形成されたフィルタ14a、14bを移動するために用いられるものである。支持基板16としては、例えば、ポリマが表面に塗布されたシリコン基板や、ポリマ基板等を用いることができる。
【0017】
次に、図1(c)に示すように、成長基板10上に支持基板16を重ね合わせる。支持基板16の下面には、例えば接着剤(図示せず)が塗布されている。このため、フィルタ14a、14bが支持基板16の下面に固着される。
【0018】
次に、成長基板10を選択的に溶解し得る溶解液を用い、成長基板10を溶解する。成長基板10を選択的に溶解しうる溶解液としては、例えばフッ酸等を用いることができる。こうして、フィルタ14a、14bが支持基板16側に移動される。
【0019】
なお、成長基板側にエピタキシャル成長された薄膜素子を上記のようにして支持基板側に移動する技術は、ELO(Epitaxial Lift-Off、エピタキシャル・リフトオフ)技術と称されている。
【0020】
次に、図2(a)に示すように、成長基板18を用意する。成長基板18の材料としては、成長基板10と同様の材料を用いることができる。
【0021】
次に、成長基板18上に、例えばSiO2膜とTiO2膜とを交互に積層して成る誘電体多層膜20を成長する。誘電体多層膜20の総合的な膜厚は、例えば数μm〜数10μmとすることができる。このような誘電体多層膜20は、波長λ2の光信号を選択的に反射し、その他の波長の光信号を透過するフィルタを構成することができる。フィルタの波長選択特性は、市販のCADツールを用いて容易に設計することが可能である。
【0022】
次に、図1(b)を用いて上述したのと同様にして、誘電体多層膜20を斜角柱状にパターニングし、これにより、斜角柱状のフィルタ20a、20bを形成する(図2(b)参照)。フィルタ20aは紙面右側に傾くように形成し、フィルタ20bは紙面左側に傾くように形成する。
【0023】
次に、フィルタ20a、20bを移動するための支持基板22を用意する。支持基板22の材料としては、例えば支持基板16と同様の材料を用いることができる。
【0024】
次に、成長基板18上に支持基板22を重ね合わせる(図2(c)参照)。支持基板22の下面には、例えば接着剤(図示せず)が塗布されている。このため、フィルタ20a、20bが支持基板22の下面に固着される。
【0025】
次に、図1(d)を用いて上述したのと同様にして、成長基板18を選択的に溶解し、フィルタ20a、20bを支持基板22側に移動する(図2(d)参照)。
【0026】
次に、図3(a)に示すように、傾動用基板(Tilting substrate)24を用意する。傾動用基板24は、MEMS技術(Micro Electro Mechanical Systems、マイクロマシーニング技術)を用いてフィルタ14a、14bの向きを傾けるためのものである。MEMS技術については、例えば、OE Reports Number 188, August 1999, SPIEに記載されている。傾動用基板24の材料としては、例えばSiを用いることができる。
【0027】
次に、傾動用基板24上に、例えば膜厚2μmのCu膜を形成する。
【0028】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、Cu膜をパターニングする。これにより、Cuより成る解除層(Release layer)26が形成される。解除層26は、後述する傾動層(Tilting layer)28の端部の固定状態を解除し、傾動層28の端部が傾動用基板24に対して傾くようにするためのものである。
【0029】
次に、傾動用基板24上に、例えば膜厚3μmのNi膜と例えば膜厚3μmのシリコン酸化膜とを順次積層して成る積層膜を形成する。
【0030】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、積層膜をパターニングする。これにより、積層膜より成る傾動層28が形成される(図3(b)参照)。この際、傾動層28の端部が解除層26上に位置するようにする。これにより、傾動層28の端部が、解除層26を介して傾動用基板24に固定されることとなる。
【0031】
次に、図3(c)に示すように、傾動用基板24に支持基板16を重ね合わせる。この際、解除層26が形成されている側の傾動層28の端部に、フィルタ14a、14bが載置されるようにする。解除層26が形成されている側の傾動層28の端部の上面には、例えば接着剤(図示せず)が塗布されている。このため、傾動層28の端部上に載置されたフィルタ14a、14bは、傾動層28の端部に固着される。
【0032】
次に、図3(d)に示すように、傾動用基板24と支持基板16とを互いに離間する。こうして、解除層26が形成されている側の傾動層28の端部の上面に、フィルタ14a、14bが移動される(図3(e)参照)。
【0033】
次に、解除層26を選択的にエッチングする。そうすると、解除層26を介して傾動用基板24に固定されていた傾動層28の端部の固定状態が解除され、傾動層28の端部が傾動用基板24の面に対して傾く。傾動層28の端部が傾動用基板24の面に対して傾くと、これに伴ってフィルタ14a、14bもそれぞれ傾き、フィルタ14a、14bが傾動層28上に倒される(図3(f)参照)。フィルタ14a、14bが斜角柱状に形成されているため、傾動層28上に倒されたフィルタ14a、14bを構成する誘電体多層膜の面が、傾動用基板24の面に対して傾いた状態となる。換言すれば、フィルタ14a、14bを構成する誘電体多層膜の成長方位が、傾動用基板24の面に対して傾いた状態となる。
【0034】
次に、図4(a)に示すように、傾動用基板30を用意する。傾動用基板30の材料としては、例えば傾動用基板24と同様の材料を用いることができる。傾動用基板24は、MEMS技術を用いてフィルタ20a、20bの向きを傾けるためのものである。
【0035】
次に、図3(a)を用いて上述したのと同様にして、傾動用基板30上に、解除層32を形成する。
【0036】
次に、図3(b)を用いて上述したのと同様にして、傾動層34を形成する(図4(b)参照)。
【0037】
次に、図3(c)を用いて上述したのと同様にして、傾動用基板30上に支持基板22を重ね合わせる(図4(c)参照)。
【0038】
次に、図3(d)を用いて上述したのと同様にして、傾動用基板30と支持基板22とを互いに離間する(図4(d)参照)。こうして、傾動層34の端部の上面にフィルタ20a(図示せず)及びフィルタ20bが移動される(図4(e)参照)。
【0039】
次に、図3(f)を用いて上述したのと同様にして、解除層32を選択的にエッチングし、傾動層34の端部を傾ける。これにより、フィルタ20a(図示せず)及びフィルタ20bが傾動層34上に倒される(図4(f)参照)。
【0040】
次に、図5(a)に示すように、光回路装置の実際の基板として用いられる実基板36を用意する。実基板36の材料としては、例えばSiを用いることができる。
【0041】
次に、実基板36上に、膜厚5μmのフッ化ポリイミドより成るクラッド層38を形成する。
【0042】
次に、クラッド層38上に、例えば膜厚20μmのフッ化ポリイミドより成る導波路層40を形成する。この際、図5(a)に示すように、導波路層40を互いに離間して形成する。このように導波路層40を互いに離間して形成するのは、後工程でフィルタ14a、14b、20a、20bを組み込むためである。なお、導波路層40に用いるフッ化ポリイミドの組成は、クラッド層38に用いるフッ化ポリイミドの組成と異なる組成に設定する。
【0043】
次に、図5(b)に示すように、実基板36上に、傾動用基板24を重ね合わせる。この際、導波路層40が互いに離間している領域にフィルタ14a、14bが組み込まれるよう、位置合わせを行う。なお、フィルタ14a、14bを導波路層40に組み込むためには、フィルタ14a、14bを組み込むべき領域のクラッド層38の表面に、例えば接着材(図示せず)等を塗布しておけばよい。
【0044】
次に、図5(c)に示すように、実基板36と傾動用基板24とを互いに離間する。こうして、導波路層40にフィルタ14a、14bが組み込まれる。フィルタ14a、14bが斜角柱状に形成されているため、導波路層40に組み込まれたフィルタ14a、14bを構成する誘電体多層膜の面が、実基板36の面に対して傾いた状態となり、また、導波路層40の延在方向に対して傾いた状態となる。換言すれば、フィルタ14a、14bを構成する誘電体多層膜の成長方位が、実基板36の面に対して傾いた状態となり、また、導波路層40の延在方向に対して傾いた状態となる。
【0045】
次に、図6(a)に示すように、実基板36上に、傾動用基板30を重ね合わせる。この際、導波路層40が互いに離間している領域にフィルタ20a、20bが組み込まれるよう、位置合わせを行う。なお、フィルタ20a、20bを導波路層40に組み込むためには、フィルタ20a、20bを組み込むべき領域のクラッド層38の表面に、例えば接着材(図示せず)等を塗布しておけばよい。
【0046】
次に、図6(b)に示すように、実基板36と傾動用基板30とを互いに離間する。こうして、導波路層40にフィルタ20a、20bが組み込まれる。フィルタ20a、20bが斜角柱状に形成されているため、導波路層40に組み込まれたフィルタ20a、20bを構成する誘電体多層膜の面が、実基板36の面に対して傾いた状態となり、また、導波路層40の延在方向に対して傾いた状態となる。換言すれば、フィルタ20a、20bを構成する誘電体多層膜の成長方位が、実基板36の面に対して傾いた状態となり、また、導波路層40の延在方向に対して傾いた状態となる。
【0047】
こうして、実基板上に薄膜素子であるフィルタが配置され、光回路装置が構成される。なお、このようにして構成された光回路装置の動作は、第5実施形態以降において詳細に説明するため、ここでは省略することとする。
【0048】
このように本実施形態によれば、誘電体多層膜を斜角柱状にエッチングすることによりフィルタを形成し、こうして形成されたフィルタをMEMS技術を用いて傾けるため、フィルタを構成する誘電体多層膜の面を実基板の面に対して斜めに設定することができる。
【0049】
また、本実施形態によれば、フィルタを構成する誘電体多層膜の面を実基板の面に対して斜め設定することができるため、導波路層に沿って進行する光を実基板の面に対して例えば垂直方向に分光することができ、また、実基板の面に対して例えば垂直な方向からフィルタに入射される光を導波路層内に導入することができる。
【0050】
しかも、本実施形態によれば、フィルタが薄膜を用いて構成されているため、光回路装置の微細化を図ることができる。
【0051】
(変形例)
次に、本実施形態による薄膜素子の配置方法の変形例を図7を用いて説明する。図7は、本変形例による薄膜素子の配置方法を示す工程断面図である。
【0052】
本変形例による薄膜素子の配置方法は、成長基板10上にエッチングストッパ膜42を介して誘電体多層膜14を形成し、成長基板18上にエッチングストッパ膜44を介して誘電体多層膜20を形成することに主な特徴がある。
【0053】
本変形例によれば、図7(a)に示すように、成長基板10上にエッチングストッパ膜42を介して誘電体多層膜14を形成するので、誘電体多層膜14をパターニングする際に成長基板10までもがエッチングされてしまうのを防止することができる。
【0054】
また、本変形例によれば、図7(b)に示すように、成長基板18上にエッチングストッパ膜44を介して誘電体多層膜20を形成するので、誘電体多層膜20をパターニングする際に成長基板18までもがエッチングされてしまうのを防止することができる。
【0055】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による薄膜素子の配置方法を図8乃至図12を用いて説明する。図8乃至図12は、本実施形態による薄膜素子の配置方法を示す工程図である。なお、図8の紙面左側は平面図であり、紙面右側はA−A′線断面図である。図9の紙面左側は平面図であり、紙面右側はB−B′線断面図である。図12の紙面左側は平面図であり、紙面右側はC−C′線断面図である。図1乃至図7に示す第1実施形態による薄膜素子の配置方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0056】
本実施形態による薄膜素子の配置方法は、波長λ1の光信号を反射するフィルタと波長λ2の光信号を反射するフィルタとを共通の傾動用基板に移動し、この傾動用基板を用いてフィルタを配置することに主な特徴がある。
【0057】
まず、図1(a)乃至図1(d)を用いて上述した第1実施形態による薄膜素子の配置方法と同様にして、成長基板10上にフィルタ14a、14bを形成し、この後、フィルタ14a、14bを支持基板16側に移動する。
【0058】
次に、図2(a)乃至図2(d)を用いて上述した第1実施形態による薄膜素子の配置方法と同様にして、成長基板18上にフィルタ20a、20bを形成し、この後、フィルタ20a、20bを支持基板22側に移動する。
【0059】
次に、図8(a)に示すように、支持基板46上に支持基板16を重ね合わせる。支持基板46は、支持基板16に支持された多数のフィルタ14a、14bの内、一部のフィルタ14a、14bのみを移動するためのものである。支持基板16に支持された多数のフィルタ14a、14bの内、一部のフィルタ14a、14bのみを支持基板46側に移動するために、例えば支持基板46の表面の一部にのみ例えば接着材(図示せず)を塗布しておく。
【0060】
次に、図8(b)に示すように、支持基板46と支持基板16とを互いに離間する。こうして、支持基板16に支持された多数のフィルタ14a、14bの内、一部のフィルタ14a、14bのみが支持基板46側に移動される(図8(c)参照)。
