JP4678324B2 - 電動ポンプ - Google Patents

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本発明は電動ポンプに関する。
特許文献1に従来の電動ポンプが開示されている。この電動ポンプは、内部に互いに連通するモータ室及びポンプ室が区画されたハウジングと、ハウジングに軸受装置を介して回転可能に軸支された駆動軸と、ロータを有してモータ室に収容され、駆動軸を回転駆動するモータ機構と、ポンプ室に収容され、駆動軸の回転駆動によって流体のポンプ作用を行うポンプ機構とを備える。
ロータは、駆動軸にロックナットによって固定され、ハウジングには、ロックナット側に位置し、軸受装置を収容して駆動軸の一端面が位置する端部室が形成されている。軸受装置には、転がり軸受が用いられている。電動ポンプが扱う流体には、ジメチルエーテル等の潤滑性の乏しいものも含まれる。
このような構成である従来の電動ポンプは、モータ機構が駆動軸を回転駆動することにより、ポンプ機構が流体のポンプ作用を行う。これにより、流体は、ポンプ室の内部に吸入され、ポンプ室の外部に加圧されつつ吐出される。この際、モータ室及びポンプ室がハウジングの内部で互いに連通していることから、ポンプ室の内部を流通する流体の一部がモータ室内に流入し、モータ室内の流体と置換される。このため、この電動ポンプは、潤滑性を有する流体や潤滑成分が添加された流体を使用している場合には、モータ機構やポンプ機構の潤滑を実施することが可能である。
特開2005−256733号公報
しかし、上記従来の電動ポンプにおいて、軸受装置を収容して駆動軸の一端面が位置する端部室は、モータ室と区画された閉塞空間となっていることから、モータ室と端部室との間での流体の置換が充分に行われ難い。このため、端部室に摩耗粉や潤滑成分の沈殿物等が滞留する不具合が生じる場合がある。このため、この電動ポンプを長時間運転すると、駆動軸と軸受装置との間に摩耗粉や潤滑成分の沈殿物等が付着し、駆動軸の回転不良を生じるおそれがある。
特に、扱う流体が潤滑性の乏しいジメチルエーテル(DME)等である場合には、このような不具合が生じ易い。また、軸受装置として転がり軸受を用いる場合には、転がり軸受の転動体に摩耗粉や潤滑成分の沈殿物等が付着して転動体の回転が著しく妨げられることとなり、不具合が一層生じ易い。
この点、例えば、特開2002−202058号公報の電動式圧縮機に開示されているように、端部室とモータ室とを連通路によって連通することが考えられる。こうした電動ポンプでは、端部室がモータ室と連通することとなり、モータ室と端部室との間での流体の置換が行われると考えられるため、駆動軸の回転不良を生じ難いと考えられる。
しかしながら、こうした電動ポンプは、連通路が駆動軸の軸芯に略垂直な方向を向くように形成されているに過ぎないものであるため、モータ室と端部室との間での流体の置換を充分に行うことができず、端部室に摩耗粉や潤滑成分の沈殿物等が滞留しないようにすることが困難であった。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、長時間の運転によっても回転不良を生じ難い電動ポンプを提供することを解決すべき課題としている。
本発明の電動ポンプは、内部に互いに連通するモータ室及びポンプ室が区画されたハウジングと、該ハウジングに軸受装置を介して回転可能に軸支された駆動軸と、ロータを有して該モータ室に収容され、該駆動軸を回転駆動するモータ機構と、該ポンプ室に収容され、該駆動軸の回転駆動によって流体のポンプ作用を行うポンプ機構とを備え、
該ロータは該駆動軸にロックナットによって固定され、該ハウジングには、該軸受装置を収容して該駆動軸の一端面が位置する端部室が形成されている電動ポンプにおいて、
前記端部室と前記モータ室とは連通路によって連通し、該連通路の該モータ室側の入口は、前記ロックナットの回転によって該モータ室内の前記流体が圧力上昇を生じる範囲内で開口していることを特徴とする。
