JP2006161615A - タンデム型トロコイドポンプおよびその組み付け方法 - Google Patents

タンデム型トロコイドポンプおよびその組み付け方法 Download PDF

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秀明 大西
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Abstract

【課題】 従来品に比して加工工数と部品点数を共に低減でき、安価に製造できるタンデム型トロコイドポンプの提供。
【解決手段】 タンデム型トロコイドポンプAは、駆動軸6の第2端部6bに圧入にて固定されるヘリカルギヤ7と、駆動軸6の第2端部6b側へ作用する力を第2インナロータ5aのスペーサ側面51で受ける脱落防止機構62と、ハウジング本体1の底面部11における駆動軸6の第1端部6aとの対応位置に設けた貫通部11aと、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、2対のトロコイドポンプを用いたタンデム型トロコイドポンプおよびその組み付け方法の技術分野に属する。
従来、ヘリカルギヤから駆動軸を介して2つのトロコイドポンプを駆動するタンデム型トロコイドポンプが知られている。ヘリカルギヤおよび各インナロータは、それぞれピンを用いて駆動軸と一体的に回転するよう構成されている。さらに、各インナロータを駆動軸と一体回転させるピンは、ヘリカルギヤのスラスト発生力に伴う駆動軸の軸方向移動を規制する働きを有している。
(例えば、特許文献1参照)。
実開平3−5990号公報
しかしながら、上述の従来技術にあっては、ピンを用いてヘリカルギヤを駆動軸に固定しているため、ピン穴加工が必要である。さらに、ピンの反対側にヘリカルギヤと駆動軸との相対移動を防止する抜け止め部材が必要な構成であるため、部品点数が多く、高価なものとなってしまう。
本発明は、上述の従来の問題点に着目して成されたもので、その目的とするところは、従来品に比して加工工数と部品点数を共に低減でき、安価に製造できるタンデム型トロコイドポンプおよびその組み付け方法を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明のタンデム型トロコイドポンプでは、
一端側に開口部を有する有底筒状のハウジング本体と、
このハウジング本体の開口部を封止するポンプカバーと、
前記ハウジング本体内の底部側に配置され、第1インナロータおよび第1アウタロータを有する第1トロコイドポンプと、
前記ハウジング本体内の開口部側に前記第1トロコイドポンプと直列に配置され、第2インナロータおよび第2アウタロータを有する第2トロコイドポンプと、
前記第1トロコイドポンプと前記第2トロコイドポンプとの間を仕切ると共に、前記駆動軸が挿通されるスペーサと、
前記ハウジング本体の底面部側に位置する第1端部と、前記カバーから外部へ突出する第2端部とを有し、第1インナロータおよび第2インナロータと一体的に回転可能に挿通されると共に、前記スペーサおよびポンプカバーと相対回転可能に挿通される駆動軸と、
この駆動軸の第2端部に圧入にて固定され、外部から動力が伝達される動力伝達部材と、
前記駆動軸の第1端部から第2端部側へ作用する力を前記第2インナロータ側面で受ける脱落防止機構と、
前記ハウジング本体の底面部における前記駆動軸の第1端部との対応位置に設けられた貫通部と、
を備えることを特徴とする。
よって、部品点数および加工工数の削減を図ることができる。
以下に、本発明を実施する最良の形態を、実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1のタンデム型トロコイドポンプを重力方向上方から見たときの断面図、図2は図1のV矢視図であり、実施例1は、本発明のタンデム型トロコイドポンプを、エンジン潤滑用オイルポンプとして適用した例である。
