JP4675412B2 - トロコイドポンプ組体治具 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のオイルポンプなどに用いられるトロコイドポンプの組体治具に関する。
内燃機関の機関ケースにトロコイド式のオイルポンプを設けた例は種々存在する。
トロコイドポンプは、ポンプハウジング内に回転自在に嵌合されるアウタロータとポンプ駆動軸と一体に回転するインナロータとを偏心して噛み合せて組み込みポンプカバーで覆って構成されるものである。
このようなトロコイドポンプを内燃機関のクランクケースに設け、クランク軸の回転により駆動するようにした例が開示されている(例えば、特許文献1参照)
特開2002−180974号公報
トロコイドポンプを組み付ける場合、インナロータをアウタロータに噛み合わせるとともに、ポンプ駆動軸をインナロータに一体に嵌着する必要がある。
特許文献1に開示されたトロコイドポンプは、円筒状のポンプ駆動軸の端部に外周部を平面状に切欠いた切欠きが形成されており、同切欠きを有する端部をインナロータの円孔の一部を塞いだ軸孔に嵌入することで、一体に回転できるようにしている。
しかし、ポンプ駆動軸をインナロータに嵌入しただけでは、すぐ外れてしまうので、通常ポンプハウジング内にアウタロータとインナロータを噛み合わせた状態で組み込んでおき、インナロータの一部を塞いだ軸孔にポンプ駆動軸の切欠きを有する端部が合致するような回転角度に調整して嵌入することになる。
インナロータとアウタロータの噛み合わせは、両者が1周相対回転する間に複数回機会があり、僅かな相対回転で簡単に噛み合わせることができるが、インナロータへのポンプ駆動軸の嵌入は、両者が1周相対回転がする間に1回しか機会がないので、作業に時間がかかる場合があり、トロコイドポンプの組付け作業が簡単ではなかった。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、トロコイドポンプの組付け作業を容易にするトロコイドポンプ組体治具を供する点にある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、内燃機関の機関ケースに設けられる円形に凹設したポンプハウジングの凹部内に回転自在に嵌合されるアウタロータとポンプ駆動軸と一体に回転するインナロータとを偏心して噛み合せて組み込み、前記凹部をポンプカバーで覆って構成されるトロコイドポンプを組立てるトロコイドポンプ組立治具であって、前記ポンプ駆動軸外周に前記インナロータがスラスト方向の移動を規制されて支持されるとともに、前記ポンプ駆動軸に前記ポンプカバーがその軸孔を貫通されて支持されインナロータ小組体が構成され、前記アウタロータを前記インナロータの外周に噛み合せ、コ字状に形成された嵌合部が前記ポンプカバーの外側部に外周縁を跨いで嵌合しつつ、前記嵌合部の前記アウタロータ側の側片が延出して形成された保持部が前記アウタロータの外周面を保持する治具により前記インナロータ小組体と前記アウタロータとを一体としてトロコイドポンプ小組体が構成され、前記ポンプハウジングの凹部に前記トロコイドポンプ小組体の前記アウタロータの一部を嵌合し、前記治具を前記ポンプカバーおよび前記アウタロータから取り外した後に前記アウタロータの全部を前記ポンプハウジングの凹部に嵌入して前記ポンプカバーを被せることで組付けられるトロコイドポンプ組体治具とした。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のトロコイドポンプ組体治具において、前記ポンプカバーは、前記インナロータと前記ポンプ駆動軸の係合部によりスラスト方向の移動が規制されることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載のトロコイドポンプ組体治具において、前記治具の前記保持部は、前記嵌合部の一側片から二股に分岐して円弧状に延出した一対の弾性を有するアームであり、同一対のアームが前記アウタロータの外周面の前記ポンプカバー側部分に嵌り保持することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項記載のトロコイドポンプ組体治具において、前記ポンプカバーと前記インナロータとを摺動自在に重ね合わせて互いの合致した