このような構成である本発明の電動ポンプは、モータ機構が駆動軸を回転駆動することにより、ポンプ機構が流体のポンプ作用を行う。これにより、流体は、ポンプ室の内部に吸入され、ポンプ室の外部に加圧されつつ吐出される。この際、モータ室及びポンプ室がハウジングの内部で互いに連通していることから、ポンプ室の内部を流通する流体の一部がモータ室内に流入し、モータ室内の流体と置換される。このため、この電動ポンプは、潤滑性を有する流体や潤滑成分が添加された流体を使用している場合には、モータ機構やポンプ機構の潤滑を実施することが可能である。
また、この電動ポンプにおいて、端部室とモータ室とは連通路によって連通しており、閉塞空間とはなっていない。また、連通路のモータ室側の入口は、ロックナットの回転によってモータ室内の流体が圧力上昇を生じる範囲内で開口している。このため、連通路のモータ室側の入口は、連通路の端部室側の出口に比べ、流体の圧力が高くなる傾向にある。このため、連通路の入口と出口との間の圧力勾配により、モータ室内の流体が連通路のモータ室側の入口から連通路の端部室側の出口を介して、端部室内に流入することとなる。これは上述の特開2002−202058号公報の電動式圧縮機の連通路が有していない作用効果である。このため、この電動ポンプでは、モータ室から連通路を介して端部室に流体が流入することにより、モータ室と端部室との間での流体の置換が充分に行われる。このため、端部室に摩耗粉や潤滑成分の沈殿物等が滞留する不具合が生じ難い。このため、この電動ポンプを長時間運転しても、駆動軸と軸受装置との間に摩耗粉や潤滑成分の沈殿物等が付着し難く、駆動軸の回転不良を生じ難い。
したがって、本発明の電動ポンプは、長時間の運転によっても回転不良を生じ難い。
ロックナットの回転によってモータ室内の流体が圧力上昇を生じるという現象は、「科学技術文献:ASME,Ser,D,82−1(1960),217,著者:Daily,J.W,and Nece,R.E.,Trans」に示される容器内の回転円盤周りの流れにより圧力勾配が生じる現象と同様のものと考えられる。そして、連通路の入口が設けられる位置は、モータ室、ロータ及びロックナットの形状や位置関係に応じ、最適化されることが好ましい。
本発明の電動ポンプにおいて、前記連通路の前記入口は、前記ロックナットと対面していることが好ましい。これは、上述の回転円盤周りの流れにより圧力勾配が生じる現象において、回転円盤が容器の内壁面に対して小さな隙間を有して回転する場合に、圧力が上昇し易い領域だからである。なお、「連通路の入口がロックナットと対面している」とは、具体的には、連通路の入口がロックナットと対向している場合だけでなく、連通路の入口がロックナットの外周縁から離れた位置にあって、かつ、ロックナット側に向けて開口している場合も含む。
本発明の電動ポンプにおいて、前記ロックナットには、前記モータ室内の前記流体を前記駆動軸の軸芯から遠ざけるように案内する案内溝が形成されていることが好ましい。
この場合、ロックナットとともに案内溝が回転することにより、流体が駆動軸の軸芯から遠ざけられて、連通路の入口で流体の圧力が一層上昇することとなる。このため、流体は、モータ室から連通路を介して端部室により効果的に流入することとなる。このため、この電動ポンプは、本発明の作用効果を確実に奏することができる。
本発明の電動ポンプにおいて、前記連通路は、前記入口が前記駆動軸の軸芯を中心とする円周上であって、該駆動軸の回転方向の上流側に位置し、前記端部室側の出口が該円周上であって、該駆動軸の回転方向の下流側に位置し得る。この場合、連通路は、駆動軸の回転に伴い、回転方向の上流から下流に沿って流れようとする流体を端部室にスムーズに流入させることができる。なお、連通路は、少なくとも1本が設けられていればよく、例えば、複数本の連通路が駆動軸の軸芯を中心とする円周上に、等間隔に配置されていてもよい。
本発明の電動ポンプは、ポンプ機構がギヤポンプ機構、スクロール式ポンプ機構、斜板ピストン式ポンプ機構等の一般的なものであり得る。発明者らはポンプ機構がギヤポンプ機構である場合に本発明の効果を確認している。この場合、本発明の電動ポンプは、前記駆動軸は前記モータ室及び前記ポンプ室を跨いで延在し、前記ポンプ機構は、該ポンプ室内に配設され、該駆動軸と一体回転可能な駆動ギヤと、該ポンプ室を跨いで延在する従動軸と、該ポンプ室内に配設され、該従動軸と一体回転可能な従動ギヤと、該ポンプ室と連通する吸入ポート及び吐出ポートとからなるギヤポンプ機構である。