実施例1のタンデム型トロコイドポンプAは、ハウジング本体1と、ポンプカバー2と、スペーサ3と、第1トロコイドポンプ4と、第2トロコイドポンプ5と、駆動軸6と、ヘリカルギヤ(動力伝達部材)7とを備えている。
[ハウジング本体]
ハウジング本体1は、ヘリカルギヤ7側に開口部1a、エンジンハウジング8側に底面部11を有する有底筒状に形成されている。図2に示すように、このハウジング本体1には、軸方向に沿って吸入口1cと吐出口1dがそれぞれ形成されている。吸入口1cは、エンジンハウジング8内の油路(不図示)を介して、エンジンオイルが溜められた図外のオイルパンと連通している。また、吐出口1dは、エンジンハウジング8内の油路(不図示)を介して、図外のオイルフィルタへ連通している。オイルフィルタで濾過されたエンジンオイルは、ベアリング、カムシャフト、バルブ等の各潤滑部分へと送られる。
また、図2に示すように、ハウジング本体1の吸入口1cは、エンジンハウジング8に組み付けられたとき、重力方向下側に位置し、吐出口1dは、重力方向上側に位置するように設定されている。
ハウジング本体1の底面部11には、組み付け時に駆動軸6の第1端部6aを保持する圧入受け冶具11b(図11参照)を挿入するための貫通部11aが形成されている。この貫通部11aは、円形の穴であり、穴の内周は、後述する駆動軸6の第1端部6aの外径よりも小径に設定されている。
また、底面部11において、第1トロコイドポンプ4と接する第1トロコイドポンプ側面12には、吸入口1cと連通する吸入ポート12aと、吐出口1dと連通する吐出ポート12bとが形成されている。吸入ポート12aは、吸入口1cと対応して重力方向下側に位置する。吐出ポート12bは、吐出口1dと対応して重力方向上側に位置する。
[ポンプカバー]
ポンプカバー2は、ハウジング本体1の開口部1aを封止するもので、ポンプカバー2の中央には、駆動軸6を回転可能に軸支する軸受部2bが形成されている。また、図3に示すように、ポンプカバー2において、第2トロコイドポンプ5と接する第2トロコイドポンプ側面21には、吸入口1cと連通する吸入ポート21aと、吐出口1dと連通する吐出ポート21bとが形成されている。さらに、第2トロコイドポンプ側面21には、吐出ポート21bと連通し、軸受部2bを潤滑する潤滑溝2cが形成されている。
ハウジング本体1およびポンプカバー2は、エンジンハウジング8に形成された4つの雌ねじ部8aと対応する位置に、ボルト穴1b,2aがそれぞれ形成され、これらボルト穴1b,2aに挿通されたボルト9によりポンプカバー2側からエンジンハウジング8に共締めされている。
[スペーサ]
図4はスペーサ3の第2トロコイドポンプ側面31を示す図1のS4−S4断面図、図5はスペーサ3の第1トロコイドポンプ側面32を示す図、図6は図5のS6−S6断面図である。
スペーサ3は、第1トロコイドポンプ4と第2トロコイドポンプ5とを仕切ると共に、駆動軸6を支持するもので、中央には、駆動軸6を回転可能に軸支する軸受部3aが形成されている。
スペーサ3において、第2トロコイドポンプ5と接する第2トロコイドポンプ側面31には、吸入口1cと連結する吸入ポート31aと、吐出口1dと連通する吐出ポート31bとが形成されている。
また、スペーサ3において、第1トロコイドポンプ4と接する第1トロコイドポンプ側面32には、吸入口1cと連結する吸入ポート32aと、吐出口1dと連通する吐出ポート32bとが形成されている。さらに、第1トロコイドポンプ側面32には、吐出ポート32bと連通し、軸受部3aを潤滑する潤滑溝3bが形成されている。
