JP4677717B2 - Soiウェーハの製造方法およびその装置 - Google Patents
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SOIウェーハの製造方法の1つに、スマートカット法がある。このスマートカット法は、まず、シリコンウェーハ表面に水素イオンを注入する。次いで、この活性層用ウェーハを絶縁膜を介して支持ウェーハに貼り合わせる。
次に、貼り合わせウェーハを剥離熱処理する。すると、イオン注入層を境界として、SOIウェーハと分離ウェーハ(貼り合わせウェーハの一部)とに剥離される。その後、剥離後のSOIウェーハを、結合熱処理および活性層の薄膜化処理を行い、SOIウェーハを完成させる。
上記剥離熱処理は、一般的に横型の熱処理炉を用いて実施される。剥離前の貼り合わせウェーハは、横型のボートに垂直に配設される。そして、貼り合わせウェーハは、ボートに垂直に支持された状態で熱処理炉内において剥離熱処理される。
また、特許文献1に記載の貼り合わせウェーハの製造方法のように、剥離熱処理した後、ベルヌイチャックを用いて、剥離後のSOIウェーハおよび残りの活性層用ウェーハを回収する方法が開示されている。
また、特許文献1に記載のSOIウェーハの製造方法においては、貼り合わせウェーハを剥離熱処理した後、ベルヌイチャックを使用して剥離後のSOIウェーハと貼り合わせウェーハの一部(活性層用ウェーハの一部)との分離回収を実施していた。
また、この発明は、貼り合わせSOIウェーハを剥離熱処理しながら、SOIウェーハと分離ウェーハとを分離するSOIウェーハの製造方法およびその装置を提供することを目的とする。
次に、ベルヌイチャックのN2ガスの噴射を止め、剥離後の分離ウェーハのベルヌイチャックの保持状態を解除する。そして、分離ウェーハを回収する回収手段を設けて、これを熱処理室の外部に取り出して回収する。回収手段は、例えばロボットハンドを使用する。
次に、サセプタに搭載されたSOIウェーハをベルヌイチャックで再び保持する。そして、回収手段により、SOIウェーハを熱処理室の外部に取り出してこれを回収する。または、ベルヌイチャックに保持状態のままSOIウェーハを熱処理室の外部に取り出し、これを回収してもよい。
この結果、剥離後のSOIウェーハと分離ウェーハとが接触することもなく、これらのウェーハにキズが付かず、ゴミも付着しない。
ベルヌイチャックとは、気体を噴出するエゼクタ効果およびベルヌイ効果による負圧発生と圧力式エアクッション効果による正圧発生とにより、貼り合わせウェーハを空中に浮遊した無接触・非接触状態にて保持するものである。
サセプタは、熱処理室内で使用できる素材で形成される。例えば、グラファイトとSiCなどである。
次に、この貼り合わせウェーハをベルヌイチャックで保持する。次いで、貼り合わせウェーハを石英製の箱形チャンバに投入して剥離熱処理する。剥離熱処理すると、SOIウェーハがイオン注入層を境界として剥離される。そして、SOIウェーハをベルヌイチャックの下方に位置するサセプタに落下させてこれを回収する。これにより、剥離後のSOIウェーハと分離ウェーハとが接触することもなく、キズやゴミが付着するおそれも生じない。
まず、SOIウェーハ11の製造装置について説明する。
図1は、SOIウェーハ11の剥離熱処理装置の全体構成を示す斜視図である。図2は、その剥離熱処理装置の概要を示す平面図である。この剥離熱処理装置は、主として基板搬送部32と熱処理部30とを備えている。また、剥離前の貼り合わせウェーハ10を投入するローダ部51と剥離後のSOIウェーハ11および分離ウェーハ12を回収するアンローダ部52とがそれぞれ配設される。
図1に示すように、ローダ部51には、ステージ41と、このステージ41上に複数枚の貼り合わせウェーハ10が挿入されるカセット33とが配設される。そして、ステージ41と並列してローダロボット37aが設けられる。このローダロボット37aは、カセット33のウェーハを1枚毎に搬送するローダフォーク38aを有している。