本発明の電動ポンプにおいて、前記流体がジメチルエーテル(DME)であり得る。この電動ポンプは、扱う流体が潤滑性の乏しいジメチルエーテルであっても、上述の作用効果により、端部室に摩耗粉や潤滑成分の沈殿物等が滞留する不具合が生じ難いので、本発明の効果を顕著に享受することができる。
本発明の電動ポンプにおいて、前記軸受装置が転がり軸受であり得る。この電動ポンプは、軸受装置として転がり軸受を用いる場合であっても、転がり軸受の転動体に摩耗粉や潤滑成分の沈殿物等が付着して転動体の回転が著しく妨げられることを抑制することができるので、本発明の効果を顕著に享受することができる。
以下、本発明を具体化した実施例1、2を図面を参照しつつ説明する。なお、図1において、右側が前方であり、左側が後方である。
図1に示すように、実施例1の電動ポンプ1は、ギヤポンプ式のものであり、例えば、燃料タンクに装着されて、燃料としてのジメチルエーテル(DME)を動力機関に高圧供給するものである。この電動ポンプ1は、ハウジング10と、駆動軸20と、モータ機構30と、ポンプ機構40とを備える。
ハウジング10は、前端側から後端側に向けて順に、第1ポンプハウジング11と、第2ポンプハウジング12と、モータハウジング13と、端部室ハウジング14とで構成されている。第1ポンプハウジング11と、第2ポンプハウジング12と、モータハウジング13とは、複数本の通しボルト90によって、相互に固定されている。また、モータハウジング13と端部室ハウジング14とは、複数本の通しボルト91によって、相互に固定されている。
第1ポンプハウジング11は、前端面側に外フランジが形成された厚肉円盤状のものであり、後端面の中央には、後述する駆動軸20の前端を回転可能に支承するニードル軸受61が装着される軸孔11aが凹設されている。
第2ポンプハウジング12は、厚肉円盤状のものであり、その中央には、駆動軸20が挿通される開口12aが貫設されている。
第1ポンプハウジング11と第2ポンプハウジング12との接合部分の内部には、後述するポンプ機構40が収容されるポンプ室10aが区画形成されている。また、第1ポンプハウジング11と第2ポンプハウジング12とには、第1ポンプハウジング11の前端面の外周側から第2ポンプハウジング12の後端面の外周側まで貫設される1本の端子穴11b、12bが形成されている。この端子穴11b、12bの前端側には、後述するステータ32の巻線に給電するためのハーメチック端子92が装着されている。
モータハウジング13は、前端側に外フランジが形成された円筒部13aと、その後端側に位置する内フランジ部13bとからなる。内フランジ部13bの後端面の中央には、後述する駆動軸20を回転可能に支承するボール軸受60が装着されるボール軸受用凹部13cが形成されている。
モータハウジング13の円筒部13aの内筒面及び内フランジ部13bの前端面並びに第2ポンプハウジング12の後端面とで囲まれた領域には、モータ室10bが区画されている。
駆動軸20は、モータ室10b及びポンプ室10aを跨いで延在し、ハウジング10に回転可能に支承されている。具体的には、駆動軸20の前端が第1ポンプハウジング11の軸孔11aに、ニードル軸受61を介して回転可能に支承され、駆動軸20の後端がモータハウジング13の内フランジ部13bのボール軸受用凹部13cに、軸受装置としてのボール軸受60を介して回転可能に支承されている。
モータ機構30は、モータ室10bに収容されたロータ31とステータ32とを有する。ロータ31は、中央に駆動軸20を挿通した状態で、菊座金34を介してロックナット33により駆動軸20に固定される円筒状の鉄心である。ロックナット33は、中央に駆動軸20と螺合する雌ねじが形成された円環状のものであり、外周側に複数の係止用凹部(図示しない)が形成されている。ロックナット33の内径は、約10mmであり、外径は、約32mmである。ロックナット33の後端面とモータハウジング13の内フランジ部13bの前端面との間隔dは、回転円盤周りの流れにより圧力勾配を生じ易くするため、理論式に基づき、約2mmに設定されている。
