JP2011503428A

JP2011503428A - ２つの流体回路に同期的に圧力供給するポンプアセンブリ

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Publication number: JP2011503428A
Application number: JP2010533521A
Authority: JP
Inventors: シェップレネ; アラーツェノルベルト
Original assignee: Robert Bosch GmbH
Current assignee: Robert Bosch GmbH
Priority date: 2007-11-16
Filing date: 2008-09-26
Publication date: 2011-01-27
Anticipated expiration: 2028-09-26
Also published as: JP5323080B2; US20100322810A1; EP2220373A1; DE102007054808A1; WO2009062783A1; CN101855452A; CN101855452B

Abstract

本発明は、２つの液体回路に同期的に圧力供給するポンプアセンブリ（１０）であって、ポンプハウジング（１２）内に一緒に配置されていて駆動軸（１６）を介して回転駆動される２つの内接歯車ポンプ（１１，１１′）が設けられており、両内接歯車ポンプ（１１，１１′）のピニオン（１９，１９′）が、所属のポンプ室内に位置していて、それぞれ所属の内歯車（２１，２１′）と歯列係合しており、両内接歯車ポンプ（１１，１１′）のポンプ室が、１つの共通の仕切り壁（１５）によって互いに隔てられており、該仕切り壁（１５）が別体のハウジング部分として形成されていて、両内接歯車ポンプ（１１，１１′）の一方の内接歯車ポンプの周壁を形成するハウジング部分（１３）の中空横断面内に係合しており、両内接歯車ポンプ（１１，１１′）に所属の吸込み通路（２４，２４′）と圧力通路（２５，２５′）とが、所属のポンプ室の側部の制限壁における軸方向通路区分の後ろで、ポンプハウジング（１２）内において半径方向に延びる通路区分に移行している形式のものに関する。このような形式のポンプアセンブリにおいて本発明では、両内接歯車ポンプ（１１，１１′）の一方の内接歯車ポンプの吸込み通路（２４，２４′）と圧力通路（２５，２５′）とが、仕切り壁（１５）に組み込まれて設けられている。

Description

本発明は、請求項１の上位概念部に記載された形式のポンプアセンブリ、すなわち、ポンプハウジング内に一緒に配置されていて駆動軸を介して回転駆動される２つの内接歯車ポンプが設けられており、両内接歯車ポンプのピニオンが、所属のポンプ室内に位置していて、それぞれ所属の内歯車と歯列係合しており、両内接歯車ポンプのポンプ室が、１つの共通の仕切り壁によって互いに隔てられており、該仕切り壁が別体のハウジング部分として形成されていて、両内接歯車ポンプの一方の内接歯車ポンプの周壁を形成するハウジング部分の中空横断面内に係合しており、両内接歯車ポンプに所属の吸込み通路と圧力通路とが、所属のポンプ室の側部の制限壁における軸方向通路区分の後ろで、ポンプハウジング内において半径方向に延びる通路区分に移行している形式のポンプアセンブリに関する。

このような形式のポンプアセンブリは例えばＤＥ１００５３９９１Ａ１に基づいて、液圧式にホイールスリップコントロールされる車両ブレーキ装置のためのポンププラグインユニットとして公知であり、この場合両ポンププラグインユニットの両内接歯車ポンプからは、２系統クロスブレーキ回路を備えたブレーキ系のそれぞれのブレーキ回路に、ブレーキ液が供給されるようになっている。両内接歯車ポンプは、複数部分から成るハウジングの、別体に形成された仕切り壁によって互いに隔てられており、かつ１つの共通の駆動軸によって垂直に貫通される。この駆動軸には、両歯車ポンプのピニオンが押し嵌められ、連行結合によって該ピニオンと回動不能に結合されている。隣接し合う歯車ポンプのポンプ室を互いに対してシールするために、仕切り壁孔の合わせられたリング室には、互いに間隔をおいて２つの軸シールリングが挿入されている。これにより両端部においてシールされた軸貫通部を通って、幾分ブレーキ液が貫流した場合、このブレーキ液は、軸シールリングの間において半径方向に延びて仕切り壁内に配置されている通気孔を介して、排出される。それぞれ所属のブレーキ回路内に両内接歯車ポンプを設けるために、各内接歯車ポンプにはさらにそれぞれ吸込み通路と圧力通路とが配属されており、この吸込み通路及び圧力通路は軸方向で見てほぼ半径方向に延びていて、その端部領域において曲がって、所属のポンプ室の吸込み側もしくは圧力側に開口している。内接歯車ポンプに所属の通路対は、ポンプアセンブリの両端面のそばにおけるその側部配置形式に基づいて、互いに大きな間隔をおいて位置しており、このことはまた、ポンプハウジングの構造上の設計時及び寸法設定時にも考慮されねばならない。