[第1トロコイドポンプ]
図7は、第1トロコイドポンプ4を示す図1のS7−S7断面図である。
第1トロコイドポンプ4は、ハウジング本体1内の底面部11に面して配置され、ドライブロータである第1インナロータ4aと、ドリブンロータである第1アウタロータ4bとから構成されている。第1インナロータ4aの内周には、後述する駆動軸6の第1端部6aと嵌合する嵌合穴4cが形成されている。ここで、第1トロコイドポンプ4は、エンジンハウジング8に組み付けられたとき、重力方向上側に高圧となる吐出作動室4dが位置し、重力方向下側に負圧となる吸入作動室4eが位置するように設定されている。
[第2トロコイドポンプ]
図8は、第2トロコイドポンプ5を示す図1のS8−S8断面図である。
第2トロコイドポンプ5は、ハウジング本体1内の開口部1a側に第1トロコイドポンプ4と直列に配置され、ドライブロータである第2インナロータ5aおよびドリブンロータである第2アウタロータ5bとから構成されている。
第2インナロータ5aの中央には、駆動軸6が挿通される挿通穴5cが形成されている。また、第2インナロータ5aにおいて、スペーサ3の第2トロコイドポンプ側面31と接するスペーサ側面51には、後述する駆動軸6に挿通されたピン10が嵌り込むピン溝5dが形成されている。第2トロコイドポンプ5も、第1トロコイドポンプ4と同様に、エンジンハウジング8に組み付けられたとき、重力方向上側に高圧となる吐出作動室5eが位置し、重力方向下側に負圧となる吸入作動室5fが位置するように設定されている。
図9は、第1トロコイドポンプ4および第2トロコイドポンプ5の歯の位相を示す図であり、第1トロコイドポンプ4と第2トロコイドポンプ5は、インナロータとアウタロータの歯の噛み合い位置が互いにアウタロータの回転角で36°ずらして配置されている。なお、図9中の矢印は、駆動軸6の回転方向を示す。
[駆動軸]
駆動軸6は、ポンプカバー2からハウジング本体1の外部に突出した第2端部6bにヘリカルギヤ7が圧入され、ヘリカルギヤ7の回転力を第1トロコイドポンプ4および第2トロコイドポンプ5へ伝達する。
駆動軸6は、円柱状部材で構成され、第1インナロータ4aと対応する第1端部6aのみを二面幅状に切り欠き、第1インナロータ4aの嵌合穴4cと嵌合する二面幅部6cが形成されている。
また、駆動軸6において、ピン溝5dと対応する位置には、駆動軸6の径方向にピン穴6dが貫通し、このピン穴6dに、ピン10が挿入されている。ピン10は、ピン穴6dよりも長く形成され、その両端がピン穴6dの両側から突出するようにピン溝5dが設定されている。ピン10と、第2インナロータ5に形成されたピン溝5dにより、駆動軸6の第1端部6aから第2端部6bの方向へ向かって作用するスラスト力を、第2インナロータ5の側面で受ける脱落防止機構62が構成されている。
[ヘリカルギヤ]
ヘリカルギヤ7は、図外のギヤを介してクランクシャフトの回転力を駆動軸6へ伝達する。実施例1では、駆動軸6に対し、図1の矢印方向、すなわち、駆動軸6の第1端部6aから第2端部6bの方向へ向かってスラスト力が発生するよう、ヘリカルギヤ7の歯形が設定されている。
次に、作用を説明する。
[オイルポンプ駆動作用]
エンジンが駆動すると、クランクシャフトの回転力がヘリカルギヤ7を介して駆動軸6へ入力される。これにより、第1トロコイドポンプ4と第2トロコイドポンプ5が駆動される。
第1トロコイドポンプ4が駆動されると、膨張行程にある吸入作動室4eが負圧となり、オイルパンに溜められたエンジンオイルは、ハウジング本体1の吸入口1cと吸入ポート12aとスペーサ3の吸入ポート32aを介して、第1トロコイドポンプ4の作動室へ流入する。