軸孔を前記ポンプ駆動軸が貫通し、前記ポンプ駆動軸に互いに軸方向に所要間隔離れて径方向に突出された一対のポンプカバー側突起とインナロータ側突起が前記ポンプカバーと前記インナロータとを両側から挟み、前記治具の前記嵌合部の前記保持部と反対側の側片が延出して係止片をなし、前記ポンプカバー側突起に係止することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4記載のトロコイドポンプ組体治具前記インナロータ側の一方の前記インナロータ側突起が同インナロータの側面に形成された嵌合溝に嵌合し、前記ポンプカバー側の他方の前記ポンプカバー側突起が同ポンプカバーの側面に沿って突設することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載のトロコイドポンプ組体治具において、前記一対の突起は、それぞれ前記ポンプ駆動軸に直径方向に穿孔されたピン孔を貫通したピンの外部に突出した端部であり、前記インナロータに形成された嵌合溝は、前記ポンプカバーと反対側の側面に軸孔から直径方向に延長して形成された溝であることを特徴とする。
請求項1記載のトロコイドポンプ組体治具によれば、治具により前記インナロータ小組体と前記アウタロータとを一体としてトロコイドポンプ小組体を構成しておき、ポンプハウジングの凹部に前記トロコイドポンプ小組体のアウタロータの一部を嵌合し、前記治具をポンプカバーおよびアウタロータから取り外した後にアウタロータの全部をポンプハウジングの凹部に嵌入してポンプカバーを被せることで、トロコイドポンプを極めて簡単に組付けることができ、短時間に効率良く組付け作業を遂行することができる。
また、治具によりポンプ駆動軸にインナロータとアウタロータとポンプカバーを小組みしたトロコイドポンプ小組体を構成しているので、トロコイドポンプ小組体の形で移送することができ、取り扱いが極めて便利で、労力および作業時間の削減を図ることができる。
請求項2記載のトロコイドポンプ組体治具によれば、ポンプカバーは、インナロータとポンプ駆動軸の係合部によりスラスト方向の移動が規制されるので、ポンプカバーがポンプ駆動軸から外れることがなく、インナロータ小組体を一体として取り扱い易い。
請求項3記載のトロコイドポンプ組体治具によれば、治具の前記保持部は、嵌合部の一側片から二股に分岐して円弧状に延出した一対の弾性を有するアームであり、同一対のアームがアウタロータの外周面の前記ポンプカバー側部分に嵌り保持するので、治具をアウタロータの径方向外側に移動するだけで、嵌合部がポンプカバーから外れるとともに、一対のアームが拡径してアウタロータの外周面から外れ、治具を簡単に取り外すことができ、組付け作業を効率良く行うことができる。
また、治具によりトロコイドポンプ小組体を構成する場合も、治具をアウタロータの径方向内側に移動すれば、一対のアームが拡径してアウタロータの外周面に嵌るので、作業が簡単にすむ。
さらに、一対のアームはアウタロータの外周面のポンプカバー側部分に嵌り保持するので、アウタロータのポンプカバー側でない部分が露出しているので、ポンプハウジングの凹部にトロコイドポンプ小組体のアウタロータの露出部を嵌合して位置決めしてから治具の取り外しができ、オイルポンプの組付け作業を容易にする。
請求項4記載のトロコイドポンプ組体治具によれば、治具の嵌合部の保持部と反対側の側片が係止片をなし、ポンプカバー側突起に係止するので、トロコイドポンプ小組体において治具に対してポンプ駆動軸がインナロータとともに回動するのが規制されるため、インナロータに対して偏心したアウタロータが治具に対して回動することがなく、(治具を径方向外側に移動して取り外す以外に)アウタロータが保持部から外れることはない。
請求項5記載のトロコイドポンプ組体治具によれば、インナロータ側の一方のインナロータ側突起が同インナロータの側面に形成された嵌合溝に嵌合し、ポンプカバー側の他方の前記ポンプカバー側突起が同ポンプカバーの側面に沿って突設するので、トロコイドポンプ小組体で、ポンプ駆動軸に突設されたインナロータ側突起がインナロータの側面に形成された嵌合溝に嵌合するので、ポンプ駆動軸に一体にインナロータは回転する構成となっている。