発明の開示
請求項１の特徴部に記載のように構成された本発明によるポンプアセンブリ、つまり両内接歯車ポンプの一方の内接歯車ポンプの吸込み通路と圧力通路とが、仕切り壁に組み込まれて設けられている、本発明によるポンプアセンブリは、従来技術に対して次のような利点を有している。すなわち本発明によるポンプアセンブリは、内接歯車ポンプの吸込み通路と圧力通路とから成る対の軸方向における相互間隔を、著しく減じることができる、という利点を有している。これによって、場合によっては両液体回路のための管路系の簡単な構成を伴って、ポンプアセンブリのコンパクトな構造形式を実現することができる。吸込み通路及び圧力通路はさらに技術的に簡単に、位置正確に仕切り壁に配置されることができる。それというのは、仕切り壁はポンプの歯車セットのためのスラストワッシャとして働くからである。そして仕切り壁は、ポンプハウジング内への組付け前にすべての側から接近可能であり、このことは例えば、中空通路の形成又は加工のための別個の作業を著しく簡単にする。また取り囲んでいる、つまり周りに位置する複数のハウジング部分は、もはや、互いにその端面の間隔をおいて仕切り壁の周囲に、圧入される領域又はこれに類したものを用いて接合される必要がなくなり、分割平面は仕切り壁のそばを延びていて、互いに結合されるハウジング部分のリング端面は、互いに突き合わせて接合されることができる。これによって中空円筒形のハウジング部分の結合強度を、著しく改善することができ、その結果ポンプアセンブリを、該ポンプアセンブリを安定化させるポンプハウジング内にプラグイン（つまり挿入）する必要がなくなる。

請求項２以下に記載された構成によって、請求項１に記載されたポンプアセンブリの有利な実施形態が可能である。

特に有利な構成では、両内接歯車ポンプの吸込み通路と圧力通路とが、仕切り壁に組み込まれて設けられている。このように構成されていると、両内接歯車ポンプの圧力通路と吸込み通路とを互いに直ぐ近くに配置することができ、これにより、ポンプアセンブリの相応にコンパクトな構造形式が可能になる。さらに漏れ通路が仕切り壁に組み込まれていて、該漏れ通路が、仕切り壁の２つの吸込み通路又は１つの吸込み通路の流出孔に開口していると、漏れ通路を著しく短縮することができ、固有の流出開口が不要になる。ポンプ室に直に接続する、もしくはポンプ室を流れ接続されている、ポンプアセンブリのすべての液体通路が、仕切り壁の内部に位置していると、これらの液体通路は、製造技術的な僅かな手間とコストで、ワーク「仕切り壁」に正確に形成すること、もしくは液体通路が取り囲まれている場合には、問題なく加工することができる。

２つの吸込み通路及び２つの圧力通路が仕切り壁のほぼ等しい横断面領域に配置されている場合には、仕切り壁は４つの液体通路が組み込まれているにもかかわらず、比較的僅かな厚さしか有していない。これを可能にするために、液体通路は仕切り壁においてそれぞれ互いに９０°ずつずらされて配置することができ、この場合ポンプアセンブリの内接歯車ポンプは互いに１８０°回動させられて配置されている。この配置形式には、内接歯車ポンプにおいて互いに逆向きに作用する圧力をほぼ相殺できるという、有利な二次効果がある。