【0061】
次に、図9(a)に示すように、支持基板48上に支持基板22を重ね合わせる。支持基板48は、支持基板22に支持された多数のフィルタ14a、14bの内、一部のフィルタ20a、20bのみを移動するためのものである。支持基板22に支持された多数のフィルタ20a、20bの内、一部のフィルタ20a、20bのみを支持基板48側に移動するために、例えば支持基板48の表面の一部にのみ例えば接着材(図示せず)を塗布しておく。
【0062】
次に、図9(b)に示すように、支持基板48と支持基板22とを互いに離間する。こうして、支持基板22に支持された多数のフィルタ20a、20bの内、一部のフィルタ20a、20bのみが支持基板48側に移動される(図9(c)参照)。
【0063】
次に、図3(a)を用いて上述したのと同様にして、傾動用基板24上に、解除層26を形成する(図10(a)参照)。
【0064】
次に、図3(b)を用いて上述したのと同様にして、傾動層28を形成する(図10(b)参照)。
【0065】
次に、図10(c)に示すように、傾動用基板24上に、支持基板46を重ね合わせる。
【0066】
次に、図10(d)に示すように、傾動用基板24と支持基板46とを互いに離間する。こうして、フィルタ14a、14bが、傾動層28上に移動される。
【0067】
次に、図11(a)に示すように、傾動用基板24上に、支持基板48を重ね合わせる。
【0068】
次に、図11(b)に示すように、傾動用基板24と支持基板48とを互いに離間する。こうして、フィルタ20a、20bが、傾動層28上に移される。
【0069】
次に、図3(f)を用いて上述したのと同様にして、解除層26を選択的にエッチングする。これにより、フィルタ14a、14b、20a、20bが傾動層28上に倒される(図11(c)参照)。フィルタ14a、14b、20a、20bが斜角柱状に形成されているため、傾動層28上に倒されたフィルタ14a、14b、20a、20bを構成する誘電体多層膜の面は、傾動用基板24の面に対して傾いた状態となる。換言すれば、傾動層28上に倒されたフィルタ14a、14b、20a、20bを構成する誘電体多層膜の成長方位が、傾動用基板24の面に対して傾いた状態となる。
【0070】
次に、図11(d)に示すように、光回路装置の実際の基板として用いられる実基板36を用意する。
【0071】
次に、実基板36上に、膜厚5μmの接着層50を形成する。接着層50の材料としては、例えばシリコン、アクリル、又はエポキシ等を用いることができる。接着層50は、フィルタ14a、14b、20a、20bを支持基板24側から剥がし、実基板36側に固着するためのものである。
【0072】
次に、実基板36上に傾動用基板24を重ね合わせる。この際、接着層50上に移動すべきフィルタ14a、14b、20a、20bが、接着層50と重なり合うように位置合わせする。
【0073】
次に、図11(e)に示すように、実基板36と支持基板24とを互いに離間する。こうして、フィルタ14a、14b、20a、20bが、接着層50上に一括して移動される。
【0074】
次に、実基板36上に、クラッド層38、導波路層40を形成する。
【0075】
次に、膜厚5μmのフッ化ポリイミドより成るクラッド層52を順次形成する。
【0076】
こうして、実基板上に薄膜素子であるフィルタが配置され、光回路装置が構成される。なお、このようにして構成された光回路装置の動作は、第5実施形態以降において詳細に説明するため、ここでは省略することとする。
【0077】
このように本実施形態によれば、波長λ1の光信号を反射するフィルタ14a、14bと波長λ2の光信号を反射するフィルタ20a、20bとを同一の傾動用基板24に移動し、同一の傾動用基板24によりフィルタ14a、14bとフィルタ20a、20bを一括して傾けるため、別個の傾動用基板24、30を用いてフィルタ14a、14bとフィルタ20a、20bとをそれぞれ別個に傾ける場合と比べて、工程を簡略化することができ、また、コストダウンを図ることができる。
【0078】
また、本実施形態によれば、傾動用基板24において傾けられたフィルタ14a、14b、20a、20bを一括して実基板36側に移動することができるため、別個の傾動用基板24、30からフィルタ14a、14bとフィルタ20a、20bとをそれぞれ別個の工程で移動する場合と比べて、工程を簡略化することができる。
【0079】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による薄膜素子の配置方法を図13乃至図17を用いて説明する。図13乃至図17は、本実施形態による薄膜素子の配置方法を示す工程図である。なお、図13の紙面左側は平面図であり、紙面中央はD−D′線断面図であり、紙面右側はE−E′線断面図である。図14の紙面左側は平面図であり、紙面中央はF−F′線断面図であり、紙面右側はG−G′線断面図である。図15及び図16の紙面左側は平面図であり、紙面右側はH−H′線断面図である。図17(a)の紙面左側は平面図であり、紙面右側はI−I′線断面図である。図17(b)の紙面左側は平面図であり、紙面右側はJ−J′線断面図である。図1乃至図12に示す第1又は第2実施形態による薄膜素子の配置方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0080】
本実施形態による薄膜素子の配置方法は、フィルタを構成する誘電体多層膜の面が実基板の面と垂直になるように設定すること、換言すれば、フィルタを構成する誘電体多層膜の成長方位が実基板の面と平行になるように設定することに主な特徴がある。
【0081】
まず、図13(a)に示すように、成長基板10上に誘電体多層膜より成る斜角柱状のフィルタ14c、14dを形成する。この際、図13(a)の紙面右側の図に示すように、フィルタ14cはE−E′線断面図において紙面右側に傾くように形成し、フィルタ14dはE−E′線断面図において紙面左側に傾くように形成する。
【0082】
次に、図1及び図8を用いて上述したのと同様にして、フィルタ14c、14dを支持基板46上に移動する。この際、成長基板10に形成された多数のフィルタ14c、14dの内、一部のフィルタ14c、14dのみを支持基板46上に移動する(図13(b)参照)。
【0083】
次に、図14(a)に示すように、成長基板18上に誘電体多層膜より成る斜角柱状のフィルタ20c、20dを形成する。この際、図14(a)の紙面右側の図に示すように、フィルタ20cはG−G′線断面図において紙面右側に傾くように形成し、フィルタ20dはG−G′線断面図において紙面左側に傾くように形成する。
【0084】
次に、図2及び図9を用いて上述したのと同様にして、フィルタ20cを支持基板48上に移動する。この際、成長基板18に形成された多数のフィルタ20c、20dの内、一部のフィルタ20cのみを支持基板48上に移動する(図14(b)参照)。
【0085】
次に、図10(a)及び図10(b)を用いて上述したのと同様にして、傾動用基板24上に解除層26及び傾動層28を形成する(図15(a)参照)。
【0086】
次に、図15(b)に示すように、傾動用基板24の傾動層28上に、フィルタ14c、14dを移動する。この際、フィルタ14c、14dの傾いている方向と傾動層28の延在方向との為す角が、例えば直角になるようにする。
【0087】
次に、図15(c)に示すように、傾動用基板24の傾動層28上に、フィルタ20cを移動する。この際、フィルタ20cの傾いている方向と傾動層28の延在方向との為す角が、例えば直角になるようにする。
【0088】
こうして、傾動用基板24の傾動層28上にフィルタ14c、14d、20cが移動される(図16(a)参照)。
【0089】
次に、解除層26を選択的にエッチングする。これにより、傾動層28の端部が傾き、これに伴ってフィルタ14c、14d、20cが傾動層28上に倒される。本実施形態では、フィルタ14c、14d、20cを傾動層28上に載置する際に、フィルタ14c、14d、20cの傾いている方向と傾動層28の延在方向との為す角を直角に設定しているため(図16(a)参照)、傾動層28上に倒されたフィルタ14c、14d、20cを構成する誘電体多層膜の面は傾動用基板24の面に対して垂直となり、また、傾動層28上に倒されたフィルタ14c、14d、20cの延在方向は傾動層28の延在方向に対して斜めとなる。換言すれば、フィルタ14c、14d、20cを構成する誘電体多層膜の面が傾動用基板24の面に対して平行となる(図16(b)参照)。
【0090】
次に、図16(c)に示すように、光回路装置の実際の基板として用いられる実基板36を用意する。
【0091】
次に、実基板36上に接着層50を形成する。
【0092】
次に、実基板36上に傾動用基板24を重ね合わせる。
【0093】
次に、図17(a)に示すように、実基板36と支持基板24とを互いに離間する。こうして、フィルタ14c、14d、20cが、接着層50上に一括して移動される。
【0094】
次に、図17(b)に示すように、実基板36上に、クラッド層38を形成する。
【0095】
次に、クラッド層38上に、導波路層40a、40bを形成する。導波路層40aは、フィルタ14c、14d、20cの延在方向に沿うように形成する。導波路層40bは、フィルタ14c、14d、20cにより分岐される光が導入され得るように形成する。
【0096】
こうしてフィルタ14c、14d、20cを構成する誘電体多層膜の面が、実基板36の面に対して垂直に設定され、導波路40a、40bの延在方向に対して斜めに設定される。換言すれば、フィルタ14c、14d、20cを構成する誘電体多層膜の成長方位が、実基板36の面に対して平行に設定され、導波路40a、40bの延在方向に対して斜めに設定される。
【0097】
次に、クラッド層52を形成する。
【0098】
こうして、実基板上に薄膜素子であるフィルタが配置され、光回路装置が構成される。なお、このようにして構成された光回路装置の動作は、第5実施形態以降において詳細に説明するため、ここでは省略することとする。
【0099】
このように本実施形態によれば、フィルタ14c、14d、20cを傾動層28上に載置する際に、フィルタ14c、14d、20cの傾いている方向と傾動層28の延在方向との為す角が直角になるように設定するため、フィルタ14c、14d、20cを傾動層28上に倒すと、傾動層28上に倒されたフィルタ14c、14d、20cを構成する誘電体多層膜の面は傾動用基板24の面に対して垂直となり、また、傾動層28上に倒されたフィルタ14c、14d、20cの延在方向は傾動層28の延在方向に対して斜めとなる。このため、本実施形態によれば、フィルタを構成する誘電体多層膜の面を実基板の面に対して垂直に設定することができ、導波路の延在方向に対して斜めに設定することができる。従って、本実施形態によれば、実基板の面と平行な方向に進行する光信号を、実基板の面と平行な方向に分光することができる。
【0100】
(変形例(その1))
次に、本実施形態による薄膜素子の配置方法の変形例(その1)を図18を用いて説明する。図18は、本変形例による薄膜素子の配置方法を示す図である。
【0101】
本変形例による薄膜素子の配置方法は、傾動層28上に接着層54を形成することに主な特徴がある。
【0102】
まず、図15(a)を用いて上述したのと同様にして、傾動用基板24上に、解除層26及び傾動層28を順次形成する(図18(a)参照)。
【0103】
次に、傾動層28上に、例えば膜厚3μm以下の接着層54を形成する。接着層54の材料としては、例えばシリコン、アクリル、又はエポキシ等を用いることができる。
【0104】
次に、図15(b)乃至図16(a)を用いて上述したのと同様にして、傾動層28上にフィルタ14c、14d、20cを載置する(図18(b)参照)。
【0105】
次に、図16(b)を用いて上述したのと同様にして、解除層26を選択的にエッチングする。これにより、フィルタ14c、14d、20cが傾動層28上に倒される(図18(c)参照)。
【0106】
こうして傾動層28上に倒されたフィルタ14c、14d、20cは、実基板36上に配置される。
【0107】
このように本変形例では、傾動層28上に接着層54が形成されているため、フィルタ14c、14d、20cが傾動層28上から剥がれ落ちてしまうことを防止することができる。従って、本変形例によれば、歩留りを向上することができる。
【0108】
(変形例(その2))
次に、本実施形態による薄膜素子の配置方法の変形例(その2)を図19を用いて説明する。図19は、本変形例による薄膜素子の配置方法を示す図である。
【0109】
本変形例による薄膜素子の配置方法は、フィルタ14c、14d、20cを傾動用基板24aの面に対して所望の角度に回転することに主な特徴がある。
【0110】
まず、図15(a)を用いて上述したのと同様にして、傾動用基板24a上に、解除層26a及び傾動層28aを順次形成する(図19(a)参照)。この際、フィルタ14c、14d、20cを所望の角度に回転し得るように、解除層26aの膜厚や材料や大きさ、傾動層28aの膜厚や材料や大きさ、傾動用基板24aの材料等を適宜設定する。
【0111】
次に、図19(b)に示すように、傾動層28a上に、フィルタ14c、14d、20cを載置する。
【0112】
次に、図19(c)に示すように、解除層26aを選択的にエッチングし、傾動層28aの端部を傾動用基板24aの面に対して所望の角度に傾ける。
【0113】
こうして回転されたフィルタ14c、14d、20cは、実基板36上に配置される。
【0114】