図1に示すように、アンローダ部52には、2つのステージ42、43と、これらのステージ42、43上に複数枚の熱処理後ウェーハが挿入されるカセット34、35とがそれぞれ配設される。一方のカセット34(第1の回収カセット)には、剥離後のSOIウェーハ11が挿入される。他方のカセット35(第2の回収カセット)には、剥離後の貼り合わせウェーハ10の一部が挿入される。ローダ部51と同様に、ステージ42、43と並列してアンローダロボット37bが設けられる。
図2に示すように、基板搬送部32には、貼り合わせウェーハ10をローダ部51のローダフォーク38aからチャンバ31に搬送するロボット36が設けられている。ロボット36は3本の部材で構成されたアーム40を有している。ロボット36のアーム40の3本の部材の先端には、貼り合わせウェーハ10を保持する石英製のベルヌイチャック21が設けられている。
図3(a)および図3(b)は、ベルヌイチャック21の構成を示す正面図および平面図である。ベルヌイチャック21には、アーム40の先に円形の保持カバー46が設けられる。保持カバー46の周縁には、下方に向かって凸部が形成されている。保持カバー46の中央には、ベルヌイチャック21のN2ガスの吹き出し口44が設けられている。
SOIウェーハ11の製造は、図5(a)〜図5(f)に示すような工程で行われる。まず、CZ法により育成され、ボロンがドーパントとされたシリコンインゴットからスライスした図示しないシリコンウェーハを2枚準備する。これらのシリコンウェーハを、一方を図示しない活性層用ウェーハとして、他方を図示しない支持用ウェーハとする。そして、図5(a)に示すように、活性層用ウェーハとなるシリコンウェーハの表面に図示しない酸化膜を形成する。酸化膜の形成は、酸化炉内にシリコンウェーハを投入し、これを所定時間、所定温度に加熱することにより行われる。このとき、形成される酸化膜の厚さは1500Åである。
次に、図5(c)に示すように、水素イオンが注入された活性層用ウェーハを、そのイオンが注入された面(酸化膜表面)を貼り合わせ面として、支持用ウェーハに貼り合わせる。この結果、貼り合わせ界面に絶縁膜(酸化膜)が介在された貼り合わせウェーハ10が形成される。
図1に示すように、まず、カセット33に挿入された貼り合わせウェーハ10を、剥離熱処理装置のローダ部51のステージ41の上にセットする。次いで、カセット33にセットされた貼り合わせウェーハ10を、ローダロボット37aのローダフォーク38aにより1枚ずつピックアップする。そして、貼り合わせウェーハ10を、ロボット36のアーム40に設けられたベルヌイチャック21で保持する。このとき、アーム40の吹き出し口44より、貼り合わせウェーハ10に向かってN2ガスが流出する。流出したN2ガスは、貼り合わせウェーハ10の周縁部に回り込む。この空気の回り込みにより、貼り合わせウェーハ10の裏面に負圧が生じる。これにより、貼り合わせウェーハ10は、剥離後SOIウェーハ11の裏面(デバイスが形成される面とは反対の面)を下側にして、ベルヌイチャック21に非接触で保持される。そして、貼り合わせウェーハ10を、ベルヌイチャック21に保持した状態で、ロボット36により熱処理部30のチャンバ31のサセプタ16の真上に搬送する。この時、熱処理部30は、加熱ヒータにより略500℃に維持され、ガス注入口23からは窒素ガスが注入されている。
すると、ベルヌイチャック21に保持された貼り合わせウェーハ10は、イオン注入層において水素ガス(希ガス)のバブルが形成され、このバブルが形成されたイオン注入層を境界として剥離する。すなわち、貼り合わせウェーハ10は、支持ウェーハに酸化膜を介してSOI層が積層されたSOIウェーハ11と、分離ウェーハ12(貼り合わせウェーハの一部)とになる。
剥離された後SOIウェーハ11は、ベルヌイチャック21の下方に設けられたサセプタ16にその裏面から落下し、このサセプタ16上に搭載される。SOIウェーハ11の裏面からサセプタ16に落下するので、SOIウェーハ11の表面(デバイスが形成される面)にはキズがつかない。