請求項6記載のトロコイドポンプ組体治具によれば、ポンプ駆動軸に直径方向に穿孔されたピン孔を貫通したピンの外部に突出した端部を、前記突起としたので、一対のピンが重ね合わせたインナロータとポンプカバーを両側から挟む簡単な構成で、互いに外れない状態に維持することができ、アウタロータを治具により保持させてトロコイドポンプ小組体を容易に組み立てることができる。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図14に基づいて説明する。
本実施の形態に係る内燃機関Eは、スクータ型車両に搭載される単気筒4ストロークの水冷式内燃機関であり、クランク軸周りの断面図を図1に示す。
クランクケース1は、左右割りの左クランクケース1Lと右クランクケース1Rとを合体して構成されるもので、左クランクケース1Lと右クランクケース1Rとの合体による所謂クランクケース内には、左右水平方向に指向したクランク軸10が左右クランクケース1L,1Rの各軸受壁2L,2Rに左右の転がり軸受である主ベアリング11,11を介して回転自在に支持されている。
左右軸受壁2L,2R間にクランク軸10のクランクウエブ10wおよびコンロッド12等のクランク機構が収容されるクランク室3が形成され、クランク軸10の右軸受壁2Rより右方に突出した右側軸部にはカムチェーン13が巻き掛けられるカムチェーン駆動スプロケット14とオイルポンプ駆動ギヤ15が一体に回転可能に嵌着されるとともに、右端にACジェネレータ16が設けられ、他方左軸受壁2Lより左方に突出した左側軸部にはベルト式無段変速機17の遠心ウエイト18と駆動プーリ19が設けられる。
右軸受壁2Rより右側の空間は、オイルポンプ駆動ギヤ15とACジェネレータ16との間で隔壁5が左側のカムチェーン室6と右側のACG室7とを仕切っている。
右軸受壁2Rと隔壁5との間のカムチェーン室6の下部にトロコイドポンプであるオイルポンプ30が組み込まれている。
オイルポンプ30の近傍を拡大した図2、同分解断面図である図3およびポンプハウジングの側面図である図4を参照して、右クランクケース1Rのクランク軸10を支持する右軸受壁2Rには、円形に凹出したポンプハウジング31の凹部31dが隔壁5側に開口を向けて形成されている。
図4に示すように、ポンプハウジング31には、アウタロータ33とインナロータ34を収納する凹部31dの底面に吸入ポート31iと吐出ポート31eが形成されている。
このポンプハウジング31の凹部31d内にアウタロータ33とインナロータ34を互いに噛み合わせた状態で組み込まれ、ポンプカバー32が被せられる。
なお、ポンプカバー32のポンプカバー32が被せられる合せ面31sにボルトねじ孔31h,31hが形成されている。
ポンプカバー32を貫通し軸支されたポンプ駆動軸35に相対回転を規制されて軸支されたオイルポンプ被動ギヤ39がクランク軸10にカムチェーン駆動スプロケット14と一体に嵌着された前記オイルポンプ駆動ギヤ15と噛合している。
なお、ポンプ駆動軸35は、左端がインナロータ34を相対回転を規制して軸支し、右端が隔壁5の軸受ボス部5bに回転自在に軸支される。
図5に、オイルポンプ30の分解断面図を示す。
ポンプハウジング31の凹部31dに被せられるポンプカバー32は、中心の軸孔32cの周囲の円板の2か所が外側に延出して前記ポンプハウジング31のボルト孔32h,32hに対応するボルト孔32h,32hを有する取付ボス部32b,32bが形成された外形をした板部材であり、軸孔32cの周辺に円弧状の吸入ポート32iと吐出ポート32eがポンプハウジング31側の側面に形成されている(図6参照)。
このポンプカバー32に摺接するインナロータ34は、外周にトロコイド曲線からなる外歯が形成され、中心に軸孔34cが穿孔されており、ポンプカバー32に接する側面と反対側の側面に軸孔34cから直径方向の両方に延長する長孔形状の嵌合溝34v,34vが形成されている(図5,図7参照)。
アウタロータ33は、ポンプハウジング31の凹部31dに回転可能に嵌合する外周面とトロコイド曲線からなる内歯(インナロータ34の外歯より歯数が1つ多い)が形成されている(図5,図8参照)。
アウタロータ33とインナロータ34は板厚が等しく、ポンプハウジング31の凹部31dの深さと略同じである。
インナロータ34とポンプカバー32はポンプ駆動軸35に小組みされてインナロータ小組体34Aを構成する。
