JP4676480B2 - 光ファイバケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバケーブルに関する。さらに詳しくは、架空に布設されている配線系ケーブルから一般住宅、ビル等の加入者宅内への引き込みに用いられる光ファイバケーブルに関する。
近年、光ファイバケーブルを用いた光加入者線路網の構築が急速に進んでおり、地域情報化やFTTH(Fiber To The Home)に向けて、通信事業者と一般住宅、ビル等を直接光ファイバで連結することによる、加入者周辺地域への光ケーブル網の整備が活発に行われている。かかる光ケーブル網としては、光ファイバケーブルを敷設した後に、ケーブルの任意のポイントからケーブルを切断することなく所望の光ファイバを分岐する中間後分岐(中間分岐とも呼ばれる。)を行い、加入者までの光ファイバ配線を容易に行うようにしている。
中間後分岐に使用されるかかる構成の光ファイバケーブルは、例えば、デタッチャと呼ばれる工具を用いて、嘴(くちばし)状の突起をケーブルシース側面に設けられたノッチに差し込んで広げることでシースを2分割して、シース中の光ファイバ心線を取り出す工法で中間後分岐がなされている(例えば、特許文献1を参照。)。また、一般に使用されている中間後分岐用の光ファイバケーブルとしては、光ファイバ心線と、当該光ファイバ心線の両側に光ファイバ心線と長手方向に平行に並んで配置されたテンションメンバと、光ファイバ心線等を被覆するシースとからなり、ケーブルの両脇には、長手方向に亘って形成された一対のノッチが形成され、必要により支持線を内蔵した支持部を配設した構成が採用されている。
かかる構成の光ファイバケーブルは、具体的には、光ファイバ心線とφ0.4mm程度の鋼線やガラス繊維や樹脂(有機)繊維を含有した繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics:FRP)からなるテンションメンバを一体的にシースしたものがあるが、かかる構成の光ファイバケーブルは、シースを2分割した際にケーブルシース内で光ファイバ心線に曲がりが生じることによる光損失変動を抑制するため、光ファイバ心線とノッチの底部間の厚さを0.05〜0.30mm、好ましくは0.1〜0.2mmとする必要があった(例えば、特許文献2を参照。)。
特開2000−121839号公報 特開2007−41397号公報
しかしながら、前記した特許文献に開示される光ファイバケーブルのように、光ファイバ心線とノッチの底部間の厚さを0.05〜0.30mmとした場合には、この部分はシースの厚さが薄く光ファイバ心線を押さえつける力が弱くなるため、シースと光ファイバ心線間に間欠的な隙間が生じ、マイクロベンドロスの増加が発生してしまうことがあった。また、ケーブルの余長収納のためにケーブルが小径に曲げられた状態で、炎天下でケーブルの外被の温度が高温になった場合、薄い部分の強度が弱いためシースが裂けて光ファイバ心線が飛び出してしまうという問題があった。
本発明は前記の課題に鑑みてなされたものであり、中間後分岐を行った場合であっても損失変動を抑制することができ、また、マイクロベンドロスの増加やケーブル内部のシース割れが発生しない光ファイバケーブルを提供することにある。
前記の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る光ファイバケーブルは、光ファイバ心線と、当該光ファイバ心線の両側に光ファイバ心線と長手方向に平行に並んで配置されたテンションメンバと、前記光ファイバ心線及び前記テンションメンバを被覆するシースと、ケーブルの両脇に長手方向に亘って形成された一対のノッチと、を有する光ファイバケーブルにおいて、前記光ファイバ心線と前記ノッチの底部の間の厚さtが0.32〜0.48mmであり、前記テンションメンバが鋼線であり、前記テンションメンバの外径がφ1.0〜1.2mmであり、前記テンションメンバの曲げ剛性Bが0.022〜0.025N・mであることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る光ファイバケーブルは、前記した請求項1において、前記厚さtが0.32〜0.40mmであることを特徴とする。