液体供給される液体回路のうちの１つの管路系に１つの弁装置が設けられている場合、この弁装置は、仕切り壁の所属の液体通路に直に組み込まれていてよい。この弁装置は１つ又は２つの覆われる液体回路では、１つの弁又は２つの弁を有することができる。仕切り壁の単数又は複数の吸込み通路に減圧弁が配置され、仕切り壁の単数又は複数の圧力通路に安全弁が配置されていると、単数又は複数の液体回路に技術的に特に有利に各２つの弁を設けることができる。このような弁装置のためには従って、仕切り壁の内部にいずれにせよ存在するスペースが使用されるので、所是奥の液体回路の系において弁を外部に配置することを、省くことができる。これによってポンプアセンブリの外において、スペースを相応に節減することができ、かつ場合によっては接続される管路系を簡単化することができる。

有利な構成では、仕切り壁が、平面平行な端面を備えた円筒形の円板であり、両端面は、円板の長手方向中心軸線に対して垂直にかつ互いに平行に延びており、仕切り壁は、所属のハウジング部分の円筒形の中空横断面に圧入されている。平らな端面が、円板形状に基づいて安価に高い表面品質をもって可能である研削加工によって、形成されると、これらの端面はそのまま、歯車セットのための突き合わせ面として働くことができる。円板を円筒形の中空横断面に例えばプレス嵌めによって圧入することによって、付加的な固定手段なしに、ハウジング内における円板の位置正確な取付け位置を保証することができる。この場合圧入工程は、円板の液体通路の半径方向端部が圧入工程後に、ハウジングにおける対応する液体通路に整合するように、行われねばならない。適宜な圧入の選択によって、場合によっては付加的なシール手段なしに、円板外周部とハウジング内周部との間における液密な接続部を得ることができる。

圧入された仕切り壁は有利には軸方向において、２つのハウジング部分の互いに向かい合って位置するリング端面の間において支持されていることができ、この場合両ハウジング部分の一方のハウジング部分の外径は、仕切り壁の外径にほぼ相当している。仕切り壁の直径に合わせられた管状の端部領域は、この場合、仕切り壁のように、他方のハウジング部分の大きな管状の端部領域に圧入されるか又は押し込まれることができ、これによって両管端部は、テレスコープ状に長手方向で重なって接合されることになる。軸方向において充分に固定されていると、中空のハウジング部分と仕切り壁とがまとめられた場合に、極めて安定的な結合部が得られる。

仕切り壁とは反対側の端面において内接歯車ポンプにおける歯車セットの歯溝を確実にシールするために、ポンプアセンブリの両端部にはそれぞれ押圧部材が配置されていて、この押圧部材は押圧部材のために汎用のプラスチック材料から成っており、各押圧部材は軸方向において、一方では所属の歯車セットの端面に、かつ他方ではポンプ室の反対側に位置する孔壁に支持されている。有利には押圧部材はそれぞれ、駆動軸のための所属の軸受スリーブと構造的に１つにまとめられ、つまり一体成形されており、これによってポンプアセンブリにおける部材の数を所望のように減じることができる。軸受スリーブ自体は押圧部材と一体成形されていて、それ自体滑り軸受を形成することができる。しかしながら択一的に軸受スリーブは、滑り軸受の軸受シェル又はころがり軸受を受容しているもしくは取り囲んでいてもよい。

次に図面を参照しながら、本発明の有利な実施形態を説明する。

本発明によるポンプアセンブリを長手方向中心平面で断面した図である。図１に示されたポンプアセンブリのポンプ室を示す側面図である。図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿ってポンプアセンブリの仕切り壁を断面して示す図である。