ステータ32は、巻線を有するとともに、モータハウジング13の円筒部13aの内筒面に固定されており、端子穴11b、12bの前端側に装着されたハーメチック端子92から巻線に給電コード(図示しない)が接続されている。このモータ機構30は、ハーメチック端子92からステータ32の巻線に電流が流れると、巻線とロータ31の鉄心との間の電磁誘導作動によって、ロータ31に回転力が作用し、駆動軸20を回転駆動することが可能となっている。
ポンプ機構40は、ポンプ室10a内に配設され、駆動軸20と一体回転可能な駆動ギヤ41と、ポンプ室10aを跨いで前後方向に延在する従動軸43と、ポンプ室10a内に配設され、従動軸43と一体回転可能な従動ギヤ42と、ポンプ室10aと連通する吸入ポート(図示しない)及び吐出ポート44とからなるギヤポンプ機構である。駆動ギヤ41は、駆動軸20の前端側にキー21を介して一体回転可能に固定されている。従動ギヤ42は、従動軸43と一体加工されたものであり、駆動ギヤ41と噛合している。従動軸43は、第1ポンプハウジング11の軸孔11c及び第2ポンプハウジング12の軸孔12cに、ニードル軸受62、63を介して、回転可能に支承されている。このポンプ機構40は、駆動軸20の回転駆動によって、駆動ギヤ41と従動ギヤ42とが回転し、吸入ポート(図示しない)から吐出ポート44へと流体を高圧で吐出する。こうして、このポンプ機構40は、流体のポンプ作用を行うことが可能となっている。
モータ室10b及びポンプ室10aは、第2ポンプハウジング12と、駆動ギヤ41、従動ギヤ42及び従動軸43の隙間等を介して、内部に互いに連通している。
端部室ハウジング14は、円盤状のものであり、その前端面には、凹部14aが形成されている。モータハウジング13のボール軸受用凹部13cと、端部室ハウジング14の凹部14aとで囲まれた領域には、端部室10cが区画形成されている。また、端部室10cには、ボール軸受60が収容され、駆動軸20の支持と軸方向位置決めをしている。
モータハウジング13の内フランジ部13bには、端部室10cとモータ室10bとを連通する連通路50が形成されている。連通路50のモータ室10b側の入口50aは、ロックナット33の後端面と対面している。より詳しくは、連通路50のモータ室10b側の入口50aは、ロックナット33の外周縁から約4mm離れた位置にあって、かつ、ロックナット33側に向けて開口している。他方、連通路50の端部室10c側の出口50bは、ボール軸受用凹部13cの側壁の後端側に開口している。また、連通路50の入口50aは、図2に示すように、駆動軸20の軸芯Oを中心とする円周上であって、駆動軸20の回転方向Rの上流側に位置し、連通路50の出口50bは、駆動軸20の軸芯Oを中心とする円周上であって、駆動軸20の回転方向Rの下流側に位置しており、駆動軸20の軸芯Oに対して捩れて配設されている。このような位置に設けられた連通路50の入口50aの近傍では、ロックナット33の回転により駆動軸20の軸芯Oから遠ざかる方向に流れようとする流体により、圧力上昇を生じ易くなっている。また、駆動軸20の軸芯Oに対して捩れて配設される連通路50は、ロックナット33の回転に伴い、回転方向Rの上流から下流に沿って流れようとする流体を端部室10cにスムーズに流入させることが可能となっている。なお、連通路50が駆動軸20の軸芯Oに対して捩れて配設される構成は必須ではない。連通路50が駆動軸20の軸芯Oに対して捩れておらず、軸芯Oに沿うようにして配設される構成であっても、当然に本発明の作用効果を奏することができる。
