JP4678687B2 - カーボンナノ構造物の製造方法及び同製造装置 - Google Patents

カーボンナノ構造物の製造方法及び同製造装置 Download PDF

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Description

本発明はカーボンナノチューブやカーボンナノコイル等のカーボンナノ構造物成長用触媒、カーボンナノ構造物の製造方法、その製造に用いる原料ガス、キャリアガス及びそれらの混合ガス、及びカーボンナノ構造物製造装置に関する。殊に、原料ガスを反応室に供給して、反応室に配置された触媒によりカーボンナノ構造物を成長させる場合に、キャリアガス中及び/又は原料ガス中に酸化性ガスを添加することにより、連続的に成長するカーボンナノ構造物を高効率に合成する製造方法、それに用いる製造用ガス及び製造装置に関する。
本発明のカーボンナノ構造物とは炭素原子から構成されるナノサイズの物質であり、例えば、カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブにビーズが形成されたビーズ付カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブが多数林立したカーボンナノブラシ、カーボンナノチューブが捩れを有したカーボンナノツイスト、コイル状のカーボンナノコイルなどである。以下では、これら多数の炭素物質をカーボンナノ構造物と総称する。
これらのカーボンナノ構造物を製造する方法として、炭化水素などの原料ガスを分解して目的物質を成長させる化学的気相成長法(CVD法、Chemical Vapor Deposition)、また触媒を利用して目的物質を成長させる触媒化学的気相成長法(CCVD法、Catalyst Chemical Vapor Deposition)が知られている。このCCVD法はCVD法の一形態に過ぎない。
本発明は前記CVD法によりカーボンナノ構造物を製造する方法に関連している。このCVD法とは、反応容器内で原料ガスを分解して目的物質を成長させる方法を総称しており、その分解手段には熱、電子ビーム、レーザービーム、イオンビームなど各種の分解手段が包含される。
従来、CVD法でカーボンナノ構造物を製造するには、反応室に原料ガスとキャリアガスの混合ガスを導入し、触媒により原料ガスを分解して触媒表面にカーボンナノ構造物を成長させる製造方法が採用されている。
この種の製造方法を用いた製造装置の一つに原料吹き付け式カーボンナノ構造物合成装置がある。このカーボンナノ構造物合成装置は、例えば、特許文献1に示されているように、触媒体を内部に配置した反応室にキャリアガスとともに、原料ガスを供給して、触媒体の表面にカーボンナノ構造物を成長させるように構成されている。反応室の中に原料ガスを導入する原料ガスノズルのノズル先端が触媒体表面の近傍に配設され、予熱されたカーボン原料ガスを瞬時に大量に触媒表面に集中的に吹き付け、または吹き込むことによって、原料ガスと触媒表面との接触確率を飛躍的に高めることにより、高効率にカーボンナノ構造物を製造することができる。
非特許文献2では、原料ガス流量の初期揺らぎなく瞬時に必要量の原料ガスを供給することで、高効率でカーボンナノ構造物の成長を実現したが、カーボンナノ構造物の成長時間が極めて短時間の合成の部分に決定的な悪影響を与えることは本発明者等の研究により既に明らかになっている。更に、カーボンナノ構造物の成長機構を、カーボンナノ構造物が初期に急速に成長する第1段階、比較的ゆっくり連続的に成長する第2段階があることが記載されている。
図21は、上記原料吹き付け式カーボンナノ構造物合成装置において、原料ガスの供給時における原料ガス流量の初期揺らぎ時間や立上り時間を無くしたカーボンナノ構造物合成装置の概略構成図である。
キャリアガス容器100から送出されるHe等のキャリアガスはレギュレータ101により減圧された後、マスフローコントローラなどのキャリアガス流量制御器102により所定流量に調整され、キャリアガスバルブ103調整により必要なタイミングで供給される。
他方、原料ガス容器109から送出されるC等の原料ガスはレギュレータ110により減圧された後、マスフローコントローラなどの酸素流量制御器111により所定流量に調整され、原料ガスバルブ114調整により必要なタイミングで供給される。
キャリアガスと原料ガスは合流部107において混合され、ガス供給ノズル115から反応室104の中に噴出される。原料ガスは触媒体105と反応し、触媒体105の表面にカーボンナノ構造物106が合成され、不要なガスはガス排出管108から外部に放出される。原料ガスは合流部107に至るまでに、キャリアガス容器100から別の供給経路を通じて送出されるキャリアガスと予め混合される。この混合量はキャリアガス流量制御器112及びキャリアガスバルブ113により調整される。
図21のカーボンナノ構造物合成装置によれば、原料ガス流量の初期揺らぎなく瞬時に必要量の原料ガスを供給することにより、カーボンナノ構造物106の高効率成長を実現することができる。
なお、本発明は、以下に述べるように、良質のカーボンナノ構造物の製造に好適な触媒に関するものを含むが、本発明者らの一部により、カーボンナノ構造物の成長過程における触媒の物性変動については非特許文献1により開示されている。
特開2004−182573号公報 Kenji Nishimura,Nobuharu Okazaki,Lujin Pan, and Yoshikazu Nakayama,Japanese Journal of Applied Physics,Vol.43, No.4A, 2004, pp.L471−L474 末金 皇, 長坂岳志, 野坂俊紀, 中山喜萬, 応用物理,第73巻, 第5号
しかしながら、上記カーボンナノ構造物合成装置においても、カーボンナノ構造物の長さに再現性が悪いことに起因した歩留まりの低下や、突如カーボンナノ構造物が成長しない等と共に、カーボンナノ構造物の成長がある程度の範囲で止まるために、カーボンナノ構造物の長さを自由に制御することが困難である問題点があった。
そこで、本発明者らは、カーボンナノ構造物の成長機構を、カーボンナノ構造物が成長する直前の触媒の状態、カーボンナノ構造物が初期に急速に成長する第1成長機構、比較的ゆっくりと連続的に成長する第2成長機構の3つの成長過程に分解して、それぞれの過程における成長条件を明確にし、カーボンナノ構造物の長さを制御しつつ高効率な成長を制御する可能性を探った。
カーボンナノ構造物のCVD成長プロセスを分解すると、図22に示すように、シリコン基板の準備工程に始まり、基板への触媒成膜工程、触媒の昇温工程(触媒粒子の粒子化と酸化工程)、急速な成長工程(第1成長機構)、緩慢な連続的成長工程(第2成長機構)に整理することができる。
カーボンナノ構造物の成長過程において、カーボンナノ構造物の第1レイヤーの中に触媒微粒子が存在することが判明している。前記昇温工程における触媒の微粒子化と酸化工程では、触媒微粒子は粒状の酸化物を形成し、原料ガスとの接触による炭化物形成を行いながら、その表面にカーボンナノ構造物を形成していくが、その前段階においてグラファイトレイヤーが形成される。触媒表面の酸化物結晶と相互作用が比較的緩やかであるために、このグラファイトレイヤーは触媒表面に拡散して、カーボンナノ構造物が成長していくことが判明している。
このとき、触媒微粒子径は昇温工程の過程で必要以上に大きくなり過ぎたり、必要以上に酸化されすぎることにより良質のカーボンナノ構造物の形成が困難になる。
図23は、上記カーボンナノ構造物合成装置を用いて本発明者らにより測定された、急速な成長と緩慢な成長についての測定例(原料ガス:濃度6%のアセチレン)であり、原料ガスの添加開始以降の反応時間とカーボンナノ構造物(CNT:カーボンナノチューブ)の成長長さとの関係を示す。この測定例から、反応開始より60秒程度までの期間T1において急速にCNTの長さが成長するのに対して、60秒以降の期間T2においては反応時間に対して成長速度が緩慢になっていることがわかる。
図24の(24A)と(24B)は、CVD反応時間2分と30分のCNTのラマン(Raman)スペクトルを示す。図24の(24C)及び(24D)は、CVD反応時間2分と30分のCNTのSEM(走査型電子顕微鏡)写真を示す。これらを比較すると、2分後のCNTは、Gバンド(band)に対するDバンドの比率は1.5とGバンドのスペクトルが多い。一方、30分後のCNTは、同比率が0.85になり、Dバンドのスペクトルが増加しており、アモルファス状のカーボンの比率が多いことがわかる。これは、緩慢な成長速度に移行した後においては、拡散速度よりも原料供給速度が高いために、十分反応しきれないカーボン構造物表面やカーボンが触媒上に堆積していることに起因する。
適当な条件で生成した酸化物触媒に接触した原料ガスは、瞬時に触媒を還元し炭化物を生成する反応が主となり、短時間で触媒粒子の周りにグラファイトの層を形成し、触媒が保持しうる活性が持続しうる限りカーボンナノ構造物が急速に成長する。しかしながら、第1段階の急速な成長が鈍化すると、触媒表面に余分になったカーボン分が堆積し、原料ガスと活性な触媒表面の接触を妨げるために触媒表面の炭素分の拡散律速となり緩慢な成長となり遂には、成長が終了することが判明している。