本発明の請求項1に係る光ファイバケーブルは、光ファイバ心線とノッチの底部の間の厚さtを0.32〜0.48mmとしているので、光ファイバケーブル内部に配設される光ファイバ心線を確実に保持でき、マイクロベンドロスの増加を抑制することができるとともに、小径に曲げられた状態で炎天下等に長期間曝されてシースの温度が高温となった場合にも、ケーブルが裂けて光ファイバ心線が外に飛び出すこともない。また、テンションメンバの曲げ剛性Bを0.022〜0.025N・mと特定の範囲とすることにより、ケーブル長手方向と垂直方向にシースが広がる力に反発する力が大きくなるため、ケーブル長手方向に生じる裂け目が、従来の光ファイバケーブルと比較してケーブルの長手方向に長くなるため、ケーブル内部での光ファイバ心線の曲がりの割合が相対的に小さくなり、損失変動を抑えることができる光ファイバケーブルとなる。
さらに、本発明に係る光ファイバケーブルは、光ファイバケーブルを構成するテンションメンバの外径がφ1.0〜1.2mmと特定範囲としているので、中間後分岐を行うにあたってデタッチャでシースを引き裂く際の引き裂き力(デタッチャ握り力)も適度となり、中間後分岐における取り扱い性も良好な光ファイバケーブルとなる。
そして、本発明に係る光ファイバケーブルは、光ファイバケーブルを構成するテンションメンバが鋼線であるので、外径に対する曲げ剛性を効率よく高くすることができる。
本発明の請求項2に係る光ファイバケーブルは、光ファイバ心線とノッチの底部の間の厚さtを0.32〜0.40mmと特定範囲としているので、ケーブルの内部に配設される光ファイバ心線をより確実に保持し、前記した効果を効率よく享受し、中間後分岐後の最大損失変動を概ね0.15dB以下に抑えることができる。
以下、本発明の光ファイバケーブルの一態様について説明する。本発明の光ファイバケ
ーブル1は、図1に示すように、光ファイバ心線21と、かかる光ファイバ心線21の両側に光ファイバ心線21と長手方向に平行に並んで配置されたテンションメンバ22と、これら光ファイバ心線21及びテンションメンバ22を被覆するシース23と、ケーブル1の両脇に長手方向に亘って形成された一対のノッチ24と、を基本構成として備えている。
本発明の光ファイバケーブル1に配設される光ファイバ心線21は、複数の光ファイバ単心線211を有する。ファイバ心線21としては、複数の光ファイバ単心線211をテープ状に集合させた光ファイバテープ心線(図1では2枚の4心光ファイバテープ心線)や、複数の光ファイバ単心線211の集合体からなる光ファイバユニット等を使用することができる。また、複数の光ファイバ単心線211を直接光ファイバケーブル1に配設してもよい。光ファイバ単心線211としては、従来公知の光ファイバ単心線211を使用すればよく、例えば、石英製ガラス光ファイバの外周に紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂を被覆したものを使用することができる。また、光ファイバ単心線211の外径については、求められる特性等により適宜決定することができるが、概ねφ0.25〜0.9mm程度としておけばよい。なお、図1にあっては、向かって左側の光ファイバ心線には符号211は付けていない。
本発明の光ファイバケーブル1は、途中部分から光ファイバ心線21(光ファイバ単心線211)を分岐するために抜き出す中間後分岐に用いられるものである。具体的には、後記するデタッチャと呼ばれる工具を用いて、一対のノッチ24のそれぞれに嘴(くちばし)状の突起を差し込んで広げることでシース23を2分割して、ケーブル1内部の光ファイバ心線21(光ファイバ単心線211)を取り出すものである。
光ファイバケーブル1の両脇に形成されるノッチ24は、光ファイバケーブル1から光ファイバ心線21を取り出す際に、シース23を容易に引き裂くことができるために配設されている。かかるノッチ24は、光ファイバケーブル1の長手方向に亘って連続的に形成されていてもよく、また、長手方向に亘って間欠的に形成されるようにしてもよい。ノッチ24の形状は三角形状、半円状、鋭利刃傷形状等の任意の形状にすることができ、また、ノッチ24の深さについては、光ファイバケーブル1のサイズ等により適宜決定すればよいが、概ね0.3〜1.5mm程度としておけばよい。