この後、図1に示すように、ベルヌイチャック21に保持されている分離ウェーハ12の下にアンローダフォーク38bを待機させベルヌイチャック21の窒素ガスの注入を停止させる.これにより、剥離ウエハ12はアンローダフォーク38bに搭載され、熱処理部30の排出扉53から外へ搬出する。そして、分離ウェーハ12を、第2の回収カセット35に回収する。
次に、ベルヌイチャック21をサセプタ16上のSOIウェーハ11に近づけ、窒素ガスを流入させる。これにより、SOIウェーハ11は、ベルヌイチャック21に非接触で保持される。続いて、先ほどの手順と同様に、ベルヌイチャック21に保持されているSOIウェーハ11の下にアンローダフォーク38bを待機させ、ベルヌイチャック21の窒素ガスの注入を停止させる。これにより、SOIウェーハ11は、アンローダフォーク38bに搭載され、熱処理部30の排出扉53から外へ搬出される。そして、このSOIウェーハ11を、第1の回収カセット34に回収する。
そこで、図6(a)に示すように、サセプタ16の搭載面46に複数の噴射口45を配設する。落下してくるSOIウェーハ11の全面に向かって、例えば、N2ガスを噴射口45より噴射する。すると、落下してきたSOIウェーハ11は、N2ガスを受けてサセプタ16から浮いた状態となる。この後、N2ガスを徐々に弱めて、最終的にN2ガスの噴射を止める。これにより、図6(b)に示すように、SOIウェーハ11は、サセプタ16の搭載面46に載置される。この結果、SOIウェーハ11にキズをつけたり破損したりすることなくサセプタ16に落下させて回収することができる。また、ベルヌイチャック21とサセプタ16との距離を大きくしてこれらを配設することができる。
最後に、図5(f)に示すように、SOI層の薄膜化処理(例えば研磨)を行い、SOIウェーハ11を完成させる。
11 SOIウェーハ、
12 分離ウェーハ、
16 サセプタ、
21 ベルヌイチャック。
Claims (3)
- 活性層用ウェーハに絶縁膜を介して水素または希ガス元素をイオン注入して、この活性層用ウェーハにイオン注入層を形成し、次いで、この活性層用ウェーハをこの絶縁膜を介して支持ウェーハに貼り合わせて貼り合わせウェーハを形成し、この後、この貼り合わせウェーハを熱処理して、上記イオン注入層を境界として分離ウェーハを剥離してSOIウェーハを製造するSOIウェーハの製造方法であって、
上記貼り合わせウェーハをベルヌイチャックで保持する工程と、
この貼り合わせウェーハをこのベルヌイチャックで保持された状態で熱処理する工程と、
この貼り合わせウェーハから剥離した上記SOIウェーハをこのベルヌイチャックの下方に設けたサセプタに搭載して回収する工程とを備えたSOIウェーハの製造方法。 - 活性層用ウェーハに絶縁膜を介して水素または希ガス元素をイオン注入して、この活性層用ウェーハにイオン注入層を形成し、次いで、この活性層用ウェーハをこの絶縁膜を介して支持ウェーハに貼り合わせて貼り合わせウェーハを形成し、この後、この貼り合わせウェーハを熱処理室で熱処理して、上記イオン注入層を境界として分離ウェーハを剥離してSOIウェーハを製造するSOIウェーハの製造装置であって、
上記熱処理室に隣接して設けられた基板搬送部と、
この基板搬送部に貼り合わせウェーハ搬送ロボットが設けられ、この貼り合わせウェーハ搬送ロボットのアームの先端に設けられたベルヌイチャックと、
上記熱処理室内に配設され、このベルヌイチャックが熱処理室内に移動した際に、このベルヌイチャックの下方になるように設けられたサセプタと、
上記ベルヌイチャックが投入された状態で熱処理室を密閉するゲート弁と、を備えたSOIウェーハの製造装置。 - 上記サセプタは、その搭載面に気体を噴出するノズルを有する請求項2に記載のSOIウェーハの製造装置。
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