JP4677149B2 - 筒状部材内面の高周波焼入方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一端が開口され他端が閉塞される有底の筒状部材、例えば、自動車部品である等速ボールジョイントを構成するハウジング部材の内面を高周波焼入する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の高周波焼入方法について、前記筒状部材の内面に定置一発高周波焼入を行うときは、図5に示すように、前記筒状部材としての前記ハウジング部材101内に、複数個(図では、3個)のリング状加熱コイル105aを中心軸上に重ねてコイル状に形成した高周波誘導加熱コイル(以下、単に高周波加熱コイルという)105を配置し、該高周波加熱コイル105に高周波電流を供給して前記ハウジング部材101の前記内面102を加熱し、しかる後、該内面102に、前記高周波加熱コイル105の中心軸に配設された冷却液噴射ノズル106から第1の冷却液を噴射して前記内面102を急冷し、前記内面102に焼入硬化層102aを形成している。
【0003】
このように、前記ハウジング部材101の内面102に定置一発高周波焼入を行うに際し、前記ハウジング部材101の内面102の開口端101a側に形成される未焼入範囲102bの長さL2を調整するため、図5(b)に示すように開口端101aに金属製リング状部材108を前記開口端101aに被着させて、前記高周波焼入を行うことがある。
【0004】
また、高周波焼入を施す前記筒状部材としてのハウジング部材の横断面が複雑形状のものがある。すなわち、内部に、複数の溝部を有する有底の前記筒状部材の一例である等速ボールジョイント(トリポート型自在継手)のハウジング部材1であり、図6(a)の縦断面図と、図6(a)の6B−6B線による横断面図を示す図6(b)のように、その内面2に縦方向の中心軸X方向に3個所の溝部2aを有し、一端が開口端1aに開口され他端が閉塞されている。そして、前記ハウジング部材1のうち、前記溝部2aは図示しない球面ローラが転動するローラ溝で、該溝部2aのそれぞれの両側に一対の転動面2b,2bが形成されている。
【0005】
前記ハウジング部材1の内面2に定置一発高周波焼入を行う方法を、図7に示す高周波焼入装置21より説明する。
前記高周波焼入装置21は、図示しない固定部に固定部材5b(内部に内面冷却部6の冷却管6bが貫通)を介して固定される、定置一発高周波焼入用の高周波誘導加熱コイル(以下、単に高周波加熱コイルという)5を内蔵する。焼入を行うときは、前記ハウジング部材1を上方から降下させて、該ハウジング部材1内に前記高周波加熱コイル5を配置し、該高周波加熱コイル5に高周波電源3から高周波電流を供給して前記ハウジング部材1の前記内面2を誘導加熱し、しかる後、該内面2に前記高周波加熱コイル5の中心軸に配設された内面冷却部6の冷却液噴射ノズル6aから第1の冷却液を噴射して前記内面2を焼入し、前記内面2に焼入硬化層2cを形成する。
【0006】
この場合、前記ハウジング部材1の内面2を加熱するとき、図8に示すように、前記高周波焼入コイル5に設けられる前記冷却液噴射ノズル6aとは別に、前記ハウジング部材1の開口端1a側に設けられた端面冷却部8により、前記ハウジング部材1の開口端1aの端面1bに第2の冷却液(例えば、冷却水)を供給し、前記端面1bを冷却しながら内面2を加熱して、前記開口端1a側に形成される未焼入範囲2dの長さ(図9に示す長さL2)を調整している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図5の前記定置一発高周波焼入において、前記金属製リング状部材108を用いて前記ハウジング部材101の前記未焼入範囲102bの長さL2を調整する方法は、焼入対象となる前記ハウジング部材101の形状が単純な場合、例えば概ね円筒に近い形状である場合は前記リング状部材108の製作は容易であり、その効果も必要かつ十分である。
しかしながら、前記ハウジング部材101の断面形状が、図6(b)に示すような場合は、前記リング状部材108の製作費用は非常に高価になるという問題点があった。
【0008】