本発明の光ファイバケーブル1を構成するシース23における、光ファイバ心線21とノッチ24の底部間の厚さtは、0.32〜0.48mmとされる。かかる厚さtを0.32〜0.48mmとすることにより、ケーブル1の内部に配設される光ファイバ心線21を確実に保持し、マイクロベンドロスの増加を抑制することができ、また、例えばφ120〜200mm程度の小径で曲げられた状態で、炎天下等に長期間曝されてシース23の温度が高温となった場合にも、ケーブル1が裂けることもない。一方、厚さtが0.32mmより小さいと、ケーブル1の内部で光ファイバ心線21を保持できず、シース23と光ファイバ心線21との間に間欠的な隙間が生じてしまい、マイクロベンドロスの増加を招くことや、また、光ファイバケーブル1が曲げられた状態で高温状態となった場合には、シース23が裂けて内部の光ファイバ心線21が飛び出してしまうという問題がある。
かかる光ファイバ心線21とノッチ24の底部間の厚さtは、0.32〜0.40mmであることが特に好ましい。厚さtがかかる範囲であれば、テンションメンバ22の曲げ剛性とのバランスもよく、特に、厚さtが0.32〜0.40mmであれば、中間後分岐後の最大損失変動を概ね0.15dB以下に抑えることができる。なお、本発明において「光ファイバ心線21とノッチ24の底部間の厚さt」とは、ノッチ24の底部と光ファイバ心線21との最短距離を示す。
本発明の光ファイバケーブル1にあっては、内部に配設されるテンションメンバ22の曲げ剛性Bが0.022〜0.025N・mとされる。曲げ剛性Bがかかる範囲のテンションメンバ22を採用することにより、デタッチャによるシース23の引き裂き作業において、シース23を裂いて2分割し、ケーブル1の長手方向と垂直方向にシース23が広げられても、ケーブル1の長手方向と垂直方向にシース23が広がる力に反発する力を大きくすることができ、中間後分岐後の最大損失変動を低いレベル(概ね0.30dB以下)に抑えることができる。なお、本発明におけるテンションメンバ22の曲げ剛性は、JIS C6851に準拠して、挟み間隔を120mm(曲げ半径を60mm)として測定すればよい。また、テンションメンバ22の曲げ剛性Bは、0.022〜0.01N・mであることが好ましい。
使用されるテンションメンバ22としては、亜鉛メッキ鋼線等の鋼線、鋼撚り線等の金属製線材や、ガラス繊維や樹脂(有機)繊維を含む繊維強化プラスチック(FRP)等の非金属製線材からなる非導電性の材料から構成することができる。本発明の光ファイバケーブル1は、外径に対しての曲げ剛性を高くすることができるという理由で、テンションメンバ22として鋼線を使用する。
テンションメンバ22の外径については、φ1.0〜1.2mmとするテンションメンバ22の外径がかかる範囲であれば、中間後分岐を行うにあたってデタッチャでシース23を引き裂く際の引き裂き力(デタッチャ握り力)も適度となり、中間後分岐における取り扱い性も良好である。一方、テンションメンバ22の外径がφ1.0mmより小さいと、テンションメンバ22として曲げ剛性が高い鋼線を使用しても、前記の要件を具備する所望の曲げ剛性が得られない場合があり、また、テンションメンバ22の外径がφ1.2mmを超えると、テンションメンバ22の剛性が大きいこともあり、中間後分岐を行うにあたってのデタッチャ握り力が大きくなるため、中間後分岐における取り扱い性が悪くなる。
本発明の光ファイバケーブル1にあっては、前記した図1に示すように断面視が矩形状や楕円形状のものを採用する場合にあっては、短径(短辺)を概ね1.2〜4.0mm、長径(長辺)を概ね2.4〜5.0mm程度とすればよい。
光ファイバ心線21及びテンションメンバ22を被覆するシース23を構成する合成樹脂としては、例えば、ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン、プロピレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、アイオノマー、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂エラストマーや、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンターポリマー、ブチルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム等の合成ゴムが挙げられる。また、前記した熱可塑性樹脂等を不飽和カルボン酸及び/またはその誘導体で変性した酸変性物等を用いることができる。また、これらの合成樹脂は、その1種類を単独で使用してもよく、また、これらの2種類以上を組み合わせて樹脂組成物として使用するようにしてもよい。