発明の実施形態
図１に示されているように、ポンプアセンブリ１０は２つの内接歯車ポンプ１１，１１′を有しており、両内接歯車ポンプ１１，１１′は、側方向に直に並んで位置していて、１つの共通のポンプハウジング１２内に配置されている。組付け状態においてポンプアセンブリ１０は、対角線方向で分割されたブレーキ回路を備えた車両ブレーキ装置のための圧力制御装置（図示せず）の構成部分であり、この場合内接歯車ポンプ１１，１１′はそれぞれ、ＡＢＳ又はＥＳＰにおける使用のためのこのような公知のブレーキ係合の作用時に、ブレーキ回路のうちの１つに圧力供給するために役立つ。共通のポンプハウジング１２は、外側において、ポット状に中空の２つのハウジング部分１３，１４から成っており、両ハウジング部分１３，１４はそれぞれ、内接歯車ポンプ１１，１１′のポンプ室を３つの側において画成していて、両ハウジング部分１３，１４の端部領域の長さをオーバラップさせて互いに接合されている。両ハウジング部分１３，１４の間には、仕切り壁１５が、内側に位置するハウジング部分として挿入されており、この仕切り壁１５はその端面で、両内接歯車ポンプ１１，１１′のポンプ室を第４の側において画成している。仕切り壁１５は、平面平行な端面を備えた円筒形のディスクから成っており、この円筒形のディスクから成る仕切り壁１５は、所属のハウジング部分１３の円筒形の中空横断面に圧入されている。

両内接歯車ポンプ１１，１１′の駆動は、１つの共通の駆動軸１６を介して行われ、この駆動軸１６は、外部にフランジ結合された直流モータによって回転駆動され、この場合駆動軸１６は、シールされた軸貫通部を介してハウジング１２内に導入されていて、同軸的な軸受孔を貫通しており、これらの軸受孔は、ハウジング部分１３，１４の端面と仕切り壁１５とから切り欠かれている。真ん中の軸受箇所において、駆動軸１６は仕切り壁１５の孔内に直に回転可能に滑るように支承されており、これに対して駆動軸１６は側部の軸受箇所においては、プラスチック製の軸受スリーブ１７及び軸受スリーブ１７′を介して滑るように回転支承されている。軸受スリーブ１７，１７′はそれぞれ中空円筒形に形成されていて、駆動軸１６の周囲とハウジング部分１３，１４の対応配置された孔壁との間において形状結合式につまり嵌合によって固定されている。

軸受箇所の間において駆動軸１６は軸受スリーブ１７；１７′に続けてそれぞれ、所属の軸受スリーブ１７；１７′と一体成形された押圧部材１８；１８′を貫通し、その後で、内接歯車ポンプ１１；１１′の所属のピニオン１９；１９′における中央の貫通差込み開口を貫通し、最後に、所属の軸シールリング２０；２０′を貫通しており、この軸シールリング２０；２０′はそれぞれ対応する、仕切り壁１５における駆動軸１６のための軸受孔の階段状の拡大部に圧入されている。

図２に示された、内接歯車ポンプ１１のポンプ室の側面図との関連において分かるように、ほぼ六角形の横断面を有していて縁部が丸く面取りされている駆動軸１６は、該駆動軸１６に適合するピニオン１９の中空横断面つまり孔を貫通しており、これによってピニオン１９と駆動軸１６とは相対回動不能に連行結合されている。この場合ピニオン１９の外歯列は、内歯車２１の内歯列に噛み合っており、内歯車２１自体は円形の外周部で、所属のハウジング部分１３の孔区分内に回転可能に支承されている。歯列係合部は、正確に、内歯車２１の内歯列の上側領域の真ん中に位置しており、これによってピニオン１９の歯先円と内歯車２１の歯先円とは、全体として鎌形のリング室を画成している。このリング室は、ピニオン１９及び内歯車２１の回転軸線が延びている、歯車セットの垂直な中心平面を挟んで、鏡面対称的に構成されている。鎌形のリング室内において真ん中には充填部材２２が、中央に配置された軸ピン２３を用いて旋回運動可能に支承されている。しかしながらこの旋回可能性は、最小に制限されている。それというのは、充填部材２２の外周面は僅かな遊びをもって、内歯車２１の、充填部材２２によって覆われた内歯列の歯先に接触しており、かつ充填部材２２の内周面は僅かな遊びをもって、ピニオン１９の、充填部材２２によって覆われた歯先に接触しているからである。仕切り壁１５には、さらに内接歯車ポンプ１１の右の吸込み側に吸込み通路２４が設けられ、左の圧力側には、ブレーキ液用の所属の圧力通路２５が設けられている。