従って、本発明は、触媒の昇温工程から緩慢な連続的成長工程至る過程において、雰囲気ガス(キャリアガス)や原料ガス中の微量成分(例えば、酸素、水分、DMF、アセトン(ジメチルホルムアミド)の濃度を制御して、カーボンナノ構造物の連続的成長メカニズムを最適化でき、高品質のカーボンナノ構造物を製造することのできるカーボンナノ構造物の製造方法、同製造に用いるカーボンナノ構造物成長用触媒、同製造用原料ガスとキャリアガス及び同製造装置を提供するものである。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、以下の第1〜第39の形態を有する。
まず、本発明の完成に至る経緯を詳述する。非特許文献1には、ヘリウムガス雰囲気中における鉄触媒が、室温からカーボンナノ構造物成長温度(700℃)に至る過程で、鉄元素状態からマグネタイト(Fe)状態を経て、700℃ではヘマタイト(Fe)等の酸化鉄状態に相転移することが示されている。この先行技術情報を踏まえ、本発明者らは、キャリアガスと原料ガスを反応室に供給してカーボンナノ構造物を製造する製造方法に用いる好適な鉄触媒物性について鋭意検討した結果、キャリアガスを供給しながら触媒を反応温度まで昇温する過程において、触媒が強く酸化していると触媒粒子の流動化する温度が高く、所定の温度での粒子化が起こらない現象がみられるという知見を得た。
図1の(1A)〜(1C)は、それぞれ、鉄元素からなる触媒、その触媒を加熱酸化して得られるマグネタイト、更に加熱酸化して得られるヘマタイトのAFM像(原子間力顕微鏡像)を示す。(1B)のマグネタイトの粒子径が(1C)のヘマタイトの粒子径より小さいことがわかる。従って、雰囲気ガス中に酸素、水分などの触媒酸化を促進する成分が多く含まれている場合には、粒子化過程において酸化が過度に進むことにより粒子径の肥大が起こり、カーボンナノ構造物が生成する確率が低下することになる。
また、酸化されていない金属状態の触媒によるカーボンナノ構造物成長実験によれば、カーボンナノ構造物が生成する確率が低下する現象がみられる。これは、酸化していない金属状態では、カーボンナノ構造物形成の核となる触媒粒子のサイズが数十nm程度で極めて微細で不安定であるため、反応温度である700℃より低い温度において流動化・凝集し粒子化過程での粒子径が大きくなることによるものと考えられる。
所定の温度で十分に長い時間をかけてアニールを行った触媒によるカーボンナノ構造物成長実験によれば、カーボンナノ構造物が生成しない現象が見られる。これは、昇温時に触媒の1次結晶粒子は昇温によって凝集を起こし、2次結晶粒子径が数十〜数百nm以上になった場合にはカーボンナノ構造物の形成の確率が極めて低下するものと考えられる。
以上の実験及び考察により、初期段階では強く酸化されていない触媒金属が、雰囲気ガス中に含まれる微量成分である酸素もしくは水分の存在により適度な酸化を受けながら所定の温度で微粒子化することが、良質なカーボンナノ構造物の高効率形成の制御要素になるという結論を得た。
なお、上記の粒子化過程が適度な粒子径を形成しても、上述のように、原料ガス供給過程において揺らぎや、原料ガス濃度の緩慢な立ち上がりがあると、カーボンナノ構造物の生成確率の低下を招く。これは揺らぎに対しては、カーボンナノ構造物が結晶成長であるが故に、圧力と温度に大きく影響を受けるために他ならない。また、初期の緩慢な立ち上がりについては、第1段階の急速な成長時において、触媒に必要十分なカーボン源ガス量が、不足することにより十分な長さのカーボンナノ構造物の成長とならない現象が見られる。従って、本発明により制御されたカーボンナノ構造物の高効率形成の安定化に、圧力の揺らぎのない原料供給形態や原料ガスを効率的に触媒に接触させる手段を使用するのが好ましい。
次に、カーボンナノ構造物の成長過程における触媒酸化の有効性について検証した。上述のように、触媒が適度な酸化を受けながら微粒子化した後、原料ガス供給過程において揺らぎや、原料ガス濃度の緩慢な立ち上がりをなくして、十分な原料ガスが触媒に接触することにより第1成長段階の急激なカーボンナノ構造物の成長は達成される。即ち、通常の状況では、触媒粒子へのカーボンの堆積により原料ガスとの接触が妨げられるために、カーボンの表面拡散律速によりゆっくりとした第2成長段階へ移行する。第2成長段階に移行した時に、触媒表面に堆積したカーボンを原料ガス中に適度な濃度の酸素もしくは水分あるいはカーボンの酸化機能のあるアセトン、DMFなどが存在することにより、触媒表面に堆積するカーボンの酸化により炭酸ガスの生成と拡散により触媒表面と原料ガスの接触が達成される。従って、連続的に成長するカーボンナノ構造物の高効率な形成において、触媒表面に堆積するカーボンの酸化を行うことが重要な制御要素となるという結論を得た。
本発明は上記結論に基づきなされたものであり、本発明の第1の形態は、原料ガスが供給される反応室に配置され、前記原料ガスを前記反応室に流通させながらカーボンナノ構造物を成長させる触媒において、少なくともマグネタイトを有する触媒である。
本発明の第2の形態は、前記第1の形態において、前記マグネタイトが、前記反応室において前記カーボンナノ構造物を成長させる出発触媒として用いられる触媒である。
本発明の第3の形態は、キャリアガスと原料ガスを反応室に供給し、前記原料ガスを前記反応室に流通させながら、前記反応室に配置された触媒によりカーボンナノ構造物を成長させるカーボンナノ構造物の製造方法において、鉄元素からなる触媒を前記反応室に予め配置し、前記原料ガスを供給して前記反応室に流通させる前に、前記キャリアガスとともに酸化性ガスを前記反応室に供給し、前記触媒をマグネタイトに転化するマグネタイト転化工程を有するカーボンナノ構造物の製造方法である。
本発明の第4の形態は、前記第3の形態において、前記マグネタイト転化工程の前に、還元性ガスを前記反応室に供給し、前記反応室に配置された前記触媒の酸化鉄成分を還元する触媒初期化工程を有するカーボンナノ構造物の製造方法である。
本発明の第5の形態は、前記第3又は4の形態において、前記マグネタイト転化工程の後、前記原料ガス及び前記キャリアガスとともに酸化性ガスを前記反応室に供給するカーボンナノ構造物成長工程を有するカーボンナノ構造物の製造方法である。
本発明の第6の形態は、前記第3、4又は5の形態において、前記酸化性ガスが、水、酸素、アセトン、アルコール、DMF(ジメチルホルムアミド)、CO、CO、O又はHのうち少なくとも1つ以上からなるカーボンナノ構造物の製造方法である。
本発明の第7の形態は、酸化性ガスが予め混入されたことを特徴とするカーボンナノ構造物製造用原料ガスである。
本発明の第8の形態は、前記第7の形態において、前記酸化性ガスが、0.05ppm〜3%の範囲で混入された水分であるカーボンナノ構造物製造用原料ガスである。
本発明の第9の形態は、前記第7の形態において、前記酸化性ガスが、0.01ppb〜1%の範囲で混入された酸素であるカーボンナノ構造物製造用原料ガスである。
本発明の第10の形態は、前記第7の形態において、前記酸化性ガスが、0.1ppm〜5%の範囲で混入されたCOであるカーボンナノ構造物製造用原料ガスである。
本発明の第11の形態は、前記第7の形態において、前記酸化性ガスが、0.1ppm〜5%の範囲で混入されたCOであるカーボンナノ構造物製造用原料ガスである。
本発明の第12の形態は、前記第7の形態において、前記酸化性ガスが、0.1ppb〜1%の範囲で混入されたOであるカーボンナノ構造物製造用原料ガスである。
本発明の第13の形態は、前記第7の形態において、前記酸化性ガスが、0.1ppb〜1%の範囲で混入されたHであるカーボンナノ構造物製造用原料ガスである。
本発明の第14の形態は、前記第7の形態において、前記酸化性ガスが、1ppm〜10%の範囲で混入されたアセトンであるカーボンナノ構造物製造用原料ガスである。
本発明の第15の形態は、前記第7の形態において、前記酸化性ガスが、1ppm〜10%の範囲で混入されたアルコールであるカーボンナノ構造物製造用原料ガスである。
本発明の第16の形態は、前記第7の形態において、前記酸化性ガスが、0.01〜0.5%の範囲で混入されたDMFであるカーボンナノ構造物製造用原料ガスである。
本発明の第17の形態は、前記第7〜16の形態において、1ppm以下の還元性成分を含むカーボンナノ構造物製造用原料ガスである。
本発明の第18の形態は、酸化性ガスが予め混入されたカーボンナノ構造物製造用キャリアガスである。
本発明の第19の形態は、前記第18の形態において、前記酸化性ガスが、0.05ppm〜3%の範囲で混入された水分であるカーボンナノ構造物製造用キャリアガスである。
本発明の第20の形態は、前記第18の形態において、前記酸化性ガスが、0.01ppb〜1%の範囲で混入された酸素であるカーボンナノ構造物製造用キャリアガスである。
本発明の第21の形態は、カーボンナノ構造物製造用原料ガスと、キャリアガスと、酸化性ガスが予め混合されたカーボンナノ構造物製造用混合ガスである。
