JP2002350635A - 薄膜素子の配置方法、光回路装置及び光電子装置 - Google Patents

薄膜素子の配置方法、光回路装置及び光電子装置

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JP2002350635A JP2001152942A JP2001152942A JP2002350635A JP 2002350635 A JP2002350635 A JP 2002350635A JP 2001152942 A JP2001152942 A JP 2001152942A JP 2001152942 A JP2001152942 A JP 2001152942A JP 2002350635 A JP2002350635 A JP 2002350635A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜素子を所望の方向に配置しうる薄膜素子
の配置方法及びその薄膜素子を用いた光回路装置及び光
電子装置を提供する。 【解決手段】 薄膜14を薄膜の成長方位に対して斜め
にエッチングすることにより、薄膜より成る薄膜素子1
4a、14b、20a、20bを形成する第1の工程
と、実基板36上に薄膜素子を配置する第2の工程とを
有し、第2の工程では、薄膜の成長方位が実基板の面に
対して斜め又はほぼ平行になるように、薄膜素子を実基
板上に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜素子の配置方
法、光回路装置、及び光電子装置に係り、特に、所望の
方向に薄膜素子を配置しうる薄膜素子の配置方法及びそ
の薄膜素子を用いた光回路装置及び光電子装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近時では、光の干渉効果を利用して所望
の分光特性を得ることができる干渉フィルタ(Interfer
ence filter)が提案されている。
【0003】干渉フィルタは、一般に、高屈折率の誘電
体膜と低屈折率の誘電体膜とを交互に、数層から数十
層、場合によっては数百層積層することにより構成され
ている。高屈折率の誘電体膜としては、例えばTiO2
膜が用いられ、低屈折率の誘電体膜としては、例えばS
iO2膜が用いられる。
【0004】干渉フィルタは、微細な薄膜を用いて構成
されているため、光回路装置の微細化に寄与することが
可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、干渉フ
ィルタは、基板上に誘電体膜を積層することにより形成
されるものであるため、干渉フィルタを構成する誘電体
多層膜の面は、基板の面と平行になる。
【0006】ここで、光回路装置の更なる高機能化を実
現するためには、フィルタを構成する誘電体多層膜の面
を基板の面に対して斜めに設定したり、基板の面に対し
て垂直に設定したりすることが望まれるが、薄膜素子を
所望の方向に配置する技術は未だ提案されていなかっ
た。このため、薄膜素子を所望の方向に配置する技術が
待望されていた。
【0007】本発明の目的は、薄膜素子を所望の方向に
配置しうる薄膜素子の配置方法及びその薄膜素子を用い
た光回路装置及び光電子装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、薄膜を薄膜
の成長方位に対して斜めにエッチングすることにより、
前記薄膜より成る薄膜素子を形成する第1の工程と、実
基板上に前記薄膜素子を配置する第2の工程とを有し、
前記第2の工程では、前記薄膜の成長方位が前記実基板
の面に対して斜め又はほぼ平行になるように、前記薄膜
素子を前記実基板上に配置することを特徴とする薄膜素
子の配置方法により達成される。これにより、薄膜素子
を所望の方向に配置することができる。従って、かかる
薄膜素子を用いて微細で高機能な光回路装置等を提供す
ることができる。
【0009】また、上記目的は、基板上に配置された薄
膜素子を有する光回路装置であって、前記薄膜素子に用
いられている薄膜の成長方位が、前記基板の面に対して
斜め又はほぼ平行になっていることを特徴とする光回路
装置により達成される。これにより、薄膜素子を所望の
方向に配置することができため、微細で高機能な光回路
装置を提供することができる。
【0010】また、上記目的は、基板上に配置された薄
膜素子を有する光電子装置であって、前記薄膜素子に用
いられている薄膜の成長方位が、前記基板の面に対して
斜め又はほぼ平行になっていることを特徴とする光電子
装置により達成される。これにより、薄膜素子を所望の
方向に配置することができため、微細で高機能な光電子
装置を提供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]本発明の第1実
施形態による薄膜素子の配置方法を図1乃至図6を用い
て説明する。図1乃至図6は、本実施形態による薄膜素
子の配置方法を示す工程図である。なお、図1の紙面左
側は平面図であり、紙面右側はA−A′線断面図であ
る。図2の紙面左側は平面図であり、紙面右側はB−
B′線断面図である。図5及び図6の紙面左側は平面図
であり、紙面右側はC−C′線断面図である。
【0012】本実施形態では、薄膜素子(Thin-film de
vice)として光学フィルタを配置する場合を例に説明す
るが、本発明は、フィルタの配置のみならず、あらゆる
薄膜素子の配置に広く適用することが可能である。
【0013】まず、図1(a)に示すように、成長基板
10を用意する。成長基板10の材料としては、例えば
Siやガラス等を用いることができる。
【0014】次に、成長基板10上に、例えばSiO2
膜とTiO2膜とを交互に積層して成る誘電体多層膜1
4を成長する。誘電体多層膜14の総合的な膜厚は、例
えば数μm〜数10μmとすることができる。このよう
な誘電体多層膜14は、波長λ1の光信号を選択的に反
射し、その他の波長の光信号を透過するフィルタを構成
することができる。フィルタの波長選択特性は、市販の
CADツールを用いて容易に設計することが可能であ
る。図中、誘電体多層膜14に表された複数の線は、誘
電体多層膜14を構成する膜の面を模式的に表したもの
である。
【0015】次に、例えばCrより成るマスクパターン
(図示せず)をマスクとして、誘電体多層膜14を斜め
にパターニングすることにより、誘電体多層膜14より
成る斜角柱状のフィルタ14a、14bを形成する(図
1(b)参照)。フィルタ14aは紙面右側に傾くよう
に形成し、フィルタ14bは紙面左側に傾くように形成
する。なお、誘電体多層膜14を斜めにパターニングす
るためには、例えば、RIE(Reactive Ion Etching、
反応性イオンエッチング)装置のエッチング室内に成長
基板10を斜めに載置し、マスクパターンをマスクとし
て、RIE法により誘電体多層膜14をエッチングすれ
ばよい。
【0016】次に、支持基板(Supporting substrate)
16を用意する。支持基板16は、成長基板10側に形
成されたフィルタ14a、14bを移動するために用い
られるものである。支持基板16としては、例えば、ポ
リマが表面に塗布されたシリコン基板や、ポリマ基板等
を用いることができる。
【0017】次に、図1(c)に示すように、成長基板
10上に支持基板16を重ね合わせる。支持基板16の
下面には、例えば接着剤(図示せず)が塗布されてい
る。このため、フィルタ14a、14bが支持基板16
の下面に固着される。
【0018】次に、成長基板10を選択的に溶解し得る
溶解液を用い、成長基板10を溶解する。成長基板10
を選択的に溶解しうる溶解液としては、例えばフッ酸等
を用いることができる。こうして、フィルタ14a、1
4bが支持基板16側に移動される。
【0019】なお、成長基板側にエピタキシャル成長さ
れた薄膜素子を上記のようにして支持基板側に移動する
技術は、ELO(Epitaxial Lift-Off、エピタキシャル
・リフトオフ)技術と称されている。
【0020】次に、図2(a)に示すように、成長基板
18を用意する。成長基板18の材料としては、成長基
板10と同様の材料を用いることができる。
【0021】次に、成長基板18上に、例えばSiO2
膜とTiO2膜とを交互に積層して成る誘電体多層膜2
0を成長する。誘電体多層膜20の総合的な膜厚は、例
えば数μm〜数10μmとすることができる。このよう
な誘電体多層膜20は、波長λ2の光信号を選択的に反
射し、その他の波長の光信号を透過するフィルタを構成
することができる。フィルタの波長選択特性は、市販の
CADツールを用いて容易に設計することが可能であ
る。
【0022】次に、図1(b)を用いて上述したのと同
様にして、誘電体多層膜20を斜角柱状にパターニング
し、これにより、斜角柱状のフィルタ20a、20bを
形成する(図2(b)参照)。フィルタ20aは紙面右
側に傾くように形成し、フィルタ20bは紙面左側に傾
くように形成する。
【0023】次に、フィルタ20a、20bを移動する
ための支持基板22を用意する。支持基板22の材料と
しては、例えば支持基板16と同様の材料を用いること
ができる。
【0024】次に、成長基板18上に支持基板22を重
ね合わせる(図2(c)参照)。支持基板22の下面に
は、例えば接着剤(図示せず)が塗布されている。この
ため、フィルタ20a、20bが支持基板22の下面に
固着される。
【0025】次に、図1(d)を用いて上述したのと同
様にして、成長基板18を選択的に溶解し、フィルタ2
0a、20bを支持基板22側に移動する(図2(d)
参照)。
【0026】次に、図3(a)に示すように、傾動用基
板(Tilting substrate)24を用意する。傾動用基板
24は、MEMS技術(Micro Electro Mechanical Sys
tems、マイクロマシーニング技術)を用いてフィルタ1
4a、14bの向きを傾けるためのものである。MEM
S技術については、例えば、OE Reports Number 188,Au
gust 1999, SPIEに記載されている。傾動用基板24の
材料としては、例えばSiを用いることができる。
【0027】次に、傾動用基板24上に、例えば膜厚2
μmのCu膜を形成する。
【0028】次に、フォトリソグラフィ技術を用い、C
u膜をパターニングする。これにより、Cuより成る解
除層(Release layer)26が形成される。解除層26
は、後述する傾動層(Tilting layer)28の端部の固
定状態を解除し、傾動層28の端部が傾動用基板24に
対して傾くようにするためのものである。
【0029】次に、傾動用基板24上に、例えば膜厚3
μmのNi膜と例えば膜厚3μmのシリコン酸化膜とを
順次積層して成る積層膜を形成する。
【0030】次に、フォトリソグラフィ技術を用い、積
層膜をパターニングする。これにより、積層膜より成る
傾動層28が形成される(図3(b)参照)。この際、
傾動層28の端部が解除層26上に位置するようにす
る。これにより、傾動層28の端部が、解除層26を介
して傾動用基板24に固定されることとなる。
【0031】次に、図3(c)に示すように、傾動用基
板24に支持基板16を重ね合わせる。この際、解除層
26が形成されている側の傾動層28の端部に、フィル
タ14a、14bが載置されるようにする。解除層26
が形成されている側の傾動層28の端部の上面には、例
えば接着剤(図示せず)が塗布されている。このため、
傾動層28の端部上に載置されたフィルタ14a、14
bは、傾動層28の端部に固着される。
【0032】次に、図3(d)に示すように、傾動用基
板24と支持基板16とを互いに離間する。こうして、
解除層26が形成されている側の傾動層28の端部の上
面に、フィルタ14a、14bが移動される(図3
(e)参照)。
【0033】次に、解除層26を選択的にエッチングす
る。そうすると、解除層26を介して傾動用基板24に
固定されていた傾動層28の端部の固定状態が解除さ
れ、傾動層28の端部が傾動用基板24の面に対して傾
く。傾動層28の端部が傾動用基板24の面に対して傾
くと、これに伴ってフィルタ14a、14bもそれぞれ
傾き、フィルタ14a、14bが傾動層28上に倒され
る(図3(f)参照)。フィルタ14a、14bが斜角
柱状に形成されているため、傾動層28上に倒されたフ
ィルタ14a、14bを構成する誘電体多層膜の面が、
傾動用基板24の面に対して傾いた状態となる。換言す
れば、フィルタ14a、14bを構成する誘電体多層膜
の成長方位が、傾動用基板24の面に対して傾いた状態
となる。
【0034】次に、図4(a)に示すように、傾動用基
板30を用意する。傾動用基板30の材料としては、例
えば傾動用基板24と同様の材料を用いることができ
る。傾動用基板24は、MEMS技術を用いてフィルタ
20a、20bの向きを傾けるためのものである。
【0035】次に、図3(a)を用いて上述したのと同
様にして、傾動用基板30上に、解除層32を形成す
る。
【0036】次に、図3(b)を用いて上述したのと同
様にして、傾動層34を形成する(図4(b)参照)。
【0037】次に、図3(c)を用いて上述したのと同
様にして、傾動用基板30上に支持基板22を重ね合わ
せる(図4(c)参照)。
【0038】次に、図3(d)を用いて上述したのと同
様にして、傾動用基板30と支持基板22とを互いに離
間する(図4(d)参照)。こうして、傾動層34の端
部の上面にフィルタ20a(図示せず)及びフィルタ2
0bが移動される(図4(e)参照)。
【0039】次に、図3(f)を用いて上述したのと同
様にして、解除層32を選択的にエッチングし、傾動層
34の端部を傾ける。これにより、フィルタ20a(図
示せず)及びフィルタ20bが傾動層34上に倒される
(図4(f)参照)。
【0040】次に、図5(a)に示すように、光回路装
置の実際の基板として用いられる実基板36を用意す
る。実基板36の材料としては、例えばSiを用いるこ
とができる。
【0041】次に、実基板36上に、膜厚5μmのフッ
化ポリイミドより成るクラッド層38を形成する。
【0042】次に、クラッド層38上に、例えば膜厚2
0μmのフッ化ポリイミドより成る導波路層40を形成
する。この際、図5(a)に示すように、導波路層40
を互いに離間して形成する。このように導波路層40を
互いに離間して形成するのは、後工程でフィルタ14
a、14b、20a、20bを組み込むためである。な
お、導波路層40に用いるフッ化ポリイミドの組成は、
クラッド層38に用いるフッ化ポリイミドの組成と異な
る組成に設定する。
【0043】次に、図5(b)に示すように、実基板3
6上に、傾動用基板24を重ね合わせる。この際、導波
路層40が互いに離間している領域にフィルタ14a、
14bが組み込まれるよう、位置合わせを行う。なお、
フィルタ14a、14bを導波路層40に組み込むため
には、フィルタ14a、14bを組み込むべき領域のク
ラッド層38の表面に、例えば接着材(図示せず)等を
塗布しておけばよい。
【0044】次に、図5(c)に示すように、実基板3
6と傾動用基板24とを互いに離間する。こうして、導
波路層40にフィルタ14a、14bが組み込まれる。