このように本変形例によれば、フィルタ14c、14d、20cを傾動用基板24aの面に対して所望の角度に回転することができるので、実基板36上に所望の角度でフィルタ14c、14d、20cを配置することができる。
【0115】
(変形例(その3))
次に、本実施形態による薄膜素子の配置方法の変形例(その3)を図20を用いて説明する。図20は、本変形例による薄膜素子の配置方法を示す図である。
【0116】
本変形例による薄膜素子の配置方法は、傾動層28上の一部に、傾動層28の傾きを所望の箇所で止める停止層56が形成されていることに主な特徴がある。
【0117】
まず、図20(a)に示すように、傾動用基板24a上に、解除層及26a及び傾動層28aを順次形成する。
【0118】
次に、傾動層28a上の一部に、停止層56を形成する。停止層56は、傾動層28が傾きを所定の箇所で止めるためのものである。停止層56の膜厚、材料、大きさ等は、傾動層28の傾きを所望の箇所で止めることができるよう、適宜設定することができる。
【0119】
次に、図20(b)に示すように、傾動層28a上に、フィルタ14c、14d、20cを載置する。
【0120】
次に、図20(c)に示すように、解除層26を選択的にエッチングし、傾動層28aの端部を傾ける。この際、停止層56により傾動層28aの傾きが、所望の箇所で止められる。
【0121】
こうして傾けられたフィルタ14c、14d、20cは、実基板36上に配置される。
【0122】
このように本変形例によれば、傾動層28上に停止層56を形成するので、傾動層28を所望の傾きに設定することができる。
【0123】
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態による薄膜素子の配置方法を図21及び図22を用いて説明する。図21及び図22は、本実施形態による薄膜素子の配置方法を示す工程断面図である。図1乃至図20に示す第1乃至第3実施形態による薄膜素子の配置方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0124】
本実施形態による薄膜素子の配置方法は、支持基板16、22にフィルタ14a、14b、20a、20bを支持する突起58a、58bをそれぞれ形成しておくこと、及び、支持基板16、22を支持基板25、31にそれぞれ押し付けることによりフィルタ14a、14b、20a、20bをそれぞれ傾けることに主な特徴がある。
【0125】
まず、図21(a)に示すように、成長基板10上に、フィルタ14a、14bを形成する。
【0126】
次に、図21(b)に示すように、突起58a、58bが形成された支持基板16を用意する。突起58a、58bの断面は斜めになっている。突起58a、58bの断面を斜めに形成しているのは、斜角柱状のフィルタ14a、14bを支持するためである。なお、突起58a、58bの材料としては、例えばシリコン、ガラス、又はポリマ等を用いることができる。
【0127】
突起58a、58bの斜めの面には、例えばシリコン、アクリル、エポキシ等より成る接着層60が形成されている。接着層60は、突起58a、58bの斜めの面にフィルタ14a、14bを接着するためのものである。
【0128】
次に、図21(c)に示すように、成長基板10上に支持基板16を重ね合わせる。
【0129】
次に、図21(d)に示すように、成長基板10を選択的に溶解する。こうして、突起58a、58bに支持された状態で、支持基板16側にフィルタ14a、14bが移動される。
【0130】
次に、図21(e)に示すように、突起58a、58bを選択的に溶解する。突起58a、58bを選択的に溶解し得る溶解液としては、突起58a、58bの材料が例えばシリコン又はガラスの場合には例えばフッ酸等を用いることができ、突起58a、58bの材料が例えばポリマ系の材料の場合には例えばアルカリ溶液等を用いることができる。この際、接着層60は、溶解されることなく、フィルタ14a、14bの側面に残存する。
【0131】
次に、図21(f)に示すように、支持基板16を支持基板25に押し付け、フィルタ14a、14bを傾ける。フィルタ14a、14bの側面に接着層60が残存しているため、傾けられたフィルタ14a、14bは、接着層60を介して支持基板16に固定される。フィルタ14a、14bを構成する誘電体多層膜の面は、支持基板25の面に対して斜めに設定された状態となる。
【0132】
次に、支持基板16と支持基板25とを互いに離間する。こうして、支持基板25上にフィルタ14a、14bが移動される(図21(g)参照)。
【0133】
次に、図22(a)に示すように、成長基板18上に、フィルタ20a、20bを形成する。
【0134】
次に、図22(b)に示すように、突起62a、62bが形成された支持基板22を用意する。突起62a、62bは、図21(a)に示す突起58a、58bと同様のものである。突起58a、58bの斜めの面には、接着層64が形成されている。接着層64の材料としては、例えばシリコン、アクリル、又はエポキシ等を用いることができる。
【0135】
次に、図22(c)に示すように、成長基板18上に支持基板22を重ね合わせる。
【0136】
次に、図22(d)に示すように、成長基板18を選択的に溶解する。こうして、突起62a、62bに支持された状態で、支持基板22側にフィルタ20a、20bが移動される。
【0137】
次に、図22(e)に示すように、突起62a、62bを選択的に溶解する。
【0138】
次に、図22(f)に示すように、支持基板22を支持基板31に押し付け、フィルタ20a、20bを傾ける。
【0139】
次に、接着層64を除去するとともに、支持基板22と支持基板31とを互いに離間する。こうして、支持基板31上にフィルタ20a、20bが移動される(図22(g)参照)。
【0140】
こうして支持基板25、31側に移動されたフィルタ14a、14b、20a、20bは、上記と同様にして実基板36上に配置される。
【0141】
このように本実施形態によれば、支持基板16、22にフィルタ14a、14b、20a、20bを支持する突起58a、58bをそれぞれ形成しておくため、フィルタ14a、14b、20a、20bの位置がずれてしまうのを防止することができる。従って、本実施形態によれば、歩留りを向上することができる。
【0142】
また、本実施形態によれば、支持基板16、22を支持基板25、31にそれぞれ押し付けることによりフィルタ14a、14b、20a、20bをそれぞれ傾けるので、傾動層を用いることなくフィルタ14a、14b、20a、20bを傾けることができる。従って、本実施形態によれば、工程の簡略化を図ることができる。
【0143】
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態による光回路装置を図23を用いて説明する。図23は、本実施形態による光回路装置を示す断面図である。図1乃至図22に示す第1乃至第4実施形態による薄膜素子の配置方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0144】
本実施形態による光回路装置は、上記実施形態により配置されたフィルタ14a、20aを用いた分波器(DEMUX、DEMUltipleXer)であることに主な特徴がある。
【0145】
図23に示すように、実基板36上には、クラッド層38が形成されている。
【0146】
クラッド層38上には、導波路層40が形成されている。
【0147】
導波路層40には、波長λ1の光信号を反射するフィルタ14aと、波長λ2の光信号を反射するフィルタ20aとが組み込まれている。フィルタ14a、20aを構成する誘電体多層膜の面は、実基板36の面に対して斜めに設定されている。換言すれば、フィルタ14a、20aを構成する誘電体多層膜の成長方位が、実基板36の面に対して斜めに設定されている。このようにフィルタ14a、20aを配置するためには、例えば第1、第2又は第4実施形態による薄膜素子の配置方法を用いることができる。
【0148】
導波路層40上及びフィルタ14a、20a上には、クラッド層52が形成されている。
【0149】
こうして本実施形態による光回路装置である分波器が構成されている。
【0150】
次に、本実施形態による光回路装置の動作について図23を用いて説明する。
【0151】
図23に示すように、導波路層40内には、例えば、波長λ1の光信号と、波長λ2の光信号と、波長λ3の光信号とが多重化された信号が、導波路層40の延在方向に沿って紙面右方向に進行するようになっている。
【0152】
導波路層40に沿って進行する多重化された光信号のうち、波長λ1の光信号は、フィルタ14aにより選択的に反射される。本実施形態では、フィルタ14aを構成する誘電体多層膜の面が実基板36の面に対して斜め、例えば45°に設定されているため、フィルタ14aにより反射された波長λ1の光信号は、実基板36に対して例えば垂直な方向に進行する。一方、波長λ2の光信号と波長λ3の光信号は、フィルタ14aを透過し、導波路層40の延在方向に沿って紙面右方向に進行する。
【0153】
フィルタ14aを透過した波長λ2の光信号と波長λ3の光信号とのうち、波長λ2の光信号は、フィルタ20aにより選択的に反射される。本実施形態では、フィルタ20aを構成する誘電体多層膜の面が実基板36の面に対して斜め、例えば45°に設定されているため、フィルタ20aにより反射された波長λ2の光信号は、実基板36の面に対して例えば垂直方向に進行する。一方、波長λ3の光信号は、フィルタ20aを透過し、導波路層40の延在方向に沿って紙面右方向に進行する。
【0154】
このように本実施形態によれば、フィルタを構成する誘電体多層膜の面が実基板の面に対して斜めに設定されているため、実基板と平行に進行する光信号を例えば実基板の面に垂直な方向に分波することができる。しかも、本実施形態では、かかるフィルタが薄膜を用いて構成されているため、微細な分波器を提供することができる。
【0155】
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態による光回路装置を図24を用いて説明する。図24は、本実施形態による光回路装置を示す断面図である。図1乃至図23に示す第1乃至第5実施形態による薄膜素子の配置方法及び光回路装置と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0156】
本実施形態による光回路装置は、合波器(MUX、MUltipleXer)であることに主な特徴がある。
【0157】
図24に示すように、実基板36上には、クラッド層38が形成されている。
【0158】
クラッド層38上には、導波路層40が形成されている。
【0159】
導波路層40には、フィルタ14a、20aが組み込まれている。フィルタ14a、20aを構成する誘電体多層膜の面は、図23に示すフィルタ14a、20aと同様に、実基板36の面に対して斜めに設定されている。このようにフィルタ14a、20aを配置するためには、例えば第1、第2又は第4実施形態による薄膜素子の配置方法を用いることができる。
【0160】
導波路層40上及びフィルタ14a、20a上には、クラッド層52が形成されている。
【0161】
こうして、本実施形態による光回路装置である合波器が構成されている。
【0162】
次に、本実施形態による光回路装置の動作について図24を用いて説明する。
【0163】
図24に示すように、フィルタ14aには、実基板36の面に垂直な方向から、波長λ1の光信号が入射されるようになっている。一方、フィルタ20aには、実基板36の面に垂直な方向から、波長λ2の光信号が入射されるようになっている。また、導波路層40には、導波路層40の延在方向に沿って波長λ3の光信号が紙面左方向に進行するようになっている。
【0164】
フィルタ14aに入射された波長λ1の光信号は、フィルタ14aにより反射される。本実施形態では、フィルタ14aを構成する誘電体多層膜の面が実基板36の面に対して斜め、例えば45°に設定されているため、フィルタ14aにより反射された波長λ1の光信号は、導波路層40に導入される。導波路層40に導入された波長λ1の光信号は、紙面左方向に進行する。
【0165】
フィルタ20aに入射された波長λ2の光信号は、フィルタ20aにより反射される。本実施形態では、フィルタ20aを構成する誘電体多層膜の面が実基板36の面に対して斜め、例えば45°に設定されているため、フィルタ20aにより反射された波長λ2の光信号は、導波路層40に導入される。導波路層40に導入された波長λ2の光信号は、フィルタ14aを透過し、導波路層40の延在方向に沿って紙面左方向に進行する。
【0166】
導波路層40内を進行する波長λ3の光信号は、フィルタ20a、14aを透過し、導波路層40の延在方向に沿って紙面左方向に進行する。
【0167】
こうして、フィルタ14aに入射される波長λ1の光信号と、フィルタ20aに入射される波長λ2の光信号と、導波路層40の紙面右側から導入される波長λ3の光信号とが多重化される。
【0168】
このように本実施形態によれば、フィルタを構成する誘電体多層膜の面が実基板の面に対して斜めに設定されているため、実基板の面に対して例えば垂直な方向に入射する光信号を、実基板の面に対して平行な方向に進行させることができる。しかも、本実施形態によれば、フィルタが薄膜を用いて構成されているため、微細な合波器を提供することができる。
【0169】
[第7実施形態]
本発明の第7実施形態による光回路装置を図25を用いて説明する。図25は、本実施形態による光回路装置を示す断面図である。図1乃至図24に示す第1乃至第6実施形態による薄膜素子の配置方法及び光回路装置と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0170】