図5および図9を参照して、インナロータ34とポンプカバー32とを重ね合わせ、互いの合致した軸孔34c,32cをポンプ駆動軸35が貫通してインナロータ34とポンプカバー32を軸支する。
ポンプ駆動軸35のインナロータ34側(左側)の端部と中央より若干右寄り位置にそれぞれピン孔が直径方向に穿孔され、左側ピン孔にはインナロータ側ピン36が貫通され、右側ピン孔にはポンプカバー側ピン37が貫通される。
ポンプ駆動軸35の左端部を貫通したインナロータ側ピン36は、外側に突出した両端(インナロータ側突起)がインナロータ34の嵌合溝34v,34vに嵌合し、ポンプ駆動軸35とインナロータ34とを一体に回転させつつ、ポンプ駆動軸35に対するインナロータ34の軸方向(スラスト方向)の一方向の移動が規制される。
また、ポンプ駆動軸35の中央より若干右寄り位置を貫通したポンプカバー側ピン37は、外側に突出した両端(ポンプカバー側突起)がポンプカバー32のインナロータ34と接する側面と反対側の側面に沿って突出している(図9参照)。
図9に示すように、インナロータ34とポンプカバー32とを重ね合わせ、互いの合致した軸孔34c,32cを貫通したポンプ駆動軸35の左右一対のインナロータ側ピン36とポンプカバー側ピン37は、そのインナロータ側突起とポンプカバー側突起が重ね合わせたインナロータ34とポンプカバー32を両側から挟み、インナロータ34およびポンプカバー32の軸方向(スラスト方向)の移動を規制し、互いに外れない状態に維持されて、インナロータ小組体34Aが構成される。
インナロータ小組体34Aは、ポンプ駆動軸35の左端部の端面がインナロータ34の左側面に対して略同一面に位置し、右端部がポンプカバー32より右方に大きく突出している(図9参照)。
そして、図9に示すように、インナロータ小組体34Aのインナロータ34の外周にアウタロータ33を、内歯と外歯を噛合わせて組み合わせる。
このアウタロータ33は、簡単にインナロータ34から外れる状態にあるので、アウタロータ33を保持するのに治具40が用いられる。
図10および図11を参照して、治具40は、合成樹脂製で、ポンプカバー32の外側部に外周縁を跨いで嵌合すべくコ字状に屈曲した嵌合部40aと、嵌合部40aの左側片(アウタロータ側側片)から二股に分岐して円弧状に延出した一対の保持アーム40b,40bと、右側片がそのまま延長した係止片40cと、嵌合部40aの上部が膨出したつまみ部40dとからなる。
なお、保持アーム40b,40bと係止片40cの互いに対応する内側の先端角部は傾斜面とされ、ポンプカバー32の外側部に嵌合し易いように形成されている。
円弧状に延出した一対の保持アーム40b,40bは、アウタロータ33の外径より若干小さい内径を有するとともに、アウタロータ33の厚みより薄い幅長を備え、アウタロータ33の外周面のポンプカバー32側部分に弾性力により両側から挟むようにして嵌る。
保持アーム40b,40bがアウタロータ33の外周円に嵌る中心角は、180度をいくらか超える程度である。
したがって、治具40の嵌合部40aをポンプカバー32の外側部に外周縁を跨いで弾性力により挟むようにして嵌合するとともに、一対の保持アーム40b,40bをアウタロータ33の外周面に弾性力により挟むようにして嵌めると、図12ないし図14に示すように、治具40はポンプカバー32に支持されるとともに、アウタロータ33をインナロータ34から外れないように保持することができる。
また、図14に示すように、治具40の係止片40cは、ポンプカバー32の側面に沿って延び、矩形の先端がポンプ駆動軸35に近接または接している。
したがって、ポンプ駆動軸35のピン孔を貫通したポンプカバー側ピン37の突出した両端部が治具40の係止片40cに当接することで、ポンプ駆動軸35の回動が僅かな回動角度に規制されている。
そのため、ポンプ駆動軸35とともにインナロータ34が回動し、インナロータ34に偏心して噛み合うアウタロータ33が大きく回動することにより一対の保持アーム40b,40bからアウタロータ33が外れてしまうことを防止している。
こうして治具40によりポンプ駆動軸35にインナロータ34とアウタロータ33とポンプカバー32を小組みしたトロコイドポンプ小組体30Aが構成される(図12,図13,図14参照)。
インナロータ34に対しアウタロータ33は、治具40の嵌合方向に偏心した状態で保持されている。