このような構成である実施例1の電動ポンプ1は、モータ機構30が駆動軸20を回転駆動することにより、ポンプ機構40が流体のポンプ作用を行う。これにより、流体は、吸入ポート(図示しない)からポンプ室10aの内部に吸入され、ポンプ室10aから吐出ポート44を介して外部に加圧されつつ吐出される。この際、モータ室10b及びポンプ室10aがハウジング10の内部で互いに連通していることから、ポンプ室10aの内部を流通する流体の一部がモータ室10b内に流入し、モータ室10b内の流体と置換される。このため、この電動ポンプ1は、潤滑性を有する流体や潤滑成分が添加された流体を使用している場合には、モータ機構30やポンプ機構40の潤滑を実施することが可能となっている。
また、この電動ポンプ1において、端部室10cとモータ室10bとは、連通路50によって連通しており、閉塞空間とはなっていない。また、連通路50のモータ室10b側の入口50aは、ロックナット33の回転によってモータ室10b内の流体が圧力上昇を生じる範囲内で開口している。このため、連通路50のモータ室10b側の入口50aは、連通路50の端部室10c側の出口50bに比べ、流体の圧力が高くなる傾向にある。このため、連通路50の入口50aと出口50bとの間の圧力勾配により、モータ室10b内の流体が連通路50の入口50aから連通路50に流入し、出口50bから端部室10c内に流入することとなっている。このため、この電動ポンプ1では、モータ室10bと端部室10cとの間での流体の置換が充分に行われ、端部室10cに摩耗粉や潤滑成分の沈殿物等が滞留する不具合が生じ難くなっている。このため、この電動ポンプ1を長時間運転しても、駆動軸20とボール軸受60との間やボール軸受60の転動体に摩耗粉や潤滑成分の沈殿物等が付着し難くなっており、駆動軸20の回転不良を生じ難い。
実施例1の電動ポンプ1について、下記の通り、運転試験を実施した。流体としては、潤滑性の乏しいジメチルエーテルに少量の潤滑成分を添加したものを使用しており、比較的厳しい試験条件である。
まず、比較例として、連通路50を塞いだ状態で実施例1の電動ポンプ1を連続運転したところ、約1700時間が経過した時点で、駆動軸20とボール軸受60との間やボール軸受60の転動体に摩耗粉や潤滑成分の沈殿物等が付着し、駆動軸20の回転不良が生じた。
これに対して、連通路50を塞がない状態で実施例1の電動ポンプ1を連続運転したところ、駆動軸20の回転不良は、4000時間が経過した時点でも発生していない。このことから、実施例1の電動ポンプ1は、駆動軸20とボール軸受60との間やボール軸受60の転動体に摩耗粉や潤滑成分の沈殿物等が付着し難く、駆動軸20の回転不良を生じ難いことが判る。
また、実施例1の電動ポンプ1の運転時において、連通路50の入口50a近傍における圧力P1と、連通路50の出口50b近傍における圧力P2との差圧を測定した。その結果のグラフを図3に示す。
その結果、曲線Aに示すように、駆動軸20の回転数が増加するについて、P1とP2との差圧も2次曲線的に増加した。これは、上述の「容器内の回転円盤周りの流れにより圧力勾配が生じる現象」の理論式から求めた机上検討値を示す曲線Bとよく似た傾向を示している。机上検討値より測定値が低いのは、理論式では、円筒容器内に平滑かつ円筒容器の内径に近い外径を有する円盤が収容される場合を想定しているが、実施例1の電動ポンプ1では、ロックナット33、ロータ31、ステータ32等の形状が複雑であり、ロックナット33の外周側に大きな空間があることから、ロックナット33の回転により駆動軸20の軸芯Oから遠ざかる方向に流れようとする流体の一部が周囲に分散してしまうためと考えられる。
したがって、実施例1の電動ポンプ1は、長時間の運転によっても回転不良を生じ難い。
また、この電動ポンプ1において、連通路50の入口50aは、ロックナット33と対面している。このため、入口50aは、回転円盤周りの流れにより圧力勾配が生じる現象により圧力が上昇し易い領域に配置されており、本発明の作用効果を確実に奏することができている。
また、この電動ポンプ1は、扱う流体が潤滑性の乏しいジメチルエーテルであっても、上述の通り、端部室10cに摩耗粉や潤滑成分の沈殿物等が滞留する不具合が生じ難いので、本発明の効果を顕著に享受することができている。