また、図7及び図8の前記定置一発高周波焼入において、前記端面冷却部8により、前記開口端1aの端面1bを冷却して前記未焼入範囲2dの長さL2を調整する方法では、図8に示すように、前記ハウジシグ部材1の内面2に開口端1aの端面1bから第2の冷却液(冷却水)が侵入してしまい、その結果、図9に示すように焼入硬化層2cの中心軸X方向の長さが不均一になり、図10のように、開口端1a側の未焼入範囲2dの長さが一定せず、場合によっては未焼入範囲2dの長さL2が規格内に収まらないという問題点があった。
同時に、前記未焼入範囲2dの長さが一定しないため、前記ハウジング部材1の各溝部2a,2aの転動面2b,2bの焼入歪量が一定しないという問題点もあった。
【0009】
本発明はかかる点を鑑みなされたもので、その目的は前記問題点を解消し、極めて簡易で、かつ安価な筒状部材内面の高周波焼入方法を提案することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、前記筒状部材の開口端側の未焼入範囲の長さを一定にするとともに、該筒状部材の焼入した部分の焼入歪量を一定にするような筒状部材内面の高周波焼入方法を提案することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明の構成は、一端が開口され他端が閉塞される筒状部材内に、高周波誘導加熱コイルを配置して、前記筒状部材の所定の内面を加熱し、しかる後、該内面に第1の冷却液を噴射して前記内面を焼入するに際し、次のとおりである。
【0012】
前記筒状部材の中心軸と前記高周波誘導加熱コイルの中心軸とを一致させ、前記筒状部材の開口端周辺に第2の冷却液を噴射しながら、前記高周波誘導加熱コイルに所要周波数の高周波電流を供給して前記筒状部材内面の所定焼入領域を誘導加熱するとき、前記高周波誘導加熱コイルに配設される冷却液噴射ノズルから、前記第1の冷却液に代えて圧縮空気を噴射し、該圧縮空気を前記筒状部材の内面に沿って前記開口端周辺から外部に流出させることにより、前記開口端周辺から前記筒状部材の内部に前記第2の冷却液の侵入を防止して、前記開口端周辺の未焼入範囲の前記中心軸方向の長さを一定にする高周波焼入方法である。
【0013】
前記冷却液噴射ノズルは、前記高周波誘導加熱コイルの中心軸に配設され、前記高周波誘導加熱コイルにより前記筒状部材内面の所定焼入領域を誘導加熱した後、前記冷却液噴射ノズルから前記第1の冷却液が噴射される高周波焼入方法である。
【0014】
前記冷却液噴射ノズルは、該冷却液噴射ノズルに導通する方向制御弁の操作により、前記圧縮空気又は前記冷却液を噴射する高周波焼入方法である。
【0015】
本発明の前記高周波焼入方法は、以上のように構成されているので、前記筒状部材内面の開口端周辺の未焼入範囲の中心軸方向の長さを所定の範囲(予め決められた規格の範囲)内に形成するために、従来より使用されている筒状部材内に配置される定置一発高周波焼入用の高周波加熱コイルにより、前記筒状部材内面を高周波誘導加熱中に、該高周波加熱コイルに設けられる焼入用の冷却液ノズルより、第1の冷却液に代えて圧縮空気を前記筒状部材内部に噴射して、この圧縮空気が筒状部材内面に沿って開口端周辺から外部に流出させ、この流出により、前記開口端周辺に形成されるエアカーテンで、前記内面と前記開口端面冷却用の第2の冷却液とが仕切られた状態になり、前記誘導加熱中に前記第2の冷却液(冷却水)が前記筒状部材内部へ侵入することを防ぐことができる。これによって、前記開口端面の所定の範囲のみを、十分に冷却することが可能となり、前記開口端周辺の未焼入範囲の前記長さを一定にすることができる。同時に、焼入部分の焼入品質の安定化を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。
図1及び図2は、本発明の筒状部材内面の高周波焼入方法の一実施の形態を示す図で、図1は、高周波誘導加熱コイル5を内蔵する高周波焼入装置11により、筒状部材としての前記ハウジング部材1内面の後記所定個所を焼入するときの全体の要部配置を示す斜視図、図2は、前記高周波加熱コイル5により前記ハウジング部材1の内面2を加熱中の、前記高周波加熱コイル5と前記ハウジング部材1との位置関係と、前記高周波加熱コイル5に配設される冷却液噴射ノズル6aから前記ハウジング部材1内に噴射される圧縮空気の流れと、前記ハウジング部材1の開口端1aの端面1bに向けて端面冷却部8から噴射される第2の冷却液(端面冷却液)の流れを示す縦断面図である。