内接歯車ポンプ１１がブレーキ液によって完全に満たされていて、空気を抜かれた状態で、駆動軸１６が例えば電気式のギヤモータを用いて時計回り方向で回転させられると、ピニオン１９は一緒に同期回転し、また内歯車２１もピニオン１９と歯列係合していることに基づいて、同じ方向で一緒に回転させられる。充填部材２２によって覆われた歯溝は一方の端面において、相応な軸方向力によって負荷された押圧部材１８によってシールされ、かつ反対側の端面では仕切り壁１５における上昇部によってシールされているので、歯溝によって受容されたブレーキ液の空容積は、充填部材２２に対する歯先の十分なシールをもって、相応に圧力上昇しながら、内接歯車ポンプ１１の吸込み通路２４から圧力通路２５へと搬送されることができる。そのために必要な歯先と充填部材２２との間におけるシールは、この場合充填部材２２の規定された周囲遊びもしくは周囲間隙だけに基づいて実現され、この周囲間隙によって運転中に、充填部材２２の周囲長さにわたる圧力分布が生ぜしめられ、この圧力分布により、軸ピン２３の長手方向中心軸線を中心にした充填部材２２の十分な回転力が生ぜしめられる。従って、時計回り方向におけるピニオン１９の回転時には、時計回り方向において充填部材２２に作用する回転力が発生し、これによって充填部材２２の内周面は、軸ピン２３の左側におけるレバーアームからピニオン１９の覆われた歯先に向かって押し付けられ、かつ外周面は軸ピン２３の右側のレバーアームから内歯車２１の歯先に向かって押し付けられる。充填部材２２の両レバー端部がピニオン１９の歯列と内歯車２１の歯列との間に押し込まれていることによって、充填部材２２においては互いに逆向きの等しい圧着力が生ぜしめられ、この圧着力は、覆われた歯先と充填部材２２との間における十分なシールのために必要である。

既に述べたように、内接歯車ポンプ１１′は駆動軸１６によって一緒に駆動される。それというのは、ピニオン１９′もまた駆動軸１６によって貫通されていて、ピニオン１９に相当する連行結合部を介して駆動軸１６と相対回動不能に結合されているからである。内接歯車ポンプ１１′自体のジオメトリもまた、内接歯車ポンプ１１のジオメトリと合致しており、この場合ピニオン１９′と内歯車２１′とから成る歯車セットは、ピニオン１９と内歯車２１とから成る歯車セットに対して１８０°回動させられて配置されている。このように両内接歯車ポンプ１１，１１′における歯車セットが互いに１８０°回動させられて配置されていることに基づいて、つまり互いに逆向きに偏心配置されていることに基づいて、内接歯車ポンプ１１；１１′の圧力側における圧力の合力は、図１において白抜きの太い矢印によって示されているように、互いに半径方向逆向きに作用する。これによって、発生する半径方向力は互いに相殺され、このことはポンプハウジング１２の有利な寸法設定もしくは設計を可能にする。それというのは、同じ寸法設定において、単に、合力の軸方向におけるずれによって生じるモーメントだけを、構造上考慮するだけでよいからである。

もちろん、内接歯車ポンプ１１，１１′が互いに逆向きに偏心配置されている場合には、押圧部材１８，１８′及び充填部材２２，２２′もまた互いに１８０°回動させられて配置されねばならない。同じことは、同様に仕切り壁１５に組み込まれていて、内接歯車ポンプ１１′のポンプ室に向かって開放している、吸込み通路２４′及び圧力通路２５′に対しても言える。