本発明の第22の形態は、前記第21の形態において、前記酸化性ガスが、0.05ppm〜3%の範囲で混入された水分であるカーボンナノ構造物製造用混合ガスである。
本発明の第23の形態は、前記第21の形態において、前記酸化性ガスが、0.01ppb〜1%の範囲で混入された酸素であるカーボンナノ構造物製造用混合ガスである。
本発明の第24の形態は、前記第21、22又は23の形態において、1ppm以下の還元性成分を含むカーボンナノ構造物製造用混合ガスである。
本発明の第25の形態は、原料ガスを反応室に供給し、前記原料ガスを前記反応室に流通させながら、前記反応室に配置された触媒によりカーボンナノ構造物を成長させるカーボンナノ構造物の製造方法において、鉄元素からなる触媒を前記反応室に予め配置し、前記原料ガスを、水を除く酸化性ガスとともに前記反応室に供給するカーボンナノ構造物の製造方法である。
本発明の第26の形態は、前記第25の形態において、前記酸化性ガスが、酸素、アセトン、アルコール、DMF(ジメチルホルムアミド)、CO、CO、O又はHのうち少なくとも1つ以上からなるカーボンナノ構造物の製造方法である。
本発明の第27の形態は、原料ガスを反応室に供給し、前記原料ガスを前記反応室に流通させながら、前記反応室に配置された触媒によりカーボンナノ構造物を成長させるカーボンナノ構造物の製造方法において、鉄元素からなる触媒を前記反応室に予め配置し、前記原料ガスを、酸化性ガスとともに前記反応室に供給し、前記原料ガスに対する、前記酸化性ガス成分中の酸素の割合を、カーボンナノ構造物の成長過程において可変制御するカーボンナノ構造物の製造方法である。
本発明の第28の形態は、前記第27の形態において、前記原料ガスの供給濃度を可変して前記割合の可変制御を行うカーボンナノ構造物の製造方法である。
本発明の第29の形態は、前記第27の形態において、前記酸化性ガスの供給濃度を可変して前記割合の可変制御を行うカーボンナノ構造物の製造方法である。
本発明の第30の形態は、前記第27、28又は29の形態において、前記酸化性ガスが、水、酸素、アセトン、アルコール、DMF(ジメチルホルムアミド)、CO、CO、O又はHのうち少なくとも1つ以上からなるからなるカーボンナノ構造物の製造方法である。
本発明の第31の形態は、原料ガスを反応室に供給する原料ガス供給手段と、前記反応室に予め配置される、鉄元素からなる触媒とを具備し、前記原料ガス供給手段により前記原料ガスを供給して前記反応室に流通させながら、前記触媒によりカーボンナノ構造物を成長させるカーボンナノ構造物の製造装置であって、キャリアガスを前記反応室に供給するキャリアガス供給手段と、酸化性ガスを前記反応室に供給する酸化性ガス供給手段とを設け、前記原料ガスを供給して前記反応室に流通させる前に、前記キャリアガス供給手段及び前記酸化性ガス供給手段により前記キャリアガスとともに酸化性ガスを前記反応室に供給し、前記触媒をマグネタイトに転化するカーボンナノ構造物の製造装置である。
本発明の第32の形態は、前記第31の形態において、前記反応室における前記マグネタイトに対して、前記原料ガス及び酸化性ガスを流通させるカーボンナノ構造物の製造装置である。
本発明の第33の形態は、前記第31又は32の形態において、前記酸化性ガスが、水、酸素、アセトン、アルコール、DMF(ジメチルホルムアミド)、CO、CO、O又はHのうち少なくとも1つ以上からなるカーボンナノ構造物の製造装置である。
本発明の第34の形態は、前記第31、32又は33の形態において、還元性ガスを前記反応室に供給する還元性ガス供給手段を有し、前記触媒のマグネタイト転化の前に、前記還元性ガス供給手段により前記還元性ガスを前記反応室に供給し、前記反応室に配置された前記触媒の酸化鉄成分を還元するカーボンナノ構造物の製造装置である。
本発明の第35の形態は、原料ガスを反応室に供給する原料ガス供給手段と、前記反応室に予め配置される、鉄元素からなる触媒と、水を除く酸化性ガスを前記反応室に供給する酸化性ガス供給手段とを具備し、前記原料ガス供給手段により前記原料ガスを前記反応室に供給するとともに前記酸化性ガス供給手段により前記酸化性ガスを前記反応室に供給して、前記原料ガス及び前記酸化性ガスを前記反応室に流通させながら、前記触媒によりカーボンナノ構造物を成長させるカーボンナノ構造物の製造装置である。
本発明の第36の形態は、原料ガスを反応室に供給する原料ガス供給手段と、前記反応室に予め配置される、鉄元素からなる触媒と、酸化性ガスを前記反応室に供給する酸化性ガス供給手段と、前記原料ガス供給手段により前記反応室に供給される前記原料ガスに対する、前記酸化性ガス供給手段により前記反応室に供給される前記酸化性ガス成分中の酸素の割合を可変制御する酸素割合制御手段とを具備し、前記原料ガス供給手段により前記原料ガスを前記反応室に供給するとともに前記酸化性ガス供給手段により前記酸化性ガスを前記反応室に供給して、前記原料ガス及び前記酸化性ガスを前記反応室に流通させながら、前記触媒によりカーボンナノ構造物を成長させる成長過程において、前記原料ガスに対する、前記酸化性ガス成分中の酸素の割合を、前記酸素割合制御手段により可変制御するカーボンナノ構造物の製造装置である。
本発明の第37の形態は、前記第36の形態において、前記酸素割合制御手段が、前記原料ガスの供給濃度を可変して前記割合の可変制御を行うカーボンナノ構造物の製造装置である。
本発明の第38の形態は、前記第36の形態において、前記酸素割合制御手段が、前記酸化性ガスの供給濃度を可変して前記割合の可変制御を行うカーボンナノ構造物の製造装置である。
本発明の第39の形態は、前記第36、37又は38の形態において、前記酸化性ガスが、水、酸素、アセトン、アルコール、DMF(ジメチルホルムアミド)、CO、CO、O又はHのうち少なくとも1つ以上からなるカーボンナノ構造物の製造装置である。
本発明の第1の形態に係るカーボンナノ構造物成長用触媒によれば、少なくともマグネタイトを有するので、マグネタイトの鉄酸化と微粒子性の作用により良質のカーボンナノ構造物を成長させることができる。
本発明の第2の形態に係るカーボンナノ構造物成長用触媒によれば、前記マグネタイトが、前記反応室において前記カーボンナノ構造物を成長させる出発触媒として用いられることにより、急速な成長工程における良質のカーボンナノ構造物の連続的成長が可能となる。
本発明の第3の形態によれば、鉄元素からなる触媒を前記反応室に予め配置し、前記原料ガスを供給して前記反応室に流通させる前に、前記キャリアガスとともに酸化性ガスを前記反応室に供給し、前記触媒をマグネタイトに転化するマグネタイト転化工程を有するので、マグネタイトに転化した触媒により良質のカーボンナノ構造物の連続的製造が可能となる。
本形態及び後述の形態における酸化性ガスとは、触媒である鉄元素に酸素原子を結合させる酸化作用を有するガスを称し、分子式中に酸素原子を含有して酸素原子を触媒鉄に直接的に付与する酸素含有ガスだけでなく、他の物質成分から酸素原子を抜き出して触媒鉄に間接的に付与するガスを含み、結果的に触媒鉄を酸化させる全ての酸化性ガスを包含する。
本発明の第4の形態によれば、前記マグネタイト転化工程の前に、還元性ガスを前記反応室に供給し、前記反応室に配置された前記触媒の酸化鉄成分を還元する触媒初期化工程を有するので、マグネタイト転化前に自然酸化された触媒を前期還元性ガスにより初期化しておくことにより、触媒の酸化度合いを安定的に制御でき、カーボンナノ構造物の成長のばらつきをなくし、成長カーボンナノ構造物の良質化を実現することができる。
本発明の第5の形態によれば、前記マグネタイト転化工程の後、前記原料ガス及び前記キャリアガスとともに酸化性ガスを前記反応室に供給するカーボンナノ構造物成長工程を有するので、緩慢な連続的成長工程において原料ガスから過剰なカーボン成分が供給されても、前記酸化性ガスの供給により触媒酸化と微粒子化が促進されて触媒作用が低下することなく、良質のカーボンナノ構造物を連続的に成長させることができる。
本発明の第6の形態によれば、前記第3〜5の形態において、水、酸素、アセトン、アルコール、DMF(ジメチルホルムアミド)、CO、CO、O又はHのうち少なくとも1つ以上からなる前記酸化性ガスを用いることにより、触媒の酸化処理を低価格に行え、良質のカーボンナノ構造物を安価に製造することができる。
なお、本発明における酸化性ガスには分子式中に酸素を含む酸化性ガスを使用でき、本形態で列挙した酸化性ガス以外の酸化性ガスを用いてもよい。
本発明の第7の形態に係るカーボンナノ構造物製造用原料ガスによれば、酸化性ガスが予め混入されているため、原料ガスとは別に酸化性ガスを前記反応室に供給する供給機構を必要とせずに、原料ガスと同時に酸化性ガスの供給を行え、良質のカーボンナノ構造物の成長制御を簡易かつ安価に行うことができる。
本発明の第8〜16のいずれかの形態によれば、各形態において、0.05ppm〜3%の範囲で混入された水分、0.01ppb〜1%の範囲で混入された酸素、0.1ppm〜5%の範囲で混入されたCO、0.1ppm〜5%の範囲で混入されたCO、0.1ppb〜1%の範囲で混入されたO、0.1ppb〜1%の範囲で混入されたH、1ppm〜10%の範囲で混入されたアセトン、1ppm〜10%の範囲で混入されたアルコール、0.01〜0.5%の範囲で混入されたDMFである前記酸化性ガスを含むカーボンナノ構造物製造用原料ガスを用いて良質のカーボンナノ構造物の成長制御を簡易かつ安価に行うことができる。