第1トロコイドポンプ4の作動室へ流入したエンジンオイルは、圧縮行程の吐出作動室4d内で昇圧され、ハウジング本体1の吐出ポート12bとスペーサ3の吐出ポート32bを介して、吐出口1dより吐出される。
同様に、第2トロコイドポンプ5が駆動されると、膨張行程にある吸入作動室5fが負圧となり、オイルパンに溜められたエンジンオイルは、ハウジング本体1の吸入口1cとポンプカバー2の吸入ポート21aとスペーサ3の吸入ポート31aを介して、第2トロコイドポンプ4の作動室へ流入する。
第2トロコイドポンプ5の作動室へ流入したエンジンオイルは、圧縮行程の吐出作動室5e内で昇圧され、ポンプカバー2の吐出ポート21bとスペーサ3の吐出ポート31bを介して、吐出口1dより吐出される。
[位相による脈圧抑制作用]
第1トロコイドポンプ4と第2トロコイドポンプ5は、互いのインナロータとアウタロータとの歯の噛み合い位置を互いにアウタロータの回転角で36°ずらして配置されているため、図10に示すように、それぞれの脈圧は、お互いに打ち消し合うような位相となる。これにより、吐出口1dから出力されるエンジンオイルの合成脈圧が抑制される。
[貫通部からのオイル漏れ抑制作用]
実施例1では、ハウジング本体1の底面部11に、ヘリカルギヤ7を組み付ける際に圧入受け冶具11bを挿入する貫通部11aが形成されている。よって、ポンプ駆動時、この貫通部11aからハウジング本体1の外部へ若干のオイル漏れが発生する可能性がある。
これに対し、実施例1では、第1トロコイドポンプ4の吐出作動室4dを重力方向上側に配置し、吸入作動室4eを重力方向下側に配置している。これにより、貫通部11aへ若干のオイル漏れが発生した場合でも、直ちに吸入ポート12aから吸入作動室4eへと吸収される。よって、貫通部11aを設けたにもかかわらず、底面部11から外部へのオイル漏れを抑制できる。また、外部から空気を吸入してしまうのを抑制できる。
また、貫通部11aを、駆動軸6の第1端部6aの外径よりも小径に設定したため、ハウジング本体1の底面部11と第1トロコイドポンプ4との摺動面から漏れたエンジンオイルは、駆動軸6の第1端部6a端面と底面部11の貫通部11a周縁によって構成される絞りを通過することとなり、オイル漏れを抑制できる。
[ポンプ組み付け方法]
次に、実施例1のタンデム型トロコイドポンプ4の組み付け方法について説明する。
(第1工程)
ハウジング本体1に対し、第1インナロータ4a、第1アウタロータ4b、スペーサ3を順に組み付ける。
続いて、駆動軸6のピン穴6dに、ピン10を差し込み、第2インナロータ5aの挿通穴5cに、スペーサ側面51から駆動軸6を挿入する。この工程により、駆動軸6と第2インナロータ5aとが脱落防止機構62にて一体化される(図11(a))。
次に、ハウジング本体1の開口部1aを上方に向け、駆動軸6の第1端部6aを、スペーサ3の軸受部3aと第1インナロータ4aの嵌合穴4cとに挿入する。このとき、第2インナロータ5aはピン10とピン溝5dとの係合による脱落防止機構62によって下方側を支持されるため、駆動軸6を第1インナロータ4aに差し込む際、第2インナロータ5aが落下することがない。また、重力によって第2インナロータ5aがピン10の両端を下方へ押圧するため、ピン穴6dからのピン10の脱落が防止される。
最後に、第2インナロータ5aを収容するようにハウジング本体1内に第2アウタロータ5bを組み付ける。このとき、駆動軸6は、脱落防止機構62によって軸方向への相対移動が規制されるため、ハウジング本体1に対して位置がずれることはない。
(第2工程)
ポンプカバー2の軸受部2bに駆動軸6の第2端部6bを挿入し、ハウジング本体1の開口部1aにポンプカバー2を被せる。このとき、ハウジング本体1とポンプカバー2をボルト8で仮止めしておく(図11(b))。
(第3工程)
