JP4675385B2 - 紫外線または紫外線より波長の短い光を用いた材料の加工装置および加工方法 - Google Patents

紫外線または紫外線より波長の短い光を用いた材料の加工装置および加工方法 Download PDF

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この発明は紫外線または紫外線より波長の短い光を用いた材料の加工装置および加工方法に関し、特に、紫外線または紫外線より波長の短い光を材料に照射して、材料を除去することにより、または、材料の物理的もしくは化学的性質を変化させることにより、3次元形状の部品を微細加工する加工装置および加工方法に関する。
従来、インクジェット記録ヘッドのインクを吐出するためのノズル穴の加工は、プレス加工、電気鋳造法、レーザ加工法などが用いられていた。プレス加工による場合は、ノズルプレートを金型で押圧して変形させることによりノズルを形成するが、ノズル穴の形状の加工誤差が大きく、形状にバラツキが生じていた。電気鋳造法は、フォトリソグラフィにより作成したレジストパターンを型として電気鋳造することにより、ノズルを有するノズルプレートを直接作成する製造方法である。電気鋳造法では、加工可能なノズル穴の断面形状が限られてしまったり、レジストパターンの誤差がそのままノズルプレートに影響してしまうといった問題があった。レーザ加工法では、加工可能なノズル穴の断面形状がほとんど垂直なものに限定されてしまう。また、加工時にノズル穴周辺に乱れが生じ、ノズル穴の形状にバラツキを生じさせる原因となっていた。
これら従来の製造方法では、インクジェット記録ヘッドにおけるインクを吐出するためのノズル穴に求められるような、加工深さが部分的に異なる3次元形状の加工と、加工部分間で形状のバラツキを少なくした加工との双方を両立させる加工は困難であった。
ノズル穴の形状に誤差が生じたり、ノズル間で形状にバラツキがあると、インクの吐出特性がノズル間で異なってしまう。インクの吐出特性とは、インクの吐出体積や吐出速度である。ノズル間でインクの吐出特性にバラツキがあると、プリントされた部分の濃度が部分ごとに異なってしまう。特に多数のノズルを配列したインクジェット記録ヘッドにおいては、通常、インクジェット記録ヘッドを記録媒体上でノズルの配列する方向と垂直な方向に走査させてプリントするので、ノズルごとの濃度の違いが走査した軌跡に沿って筋状に現れる。筋状のノイズは、人間の目に知覚されやすいので、画質が著しく劣化することになる。ノイズの少ない美しい画像をプリントするために、複数のノズル間でインクの吐出特性をそろえることが非常に重要である。
一方、インクジェット記録ヘッドのノズル穴の加工のように、微細加工部品を高精度で加工する微細加工方法としては、半導体集積回路の製造に用いられるフォトリソグラフィ等が知られている。この半導体集積回路の製造に用いられる微細加工技術は、主として2次元平面上に薄層を積層することにより、部品を配置する技術である。この技術を用いて積層することのできる層の厚さは数ミクロン程度である。このため、深さ方向に数十ミクロンから数百ミクロンのオーダで加工が必要な3次元構造の部品の製造に用いることはできない。
深さ方向に数十ミクロンから数百ミクロンのオーダで加工することができる微細加工方法として、シンクロトロン放射光によるX線を用いたLIGA法が知られている。LIGA法は、ドイツで開発された手法であり、ドイツ語のLithographie(リソグラフィ)、Galvanformung(電着成形)、Abformung(成形)の略である。LIGA法は、X線が有する高い直進性とエネルギを利用した技術である。LIGA法は、基板の表面にポリメチルメタクリレート(以下PMMAという)からなるレジストを数百ミクロンの厚さで塗布し、X線を照射することによりレジストの分子鎖を切断する。これを現像して露光部のレジストを除去する。残ったレジストを型として電気鋳造により金属の構造体を作製する。さらに、この金属の構造体を型にしてプラスチック等を成形することができる。これにより、高精度の微細加工部品を大量に生産することが可能である。
LIGA法では、材料を露光する場合に、レジストに照射されるX線の照射領域を制限するために、X線を透過する透過部を有するマスクが用いられる。X線は高い直進性を有するため、レジストに照射されるX線の照射領域は透過部の形状と一致する。従って、加工形状と一致する形状の透過部を有するマスクが用いられる。このようにLIGA法では、X線の入射方向に垂直な断面の形状が同じで、数百ミクロンの厚さの3次元構造体を作製することができる。