なお、本発明における酸化性ガスの混入割合(濃度)は、反応室に供給する原料ガス及び/又はキャリアガスとの混合体積比であり、下記の発明の形態のうちガス混入割合形態においても同様である。
原料ガス中の水分、酸素、CO、CO、O、H、アセトン、アルコール、DMFなどの混合濃度は、当然ながらカーボンナノ構造物の成長速度に合わせたカーボン源ガスの濃度によって触媒上に堆積するカーボンが酸化するのに必要十分な量にあわせることが必要である。
本発明の第17の形態に係るカーボンナノ構造物製造用原料ガスによれば、前記第8〜16の形態において、1ppm以下の還元性成分を含むので、カーボンナノ構造物成長過程における触媒の過剰酸化を抑制して、成長制御をより精密に行うことができる。
本発明の第18の形態に係るカーボンナノ構造物製造用キャリアガスによれば、酸化性ガスが予め混入されているため、原料ガスとは別に酸化性ガスを前記反応室に供給する供給機構を必要とせずに、キャリアガス供給時に酸化性ガスの供給を行え、良質のカーボンナノ構造物の成長制御を簡易かつ安価に行うことができる。
本発明の第19又は20の形態によれば、それぞれ、0.05ppm〜3%の範囲で混入された水分、0.01ppb〜1%の範囲で混入された酸素である前記酸化性ガスを含むカーボンナノ構造物製造用キャリアガスを用いて良質のカーボンナノ構造物の成長制御を簡易かつ安価に行うことができる。
本発明の第21の形態に係るカーボンナノ構造物製造用混合ガスによれば、カーボンナノ構造物製造用原料ガスと、キャリアガスと、酸化性ガスが予め混合されているので、原料ガスとは別に酸化性ガスを前記反応室に供給する供給機構を必要とせずに、原料ガス及びキャリアガス供給時に酸化性ガスの供給を行え、良質のカーボンナノ構造物の成長制御を簡易かつ安価に行うことができる。
本発明の第22又は23の形態によれば、それぞれ、0.05ppm〜3%の範囲で混入された水分、0.01ppb〜1%の範囲で混入された酸素である前記酸化性ガスを含むカーボンナノ構造物製造用混合ガスを用いて良質のカーボンナノ構造物の成長制御を簡易かつ安価に行うことができる。
本発明の第24の形態に係るカーボンナノ構造物製造用混合ガスによれば、前記第21〜23の形態において、1ppm以下の還元性成分を含むので、カーボンナノ構造物成長過程における触媒の過剰酸化を抑制して、成長制御をより精密に行うことができる。
本発明の第25の形態によれば、鉄元素からなる触媒を前記反応室に予め配置し、前記原料ガスを、水を除く酸化性ガスとともに前記反応室に供給するので、触媒酸化を行いながら良質のカーボンナノ構造物を製造することができる。特に、本形態においては、水の使用は精製のためのバブリング処理を施したりする手間を要するうえに、高温の反応室内壁に付着しやすく、その付着水分がカーボンナノ構造物の成長に影響を与えるおそれが大きいため、本発明の第26の形態に列挙したように、水を除く酸化性ガスを使用することにより、製造工程の簡素化を実現することができる。
本発明の第26の形態によれば、前記第25の形態において、酸素、アセトン、アルコール、DMF(ジメチルホルムアミド)、CO、CO、O又はHのうち少なくとも1つ以上からなる前記酸化性ガスを用いることにより、触媒の酸化処理を低価格に行え、良質のカーボンナノ構造物を安価に製造することができる。
本発明の第27の形態によれば、鉄元素からなる触媒を前記反応室に予め配置し、前記原料ガスを、酸化性ガスとともに前記反応室に供給し、前記原料ガスに対する、前記酸化性ガス成分中の酸素の割合を、カーボンナノ構造物の成長過程において可変制御するので、触媒酸化と微粒子化を微調整して、良質のカーボンナノ構造物製造を高精度に行うことができる。
本発明の第28の形態によれば、前記第27の形態において、前記原料ガスの供給濃度を可変して前記割合の可変制御を行うので、触媒酸化と微粒子化を微調整して、良質のカーボンナノ構造物製造を高精度に行うことができる。
本発明の第29の形態によれば、前記第27の形態において、前記酸化性ガスの供給濃度を可変して前記割合の可変制御を行うので、触媒酸化と微粒子化を微調整して、良質のカーボンナノ構造物製造を高精度に行うことができる。
本発明の第30の形態によれば、前記第27、28又は29の形態において、水、酸素、アセトン、アルコール、DMF(ジメチルホルムアミド)、CO、CO、O又はHのうち少なくとも1つ以上からなる前記酸化性ガスを用いることにより、触媒酸化と微粒子化を微調整して、良質のカーボンナノ構造物製造を高精度に行え、しかも触媒の酸化処理を低価格に行え、良質のカーボンナノ構造物を安価に製造することができる。
本発明の第31の形態に係るカーボンナノ構造物の製造装置によれば、キャリアガスを前記反応室に供給するキャリアガス供給手段と、酸化性ガスを前記反応室に供給する酸化性ガス供給手段とを設け、前記原料ガスを供給して前記反応室に流通させる前に、前記キャリアガス供給手段及び前記酸化性ガス供給手段により前記キャリアガスとともに酸化性ガスを前記反応室に供給し、前記触媒をマグネタイトに転化するので、マグネタイトに転化した触媒により良質のカーボンナノ構造物の連続的製造を行うことができる。
本発明の第32の形態によれば、前記第31の形態において、前記反応室における前記マグネタイトに対して、前記原料ガス及び酸化性ガスを流通させるので、緩慢な連続的成長工程において原料ガスから過剰なカーボン成分が供給されても、前記酸化性ガスの流通により触媒酸化と微粒子化が促進されて触媒作用が低下することなく、良質のカーボンナノ構造物を連続的に成長させ、製造することができる。
本発明の第33の形態によれば、前記第31又は32の形態において、水、酸素、アセトン、アルコール、DMF(ジメチルホルムアミド)、CO、CO、O又はHのうち少なくとも1つ以上からなる前記酸化性ガスを用いることにより、触媒酸化と微粒子化を微調整して、良質のカーボンナノ構造物製造を高精度に行え、しかも触媒の酸化処理を低価格に行え、良質のカーボンナノ構造物を安価に製造できるカーボンナノ構造物の製造装置の提供が可能となる。
本発明の第34の形態によれば、前記第31、32又は33の形態において、還元性ガスを前記反応室に供給する還元性ガス供給手段を有し、前記触媒のマグネタイト転化の前に、前記還元性ガス供給手段により前記還元性ガスを前記反応室に供給し、前記反応室に配置された前記触媒の酸化鉄成分を還元するので、マグネタイト転化前に自然酸化された触媒を前期還元性ガスにより初期化して、触媒の酸化度合いを安定的に制御でき、カーボンナノ構造物の成長のばらつきをなくし、良質のカーボンナノ構造物の製造を行えるカーボンナノ構造物の製造装置の提供が可能となる。
本発明の第35の形態によれば、原料ガスを反応室に供給する原料ガス供給手段と、前記反応室に予め配置される、鉄元素からなる触媒と、水を除く酸化性ガスを前記反応室に供給する酸化性ガス供給手段とを具備し、前記原料ガス供給手段により前記原料ガスを前記反応室に供給するとともに前記酸化性ガス供給手段により前記酸化性ガスを前記反応室に供給して、前記原料ガス及び前記酸化性ガスを前記反応室に流通させながら、前記触媒によりカーボンナノ構造物を成長させるので、触媒酸化を行いながら良質のカーボンナノ構造物を製造することができるカーボンナノ構造物の製造装置の提供が可能となる。しかも水を除く酸化性ガスを使用することにより、製造装置の簡素化を実現することができる。
本発明の第36の形態によれば、原料ガスを反応室に供給する原料ガス供給手段と、前記反応室に予め配置される、鉄元素からなる触媒と、酸化性ガスを前記反応室に供給する酸化性ガス供給手段と、前記原料ガス供給手段により前記反応室に供給される前記原料ガスに対する、前記酸化性ガス供給手段により前記反応室に供給される前記酸化性ガス成分中の酸素の割合を可変制御する酸素割合制御手段とを具備し、前記原料ガス供給手段により前記原料ガスを前記反応室に供給するとともに前記酸化性ガス供給手段により前記酸化性ガスを前記反応室に供給して、前記原料ガス及び前記酸化性ガスを前記反応室に流通させながら、前記触媒によりカーボンナノ構造物を成長させる成長過程において、前記原料ガスに対する、触媒酸化と微粒子化を微調整して、良質のカーボンナノ構造物製造を高精度に行うことができるカーボンナノ構造物の製造装置の提供が可能となる。
本発明の第37の形態によれば、前記第36の形態において、前記酸素割合制御手段が、前記原料ガスの供給濃度を可変して前記割合の可変制御を行うので、触媒酸化と微粒子化を微調整して、良質のカーボンナノ構造物製造を高精度に行うことができるカーボンナノ構造物の製造装置の提供が可能となる。
本発明の第38の形態によれば、前記第36の形態において、前記酸素割合制御手段が、前記酸化性ガスの供給濃度を可変して前記割合の可変制御を行うので、触媒酸化と微粒子化を微調整して、良質のカーボンナノ構造物製造を高精度に行うことができるカーボンナノ構造物の製造装置の提供が可能となる。