ハウジング本体1の底面部11に形成された貫通部11aからハウジング本体1内へ圧入受け冶具11bを挿入し、駆動軸6の第1端部6aを固定する。この状態で、ヘリカルギヤ7を駆動軸6の第2端部6bヘを圧入する(図11(c),(d))。このとき、駆動軸6の第1端部6aは、圧入受け冶具11bで支持されているため、ヘリカルギヤ7の圧入作業に伴い、ハウジング本体1が変形するのを防止できる。
[ポンプ組み付け作用]
図12は従来のタンデム型トロコイドポンプを示す縦断面図であり、この従来技術では、駆動軸にヘリカルギヤ固定用のピン穴を形成してピンを挿入し、ヘリカルギヤに駆動軸を挿入した後、駆動軸の先端に抜け止め部材を固定してヘリカルギヤの軸方向移動を規制している。
ところが、上記従来技術では、駆動時にヘリカルギヤ固定用のピン穴を形成する工程が必要であると共に、ピンおよび抜け止め部材を要する構成であるため、製造コストが嵩むという問題があった。
そこで、部品点数削減のために、駆動軸に直接ヘリカルギヤを圧入することで、両者を固定する方法が考えられる。しかしながら、ハウジング本体に駆動軸を組み付ける前に、駆動軸にヘリカルギヤを固定した場合、各インナロータの駆動軸への組み付け、およびハウジング本体内への各部品の組み付け作業が困難となる。一方、各部品をハウジング本体内に収容した後にヘリカルギヤの圧入を行うと、ハウジング本体が変形し、ポンプ特性に影響を及ぼすおそれがある。
これに対し、実施例1のタンデム型トロコイドポンプAでは、ハウジング本体1の底面部11に貫通部11aを設けた。そして、組み付け時には、各部品をハウジング本体1内に組み付け、さらにポンプカバー2を取り付けた後、貫通部11aに圧入受け冶具11bを挿入した状態で、ヘリカルギヤ7の圧入を行う。
これにより、各部品をハウジング本体1に組み付けた後、貫通部11aに圧入受け冶具11bを挿入した状態で、ヘリカルギヤ7を駆動軸6に圧入できる。従って、各部品を組み付けた後でも、ポンプ特性に影響を与えることなく、ヘリカルギヤ7を駆動軸6に圧入できる。よって、ヘリカルギヤ7を駆動軸6に固定するピンおよび抜け止め部材と、ピン穴の加工工程が不要となり、部品点数と加工工数の削減によるコストダウンを実現できる。
次に、効果を説明する。
実施例1のタンデム型トロコイドポンプAにあっては、以下に列挙する効果が得られる。
(1) 駆動軸6の第2端部6bに圧入にて固定されるヘリカルギヤ7と、駆動軸6の第2端部6b側へ作用する力を第2インナロータ5aのスペーサ側面51で受ける脱落防止機構62と、ハウジング本体1の底面部11における駆動軸6の第1端部6aとの対応位置に設けた貫通部11aと、を備える。これにより、各部品をハウジング本体1に組み付けた後、貫通部11aに圧入受け冶具11bを挿入した状態で、ヘリカルギヤ7を駆動軸6に圧入できる。よって、各部品組み付け後、ポンプ特性変化を伴うことなく、駆動軸6に直接ヘリカルギヤ7を圧入できるため、部品点数および加工工数の削減を図ることができる。
(2) 貫通部11aを、駆動軸6の第1端部6aの外径よりも小径に設定したため、第1端部6a端面と底面部11の貫通部周縁とで構成される絞りにより、貫通部11aからのオイル漏れを抑制できる。
(3) 第1トロコイドポンプ4、スペーサ3、第2トロコイドポンプ5および駆動軸6をハウジング本体1内に配置する第1工程と、ポンプカバー2をハウジング本体1に固定する第2工程と、貫通部11aから圧入受け冶具11bを挿入して駆動軸6の第1端部6aを支持し、ヘリカルギヤ7を駆動軸6の第2端部6bに圧入する第3工程と、により組み付ける。よって、各部品組み付け後、ポンプ特性変化を伴うことなく、駆動軸6に直接ヘリカルギヤ7を圧入できるため、部品点数および加工工数の削減を図ることができる。