【0017】
なお、前記内面2の前記所定個所とは、図6に示す前記ハウジング部材1の内面2に設けられる、3個の溝部2aのそれぞれの両側の一対の転動面2b,2bをいい、前記高周波加熱コイル5により誘導加熱し、しかる後、前記転動面2b,2bに第1の冷却液を噴射して、該転動面2b,2bを焼入する。また、前記第2の冷却液は、本実施の形態では、冷却水である。
なお、図1及び図2において、図6ないし図8と同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0018】
前記高周波焼入装置11に配設される前記高周波誘導加熱コイル5は、その固定部材5b(内部に内面冷却部6の冷却管6bが貫通)が図示しない固定部に固定されるとともに、前記高周波加熱コイル5の垂直方向の上方に、前記ハウジング部材1が、昇降装置12の出力部材に保持されている。
【0019】
前記高周波加熱コイル5は、銅などの導体からなる中空状の角管で形成される加熱コイル部5aを形成し、その中空内部には冷却液が、循環するようになっている。該高周波加熱コイル5は、3個の加熱コイル部5aからなり、前記加熱コイル部5aのそれぞれは、前記ハウジング部材1の前記それぞれの転動面2b,2bに所定の間隔を置いて対向するように配置されており、例えば10kHz〜40kHz(又は、5kHz〜150kHz)の高周波電源3から高周波電流が供給され、前記それぞれの転動面2b,2bを一発で誘導加熱するようになっている。
【0020】
前記高周波加熱コイル5に配設される第1の冷却部6の冷却管6bは、制御器13により開閉制御される方向制御弁CV1を介して、図示しない第1の冷却液源と圧縮空気源とに接続され、また、前記端面冷却部8の冷却管8bは、前記制御器13により開閉制御される方向制御弁CV2を介して、図示しない第2の冷却液源に接続されている。前記方向制御弁CV1は、3位置の方向制御弁であり、第1の位置では前記圧縮空気系のみが開、中間位置では前記圧縮空気系及び前記第1の冷却液系の両方が閉、第2の位置では前記第1の冷却液系のみ開になり、前記方向制御弁CV2は、2位置の方向制御弁で、前記第2の冷却液系を開閉する。
【0021】
次いで、本実施の形態の高周波焼入方法を図1及び図2により説明する。
まず、前記昇降装置12により、焼入前の前記ハウジング部材1を、その中心軸Xと前記高周波加熱コイル5の中心軸とを一致させ、該高周波加熱コイル5と前記ハウジング部材1内のそれぞれの溝部2a,2aとが、所定の位置関係になるような状態に保持する。
【0022】
この状態から、前記昇降装置12により前記ハウジング部材1を降下させ、該高周波加熱コイル5が前記ハウジング部材1の内部に挿入されたとき、図2に示す位置関係になると、該ハウジング部材1の降下が停止する。
このとき、前記ハウジング部材1内の前記溝部2a,2aのそれぞれの転動面2b,2bと前記高周波加熱コイル5の加熱コイル部5a,5aとが、所定の間隔を置いて対向し、かつ所定の位置関係になるように、該ハウジング部材1が配置される。
【0023】
この状態で、外面冷却部7から前記ハウジング部材1の外面へ向けて冷却液を噴射して、前記外面の冷却を開始する。該外面の冷却は焼入が終了するまで行われる。
次いで、前記ハウジング部材1の内面2の誘導加熱開始前に、前記制御器13により、前記方向制御弁CV1を操作して、前記内面冷却部6の冷却液噴射ノズル6aに圧縮空気を供給するとともに、前記端面冷却部8の噴射ノズル8a群から、前記筒状部材1の開口端1aの端面1bに向けて第2の冷却液を噴射する。前記圧縮空気を所要時間、噴射させた後、前記高周波電源3から前記高周波加熱コイル5に所要時間、高周波電流を供給して、前記各溝部2aのそれぞれの転動面2b,2bを所要温度まで加熱する。
なお、前記高周波加熱コイル5に高周波電流を供給すると同時に、前記冷却液噴射ノズル6aに圧縮空気の供給を開始してもよい。