本発明の第39の形態によれば、前記第36、37又は38の形態において、水、酸素、アセトン、アルコール、DMF(ジメチルホルムアミド)、CO、CO、O又はHのうち少なくとも1つ以上からなる前記酸化性ガスを用いることにより、触媒酸化と微粒子化を微調整して、良質のカーボンナノ構造物製造を高精度に行え、しかも触媒の酸化処理を低価格に行え、良質のカーボンナノ構造物を安価に製造できるカーボンナノ構造物の製造装置の提供が可能となる。
以下に、本発明に係る連続的に成長するカーボンナノ構造物の高効率製造方法及び製造用ガス及び製造用ガス供給装置を備えたカーボンナノ構造物製造装置の実施形態を図面に従って詳細に説明する。
図2は本発明の実施形態に係るカーボンナノ構造物高効率合成装置の概略構成図である。この高効率合成装置は、CCVD法を使用してカーボンナノ構造物を製造するカーボンナノ構造物製造装置である。反応室4は反応ヒータ1により加熱され、この反応室4に触媒体6が配置される。この触媒体6の表面にカーボンナノ構造物2が触媒化学気相成長法により成長し、この実施形態では、カーボンナノ構造物2としてのカーボンナノチューブが図示されている。
触媒体6は触媒を表面に形成した基体であり、その基体の形状は基板、多層基板、筒体、多面体、ペレット、粉体など種々の形態がある。また、使用される触媒は鉄元素からなる。
反応室4の一端にはガス排出管路3が連通されており、ガス排出管路3に連結する流路には開閉バルブ5、7を介してキャリアガス容器(図示せず)に接続されている。キャリアガスとしては、ヘリウムHeとアルゴンArの混合ガスが使用される。キャリアガスには、ヘリウム、アルゴン以外にネオン、N、CO2、クリプトン、キセノンなどの不活性ガスまたはその混合ガスが利用される。キャリアガスは原料ガスを搬送するガスで、原料ガスが反応により消耗されるのに対し、キャリアガスは全く無反応で消耗しない特徴がある。
原料ガス容器(図示せず)から原料ガスが、反応室4の他端に設けた原料ガス流入路9を通じて反応室4に供給され、原料ガス容器の原料ガスはレギュレータ(図示せず)により所定圧力まで低圧化される。低圧化された原料ガスはマスフローコントローラ(MFC)からなる原料ガス流量制御器8により所定流量に調節される。原料ガス流量制御器8は原料ガス流入路9に連通する流入路に設けられており、電磁三方弁10、12及び開閉バルブ11を介して原料ガスが供給される。キャリアガスは前記キャリアガス容器から供給され、ガス流量制御器22、23が設けられた2系統の流路を通じて、後述のように、原料ガス流入路9に合流するようにキャリアガスが供給される。
原料ガスとしては、炭化水素のみならず硫黄含有有機ガス、リン含有有機ガスなどの有機ガスが広く利用され、特定構造のカーボンナノ構造物の生成に好適な有機ガスが選択される。また、有機ガスの中でも余分な物質を生成しない意味で炭化水素が好適である。
炭化水素としては、メタン、エタンなどのアルカン化合物、エチレン、ブタジエンなどのアルケン化合物、アセチレンなどのアルキン化合物、ベンゼン、トルエン、スチレンなどのアリール炭化水素化合物、インデン、ナフタリン、フェナントレンなどの縮合環を有する芳香族炭化水素、シクロプロパン、シクロヘキサンなどのシクロパラフィン化合物、シクロペンテンなどのシクロオレフィン化合物、ステロイドなどの縮合環を有する脂環式炭化水素化合物などが利用できる。また、以上の炭化水素化合物を2種以上混合した混合炭化水素ガスを使用することも可能である。特に、望ましくは炭化水素の中でも低分子、例えば、アセチレン、アリレン、エチレン、ベンゼン、トルエンなどが好適である。
本実施形態に係るカーボンナノ構造物製造装置は、反応室4に予め鉄元素からなる触媒体6が配置され、原料ガスを供給して反応室4に流通させながら、触媒体6によりカーボンナノ構造物を成長させるカーボンナノ構造物の製造装置であり、原料ガスを供給して反応室4に流通させる前に、キャリアガスとともに酸化性ガスが反応室4に供給され、触媒体6をマグネタイトに転化させるようにしている。また、触媒体6によるカーボンナノ構造物の成長過程においても、原料ガス及び酸化性ガスを反応室4に流通させるようにしている。
本実施形態に使用する酸化性ガスは0.05ppm〜3%の範囲で混入された水分、0.01ppb〜1%の範囲で混入された酸素である。
重量法によって所定の濃度に充填された酸素ボンベ(図示せず)から酸素はマスフローコントローラ(MFC)からなる酸素流量制御器13により所定流量に調節される。酸素流量制御器13は原料ガス流入路9に連通する流入路に設けられており、電磁三方弁14及び開閉バルブ11を介して反応室4に酸素が供給される。なお、開閉バルブ11手前のキャリアガスの導入路には酸素分析装置21が設けられており、この酸素分析装置21には酸素ボンベからの酸素も導入され、反応室4に適正濃度の酸素が供給されるように監視している。
水分添加装置15は加熱ヒータを備えた水容器からなり、精製されたHe、Arなどのキャリアガスをガス流量制御器16を介して水分添加装置15の加温水中に導入して、流量混合法により水分を添加した水分とキャリアガスの混合ガスが電磁三方弁18及び開閉バルブ11を介して反応室4に供給される。キャリアガスは水分添加装置15の出口側でもガス流量制御器20を介して合流し混合される。水分とキャリアガスの混合ガス導入路に設けられた監視用バイパス路19に、水分分析装置17が設けられており、水分分析装置17により反応室4に適正濃度の水分が供給されるように監視している。
一般に、市販のキャリアガス、原料ガスには製造段階で不純物が含まれている。キャリアガスとしては、上述のように、He、ネオン、アルゴン、N、CO2、クリプトン、キセノンなどの不活性ガスがあげられるが、この中で特に安価で手に入り易い、He、Arが利用できる。例えば、大陽日酸(株)製ヘリウムガス中の微量成分に関して、G2グレードでは、酸素(<1ppm)と水分(<2.6ppm)などが含有され、G1グレードでは、酸素(<0.05ppm)と水分(<0.54ppm)などが含有されており、この含有不純物を酸化性ガスとして利用することができ、更に脱酸素剤や吸着剤を用いて低い濃度レベルに精製して利用することも可能である。なお、通常の一般グレードでも酸素と水分などが高純度グレードより多く含有されているが、精製すれば利用可能である。脱酸素剤としては一般的にPd、Ni、Mn、Zr系、Ti系の金属、吸着剤としては合成ゼオライト、アルミナ、シリカゲルなどを用いた精製方法が挙げられる。
Arについても、G2グレードでは酸素(<0.2ppm)と水分(<0.54ppm)が含有され、G1グレードでは、酸素(<0.1ppm)、水分(<0.54ppm)が含有され、Heと同様に更に精製して利用するが可能である。
原料ガスとしては、炭化水素のみならず硫黄含有有機ガス、リン含有有機ガスなどのカーボンナノ構造物の生成に好適な有機ガスが選択できる。有機ガスの中でも余分な物質を生成しない炭化水素が好適である。特に、アセチレンガスCは安価で容易に手に入り、かつ3重結合をもつ、カーボンナノ構造物を製造する場合に利用する触媒との反応性が高いことから、最も低い温度域でカーボンナノ構造物を生成することが可能な原料ガスとして利用できる。
ところで、アセチレンは下式1に示すように、カーバイドと水の反応によって製造する方法が用いられていること、主用途が金属溶断などであることから乾燥工程があるものの通常の一般的な溶解アセチレンでは、数%程度の水分を含んでいる。酸素に関しても僅かに含まれている。
CaC+2HO → Ca(OH) + C+32kcal/mol (式1)
更にアセチレンの特性から圧力が高いと自己分解をおこし、非常に不安定なガスとなるために、市販の一般的な溶解アセチレンでは、容器内部の多孔質物であるマスに、浸潤させた溶剤のアセトンやDMF(ジメチルホルムアミド)に加圧溶解することで安定させて安全に取り扱えるようにしている。
必然的に、アセチレンを容器内から取り出す時の容器圧力や容器温度によってアセチレンにともなって揮発する溶剤のアセトンやDMFの濃度変化の問題があった。アセトンやDMFは、酸化作用を持っており原料ガス中のアセトンやDMFの量が変化するとカーボンナノ構造物の生成において歩留まりが悪かったり、カーボンナノ構造物の長さに再現性がなかったり、突如できなくなったりする原因となっていた。
そこで、本実施形態においては、原料ガスのアセチレンを精製し、酸素、水分および溶剤であるアセトンやDMFを1ppm以下にして原料ガスとし、必要な酸素および水分や溶剤などの酸化成分を添加することにより、カーボンナノ構造物生成に対して微量成分の有効性を確認した。
次に、ガス流路切換機構について説明する。電磁三方弁10は自動バルブ制御器(図示せず)の作用により遮断状態と供給状態に制御される。即ち、原料ガスの遮断状態では、原料ガスは排気側に排気され、原料ガスの供給状態では、原料ガスは注入側に供給され、開閉バルブ11に至る合流部にて原料ガスはキャリアガスと混合される。