しかしながら、LIGA法では、高さ方向に加工量の異なった加工を同時に行なうのは困難であった。なぜならば、高さ方向の加工量を異ならせるには、加工材料の露光分布を異ならせる必要があるからである。このために、マスクの透過口の透過率が変化するようにする必要があるが、このようなマスクを高精度で製造する方法は存在しない。このため、複数のマスクを組合わせて、複数回の露光を行なったり、一旦露光してエッチングした後に再度露光とエッチングするなどしていた。しかし、露光を複数回に分けて行なう方法は、露光するごとに加工材料およびマスクの位置を正確に合わせることが困難であり、位置のずれが原因で加工形状に大きな誤差が生じていた。
また、LIGA法に用いられるマスクは、たとえば、フォトリソグラフィと電気鋳造の手法を用いて作成される。作成されたマスクは、製造上の誤差により、透過部が設計通りに作成されない場合がある。たとえば、透過部の形状が円形の場合には、真円からわずかにずれた凹凸が、透過部の周辺に沿って存在する場合がある。また、透過部の側面がX線の進行方向と平行にならず、微妙な凹凸を含んでしまう場合がある。このようなマスクが有する誤差のため、正確に加工できないといった問題があった。
この発明は上述の問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的は、部分ごとに加工量が異なる形状を一度の露光で容易に加工できる加工装置および加工方法を提供することである。
上述の目的を達成するためにこの発明のある局面に従うと、材料に紫外線または紫外線より波長の短い光を照射して、材料を除去することにより、または、材料の物理的もしくは化学的な性質を変化させることにより加工する加工装置であって、紫外線または紫外線より波長が短い光を放射する光源と、光源から放射された光を透過する複数の透過部を有するマスクと、複数の透過部を透過した光が材料に照射される複数の領域を振動させるために、マスクと材料とを相対的に振動させる振動手段とを備え、複数の透過部は、単位面積に占める透過部面積の割合が他の透過部と異なる透過部を含み、振動手段は、複数の透過部を透過した光により材料の面上に露光面積の割合が異なる複数の露光部と影部とができた状態で、マスクと材料とを相対振動させることにより、露光面積の割合が高い照射領域部分で露光量が多くなり露光面積の割合が低い照射領域部分で露光量が少なくなるようにすることを特徴とする。
この発明によれば、マスクは光源から放射された光を透過する複数の透過部を有し、複数の透過部には、単位面積に占める透過部面積の割合が他の透過部と異なる透過部が含まれる。複数の透過部を透過した光により材料の面上に露光面積の割合が異なる複数の露光部と影部とができた状態で、マスクと前記材料とを相対振動させることにより、露光面積の割合が高い照射領域部分で露光量が多くなり露光面積の割合が低い照射領域部分で露光量が少なくなり、材料の加工量を異ならせることができる。その結果、部分ごとに加工量が異なる形状を一度の露光で加工できる加工装置を提供することができる。
この発明のさらに他の局面にしたがうと、材料に紫外線または紫外線より波長の短い光を照射して、材料を除去することにより、または、材料の物理的もしくは化学的な性質を変化させることにより加工する加工方法であって、紫外線または紫外線より波長が短い光を、複数の照射領域に照射するステップと、材料の面上で複数の照射領域を振動させるために、複数の照射領域と材料とを相対的に振動させるステップとを含み、複数の照射領域は、単位面積に占める照射面積の割合が他の照射領域と異なる照射領域を含み、振動ステップは、複数の照射領域に照射された光により材料の面上に露光面積の割合が異なる複数の露光部と影部とができた状態で、複数の照射領域と材料とを相対振動させることにより、露光面積の割合が高い照射領域部分で露光量が多くなり露光面積の割合が低い照射領域部分で露光量が少なくなるようにすることを特徴とする。
この発明によれば、単位面積に占める照射面積の割合が異なる複数の照射領域に照射された光により材料の面上に露光面積の割合が異なる複数の露光部と影部とができた状態で、複数の照射領域と材料とを相対振動させることにより、露光面積の割合が高い照射領域部分で露光量が多くなり露光面積の割合が低い照射領域部分で露光量が少なくなる。その結果、部分ごとに加工量が異なる形状を一度の露光で加工できる加工方法を提供することができる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態の1つにおける加工装置について説明する。なお、図中同一符号は同一または相当する部材を示し、説明は繰返さない。
ここでは、インクジェット記録ヘッドのインクを吐出するためのノズル穴の加工に本実施の形態における加工装置を適用する場合について説明する。