本実施形態による光回路装置は、波長スイッチ(wavelength switch)であることに主な特徴がある。波長スイッチとは、電圧等によりデバイス材料の屈折率を変化させ、特定波長の光の光路を切り換えるデバイスをいう。
【0171】
図25に示すように、実基板36上には、クラッド層38が形成されている。
【0172】
クラッド層38上には、導波路層40が形成されている。
【0173】
導波路層40には、チューナブルフィルタ(Tunable Filter、波長可変フィルタ)66a、66bが組み込まれている。チューナブルフィルタ66aは、多層膜68aと、多層膜68aの両端面に形成された電極70a、70bとにより構成されている。チューナブルフィルタ66bは、多層膜68bと、多層膜68bの両端面に形成された電極70c、70dとにより構成されている。電極70a〜70dは、多層膜68a、68bに所定の電圧を印加することにより、フィルタ特性を変化させるためのものである。電極70a〜70dには、光信号を透過するための開口部が形成されている。多層膜68a、68bとしては、III−V属化合物半導体を用いた多重量子井戸(MQW、Multiple Quantum Well)や量子ドット(Quantum dot)等の非線形光学材料を用いることができる。多層膜68a、68bの面は、実基板36の面に対して斜め、例えば45°に設定されている。このように多層膜68a、68bを配置するためには、例えば第1、第2又は第4実施形態による薄膜素子の配置方法を用いることができる。
【0174】
導波路層40上及びチューナブルフィルタ66a、66b上には、クラッド層52が形成されている。
【0175】
こうして本実施形態による光回路装置である波長スイッチが構成されている。
【0176】
次に、本実施形態による光回路装置の動作について図25を用いて説明する。図25(a)は、チューナブルフィルタ66aが波長λ2の光信号を反射するように設定されており、チューナブルフィルタ66bがいずれの光信号をも透過するように設定されている状態を示す断面図である。図25(b)は、チューナブルフィルタ66aが波長λ1の光信号を反射するように設定されており、チューナブルフィルタ66bが波長λ2の光信号を反射するように設定されている状態を示す断面図である。
【0177】
まず、図25(a)に示す状態について説明する。
【0178】
図25(a)に示すように、導波路層40には、例えば、波長λ1の光信号と、波長λ2の光信号と、波長λ3の光信号とが多重化された信号が、導波路層40に沿って紙面右方向に進行するようになっている。
【0179】
図25(a)に示す状態では、チューナブルフィルタ66aが波長λ2の光信号を反射するように設定されているため、導波路層40に沿って進行する多重化された光信号のうち波長λ2の光信号は、チューナブルフィルタ66aにより選択的に反射される。多層膜68aの面が実基板36の面に対して斜め、例えば45°に設定されているため、チューナブルフィルタ66aにより反射された波長λ2の光信号は、実基板36の面に対して例えば垂直な方向に進行する。
【0180】
一方、チューナブルフィルタ66bは、いずれの光信号をも透過するように設定されている。このため、チューナブルフィルタ66aを透過した波長λ1の光信号及び波長λ3の光信号は、チューナブルフィルタ66bをも透過し、導波路層40の延在方向に沿って紙面右方向に進行する。
【0181】
次に、図25(b)に示す状態について説明する。
【0182】
図25(b)に示す状態では、チューナブルフィルタ66aが波長λ1の光信号を反射するように設定されているため、導波路層40に沿って進行する多重化された光信号のうち、波長λ1の光信号は、チューナブルフィルタ66aにより選択的に反射される。反射された波長λ1の光信号は、実基板36の面に対して例えば垂直な方向に進行する。
【0183】
一方、チューナブルフィルタ66bは波長λ2の光信号を反射するように設定されているため、チューナブルフィルタ66aを透過した波長λ2の光信号及び波長λ3の光信号のうち、波長λ2の光信号は、チューナブルフィルタ66bにより選択的に反射される。反射された波長λ2の光信号は、実基板36の面に対して例えば垂直な方向に進行する。波長λ3の光信号は、チューナブルフィルタ66bを透過し、導波路層40の延在方向に沿って紙面右方向に進行する。
【0184】
このように、本実施形態によれば、微細な波長スイッチを提供することができる。
【0185】
[第8実施形態]
本発明の第8実施形態による光回路装置を図26を用いて説明する。図26は、本実施形態による光回路装置を示す断面図である。図1乃至図25に示す第1乃至第7実施形態による薄膜素子の配置方法及び光回路装置と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0186】
本実施形態による光回路装置は、光スイッチ(optical switch)が形成されていることに主な特徴がある。
【0187】
図26に示すように、実基板36上には、クラッド層38が形成されている。
【0188】
クラッド層38上には、導波路層40が形成されている。
【0189】
導波路層40には、光スイッチ72が組み込まれている。光スイッチ72は、多層膜68cと、多層膜68cの両端面に形成された電極70e、70fとにより構成されている。電極70e、70fは、多層膜68cに所定の電圧を印加することにより、光スイッチ72をオン、オフするためのものである。電極70e、70fには、光信号を透過するための開口部が形成されている。多層膜68cとしては、III−V属化合物半導体を用いた多重量子井戸や量子ドット等の非線形光学材料を用いることができる。多層膜68cの面は、実基板36の面に対して斜め、例えば45°に設定されている。多層膜68cをこのように配置するためには、上述した薄膜素子の配置方法を用いることができる。
【0190】
導波路層40上及び光スイッチ72上には、クラッド層52が形成されている。
【0191】
こうして本実施形態による光回路装置が構成されている。
【0192】
次に、本実施形態による光回路装置の動作について図26を用いて説明する。図26(a)は、光スイッチ72がオフの状態、即ち、光スイッチ72が光信号を透過するように設定されている状態を示す断面図である。図26(b)は、光スイッチがオンの状態、即ち、光スイッチ72が光信号を反射するように設定されている状態を示す断面図である。
【0193】
まず、図26(a)に示す状態について説明する。
【0194】
図26(a)に示す状態では、光スイッチ72が光信号を透過するように設定されているため、導波路層40内に導入された光信号は、光スイッチ72により反射されることなく、光スイッチ72を透過し、導波路層40の延在方向に沿って紙面右方向に進行する。
【0195】
次に、図26(b)に示す状態について説明する。
【0196】
図26(b)に示す状態では、光スイッチ72が光信号を反射するように設定されているため、導波路層40内に導入された光信号は、光スイッチ72により反射される。光スイッチ72により反射された光信号は、例えば実基板36の面に対して垂直方向に進行する。
【0197】
このように、本実施形態によれば、微細な光スイッチを提供することができる。
【0198】
[第9実施形態]
本発明の第9実施形態による光回路装置を図27を用いて説明する。図27は、本実施形態による光回路装置を示す平面図である。図1乃至図26に示す第1乃至第8実施形態による薄膜素子の配置方法及び光回路装置と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0199】
本実施形態による光回路装置は、実基板の面と平行な方向に進行する光を、実基板の面と平行な方向に分岐し得る分波器(DEMUX)であることに主な特徴がある。
【0200】
実基板36上には、図示しないクラッド層を介して導波路層40が形成されている。
【0201】
導波路層40には、波長λ1の光を反射するフィルタ14cと、波長λ2の光を反射するフィルタ20cとが組み込まれている。フィルタ14cを構成する誘電体多層膜の面は、導波路層40の延在方向に対して斜め、且つ実基板36の面に対して垂直になるように設定されている。フィルタ14c、20cをこのように配置するためには、例えば第3実施形態による薄膜素子の配置方法を用いることができる。
【0202】
また、実基板36上には、図示しないクラッド層を介して導波路層40c、40dが形成されている。導波路層40cは、フィルタ14cにより反射される光信号を実基板36と平行な方向に導くものであり、導波路層40dは、フィルタ20cにより反射される光信号を実基板36と平行な方向に導くものである。
【0203】
こうして本実施形態による光回路装置である分波器が構成されている。
【0204】
次に、本実施形態による光回路装置の動作について図27を用いて説明する。
【0205】
図27に示すように、導波路層40には、例えば、波長λ1の光信号と、波長λ2の光信号と、波長λ3の光信号とが多重化された信号が紙面右方向に進行するようになっている。
【0206】
波長λ1の光信号は、フィルタ14cにより選択的に反射される。本実施形態では、フィルタ14を構成する誘電体多層膜の面が導波路層40の延在方向に対して斜め、例えば45°に設定されており、且つ、フィルタ14を構成する誘電体多層膜の面が実基板36の面に対して垂直になるように設定されているため、フィルタ14cにより反射された波長λ1の光信号は導波路層40cに導入される。導波路層40cに導入された波長λ1の光信号は、導波路層40cの延在方向に沿って実基板36の面と平行に進行する。
【0207】
波長λ2の光信号は、フィルタ20cにより選択的に反射される。本実施形態では、フィルタ20cを構成する誘電体多層膜の面が導波路層40の延在方向に対して斜め、例えば45°に設定されており、且つ、フィルタ20cを構成する誘電体多層膜の面が実基板36の面に対して垂直になるように設定されているため、フィルタ20cにより反射された波長λ2の光信号は導波路層40dに導入される。導波路層40dに導入された波長λ2の光信号は、導波路層40dの延在方向に沿って実基板36の面と平行に進行する。
【0208】
波長λ3の光信号は、フィルタ14c、20cにより反射されることなく、導波路層40の延在方向に沿って紙面右方向に進行する。
【0209】
このように本実施形態によれば、フィルタを構成する誘電体多層膜の面が、導波路の延在方向に対して斜め、且つ実基板の面に対して垂直になるように設定されている。従って、本実施形態によれば、実基板の面と平行な方向に進行する光を、実基板の面と平行な方向に分岐しうる微細な分波器を提供することができる。
【0210】
(変形例)
次に、本実施形態による光回路装置の変形例を図28を用いて説明する。図28は、本変形例による光回路装置を示す平面図である。
【0211】
本変形例による光回路装置は、分岐する導波路層40e、40fの幅が、フィルタ14c、20cの近傍でテーパ状に広くなっていることに主な特徴がある。
【0212】
本変形例では、分岐する導波路層40e、40fの幅がフィルタ14c、20cの近傍でテーパ状に広くなっているため、分岐する光の結合効率を向上することができる。
【0213】
[第10実施形態]
本発明の第10実施形態による光回路装置を図29を用いて説明する。図29は、本実施形態による光回路装置を示す平面図である。図1乃至図28に示す第1乃至第9実施形態による薄膜素子の配置方法及び光回路装置と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0214】
本実施形態による光回路装置は、実基板の面と平行な方向に進行する光を多重化し得る合波器(MUX)であることに主な特徴がある。
【0215】
図29に示すように、実基板36上には、図示しないクラッド層を介して導波路層40が形成されている。導波路層40には、波長λ1の光を反射するフィルタ14cと、波長λ2の光を反射するフィルタ20cとが組み込まれている。フィルタ14c、20cを構成する誘電体多層膜の面は、導波路層40の延在方向に対して斜め、例えば45°に設定されており、且つ、フィルタ14c、20cを構成する誘電体多層膜の面が、実基板36の面に対して垂直になるように設定されている。フィルタ14c、20cをこのように配置するためには、例えば第3実施形態による薄膜素子の配置方法を用いることができる。
【0216】
実基板36上には、図示しないクラッド層を介して、導波路層40c、40dが形成されている。導波路層40cは、実基板36と平行に進行する例えば波長λ1の光信号をフィルタ14cを経由して導波路層40に導くためのものである。導波路層40dは、実基板36と平行に進行する例えば波長λ2の光信号をフィルタ20cを経由して導波路層40に導くためのものである。
【0217】
こうして本実施形態による光回路装置が構成されている。
【0218】
次に、本実施形態による光回路装置の動作について図29を用いて説明する。
【0219】
図29に示すように、フィルタ14cには、導波路層40c内を進行する例えば波長λ1の光信号が入射されるようになっている。また、フィルタ20cには、導波路層40d内を進行する例えば波長λ2の光信号が入射されるようになっている。また、導波路層40には、波長λ3の光信号が紙面左方向に進行するようになっている。
【0220】
フィルタ14cに導入された波長λ1の光信号は、フィルタ14cにより反射される。本実施形態では、フィルタ14cを構成する誘電体多層膜の面が導波路層40の延在方向に対して斜め、且つ実基板36の面に対して垂直に設定されているため、フィルタ14cにより反射された波長λ1の光信号は、導波路層40に導入される。導波路層40に導入された波長λ1の光信号は、導波路層40の延在方向に沿って紙面左方向に進行する。