電磁三方弁10を使用すると、既に原料ガスは所定流量に制御されていることから、注入側に切換えられても原料ガスの初期揺らぎは存在しない。しかも電磁作用により切換えられるため、その切換えは圧力変動無く瞬時に行われ、原料ガスの緩慢な立ち上がりは無く、一気に所定流量の原料ガスが供給される。また、原料ガスを供給状態から遮断状態に切換える場合でも、自動バルブ制御器による電磁作用で瞬時に圧力変動なく原料ガスの流量をゼロに切換えることができ、原料ガスの緩慢な立下りは無い。
このように、電磁三方弁10を用いれば、原料ガスの反応室4への供給と遮断を瞬時に行うことができ、しかもその変化過程において流量の揺らぎは全く存在しない。従って、合計流量が一定であると、反応室4の内部のガス圧力が一定になる。この全圧力(ガス圧力)が一定の中で原料ガスが分解されるため、反応室4の内部に圧力揺らぎが発生せず、触媒体8のガス条件を一定にでき、カーボンナノ構造物8の成長を促進する作用がある。
キャリアガスと原料ガスは前記合流部で混合された後、混合流として原料ガス流入路9先端に設けたガス供給ノズル(図示せず)から反応室4に供給される。反応室4はカーボンナノ構造物を最も生成しやすい温度域に加熱されており、原料ガスは触媒体6の近傍で熱分解され、触媒体6の表面で分解物からカーボンナノ構造物2が成長する。
本実施形態では、化学気相成長法において、原料ガスを分解するのに熱分解法を利用したが、例えばレーザービーム分解法、電子ビーム分解法、イオンビーム分解法、プラズマ分解法、その他の分解法が利用できる。いずれにしても、これらの分解物から触媒体6の表面にカーボンナノ構造物2が形成されることになる。触媒体6の表面では原料ガスの一部がカーボンナノ構造物に変換され、反応に寄与しなかった未反応の原料ガスはキャリアガスとともにガス排出管路3から排出される。
本実施形態に係る製造装置を用いて、例えば、高度に配向したカーボンナノチューブを成長させる工程を図21に基づいて説明する。
<触媒基板準備及び成膜工程>
反応温度による安定性、表面の平滑性、価格並びに再利用の観点から、シリコン基板又は、特に、図3の(3A)に示すように、シリコン基板S1表面を十分に酸化させたシリコン酸化層S2を備えたシリコン基板を利用し、カーボンナノ構造物を合成する条件である600℃〜1200℃程度の温度において触媒である鉄と化合物を形成しない材質であることが重要である。
カーボンナノ構造物の合成反応時前の昇温工程において触媒の酸化および粒子化が起こる際に、基板と触媒の親和力が重要な鍵となる。触媒が基板との間で化合物を作成したり、基板との間に強い親和力をもつ場合、良好な粒子化が起こらず、カーボンナノ構造物の生成確立は極端に落ちることが判明している。
基板表面の凹凸が数ナノオーダー以下で構成され鉄触媒が粒子化する過程において表面との親和力よりも表面張力が勝る場合には、触媒微粒子は球状を保ちながら原料ガスと接触し、カーボンナノ構造物の形成に有利になると理解される。
基板上に鉄触媒を成膜する方法は、Arスパッタ、電子ビーム蒸着法、ディップコーティング法、スピンコート法など成膜する手段は問わないが、均一にナノメートルオーダーの厚みの触媒膜が形成できることが重要である。粉体においては、液体中に分散された状態でナノメートルオーダーであって均一に液相に分散しており、昇温過程で現に酸化鉄の状態で数nm〜数十nmオーダーの触媒微粒子を形成すれば特に制限はない。
<昇温工程>
触媒を成膜した基板においては、図3の(3A)に示すように、シリコン酸化層S2上の触媒層S3において、昇温時に触媒の酸化と微粒子化が同時に起こる。この時にキャリアガスの微量不純物の濃度が触媒の酸化、微粒子化に大きな影響を与える。
これまで、昇温過程において酸素や空気のような酸素濃度の十分に高い雰囲気で昇温を行った場合、触媒が強く酸化されすぎるため、通常の反応温度である700℃では触媒は十分に粒子化せずにカーボンナノチューブの生成しないことが判明している。
また、数nm厚みの金属状態の触媒は、全く酸素や水分のない状態において、通常の反応温度である700℃では高すぎて流動化を開始してしまい、微粒子化においてカーボンナノ構造物を形成するために理想的な触媒径より大きくなってしまうために、カーボンナノチューブの生成確率は極端に落ちることが判明している。
従って、適度な酸素濃度もしくは水分濃度によって適度な酸化を受けた触媒は図3の(3A)に示したように、成膜工程にて1nm以下のオーダーの微細な多結晶の粒子Aは合体し、数nm〜数十nmオーダーの大きな粒子B、Cを形成する。これがいわゆる、微粒子化過程である。更に、微粒子化過程おいて表面近傍において酸化物を形成している状況が理想的な条件である。
<原料供給開始後の急速な成長工程>
原料ガスであるアセチレンガスを供給開始すると、ナノチューブの合成反応は初期の急速な成長と、アモルファスカーボンを生成しながらの緩慢な成長の2段階の反応による成長があることが判明している。
原料ガスがアセチレンの場合について説明するが、他の原料ガスについても同様のメカニズムになる。
特に初期の急速な反応は、鉄触媒表面での下記式2及び式3を主体とする反応自体を律速とする反応である。
Fe+C → 2FeC+HO+CO (式2)
Fe+C → FeO+2FeC+HO+O (式3)
この初期の急速な反応は、触媒の触媒と基板の適度な親和力、昇温工程における適度な酸化・微粒子化、触媒量に対する十分な量の原料ガス、原料ガス導入時の揺らぎ抑制の条件をみたせばCNT長さ50μmから100μm程度のカーボンナノチューブの生成は達成できる。
しかし、急速な第1段階の成長については、触媒が保持している酸素量が反応によって消費されることで停止し、通常は原料ガスから供給される過剰なアモルファスカーボンにより触媒表面が覆われることで触媒と原料ガスの接触が困難となり、最終的に反応停止に至る。
触媒粒子の保持する酸素が同程度の場合、カーボンナノチューブの長さが、ほぼ同じ長さになることこから、再現性があると同時に、初期触媒の酸素の保持量によってカーボンナノチューブの長さが決まるものと理解できる。
次に、長さを制御可能なカーボンナノ構造物を製造するのに不可欠な、アモルファスカーボンを生成しながらの緩慢な成長について説明する。
緩慢な成長については、下記式4及び式5を主体とする、炭素の表面拡散を律速とする反応であると理解できる。
FeO+C2H2 → FeC + H2O + C (式4)
Fe+C2H2 → FeC + C + H2 (式5)
図3の(3B)に示すように、アセチレンに接触した触媒粒子Dには、炭素と結合した粒子状の触媒の炭化物(FeC)表面にカーボンナノチューブの壁を構成する多層レイヤFが形成され、触媒と原料ガスが反応して生成したアモルファスカーボンが多層レイヤFを押し出すことによりカーボンナノチューブが形成される。(3B)の矢印はカーボンの拡散方向を示す。
この時、触媒と基板の親和力が強い場合、触媒粒子は球状とならず両サイドのカーボンレイヤは均等な速度で押し出されず、垂直に配向しない原因となる。また、基板と触媒の親和力が全くないとカーボンレイヤは基板に向かって移動していき、触媒はナノチューブの先端に存在してカーボンナノチューブの成長が起こる。
適度な親和力の場合、ある程度カーボンレイヤが垂直に伸び、親和力がカーボンの拡散により押し出される力に反して触媒が浮きあがり、カーボンナノチューブの長さ方向の中間点に存在する場合もありうる。
触媒は、式4、式5の反応により発生するカーボン分をキャリアガス及び/又は原料ガス中に含まれる酸素、水分により触媒表面より燃焼、除去することによりカーボンナノ構造物の連続的な生成が可能となる。
成長後の触媒微粒子の透過型電子顕微鏡写真(図示せず)から分かるように、最終的には触媒微粒子Dは粒子全体が1つの炭化物の結晶となることが判明している。
<実施例1>
本実施形態に係るカーボンナノ構造物の高効率合成装置による製造例を以下に説明する。キャリアガスに一般He、原料ガスに一般アセチレンを利用して高配向型カーボンナノチューブを製造した例である。この時のHe中の微量成分としての酸素は50ppb、水分は0.5ppm以下、原料ガス中の微量成分としてのDMFは100ppm、水分は200ppmであった。原料ガス濃度は23%、原料ガス添加時間(CVD時間)は30SECであった。この製造条件において、高密度で100μm程度の長い高配向カーボンナノチューブが成長する。この実施例1は、図18に示した触媒成膜工程および昇温工程において、キャリアガス中の不純物である酸素により酸化を適度に進行させる方式を採用している。その結果、原料ガスを短時間供給するだけで、急速成長条件のみを利用してカーボンナノチューブを成長させることができ、理想的結果を得ることができたものである。
また、原料ガスの短時間(30sec)添加を行っていることにより、結果的に1分程度で原料ガス濃度は減少してくため、過度に原料ガスによる触媒上のカーボン分の堆積が抑制され、緩慢な成長に入っていって原料濃度がゼロになった時点でカーボンナノチューブの成長が停止したものである。
本実施例1により、原料ガスの短時間(30sec)添加で高さ100μmの成長結果が得られた。図4は、成長したカーボンナノ構造物のSEM像であり、垂直配向性が高く高密度性を有したCNTが得られた。このCNTを現在までに得られている世界中のデータと比較して、どのような位置にあるかを検討した。結果は表1に示されている。