保持アーム40b,40bによりポンプカバー32側部分を保持されたアウタロータ33は、端部が全周に亘って露出している。
このように小組みされたトロコイドポンプ小組体30Aは、小組み状態のまま移送することができ、取り扱いが極めて便利である。
このトロコイドポンプ小組体30Aの組付けに際しては、図3を参照して、ポンプハウジング31の凹部31dに、トロコイドポンプ小組体30Aのアウタロータ33を同軸に対向させ、アウタロータ33の保持アーム40b,40bが嵌合していない全周に亘って露出した端部を嵌合して位置決めした状態で、治具40を径方向外側に抜き取ることにより取り外す。
トロコイドポンプ小組体30Aから治具40を取り外した後に、トロコイドポンプ小組体30Aのアウタロータ33の全部をポンプハウジング31の凹部31dに嵌入してポンプカバー32を被せる。
ポンプハウジング31に被せられたポンプカバー32は、ボルト38,38をポンプカバー32のボルト孔32h,32hに挿通してポンプハウジング31のボルトねじ孔31h,31hに螺着することでポンプハウジング31に固定され、オイルポンプ30が構成される。
そして、ポンプカバー32より右方に突出したポンプ駆動軸35の右側部分にはオイルポンプ被動ギヤ39が軸支される。
オイルポンプ被動ギヤ39は、中央部分は厚肉に形成されていて、その中心に軸孔39cが穿孔され、ポンプカバー32側の側面に軸孔39cから直径方向の両方に延長する長孔形状の嵌合溝39v,39vが形成されている。
オイルポンプ被動ギヤ39の軸孔39cにポンプ駆動軸35の右側部分を貫通させて、オイルポンプ被動ギヤ39をポンプカバー32に隣接させる。
その際、ポンプカバー32の右側側面に沿ってポンプ駆動軸35に貫通されたポンプカバー側ピン37の両端を嵌合溝39v,39vに嵌合させ、オイルポンプ被動ギヤ39をポンプカバー32に近接させ、簡易でコンパクトな構成でポンプ駆動軸35をオイルポンプ被動ギヤ39と一体に回転させることができる。
こうしてオイルポンプ被動ギヤ39がポンプ駆動軸35に相対回転を規制されて軸支されると、オイルポンプ被動ギヤ39はクランク軸10に嵌着されたオイルポンプ駆動ギヤ45と噛合して、クランク軸10の回転がポンプ駆動軸35の回転に伝達される。
このオイルポンプ被動ギヤ39の軸孔39cを貫通したポンプ駆動軸35の右端は、クランク室を形成する隔壁5に形成された軸受ボス部5bの軸受穴5hに回転自在に嵌入して軸支される。
オイルポンプ被動ギヤ39は、ポンプ駆動軸35上でポンプカバー側ピン37と隔壁5の軸受ボス部5bに挟まれ、簡易な構成でオイルポンプ被動ギヤ39の軸方向の移動を規制することができる。
なお、隔壁5の軸受ボス部5bの端面および軸受凹部の内面に油溝5vが形成されている。
油溝5vは、軸受ボス部5bの端面に径方向に指向して車載時に上向きに開口するように形成されるとともに、軸受凹部の内周面に屈曲して軸方向に延び、軸受凹部の端面をその中心の油溜まりに向けて屈曲して連続して形成されており、油溝5vのオイルポンプ被動ギヤ39の右側面との間に構成される上向きの捕集口に入ったオイルがポンプ駆動軸35に沿って軸受凹部の端面の油溜まりまで供給されて、ポンプ駆動軸35の軸受の潤滑に供せられる。
以上のように、本オイルポンプは、治具40によりポンプ駆動軸35にインナロータ34とアウタロータ33とポンプカバー32を小組みしたトロコイドポンプ小組体30Aを構成しておくことで、ポンプハウジング31の凹部31dにトロコイドポンプ小組体30Aのアウタロータ33の端部を嵌合し、治具40をポンプカバー32およびアウタロータ33から取り外した後にアウタロータ33の全部をポンプハウジング31の凹部31dに嵌入してポンプカバー32を被せて、オイルポンプ30を極めて簡単に組付けることができ、短時間に効率良く組付け作業を遂行することができる。
また、トロコイドポンプ小組体30Aを構成しているので、トロコイドポンプ小組体の形で移送することができ、取り扱いが極めて便利で、労力および作業時間の削減を図ることができる。
治具40は、嵌合部40aがポンプカバー32の外側部に外周縁を跨いで弾性力により挟むようにして嵌合するとともに、一対の保持アーム40b,40bがアウタロータ33の外周面に弾性力により挟むようにして嵌められるので、治具40をアウタロータ33の径方向外側に移動するだけで、嵌合部40aがポンプカバー32から外れるとともに、一対の保持アーム40b,40bがアウタロータ33の外周面から外れ、治具40を簡単に取り外すことができ、組付け作業を効率良く行うことができる。