(4) 第1トロコイドポンプ4を、エンジンハウジング8に組み付けられたとき、重力方向上側に吐出ポート12bが位置し、重力方向下側に吸入ポート12aが位置するように設定した。これにより、貫通部11aへ漏れたエンジンオイルが直ちに吸入ポート12aへと吸収されるため、貫通部11aからのオイル漏れを抑制できる。
(5) 脱落防止機構62を、駆動軸6の径方向に貫通するように設けたピン10と、第2インナロータ5aのスペーサ側面51に形成し、ピン10が係合可能なピン溝5dと、から構成したため、簡単な構成で駆動軸6の抜けを確実に防止できる。さらに、第2インナロータ5aを駆動軸6と一体化した状態でハウジング本体1に容易に組み付けることができる。
(6) 貫通部11aを、円形の穴としたため、貫通部11aに圧入受け冶具11bを挿入する際に、貫通部11aに対する回転の位置決めを行う必要が無いため、圧入受け冶具11bの挿入作業を容易に行うことができる。
さらに、上記各実施例から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)請求項1または請求項2に記載のタンデム型トロコイドポンプにおいて、
前記第1トロコイドポンプを、エンジンハウジングに組み付けられたとき、重力方向上側に吐出室が位置し、重力方向下側に吸入室が位置するように設定したことを特徴とするタンデム型トロコイドポンプ。
よって、貫通部へ若干のオイル漏れが発生した場合でも、直ちに貫通部内で直ちに吸入室へと吸収されるため、貫通部から外部へのオイル漏れを抑制できる。また、外部から空気を吸入してしまうのを抑制できる。
(ロ)請求項1または請求項2に記載のタンデム型トロコイドポンプにおいて、
前記脱落防止機構を、
前記駆動軸を径方向に貫通するように設けたピンと、
前記第2インナロータのスペーサ側面に形成し、前記ピンが係合可能なピン溝と、
から構成したことを特徴とするタンデム型トロコイドポンプ。
よって、簡単な構成で駆動軸の抜けを確実に防止できる。
(ハ)請求項1または請求項2に記載のタンデム型トロコイドポンプにおいて、
前記貫通部を、円形の穴としたことを特徴とするタンデム型トロコイドポンプ。
よって、貫通部に圧入受け冶具を挿入する際、ハウジング本体の穴に対する回転の位置決めが不要であるため、貫通部に圧入受け冶具を容易に挿入できる。
実施例1のタンデム型トロコイドポンプを重力方向上方から見たときの断面図である。 図1のV矢視図である。 ポンプカバー2の第2トロコイドポンプ側面を示す図1のS3−S3断面図である。 スペーサ3の第2トロコイドポンプ側面31を示す図1のS4−S4断面図である。 スペーサ3の第1トロコイドポンプ側面32を示す図である。 図5のS6−S6断面図である。 第1トロコイドポンプを示す図1のS7−S7断面図である。 第2トロコイドポンプを示す図1のS8−S8断面図である。 第1トロコイドポンプ4および第2トロコイドポンプ5の歯の位相を示す図である。 実施例1の脈圧抑制作用を示す図である。 実施例1のタンデム型トロコイドポンプAの組み付け方法を示す図である。 従来のタンデム型トロコイドポンプを示す縦断面図である。
符号の説明
1 ハウジング本体
1a 開口部
1b ボルト穴
1c 吸入口
1d 吐出口
2 ポンプカバー
2a ボルト穴
2b 軸受部
2c 潤滑溝
3 スペーサ
3a 軸受部
3b 潤滑溝
4 トロコイドポンプ
4a インナロータ
4b アウタロータ
4c 嵌合穴
4d 吐出作動室
4e 吸入作動室
5 トロコイドポンプ
5a インナロータ
5b アウタロータ
5c 貫通穴
5d ピン溝
5e 吐出作動室
5f 吸入作動室
6 駆動軸
6a 第1端部
6b 第2端部
6c 二面幅部
6d ピン穴
7 ヘリカルギヤ
8 エンジンハウジング
8a 雌ねじ部
9 ボルト
10 ピン
11 底面部
11a 貫通部