図1は、本実施の形態における加工装置の概略構成を示すブロック図である。図1を参照して、加工装置は、装置全体を制御するためのメインコントローラ5と、メインコントローラ5にそれぞれ接続された入力部6、記憶部7、表示部8、および、ステージコントローラ4と、ステージコントローラ4に接続され、加工材料をナノメータオーダで移動させることが可能な露光用ステージ3と、加工材料にシンクロトロン放射光(以下「SR光」という)を照射するシンクロトロン放射光源(以下「SR光源」という)1と、線量モニタ10とを含む。
入力部6は、加工装置の操作者が必要な指示や情報を入力するための入力デバイスである。記憶部7は、メインコントローラ5で実行するプログラムやそのプログラムの実行に必要な変数等を記憶する。表示部8は、操作者に必要な情報を表示する。
メインコントローラ5、入力部6、記憶部7、および、表示部8は、パーソナルコンピュータで構成することができる。この場合は、パーソナルコンピュータの中央演算装置(CPU)がメインコントローラ5に該当し、キーボードまたはマウスが入力部6に該当し、読出専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および、ハードディスクが記憶部7に該当し、ディスプレイおよびプリンタが表示部8に該当する。
SR光源1から放射されるSR光を、ベリリウムフィルタやポリイミドフィルタ等でフィルタリングすることにより、所定の波長のX線を抽出して露光用チャンバ2に入射させることができる。
また、SR光源1から放射されるSR光のX線は、シャッタ9が閉じているときには、シャッタ9で遮断され、露光用チャンバ2へは入射しない。シャッタ9が開いているときに、SR光のX線が露光用チャンバ2に入射する。シャッタ9の開閉は、メインコントローラ5により制御される。
線量モニタ10は、SR光源1から放射されるSR光のX線の強度を随時モニタする。モニタされたX線強度は、メインコントローラ5に送られる。
露光用ステージ3は、露光用チャンバ2内に設けられ、ステージコントローラ4によりその駆動が制御される。ステージコントローラ4は、メインコントローラ5からの指令に従って、露光用ステージ3に駆動電圧を印加する。
図2は、露光用ステージ3の側面図である。図2を参照して、露光用ステージ3は、加工材料20を保持するためのサンプルホルダ31と、X線を透過するための所定の形状をした透過口を有するX線マスク32と、X線マスク32を加工材料20に対して水平2軸方向に移動させるためのマスク移動機構33と、サンプルホルダ31、マスク移動機構33およびX線マスク32を水平方向に往復移動させるための往復移動機構34を含む。
X線マスク32は、SR光源1が照射するSR光のX線を透過する円形の透過口を有する。透過口の大きさは、加工形状のX線が入射する方向に垂直な断面の面積よりも小さい。加工材料20は、基板上にPMMAを数百ミクロンの厚さで塗布したものである。
マスク移動機構33は、大きく3層で構成されている。X線が照射される側の第1層は、X線マスク32を図面に垂直な方向(以下「方向Y」という)に移動可能に保持するY軸ステージ331と、Y軸ステージ331を方向Yに振動させるための第1Y軸アクチュエータ332と、Y軸台板333とを含む。Y軸台板333は、Y軸ステージ331と第1Y軸アクチュエータ332とを保持する。なお、Y軸ステージ331は、Y軸台板333上で方向Yに沿って移動可能である。
第1層の下側の第2層は、Y軸台板333を図中矢印X方向(以下「方向X」という)に移動可能に保持するX軸ステージ334と、X軸ステージ334を方向Xに振動させるための第1X軸アクチュエータ335と、X軸台板336とを含む。X軸台板336は、X軸ステージ334と第1X軸アクチュエータ335とを保持する。なお、X軸ステージ334は、X軸台板336上で方向Xに沿って移動可能である。
第2層の下側の第3層は、X軸台板336を保持するためのXYステージ337と、XYステージ337を方向Xに移動させるための第2X軸アクチュエータと、XYステージ337を方向Yに移動させるための第2Y軸アクチュエータと、XY軸台板338とを含む。XY軸台板338は、XYステージ337と、第2X軸アクチュエータ、および、第2Y軸アクチュエータとを保持する。なお、XYステージ337は、XY軸台板338上で方向Xおよび方向Yに移動可能である。
第1層の第1Y軸アクチュエータ332と第2層の第1X軸アクチュエータ335とは、圧電素子(以下「PZT」という)であり、それぞれY軸ステージ331またはX軸ステージ334をナノメータオーダで移動させることができる。そしてその最大変位は10[μm]程度であればよい。このようなアクチュエータとしては、Physick Instrumente社製 Model P−804.10などの市販品を用いることができる。