また、トロコイドポンプ小組体30Aの組み立てに際しても、ポンプ駆動軸35の左右一対のインナロータ側ピン36とポンプカバー側ピン37が、重ね合わせたインナロータ34とポンプカバー32を両側から挟む簡単な構成で、互いに外れない状態に維持することができ、アウタロータ33を治具40により保持させてトロコイドポンプ小組体30Aを簡単に組み立てることができる。
次に、治具の第1の変形例を図15に示す。
本治具50は、前記実施の形態の治具40と殆ど同じ形状をしているが、係止片50cに係止溝50cvが形成されている点が異なる。
治具50の嵌合部50aをポンプカバー32の外側部に嵌合するときに、係止片50cの係止溝50cvに、ポンプ駆動軸35のピン孔を貫通したポンプカバー側ピン37の突出した一端部が嵌合するように係止する。
このようにポンプカバー32の外側部に取り付けられる治具50の係止片50cの係止溝50cvがポンプカバー側ピン37の端部を係止することで、ポンプ駆動軸35の回動を確実に禁止することができ、インナロータ34に偏心して噛み合うアウタロータ33が回動することにより一対の保持アーム50b,50bからアウタロータ33が外れてしまうことを防止している。
次に治具の第2の変形例を図16に示す。
本治具60は、薄い鉄板で構成したものであり、帯状の鋼板をコ字状に繰り返し屈曲して嵌合部61aと係止部61bとつまみ部61cとを形成し屈曲部片61と、別の帯状の鋼板を半円弧状に形成して保持アーム部片62とを結合したものであり、屈曲部片61の嵌合部61aとつまみ部61bとを連結する僅かに湾曲した連結部61dを保持アーム部片62の外周面中央部と溶接して治具60を形成している。
本治具60は、前記治具40と基本形状を同じくして各部位は同じ機能を果たす。
すなわち、嵌合部61aはポンプカバー32の外側部に嵌合され、保持アーム62はアウタロータ33の外周面を保持し、係止部61bはポンプカバー側ピン37に当接してポンプ駆動軸35の回動を規制する。
本治具60は、鋼板を折り曲げて形成しているので、ポンプカバー32の外側部に取り付けても嵩張らず、移送などをより容易にすることができる。
次に治具のまた別の第3の変形例を図17に示す。
本治具70は、上記第2の変形例の治具60の屈曲部片61と同じ鋼板の屈曲部片71を用いており、同屈曲部片71は嵌合部71aと係止部71bとつまみ部71cを備え、嵌合部71aとつまみ部71cとの間のコ字凹部に湾曲した連結部71dに固着されて保持マグネット72が取り付けられている。
したがって、治具70の嵌合部71aがポンプカバー32の外側部に嵌合すると、屈曲部片61の湾曲した連結部71dがアウタロータ33の外周面に接し、保持マグネット72によりアウタロータ33が吸着されて保持され、トロコイドポンプ小組体が構成される。
治具70を取り外すときは、アウタロータ33の径方向外側に抜くので、容易に保持マグネット72による吸着が解除され、簡単に外すことができる。
また、保持マグネット72の磁力は嵌合部71aのポンプカバー32との嵌合にも作用してポンプカバー32を屈曲部片71に吸着しており、上記のような特別な外力が加わらない限り治具70が簡単にポンプカバー32から外れないように取り付けることができる。
本発明の一実施の形態に係る内燃機関の部分断面図である。 オイルポンプおよびその近傍の拡大断面図である。 同分解断面図である。 ポンプハウジングの側面図(図3のIV矢視図)である。 オイルポンプの分解断面図である。 ポンプカバーの側面図である。 インナロータの側面図である。 アウタロータの側面図である。 インナロータ小組体とアウタロータの分解断面図である。 治具の正面図である。 同側面図である。 トロコイドポンプ小組体の断面図である。 同正面図である。 同裏面図である。 第1の変形例の治具を用いたトロコイドポンプ小組体の裏面図である。 第2の変形例の治具の斜視図である。 第3の変形例の治具の斜視図である。
符号の説明
E…内燃機関、1…クランクケース、1L…左クランクケース、1R…右クランクケース、2L…左軸受壁、2R…右軸受壁、3…クランク室、4…ACG室、5…隔壁、6…カムチェーン室、7…ACG室、