【0221】
フィルタ20cに導入された波長λ2の光信号は、フィルタ20cにより反射される。本実施形態では、フィルタ20cを構成する誘電体多層膜の面が導波路層40の延在方向に対して斜め、且つ実基板36の面に対して垂直に設定されているため、フィルタ20cにより反射された波長λ2の光信号は、導波路層40に導入される。導波路層40に導入された波長λ2の光信号は、フィルタ14cを透過し、導波路層40の延在方向に沿って紙面左方向に進行する。
【0222】
紙面右側から導波路層40に導入される波長λ3の光信号は、フィルタ20c、14cを透過し、導波路層40の延在方向に沿って紙面左方向に進行する。
【0223】
こうして、フィルタ14cに入射される波長λ1の光信号と、フィルタ20cに入射される波長λ2の光信号と、導波路層40内を進行する波長λ3の光信号とが多重化される。
【0224】
このように、本実施形態によれば、実基板の面と平行な方向に進行する光を多重化し得る微細な合波器を提供することができる。
【0225】
(変形例)
次に、本実施形態による光回路装置の変形例を図30を用いて説明する。図30は、本変形例による光回路装置を示す平面図である。
【0226】
本変形例による光回路装置は、分岐する導波路層40e、40fの幅が、フィルタ14c、20cの近傍でテーパ状に広くなっていることに主な特徴がある。
【0227】
本変形例では、導波路層40e、40fの幅がフィルタ14c、20cの近傍でテーパ状に広くなっているため、分岐する光の結合効率を向上することができる。
【0228】
[第11実施形態]
本発明の第11実施形態による光回路装置を図31を用いて説明する。図31は、本実施形態による光回路装置を示す平面図である。図1乃至図30に示す第1乃至第10実施形態による薄膜素子の配置方法及び光回路装置と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0229】
本実施形態による光回路装置は、実基板の面と平行な方向に進行する光信号を実基板の面と平行な方向に分岐し得る波長スイッチであることに主な特徴がある。
【0230】
図31に示すように、実基板36上には、図示しないクラッド層を介して導波路層40が形成されている。
【0231】
導波路層40には、チューナブルフィルタ66c、66dが組み込まれている。チューナブルフィルタ66cは、多層膜68dと、多層膜68dの両端面に形成された電極70g、70hとにより構成されている。チューナブルフィルタ66dは、多層膜68eと、多層膜68eの両端面に形成された電極70h、70iとにより構成されている。電極70g〜70jは、多層膜68d、68eに所定の電圧を印加することにより、フィルタ特性を変化させるためのものである。多層膜68d、68eとしては、III−V属化合物半導体を用いた多重量子井戸や量子ドット等の非線形光学材料を用いることができる。多層膜68d、68eの面は、導波路層40の延在方向に対して斜め、且つ実基板36の面に対して垂直に設定されている。多層膜68d、68eをこのように配置するためには、上述した薄膜素子の配置方法を用いることができる。
【0232】
こうして本実施形態による光回路装置である波長スイッチが構成されている。
【0233】
次に、本実施形態による光回路装置の動作について図31を用いて説明する。図31(a)は、チューナブルフィルタ66cが波長λ2の光信号を反射するように設定されており、チューナブルフィルタ66dがいずれの光信号をも透過するように設定されている状態を示す平面図である。図31(b)は、チューナブルフィルタ66cが波長λ1の光信号を反射するように設定されており、チューナブルフィルタ66dが波長λ2の光信号を反射するように設定されている状態を示す平面図である。
【0234】
まず、図31(a)に示す状態について説明する。
【0235】
導波路層40には、例えば、波長λ1の光信号と、波長λ2の光信号と、波長λ3の光信号とが多重化された信号が入射されるようになっている。
【0236】
図31(a)に示す状態では、チューナブルフィルタ66cが波長λ2の光信号を反射するように設定されているため、波長λ2の光信号は、チューナブルフィルタ66cにより選択的に反射される。多層膜68dの面が導波路層40の延在方向に対して斜め、且つ実基板36の面に対して垂直に設定されているため、反射された波長λ2の光信号は、導波路層40cに導入される。
【0237】
チューナブルフィルタ66dはいずれの波長の光信号をも透過するように設定されているため、波長λ1の光信号及び波長λ3の光信号は、チューナブルフィルタ66dを透過し、導波路層40の延在方向に沿って紙面右方向に進行する。
【0238】
次に、図31(b)に示す状態について説明する。
【0239】
図31(b)に示す状態では、チューナブルフィルタ66cが波長λ1の光信号を反射するように設定されているため、波長λ1の光信号は、チューナブルフィルタ66cにより選択的に反射される。反射された波長λ1の光信号は、導波路層40cに導入される。
【0240】
また、チューナブルフィルタ66dが波長λ2の光信号を反射するように設定されているため、波長λ2の光信号は、チューナブルフィルタ66dにより選択的に反射される。反射された波長λ2の光信号は、導波路層40dに導入される。
【0241】
波長λ3の光信号は、チューナブルフィルタ66c、66dを透過し、導波路層40の延在方向に沿って実基板36の面と平行な方向に進行する。
【0242】
このように、本実施形態によれば、実基板の面と平行な方向に進行する光信号を実基板の面と平行な方向に分岐し得る波長スイッチを提供することができる。
【0243】
(変形例)
次に、本実施形態による光回路装置の変形例を図32を用いて説明する。図32は、本変形例による光回路装置を示す平面図である。図32(a)は、チューナブルフィルタ66cが波長λ2の光信号を反射するように設定されており、チューナブルフィルタ66dがいずれの光信号をも透過するように設定されている状態を示す平面図である。図32(b)は、チューナブルフィルタ66cが波長λ1の光信号を反射するように設定されており、チューナブルフィルタ66dが波長λ2の光信号を反射するように設定されている状態を示す平面図である。
【0244】
本変形例による光回路装置は、分岐する導波路層40e、40fの幅が、チューナブルフィルタ66c、66dの近傍でテーパ状に広くなっていることに主な特徴がある。
【0245】
本変形例では、導波路層40e、40fの幅がチューナブルフィルタ66c、66dの近傍でテーパ状に広くなっているため、分岐する光の結合効率を向上することができる。
【0246】
[第12実施形態]
本発明の第12実施形態による光回路装置を図33を用いて説明する。図33は、本実施形態による光回路装置を示す断面図である。図1乃至図32に示す第1乃至第11実施形態による薄膜素子の配置方法及び光回路装置と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0247】
本実施形態による光回路装置は、実基板の面と平行な方向に進行する光を実基板の面と平行な方向に反射し得る光スイッチであることに主な特徴がある。
【0248】
図33に示すように、実基板36上には、図示しないクラッド層を介して導波路層40が形成されている。
【0249】
導波路層40には、光スイッチ72aが組み込まれている。光スイッチ72aは、多層膜68fと、多層膜68fの両端面に形成された電極70k、70lとにより構成されている。電極70k、70lは、多層膜68fに所定の電圧を印加することにより、光スイッチ72aをオン、オフするためのものである。多層膜68fとしては、III−V属化合物半導体を用いた多重量子井戸や量子ドット等の非線形光学材料を用いることができる。多層膜68dの面は、導波路層40の延在方向に対して斜め、且つ実基板36の面に対して垂直に設定されている。多層膜68fをこのように配置するためには、例えば第3実施形態による薄膜素子の配置方法を用いることができる。
【0250】
こうして、本実施形態による光回路装置である光スイッチが構成されている。
【0251】
次に、本実施形態による光回路装置の動作について図33を用いて説明する。図33(a)は、光スイッチがオフの状態、即ち、光スイッチが光信号を透過するように設定されている状態を示す平面図である。図33(b)は、光スイッチがオンの状態、即ち、光スイッチが光信号を反射するように設定されている状態を示す平面図である。
【0252】
まず、図33(a)に示す状態について説明する。
【0253】
図33(a)に示す状態では、光スイッチ72aが光信号を透過するように設定されているため、導波路層40内に導入された光信号は、光スイッチ72aにより反射されることなく、光スイッチ72aを透過し、導波路層40の延在方向に沿って紙面右方向に進行する。
【0254】
次に、図33(b)に示す状態について説明する。
【0255】
図33(b)に示す状態では、光スイッチ72aが光信号を反射するように設定されているため、導波路層40内に導入された光信号は、光スイッチ72aにより反射される。本実施形態では、多層膜68fの面が導波路層40の延在方向に対して斜め、且つ実基板36の面に対して垂直に設定されているため、光スイッチ72aにより反射された光信号は、導波路層40cの延在方向に沿って実基板36の面と平行な方向に進行する。
【0256】
このように、本実施形態によれば、実基板の面と平行な方向に進行する光を、実基板の面と平行な方向に反射し得る微細な光スイッチを提供することができる。
【0257】
(変形例)
次に、本実施形態による光回路装置の変形例を図34を用いて説明する。図34は、本変形例による光回路装置を示す平面図である。図34(a)は、光スイッチがオフの状態、即ち、光スイッチが光信号を透過するように設定されている状態を示す平面図である。図34(b)は、光スイッチがオンの状態、即ち、光スイッチが光信号を反射するように設定されている状態を示す平面図である。
【0258】
本変形例による光回路装置は、反射された光を導く導波路層40eの幅が、光学スイッチ72aの近傍でテーパ状に広くなっていることに主な特徴がある。
【0259】
本変形例では、導波路層40eの幅が光学スイッチ72aの近傍でテーパ状に広くなっているため、光スイッチ72aにより反射される光の結合効率を向上することができる。
【0260】
[第13実施形態]
本発明の第13実施形態による光回路装置を図35を用いて説明する。図35は、本実施形態による光回路装置を示す平面図である。図1乃至図34に示す第1乃至第12実施形態による薄膜素子の配置方法及び光回路装置と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0261】
本実施形態による光回路装置は、導波路層40c、40dの端部にミラーが形成された分波器であることに主な特徴がある。
【0262】
図35に示すように、導波路層40c、40dの端部には、ミラー74a、74bが形成されている。ミラー74a、74bの面は、実基板36の面に対して斜め、例えば45°に設定されている。このため、導波路層40c、40d内を進行する光は、ミラー74a、74bにより反射され、例えば実基板36の面に対して垂直な方向に進行する。
【0263】
こうして本実施形態による光回路装置である分波器が構成されている。
【0264】
次に、本実施形態による光回路装置の動作について図35を用いて説明する。
【0265】
図35に示すように、導波路層40には、波長λ1の光信号と、波長λ2の光信号と、波長λ3の光信号とが多重化された信号が、紙面右方向に進行するようになっている。
【0266】
波長λ1の光信号は、フィルタ14cにより選択的に反射され、導波路層40cに導入される。導波路層40cに導入された波長λ1の光信号は、導波路層40c内を進行し、ミラー74aにより反射される。ミラー74aの面は、実基板36の面に対して斜めに設定されているため、ミラー74aにより反射された波長λ1の光信号は、実基板36の面に対して例えば垂直な方向に進行する。
【0267】
波長λ2の光信号は、フィルタ20cにより選択的に反射され、導波路層40dに導入される。導波路層40dに導入された波長λ2の光信号は、導波路層40d内を進行し、ミラー74bにより反射される。ミラー74bの面は、実基板36の面に対して斜めに設定されているため、ミラー74bにより反射された波長λ2の光信号は、実基板36の面に対して例えば垂直な方向に進行する。
【0268】
このように、本実施形態によれば、導波路層40c、40dの端部にミラー74a、74bが設けられているため、導波路層40c、40bに沿って実基板36と平行な方向に進行する光信号の進行方向を、実基板36の面に対して例えば垂直な方向に転換することができる。
【0269】
(変形例)
次に、本実施形態による光回路装置の変形例を図36を用いて説明する。図36は、本変形例による光回路装置を示す平面図である。
【0270】
本変形例による光回路装置は、分岐された光を導く導波路層40e、40fの幅が、フィルタ14c、20cの近傍でテーパ状に広くなっていることに主な特徴がある。
【0271】
本変形例では、導波路層40e、40fの幅がフィルタ14c、20cの近傍でテーパ状に広くなっているため、分岐する光の結合効率を向上することができる。
【0272】
[第14実施形態]
本発明の第14実施形態による光回路装置を図37を用いて説明する。図37は、本実施形態による光回路装置を示す平面図である。図1乃至図36に示す第1乃至第13実施形態による薄膜素子の配置方法及び光回路装置と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0273】