なお、本発明の光ファイバケーブル1におけるシース23を構成する樹脂ないし樹脂組成物には、本発明の目的及び効果を妨げない範囲において、前記した以外の各種の樹脂成分や各種の添加剤を必要に応じて適宜添加することができる。添加剤としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水和物等からなる難燃剤、滑剤、改質剤、酸化防止剤、光安定剤、プロセスオイル、シリコンオイル、紫外線吸収剤、カーボンブラック、分散剤、顔料、染料、ブロッキング防止剤、架橋剤、架橋助剤等が挙げられ、また、用途によっては、従来から慣用されている赤リン、ポリリン酸化合物、ヒドロキシ錫酸亜鉛、錫酸亜鉛、ほう酸亜鉛、炭酸カルシウム、ハイドロタルサイト、酸化アンチモン等の難燃助剤を添加してもよい。
次に、本発明の光ファイバケーブル1の奏する効果のメカニズムを、図2ないし図5を用いて説明する。図2は、本発明の光ファイバケーブル1をデタッチャ8に取り付けた状態を示した概略図、図3は、図2のA−A断面図をそれぞれ示す。また、図4は、従来の光ファイバケーブル9において、デタッチャ8で引き裂いた状態を示した概略図、図5は、本発明の光ファイバケーブル1において、デタッチャ8で引き裂いた状態を示した概略図をそれぞれ示す。
光ファイバケーブル1の中間部分で光ファイバ心線21(光ファイバ単心線211)の分岐を行うために、工具であるデタッチャ8を用いてケーブル1内の光ファイバ心線21を取り出す操作としては、図2及び図3に示すように、まず光ファイバケーブル1をデタッチャ8で把持し、デタッチャ8の嘴状突起85をケーブル1のノッチ24に係合させ、上側把持体81,82と下側把持体83,84を左右(図3の矢印方向)に引いてケーブル1のシース23を左右に開いて引き裂くようにする。この操作においては、まず、ケーブル1のノッチ24の内部に嘴状突起85の幅の裂け目(後記する図4、図5を参照。)が生じ、次いで、裂け目5の両端がノッチ24に沿ってケーブル1の長手方向に沿って広がっていくことになる。
図4は、従来の光ファイバケーブル9において、デタッチャ8で引き裂いた状態を示した概略図を示す。前記の操作により、デタッチャ8を図4の矢印方向に引くにつれて、裂け目5の両端がケーブル9の長手方向に広がるにつれて、ケーブル9の内部の光ファイバ心線21が裂け目5から飛び出てくることになる。一方、光ファイバ心線21は図4に示すように弧を描くようにして側方に飛び出してくるため、弧の頂点及び裂け目5際で光ファイバ心線21に曲がり部が生じ、損失変動が発生する。
一方、光ファイバ心線21の損失変動を最小限とすべく、光ファイバ心線21の曲がりを抑制する方法の一つとして、光ファイバ心線21とノッチ24の底部の間の厚さtを薄くして裂けやすいようにして、テンションメンバ22が側方に広がり始める早い時期に、光ファイバ心線21の外部への飛び出しを起こさせるようにするものがある。しかしながら、光ファイバ心線21とノッチ24の底部間の厚さtを比較的薄い厚さとすると、シース23の厚さが薄く光ファイバ心線21を押さえつける力が弱くなるため、ケーブル1の内部に配設される光ファイバ心線21を確実に保持することができず、ケーブル1製造後のマイクロベンドロスの増加を招くことになる。また、小径で曲げられた状態で炎天下等に長期間曝されてシース23の温度が高温となった場合には、ケーブル1が裂けて内部の光ファイバ心線21が飛び出すことになることは前記したとおりである。
図5は、本発明の光ファイバケーブル1において、デタッチャ8で引き裂いた状態を示した概略図である。図5に示すように、本発明の光ファイバケーブル1にあっては、図4に示した従来の光ファイバケーブル9と比較して、ケーブル1の長手方向に生じる裂け目5がケーブル1の長手方向に長くなる。本発明においては、光ファイバ心線21とノッチ24の底部の間の厚さtを0.32〜0.48mmとして、ケーブル1の内部に配設される光ファイバ心線21を確実に保持することにより、マイクロベンドロスの増加を抑制することができ、また、小径で曲げられた状態で、炎天下等に長期間曝されてシース23の温度が高温となった場合にも、ケーブル1が裂けることもなくなる。