フィルタ14a、14bが斜角柱状に形成されているた
め、導波路層40に組み込まれたフィルタ14a、14
bを構成する誘電体多層膜の面が、実基板36の面に対
して傾いた状態となり、また、導波路層40の延在方向
に対して傾いた状態となる。換言すれば、フィルタ14
a、14bを構成する誘電体多層膜の成長方位が、実基
板36の面に対して傾いた状態となり、また、導波路層
40の延在方向に対して傾いた状態となる。
【0045】次に、図6(a)に示すように、実基板3
6上に、傾動用基板30を重ね合わせる。この際、導波
路層40が互いに離間している領域にフィルタ20a、
20bが組み込まれるよう、位置合わせを行う。なお、
フィルタ20a、20bを導波路層40に組み込むため
には、フィルタ20a、20bを組み込むべき領域のク
ラッド層38の表面に、例えば接着材(図示せず)等を
塗布しておけばよい。
【0046】次に、図6(b)に示すように、実基板3
6と傾動用基板30とを互いに離間する。こうして、導
波路層40にフィルタ20a、20bが組み込まれる。
フィルタ20a、20bが斜角柱状に形成されているた
め、導波路層40に組み込まれたフィルタ20a、20
bを構成する誘電体多層膜の面が、実基板36の面に対
して傾いた状態となり、また、導波路層40の延在方向
に対して傾いた状態となる。換言すれば、フィルタ20
a、20bを構成する誘電体多層膜の成長方位が、実基
板36の面に対して傾いた状態となり、また、導波路層
40の延在方向に対して傾いた状態となる。
【0047】こうして、実基板上に薄膜素子であるフィ
ルタが配置され、光回路装置が構成される。なお、この
ようにして構成された光回路装置の動作は、第5実施形
態以降において詳細に説明するため、ここでは省略する
こととする。
【0048】このように本実施形態によれば、誘電体多
層膜を斜角柱状にエッチングすることによりフィルタを
形成し、こうして形成されたフィルタをMEMS技術を
用いて傾けるため、フィルタを構成する誘電体多層膜の
面を実基板の面に対して斜めに設定することができる。
【0049】また、本実施形態によれば、フィルタを構
成する誘電体多層膜の面を実基板の面に対して斜め設定
することができるため、導波路層に沿って進行する光を
実基板の面に対して例えば垂直方向に分光することがで
き、また、実基板の面に対して例えば垂直な方向からフ
ィルタに入射される光を導波路層内に導入することがで
きる。
【0050】しかも、本実施形態によれば、フィルタが
薄膜を用いて構成されているため、光回路装置の微細化
を図ることができる。
【0051】(変形例)次に、本実施形態による薄膜素
子の配置方法の変形例を図7を用いて説明する。図7
は、本変形例による薄膜素子の配置方法を示す工程断面
図である。
【0052】本変形例による薄膜素子の配置方法は、成
長基板10上にエッチングストッパ膜42を介して誘電
体多層膜14を形成し、成長基板18上にエッチングス
トッパ膜44を介して誘電体多層膜20を形成すること
に主な特徴がある。
【0053】本変形例によれば、図7(a)に示すよう
に、成長基板10上にエッチングストッパ膜42を介し
て誘電体多層膜14を形成するので、誘電体多層膜14
をパターニングする際に成長基板10までもがエッチン
グされてしまうのを防止することができる。
【0054】また、本変形例によれば、図7(b)に示
すように、成長基板18上にエッチングストッパ膜44
を介して誘電体多層膜20を形成するので、誘電体多層
膜20をパターニングする際に成長基板18までもがエ
ッチングされてしまうのを防止することができる。
【0055】[第2実施形態]本発明の第2実施形態に
よる薄膜素子の配置方法を図8乃至図12を用いて説明
する。図8乃至図12は、本実施形態による薄膜素子の
配置方法を示す工程図である。なお、図8の紙面左側は
平面図であり、紙面右側はA−A′線断面図である。図
9の紙面左側は平面図であり、紙面右側はB−B′線断
面図である。図12の紙面左側は平面図であり、紙面右
側はC−C′線断面図である。図1乃至図7に示す第1
実施形態による薄膜素子の配置方法と同一の構成要素に
は、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0056】本実施形態による薄膜素子の配置方法は、
波長λ1の光信号を反射するフィルタと波長λ2の光信
号を反射するフィルタとを共通の傾動用基板に移動し、
この傾動用基板を用いてフィルタを配置することに主な
特徴がある。
【0057】まず、図1(a)乃至図1(d)を用いて
上述した第1実施形態による薄膜素子の配置方法と同様
にして、成長基板10上にフィルタ14a、14bを形
成し、この後、フィルタ14a、14bを支持基板16
側に移動する。
【0058】次に、図2(a)乃至図2(d)を用いて
上述した第1実施形態による薄膜素子の配置方法と同様
にして、成長基板18上にフィルタ20a、20bを形
成し、この後、フィルタ20a、20bを支持基板22
側に移動する。
【0059】次に、図8(a)に示すように、支持基板
46上に支持基板16を重ね合わせる。支持基板46
は、支持基板16に支持された多数のフィルタ14a、
14bの内、一部のフィルタ14a、14bのみを移動
するためのものである。支持基板16に支持された多数
のフィルタ14a、14bの内、一部のフィルタ14
a、14bのみを支持基板46側に移動するために、例
えば支持基板46の表面の一部にのみ例えば接着材(図
示せず)を塗布しておく。
【0060】次に、図8(b)に示すように、支持基板
46と支持基板16とを互いに離間する。こうして、支
持基板16に支持された多数のフィルタ14a、14b
の内、一部のフィルタ14a、14bのみが支持基板4
6側に移動される(図8(c)参照)。
【0061】次に、図9(a)に示すように、支持基板
48上に支持基板22を重ね合わせる。支持基板48
は、支持基板22に支持された多数のフィルタ14a、
14bの内、一部のフィルタ20a、20bのみを移動
するためのものである。支持基板22に支持された多数
のフィルタ20a、20bの内、一部のフィルタ20
a、20bのみを支持基板48側に移動するために、例
えば支持基板48の表面の一部にのみ例えば接着材(図
示せず)を塗布しておく。
【0062】次に、図9(b)に示すように、支持基板
48と支持基板22とを互いに離間する。こうして、支
持基板22に支持された多数のフィルタ20a、20b
の内、一部のフィルタ20a、20bのみが支持基板4
8側に移動される(図9(c)参照)。
【0063】次に、図3(a)を用いて上述したのと同
様にして、傾動用基板24上に、解除層26を形成する
(図10(a)参照)。
【0064】次に、図3(b)を用いて上述したのと同
様にして、傾動層28を形成する(図10(b)参
照)。
【0065】次に、図10(c)に示すように、傾動用
基板24上に、支持基板46を重ね合わせる。
【0066】次に、図10(d)に示すように、傾動用
基板24と支持基板46とを互いに離間する。こうし
て、フィルタ14a、14bが、傾動層28上に移動さ
れる。
【0067】次に、図11(a)に示すように、傾動用
基板24上に、支持基板48を重ね合わせる。
【0068】次に、図11(b)に示すように、傾動用
基板24と支持基板48とを互いに離間する。こうし
て、フィルタ20a、20bが、傾動層28上に移され
る。
【0069】次に、図3(f)を用いて上述したのと同
様にして、解除層26を選択的にエッチングする。これ
により、フィルタ14a、14b、20a、20bが傾
動層28上に倒される(図11(c)参照)。フィルタ
14a、14b、20a、20bが斜角柱状に形成され
ているため、傾動層28上に倒されたフィルタ14a、
14b、20a、20bを構成する誘電体多層膜の面
は、傾動用基板24の面に対して傾いた状態となる。換
言すれば、傾動層28上に倒されたフィルタ14a、1
4b、20a、20bを構成する誘電体多層膜の成長方
位が、傾動用基板24の面に対して傾いた状態となる。
【0070】次に、図11(d)に示すように、光回路
装置の実際の基板として用いられる実基板36を用意す
る。
【0071】次に、実基板36上に、膜厚5μmの接着
層50を形成する。接着層50の材料としては、例えば
シリコン、アクリル、又はエポキシ等を用いることがで
きる。接着層50は、フィルタ14a、14b、20
a、20bを支持基板24側から剥がし、実基板36側
に固着するためのものである。
【0072】次に、実基板36上に傾動用基板24を重
ね合わせる。この際、接着層50上に移動すべきフィル
タ14a、14b、20a、20bが、接着層50と重
なり合うように位置合わせする。
【0073】次に、図11(e)に示すように、実基板
36と支持基板24とを互いに離間する。こうして、フ
ィルタ14a、14b、20a、20bが、接着層50
上に一括して移動される。
【0074】次に、実基板36上に、クラッド層38、
導波路層40を形成する。
【0075】次に、膜厚5μmのフッ化ポリイミドより
成るクラッド層52を順次形成する。
【0076】こうして、実基板上に薄膜素子であるフィ
ルタが配置され、光回路装置が構成される。なお、この
ようにして構成された光回路装置の動作は、第5実施形
態以降において詳細に説明するため、ここでは省略する
こととする。
【0077】このように本実施形態によれば、波長λ1
の光信号を反射するフィルタ14a、14bと波長λ2
の光信号を反射するフィルタ20a、20bとを同一の
傾動用基板24に移動し、同一の傾動用基板24により
フィルタ14a、14bとフィルタ20a、20bを一
括して傾けるため、別個の傾動用基板24、30を用い
てフィルタ14a、14bとフィルタ20a、20bと
をそれぞれ別個に傾ける場合と比べて、工程を簡略化す
ることができ、また、コストダウンを図ることができ
る。
【0078】また、本実施形態によれば、傾動用基板2
4において傾けられたフィルタ14a、14b、20
a、20bを一括して実基板36側に移動することがで
きるため、別個の傾動用基板24、30からフィルタ1
4a、14bとフィルタ20a、20bとをそれぞれ別
個の工程で移動する場合と比べて、工程を簡略化するこ
とができる。
【0079】[第3実施形態]本発明の第3実施形態に
よる薄膜素子の配置方法を図13乃至図17を用いて説
明する。図13乃至図17は、本実施形態による薄膜素
子の配置方法を示す工程図である。なお、図13の紙面
左側は平面図であり、紙面中央はD−D′線断面図であ
り、紙面右側はE−E′線断面図である。図14の紙面
左側は平面図であり、紙面中央はF−F′線断面図であ
り、紙面右側はG−G′線断面図である。図15及び図
16の紙面左側は平面図であり、紙面右側はH−H′線
断面図である。図17(a)の紙面左側は平面図であ
り、紙面右側はI−I′線断面図である。図17(b)
の紙面左側は平面図であり、紙面右側はJ−J′線断面
図である。図1乃至図12に示す第1又は第2実施形態
による薄膜素子の配置方法と同一の構成要素には、同一
の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0080】本実施形態による薄膜素子の配置方法は、
フィルタを構成する誘電体多層膜の面が実基板の面と垂
直になるように設定すること、換言すれば、フィルタを
構成する誘電体多層膜の成長方位が実基板の面と平行に
なるように設定することに主な特徴がある。
【0081】まず、図13(a)に示すように、成長基
板10上に誘電体多層膜より成る斜角柱状のフィルタ1
4c、14dを形成する。この際、図13(a)の紙面
右側の図に示すように、フィルタ14cはE−E′線断
面図において紙面右側に傾くように形成し、フィルタ1
4dはE−E′線断面図において紙面左側に傾くように
形成する。
【0082】次に、図1及び図8を用いて上述したのと
同様にして、フィルタ14c、14dを支持基板46上
に移動する。この際、成長基板10に形成された多数の
フィルタ14c、14dの内、一部のフィルタ14c、
14dのみを支持基板46上に移動する(図13(b)
参照)。
【0083】次に、図14(a)に示すように、成長基
板18上に誘電体多層膜より成る斜角柱状のフィルタ2
0c、20dを形成する。この際、図14(a)の紙面
右側の図に示すように、フィルタ20cはG−G′線断
面図において紙面右側に傾くように形成し、フィルタ2
0dはG−G′線断面図において紙面左側に傾くように
形成する。
【0084】次に、図2及び図9を用いて上述したのと
同様にして、フィルタ20cを支持基板48上に移動す
る。この際、成長基板18に形成された多数のフィルタ
20c、20dの内、一部のフィルタ20cのみを支持
基板48上に移動する(図14(b)参照)。
【0085】次に、図10(a)及び図10(b)を用
いて上述したのと同様にして、傾動用基板24上に解除
層26及び傾動層28を形成する(図15(a)参
照)。
【0086】次に、図15(b)に示すように、傾動用
基板24の傾動層28上に、フィルタ14c、14dを
移動する。この際、フィルタ14c、14dの傾いてい
る方向と傾動層28の延在方向との為す角が、例えば直
角になるようにする。
【0087】次に、図15(c)に示すように、傾動用
基板24の傾動層28上に、フィルタ20cを移動す
る。この際、フィルタ20cの傾いている方向と傾動層
28の延在方向との為す角が、例えば直角になるように
する。
【0088】こうして、傾動用基板24の傾動層28上
にフィルタ14c、14d、20cが移動される(図1
6(a)参照)。
【0089】次に、解除層26を選択的にエッチングす
る。これにより、傾動層28の端部が傾き、これに伴っ
てフィルタ14c、14d、20cが傾動層28上に倒
される。本実施形態では、フィルタ14c、14d、2
0cを傾動層28上に載置する際に、フィルタ14c、
14d、20cの傾いている方向と傾動層28の延在方
向との為す角を直角に設定しているため(図16(a)
参照)、傾動層28上に倒されたフィルタ14c、14
d、20cを構成する誘電体多層膜の面は傾動用基板2
4の面に対して垂直となり、また、傾動層28上に倒さ
れたフィルタ14c、14d、20cの延在方向は傾動
層28の延在方向に対して斜めとなる。換言すれば、フ
ィルタ14c、14d、20cを構成する誘電体多層膜
の面が傾動用基板24の面に対して平行となる(図16
(b)参照)。
【0090】次に、図16(c)に示すように、光回路
装置の実際の基板として用いられる実基板36を用意す
る。
【0091】次に、実基板36上に接着層50を形成す
る。
【0092】次に、実基板36上に傾動用基板24を重
ね合わせる。
【0093】次に、図17(a)に示すように、実基板
36と支持基板24とを互いに離間する。こうして、フ
ィルタ14c、14d、20cが、接着層50上に一括
して移動される。
【0094】次に、図17(b)に示すように、実基板
36上に、クラッド層38を形成する。
【0095】次に、クラッド層38上に、導波路層40
a、40bを形成する。導波路層40aは、フィルタ1
4c、14d、20cの延在方向に沿うように形成す
る。導波路層40bは、フィルタ14c、14d、20
cにより分岐される光が導入され得るように形成する。