本実施形態による光回路装置は、導波路層40c、40dの端部にミラーが形成された合波器であることに主な特徴がある。
【0274】
図37に示すように、導波路層40c、40dの端部にはミラー74a、74bが形成されている。ミラー74a、74bの面は、実基板36の面に対して斜め、例えば45°に設定されている。このため、実基板36の面に対して例えば垂直な方向からミラー74a、74bに入射される光信号は、ミラー74a、74bにより反射され、導波路層40c、40dに導入される。
【0275】
このようにして本実施形態による光回路装置が構成されている。
【0276】
次に、本実施形態による光回路装置の動作を図37を用いて説明する。
【0277】
図37に示すように、ミラー74aには、実基板36の面に対して例えば垂直な方向から、例えば波長λ1の光信号が入射されるようになっている。ミラー74aに入射された波長λ1の光信号は、ミラー74aにより反射され、導波路層40c内に導入される。導波路層40c内に導入された波長λ1の光信号は、フィルタ14cにより反射され、導波路層40内を紙面左方向に進行する。
【0278】
一方、ミラー74bには、実基板36の面に対して例えば垂直な方向から、例えば波長λ2の光信号が入射されるようになっている。ミラー74bに入射された波長λ2の光信号は、ミラー74bにより反射され、導波路層40d内に導入される。導波路層40d内に導入された波長λ2の光信号は、フィルタ20cにより反射され、導波路層40に導入される。導波路層40に導入された波長λ2の光信号は、フィルタ14cを透過し、更に導波路層40内を紙面左方向に進行する。
【0279】
また、紙面右側から導波路層40に導入される波長λ3の光信号は、フィルタ14c、20cを透過して、紙面左方向に進行する。
【0280】
こうして、ミラー74aに入射される波長λ1の光信号と、ミラー74bに入射される波長λ2の光信号と、導波路層40に導入される波長λ3の光信号とが多重化される。
【0281】
このように、本実施形態によれば、導波路層40c、40dにミラーが設けられているため、例えば実基板の面と垂直な方向に進行する光信号を、実基板の面と平行な方向に延在する導波路層40c、40dに導入することができる。
【0282】
(変形例)
次に、本実施形態による光回路装置の変形例を図38を用いて説明する。図38は、本変形例による光回路装置を示す平面図である。
【0283】
本変形例による光回路装置は、導波路層40e、40fの幅が、フィルタ14c、20cの近傍でテーパ状に広くなっていることに主な特徴がある。
【0284】
本変形例では、導波路層40e、40fの幅がフィルタ14c、20cの近傍でテーパ状に広くなっているため、分岐する光の結合効率を向上することができる。
【0285】
[第15実施形態]
本発明の第15実施形態による光回路装置を図39を用いて説明する。図39は、本実施形態による光回路装置を示す平面図である。図39(a)は、本実施形態による光回路装置を示す平面図であり、図39(b)は、図39(a)の一部を拡大した平面図である。図1乃至図38に示す第1乃至第14実施形態による薄膜素子の配置方法及び光回路装置と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0286】
本実施形態による光回路装置は、フィルタを構成する誘電体多層膜の面の法線と導波路層40の延在方向との為す角が極めて小さく設定されていることに主な特徴がある。
【0287】
実基板36上には、図示しないクラッド層を介して導波路層40が形成されている。
【0288】
導波路層40には、波長λ1の光信号を反射するフィルタ14eと、波長λ2の光信号を反射するフィルタ14fと、波長λ3の光信号を反射するフィルタ14gと、波長λ4の光信号を反射するフィルタ14hとが組み込まれている。本実施形態では、フィルタ14e〜14hを構成する誘電体多層膜を構成する誘電体多層膜の面の法線の方向と導波路層40の延在方向との為す角θが例えば2.5°と極めて小さく設定されており、且つフィルタ14e〜14hを構成する誘電体多層膜の面と実基板36の面との為す角が垂直に設定されている。換言すれば、フィルタ14e〜14hを構成する誘電体多層膜の成長方位と導波路層40の延在方向との為す角θが例えば2.5°と極めて小さく設定されており、且つフィルタ14e〜14hを構成する誘電体多層膜の成長方位と実基板36の面とが平行に設定されている。
【0289】
本実施形態で、フィルタ14e〜14hを構成する誘電体多層膜の面の法線と導波路層40の延在方向との為す角θを極めて小さく設定しているのは、フィルタ14e〜14hの波長分解能を高く設定するためである。一般に、フィルタを構成する誘電体多層膜の面の法線の方向とフィルタに入射する光信号の方向との為す角θが大きくなると、フィルタの波長分解能は低下する傾向にある。このため、本実施形態では、フィルタを構成する誘電体多層膜の面の法線の方向とフィルタに入射する光信号の方向との為す角θを小さく設定することにより、フィルタ14e〜14hの波長分解能を高く設定している。例えば、本実施形態のように、θを2.5°と設定した場合には、10nm以下の波長分解能が得られ、CWDM(Wavelength Division Multiplexing、波長多重)の仕様を満たすことが可能となる。なお、ここではθを2.5°に設定しているが、θの値は必ずしも2.5°に限定されるものではなく、適宜設定することができる。
【0290】
また、実基板36上には、図示しないクラッド層を介して、導波路層40g〜40jが形成されている。導波路層40gは、フィルタ14eにより反射される波長λ1の光信号を分岐するためのものであり、導波路層40hは、フィルタ14fにより反射される波長λ2の光信号を分岐するためのものである。導波路層40iは、フィルタ14gにより反射される波長λ3の光信号を分岐するためのものであり、導波路層40jは、フィルタ14hにより反射される波長λ4の光信号を分岐するためのものである。
【0291】
導波路層40g〜40jの端部には、ミラー74c〜74fが形成されている。ミラー74c、74d、74e、74fは、導波路層40g、40h、40i、40j内をそれぞれ進行する光信号を、実基板36の面に対して例えば垂直方向に反射するものである。
【0292】
こうして本実施形態による光回路装置である分波器が構成されている。
【0293】
次に、本実施形態による光回路装置の動作を図39を用いて説明する。
【0294】
図39に示すように、導波路層40には、例えば、波長λ1の光信号と、波長λ2の光信号と、波長λ3の光信号と、波長λ4の光信号とが多重化された信号が紙面右方向に進行するようになっている。
【0295】
波長λ1の光信号は、フィルタ14eにより選択的に反射される。本実施形態では、フィルタ14eを構成する誘電体多層膜の面の法線の方向と導波路層40の延在方向との為す角θが例えば2.5°と極めて小さく設定されているため、波長λ1の光信号は高い波長分解能でフィルタ14eにより反射され、導波路層40g内に導入される。導波路層40gに導入された波長λ1の光信号は、導波路層40g内を進行し、ミラー74cにより反射される。ミラー74cの面は、実基板36の面に対して斜めに設定されているため、ミラー74cにより反射された波長λ1の光信号は、実基板36の面に対して例えば垂直方向に進行する。一方、波長λ2の光信号と、波長λ3の光信号と、波長λ4の光信号は、フィルタ14eにより反射されることなくフィルタ14eを透過し、導波路層40の延在方向に沿って紙面右側に進行する。
【0296】
波長λ2の光信号は、フィルタ14fにより選択的に反射される。フィルタ14fも、フィルタ14eと同様に、フィルタ14fを構成する誘電体多層膜の面の法線の方向と導波路層40の延在方向との為す角θが2.5°と極めて小さく設定されているため、波長λ2の光信号は、高い波長分解能でフィルタ14eにより反射され、導波路層40h内に導入される。導波路層40h内に導入された波長λ2の光信号は、ミラー74dにより反射され、実基板36の面に対して例えば垂直方向に進行する。一方、波長λ3の光信号と、波長λ4の光信号は、フィルタ14fにより反射されることなくフィルタ14fを透過し、導波路層40の延在方向に沿って紙面右方向に進行する。
【0297】
波長λ3の光信号は、フィルタ14gにより選択的に反射される。フィルタ14gもθが2.5°と極めて小さく設定されているため、高い分解能で波長λ3の光信号を反射する。フィルタ14gにより反射された波長λ3の光信号は、導波路層40i内に導入され、ミラー74eにより反射され、実基板36の面に対して例えば垂直方向に進行する。一方、波長λ4の光信号は、フィルタ14gを透過し、導波路層40の延在方向に沿って紙面右方向に進行する。
【0298】
波長λ4の光信号は、フィルタ14hにより反射される。そして、上記と同様にして、導波路層40j内に導入され、ミラー74fにより反射され、実基板36の面に対して例えば垂直方向に進行する。
【0299】
このように、本実施形態によれば、フィルタを構成する誘電体多層膜の面の法線の方向と導波路層の延在方向との為す角θを極めて小さく設定しているので、フィルタの波長分解能を極めて高くすることができる。従って、本実施形態によれば、光学的特性のより良好な光回路装置を提供することができる。
【0300】
[第16実施形態]
本発明の第16実施形態による光電子装置を図40を用いて説明する。図40は、本実施形態による光電子装置を示す平面図である。図1乃至図39に示す第1乃至第15実施形態による薄膜素子の配置方法及び光回路装置と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0301】
本実施形態による光電子装置は、LSIに分波器(DEMUX)及び合波器(MUX)が設けられていることに主な特徴がある。
【0302】
図40に示すように、LSI76上には、分波器(DEMUX)78及び合波器(MUX)80が設けられている。
【0303】
まず、LSI76について説明する。
【0304】
LSI76は、実基板36a上に、図示しないトランジスタ等の半導体素子等を集積することにより構成されている。実基板36aの材料としては、例えばSiやガラス等を用いることができる。
【0305】
次に、分波器(DEMUX)78について説明する。
【0306】
分波器78の構成は、図39に示す第15実施形態による光回路装置と同様である。このため、ここでは説明を省略する。
【0307】
分波器78のミラー74a〜74dの紙面鉛直方向には、ミラー74a〜74dにより反射された光信号を受光する受光素子であるフォトディテクタ(PD、PhotoDetector)82a〜82dがそれぞれ設けられている。
【0308】
フォトディテクタ82a〜82dは、導波路層40g〜40jに分岐された光信号をそれぞれ検出し、光電変換するためのものである。フォトディテクタ82a〜82dにより光電変換された信号は、LSI76に集積された図示しない電子回路等に入力されるようになっている。
【0309】
次に、合波器(MUX)80について説明する。
【0310】
合波器80の構成も、図39に示す第15実施形態による光回路装置と同様である。このため、ここでは説明を省略する。但し、光信号の進行する方向が分光器78の場合と反対である。
【0311】
合波器80のミラー74c〜74fの紙面鉛直方向には、ミラー74c〜74fに向かって光を放出するVCSEL(Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser、垂直空洞表面放射レーザ)83a〜83dが設けられている。VCSEL83a〜83dから放出される光信号の波長は、それぞれ例えばλ1、λ2、λ3、λ4に設定されている。VCSEL83a〜83dは、LSI76に集積された図示しない電子回路により制御されるようになっている。
【0312】
こうして、本実施形態による光電子装置が構成されている。
【0313】
次に、本実施形態による光電子装置の動作について図40を用いて説明する。
【0314】
分波器78の導波路層40には、波長λ1の光信号と波長λ2の光信号と波長λ3の光信号と波長λ4の光信号とが多重化された信号が紙面右方向に進行するようになっている。
【0315】
波長λ1の光信号は、フィルタ14eにより選択的に反射され、導波路層40g、ミラー74cを経由して、フォトディテクタ82aにより検出される。
【0316】
波長λ2の光信号は、フィルタ14fにより選択的に反射され、導波路層40h、ミラー74dを経由して、フォトディテクタ82bにより検出される。
【0317】
波長λ3の光信号は、フィルタ14gにより選択的に反射され、導波路層40i、ミラー74eを経由して、フォトディテクタ82cにより検出される。
【0318】
波長λ4の光信号は、フィルタ14hにより選択的に反射され、導波路層40j、ミラー74fを経由して、フォトディテクタ82dにより検出される。
【0319】
フォトディテクタ82a〜82dにより検出された光信号は、それぞれフォトディテクタ82a〜82dにより光電変換され、図示しない電子回路等に入力される。
【0320】
一方、合波器80に設けられたVCSEL83a〜83dからは、例えば波長λ1の光信号、λ2の光信号、λ3の光信号、λ4の光信号がそれぞれ放出されるようになっている。
【0321】
VCSEL83aから放出された波長λ1の光信号は、ミラー74c、導波路層40g、フィルタ14eを経由して、導波路層40に導入され、紙面左方向に進行する。
【0322】