さらに、この電動ポンプ1は、軸受装置としてボール軸受60を用いているが、上述の通り、ボール軸受60の転動体に摩耗粉や潤滑成分の沈殿物等が付着して転動体の回転が著しく妨げられることを抑制することができているので、本発明の効果を顕著に享受することができている。
変形例2の電動ポンプは、実施例1の電動ポンプ1におけるロックナット33の後端面に、図4に示すように、多数の案内溝33aが形成されたものである。その他の構成は実施例1の電動ポンプ1と同様であるので、説明は省く。
案内溝33aは、円環状のロックナット33の内周縁側から外周縁側に向けて、半径方向に対して角度を有して凹設されており、モータ室10b内の流体を駆動軸20の軸芯Oから遠ざけるように案内する形状とされている。
この電動ポンプでは、ロックナット33とともに案内溝33aが回転することにより、流体が駆動軸20の軸芯Oから遠ざけられて、連通路50の入口50a近傍で流体の圧力が一層上昇する。このため、流体は、モータ室10bから連通路50を介して端部室10cにより効果的に流入する。このため、実施例2の電動ポンプは、本発明の作用効果を一層確実に奏することができている。
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
本発明は電動ポンプに利用可能である。
実施例1の電動ポンプの縦断面図である。 実施例1の電動ポンプに係り、駆動軸の軸芯と連通路の入口及び出口との位置関係を示す模式図である。 実施例1の電動ポンプに係り、運転試験の結果を示すグラフである。 実施例2の電動ポンプに係り、ロックナットの後端面を示す正面図である。
符号の説明
1…電動ポンプ
10…ハウジング
10a…ポンプ室
10b…モータ室
10c…端部室
20…駆動軸
31…ロータ
30…モータ機構
33…ロックナット
33a…案内溝
40…ポンプ機構
41…駆動ギヤ
43…従動軸
42…従動ギヤ
44…吐出ポート
50…連通路
50a…連通路のモータ室側の入口
50b…連通路のモータ室側の入口
60…軸受装置(ボール軸受)
O…駆動軸の軸芯
R…駆動軸の回転方向

Claims (7)

  1. 内部に互いに連通するモータ室及びポンプ室が区画されたハウジングと、該ハウジングに軸受装置を介して回転可能に軸支された駆動軸と、ロータを有して該モータ室に収容され、該駆動軸を回転駆動するモータ機構と、該ポンプ室に収容され、該駆動軸の回転駆動によって流体のポンプ作用を行うポンプ機構とを備え、
    該ロータは該駆動軸にロックナットによって固定され、該ハウジングには、該軸受装置を収容して該駆動軸の一端面が位置する端部室が形成されている電動ポンプにおいて、
    前記端部室と前記モータ室とは連通路によって連通し、該連通路の該モータ室側の入口は、前記ロックナットの回転によって該モータ室内の前記流体が圧力上昇を生じる範囲内で開口していることを特徴とする電動ポンプ。
  2. 前記連通路の前記入口は、前記ロックナットと対面している請求項1記載の電動ポンプ。
  3. 前記ロックナットには、前記モータ室内の前記流体を前記駆動軸の軸芯から遠ざけるように案内する案内溝が形成されている請求項1又は2記載の電動ポンプ。
  4. 前記連通路は、前記入口が前記駆動軸の軸芯を中心とする円周上であって、該駆動軸の回転方向の上流側に位置し、前記端部室側の出口が該円周上であって、該駆動軸の回転方向の下流側に位置している請求項1乃至3のいずれか1記載の電動ポンプ。
  5. 前記駆動軸は前記モータ室及び前記ポンプ室を跨いで延在し、
    前記ポンプ機構は、該ポンプ室内に配設され、該駆動軸と一体回転可能な駆動ギヤと、該ポンプ室を跨いで延在する従動軸と、該ポンプ室内に配設され、該従動軸と一体回転可能な従動ギヤと、該ポンプ室と連通する吸入ポート及び吐出ポートとからなるギヤポンプ機構である請求項1乃至4のいずれか1項記載の電動ポンプ。
  6. 前記流体がジメチルエーテルである請求項1乃至5のいずれか1項記載の電動ポンプ。
  7. 前記軸受装置が転がり軸受である請求項1乃至6のいずれか1項記載の電動ポンプ。
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