【0096】こうしてフィルタ14c、14d、20c
を構成する誘電体多層膜の面が、実基板36の面に対し
て垂直に設定され、導波路40a、40bの延在方向に
対して斜めに設定される。換言すれば、フィルタ14
c、14d、20cを構成する誘電体多層膜の成長方位
が、実基板36の面に対して平行に設定され、導波路4
0a、40bの延在方向に対して斜めに設定される。
【0097】次に、クラッド層52を形成する。
【0098】こうして、実基板上に薄膜素子であるフィ
ルタが配置され、光回路装置が構成される。なお、この
ようにして構成された光回路装置の動作は、第5実施形
態以降において詳細に説明するため、ここでは省略する
こととする。
【0099】このように本実施形態によれば、フィルタ
14c、14d、20cを傾動層28上に載置する際
に、フィルタ14c、14d、20cの傾いている方向
と傾動層28の延在方向との為す角が直角になるように
設定するため、フィルタ14c、14d、20cを傾動
層28上に倒すと、傾動層28上に倒されたフィルタ1
4c、14d、20cを構成する誘電体多層膜の面は傾
動用基板24の面に対して垂直となり、また、傾動層2
8上に倒されたフィルタ14c、14d、20cの延在
方向は傾動層28の延在方向に対して斜めとなる。この
ため、本実施形態によれば、フィルタを構成する誘電体
多層膜の面を実基板の面に対して垂直に設定することが
でき、導波路の延在方向に対して斜めに設定することが
できる。従って、本実施形態によれば、実基板の面と平
行な方向に進行する光信号を、実基板の面と平行な方向
に分光することができる。
【0100】(変形例(その1))次に、本実施形態に
よる薄膜素子の配置方法の変形例(その1)を図18を
用いて説明する。図18は、本変形例による薄膜素子の
配置方法を示す図である。
【0101】本変形例による薄膜素子の配置方法は、傾
動層28上に接着層54を形成することに主な特徴があ
る。
【0102】まず、図15(a)を用いて上述したのと
同様にして、傾動用基板24上に、解除層26及び傾動
層28を順次形成する(図18(a)参照)。
【0103】次に、傾動層28上に、例えば膜厚3μm
以下の接着層54を形成する。接着層54の材料として
は、例えばシリコン、アクリル、又はエポキシ等を用い
ることができる。
【0104】次に、図15(b)乃至図16(a)を用
いて上述したのと同様にして、傾動層28上にフィルタ
14c、14d、20cを載置する(図18(b)参
照)。
【0105】次に、図16(b)を用いて上述したのと
同様にして、解除層26を選択的にエッチングする。こ
れにより、フィルタ14c、14d、20cが傾動層2
8上に倒される(図18(c)参照)。
【0106】こうして傾動層28上に倒されたフィルタ
14c、14d、20cは、実基板36上に配置され
る。
【0107】このように本変形例では、傾動層28上に
接着層54が形成されているため、フィルタ14c、1
4d、20cが傾動層28上から剥がれ落ちてしまうこ
とを防止することができる。従って、本変形例によれ
ば、歩留りを向上することができる。
【0108】(変形例(その2))次に、本実施形態に
よる薄膜素子の配置方法の変形例(その2)を図19を
用いて説明する。図19は、本変形例による薄膜素子の
配置方法を示す図である。
【0109】本変形例による薄膜素子の配置方法は、フ
ィルタ14c、14d、20cを傾動用基板24aの面
に対して所望の角度に回転することに主な特徴がある。
【0110】まず、図15(a)を用いて上述したのと
同様にして、傾動用基板24a上に、解除層26a及び
傾動層28aを順次形成する(図19(a)参照)。こ
の際、フィルタ14c、14d、20cを所望の角度に
回転し得るように、解除層26aの膜厚や材料や大き
さ、傾動層28aの膜厚や材料や大きさ、傾動用基板2
4aの材料等を適宜設定する。
【0111】次に、図19(b)に示すように、傾動層
28a上に、フィルタ14c、14d、20cを載置す
る。
【0112】次に、図19(c)に示すように、解除層
26aを選択的にエッチングし、傾動層28aの端部を
傾動用基板24aの面に対して所望の角度に傾ける。
【0113】こうして回転されたフィルタ14c、14
d、20cは、実基板36上に配置される。
【0114】このように本変形例によれば、フィルタ1
4c、14d、20cを傾動用基板24aの面に対して
所望の角度に回転することができるので、実基板36上
に所望の角度でフィルタ14c、14d、20cを配置
することができる。
【0115】(変形例(その3))次に、本実施形態に
よる薄膜素子の配置方法の変形例(その3)を図20を
用いて説明する。図20は、本変形例による薄膜素子の
配置方法を示す図である。
【0116】本変形例による薄膜素子の配置方法は、傾
動層28上の一部に、傾動層28の傾きを所望の箇所で
止める停止層56が形成されていることに主な特徴があ
る。
【0117】まず、図20(a)に示すように、傾動用
基板24a上に、解除層及26a及び傾動層28aを順
次形成する。
【0118】次に、傾動層28a上の一部に、停止層5
6を形成する。停止層56は、傾動層28が傾きを所定
の箇所で止めるためのものである。停止層56の膜厚、
材料、大きさ等は、傾動層28の傾きを所望の箇所で止
めることができるよう、適宜設定することができる。
【0119】次に、図20(b)に示すように、傾動層
28a上に、フィルタ14c、14d、20cを載置す
る。
【0120】次に、図20(c)に示すように、解除層
26を選択的にエッチングし、傾動層28aの端部を傾
ける。この際、停止層56により傾動層28aの傾き
が、所望の箇所で止められる。
【0121】こうして傾けられたフィルタ14c、14
d、20cは、実基板36上に配置される。
【0122】このように本変形例によれば、傾動層28
上に停止層56を形成するので、傾動層28を所望の傾
きに設定することができる。
【0123】[第4実施形態]本発明の第4実施形態に
よる薄膜素子の配置方法を図21及び図22を用いて説
明する。図21及び図22は、本実施形態による薄膜素
子の配置方法を示す工程断面図である。図1乃至図20
に示す第1乃至第3実施形態による薄膜素子の配置方法
と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略
または簡潔にする。
【0124】本実施形態による薄膜素子の配置方法は、
支持基板16、22にフィルタ14a、14b、20
a、20bを支持する突起58a、58bをそれぞれ形
成しておくこと、及び、支持基板16、22を支持基板
25、31にそれぞれ押し付けることによりフィルタ1
4a、14b、20a、20bをそれぞれ傾けることに
主な特徴がある。
【0125】まず、図21(a)に示すように、成長基
板10上に、フィルタ14a、14bを形成する。
【0126】次に、図21(b)に示すように、突起5
8a、58bが形成された支持基板16を用意する。突
起58a、58bの断面は斜めになっている。突起58
a、58bの断面を斜めに形成しているのは、斜角柱状
のフィルタ14a、14bを支持するためである。な
お、突起58a、58bの材料としては、例えばシリコ
ン、ガラス、又はポリマ等を用いることができる。
【0127】突起58a、58bの斜めの面には、例え
ばシリコン、アクリル、エポキシ等より成る接着層60
が形成されている。接着層60は、突起58a、58b
の斜めの面にフィルタ14a、14bを接着するための
ものである。
【0128】次に、図21(c)に示すように、成長基
板10上に支持基板16を重ね合わせる。
【0129】次に、図21(d)に示すように、成長基
板10を選択的に溶解する。こうして、突起58a、5
8bに支持された状態で、支持基板16側にフィルタ1
4a、14bが移動される。
【0130】次に、図21(e)に示すように、突起5
8a、58bを選択的に溶解する。突起58a、58b
を選択的に溶解し得る溶解液としては、突起58a、5
8bの材料が例えばシリコン又はガラスの場合には例え
ばフッ酸等を用いることができ、突起58a、58bの
材料が例えばポリマ系の材料の場合には例えばアルカリ
溶液等を用いることができる。この際、接着層60は、
溶解されることなく、フィルタ14a、14bの側面に
残存する。
【0131】次に、図21(f)に示すように、支持基
板16を支持基板25に押し付け、フィルタ14a、1
4bを傾ける。フィルタ14a、14bの側面に接着層
60が残存しているため、傾けられたフィルタ14a、
14bは、接着層60を介して支持基板16に固定され
る。フィルタ14a、14bを構成する誘電体多層膜の
面は、支持基板25の面に対して斜めに設定された状態
となる。
【0132】次に、支持基板16と支持基板25とを互
いに離間する。こうして、支持基板25上にフィルタ1
4a、14bが移動される(図21(g)参照)。
【0133】次に、図22(a)に示すように、成長基
板18上に、フィルタ20a、20bを形成する。
【0134】次に、図22(b)に示すように、突起6
2a、62bが形成された支持基板22を用意する。突
起62a、62bは、図21(a)に示す突起58a、
58bと同様のものである。突起58a、58bの斜め
の面には、接着層64が形成されている。接着層64の
材料としては、例えばシリコン、アクリル、又はエポキ
シ等を用いることができる。
【0135】次に、図22(c)に示すように、成長基
板18上に支持基板22を重ね合わせる。
【0136】次に、図22(d)に示すように、成長基
板18を選択的に溶解する。こうして、突起62a、6
2bに支持された状態で、支持基板22側にフィルタ2
0a、20bが移動される。
【0137】次に、図22(e)に示すように、突起6
2a、62bを選択的に溶解する。
【0138】次に、図22(f)に示すように、支持基
板22を支持基板31に押し付け、フィルタ20a、2
0bを傾ける。
【0139】次に、接着層64を除去するとともに、支
持基板22と支持基板31とを互いに離間する。こうし
て、支持基板31上にフィルタ20a、20bが移動さ
れる(図22(g)参照)。
【0140】こうして支持基板25、31側に移動され
たフィルタ14a、14b、20a、20bは、上記と
同様にして実基板36上に配置される。
【0141】このように本実施形態によれば、支持基板
16、22にフィルタ14a、14b、20a、20b
を支持する突起58a、58bをそれぞれ形成しておく
ため、フィルタ14a、14b、20a、20bの位置
がずれてしまうのを防止することができる。従って、本
実施形態によれば、歩留りを向上することができる。
【0142】また、本実施形態によれば、支持基板1
6、22を支持基板25、31にそれぞれ押し付けるこ
とによりフィルタ14a、14b、20a、20bをそ
れぞれ傾けるので、傾動層を用いることなくフィルタ1
4a、14b、20a、20bを傾けることができる。
従って、本実施形態によれば、工程の簡略化を図ること
ができる。
【0143】[第5実施形態]本発明の第5実施形態に
よる光回路装置を図23を用いて説明する。図23は、
本実施形態による光回路装置を示す断面図である。図1
乃至図22に示す第1乃至第4実施形態による薄膜素子
の配置方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して
説明を省略または簡潔にする。
【0144】本実施形態による光回路装置は、上記実施
形態により配置されたフィルタ14a、20aを用いた
分波器(DEMUX、DEMUltipleXer)であることに主
な特徴がある。
【0145】図23に示すように、実基板36上には、
クラッド層38が形成されている。
【0146】クラッド層38上には、導波路層40が形
成されている。
【0147】導波路層40には、波長λ1の光信号を反
射するフィルタ14aと、波長λ2の光信号を反射する
フィルタ20aとが組み込まれている。フィルタ14
a、20aを構成する誘電体多層膜の面は、実基板36
の面に対して斜めに設定されている。換言すれば、フィ
ルタ14a、20aを構成する誘電体多層膜の成長方位
が、実基板36の面に対して斜めに設定されている。こ
のようにフィルタ14a、20aを配置するためには、
例えば第1、第2又は第4実施形態による薄膜素子の配
置方法を用いることができる。
【0148】導波路層40上及びフィルタ14a、20
a上には、クラッド層52が形成されている。
【0149】こうして本実施形態による光回路装置であ
る分波器が構成されている。
【0150】次に、本実施形態による光回路装置の動作
について図23を用いて説明する。
【0151】図23に示すように、導波路層40内に
は、例えば、波長λ1の光信号と、波長λ2の光信号
と、波長λ3の光信号とが多重化された信号が、導波路
層40の延在方向に沿って紙面右方向に進行するように
なっている。
【0152】導波路層40に沿って進行する多重化され
た光信号のうち、波長λ1の光信号は、フィルタ14a
により選択的に反射される。本実施形態では、フィルタ
14aを構成する誘電体多層膜の面が実基板36の面に
対して斜め、例えば45°に設定されているため、フィ
ルタ14aにより反射された波長λ1の光信号は、実基
板36に対して例えば垂直な方向に進行する。一方、波
長λ2の光信号と波長λ3の光信号は、フィルタ14a
を透過し、導波路層40の延在方向に沿って紙面右方向
に進行する。
【0153】フィルタ14aを透過した波長λ2の光信
号と波長λ3の光信号とのうち、波長λ2の光信号は、
フィルタ20aにより選択的に反射される。本実施形態
では、フィルタ20aを構成する誘電体多層膜の面が実
基板36の面に対して斜め、例えば45°に設定されて
いるため、フィルタ20aにより反射された波長λ2の
光信号は、実基板36の面に対して例えば垂直方向に進
行する。一方、波長λ3の光信号は、フィルタ20aを
透過し、導波路層40の延在方向に沿って紙面右方向に
進行する。
【0154】このように本実施形態によれば、フィルタ
を構成する誘電体多層膜の面が実基板の面に対して斜め
に設定されているため、実基板と平行に進行する光信号
を例えば実基板の面に垂直な方向に分波することができ
る。しかも、本実施形態では、かかるフィルタが薄膜を
用いて構成されているため、微細な分波器を提供するこ
とができる。
【0155】[第6実施形態]本発明の第6実施形態に
よる光回路装置を図24を用いて説明する。図24は、
本実施形態による光回路装置を示す断面図である。図1
乃至図23に示す第1乃至第5実施形態による薄膜素子
の配置方法及び光回路装置と同一の構成要素には、同一
の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0156】本実施形態による光回路装置は、合波器
(MUX、MUltipleXer)であることに主な特徴があ
る。
【0157】図24に示すように、実基板36上には、
クラッド層38が形成されている。
【0158】クラッド層38上には、導波路層40が形
成されている。
【0159】導波路層40には、フィルタ14a、20
aが組み込まれている。フィルタ14a、20aを構成
する誘電体多層膜の面は、図23に示すフィルタ14