<表1>カーボンナノチューブの成長高さと成長速度の比較
<論文> <成長高さ> <成長速度>
Chem.Phys.Lett. 362(2002)385. 1.5mm(30min) 〜50μm/min
Appl.Phys.Lett.77(2000)830. 12μm 〜6μm/min
Nature 338(1997)52. 40μm 3.3μm/min
Science 282(1998)1105. 50μm 2μm/min
実施例1(本発明者等) 100μm(30sec) 200μm/min
カーボンナノチューブの大量合成のためには、成長速度を高めることが必然的に要請される。本発明者等の成長速度は世界のどのデータよりも高さ方向の成長速度が速いことを示している。この結果では、触媒表面での原料ガスによる触媒の還元反応が主であるところの、図21で示した急速な成長(第1成長機構)が支配的であり、理想的な条件の場合、いかに急速な成長の速度が速いかを示す結果である。
<実施例2>
実施例2は、本実施形態に係るカーボンナノ構造物の高効率合成装置における酸素導入の効果を確認するために行った測定例である。原料ガス濃度は23%
原料ガス添加時の水分濃度<0.5ppm、DMF<10ppmで酸素以外の酸化性ガスの影響が極めて小さい濃度であることを確認してCVDをおこなった。
図5の(5A)〜(5C)は、鉄触媒を使用し、酸素濃度を、0(含有なし)、0.1〜0.5ppm、1ppmで、ヘリウムキャリアガス中に含有させ、カーボンナノチューブ(CNT)の成長を試みた触媒表面のSEM写真を示す。酸素が含有されていない(5A)ではCNTの成長はない。0.1〜0.5ppmの酸素含有の(5B)の場合、鉄触媒がマグネタイトになり、良質のCNTが成長した。1ppmと酸素を多くした(5C)の場合、鉄触媒の酸化が進みすぎてヘマタイトになり、良質のCNTの成長が得られなかった。前掲の図1は、実施例2のカーボンナノチューブの成長直前における、触媒表面状態をAFMにより観察した結果を示す。また、図6〜図8は、図1の(1A)〜(1C)のそれぞれのカーボンナノチューブの成長直前のX線回折結果を示しており、上記のマグネタイト、ヘマタイトの存在を確認した。
実施例2によれば、キャリヤ中に適度な酸素を、例えば数百ppb含んだガスを用いることにより、適度な触媒の酸化およびカーボンナノチューブの生成時に原料ガスから余分に発生するアモルファスカーボンを酸化燃焼する働きにより、触媒と原料ガスの接触を維持し連続的なCNTの成長を達成できる。
<実施例3>
実施例3は、本実施形態に係るカーボンナノ構造物の高効率合成装置における、鉄触媒状態と原料ガス(アセチレン)との反応時間の変化を確認するために行った測定例である。
実施例3では、X線回折装置の中にキャリアガス、原料ガスを導入し、所定の反応温度にすることで触媒のX線回折を確認しながらカーボンナノチューブの合成をおこなった。図9は鉄触媒状態と原料ガスとの反応時間の変化を示す。実施例3に使用したX線回折装置は、日本電子(株)製回折装置であり、セル内にヒータを設置して、カーボンナノ材料を合成しながらX線回折が観察可能な装置である。このX線回折装置による測定から、鉄触媒、マグネタイト触媒、ヘマタイト触媒のそれぞれにおける原料ガス(アセチレン)との反応時間変化a,b,cを比較すると、鉄触媒が最も反応が速く進み、マグネタイト触媒、ヘマタイト触媒の順で下がっていくことがわかる。
図10は、実施例3で不純物成分の制御により3種類の触媒を用いて合成を行ったカーボンナノチューブのSEM写真を示す。図11は、不純物成分の制御により最も効率良く成長したマグネタイト触媒を用いて得られた良質のカーボンナノチューブのTEM写真を示す。
鉄触媒では、カーボンと触媒の反応速度が速いが、図1にみられるように反応前直前での触媒粒子のAFM観察では、触媒粒子径の肥大化によりカーボンナノチューブの生成確率が低下している。触媒の酸化状態が適度なマグネタイトにおいて成長速度が高くかつ触媒表面のAFM観察では、10〜20nm程度の触媒粒子径が観察され、キャリアガス中と原料ガス中の微量成分の適度な制御により、原料ガスとの反応速度が高くかつ触媒の粒子化過程でカーボンナノチューブの生成確率が高い条件となっていることを示している。
<実施例4>
実施例4は、本実施形態に係るカーボンナノ構造物の高効率合成装置における水分導入の効果を確認するために行った測定例である。
CVD反応温度は670℃、原料ガスの濃度は13vol%である。キャリアガス、原料ガス中の酸素の影響を取り除くために、キャリアガスに大陽日酸(株)製超高純度Heガス(純度99,999%、酸素 <0.05ppm以下、水分 <0.5ppm、窒素 <0.1ppm、CO <0.02ppm、CO <0.02ppm、CH <0.01ppm)を用いており、原料ガスにはニチゴー日興(株)製超高純度アセチレン(C2H2:99.999%以上、O<1ppm、N<1ppm、CO<0.05ppm、CO<0.1ppm、CH<0.05ppm)を使用した。反応室4の手前で水分添加を行い、酸素分析装置21、水分分析装置17を用いて酸素濃度、水分濃度を計測した。
図12及び図13は、実施例4において、キャリアガス、原料ガス中の水分濃度を変化させた場合のカーボンナノチューブのSEM写真を示す。図12及び図13に示す各CNTのSEM写真は反応室(炉)の中心位置と中心から100mm後方の位置におけるものである。図14はこれらの測定結果をCNT高さと水分濃度との関係にまとめたものである。最も注目されるのは、キャリアガス、原料ガス中の水分濃度が200ppm付近において成長したナノチューブの高さが極大を示すことである。酸素と異なり触媒に対する酸化作用が弱い水分においては、水分濃度が200ppmより低い場合、昇温工程における触媒の酸化、粒子化過程において、触媒が十分に酸化されずに成長したCNTの高さが十分でなかった原因と反応時に原料ガスであるアセチレンから生成するカーボンが触媒の周りに堆積し、水分濃度の低い場合に十分反応除去できず触媒が活性を失ったものである。
一方、水分濃度500ppm程度の場合は、昇温工程における触媒の酸化、粒子化過程において、触媒が十分に酸化されすぎた部分と、水分の量が多すぎたために原料ガスから発生するカーボン供給を妨げたことによるものである。
更に、注目すべきは酸素、水分が全くない条件ではカーボンナノチューブは全く生成しなかった。これは、触媒の昇温工程における酸化、粒子化における触媒の適度な酸化の確率の低下と原料ガス投入時の微量成分により酸化作用がないことによる、触媒の早い段階での失活によるものである。
<実施例5>
実施例5は、CVD成長温度を700℃で行ったもので、他の条件は実施例4と同様である。図15はCNT高さと水分濃度の関係である。CNT高さは水分濃度が約300ppmでピークを示している。実施例4に比べて反応温度が高いことにより、拡散律速である緩慢な成長段階における触媒表面の炭素の拡散速度が温度の影響で大きくなり、高いCNTの成長が観察された。また、拡散速度が大きいことにより式3、4に示された原料ガスと触媒の反応速度は拡散速度に応じて増大し、触媒上に堆積するカーボンの量は増加する。余分なカーボン分を燃焼させるための酸化性ガスである水分濃度は、実施例4に比べて100ppm多い300ppmの条件が最も長いCNTが成長する条件になることが判明した。
<実施例6>
実施例6は、実施例4と同様のキャリアガス及び原料ガスを用いて、CVD反応温度670℃、原料ガスの濃度が3.8vol%、10分間CVD反応させた測定例である。実施例6おける触媒仕様は、シリコン基板表面に形成した1000Åの酸化シリコン層上に4nmのFe層を成膜したものを使用した。キャリアガス及び原料ガス流量はそれぞれ250、10SCCMであった。
図16は、実施例6において、キャリアガス、原料ガス中の水分濃度200ppmの場合に、原料ガス濃度を低下させた条件のCNTのSEM写真を示す。昇温過程における酸素濃度は50〜70ppbであった。実施例4よりも原料投入時の原料ガス濃度を低濃度にしてカーボン堆積速度を減少させることにより、従来よりも長いカーボンナノチューブの成長が得られることを確認した。
次に、上記実施例6と同様の成長条件、つまりCVD反応温度700℃、原料ガスの濃度を3.8vol%として、上記実施例6に対して、反応時間を半分(5分間)にしてCVD反応させた測定例を示す。図17は、反応時間半分における成長CNTのSEM写真を示す。
反応時間を半分にすると、CNTの高さが半分となった。これは、反応時間が短い間は(カーボンナノチューブの高さが70μm程度までは)、触媒が保持している酸素を原料ガスであるアセチレンによる還元反応が中心となる急速な成長(第1成長機構)が支配的であることを裏づけている。従って、適度な酸素、水分の存在下でかつ更に長い反応時間により良質のカーボンナノチューブの生成が可能となる。
70μm以上の高さに持続的に成長するためには、原料中に含まれる微量な成分である酸素、水分もしくは、原料ガスがアセチレンに限定された場合は溶剤であるDMFやアセトンの適度な量の存在により、触媒上に堆積するカーボン分を適宜燃焼除去できる微量成分ガスの存在が必要であることを示している。