そして、デタッチャ8によるシース23の引き裂き作業において、シース23を裂いて2分割し、ケーブル1の長手方向と垂直方向にシース23が広げられても、テンションメンバ22の曲げ剛性Bを0.022〜0.025N・mと特定の範囲とすることにより、ケーブル1の長手方向と垂直方向にシース23が広がる力に反発する力が大きくなるため、光ファイバ心線21とノッチ24の底部との間の厚さtが0.32〜0.48mmと、従来の光ファイバケーブル9と比較してある程度厚くなっても、図5に示すように、ケーブル1の長手方向に生じる裂け目5が、図4に示した従来の光ファイバケーブル9と比較してケーブル1の長手方向に長くなるため、ケーブル1の内部での光ファイバ心線21の曲がりの割合が相対的に小さくなり、損失変動を抑えることができる。
図6は、本発明の光ファイバケーブル1に支持部3を配設した態様を示した概略図である。本発明の光ファイバケーブル1は、前記した態様(図6においては、支持部3に対して本体部2と呼ぶ)のみで構成されてもよいが、当該本体部2の他に、支持部3を配設するようにしてもよい。支持部3に配設される支持線32としては、亜鉛メッキ鋼線等、鋼撚り線等の金属製の線材や繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics:FRP)等を使用することができる。また、支持線32の外径については、光ファイバケーブル1ないし支持部3のサイズや、求められる強度等により適宜決定すればよいが、概ねφ1.2〜2.6mm程度としておけばよい。
支持部3は、連結部4により本体部2と連結されることになる。当該支持部3については、外径を2.0〜5.0mm程度とするのが一般的であり、本発明の光ファイバケーブル1についても、これらの寸法に準じて形成するようにすればよい。また、連結部4は、幅を0.2〜2.0mm、高さを0.2〜4.0mm程度としておけばよい。
そして、本発明の光ファイバケーブル1は、シース23を構成する樹脂ないし樹脂組成物を、従来公知の押出成形法、例えば、タンデム押出法やコモン押出法を用いて、前記した光ファイバ心線21やテンションメンバ22等に押出被覆することにより簡便に製造することができる。
以上説明したように、本発明の光ファイバケーブル1は、少なくとも1本の光ファイバ心線21と、光ファイバ心線21の両側に光ファイバ心線21と長手方向に平行に並んで配置されたテンションメンバ22と、光ファイバ心線21及びテンションメンバ22を被覆するシース23と、ケーブル1の両脇に長手方向に亘って形成された一対のノッチ24とを有し、光ファイバ心線21とノッチ24の底部の間の厚さtを0.32〜0.48mmとしているので、ケーブル1の内部に配設される光ファイバ心線21を確実に保持でき、マイクロベンドロスの増加を抑制することができることに加えて、小径で曲げられた状態で、炎天下等に長期間曝されてシース23の温度が高温となった場合にも、ケーブル1が裂けて内部の光ファイバ心線21が飛び出すことを防止することができる。また、テンションメンバ22の曲げ剛性Bを0.022〜0.025N・mとすることにより、ケーブル1の長手方向と垂直方向にシース23が広がる力に反発する力が大きくなるため、ケーブル1の長手方向に生じる裂け目5が、ケーブル1の長手方向に長く広がるため、ケーブル1の内部での光ファイバ心線21の曲がりの割合が相対的に小さくなり、損失変動を抑えることができる。
なお、以上説明した態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、前記し
た実施形態に限定されるものではなく、本発明の構成を備え、目的及び効果を達成できる
範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。ま
た、本発明を実施する際における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的及び効果を達
成できる範囲内において、他の構造や形状等としても問題はない。本発明は前記した各実
施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形や改良は、本
発明に含まれるものである。
例えば、光ファイバケーブル1の両脇に形成される一対のノッチ24の形状については、図1及び図6に示した形状を例として示したが、これには限定されず、例えば、図7に示す形状を採用するようにしてもよい。図7は、本発明の光ファイバケーブル1の構成の他の実施形態を示した概略図である。なお,図7は連結部4を介して支持部3を配設した態様を示しているが、支持部3等の配設は任意である。