a、20aと同様に、実基板36の面に対して斜めに設
定されている。このようにフィルタ14a、20aを配
置するためには、例えば第1、第2又は第4実施形態に
よる薄膜素子の配置方法を用いることができる。
【0160】導波路層40上及びフィルタ14a、20
a上には、クラッド層52が形成されている。
【0161】こうして、本実施形態による光回路装置で
ある合波器が構成されている。
【0162】次に、本実施形態による光回路装置の動作
について図24を用いて説明する。
【0163】図24に示すように、フィルタ14aに
は、実基板36の面に垂直な方向から、波長λ1の光信
号が入射されるようになっている。一方、フィルタ20
aには、実基板36の面に垂直な方向から、波長λ2の
光信号が入射されるようになっている。また、導波路層
40には、導波路層40の延在方向に沿って波長λ3の
光信号が紙面左方向に進行するようになっている。
【0164】フィルタ14aに入射された波長λ1の光
信号は、フィルタ14aにより反射される。本実施形態
では、フィルタ14aを構成する誘電体多層膜の面が実
基板36の面に対して斜め、例えば45°に設定されて
いるため、フィルタ14aにより反射された波長λ1の
光信号は、導波路層40に導入される。導波路層40に
導入された波長λ1の光信号は、紙面左方向に進行す
る。
【0165】フィルタ20aに入射された波長λ2の光
信号は、フィルタ20aにより反射される。本実施形態
では、フィルタ20aを構成する誘電体多層膜の面が実
基板36の面に対して斜め、例えば45°に設定されて
いるため、フィルタ20aにより反射された波長λ2の
光信号は、導波路層40に導入される。導波路層40に
導入された波長λ2の光信号は、フィルタ14aを透過
し、導波路層40の延在方向に沿って紙面左方向に進行
する。
【0166】導波路層40内を進行する波長λ3の光信
号は、フィルタ20a、14aを透過し、導波路層40
の延在方向に沿って紙面左方向に進行する。
【0167】こうして、フィルタ14aに入射される波
長λ1の光信号と、フィルタ20aに入射される波長λ
2の光信号と、導波路層40の紙面右側から導入される
波長λ3の光信号とが多重化される。
【0168】このように本実施形態によれば、フィルタ
を構成する誘電体多層膜の面が実基板の面に対して斜め
に設定されているため、実基板の面に対して例えば垂直
な方向に入射する光信号を、実基板の面に対して平行な
方向に進行させることができる。しかも、本実施形態に
よれば、フィルタが薄膜を用いて構成されているため、
微細な合波器を提供することができる。
【0169】[第7実施形態]本発明の第7実施形態に
よる光回路装置を図25を用いて説明する。図25は、
本実施形態による光回路装置を示す断面図である。図1
乃至図24に示す第1乃至第6実施形態による薄膜素子
の配置方法及び光回路装置と同一の構成要素には、同一
の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0170】本実施形態による光回路装置は、波長スイ
ッチ(wavelength switch)であることに主な特徴があ
る。波長スイッチとは、電圧等によりデバイス材料の屈
折率を変化させ、特定波長の光の光路を切り換えるデバ
イスをいう。
【0171】図25に示すように、実基板36上には、
クラッド層38が形成されている。
【0172】クラッド層38上には、導波路層40が形
成されている。
【0173】導波路層40には、チューナブルフィルタ
(Tunable Filter、波長可変フィルタ)66a、66b
が組み込まれている。チューナブルフィルタ66aは、
多層膜68aと、多層膜68aの両端面に形成された電
極70a、70bとにより構成されている。チューナブ
ルフィルタ66bは、多層膜68bと、多層膜68bの
両端面に形成された電極70c、70dとにより構成さ
れている。電極70a〜70dは、多層膜68a、68
bに所定の電圧を印加することにより、フィルタ特性を
変化させるためのものである。電極70a〜70dに
は、光信号を透過するための開口部が形成されている。
多層膜68a、68bとしては、III−V属化合物半導
体を用いた多重量子井戸(MQW、Multiple Quantum W
ell)や量子ドット(Quantum dot)等の非線形光学材料
を用いることができる。多層膜68a、68bの面は、
実基板36の面に対して斜め、例えば45°に設定され
ている。このように多層膜68a、68bを配置するた
めには、例えば第1、第2又は第4実施形態による薄膜
素子の配置方法を用いることができる。
【0174】導波路層40上及びチューナブルフィルタ
66a、66b上には、クラッド層52が形成されてい
る。
【0175】こうして本実施形態による光回路装置であ
る波長スイッチが構成されている。
【0176】次に、本実施形態による光回路装置の動作
について図25を用いて説明する。図25(a)は、チ
ューナブルフィルタ66aが波長λ2の光信号を反射す
るように設定されており、チューナブルフィルタ66b
がいずれの光信号をも透過するように設定されている状
態を示す断面図である。図25(b)は、チューナブル
フィルタ66aが波長λ1の光信号を反射するように設
定されており、チューナブルフィルタ66bが波長λ2
の光信号を反射するように設定されている状態を示す断
面図である。
【0177】まず、図25(a)に示す状態について説
明する。
【0178】図25(a)に示すように、導波路層40
には、例えば、波長λ1の光信号と、波長λ2の光信号
と、波長λ3の光信号とが多重化された信号が、導波路
層40に沿って紙面右方向に進行するようになってい
る。
【0179】図25(a)に示す状態では、チューナブ
ルフィルタ66aが波長λ2の光信号を反射するように
設定されているため、導波路層40に沿って進行する多
重化された光信号のうち波長λ2の光信号は、チューナ
ブルフィルタ66aにより選択的に反射される。多層膜
68aの面が実基板36の面に対して斜め、例えば45
°に設定されているため、チューナブルフィルタ66a
により反射された波長λ2の光信号は、実基板36の面
に対して例えば垂直な方向に進行する。
【0180】一方、チューナブルフィルタ66bは、い
ずれの光信号をも透過するように設定されている。この
ため、チューナブルフィルタ66aを透過した波長λ1
の光信号及び波長λ3の光信号は、チューナブルフィル
タ66bをも透過し、導波路層40の延在方向に沿って
紙面右方向に進行する。
【0181】次に、図25(b)に示す状態について説
明する。
【0182】図25(b)に示す状態では、チューナブ
ルフィルタ66aが波長λ1の光信号を反射するように
設定されているため、導波路層40に沿って進行する多
重化された光信号のうち、波長λ1の光信号は、チュー
ナブルフィルタ66aにより選択的に反射される。反射
された波長λ1の光信号は、実基板36の面に対して例
えば垂直な方向に進行する。
【0183】一方、チューナブルフィルタ66bは波長
λ2の光信号を反射するように設定されているため、チ
ューナブルフィルタ66aを透過した波長λ2の光信号
及び波長λ3の光信号のうち、波長λ2の光信号は、チ
ューナブルフィルタ66bにより選択的に反射される。
反射された波長λ2の光信号は、実基板36の面に対し
て例えば垂直な方向に進行する。波長λ3の光信号は、
チューナブルフィルタ66bを透過し、導波路層40の
延在方向に沿って紙面右方向に進行する。
【0184】このように、本実施形態によれば、微細な
波長スイッチを提供することができる。
【0185】[第8実施形態]本発明の第8実施形態に
よる光回路装置を図26を用いて説明する。図26は、
本実施形態による光回路装置を示す断面図である。図1
乃至図25に示す第1乃至第7実施形態による薄膜素子
の配置方法及び光回路装置と同一の構成要素には、同一
の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0186】本実施形態による光回路装置は、光スイッ
チ(optical switch)が形成されていることに主な特徴
がある。
【0187】図26に示すように、実基板36上には、
クラッド層38が形成されている。
【0188】クラッド層38上には、導波路層40が形
成されている。
【0189】導波路層40には、光スイッチ72が組み
込まれている。光スイッチ72は、多層膜68cと、多
層膜68cの両端面に形成された電極70e、70fと
により構成されている。電極70e、70fは、多層膜
68cに所定の電圧を印加することにより、光スイッチ
72をオン、オフするためのものである。電極70e、
70fには、光信号を透過するための開口部が形成され
ている。多層膜68cとしては、III−V属化合物半導
体を用いた多重量子井戸や量子ドット等の非線形光学材
料を用いることができる。多層膜68cの面は、実基板
36の面に対して斜め、例えば45°に設定されてい
る。多層膜68cをこのように配置するためには、上述
した薄膜素子の配置方法を用いることができる。
【0190】導波路層40上及び光スイッチ72上に
は、クラッド層52が形成されている。
【0191】こうして本実施形態による光回路装置が構
成されている。
【0192】次に、本実施形態による光回路装置の動作
について図26を用いて説明する。図26(a)は、光
スイッチ72がオフの状態、即ち、光スイッチ72が光
信号を透過するように設定されている状態を示す断面図
である。図26(b)は、光スイッチがオンの状態、即
ち、光スイッチ72が光信号を反射するように設定され
ている状態を示す断面図である。
【0193】まず、図26(a)に示す状態について説
明する。
【0194】図26(a)に示す状態では、光スイッチ
72が光信号を透過するように設定されているため、導
波路層40内に導入された光信号は、光スイッチ72に
より反射されることなく、光スイッチ72を透過し、導
波路層40の延在方向に沿って紙面右方向に進行する。
【0195】次に、図26(b)に示す状態について説
明する。
【0196】図26(b)に示す状態では、光スイッチ
72が光信号を反射するように設定されているため、導
波路層40内に導入された光信号は、光スイッチ72に
より反射される。光スイッチ72により反射された光信
号は、例えば実基板36の面に対して垂直方向に進行す
る。
【0197】このように、本実施形態によれば、微細な
光スイッチを提供することができる。
【0198】[第9実施形態]本発明の第9実施形態に
よる光回路装置を図27を用いて説明する。図27は、
本実施形態による光回路装置を示す平面図である。図1
乃至図26に示す第1乃至第8実施形態による薄膜素子
の配置方法及び光回路装置と同一の構成要素には、同一
の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0199】本実施形態による光回路装置は、実基板の
面と平行な方向に進行する光を、実基板の面と平行な方
向に分岐し得る分波器(DEMUX)であることに主な
特徴がある。
【0200】実基板36上には、図示しないクラッド層
を介して導波路層40が形成されている。
【0201】導波路層40には、波長λ1の光を反射す
るフィルタ14cと、波長λ2の光を反射するフィルタ
20cとが組み込まれている。フィルタ14cを構成す
る誘電体多層膜の面は、導波路層40の延在方向に対し
て斜め、且つ実基板36の面に対して垂直になるように
設定されている。フィルタ14c、20cをこのように
配置するためには、例えば第3実施形態による薄膜素子
の配置方法を用いることができる。
【0202】また、実基板36上には、図示しないクラ
ッド層を介して導波路層40c、40dが形成されてい
る。導波路層40cは、フィルタ14cにより反射され
る光信号を実基板36と平行な方向に導くものであり、
導波路層40dは、フィルタ20cにより反射される光
信号を実基板36と平行な方向に導くものである。
【0203】こうして本実施形態による光回路装置であ
る分波器が構成されている。
【0204】次に、本実施形態による光回路装置の動作
について図27を用いて説明する。
【0205】図27に示すように、導波路層40には、
例えば、波長λ1の光信号と、波長λ2の光信号と、波
長λ3の光信号とが多重化された信号が紙面右方向に進
行するようになっている。
【0206】波長λ1の光信号は、フィルタ14cによ
り選択的に反射される。本実施形態では、フィルタ14
を構成する誘電体多層膜の面が導波路層40の延在方向
に対して斜め、例えば45°に設定されており、且つ、
フィルタ14を構成する誘電体多層膜の面が実基板36
の面に対して垂直になるように設定されているため、フ
ィルタ14cにより反射された波長λ1の光信号は導波
路層40cに導入される。導波路層40cに導入された
波長λ1の光信号は、導波路層40cの延在方向に沿っ
て実基板36の面と平行に進行する。
【0207】波長λ2の光信号は、フィルタ20cによ
り選択的に反射される。本実施形態では、フィルタ20
cを構成する誘電体多層膜の面が導波路層40の延在方
向に対して斜め、例えば45°に設定されており、且
つ、フィルタ20cを構成する誘電体多層膜の面が実基
板36の面に対して垂直になるように設定されているた
め、フィルタ20cにより反射された波長λ2の光信号
は導波路層40dに導入される。導波路層40dに導入
された波長λ2の光信号は、導波路層40dの延在方向
に沿って実基板36の面と平行に進行する。
【0208】波長λ3の光信号は、フィルタ14c、2
0cにより反射されることなく、導波路層40の延在方
向に沿って紙面右方向に進行する。
【0209】このように本実施形態によれば、フィルタ
を構成する誘電体多層膜の面が、導波路の延在方向に対
して斜め、且つ実基板の面に対して垂直になるように設
定されている。従って、本実施形態によれば、実基板の
面と平行な方向に進行する光を、実基板の面と平行な方
向に分岐しうる微細な分波器を提供することができる。
【0210】(変形例)次に、本実施形態による光回路
装置の変形例を図28を用いて説明する。図28は、本
変形例による光回路装置を示す平面図である。
【0211】本変形例による光回路装置は、分岐する導
波路層40e、40fの幅が、フィルタ14c、20c
の近傍でテーパ状に広くなっていることに主な特徴があ
る。
【0212】本変形例では、分岐する導波路層40e、
40fの幅がフィルタ14c、20cの近傍でテーパ状
に広くなっているため、分岐する光の結合効率を向上す
ることができる。
【0213】[第10実施形態]本発明の第10実施形
態による光回路装置を図29を用いて説明する。図29
は、本実施形態による光回路装置を示す平面図である。
図1乃至図28に示す第1乃至第9実施形態による薄膜
素子の配置方法及び光回路装置と同一の構成要素には、
同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0214】本実施形態による光回路装置は、実基板の
面と平行な方向に進行する光を多重化し得る合波器(M
UX)であることに主な特徴がある。
【0215】図29に示すように、実基板36上には、
図示しないクラッド層を介して導波路層40が形成され