第3層の第2X軸アクチュエータと第2Y軸アクチュエータとは、PZTであり、ナノメータオーダでXYステージ337を移動させる。また、第3層には、XYステージ337の位置を検出するためのセンサが設けられている。センサの出力は、第2X軸アクチュエータおよび第2Y軸アクチュエータを駆動するための信号にフィードバックされ、XYステージ337をナノメータオーダで位置決めする制御が行なわれる。この位置決め制御は、ステージコントローラ4で行なわれる。このようにXYステージ337をナノメータオーダの高精度で位置決め可能な装置として、本実施の形態においては、Physick Instrumente社製 Model P−731.10ステージを使用している。
なお、Y軸ステージ331、Y軸台板333、X軸ステージ334、X軸台板336、XYステージ337、およびXY軸台板338は、中空となっており、X線マスク32を透過したX線が加工材料20に照射されるようになっている。
サンプルホルダ31は、XY軸台板338と、加工材料20とを保持する。往復移動機構34は、ステッピングモータとボールねじとを組合せたステージであり、サンプルホルダ31を方向Xに沿って1[mm/s]の速さで往復移動させる。
このようにしてなる露光ステージ3は、X線マスク32を加工材料20に対して次のように相対的に移動させることができる。
(1) マスク移動機構33の第1層の第1Y軸アクチュエータ332による方向Yの振動(以下「振動Y」という)。
(2) マスク移動機構33の第2層の第1X軸アクチュエータ335による方向Xの振動(以下「振動X」という)。
(3) マスク移動機構33の第2X軸アクチュエータと第2Y軸アクチュエータとによる方向Xおよび方向Yの移動(以下「移動XY」という)。
「振動X」と「振動Y」とは、X線マスク32を加工材料20に対して方向Xと方向Yとに振動させるものである。「移動XY」は、X線マスク32を加工材料20に対してX方向およびY方向に移動させるものである。「移動XY」については後で詳しく説明する。
往復移動機構34による方向Xの往復移動(以下「マスク往復移動」という)は、X線マスク32が、SR光源1から照射されるSR光のX線が照射される範囲の全体を走査するようにするための移動である。SR光源1から照射されるSR光のX線は、強度になだらかな分布が存在する場合がある。このため、X線マスク32が、X線の照射される範囲の全体を走査するようにする。これにより、X線マスク32の透過口を透過するX線の強度分布が平均したものとなり、加工材料20に照射されるX線の強度が均一となるように補正される。なお、補正をより確実に行なうために、往復移動機構34でサンプルホルダ31を方向Xに往復移動させるだけでなく、方向Yに沿って往復移動させるようにしてもよい。
次に、マスク移動機構33の制御について説明する。マスク移動機構33の圧電素子を駆動するための駆動電圧は、ステージコントローラ4から印加される。
まず、マスク移動機構33の第3層における第2Xアクチュエータと第2Yアクチュエータの駆動について説明する。本実施の形態における加工装置は、X線マスク32を加工材料20のレジストに対して相対的に移動させることにより、加工材料20のレジストの露光量を部分ごとに異ならせる。これにより、加工材料20のレジストが、X線の入射方向に垂直な断面の形状が異なり、数百ミクロンの厚さの3次元形状に加工することができる。
これについて、インクジェット記録ヘッドのノズルプレートの加工を例に説明する。図3は、本実施の形態におけるインクジェット記録ヘッドのノズルプレートの平面図である。図4は図3のIV−IV線断面図である。図3および図4を参照して、ノズルプレート105には、複数のノズル孔107が形成されている。ノズルプレート105の一方の面におけるノズル孔107の径は360[μm]であり、他方の面の径は40[μm]である。
図5は、本実施の形態における加工装置に用いられるX線マスク32の平面図である。図5を参照して、X線マスク32は、ノズルプレートに形成するためのノズル孔の数に対応する透過口103を有する。透過口103の直径は200[μm]である。透過口103は、SR光源1から放射されるSR光のX線を透過する。このX線マスク32と加工前のノズルプレート105とが加工装置に設置され、X線マスク32が、マスク移動機構33の第3層の第2X軸アクチュエータと第2Y軸アクチュエータとにより移動される。
この移動は、ステージコントローラ4から、第2X軸アクチュエータと第2Y軸アクチュエータとに駆動電圧が印加されることにより行なわれる。ステージコントローラ4には、第2X軸アクチュエータと第2Y軸アクチュエータとに印加する電圧の駆動波形を記憶するためのメモリが備えられている。このメモリには、メインコントローラ6から送られる駆動波形が記憶される。ステージコントローラ4は、メモリに記憶された駆動波形を読出して、デジタル/アナログ変換により変換された駆動電圧を第2X軸アクチュエータおよび第2Y軸アクチュエータに印加する。