また、図1等では、光ファイバケーブル1に配設される光ファイバ心線21は、複数の光ファイバ心線21を配設した例、具体的には、4本の光ファイバ単心線211を光ファイバ4心テープとして、当該光ファイバ4心テープが2枚配設されている態様を示しているが、本発明の光ファイバケーブル1において光ファイバ単心線211及び光ファイバ心線21(光ファイバ複数心テープや光ファイバユニット等)の本数はかかる態様に限定されず、少なくとも1本の光ファイバ心線21(光ファイバテープ)を有するものであれば、その態様は要求される特性等に応じて任意に選択することができる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造及び形状等は、本発明の目的を達成できる範
囲で他の構造等としてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの
実施例等に何ら制約されるものではない。
参考例1ないし参考例3、実施例ないし実施例6、及び比較例1ないし比較例6]
テンションメンバ22の曲げ剛性B(及び外径)と、光ファイバ心線21とノッチ24の底部間の厚さtを表1(参考例1ないし参考例3、実施例ないし実施例6)及び表2(比較例1ないし比較例6)のようにして、シース23を構成する合成樹脂としてポリエチレンを用いて、押出成形法により、図1に示す構成の光ファイバケーブル1を製造した。
なお、表1に示した以外の光ファイバケーブル1の仕様は下記の通りである。また、テンションメンバ22の曲げ剛性は、JIS C6851(E17C)に準拠し、挟み間隔を120mm(曲げ半径を60mm)として測定した値である。
(光ファイバケーブル1の仕様)
シース材料 :ポリエチレン
光ファイバ心線21 :φ0.25mmの紫外線硬化型樹脂被覆のITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standard Sector)G.652で規定される標準シングルモード光ファイバ単心線211×4本を紫外線硬化樹脂で被覆し、サイズを0.28mm×1.1mmとした4心光ファイバテープ心線2枚
テンションメンバ22 :亜鉛メッキ鋼線
ケーブル1の短径 :3.3mm
ケーブル1の長径 :4.0mm
ノッチ24の深さ :1.0mm
[試験例1]
参考例1ないし参考例3、実施例ないし実施例6、比較例1ないし比較例6で得られた12種類の光ファイバケーブル1について、以下の試験方法に従い、「(1)中間後分岐作業時の最大損失変動」、「(2)デタッチャでの引き裂き作業性」、「(3)マイクロベンドロス増発生の有無」及び「(4)シース割れ発生の有無」について測定し、比較・評価した。参考例1ないし参考例3、実施例ないし実施例6の測定結果を表1、比較例1ないし比較例6の測定結果を表2に示す。
(1)中間後分岐作業時の最大損失変動:
得られた光ファイバケーブル1をドロップデタッチャ(住電ハイプレシジョン(株)製)で引き裂いた際の1.55μmにおける損失変動をデジタルオシロスコープ(横河電機(株)製)を用いて、サンプリング周期1msecとして測定した(n=10)。
(2)デタッチャでの引き裂き作業性:
得られた光ファイバケーブル1をドロップデタッチャ(住電ハイプレシジョン(株)製)で引き裂いた際の作業性について、裂くのに必要なデタッチャ握り力が20kg未満のものを合格とし、20kg以上のものを不合格とした。
(3)マイクロベンドロス増発生の有無:
光ファイバケーブル1を長さ25kmで10本製造した場合に、1.55μm伝送損失がケーブルにする前と比較して0.05dB/km増加するものが1本も発生しないものを合格、1本でも発生したものを不合格とした。
(4)シース割れ発生の有無:
光ファイバケーブル1をφ120mmの円筒に3周回巻き付けた状態で、85℃×85%RHで30日間保持した場合におけるシース割れ発生の有無を確認した。シース割れが発生しなかったものを合格、シース割れが発生したものを不合格とした。