ている。導波路層40には、波長λ1の光を反射するフ
ィルタ14cと、波長λ2の光を反射するフィルタ20
cとが組み込まれている。フィルタ14c、20cを構
成する誘電体多層膜の面は、導波路層40の延在方向に
対して斜め、例えば45°に設定されており、且つ、フ
ィルタ14c、20cを構成する誘電体多層膜の面が、
実基板36の面に対して垂直になるように設定されてい
る。フィルタ14c、20cをこのように配置するため
には、例えば第3実施形態による薄膜素子の配置方法を
用いることができる。
【0216】実基板36上には、図示しないクラッド層
を介して、導波路層40c、40dが形成されている。
導波路層40cは、実基板36と平行に進行する例えば
波長λ1の光信号をフィルタ14cを経由して導波路層
40に導くためのものである。導波路層40dは、実基
板36と平行に進行する例えば波長λ2の光信号をフィ
ルタ20cを経由して導波路層40に導くためのもので
ある。
【0217】こうして本実施形態による光回路装置が構
成されている。
【0218】次に、本実施形態による光回路装置の動作
について図29を用いて説明する。
【0219】図29に示すように、フィルタ14cに
は、導波路層40c内を進行する例えば波長λ1の光信
号が入射されるようになっている。また、フィルタ20
cには、導波路層40d内を進行する例えば波長λ2の
光信号が入射されるようになっている。また、導波路層
40には、波長λ3の光信号が紙面左方向に進行するよ
うになっている。
【0220】フィルタ14cに導入された波長λ1の光
信号は、フィルタ14cにより反射される。本実施形態
では、フィルタ14cを構成する誘電体多層膜の面が導
波路層40の延在方向に対して斜め、且つ実基板36の
面に対して垂直に設定されているため、フィルタ14c
により反射された波長λ1の光信号は、導波路層40に
導入される。導波路層40に導入された波長λ1の光信
号は、導波路層40の延在方向に沿って紙面左方向に進
行する。
【0221】フィルタ20cに導入された波長λ2の光
信号は、フィルタ20cにより反射される。本実施形態
では、フィルタ20cを構成する誘電体多層膜の面が導
波路層40の延在方向に対して斜め、且つ実基板36の
面に対して垂直に設定されているため、フィルタ20c
により反射された波長λ2の光信号は、導波路層40に
導入される。導波路層40に導入された波長λ2の光信
号は、フィルタ14cを透過し、導波路層40の延在方
向に沿って紙面左方向に進行する。
【0222】紙面右側から導波路層40に導入される波
長λ3の光信号は、フィルタ20c、14cを透過し、
導波路層40の延在方向に沿って紙面左方向に進行す
る。
【0223】こうして、フィルタ14cに入射される波
長λ1の光信号と、フィルタ20cに入射される波長λ
2の光信号と、導波路層40内を進行する波長λ3の光
信号とが多重化される。
【0224】このように、本実施形態によれば、実基板
の面と平行な方向に進行する光を多重化し得る微細な合
波器を提供することができる。
【0225】(変形例)次に、本実施形態による光回路
装置の変形例を図30を用いて説明する。図30は、本
変形例による光回路装置を示す平面図である。
【0226】本変形例による光回路装置は、分岐する導
波路層40e、40fの幅が、フィルタ14c、20c
の近傍でテーパ状に広くなっていることに主な特徴があ
る。
【0227】本変形例では、導波路層40e、40fの
幅がフィルタ14c、20cの近傍でテーパ状に広くな
っているため、分岐する光の結合効率を向上することが
できる。
【0228】[第11実施形態]本発明の第11実施形
態による光回路装置を図31を用いて説明する。図31
は、本実施形態による光回路装置を示す平面図である。
図1乃至図30に示す第1乃至第10実施形態による薄
膜素子の配置方法及び光回路装置と同一の構成要素に
は、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0229】本実施形態による光回路装置は、実基板の
面と平行な方向に進行する光信号を実基板の面と平行な
方向に分岐し得る波長スイッチであることに主な特徴が
ある。
【0230】図31に示すように、実基板36上には、
図示しないクラッド層を介して導波路層40が形成され
ている。
【0231】導波路層40には、チューナブルフィルタ
66c、66dが組み込まれている。チューナブルフィ
ルタ66cは、多層膜68dと、多層膜68dの両端面
に形成された電極70g、70hとにより構成されてい
る。チューナブルフィルタ66dは、多層膜68eと、
多層膜68eの両端面に形成された電極70h、70i
とにより構成されている。電極70g〜70jは、多層
膜68d、68eに所定の電圧を印加することにより、
フィルタ特性を変化させるためのものである。多層膜6
8d、68eとしては、III−V属化合物半導体を用い
た多重量子井戸や量子ドット等の非線形光学材料を用い
ることができる。多層膜68d、68eの面は、導波路
層40の延在方向に対して斜め、且つ実基板36の面に
対して垂直に設定されている。多層膜68d、68eを
このように配置するためには、上述した薄膜素子の配置
方法を用いることができる。
【0232】こうして本実施形態による光回路装置であ
る波長スイッチが構成されている。
【0233】次に、本実施形態による光回路装置の動作
について図31を用いて説明する。図31(a)は、チ
ューナブルフィルタ66cが波長λ2の光信号を反射す
るように設定されており、チューナブルフィルタ66d
がいずれの光信号をも透過するように設定されている状
態を示す平面図である。図31(b)は、チューナブル
フィルタ66cが波長λ1の光信号を反射するように設
定されており、チューナブルフィルタ66dが波長λ2
の光信号を反射するように設定されている状態を示す平
面図である。
【0234】まず、図31(a)に示す状態について説
明する。
【0235】導波路層40には、例えば、波長λ1の光
信号と、波長λ2の光信号と、波長λ3の光信号とが多
重化された信号が入射されるようになっている。
【0236】図31(a)に示す状態では、チューナブ
ルフィルタ66cが波長λ2の光信号を反射するように
設定されているため、波長λ2の光信号は、チューナブ
ルフィルタ66cにより選択的に反射される。多層膜6
8dの面が導波路層40の延在方向に対して斜め、且つ
実基板36の面に対して垂直に設定されているため、反
射された波長λ2の光信号は、導波路層40cに導入さ
れる。
【0237】チューナブルフィルタ66dはいずれの波
長の光信号をも透過するように設定されているため、波
長λ1の光信号及び波長λ3の光信号は、チューナブル
フィルタ66dを透過し、導波路層40の延在方向に沿
って紙面右方向に進行する。
【0238】次に、図31(b)に示す状態について説
明する。
【0239】図31(b)に示す状態では、チューナブ
ルフィルタ66cが波長λ1の光信号を反射するように
設定されているため、波長λ1の光信号は、チューナブ
ルフィルタ66cにより選択的に反射される。反射され
た波長λ1の光信号は、導波路層40cに導入される。
【0240】また、チューナブルフィルタ66dが波長
λ2の光信号を反射するように設定されているため、波
長λ2の光信号は、チューナブルフィルタ66dにより
選択的に反射される。反射された波長λ2の光信号は、
導波路層40dに導入される。
【0241】波長λ3の光信号は、チューナブルフィル
タ66c、66dを透過し、導波路層40の延在方向に
沿って実基板36の面と平行な方向に進行する。
【0242】このように、本実施形態によれば、実基板
の面と平行な方向に進行する光信号を実基板の面と平行
な方向に分岐し得る波長スイッチを提供することができ
る。
【0243】(変形例)次に、本実施形態による光回路
装置の変形例を図32を用いて説明する。図32は、本
変形例による光回路装置を示す平面図である。図32
(a)は、チューナブルフィルタ66cが波長λ2の光
信号を反射するように設定されており、チューナブルフ
ィルタ66dがいずれの光信号をも透過するように設定
されている状態を示す平面図である。図32(b)は、
チューナブルフィルタ66cが波長λ1の光信号を反射
するように設定されており、チューナブルフィルタ66
dが波長λ2の光信号を反射するように設定されている
状態を示す平面図である。
【0244】本変形例による光回路装置は、分岐する導
波路層40e、40fの幅が、チューナブルフィルタ6
6c、66dの近傍でテーパ状に広くなっていることに
主な特徴がある。
【0245】本変形例では、導波路層40e、40fの
幅がチューナブルフィルタ66c、66dの近傍でテー
パ状に広くなっているため、分岐する光の結合効率を向
上することができる。
【0246】[第12実施形態]本発明の第12実施形
態による光回路装置を図33を用いて説明する。図33
は、本実施形態による光回路装置を示す断面図である。
図1乃至図32に示す第1乃至第11実施形態による薄
膜素子の配置方法及び光回路装置と同一の構成要素に
は、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0247】本実施形態による光回路装置は、実基板の
面と平行な方向に進行する光を実基板の面と平行な方向
に反射し得る光スイッチであることに主な特徴がある。
【0248】図33に示すように、実基板36上には、
図示しないクラッド層を介して導波路層40が形成され
ている。
【0249】導波路層40には、光スイッチ72aが組
み込まれている。光スイッチ72aは、多層膜68f
と、多層膜68fの両端面に形成された電極70k、7
0lとにより構成されている。電極70k、70lは、
多層膜68fに所定の電圧を印加することにより、光ス
イッチ72aをオン、オフするためのものである。多層
膜68fとしては、III−V属化合物半導体を用いた多
重量子井戸や量子ドット等の非線形光学材料を用いるこ
とができる。多層膜68dの面は、導波路層40の延在
方向に対して斜め、且つ実基板36の面に対して垂直に
設定されている。多層膜68fをこのように配置するた
めには、例えば第3実施形態による薄膜素子の配置方法
を用いることができる。
【0250】こうして、本実施形態による光回路装置で
ある光スイッチが構成されている。
【0251】次に、本実施形態による光回路装置の動作
について図33を用いて説明する。図33(a)は、光
スイッチがオフの状態、即ち、光スイッチが光信号を透
過するように設定されている状態を示す平面図である。
図33(b)は、光スイッチがオンの状態、即ち、光ス
イッチが光信号を反射するように設定されている状態を
示す平面図である。
【0252】まず、図33(a)に示す状態について説
明する。
【0253】図33(a)に示す状態では、光スイッチ
72aが光信号を透過するように設定されているため、
導波路層40内に導入された光信号は、光スイッチ72
aにより反射されることなく、光スイッチ72aを透過
し、導波路層40の延在方向に沿って紙面右方向に進行
する。
【0254】次に、図33(b)に示す状態について説
明する。
【0255】図33(b)に示す状態では、光スイッチ
72aが光信号を反射するように設定されているため、
導波路層40内に導入された光信号は、光スイッチ72
aにより反射される。本実施形態では、多層膜68fの
面が導波路層40の延在方向に対して斜め、且つ実基板
36の面に対して垂直に設定されているため、光スイッ
チ72aにより反射された光信号は、導波路層40cの
延在方向に沿って実基板36の面と平行な方向に進行す
る。
【0256】このように、本実施形態によれば、実基板
の面と平行な方向に進行する光を、実基板の面と平行な
方向に反射し得る微細な光スイッチを提供することがで
きる。
【0257】(変形例)次に、本実施形態による光回路
装置の変形例を図34を用いて説明する。図34は、本
変形例による光回路装置を示す平面図である。図34
(a)は、光スイッチがオフの状態、即ち、光スイッチ
が光信号を透過するように設定されている状態を示す平
面図である。図34(b)は、光スイッチがオンの状
態、即ち、光スイッチが光信号を反射するように設定さ
れている状態を示す平面図である。
【0258】本変形例による光回路装置は、反射された
光を導く導波路層40eの幅が、光学スイッチ72aの
近傍でテーパ状に広くなっていることに主な特徴があ
る。
【0259】本変形例では、導波路層40eの幅が光学
スイッチ72aの近傍でテーパ状に広くなっているた
め、光スイッチ72aにより反射される光の結合効率を
向上することができる。
【0260】[第13実施形態]本発明の第13実施形
態による光回路装置を図35を用いて説明する。図35
は、本実施形態による光回路装置を示す平面図である。
図1乃至図34に示す第1乃至第12実施形態による薄
膜素子の配置方法及び光回路装置と同一の構成要素に
は、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0261】本実施形態による光回路装置は、導波路層
40c、40dの端部にミラーが形成された分波器であ
ることに主な特徴がある。
【0262】図35に示すように、導波路層40c、4
0dの端部には、ミラー74a、74bが形成されてい
る。ミラー74a、74bの面は、実基板36の面に対
して斜め、例えば45°に設定されている。このため、
導波路層40c、40d内を進行する光は、ミラー74
a、74bにより反射され、例えば実基板36の面に対
して垂直な方向に進行する。
【0263】こうして本実施形態による光回路装置であ
る分波器が構成されている。
【0264】次に、本実施形態による光回路装置の動作
について図35を用いて説明する。
【0265】図35に示すように、導波路層40には、
波長λ1の光信号と、波長λ2の光信号と、波長λ3の
光信号とが多重化された信号が、紙面右方向に進行する
ようになっている。
【0266】波長λ1の光信号は、フィルタ14cによ
り選択的に反射され、導波路層40cに導入される。導
波路層40cに導入された波長λ1の光信号は、導波路
層40c内を進行し、ミラー74aにより反射される。
ミラー74aの面は、実基板36の面に対して斜めに設
定されているため、ミラー74aにより反射された波長
λ1の光信号は、実基板36の面に対して例えば垂直な
方向に進行する。
【0267】波長λ2の光信号は、フィルタ20cによ
り選択的に反射され、導波路層40dに導入される。導
波路層40dに導入された波長λ2の光信号は、導波路
層40d内を進行し、ミラー74bにより反射される。
ミラー74bの面は、実基板36の面に対して斜めに設
定されているため、ミラー74bにより反射された波長
λ2の光信号は、実基板36の面に対して例えば垂直な
方向に進行する。
【0268】このように、本実施形態によれば、導波路
層40c、40dの端部にミラー74a、74bが設け
られているため、導波路層40c、40bに沿って実基
板36と平行な方向に進行する光信号の進行方向を、実
基板36の面に対して例えば垂直な方向に転換すること
ができる。
【0269】(変形例)次に、本実施形態による光回路
装置の変形例を図36を用いて説明する。図36は、本