【0024】
前記誘導加熱終了後、直ちに又は所要時間経過後、前記制御器13により、前記方向制御弁CV1を操作して、前記冷却液噴射ノズル6aに供給していた圧縮空気を停止するとともに、第1の冷却液源から第1の冷却液を供給を開始して、前記ハウジング部材1内の前記それぞれの転動面2b,2bに、前記第1の冷却液を噴射して急速冷却し、該それぞれの転動面2b,2bの焼入を行う。
【0025】
前記加熱中に、前記冷却液噴射ノズル6aに圧縮空気を供給して、該圧縮空気を前記ハウジング部材1の内面2に噴射させ、該ハウジング部材1内の開口端1a周辺から外部に流出させて、該圧縮空気流にエアカーテンの作用をもたらす。このため、前記端面冷却部8から前記ハウジング部材1内の開口端1aの端面1bに向けて噴射される第2の冷却液である端面冷却水が、加熱中の溝部2b,2b内へ侵入するのを防ぐことができる。
【0026】
これにより、前記ハウジング部材1の開口端1a側の加熱状態が、それぞれの溝部2a,2aで一定し、焼入終了後の前記溝部2a,2aのそれぞれの転動面2b,2bの未焼入範囲2dの長さ(中心軸X方向の長さL2)のバラツキを抑えることができる。図3は、前記転動面2b,2bの焼入硬化層2c,2cを示す。
【0027】
以下に具体例を示す。
【0028】
図4は、前記具体例による未焼入範囲2dの実測値をグラフ化した図であるが、図10に示す従来の高周波焼入方法による未焼入範囲の実測値をグラフ化した図と比較して、長さL2のバラツキが明らかに減少していることが碓認できる。
【0029】
なお、本発明の技術は前記実施例における技術に限定されるものではなく、同様な機能を果たす他の態様の手段によってもよく、また本発明の技術は前記構成の範囲内において種々の変更、付加が可能である。
【0030】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明の筒状部材内面の高周波焼入方法によれば、前記筒状部材の中心軸と前記高周波誘導加熱コイルの中心軸とを一致させ、前記筒状部材の開口端周辺に第2の冷却液を噴射しながら、前記高周波誘導加熱コイルにより前記筒状部材内面の所定焼入領域を誘導加熱するとき、前記高周波誘導加熱コイルに配設される冷却液噴射ノズルから、前記第1の冷却液に代えて圧縮空気を噴射し、該圧縮空気を前記筒状部材の内面に沿って前記開口端周辺から外部に流出させて、前記開口端周辺から前記筒状部材の内部に前記第2の冷却液の侵入を防止して、前記開口端側の未焼入範囲の前記中心軸方向の長さを一定にするので、従来の前記高周波焼入方法に比べて、極めて簡易で、かつ低コストで、安価になるという効果がある。
【0031】
また、本発明の高周波焼入方法によれば、前記筒状部材の開口端側の前記中心軸方向の未焼入範囲の長さを一定にして、そのバラツキを抑え安定した品質を得ることができる。同時に、前記筒状部材の規格に定める範囲内に収めることができるとともに、該筒状部材の焼入した部分の焼入歪量を一定にすることができるという効果をも奏する。
【0032】
さらに、既存の設備にも簡単な改造で、本発明による機能を付与することができ、本発明による機能を付与する改造によって前記筒状部材の開口端側の前記中心軸方向の未焼入範囲の前記長さを一定にすることができる。また、前記未焼入範囲の長さの調整に、従来からの金属製リング状部材を使用しないため、前記開口端の端面と該金属製リング状部材との間にスパッタ(スパーク発生痕)の発生も皆無になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の筒状部材内面の高周波焼入方法の一実施の形態を示す図で、高周波誘導加熱コイルを内蔵する高周波焼入装置により、前記筒状部材としてのハウジング部材内面の所定個所(溝部のそれぞれの転動面)を焼入するときの全体の要部配置を示す斜視図である。
【図2】前記高周波加熱コイルにより前記ハウジング部材の内面を加熱中の、前記高周波加熱コイルと前記ハウジング部材との位置関係と、前記高周波加熱コイルに配設される冷却液噴射ノズルから前記ハウジング部材内に噴射される圧縮空気の流れと、前記ハウジング部材の開口端の端面に向けて端面冷却部から噴射される第2の冷却液(端面冷却液)の流れを示す縦断面図である。