<実施例7>
実施例7は、カーボンナノチューブの成長途中でアセチレン濃度を複数段階可変にした場合の測定例である。図18は、アセチレン濃度を3段階可変にする場合のアセチレン濃度―反応時間関係図である。最初に3.8vol%、2分目から2.9 vol%、6分目に1.9 vol%に濃度変更して全体で10分間だけCNTを成長させた。この時のキャリャガス中の酸素濃度は50ppb、水分濃度<0.5ppmであり原料ガス添加時の酸素濃度は50ppb、水分濃度<0.5ppmであった。他の条件は実施例6と同様である。図19は成長したCNTのSEM像である。CVD途中で原料ガス濃度を低下させることで初期急激な成長における原料ガス供給量を満たし、かつ緩慢な成長における触媒上におけるカーボン分の堆積を抑えることで、連続的に成長するカーボンナノチューブのを実現できることがわかる。
<実施例8>
酸化性ガスを用いたカーボンナノコイルの合成実験を行った。触媒は、ガラス基板上のITO薄膜(膜厚100nm)に鉄薄膜を20nmだけ蒸着したFe・In・Sn触媒を用いた。原料ガスは30SCCMのC2H2、キャリアガスは165SCCMのHeで、前記触媒を700℃に加熱された反応室に配置し、前記原料ガスとキャリアガスを反応室に30分間流通させた。このガス流通に際して、酸化性ガスである水分濃度が550〜650ppmではコイル収率は85%以上であったが、水分濃度が0.01ppm以下ではコイル収率は20%以下になった。コイル収率は、基板上のSEM写真のカーボンナノコイル本数を計測する方法により、定量的に把握することを行った。酸化性ガスを添加することによりカーボンナノコイルの連続的な成長を促進し、収率が増大した。従って、酸化性ガスを流通させると、コイル収率が増大することが分かった。
<実施例9>
最後に、生成されたカーボンナノチューブを高温状態に長時間保持した場合に、カーボンナノチューブの形態がどのように変化するかを検討した。まず、原料ガス濃度を23vol%に調整して、700℃でカーボンナノチューブをCVD成長させた。成長したカーボンナノチューブを、700℃で10分間保持した場合と、700℃で720分間保持した場合を比較した。図20の(20A)は、10分間保持した場合のSEM像であり、カーボンナノチューブが形態的に保持されていることが分かる。他方、(20B)は、720分間保持した場合のSEM像であり、酸化が極度に進行して最適な粒子化が達成されず、カーボンナノチューブがうまく生成されなかったことが分かる。従って、カーボンナノチューブの形態形成には、高温状態の保持時間は数十分から2時間位が適当であり、成長後に反応室温度を低下させることが好ましい。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
本発明によれば、キャリアガス中の微量成分である酸素、水分等の酸化性ガスの供給量を触媒量に対して適切に設定することにより、昇温過程における鉄触媒の適度な酸化と微粒子化を促し、更に成長過程においても同様に酸化性ガスの適切な供給により、高密度かつ高効率に良質のカーボンナノ構造物を製造することが可能となるカーボンナノ構造物の製造方法及びそれを用いた製造装置を実現することができる。
鉄元素からなる触媒、マグネタイト及びヘマタイトのAFM像である。 本実施形態に係るカーボンナノ構造物高効率合成装置の概略構成図である。 触媒成膜基板における触媒層の触媒の酸化と微粒子化を模式的に示す図である。 実施例1において、成長したカーボンナノ構造物のSEM像である。 (5A)〜(5C)は、鉄触媒を使用し、酸素濃度を、0(含有なし)、0.1〜0.5ppm、1ppmで、ヘリウムキャリアガス中に含有させ、カーボンナノチューブ(CNT)の成長を試みた触媒表面のSEM写真を示す。 図1の(1A)のカーボンナノチューブの成長直前のX線回折結果を示す図である。 図1の(1B)のカーボンナノチューブの成長直前のX線回折結果を示す図である。 図1の(1C)のカーボンナノチューブの成長直前のX線回折結果を示す図である。 実施例3における、鉄触媒状態と原料ガスとの反応時間の変化を示す図である。 実施例3におけるカーボンナノチューブのSEM写真である。 実施例3におけるマグネタイト触媒を用いて得られたカーボンナノチューブのTEM写真である。 実施例4において、キャリアガス、原料ガス中の水分濃度を変化させた場合のカーボンナノチューブのSEM写真である。 実施例4において、キャリアガス、原料ガス中の水分濃度を変化させた場合のカーボンナノチューブのSEM写真である。 実施例4における、CNT高さと水分濃度との関係を示す図である。 実施例5における、CNT高さと水分濃度との関係を示す図である。 実施例5において得られた2つのCNTのSEM写真である。 実施例6において得られたCNTのSEM写真である。 実施例7において、アセチレン濃度を3段階可変にする場合のアセチレン濃度―反応時間関係図である。 実施例7において、成長したCNTのSEM像である。 実施例9において、(20A)は700℃に10分間保持した場合のCNTのSEM像であり、(20B)は700℃に720分間保持した場合のSEM像である。 従来のカーボンナノ構造物合成装置の概略構成図である。 カーボンナノ構造物のCVD成長プロセスの工程図である。 急速な成長と緩慢な成長についての測定例における、原料ガスの添加開始以降の反応時間とCNTの成長長さとの関係を示す図である。 (24C)と(24D)は、CVD反応時間2分と30分のCNTのラマンスペクトルとSEM写真を示し、(24A)と(24B)は、それぞれCVD反応時間2分と30分のCNTのラマンシフトに対する強度(intensity:単位a.u.)を示す図である。
符号の説明
1 反応ヒータ
2 カーボンナノ構造物
3 ガス排出管路
4 反応室
5 開閉バルブ
6 触媒体
7 開閉バルブ
8 原料ガス流量制御器
9 原料ガス流入路
10 電磁三方弁
11 開閉バルブ
12 電磁三方弁
13 酸素流量制御器
14 電磁三方弁
15 水分添加装置
16 ガス流量制御器
17 水分分析装置
18 電磁三方弁
19 監視用バイパス路
20 ガス流量制御器
21 酸素分析装置
22 酸素流量制御器
23 酸素流量制御器

Claims (8)

  1. キャリアガスと原料ガスを反応室に供給し、前記原料ガスを前記反応室に流通させながら、前記反応室に配置された触媒によりカーボンナノ構造物を成長させるカーボンナノ構造物の製造方法において、鉄元素からなる触媒を前記反応室に予め配置し、前記原料ガスを供給して前記反応室に流通させる前に、前記キャリアガスとともに水び/又は酸素からなる酸化性ガスを前記反応室に供給し、前記触媒をマグネタイトに転化するマグネタイト転化工程を有することを特徴とするカーボンナノ構造物の製造方法。
  2. 前記マグネタイト転化工程の前に、還元性ガスを前記反応室に供給し、前記反応室に配置された前記触媒の酸化鉄成分を還元する触媒初期化工程を有する請求項1に記載のカーボンナノ構造物の製造方法。
  3. 前記マグネタイト転化工程の後、前記原料ガス及び前記キャリアガスとともに酸化性ガスを前記反応室に供給するカーボンナノ構造物成長工程を有する請求項1又は2に記載のカーボンナノ構造物の製造方法。
  4. 前記水は、前記原料ガスに対して0.5ppm以上650ppm以下の範囲であり、前記酸素は、前記原料ガスに対して50ppb以上1ppm未満の範囲であり、前記酸化性ガスが、さらにアセトン、DMF(ジメチルホルムアミド)、CO 及びOのうち少なくとも1つ以上を含む請求項1、2又は3に記載のカーボンナノ構造物の製造方法。
  5. 原料ガスを反応室に供給する原料ガス供給手段と、前記反応室に予め配置される、鉄元素からなる触媒とを具備し、前記原料ガス供給手段により前記原料ガスを供給して前記反応室に流通させながら、前記触媒によりカーボンナノ構造物を成長させるカーボンナノ構造物の製造装置であって、キャリアガスを前記反応室に供給するキャリアガス供給手段と、水及び/又は酸素からなる酸化性ガスを前記反応室に供給する酸化性ガス供給手段とを設け、前記原料ガスを供給して前記反応室に流通させる前に、前記キャリアガス供給手段及び前記酸化性ガス供給手段により前記キャリアガスとともに酸化性ガスを前記反応室に供給し、前記触媒をマグネタイトに転化することを特徴とするカーボンナノ構造物の製造装置。
  6. 前記反応室における前記マグネタイトに対して、前記原料ガス及び酸化性ガスを流通させる請求項に記載のカーボンナノ構造物の製造装置。
  7. 前記酸化性ガスが、さらにアセトン、DMF(ジメチルホルムアミド)、CO 及びCOのうち少なくとも1つを含む以上からなる請求項又はに記載のカーボンナノ構造物の製造装置。
  8. 還元性ガスを前記反応室に供給する還元性ガス供給手段を有し、前記触媒のマグネタイト転化の前に、前記還元性ガス供給手段により前記還元性ガスを前記反応室に供給し、前記反応室に配置された前記触媒の酸化鉄成分を還元する請求項又はに記載のカーボンナノ構造物の製造装置。
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