変形例による光回路装置を示す平面図である。
【0270】本変形例による光回路装置は、分岐された
光を導く導波路層40e、40fの幅が、フィルタ14
c、20cの近傍でテーパ状に広くなっていることに主
な特徴がある。
【0271】本変形例では、導波路層40e、40fの
幅がフィルタ14c、20cの近傍でテーパ状に広くな
っているため、分岐する光の結合効率を向上することが
できる。
【0272】[第14実施形態]本発明の第14実施形
態による光回路装置を図37を用いて説明する。図37
は、本実施形態による光回路装置を示す平面図である。
図1乃至図36に示す第1乃至第13実施形態による薄
膜素子の配置方法及び光回路装置と同一の構成要素に
は、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0273】本実施形態による光回路装置は、導波路層
40c、40dの端部にミラーが形成された合波器であ
ることに主な特徴がある。
【0274】図37に示すように、導波路層40c、4
0dの端部にはミラー74a、74bが形成されてい
る。ミラー74a、74bの面は、実基板36の面に対
して斜め、例えば45°に設定されている。このため、
実基板36の面に対して例えば垂直な方向からミラー7
4a、74bに入射される光信号は、ミラー74a、7
4bにより反射され、導波路層40c、40dに導入さ
れる。
【0275】このようにして本実施形態による光回路装
置が構成されている。
【0276】次に、本実施形態による光回路装置の動作
を図37を用いて説明する。
【0277】図37に示すように、ミラー74aには、
実基板36の面に対して例えば垂直な方向から、例えば
波長λ1の光信号が入射されるようになっている。ミラ
ー74aに入射された波長λ1の光信号は、ミラー74
aにより反射され、導波路層40c内に導入される。導
波路層40c内に導入された波長λ1の光信号は、フィ
ルタ14cにより反射され、導波路層40内を紙面左方
向に進行する。
【0278】一方、ミラー74bには、実基板36の面
に対して例えば垂直な方向から、例えば波長λ2の光信
号が入射されるようになっている。ミラー74bに入射
された波長λ2の光信号は、ミラー74bにより反射さ
れ、導波路層40d内に導入される。導波路層40d内
に導入された波長λ2の光信号は、フィルタ20cによ
り反射され、導波路層40に導入される。導波路層40
に導入された波長λ2の光信号は、フィルタ14cを透
過し、更に導波路層40内を紙面左方向に進行する。
【0279】また、紙面右側から導波路層40に導入さ
れる波長λ3の光信号は、フィルタ14c、20cを透
過して、紙面左方向に進行する。
【0280】こうして、ミラー74aに入射される波長
λ1の光信号と、ミラー74bに入射される波長λ2の
光信号と、導波路層40に導入される波長λ3の光信号
とが多重化される。
【0281】このように、本実施形態によれば、導波路
層40c、40dにミラーが設けられているため、例え
ば実基板の面と垂直な方向に進行する光信号を、実基板
の面と平行な方向に延在する導波路層40c、40dに
導入することができる。
【0282】(変形例)次に、本実施形態による光回路
装置の変形例を図38を用いて説明する。図38は、本
変形例による光回路装置を示す平面図である。
【0283】本変形例による光回路装置は、導波路層4
0e、40fの幅が、フィルタ14c、20cの近傍で
テーパ状に広くなっていることに主な特徴がある。
【0284】本変形例では、導波路層40e、40fの
幅がフィルタ14c、20cの近傍でテーパ状に広くな
っているため、分岐する光の結合効率を向上することが
できる。
【0285】[第15実施形態]本発明の第15実施形
態による光回路装置を図39を用いて説明する。図39
は、本実施形態による光回路装置を示す平面図である。
図39(a)は、本実施形態による光回路装置を示す平
面図であり、図39(b)は、図39(a)の一部を拡
大した平面図である。図1乃至図38に示す第1乃至第
14実施形態による薄膜素子の配置方法及び光回路装置
と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略
または簡潔にする。
【0286】本実施形態による光回路装置は、フィルタ
を構成する誘電体多層膜の面の法線と導波路層40の延
在方向との為す角が極めて小さく設定されていることに
主な特徴がある。
【0287】実基板36上には、図示しないクラッド層
を介して導波路層40が形成されている。
【0288】導波路層40には、波長λ1の光信号を反
射するフィルタ14eと、波長λ2の光信号を反射する
フィルタ14fと、波長λ3の光信号を反射するフィル
タ14gと、波長λ4の光信号を反射するフィルタ14
hとが組み込まれている。本実施形態では、フィルタ1
4e〜14hを構成する誘電体多層膜を構成する誘電体
多層膜の面の法線の方向と導波路層40の延在方向との
為す角θが例えば2.5°と極めて小さく設定されてお
り、且つフィルタ14e〜14hを構成する誘電体多層
膜の面と実基板36の面との為す角が垂直に設定されて
いる。換言すれば、フィルタ14e〜14hを構成する
誘電体多層膜の成長方位と導波路層40の延在方向との
為す角θが例えば2.5°と極めて小さく設定されてお
り、且つフィルタ14e〜14hを構成する誘電体多層
膜の成長方位と実基板36の面とが平行に設定されてい
る。
【0289】本実施形態で、フィルタ14e〜14hを
構成する誘電体多層膜の面の法線と導波路層40の延在
方向との為す角θを極めて小さく設定しているのは、フ
ィルタ14e〜14hの波長分解能を高く設定するため
である。一般に、フィルタを構成する誘電体多層膜の面
の法線の方向とフィルタに入射する光信号の方向との為
す角θが大きくなると、フィルタの波長分解能は低下す
る傾向にある。このため、本実施形態では、フィルタを
構成する誘電体多層膜の面の法線の方向とフィルタに入
射する光信号の方向との為す角θを小さく設定すること
により、フィルタ14e〜14hの波長分解能を高く設
定している。例えば、本実施形態のように、θを2.5
°と設定した場合には、10nm以下の波長分解能が得
られ、CWDM(Wavelength Division Multiplexing、
波長多重)の仕様を満たすことが可能となる。なお、こ
こではθを2.5°に設定しているが、θの値は必ずし
も2.5°に限定されるものではなく、適宜設定するこ
とができる。
【0290】また、実基板36上には、図示しないクラ
ッド層を介して、導波路層40g〜40jが形成されて
いる。導波路層40gは、フィルタ14eにより反射さ
れる波長λ1の光信号を分岐するためのものであり、導
波路層40hは、フィルタ14fにより反射される波長
λ2の光信号を分岐するためのものである。導波路層4
0iは、フィルタ14gにより反射される波長λ3の光
信号を分岐するためのものであり、導波路層40jは、
フィルタ14hにより反射される波長λ4の光信号を分
岐するためのものである。
【0291】導波路層40g〜40jの端部には、ミラ
ー74c〜74fが形成されている。ミラー74c、7
4d、74e、74fは、導波路層40g、40h、4
0i、40j内をそれぞれ進行する光信号を、実基板3
6の面に対して例えば垂直方向に反射するものである。
【0292】こうして本実施形態による光回路装置であ
る分波器が構成されている。
【0293】次に、本実施形態による光回路装置の動作
を図39を用いて説明する。
【0294】図39に示すように、導波路層40には、
例えば、波長λ1の光信号と、波長λ2の光信号と、波
長λ3の光信号と、波長λ4の光信号とが多重化された
信号が紙面右方向に進行するようになっている。
【0295】波長λ1の光信号は、フィルタ14eによ
り選択的に反射される。本実施形態では、フィルタ14
eを構成する誘電体多層膜の面の法線の方向と導波路層
40の延在方向との為す角θが例えば2.5°と極めて
小さく設定されているため、波長λ1の光信号は高い波
長分解能でフィルタ14eにより反射され、導波路層4
0g内に導入される。導波路層40gに導入された波長
λ1の光信号は、導波路層40g内を進行し、ミラー7
4cにより反射される。ミラー74cの面は、実基板3
6の面に対して斜めに設定されているため、ミラー74
cにより反射された波長λ1の光信号は、実基板36の
面に対して例えば垂直方向に進行する。一方、波長λ2
の光信号と、波長λ3の光信号と、波長λ4の光信号
は、フィルタ14eにより反射されることなくフィルタ
14eを透過し、導波路層40の延在方向に沿って紙面
右側に進行する。
【0296】波長λ2の光信号は、フィルタ14fによ
り選択的に反射される。フィルタ14fも、フィルタ1
4eと同様に、フィルタ14fを構成する誘電体多層膜
の面の法線の方向と導波路層40の延在方向との為す角
θが2.5°と極めて小さく設定されているため、波長
λ2の光信号は、高い波長分解能でフィルタ14eによ
り反射され、導波路層40h内に導入される。導波路層
40h内に導入された波長λ2の光信号は、ミラー74
dにより反射され、実基板36の面に対して例えば垂直
方向に進行する。一方、波長λ3の光信号と、波長λ4
の光信号は、フィルタ14fにより反射されることなく
フィルタ14fを透過し、導波路層40の延在方向に沿
って紙面右方向に進行する。
【0297】波長λ3の光信号は、フィルタ14gによ
り選択的に反射される。フィルタ14gもθが2.5°
と極めて小さく設定されているため、高い分解能で波長
λ3の光信号を反射する。フィルタ14gにより反射さ
れた波長λ3の光信号は、導波路層40i内に導入さ
れ、ミラー74eにより反射され、実基板36の面に対
して例えば垂直方向に進行する。一方、波長λ4の光信
号は、フィルタ14gを透過し、導波路層40の延在方
向に沿って紙面右方向に進行する。
【0298】波長λ4の光信号は、フィルタ14hによ
り反射される。そして、上記と同様にして、導波路層4
0j内に導入され、ミラー74fにより反射され、実基
板36の面に対して例えば垂直方向に進行する。
【0299】このように、本実施形態によれば、フィル
タを構成する誘電体多層膜の面の法線の方向と導波路層
の延在方向との為す角θを極めて小さく設定しているの
で、フィルタの波長分解能を極めて高くすることができ
る。従って、本実施形態によれば、光学的特性のより良
好な光回路装置を提供することができる。
【0300】[第16実施形態]本発明の第16実施形
態による光電子装置を図40を用いて説明する。図40
は、本実施形態による光電子装置を示す平面図である。
図1乃至図39に示す第1乃至第15実施形態による薄
膜素子の配置方法及び光回路装置と同一の構成要素に
は、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0301】本実施形態による光電子装置は、LSIに
分波器(DEMUX)及び合波器(MUX)が設けられ
ていることに主な特徴がある。
【0302】図40に示すように、LSI76上には、
分波器(DEMUX)78及び合波器(MUX)80が
設けられている。
【0303】まず、LSI76について説明する。
【0304】LSI76は、実基板36a上に、図示し
ないトランジスタ等の半導体素子等を集積することによ
り構成されている。実基板36aの材料としては、例え
ばSiやガラス等を用いることができる。
【0305】次に、分波器(DEMUX)78について
説明する。
【0306】分波器78の構成は、図39に示す第15
実施形態による光回路装置と同様である。このため、こ
こでは説明を省略する。
【0307】分波器78のミラー74a〜74dの紙面
鉛直方向には、ミラー74a〜74dにより反射された
光信号を受光する受光素子であるフォトディテクタ(P
D、PhotoDetector)82a〜82dがそれぞれ設けら
れている。
【0308】フォトディテクタ82a〜82dは、導波
路層40g〜40jに分岐された光信号をそれぞれ検出
し、光電変換するためのものである。フォトディテクタ
82a〜82dにより光電変換された信号は、LSI7
6に集積された図示しない電子回路等に入力されるよう
になっている。
【0309】次に、合波器(MUX)80について説明
する。
【0310】合波器80の構成も、図39に示す第15
実施形態による光回路装置と同様である。このため、こ
こでは説明を省略する。但し、光信号の進行する方向が
分光器78の場合と反対である。
【0311】合波器80のミラー74c〜74fの紙面
鉛直方向には、ミラー74c〜74fに向かって光を放
出するVCSEL(Vertical-Cavity Surface-Emitting
Laser、垂直空洞表面放射レーザ)83a〜83dが設
けられている。VCSEL83a〜83dから放出され
る光信号の波長は、それぞれ例えばλ1、λ2、λ3、
λ4に設定されている。VCSEL83a〜83dは、
LSI76に集積された図示しない電子回路により制御
されるようになっている。
【0312】こうして、本実施形態による光電子装置が
構成されている。
【0313】次に、本実施形態による光電子装置の動作
について図40を用いて説明する。
【0314】分波器78の導波路層40には、波長λ1
の光信号と波長λ2の光信号と波長λ3の光信号と波長
λ4の光信号とが多重化された信号が紙面右方向に進行
するようになっている。
【0315】波長λ1の光信号は、フィルタ14eによ
り選択的に反射され、導波路層40g、ミラー74cを
経由して、フォトディテクタ82aにより検出される。
【0316】波長λ2の光信号は、フィルタ14fによ
り選択的に反射され、導波路層40h、ミラー74dを
経由して、フォトディテクタ82bにより検出される。
【0317】波長λ3の光信号は、フィルタ14gによ
り選択的に反射され、導波路層40i、ミラー74eを
経由して、フォトディテクタ82cにより検出される。
【0318】波長λ4の光信号は、フィルタ14hによ
り選択的に反射され、導波路層40j、ミラー74fを
経由して、フォトディテクタ82dにより検出される。
【0319】フォトディテクタ82a〜82dにより検
出された光信号は、それぞれフォトディテクタ82a〜
82dにより光電変換され、図示しない電子回路等に入
力される。
【0320】一方、合波器80に設けられたVCSEL
83a〜83dからは、例えば波長λ1の光信号、λ2
の光信号、λ3の光信号、λ4の光信号がそれぞれ放出
されるようになっている。
【0321】VCSEL83aから放出された波長λ1
の光信号は、ミラー74c、導波路層40g、フィルタ
14eを経由して、導波路層40に導入され、紙面左方
向に進行する。
【0322】VCSEL83bから放出された波長λ2
の光信号は、ミラー74d、導波路層40h、フィルタ
14fを経由して、導波路層40に導入され、紙面左方
向に進行する。
【0323】VCSEL83cから放出された波長λ3
の光信号は、ミラー74e、導波路層40i、フィルタ
14gを経由して、導波路層40に導入され、紙面左方
向に進行する。
【0324】VCSEL83dから放出された波長λ4
の光信号は、ミラー74f、導波路層40j、フィルタ
14hを経由して、導波路層40に導入され、紙面左方