10…クランク軸、11…主ベアリング、12…コンロッド、13…カムチェーン、14…カムチェーン駆動スプロケット、15…オイルポンプ駆動ギヤ、16…ACジェネレータ、17…ベルト式無段変速機、18…遠心ウエイト、19…駆動プーリ、
30A…トロコイドポンプ小組体、30…オイルポンプ、31…ポンプハウジング、32…ポンプカバー、33…アウタロータ、34…インナロータ、34A…インナロータ小組体、34v…嵌合溝、35…ポンプ駆動軸、36…インナロータ側ピン、37…ポンプカバー側ピン(ポンプカバー側突起)、38…ボルト、39…オイルポンプ被動ギヤ、39v…嵌合溝。
40…治具、40a…嵌合部、40b…保持アーム、40c…係止片、40d…つまみ部、
50…治具、50a…嵌合部、50b…保持アーム、50c…係止片、50cv…係止溝、50d…つまみ部、
60…治具、61…屈曲部片、61a…嵌合部、61b…係止部、61c…つまみ部、61d…連結部、62…保持アーム部片、
70…治具、71…屈曲部片、71a…嵌合部、71b…係止部、71c…つまみ部、71d…連結部、72…保持マグネット。

Claims (6)

  1. 内燃機関の機関ケースに設けられる円形に凹設したポンプハウジングの凹部内に回転自在に嵌合されるアウタロータとポンプ駆動軸と一体に回転するインナロータとを偏心して噛み合せて組み込み、前記凹部をポンプカバーで覆って構成されるトロコイドポンプを組立てるトロコイドポンプ組立治具であって、
    前記ポンプ駆動軸外周に前記インナロータがスラスト方向の移動を規制されて支持されるとともに、前記ポンプ駆動軸に前記ポンプカバーがその軸孔を貫通されて支持されインナロータ小組体が構成され、
    前記アウタロータを前記インナロータの外周に噛み合せ、
    コ字状に形成された嵌合部が前記ポンプカバーの外側部に外周縁を跨いで嵌合しつつ、前記嵌合部の前記アウタロータ側の側片が延出して形成された保持部が前記アウタロータの外周面を保持する治具により前記インナロータ小組体と前記アウタロータとを一体としてトロコイドポンプ小組体が構成され、
    前記ポンプハウジングの凹部に前記トロコイドポンプ小組体の前記アウタロータの一部を嵌合し、前記治具を前記ポンプカバーおよび前記アウタロータから取り外した後に前記アウタロータの全部を前記ポンプハウジングの凹部に嵌入して前記ポンプカバーを被せることで組付けられることを特徴とするトロコイドポンプ組体治具。
  2. 前記ポンプカバーは、前記インナロータと前記ポンプ駆動軸の係合部によりスラスト方向の移動が規制されることを特徴とする請求項1記載のトロコイドポンプ組体治具。
  3. 前記治具の前記保持部は、前記嵌合部の一側片から二股に分岐して円弧状に延出した一対の弾性を有するアームであり、
    同一対のアームが前記アウタロータの外周面の前記ポンプカバー側部分に嵌り保持することを特徴とする請求項1または請求項2記載のトロコイドポンプ組体治具。
  4. 前記ポンプカバーと前記インナロータとを摺動自在に重ね合わせて互いの合致した軸孔を前記ポンプ駆動軸が貫通し、前記ポンプ駆動軸に互いに軸方向に所要間隔離れて径方向に突出された一対のポンプカバー側突起とインナロータ側突起が前記ポンプカバーと前記インナロータとを両側から挟み、
    前記治具の前記嵌合部の前記保持部と反対側の側片が延出して係止片をなし、前記ポンプカバー側突起に係止することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項記載のトロコイドポンプ組体治具。
  5. 前記インナロータ側の一方の前記インナロータ側突起が同インナロータの側面に形成された嵌合溝に嵌合し、前記ポンプカバー側の他方の前記ポンプカバー側突起が同ポンプカバーの側面に沿って突設することを特徴とする請求項1から請求項4記載のトロコイドポンプ組体治具。
  6. 前記一対の突起は、それぞれ前記ポンプ駆動軸に直径方向に穿孔されたピン孔を貫通したピンの外部に突出した端部であり、前記インナロータに形成された嵌合溝は、前記ポンプカバーと反対側の側面に軸孔から直径方向に延長して形成された溝であることを特徴とする請求項5記載のトロコイドポンプ組体治具。
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