VCSEL83bから放出された波長λ2の光信号は、ミラー74d、導波路層40h、フィルタ14fを経由して、導波路層40に導入され、紙面左方向に進行する。
【0323】
VCSEL83cから放出された波長λ3の光信号は、ミラー74e、導波路層40i、フィルタ14gを経由して、導波路層40に導入され、紙面左方向に進行する。
【0324】
VCSEL83dから放出された波長λ4の光信号は、ミラー74f、導波路層40j、フィルタ14hを経由して、導波路層40に導入され、紙面左方向に進行する。
【0325】
VCSEL83a〜83dから放出される光信号は、このようにして導波路層40内に導入され、多重化されることとなる。
【0326】
このように、本実施形態によれば、LSI上に合波器や分波器が実装された光電子装置を提供することができる。
【0327】
[第17実施形態]
本発明の第17実施形態による光電子装置を図41を用いて説明する。図41は、本実施形態による光電子装置を示す斜視図である。図1乃至図40に示す第1乃至第16実施形態による薄膜素子の配置方法、光回路装置及び光電子装置と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0328】
本実施形態による光電子装置は、LSIに合波・分波器(MUX/DEMUX、Multi/Demulti-plexer)が3次元的に設けられていることに主な特徴がある。
【0329】
図41に示すように、LSI76aの実基板36a上には、合波・分波器84a〜84eが設けられている。
【0330】
合波・分波器84aは実基板36a上に設けられており、合波・分波器84bは合波・分波器84aの上層に設けられており、合波・分波器84cは合波・分波器84bの上層に設けられている。
【0331】
一方、合波・分波器84dは合波・分波器84cと同一の層に設けられており、合波・分波器84eは合波・分波器84dの上層に設けられている。
【0332】
次に、本実施形態による光電子装置の動作を図41を用いて説明する。
【0333】
図41に示すように、合波・分波器84aの導波路層40kには、例えば波長λ3の光信号が紙面右方向に進行するようになっている。合波・分波器84aの導波路層40内を紙面右方向に進行する波長λ3の光信号は、フィルタ14gにより反射され、導波路層40p、ミラー74gを経由して、合波・分波器84bのミラー74hに入射される。
【0334】
合波・分波器84bのミラー74hに入射された波長λ3の光信号は、導波路層40q内を進行し、フィルタ14gにより反射され、合波・分波器84bの導波路層40l内に導入されて、紙面左方向に進行する。
【0335】
一方、合波・分波器84cの導波路層40mには、例えば波長λ1の光信号が紙面右方向に進行し、波長λ2の光信号が紙面左方向に進行するようになっている。
【0336】
合波・分波器84cの導波路層40m内を紙面右方向に進行する多重化された光信号のうち、波長λ2の光信号は、フィルタ14fにより反射され、導波路層40s、ミラー74jを経由して、合波・分波器84bのミラー74iに入射される。
【0337】
合波・分波器84bのミラー74iに入射された波長λ2の光信号は、導波路層40r内を進行し、フィルタ14fにより反射され、合波・分波器84bの導波路層40l内に導入されて、紙面左方向に進行する。
【0338】
こうして、合波・分波器84aの導波路層40kを紙面右方向に進行する波長λ3の光信号と、合波・分波器84cの導波路層40mを紙面右方向に進行する波長λ2の光信号とが、合波・分波器84bの導波路層40lに導入され、多重化されることとなる。こうして多重化された光信号は、合波・分波器84bの導波路層40lの延在方向に沿って紙面左方向に進行する。
【0339】
合波・分波器84cの導波路層40m内を紙面左方向に進行する波長λ1の光信号は、フィルタ14fにより反射されることなく、合波・分波器84cの導波路層40mに沿って紙面左方向に進行する。
【0340】
一方、合波・分波器84dの導波路層40nには、例えば波長λ1の光信号と波長λ2の光信号とが多重化された信号が紙面右方向に進行するようになっている。
【0341】
合波・分波器84dの導波路層40n内を紙面右方向に進行する多重化された光信号のうち、波長λ2の光信号は、フィルタ14eにより反射され、導波路層40t、ミラー74kを経由して、合波・分波器84eのミラー74lに入射される。
【0342】
合波・分波器84eのミラー74lに入射された波長λ2の光信号は、導波路層40u内を進行し、フィルタ14eにより反射され、合波・分波器84eの導波路層40o内に導入される。
【0343】
一方、合波・分波器84eの導波路層40oには、例えば波長λ3の光信号が、紙面右方向に進行するようになっている。
【0344】
合波・分波器84eの導波路層40o内を紙面右方向に進行する多重化された光信号のうち、波長λ3の光信号は、フィルタ14eにより反射されることなく、合波・分波器の導波路層40oの延在方向に沿って紙面右方向に進行する。
【0345】
こうして、合波・分波器84dの導波路層40nを紙面右方向に進行する波長λ2の光信号と、合波・分波器84eの導波路層40oを紙面右方向に進行する波長λ3の光信号とが、合波・分波器84eの導波路層40o内で多重化されることとなる。こうして多重化された光信号は、合波・分波器84eの導波路層40oの延在方向に沿って紙面右方向に進行する。
【0346】
一方、合波・分波器84dの導波路層40n内を紙面右方向に進行する多重化された光信号のうち、波長λ1の光信号は、フィルタ14eにより反射されることなく、合波・分波器84dの導波路層40nに沿って紙面右方向に進行する。
【0347】
このように本実施形態によれば、合波・分波器が3次元的に設けられた光電子装置を提供することができる。
【0348】
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0349】
例えば、上記実施形態では、誘電体多層膜等より成る薄膜素子を配置する場合を例に説明したが、薄膜素子を構成する膜は誘電体多層膜等に限定されるものではなく、あらゆる膜より成る薄膜素子を配置する場合に適用することができる。また、多層膜のみならず、単層の膜より成る薄膜素子を配置する場合にも適用することができる。
【0350】
また、上記実施形態では、薄膜素子を配置する場合を例に説明したが、薄膜素子を配置する場合に限定されるものではなく、一般の薄膜を配置する場合にも適用することができる。
【0351】
また、上記実施形態では、薄膜素子としてフィルタ等を配置する場合を例に説明したが、フィルタ等を配置する場合に限定されるものではなく、例えば、光変調器、VCSEL、発光素子、受光素子、フォトディテクタ、光増幅器、導波路、レンズ、ホログラム、キャパシタ、抵抗器、インダクタ等の薄膜素子を配置する場合にも適用することができる。
【0352】
また、傾動層や解除層の材料は上述した材料に限定されるものではなく、Si、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、金属膜、ポリマ等、あらゆる材料を適宜用いることができる。
【0353】
また、第4実施形態では、支持基板16、22をそれぞれ支持基板25、31に押し付けることによりフィルタ14a、14b、20a、20bを傾ける場合を例に説明したが、MEMS技術を用いてフィルタ14a、14b、20a、20bを傾けてもよい。
【0354】
また、上記実施形態では、フィルタを支持基板16等に移動する場合を例に説明したが、フィルタは支持基板16等のみならず、他のあらゆる支持部材に移動してもよい。例えば、ブラックワックス(Black Wax)等にフィルタを移動してもよい。ブラックワックスとは、軟化点80℃以下の蝋のことである。
【0355】
また、上記実施形態では、成長基板上に形成したフィルタをELO技術により支持基板を移動したが、フィルタを成長基板上に形成することなく、支持基板上に直接形成してもよい。これにより、工程を簡略化することができる。
【0356】
また、第16及び第17実施形態では、LSI上に合波器、分波器、合波・分波器を設ける場合を例に説明したが、MCM(Multi Chip Module)等と組み合わせてもよい。
【0357】
(付記1) 薄膜を薄膜の成長方位に対して斜めにエッチングすることにより、前記薄膜より成る薄膜素子を形成する第1の工程と、実基板上に前記薄膜素子を配置する第2の工程とを有し、前記第2の工程では、前記薄膜の成長方位が前記実基板の面に対して斜め又はほぼ平行になるように、前記薄膜素子を前記実基板上に配置することを特徴とする薄膜素子の配置方法。
【0358】
(付記2) 付記1記載の薄膜素子の配置方法において、前記第1の工程の後、前記第2の工程の前に、傾動用基板上に前記薄膜素子を移動する第3の工程と、前記傾動用基板上で前記薄膜素子を傾ける第4の工程とを更に有し、前記第2の工程では、前記傾動用基板から前記実基板に前記薄膜素子を移動することを特徴とする薄膜素子の配置方法。
【0359】
(付記3) 付記2記載の薄膜素子の配置方法において、前記第3の工程では、前記傾動用基板に形成された傾動層の端部上に前記薄膜素子を移動し、前記第4の工程では、前記傾動層の前記端部を前記傾動用基板の面に対して傾けることにより前記薄膜素子を傾けることを特徴とする薄膜素子の配置方法。
【0360】
(付記4) 付記3記載の薄膜素子の配置方法において、前記第4の工程では、前記傾動層の延在方向とほぼ等しい方向に前記薄膜素子を傾けることを特徴とする薄膜素子の配置方法。
【0361】
(付記5) 付記3記載の薄膜素子の配置方法において、前記第4の工程では、前記傾動層の延在方向とほぼ直角な方向に前記薄膜素子を傾けることを特徴とする薄膜素子の配置方法。
【0362】
(付記6) 付記3乃至5のいずれかに記載の薄膜素子の配置方法において、前記傾動層の端部は、前記傾動層とエッチング特性が異なる解除層を介して前記傾動用基板に固定されており、前記第4の工程では、前記解除層を選択的にエッチングすることにより前記傾動層の端部を前記傾動用基板の面に対して傾けることを特徴とする薄膜素子の配置方法。
【0363】
(付記7) 付記2乃至6のいずれかに記載の薄膜素子の配置方法において、前記第1の工程では、第1の薄膜素子と、前記第1の薄膜素子と異なる第2の薄膜素子とをそれぞれ別個に形成し、前記第3の工程では、前記第1の薄膜素子と前記第2の薄膜素子とをそれぞれ別個の傾動用基板上に移動し、前記第4の工程では、別個の前記傾動用基板を用いて前記第1の薄膜素子と前記第2の薄膜素子とをそれぞれ傾け、前記第2の工程では、それぞれ別個の傾動用基板から前記第1の薄膜素子と前記第2の薄膜素子とを前記実基板に移動することを特徴とする薄膜素子の配置方法。
【0364】
(付記8) 付記2乃至6のいずれかに記載の薄膜素子の配置方法において、前記第1の工程では、第1の薄膜素子と、前記第1の薄膜素子と異なる第2の薄膜素子とをそれぞれ別個に形成し、前記第3の工程では、前記第1の薄膜素子と前記第2の薄膜素子とを同一の前記傾動用基板上に移動し、前記第4の工程では、前記同一の傾動用基板を用いて前記第1の薄膜素子と前記第2の薄膜素子とを傾け、前記第2の工程では、前記同一の傾動用基板から前記第1の薄膜素子と前記第2の薄膜素子とを前記実基板に移動することを特徴とする薄膜素子の配置方法。
【0365】
(付記9) 付記1記載の薄膜素子の配置方法において、前記第1の工程の後、前記第2の工程の前に、前記薄膜素子を第1の支持基板に移動する第3の工程と、前記第1の支持基板を前記第1の支持基板と異なる第2の支持基板に押し付けることにより前記薄膜素子を傾けつつ前記薄膜素子を前記第2の支持基板に移動する第4の工程とを更に有し、前記第2の工程では、前記第2の支持基板から前記実基板に前記薄膜素子を移動することを特徴とする薄膜素子の配置方法。
【0366】
(付記10) 付記9記載の薄膜素子の配置方法において、前記第3の工程では、前記薄膜素子を支持する突起が形成された前記第1の支持基板に前記薄膜素子を移動し、前記第4の工程の前に、前記突起を選択的にエッチングする工程を更に有することを特徴とする薄膜素子の配置方法。
【0367】
(付記11) 請求項9又は10記載の薄膜素子の配置方法において、前記第1の工程では、第1の薄膜素子と、前記第1の薄膜素子と異なる第2の薄膜素子とをそれぞれ別個に形成し、前記第3の工程では、前記第1の薄膜素子と前記第2の薄膜素子とをそれぞれ別個の第1の支持基板上に移動し、前記第2の工程では、それぞれ別個の前記第1の支持基板から前記第1の薄膜素子と前記第2の薄膜素子とを前記実基板に移動することを特徴とする薄膜素子の配置方法。
【0368】
(付記12) 請求項9又は10記載の薄膜素子の配置方法において、前記第1の工程では、第1の薄膜素子と、前記第1の薄膜素子と異なる第2の薄膜素子とをそれぞれ別個に形成し、前記第3の工程では、前記第1の薄膜素子と前記第2の薄膜素子とを同一の前記第1の支持基板上に移動し、前記第2の工程では、前記同一の前記第1の支持基板から前記第1の薄膜素子と前記第2の薄膜素子とを前記実基板に移動することを特徴とする薄膜素子の配置方法。
【0369】
(付記13) 基板上に配置された薄膜素子を有する光回路装置であって、前記薄膜素子に用いられている薄膜の成長方位が、前記基板の面に対して斜め又はほぼ平行になっていることを特徴とする光回路装置。
【0370】
(付記14) 付記13記載の光回路装置において、前記基板上に形成され、前記薄膜素子に光学的に結合する導波路層を更に有し、前記薄膜の成長方位が、前記導波路層の延在方向に対して斜めになっていることを特徴とする光回路装置。
【0371】
(付記15) 付記14記載の光回路装置において、前記基板上に形成され、前記薄膜素子に光学的に結合する中継導波路層を更に有し、前記薄膜の成長方位が、前記基板の面に対してほぼ平行になっていることを特徴とする光回路装置。