向に進行する。
【0325】VCSEL83a〜83dから放出される
光信号は、このようにして導波路層40内に導入され、
多重化されることとなる。
【0326】このように、本実施形態によれば、LSI
上に合波器や分波器が実装された光電子装置を提供する
ことができる。
【0327】[第17実施形態]本発明の第17実施形
態による光電子装置を図41を用いて説明する。図41
は、本実施形態による光電子装置を示す斜視図である。
図1乃至図40に示す第1乃至第16実施形態による薄
膜素子の配置方法、光回路装置及び光電子装置と同一の
構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡
潔にする。
【0328】本実施形態による光電子装置は、LSIに
合波・分波器(MUX/DEMUX、Multi/Demulti-pl
exer)が3次元的に設けられていることに主な特徴があ
る。
【0329】図41に示すように、LSI76aの実基
板36a上には、合波・分波器84a〜84eが設けら
れている。
【0330】合波・分波器84aは実基板36a上に設
けられており、合波・分波器84bは合波・分波器84
aの上層に設けられており、合波・分波器84cは合波
・分波器84bの上層に設けられている。
【0331】一方、合波・分波器84dは合波・分波器
84cと同一の層に設けられており、合波・分波器84
eは合波・分波器84dの上層に設けられている。
【0332】次に、本実施形態による光電子装置の動作
を図41を用いて説明する。
【0333】図41に示すように、合波・分波器84a
の導波路層40kには、例えば波長λ3の光信号が紙面
右方向に進行するようになっている。合波・分波器84
aの導波路層40内を紙面右方向に進行する波長λ3の
光信号は、フィルタ14gにより反射され、導波路層4
0p、ミラー74gを経由して、合波・分波器84bの
ミラー74hに入射される。
【0334】合波・分波器84bのミラー74hに入射
された波長λ3の光信号は、導波路層40q内を進行
し、フィルタ14gにより反射され、合波・分波器84
bの導波路層40l内に導入されて、紙面左方向に進行
する。
【0335】一方、合波・分波器84cの導波路層40
mには、例えば波長λ1の光信号が紙面右方向に進行
し、波長λ2の光信号が紙面左方向に進行するようにな
っている。
【0336】合波・分波器84cの導波路層40m内を
紙面右方向に進行する多重化された光信号のうち、波長
λ2の光信号は、フィルタ14fにより反射され、導波
路層40s、ミラー74jを経由して、合波・分波器8
4bのミラー74iに入射される。
【0337】合波・分波器84bのミラー74iに入射
された波長λ2の光信号は、導波路層40r内を進行
し、フィルタ14fにより反射され、合波・分波器84
bの導波路層40l内に導入されて、紙面左方向に進行
する。
【0338】こうして、合波・分波器84aの導波路層
40kを紙面右方向に進行する波長λ3の光信号と、合
波・分波器84cの導波路層40mを紙面右方向に進行
する波長λ2の光信号とが、合波・分波器84bの導波
路層40lに導入され、多重化されることとなる。こう
して多重化された光信号は、合波・分波器84bの導波
路層40lの延在方向に沿って紙面左方向に進行する。
【0339】合波・分波器84cの導波路層40m内を
紙面左方向に進行する波長λ1の光信号は、フィルタ1
4fにより反射されることなく、合波・分波器84cの
導波路層40mに沿って紙面左方向に進行する。
【0340】一方、合波・分波器84dの導波路層40
nには、例えば波長λ1の光信号と波長λ2の光信号と
が多重化された信号が紙面右方向に進行するようになっ
ている。
【0341】合波・分波器84dの導波路層40n内を
紙面右方向に進行する多重化された光信号のうち、波長
λ2の光信号は、フィルタ14eにより反射され、導波
路層40t、ミラー74kを経由して、合波・分波器8
4eのミラー74lに入射される。
【0342】合波・分波器84eのミラー74lに入射
された波長λ2の光信号は、導波路層40u内を進行
し、フィルタ14eにより反射され、合波・分波器84
eの導波路層40o内に導入される。
【0343】一方、合波・分波器84eの導波路層40
oには、例えば波長λ3の光信号が、紙面右方向に進行
するようになっている。
【0344】合波・分波器84eの導波路層40o内を
紙面右方向に進行する多重化された光信号のうち、波長
λ3の光信号は、フィルタ14eにより反射されること
なく、合波・分波器の導波路層40oの延在方向に沿っ
て紙面右方向に進行する。
【0345】こうして、合波・分波器84dの導波路層
40nを紙面右方向に進行する波長λ2の光信号と、合
波・分波器84eの導波路層40oを紙面右方向に進行
する波長λ3の光信号とが、合波・分波器84eの導波
路層40o内で多重化されることとなる。こうして多重
化された光信号は、合波・分波器84eの導波路層40
oの延在方向に沿って紙面右方向に進行する。
【0346】一方、合波・分波器84dの導波路層40
n内を紙面右方向に進行する多重化された光信号のう
ち、波長λ1の光信号は、フィルタ14eにより反射さ
れることなく、合波・分波器84dの導波路層40nに
沿って紙面右方向に進行する。
【0347】このように本実施形態によれば、合波・分
波器が3次元的に設けられた光電子装置を提供すること
ができる。
【0348】[変形実施形態]本発明は上記実施形態に
限らず種々の変形が可能である。
【0349】例えば、上記実施形態では、誘電体多層膜
等より成る薄膜素子を配置する場合を例に説明したが、
薄膜素子を構成する膜は誘電体多層膜等に限定されるも
のではなく、あらゆる膜より成る薄膜素子を配置する場
合に適用することができる。また、多層膜のみならず、
単層の膜より成る薄膜素子を配置する場合にも適用する
ことができる。
【0350】また、上記実施形態では、薄膜素子を配置
する場合を例に説明したが、薄膜素子を配置する場合に
限定されるものではなく、一般の薄膜を配置する場合に
も適用することができる。
【0351】また、上記実施形態では、薄膜素子として
フィルタ等を配置する場合を例に説明したが、フィルタ
等を配置する場合に限定されるものではなく、例えば、
光変調器、VCSEL、発光素子、受光素子、フォトデ
ィテクタ、光増幅器、導波路、レンズ、ホログラム、キ
ャパシタ、抵抗器、インダクタ等の薄膜素子を配置する
場合にも適用することができる。
【0352】また、傾動層や解除層の材料は上述した材
料に限定されるものではなく、Si、シリコン酸化膜、
シリコン窒化膜、金属膜、ポリマ等、あらゆる材料を適
宜用いることができる。
【0353】また、第4実施形態では、支持基板16、
22をそれぞれ支持基板25、31に押し付けることに
よりフィルタ14a、14b、20a、20bを傾ける
場合を例に説明したが、MEMS技術を用いてフィルタ
14a、14b、20a、20bを傾けてもよい。
【0354】また、上記実施形態では、フィルタを支持
基板16等に移動する場合を例に説明したが、フィルタ
は支持基板16等のみならず、他のあらゆる支持部材に
移動してもよい。例えば、ブラックワックス(Black Wa
x)等にフィルタを移動してもよい。ブラックワックス
とは、軟化点80℃以下の蝋のことである。
【0355】また、上記実施形態では、成長基板上に形
成したフィルタをELO技術により支持基板を移動した
が、フィルタを成長基板上に形成することなく、支持基
板上に直接形成してもよい。これにより、工程を簡略化
することができる。
【0356】また、第16及び第17実施形態では、L
SI上に合波器、分波器、合波・分波器を設ける場合を
例に説明したが、MCM(Multi Chip Module)等と組
み合わせてもよい。
【0357】(付記1) 薄膜を薄膜の成長方位に対し
て斜めにエッチングすることにより、前記薄膜より成る
薄膜素子を形成する第1の工程と、実基板上に前記薄膜
素子を配置する第2の工程とを有し、前記第2の工程で
は、前記薄膜の成長方位が前記実基板の面に対して斜め
又はほぼ平行になるように、前記薄膜素子を前記実基板
上に配置することを特徴とする薄膜素子の配置方法。
【0358】(付記2) 付記1記載の薄膜素子の配置
方法において、前記第1の工程の後、前記第2の工程の
前に、傾動用基板上に前記薄膜素子を移動する第3の工
程と、前記傾動用基板上で前記薄膜素子を傾ける第4の
工程とを更に有し、前記第2の工程では、前記傾動用基
板から前記実基板に前記薄膜素子を移動することを特徴
とする薄膜素子の配置方法。
【0359】(付記3) 付記2記載の薄膜素子の配置
方法において、前記第3の工程では、前記傾動用基板に
形成された傾動層の端部上に前記薄膜素子を移動し、前
記第4の工程では、前記傾動層の前記端部を前記傾動用
基板の面に対して傾けることにより前記薄膜素子を傾け
ることを特徴とする薄膜素子の配置方法。
【0360】(付記4) 付記3記載の薄膜素子の配置
方法において、前記第4の工程では、前記傾動層の延在
方向とほぼ等しい方向に前記薄膜素子を傾けることを特
徴とする薄膜素子の配置方法。
【0361】(付記5) 付記3記載の薄膜素子の配置
方法において、前記第4の工程では、前記傾動層の延在
方向とほぼ直角な方向に前記薄膜素子を傾けることを特
徴とする薄膜素子の配置方法。
【0362】(付記6) 付記3乃至5のいずれかに記
載の薄膜素子の配置方法において、前記傾動層の端部
は、前記傾動層とエッチング特性が異なる解除層を介し
て前記傾動用基板に固定されており、前記第4の工程で
は、前記解除層を選択的にエッチングすることにより前
記傾動層の端部を前記傾動用基板の面に対して傾けるこ
とを特徴とする薄膜素子の配置方法。
【0363】(付記7) 付記2乃至6のいずれかに記
載の薄膜素子の配置方法において、前記第1の工程で
は、第1の薄膜素子と、前記第1の薄膜素子と異なる第
2の薄膜素子とをそれぞれ別個に形成し、前記第3の工
程では、前記第1の薄膜素子と前記第2の薄膜素子とを
それぞれ別個の傾動用基板上に移動し、前記第4の工程
では、別個の前記傾動用基板を用いて前記第1の薄膜素
子と前記第2の薄膜素子とをそれぞれ傾け、前記第2の
工程では、それぞれ別個の傾動用基板から前記第1の薄
膜素子と前記第2の薄膜素子とを前記実基板に移動する
ことを特徴とする薄膜素子の配置方法。
【0364】(付記8) 付記2乃至6のいずれかに記
載の薄膜素子の配置方法において、前記第1の工程で
は、第1の薄膜素子と、前記第1の薄膜素子と異なる第
2の薄膜素子とをそれぞれ別個に形成し、前記第3の工
程では、前記第1の薄膜素子と前記第2の薄膜素子とを
同一の前記傾動用基板上に移動し、前記第4の工程で
は、前記同一の傾動用基板を用いて前記第1の薄膜素子
と前記第2の薄膜素子とを傾け、前記第2の工程では、
前記同一の傾動用基板から前記第1の薄膜素子と前記第
2の薄膜素子とを前記実基板に移動することを特徴とす
る薄膜素子の配置方法。
【0365】(付記9) 付記1記載の薄膜素子の配置
方法において、前記第1の工程の後、前記第2の工程の
前に、前記薄膜素子を第1の支持基板に移動する第3の
工程と、前記第1の支持基板を前記第1の支持基板と異
なる第2の支持基板に押し付けることにより前記薄膜素
子を傾けつつ前記薄膜素子を前記第2の支持基板に移動
する第4の工程とを更に有し、前記第2の工程では、前
記第2の支持基板から前記実基板に前記薄膜素子を移動
することを特徴とする薄膜素子の配置方法。
【0366】(付記10) 付記9記載の薄膜素子の配
置方法において、前記第3の工程では、前記薄膜素子を
支持する突起が形成された前記第1の支持基板に前記薄
膜素子を移動し、前記第4の工程の前に、前記突起を選
択的にエッチングする工程を更に有することを特徴とす
る薄膜素子の配置方法。
【0367】(付記11) 請求項9又は10記載の薄
膜素子の配置方法において、前記第1の工程では、第1
の薄膜素子と、前記第1の薄膜素子と異なる第2の薄膜
素子とをそれぞれ別個に形成し、前記第3の工程では、
前記第1の薄膜素子と前記第2の薄膜素子とをそれぞれ
別個の第1の支持基板上に移動し、前記第2の工程で
は、それぞれ別個の前記第1の支持基板から前記第1の
薄膜素子と前記第2の薄膜素子とを前記実基板に移動す
ることを特徴とする薄膜素子の配置方法。
【0368】(付記12) 請求項9又は10記載の薄
膜素子の配置方法において、前記第1の工程では、第1
の薄膜素子と、前記第1の薄膜素子と異なる第2の薄膜
素子とをそれぞれ別個に形成し、前記第3の工程では、
前記第1の薄膜素子と前記第2の薄膜素子とを同一の前
記第1の支持基板上に移動し、前記第2の工程では、前
記同一の前記第1の支持基板から前記第1の薄膜素子と
前記第2の薄膜素子とを前記実基板に移動することを特
徴とする薄膜素子の配置方法。
【0369】(付記13) 基板上に配置された薄膜素
子を有する光回路装置であって、前記薄膜素子に用いら
れている薄膜の成長方位が、前記基板の面に対して斜め
又はほぼ平行になっていることを特徴とする光回路装
置。
【0370】(付記14) 付記13記載の光回路装置
において、前記基板上に形成され、前記薄膜素子に光学
的に結合する導波路層を更に有し、前記薄膜の成長方位
が、前記導波路層の延在方向に対して斜めになっている
ことを特徴とする光回路装置。
【0371】(付記15) 付記14記載の光回路装置
において、前記基板上に形成され、前記薄膜素子に光学
的に結合する中継導波路層を更に有し、前記薄膜の成長
方位が、前記基板の面に対してほぼ平行になっているこ
とを特徴とする光回路装置。
【0372】(付記16) 付記15記載の光回路装置
において、前記中継導波路層の端部にミラーが形成され
ていることを特徴とする光回路装置。
【0373】(付記17) 付記15又は16記載の光
回路装置において、前記中継導波路層に光学的に結合す
る受光素子又は発光素子を更に有することを特徴とする
光回路装置。
【0374】(付記18) 付記14乃至17のいずれ
かに記載の光回路装置において、前記導波路層を複数有
し、前記複数の導波路層が互いに光学的に結合されてい
ることを特徴とする光回路装置。
【0375】(付記19) 付記13乃至18のいずれ
か1項に記載の光回路装置において、前記薄膜素子は、
フィルタ、チューナブルフィルタ、又は光スイッチであ
ることを特徴とする光回路装置。
【0376】(付記20) 基板上に配置された薄膜素
子を有する光電子装置であって、前記薄膜素子に用いら
れている薄膜の成長方位が、前記基板の面に対して斜め
又はほぼ平行になっていることを特徴とする光電子装
置。
【0377】(付記21) 薄膜を薄膜の成長方位に対
して斜めにエッチングする第1の工程と、基板上に前記
薄膜を配置する第2の工程とを有し、前記第2の工程で
は、前記薄膜の成長方位が前記基板の面に対して斜め又
はほぼ平行になるように、前記薄膜を前記基板上に配置
することを特徴とする薄膜の配置方法。
【0378】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、誘電体多
層膜を斜角柱状にエッチングすることによりフィルタを
形成し、こうして形成されたフィルタをMEMS技術を
用いて傾けるため、フィルタを構成する誘電体多層膜の