11b 圧入受け冶具
12 トロコイドポンプ側面
12a 吸入ポート
12b 吐出ポート
21 トロコイドポンプ側面
21a 吸入ポート
21b 吐出ポート
31 トロコイドポンプ側面
31a 吸入ポート
31b 吐出ポート
32 トロコイドポンプ側面
32a 吸入ポート
32b 吐出ポート
51 スペーサ側面
62 脱落防止機構

Claims (3)

  1. 一端側に開口部を有する有底筒状のハウジング本体と、
    このハウジング本体の開口部を封止するポンプカバーと、
    前記ハウジング本体内の底部側に配置され、第1インナロータおよび第1アウタロータを有する第1トロコイドポンプと、
    前記ハウジング本体内の開口部側に前記第1トロコイドポンプと直列に配置され、第2インナロータおよび第2アウタロータを有する第2トロコイドポンプと、
    前記第1トロコイドポンプと前記第2トロコイドポンプとの間を仕切ると共に、前記駆動軸が挿通されるスペーサと、
    前記ハウジング本体の底面部側に位置する第1端部と、前記カバーから外部へ突出する第2端部とを有し、第1インナロータおよび第2インナロータと一体的に回転可能に挿通されると共に、前記スペーサおよびポンプカバーと相対回転可能に挿通される駆動軸と、
    この駆動軸の第2端部に圧入にて固定され、外部から動力が伝達される動力伝達部材と、
    前記駆動軸の第1端部から第2端部の方向に向かって作用する力を前記第2インナロータ側面で受ける脱落防止機構と、
    前記ハウジング本体の底面部における前記駆動軸の第1端部との対応位置に設けられた貫通部と、
    を備えることを特徴とするタンデム型トロコイドポンプ。
  2. 請求項1に記載のタンデム型トロコイドポンプにおいて、
    前記貫通部を、前記駆動軸の第1端部の外径よりも小径に設定したことを特徴とするタンデム型トロコイドポンプ。
  3. 一端側に開口部を有する有底筒状のハウジング本体と、
    このハウジング本体の開口部を封止するポンプカバーと、
    前記ハウジング本体内の底部側に配置され、第1インナロータおよび第1アウタロータを有する第1トロコイドポンプと、
    前記ハウジング本体内の開口部側に前記第1トロコイドポンプと直列に配置され、第2インナロータおよび第2アウタロータを有する第2トロコイドポンプと、
    前記第1トロコイドポンプと前記第2トロコイドポンプとの間を仕切ると共に、前記駆動軸が挿通されるスペーサと、
    前記ハウジング本体の底面部側に位置する第1端部と、前記カバーから外部へ突出する第2端部とを有し、第1インナロータおよび第2インナロータと一体的に回転可能に挿通されると共に、前記スペーサおよびポンプカバーと相対回転可能に挿通される駆動軸と、
    この駆動軸の第2端部に圧入にて固定され、外部から動力が伝達される動力伝達部材と、
    前記駆動軸の第1端部から第2端部の方向に向かって作用する力を前記第2インナロータ側面で受ける脱落防止機構と、
    前記ハウジング本体の底面部における前記駆動軸の第1端部との対応位置に設けられた貫通部と、
    を有するタンデム型トロコイドポンプの組み付け方法であって、
    前記第1トロコイドポンプ、スペーサ、第2トロコイドポンプおよび駆動軸を、前記ハウジング本体内に配置する第1工程と、
    前記ポンプカバーを前記ハウジング本体に固定する第2工程と、
    前記貫通部から圧入受け冶具を挿入して前記駆動軸の第1端部を支持し、前記動力伝達部材を駆動軸の第2端部に圧入する第3工程と、
    を備えることを特徴とするタンデム型トロコイドポンプの組み付け方法。
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