なお、表1及び表2における総合評価は、(1)における最大損失変動が0.15dB以下であり、かつ、(2)〜(4)の結果が全て「合格」の場合を「◎」、「(1)中間後分岐作業時の最大損失変動」における最大損失変動が0.15dBを超えて0.30dB以下であり、かつ、(2)〜(4)の結果が全て「合格」の場合を「○」と評価した。一方、(1)における最大損失変動が0.30dBを超えるか、(2)〜(4)の結果のうち一つでも「不合格」がある場合は「×」と評価した。
(測定結果:実施例
Figure 0004676480
(測定結果:比較例)
Figure 0004676480
表1及び表2に示すように、テンションメンバ22の曲げ剛性Bが0.022〜0.025N・mを具備し、光ファイバ心線21とノッチ24の底部間の厚さt(以下、単に「厚さt」とする。)が0.32〜0.48mmである実施例4ないし実施例6の光ファイバケーブル1は、(1)における最大損失変動が0.30dB以下であり、かつ、(2)〜(4)の項目についても全て合格であり、実用性に問題がないことが確認できた。厚さtが0.32〜0.40mmである参考例1、参考例2、実施例4及び実施例5は、(2)〜(4)の項目について合格しつつ、(1)における最大損失変動が0.15dB以下(参考例1、実施例4及び実施例5は0.10dB以下)であり、損失変動を低いレベルで抑えることができた。
これに対して、テンションメンバ22の曲げ剛性Bが0.0035N・mを下回り、厚さtが0.32mmを下回る比較例1は、(1)における最大損失変動が4.2dBと大きく、かつ、マイクロベンドロス増及びシース割れの発生が見られた。また、実施例1と同様の厚さtであるが、テンションメンバ22の曲げ剛性Bが0.0035N・mを下回る比較例2は、(1)における最大損失変動が8.1dBと大きかった。
さらに、参考例1ないし参考例3と同様なテンションメンバ22の曲げ剛性であるが、厚さtが0.32mm以下である比較例3、実施例4と同様なテンションメンバ22の曲げ剛性であるが、厚さtが0.32mm以下である比較例4は、マイクロベンドロス増及びシース割れの発生が見られた。テンションメンバ22の曲げ剛性Bが0.025N・mを上回り、厚さtが0.32mmを下回る比較例5は、(2)におけるデタッチャ握り力が20kgを超えるため作業性が悪く、かつ、マイクロベンドロス増及びシース割れの発生も見られた。同様に、テンションメンバ22の曲げ剛性Bが0.025N・mを上回る比較例6も、デタッチャ握り力が20kgを超えて作業性が悪かった。以上より、本発明の要件を具備しない光ファイバケーブルは、試験例1で設けた評価項目を満足することができず、実用性に問題があることが確認できた。
光ファイバケーブルの構成の一実施形態を示した概略図である。 本発明の光ファイバケーブルをデタッチャに取り付けた状態を示した概略図である。 図2のA−A断面図である。 従来の光ファイバケーブルにおいて、デタッチャで引き裂いた状態を示した概略図である。 本発明の光ファイバケーブルにおいて、デタッチャで引き裂いた状態を示した概略図である。 図1の光ファイバケーブルにおいて、支持部を配設した態様を示した概略図である。 本発明の光ファイバケーブルの構成の他の実施形態を示した概略図である。
符号の説明
1 光ファイバケーブル
2 本体部
21 光ファイバ心線
211 光ファイバ単心線
22 テンションメンバ
23 シース
24 ノッチ
3 支持部
32 支持線
4 連結部
5 裂け目
8 デタッチャ
81,82 上側把持体
83,84 下側把持体
85 嘴状突起
9 従来の光ファイバケーブル
t 光ファイバ心線とノッチの底部の間の厚さ

Claims (2)

  1. 光ファイバ心線と、当該光ファイバ心線の両側に光ファイバ心線と長手方向に平行に並んで配置されたテンションメンバと、前記光ファイバ心線及び前記テンションメンバを被覆するシースと、ケーブルの両脇に長手方向に亘って形成された一対のノッチと、を有する光ファイバケーブルにおいて、
    前記光ファイバ心線と前記ノッチの底部の間の厚さtが0.32〜0.48mmであり、
    前記テンションメンバが鋼線であり、
    前記テンションメンバの外径がφ1.0〜1.2mmであり、
    前記テンションメンバの曲げ剛性Bが0.022〜0.025N・mであることを特
    徴とする光ファイバケーブル。
  2. 前記厚さtが0.32〜0.40mmであることを特徴とする請求項1に記載の光ファ
    イバケーブル。
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