図３に示された仕切り壁１５の断面図から分かるように、内接歯車ポンプ１１のポンプ室に開口する吸込み通路２４及び所属の圧力通路２５は、内接歯車ポンプ１１′のポンプ室に開口する吸込み通路２４′及び所属の圧力通路２５′とほぼ同じ横断平面に位置している。さらにこれらは半径方向で外周部に向かって所定の間隔をおいて、つまり機能が損なわれることなしに、圧入された軸シールリング２０，２０′に対して軸方向で重なって位置し得るように、配置されている。これによって仕切り壁１５は全体として、吸込み通路２４；２４′の軸方向通路区分及び半径方向通路区分を組み込むためにいずれにせよ必要であるよりも、僅かに大きな厚さを有するだけでよい。同じ横断面領域には、付加的にさらに、仕切り壁１５の軸受孔に侵入したブレーキ液を排出するための漏れ通路２６が配置されており、この漏れ通路２６は、軸シールリング２０，２０′の間における仕切り壁１５の軸受孔を起点として、対角線方向で仕切り壁１５を貫いて延びていて、両吸込み通路２４，２４′に開口している。図３からさらに分かるように、両吸込み通路２４，２４′内には各１つの安全弁２７；２７′が配置され、両圧力通路２５，２５′内には各１つの安全弁２８；２８′が配置されており、この場合における配置形式は、仕切り壁１５によって受容されたすべての弁２７，２７′，２８，２８′が如何なる切り換え状態においても仕切り壁中空室の内部に位置するようになっている。

プレッシャリリーフ弁である安全弁２８，２８′は、汎用の構造を有していて互いに逆向きに配置された同一構造の安全弁であり、圧力通路の流路内に弁玉が位置していて、この弁玉は戻しばねの力によってシール座に向かって押圧される。シール座における液圧がばね力よりも大きくなるや否や、弁玉は押し退けられて、圧力通路の流路は開放される。直径方向で互いに向かい合って外周部近傍において仕切り壁１５に組み込まれている半径方向区分を備えた圧力通路２５，２５′は、従って、相応な圧力発生時にばね負荷に抗して半径方向外側に向かって移動させられ、これにより所属のブレーキ回路と流れ接続され、また圧力状態が相応に変化した場合には、ばね力によって再び閉鎖され、これにより液圧的にブレーキ系から切り離される。

これに対して減圧弁２７，２７′は直線的なスプール弁として形成されており、このスプール弁は、先細になる制御区分を備えた吸込み通路２４；２４′の半径方向の流路を横方向に貫通し、同様に反対方向に挿入されている。減圧弁２７，２７′の摺動方向はこの場合互いに逆向きに延びていて、圧力通路２５，２５′の半径方向区分に対して平行に延びている。減圧弁２７，２７′のスプールもまたそれぞれ、所属の圧縮コイルばねのばね力によって、軸方向における出発位置に保持されており、この出発位置は減圧弁２７；２７′の貫流位置に相当している。圧縮コイルばねはこの場合それぞれ、制御区分に接続するピストン区分のリング端面に支持されていて、このピストン区分は仕切り壁１５の孔内においてシール作用をもって摺動案内されており、制御区分は、中央孔を有している端部領域で、仕切り壁１５の所属の盲孔に進入している。吸込み通路２４；２４′における液圧が所定の限界値を超えて上昇すると、盲孔内に流入する液体は、制御区分のリング端面を押圧し、これにより減圧弁２７；２７′のピストンを戻しばねの力に抗して摺動させ、この際に吸込み通路２４；２４′の流路は、前に進入している制御区分によって徐々に塞がれ、液体流を相応に絞る。ブレーキ装置のブレーキ回路に対する内接歯車ポンプ１１，１１′の配置形式の図示の例では、減圧弁２７，２７′の各構成部材は互いに次のように、すなわち約１０バールの圧力限界値が内接歯車ポンプ１１；１１′の吸込み側において上回られないように、調節設定されている。これによって、ポンプアセンブリ１０の効率やポンプアセンブリ１０の摩耗に関して不都合な影響を及ぼすおそれのある、不要な摩擦力を内接歯車ポンプ１１，１１′において回避することができる。液体が吸込み通路２４；２４′から、減圧弁２７；２７′のシール平面のところを擦過して減圧弁２７；２７′の案内孔に達すると、この液体は漏れ通路２６からの液体と一緒に流出することができる。それというのは、案内孔は仕切り壁１５の外周部に向かって開放していて、これにより付加的に流出開口として働くからである。