【0372】
(付記16) 付記15記載の光回路装置において、前記中継導波路層の端部にミラーが形成されていることを特徴とする光回路装置。
【0373】
(付記17) 付記15又は16記載の光回路装置において、前記中継導波路層に光学的に結合する受光素子又は発光素子を更に有することを特徴とする光回路装置。
【0374】
(付記18) 付記14乃至17のいずれかに記載の光回路装置において、前記導波路層を複数有し、前記複数の導波路層が互いに光学的に結合されていることを特徴とする光回路装置。
【0375】
(付記19) 付記13乃至18のいずれか1項に記載の光回路装置において、前記薄膜素子は、フィルタ、チューナブルフィルタ、又は光スイッチであることを特徴とする光回路装置。
【0376】
(付記20) 基板上に配置された薄膜素子を有する光電子装置であって、前記薄膜素子に用いられている薄膜の成長方位が、前記基板の面に対して斜め又はほぼ平行になっていることを特徴とする光電子装置。
【0377】
(付記21) 薄膜を薄膜の成長方位に対して斜めにエッチングする第1の工程と、基板上に前記薄膜を配置する第2の工程とを有し、前記第2の工程では、前記薄膜の成長方位が前記基板の面に対して斜め又はほぼ平行になるように、前記薄膜を前記基板上に配置することを特徴とする薄膜の配置方法。
【0378】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、誘電体多層膜を斜角柱状にエッチングすることによりフィルタを形成し、こうして形成されたフィルタをMEMS技術を用いて傾けるため、フィルタを構成する誘電体多層膜の面を実基板の面に対して斜めに設定することができる。
【0379】
また、本発明によれば、フィルタを構成する誘電体多層膜の面を実基板の面に対して斜め設定することができるため、導波路層に沿って進行する光を実基板の面に対して例えば垂直方向に分光することができ、また、実基板の面に対して例えば垂直な方向からフィルタに入射される光を導波路層内に導入することができる。しかも、本発明によれば、フィルタが薄膜を用いて構成されているため、光回路装置の微細化を図ることができる。
【0380】
また、本発明によれば、波長λ1のフィルタと波長λ2のフィルタとを同一の傾動用基板に移動し、同一の傾動用基板により波長λ1のフィルタと波長λ2のフィルタとを一括して傾けるため、別個の傾動用基板を用いて波長λ1のフィルタと波長λ2のフィルタとをそれぞれ別個に傾ける場合と比べて、工程を簡略化することができ、また、コストダウンを図ることができる。
【0381】
また、本発明によれば、同一の傾動用基板において傾けられた波長λ1のフィルタと波長λ2のフィルタとを一括して実基板側に移動することができるため、別個の傾動用基板から波長λ1のフィルタと波長λ2のフィルタとをそれぞれ別個の工程で移動する場合と比べて、工程を簡略化することができる。
【0382】
また、本発明によれば、フィルタを傾動層上に載置する際に、フィルタの傾いている方向と傾動層の延在方向との為す角が直角になるように設定するため、フィルタを傾動層上に倒すと、傾動層上に倒されたフィルタを構成する誘電体多層膜の面が傾動用基板の面に対して垂直となり、また、傾動層上に倒されたフィルタの延在方向が傾動層の延在方向に対して斜めとなる。このため、本発明によれば、フィルタを構成する誘電体多層膜の面を実基板の面に対して垂直に設定することができ、導波路の延在方向に対して斜めに設定することができる。従って、本発明によれば、実基板の面と平行な方向に進行する光信号を、実基板の面と平行な方向に分光することができる。
【0383】
また、本発明によれば、支持基板にフィルタを支持する突起をそれぞれ形成しておくため、フィルタの位置がずれてしまうのを防止することができる。従って、本発明によれば、歩留りを向上することができる。
【0384】
また、本発明によれば、支持基板を支持基板にそれぞれ押し付けることによりフィルタをそれぞれ傾けるため、傾動層を用いることなくフィルタを傾けることができる。従って、本発明によれば、工程の簡略化を図ることができる。
【0385】
また、本発明によれば、フィルタを構成する誘電体多層膜の面が実基板の面に対して斜めに設定されているため、実基板と平行に進行する光信号を例えば実基板の面に垂直な方向に分波することができる。しかも、本発明では、かかるフィルタが薄膜を用いて構成されているため、微細な分波器を提供することができる。
【0386】
また、本発明によれば、フィルタを構成する誘電体多層膜の面が実基板の面に対して斜めに設定されているため、実基板の面に対して例えば垂直な方向に入射する光信号を、実基板の面に対して平行な方向に進行させることができる。しかも、本発明によれば、フィルタが薄膜を用いて構成されているため、微細な合波器を提供することができる。
【0387】
また、本発明によれば、多層膜の面が実基板の面に対して斜めに設定されているため、微細な波長スイッチや光スイッチを提供することができる。
【0388】
また、本発明によれば、フィルタを構成する誘電体多層膜の面が、導波路の延在方向に対して斜め、且つ実基板の面に対して垂直になるように設定することができるため、実基板の面と平行な方向に進行する光を、実基板の面と平行な方向に分岐しうる微細な分波器を提供することができる。
【0389】
また、本発明によれば、フィルタを構成する誘電体多層膜の面が、導波路の延在方向に対して斜め、且つ実基板の面に対して垂直になるように設定することができるため、実基板の面と平行な方向に進行する光を多重化し得る微細な合波器を提供することができる。
【0390】
また、本発明によれば、多層膜の面が、導波路の延在方向に対して斜め、且つ実基板の面に対して垂直になるように設定することができるため、実基板の面と平行な方向に進行する光信号を実基板の面と平行な方向に分岐し得る波長スイッチを提供することができる。
【0391】
また、本発明によれば、多層膜の面が、導波路の延在方向に対して斜め、且つ実基板の面に対して垂直になるように設定することができるため、実基板の面と平行な方向に進行する光を、実基板の面と平行な方向に反射し得る微細な光スイッチを提供することができる。
【0392】
また、本発明によれば、導波路層の端部にミラーが設けられているため、導波路層に沿って実基板と平行な方向に進行する光信号の進行方向を、実基板の面に対して例えば垂直な方向に転換することができる。
【0393】
また、本発明によれば、導波路層の端部にミラーが設けられているため、例えば実基板の面と垂直な方向に進行する光信号を、実基板の面と平行な方向に延在する導波路層に導入することができる。
【0394】
また、本発明によれば、フィルタを構成する誘電体多層膜の面の法線の方向と導波路層の延在方向との為す角を極めて小さく設定しているので、フィルタの波長分解能を極めて高くすることができる。従って、本発明によれば、光学的特性のより良好な光回路装置を提供することができる。
【0395】
また、本発明によれば、LSI上に合波器や分波器が実装された光電子装置や、合波・分波器が3次元的に設けられた光電子装置を提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による薄膜素子の配置方法を示す工程図(その1)である。
【図2】本発明の第1実施形態による薄膜素子の配置方法を示す工程図(その2)である。
【図3】本発明の第1実施形態による薄膜素子の配置方法を示す工程図(その3)である。
【図4】本発明の第1実施形態による薄膜素子の配置方法を示す工程図(その4)である。
【図5】本発明の第1実施形態による薄膜素子の配置方法を示す工程図(その5)である。
【図6】本発明の第1実施形態による薄膜素子の配置方法を示す工程図(その6)である。
【図7】本発明の第1実施形態の変形例による薄膜素子の配置方法を示す工程断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態による薄膜素子の配置方法を示す工程図(その1)である。
【図9】本発明の第2実施形態による薄膜素子の配置方法を示す工程図(その2)である。
【図10】本発明の第2実施形態による薄膜素子の配置方法を示す工程図(その3)である。
【図11】本発明の第2実施形態による薄膜素子の配置方法を示す工程図(その4)である。
【図12】本発明の第2実施形態による薄膜素子の配置方法を示す工程図(その5)である。
【図13】本発明の第3実施形態による薄膜素子の配置方法を示す工程図(その1)である。
【図14】本発明の第3実施形態による薄膜素子の配置方法を示す工程図(その2)である。
【図15】本発明の第3実施形態による薄膜素子の配置方法を示す工程図(その3)である。
【図16】本発明の第3実施形態による薄膜素子の配置方法を示す工程図(その4)である。
【図17】本発明の第3実施形態による薄膜素子の配置方法を示す工程図(その5)である。
【図18】本発明の第3実施形態の変形例(その1)による薄膜素子の配置方法を示す図である。
【図19】本発明の第3実施形態の変形例(その2)による薄膜素子の配置方法を示す図である。
【図20】本発明の第3実施形態の変形例(その3)による薄膜素子の配置方法を示す図である。
【図21】本発明の第4実施形態による薄膜素子の配置方法を示す工程断面図(その1)である。
【図22】本発明の第4実施形態による薄膜素子の配置方法を示す工程断面図(その2)である。
【図23】本発明の第5実施形態による光回路装置を示す断面図である。
【図24】本発明の第6実施形態による光回路装置を示す断面図である。
【図25】本発明の第7実施形態による光回路装置を示す断面図である。
【図26】本発明の第8実施形態による光回路装置を示す断面図である。
【図27】本発明の第9実施形態による光回路装置を示す平面図である。
【図28】本発明の第9実施形態の変形例による光回路装置を示す平面図である。
【図29】本発明の第10実施形態による光回路装置を示す平面図である。
【図30】本発明の第10実施形態の変形例による光回路装置を示す平面図である。
【図31】本発明の第11実施形態による光回路装置を示す平面図である。
【図32】本発明の第11実施形態の変形例による光回路装置を示す平面図である。
【図33】本発明の第12実施形態による光回路装置を示す断面図である。
【図34】本発明の第12実施形態の変形例による光回路装置を示す平面図である。
【図35】本発明の第13実施形態による光回路装置を示す平面図である。
【図36】本発明の第13実施形態の変形例による光回路装置を示す平面図である。
【図37】本発明の第14実施形態による光回路装置を示す平面図である。
【図38】本発明の第14実施形態の変形例による光回路装置を示す平面図である。
【図39】本発明の第15実施形態による光回路装置を示す平面図である。
【図40】本発明の第16実施形態による光電子装置を示す平面図である。
【図41】本発明の第17実施形態による光電子装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
10…成長基板
14…誘電体多層膜
14a〜14h…フィルタ
16…支持基板
18…成長基板
20…誘電体多層膜
20a〜20d…フィルタ
22…支持基板
24、24a…傾動用基板
25…支持基板
26、26a…解除層
28、28a…傾動層
30…傾動用基板
31…支持基板
32…解除層
34…傾動層
36、36a…基板
38…クラッド層
40、40a〜40u…導波路層
42…エッチングストッパ膜
44…エッチングストッパ膜
46…支持基板
48…支持基板
50…接着層
52…クラッド層
54…接着層
56…停止層
58a、58b…突起
60…接着層
62a、62b…突起
64…接着層
66a〜66d…チューナブルフィルタ
68a〜68f…多層膜
70a〜70l…電極
72、72a…光スイッチ
74a〜74l…ミラー
76…LSI
78…分波器
80…合波器
82a〜82d…フォトディテクタ
83a〜83d…VCSEL
84a〜84d…合波・分波器

Claims (2)

  1. 薄膜状の光学素子を、光回路基板上に任意の角度で搭載する光回路装置の製造方法において、
    前記光回路基板とは異なる第1の支持基板上に金属を含む2層の膜からなる傾動層を形成し、かつ、前記傾動層の前記薄膜状の光学素子を搭載する部分の下部に、前記傾動層とは別種の金属からなる解除層となる膜を形成し、
    前記傾動層の表面に接着剤を塗布し、
    前記第1の支持基板とは別の第2の支持基板上の前記薄膜状の光学素子を、前記接着剤により前記傾動層の表面に転写し、
    前記解除層をエッチングで除去することにより、前記解除層上の部分の前記傾動層を前記第1の支持基板から離し、
    前記傾動層の反りを利用して、前記傾動層上に転写した前記薄膜状の光学素子の角度を変化させる
    ことを特徴とする光回路装置の製造方法
  2. 薄膜状の光学素子を、光回路基板上に任意の角度で搭載する光回路装置の製造方法において、
    前記光回路基板とは異なる第1の支持基板上に、所定の角度の傾斜面を持つ突起を形成し、
    前記突起の前記傾斜面に接着剤を塗布し、
    前記第1の支持基板とは別の第2の支持基板上の前記薄膜状の光学素子を、前記接着剤により前記傾斜面に転写し、
    前記突起をエッチングで除去し、
    前記第1の支持基板上の前記薄膜状の光学素子を第3の支持基板に押し付けることにより、前記薄膜状の光学素子の角度を変化させる
    ことを特徴とする光回路装置の製造方法。
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