面を実基板の面に対して斜めに設定することができる。
【0379】また、本発明によれば、フィルタを構成す
る誘電体多層膜の面を実基板の面に対して斜め設定する
ことができるため、導波路層に沿って進行する光を実基
板の面に対して例えば垂直方向に分光することができ、
また、実基板の面に対して例えば垂直な方向からフィル
タに入射される光を導波路層内に導入することができ
る。しかも、本発明によれば、フィルタが薄膜を用いて
構成されているため、光回路装置の微細化を図ることが
できる。
【0380】また、本発明によれば、波長λ1のフィル
タと波長λ2のフィルタとを同一の傾動用基板に移動
し、同一の傾動用基板により波長λ1のフィルタと波長
λ2のフィルタとを一括して傾けるため、別個の傾動用
基板を用いて波長λ1のフィルタと波長λ2のフィルタ
とをそれぞれ別個に傾ける場合と比べて、工程を簡略化
することができ、また、コストダウンを図ることができ
る。
【0381】また、本発明によれば、同一の傾動用基板
において傾けられた波長λ1のフィルタと波長λ2のフ
ィルタとを一括して実基板側に移動することができるた
め、別個の傾動用基板から波長λ1のフィルタと波長λ
2のフィルタとをそれぞれ別個の工程で移動する場合と
比べて、工程を簡略化することができる。
【0382】また、本発明によれば、フィルタを傾動層
上に載置する際に、フィルタの傾いている方向と傾動層
の延在方向との為す角が直角になるように設定するた
め、フィルタを傾動層上に倒すと、傾動層上に倒された
フィルタを構成する誘電体多層膜の面が傾動用基板の面
に対して垂直となり、また、傾動層上に倒されたフィル
タの延在方向が傾動層の延在方向に対して斜めとなる。
このため、本発明によれば、フィルタを構成する誘電体
多層膜の面を実基板の面に対して垂直に設定することが
でき、導波路の延在方向に対して斜めに設定することが
できる。従って、本発明によれば、実基板の面と平行な
方向に進行する光信号を、実基板の面と平行な方向に分
光することができる。
【0383】また、本発明によれば、支持基板にフィル
タを支持する突起をそれぞれ形成しておくため、フィル
タの位置がずれてしまうのを防止することができる。従
って、本発明によれば、歩留りを向上することができ
る。
【0384】また、本発明によれば、支持基板を支持基
板にそれぞれ押し付けることによりフィルタをそれぞれ
傾けるため、傾動層を用いることなくフィルタを傾ける
ことができる。従って、本発明によれば、工程の簡略化
を図ることができる。
【0385】また、本発明によれば、フィルタを構成す
る誘電体多層膜の面が実基板の面に対して斜めに設定さ
れているため、実基板と平行に進行する光信号を例えば
実基板の面に垂直な方向に分波することができる。しか
も、本発明では、かかるフィルタが薄膜を用いて構成さ
れているため、微細な分波器を提供することができる。
【0386】また、本発明によれば、フィルタを構成す
る誘電体多層膜の面が実基板の面に対して斜めに設定さ
れているため、実基板の面に対して例えば垂直な方向に
入射する光信号を、実基板の面に対して平行な方向に進
行させることができる。しかも、本発明によれば、フィ
ルタが薄膜を用いて構成されているため、微細な合波器
を提供することができる。
【0387】また、本発明によれば、多層膜の面が実基
板の面に対して斜めに設定されているため、微細な波長
スイッチや光スイッチを提供することができる。
【0388】また、本発明によれば、フィルタを構成す
る誘電体多層膜の面が、導波路の延在方向に対して斜
め、且つ実基板の面に対して垂直になるように設定する
ことができるため、実基板の面と平行な方向に進行する
光を、実基板の面と平行な方向に分岐しうる微細な分波
器を提供することができる。
【0389】また、本発明によれば、フィルタを構成す
る誘電体多層膜の面が、導波路の延在方向に対して斜
め、且つ実基板の面に対して垂直になるように設定する
ことができるため、実基板の面と平行な方向に進行する
光を多重化し得る微細な合波器を提供することができ
る。
【0390】また、本発明によれば、多層膜の面が、導
波路の延在方向に対して斜め、且つ実基板の面に対して
垂直になるように設定することができるため、実基板の
面と平行な方向に進行する光信号を実基板の面と平行な
方向に分岐し得る波長スイッチを提供することができ
る。
【0391】また、本発明によれば、多層膜の面が、導
波路の延在方向に対して斜め、且つ実基板の面に対して
垂直になるように設定することができるため、実基板の
面と平行な方向に進行する光を、実基板の面と平行な方
向に反射し得る微細な光スイッチを提供することができ
る。
【0392】また、本発明によれば、導波路層の端部に
ミラーが設けられているため、導波路層に沿って実基板
と平行な方向に進行する光信号の進行方向を、実基板の
面に対して例えば垂直な方向に転換することができる。
【0393】また、本発明によれば、導波路層の端部に
ミラーが設けられているため、例えば実基板の面と垂直
な方向に進行する光信号を、実基板の面と平行な方向に
延在する導波路層に導入することができる。
【0394】また、本発明によれば、フィルタを構成す
る誘電体多層膜の面の法線の方向と導波路層の延在方向
との為す角を極めて小さく設定しているので、フィルタ
の波長分解能を極めて高くすることができる。従って、
本発明によれば、光学的特性のより良好な光回路装置を
提供することができる。
【0395】また、本発明によれば、LSI上に合波器
や分波器が実装された光電子装置や、合波・分波器が3
次元的に設けられた光電子装置を提供することもでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による薄膜素子の配置方
法を示す工程図(その1)である。
【図2】本発明の第1実施形態による薄膜素子の配置方
法を示す工程図(その2)である。
【図3】本発明の第1実施形態による薄膜素子の配置方
法を示す工程図(その3)である。
【図4】本発明の第1実施形態による薄膜素子の配置方
法を示す工程図(その4)である。
【図5】本発明の第1実施形態による薄膜素子の配置方
法を示す工程図(その5)である。
【図6】本発明の第1実施形態による薄膜素子の配置方
法を示す工程図(その6)である。
【図7】本発明の第1実施形態の変形例による薄膜素子
の配置方法を示す工程断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態による薄膜素子の配置方
法を示す工程図(その1)である。
【図9】本発明の第2実施形態による薄膜素子の配置方
法を示す工程図(その2)である。
【図10】本発明の第2実施形態による薄膜素子の配置
方法を示す工程図(その3)である。
【図11】本発明の第2実施形態による薄膜素子の配置
方法を示す工程図(その4)である。
【図12】本発明の第2実施形態による薄膜素子の配置
方法を示す工程図(その5)である。
【図13】本発明の第3実施形態による薄膜素子の配置
方法を示す工程図(その1)である。
【図14】本発明の第3実施形態による薄膜素子の配置
方法を示す工程図(その2)である。
【図15】本発明の第3実施形態による薄膜素子の配置
方法を示す工程図(その3)である。
【図16】本発明の第3実施形態による薄膜素子の配置
方法を示す工程図(その4)である。
【図17】本発明の第3実施形態による薄膜素子の配置
方法を示す工程図(その5)である。
【図18】本発明の第3実施形態の変形例(その1)に
よる薄膜素子の配置方法を示す図である。
【図19】本発明の第3実施形態の変形例(その2)に
よる薄膜素子の配置方法を示す図である。
【図20】本発明の第3実施形態の変形例(その3)に
よる薄膜素子の配置方法を示す図である。
【図21】本発明の第4実施形態による薄膜素子の配置
方法を示す工程断面図(その1)である。
【図22】本発明の第4実施形態による薄膜素子の配置
方法を示す工程断面図(その2)である。
【図23】本発明の第5実施形態による光回路装置を示
す断面図である。
【図24】本発明の第6実施形態による光回路装置を示
す断面図である。
【図25】本発明の第7実施形態による光回路装置を示
す断面図である。
【図26】本発明の第8実施形態による光回路装置を示
す断面図である。
【図27】本発明の第9実施形態による光回路装置を示
す平面図である。
【図28】本発明の第9実施形態の変形例による光回路
装置を示す平面図である。
【図29】本発明の第10実施形態による光回路装置を
示す平面図である。
【図30】本発明の第10実施形態の変形例による光回
路装置を示す平面図である。
【図31】本発明の第11実施形態による光回路装置を
示す平面図である。
【図32】本発明の第11実施形態の変形例による光回
路装置を示す平面図である。
【図33】本発明の第12実施形態による光回路装置を
示す断面図である。
【図34】本発明の第12実施形態の変形例による光回
路装置を示す平面図である。
【図35】本発明の第13実施形態による光回路装置を
示す平面図である。
【図36】本発明の第13実施形態の変形例による光回
路装置を示す平面図である。
【図37】本発明の第14実施形態による光回路装置を
示す平面図である。
【図38】本発明の第14実施形態の変形例による光回
路装置を示す平面図である。
【図39】本発明の第15実施形態による光回路装置を
示す平面図である。
【図40】本発明の第16実施形態による光電子装置を
示す平面図である。
【図41】本発明の第17実施形態による光電子装置を
示す斜視図である。
【符号の説明】
10…成長基板 14…誘電体多層膜 14a〜14h…フィルタ 16…支持基板 18…成長基板 20…誘電体多層膜 20a〜20d…フィルタ 22…支持基板 24、24a…傾動用基板 25…支持基板 26、26a…解除層 28、28a…傾動層 30…傾動用基板 31…支持基板 32…解除層 34…傾動層 36、36a…基板 38…クラッド層 40、40a〜40u…導波路層 42…エッチングストッパ膜 44…エッチングストッパ膜 46…支持基板 48…支持基板 50…接着層 52…クラッド層 54…接着層 56…停止層 58a、58b…突起 60…接着層 62a、62b…突起 64…接着層 66a〜66d…チューナブルフィルタ 68a〜68f…多層膜 70a〜70l…電極 72、72a…光スイッチ 74a〜74l…ミラー 76…LSI 78…分波器 80…合波器 82a〜82d…フォトディテクタ 83a〜83d…VCSEL 84a〜84d…合波・分波器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/313 G02B 6/12 B M Fターム(参考) 2H047 KA04 KA11 KA13 LA09 LA12 LA18 MA07 NA08 RA08 TA44 2H048 GA01 GA04 GA33 GA60 GA62 2K002 AB04 BA06 CA13 DA02 FA29 HA02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜を薄膜の成長方位に対して斜めにエ
    ッチングすることにより、前記薄膜より成る薄膜素子を
    形成する第1の工程と、 実基板上に前記薄膜素子を配置する第2の工程とを有
    し、 前記第2の工程では、前記薄膜の成長方位が前記実基板
    の面に対して斜め又はほぼ平行になるように、前記薄膜
    素子を前記実基板上に配置することを特徴とする薄膜素
    子の配置方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の薄膜素子の配置方法にお
    いて、 前記第1の工程の後、前記第2の工程の前に、傾動用基
    板上に前記薄膜素子を移動する第3の工程と、前記傾動
    用基板上で前記薄膜素子を傾ける第4の工程とを更に有
    し、 前記第2の工程では、前記傾動用基板から前記実基板に
    前記薄膜素子を移動することを特徴とする薄膜素子の配
    置方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の薄膜素子の配置方法にお
    いて、 前記第3の工程では、前記傾動用基板に形成された傾動
    層の端部上に前記薄膜素子を移動し、 前記第4の工程では、前記傾動層の前記端部を前記傾動
    用基板の面に対して傾けることにより前記薄膜素子を傾
    けることを特徴とする薄膜素子の配置方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の薄膜素子の配置方法にお
    いて、 前記傾動層の端部は、前記傾動層とエッチング特性が異
    なる解除層を介して前記傾動用基板に固定されており、 前記第4の工程では、前記解除層を選択的にエッチング
    することにより前記傾動層の端部を前記傾動用基板の面
    に対して傾けることを特徴とする薄膜素子の配置方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の薄膜素子の配置方法にお
    いて、 前記第1の工程の後、前記第2の工程の前に、前記薄膜
    素子を第1の支持基板に移動する第3の工程と、前記第
    1の支持基板を前記第1の支持基板と異なる第2の支持
    基板に押し付けることにより前記薄膜素子を傾けつつ前
    記薄膜素子を前記第2の支持基板に移動する第4の工程
    とを更に有し、 前記第2の工程では、前記第2の支持基板から前記実基
    板に前記薄膜素子を移動することを特徴とする薄膜素子
    の配置方法。
  6. 【請求項6】 基板上に配置された薄膜素子を有する光
    回路装置であって、 前記薄膜素子に用いられている薄膜の成長方位が、前記
    基板の面に対して斜め又はほぼ平行になっていることを
    特徴とする光回路装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の光回路装置において、 前記基板上に形成され、前記薄膜素子に光学的に結合す
    る導波路層を更に有し、 前記薄膜の成長方位が、前記導波路層の延在方向に対し
    て斜めになっていることを特徴とする光回路装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の光回路装置において、 前記基板上に形成され、前記薄膜素子に光学的に結合す
    る中継導波路層を更に有し、 前記薄膜の成長方位が、前記基板の面に対してほぼ平行
    になっていることを特徴とする光回路装置。
  9. 【請求項9】 請求項6乃至8のいずれか1項に記載の
    光回路装置において、 前記薄膜素子は、フィルタ、チューナブルフィルタ、又
    は光スイッチであることを特徴とする光回路装置。
  10. 【請求項10】 基板上に配置された薄膜素子を有する
    光電子装置であって、 前記薄膜素子に用いられている薄膜の成長方位が、前記
    基板の面に対して斜め又はほぼ平行になっていることを
    特徴とする光電子装置。
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