【図3】図3(a),図3(b),図3(c)は、図3(d)のそれぞれA−A線、B−B線、C−C線による縦断面図、図3(d)は、図2のIII−III線による前記ハウジング部材の横断面図で、転動面の焼入硬化層を示す図である。
【図4】本実施の形態による前記ハウジング部材の図3(d)に示す溝部における焼入範囲と未焼入範囲の実測値をグラフ化した図である。
【図5】図5(a)は、図5(b)のVa−Va線による横断面図、図5(b)は、従来の筒状部材内面の高周波焼入方法の一例で、ほぼ円筒状の筒状部材と、その内面を焼入する高周波加熱コイルと、前記筒状部材の内面開口端側の未焼入範囲の長さを調整するための金属製リング部材とを含む縦断面図である。
【図6】内部に複数の溝部を有する筒状体の一例としての等速ボールジョイント(トリポート型自在継手)のハウジング部材の図で、図6(a)は、その縦断面図、図6(b)は、図6(a)の6B−6B線による横断面図である。
【図7】従来の筒状部材内面の高周波焼入方法の他の一例を示す図で、高周波加熱コイルを内蔵する高周波焼入装置により、前記筒状部材としてのハウジング部材内面の所定個所(溝部のそれぞれの転動面)を焼入するときの全体の要部配置を示す斜視図である。
【図8】図7の要部断面図で、内部に複数の溝部を有する前記ハウジング部材と、高周波加熱コイルと、前記ハウジング部材の開口端の端面を冷却する端面冷却部と、該端面冷却部から噴射された第2の冷却液(冷却水)の流れを示す縦断面図である。
【図9】図9(a),図9(b),図9(c)は、図9(d)のそれぞれD−D線、E−E線、F−F線による縦断面図、図9(d)は、図8のIXd−IXd線による前記ハウジング部材の横断面図で、従来の転動面の焼入硬化層を示す図である。
【図10】前記従来の筒状部材内面の高周波焼入方法の他の一例による、前記ハウジング部材の図9(d)に示す溝部における焼入範囲と未焼入範囲の実測値をグラフ化した図である。
【符号の説明】
1 ハウジング部材
1a 開口端
1b 端面
2 内面
2a 溝部
2b 転動面
2c 焼入硬化層
2d 未焼入範囲
3 高周波電源
5 高周波加熱コイル(高周波誘導加熱コイル)
5a 加熱コイル部
5b 固定部材
6 内面冷却部
6a 冷却液噴射ノズル
6b,8b 冷却管
7 外面冷却部
8 端面冷却部
8a 冷却液噴射ノズル群
11 高周波焼入装置
12 昇降装置
13 制御器
21 高周波焼入装置(従来の定置一発高周波焼入用)
CV1,CV2 方向制御弁
X 中心軸
Claims (3)
- 一端が開口され他端が閉塞される筒状部材内に、高周波誘導加熱コイルを配置して、前記筒状部材の所定の内面を加熱し、しかる後、該内面に第1の冷却液を噴射して前記内面を焼入するに際し、
前記筒状部材の中心軸と前記高周波誘導加熱コイルの中心軸とを一致させ、前記筒状部材の開口端周辺に第2の冷却液を噴射しながら、前記高周波誘導加熱コイルに所要周波数の高周波電流を供給して前記筒状部材内面の所定焼入領域を誘導加熱するとき、前記高周波誘導加熱コイルに配設される冷却液噴射ノズルから、前記第1の冷却液に代えて圧縮空気を噴射し、該圧縮空気を前記筒状部材の内面に沿って前記開口端周辺から外部に流出させることにより、前記開口端周辺から前記筒状部材の内部に前記第2の冷却液の侵入を防止して、前記開口端周辺の未焼入範囲の前記中心軸方向の長さを一定にすることを特徴とする筒状部材内面の高周波焼入方法。 - 前記冷却液噴射ノズルは、前記高周波誘導加熱コイルの中心軸に配設され、前記高周波誘導加熱コイルにより前記筒状部材内面の所定焼入領域を誘導加熱した後、前記冷却液噴射ノズルから前記第1の冷却液が噴射されることを特徴とする請求項1に記載の筒状部材内面の高周波焼入方法。
- 前記冷却液噴射ノズルは、該冷却液噴射ノズルに導通する方向制御弁の操作により、前記圧縮空気又は前記冷却液を噴射することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の筒状部材内面の高周波焼入方法。
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