Claims

２つの液体回路に同期的に圧力供給するポンプアセンブリ（１０）であって、ポンプハウジング（１２）内に一緒に配置されていて駆動軸（１６）を介して回転駆動される２つの内接歯車ポンプ（１１，１１′）が設けられており、両内接歯車ポンプ（１１，１１′）のピニオン（１９，１９′）が、所属のポンプ室内に位置していて、それぞれ所属の内歯車（２１，２１′）と歯列係合しており、両内接歯車ポンプ（１１，１１′）のポンプ室が、１つの共通の仕切り壁（１５）によって互いに隔てられており、該仕切り壁（１５）が別体のハウジング部分として形成されていて、両内接歯車ポンプ（１１，１１′）の一方の内接歯車ポンプの周壁を形成するハウジング部分（１３）の中空横断面内に係合しており、両内接歯車ポンプ（１１，１１′）に所属の吸込み通路（２４，２４′）と圧力通路（２５，２５′）とが、所属のポンプ室の側部の制限壁における軸方向通路区分の後ろで、ポンプハウジング（１２）内において半径方向に延びる通路区分に移行している形式のものにおいて、両内接歯車ポンプ（１１，１１′）の一方の内接歯車ポンプの吸込み通路（２４，２４′）と圧力通路（２５，２５′）とが、仕切り壁（１５）に組み込まれて設けられていることを特徴とするポンプアセンブリ。
両内接歯車ポンプ（１１，１１′）の吸込み通路（２４，２４′）と圧力通路（２５，２５′）とが、仕切り壁（１５）に組み込まれて設けられている、請求項１記載のポンプアセンブリ。
仕切り壁（１５）に漏れ通路（２６）が組み込まれていて、該漏れ通路（２６）が、仕切り壁（１５）において１つの吸込み通路（２４，２４′）の流出開口と接続されている、請求項１又は２記載のポンプアセンブリ。
仕切り壁（１５）の各吸込み通路（２４，２４′）と各圧力通路（２５，２５′）とが、仕切り壁（１５）の同じ横断面領域に配置されている、請求項１又は２記載のポンプアセンブリ。
仕切り壁（１５）の少なくとも１つの吸込み通路（２４，２４′）又は圧力通路（２５，２５′）内に、弁装置が設けられている、請求項１又は２記載のポンプアセンブリ。
仕切り壁（１５）の各吸込み通路（２４，２４′）に減圧弁（２７，２７′）が配置され、仕切り壁（１５）の各圧力通路（２５，２５′）に安全弁（２８，２８′）が配置されている、請求項５記載のポンプアセンブリ。
仕切り壁（１５）が、平面平行な端面を備えた円筒形の円板であり、所属のハウジング部分（１３）の円筒形の中空横断面に圧入されている、請求項１記載のポンプアセンブリ。
圧入された仕切り壁（１５）が、軸方向でハウジング部分（１３）の１つのリング端面に支持され、かつ該リング端面とは反対側に位置する端面において、接続するハウジング部分（１２）のリング端面が支持されており、両ハウジング部分（１２，１３）の管状の端部領域が、テレスコープ状に長手方向で重なって接合されている、請求項７記載のポンプアセンブリ。
両内接歯車ポンプ（１１，１１′）の歯車セットが、ポンプアセンブリ（１０）の端部に向けられた端面において、それぞれ所属の押圧部材（１８，１８′）によって軸方向に負荷されていて、該押圧部材（１８，１８′）が駆動軸（１６）のための軸受スリーブ（１７，１７′）を有している、請求項１記載のポンプアセンブリ。
押圧部材（１８，１８′）と軸受スリーブ（１７，１７′）とがプラスチックから成っていて、一体成形されている、請求項９記載のポンプアセンブリ。