本実施の形態においては、図3および図4に示したノズル孔107の形状にノズルプレート105を加工するために、X線マスク32の中心が半径80[μm]の円を描くように移動させる。このようにX線マスク32を移動させるために、第2X軸アクチュエータと第2Y軸アクチュエータとに印加する駆動波形を、振幅と周期が同じで位相が90度ずれた正弦波としている。
X線マスク32が半径80[μm]の円を1回描く間に、すべての露光が終了するように正弦波の周期を設定してもよいが、Xマスク32が円をN回描く間に露光が行なわれるように正弦波の周期を設定してもよい。このように正弦波の周期を設定すれば、XYステージ337の位置決めの誤差が円を描く移動ごとに現われるので、位置決めの誤差を平均することができる。これにより、XYステージ337の位置決めによる誤差が加工形状に偏って現われることを防止することができる。
図6は、X線マスク32の透過口103の移動を説明するための図である。図6を参照して透過口103Aの中心O1から80[μm]だけ離れた、点O2を中心にして、X線マスク32が円を描くように移動する。したがって、加工材料20のレジストにおいては、点O2から20[μm]の範囲は、常にX線により露光されることになる。それ以外の範囲については、露光口103Aの位置により露光されるときと露光されないときとが生じ、露光量が点O2から20[μm]の範囲よりも少なくなる。このようにX線マスク32を移動させることにより、図3および図4に示したノズル孔107をノズルプレート105に形成することができる。
次に、マスク移動機構33における第1層の第1Y軸アクチュエータ332と第2層の第1X軸アクチュエータ335の駆動について説明する。第1Y軸アクチュエータ332と第1X軸アクチュエータ335とは、それぞれステージコントローラ4により駆動される。図7および図8は、第1Y軸アクチュエータ332または第1X軸アクチュエータ335に印加される駆動電圧を示す図である。図7および図8はともに、横軸に時間を示し、縦軸に電圧を示す。それぞれの図に示した信号は、振幅が同じ三角波である。そして、図7に示す三角波の周期は、図8に示す三角波の周期の1/9となっている。
図7および図8に示した駆動電圧の波形の振幅は、X線マスク32の透過口103を製造するときの誤差に基き定められる。たとえば、透過口103の形状の誤差の最大値を1[μm]とした場合には、X線マスク32を振動させるための振幅を2[μm]にすればよい。したがって、X線マスク32が方向Xおよび方向Yそれぞれに振幅2[μm]で振動するように、第1Y軸アクチュエータ332と第1X軸アクチュエータ335とに印加する電圧の振幅を定めればよい。なお、本実施の形態においては、X線マスク32をX方向またはY方向に振動させる振幅を、透過口103の形状の誤差の最大値の2倍としたが、X線マスク32の透過口103の誤差の数倍、好ましくは、1.5〜4倍とすることができる。
今、図7に示す信号を第1Y軸アクチュエータ332に印加し、図8に示す信号を第1X軸アクチュエータ335に印加したとすると、X線マスク32が方向Xに1往復する間に、方向Yに9往復することになる。このように、周期が異なる三角波を第1Y軸アクチュエータ332または第1X軸アクチュエータ335に印加するようにすれば、所定の2次元の範囲全体にわたってX線マスク32が移動するようになる。さらに、周期が互いに素であれば、所定の2次元の範囲全体にわたって均一に、X線マスク32を移動させることができる。
また、図7および図8に示した駆動電圧の波形の周期は、X線マスク32が第2Y軸アクチュエータと第2X軸アクチュエータとによりX線マスク32が移動される速さよりも速くなるように定められる。これにより、X線マスク32の透過口103が、移動するそれぞれの位置において振動することにより所定の2次元の範囲内を移動する。これにより、加工深さの異なる3次元形状のノズル孔を加工することができるとともに、透過口103の形状の誤差を露光される領域において平均化することができる。さらに、複数のノズル孔を複数の透過口103を有するX線マスク32を用いて同時に加工する場合、複数の透過口103の形状の誤差が露光される領域で平均化されるので、複数のノズル孔の形状を均一にすることができる。
また、露光中に第1Y軸アクチュエータ332と第1X軸アクチュエータ335とに印加する電圧を入換えることにより、X線マスク32が所定の2次元の範囲内を均一に移動することができる。
なお、第1Y軸アクチュエータ332と第1X軸アクチュエータ335とに印加する電圧の振幅を同じとしたが、これを異ならせるようにしてもよい。この場合には、所定の長方形の範囲内でX線マスク32の透過口103が振動するようになる。
このようにX線マスク32を振動させることにより、透過口103の形状がそのまま露光される領域の輪郭となることはない。したがって、X線マスク32の複数の透過口103の間に形状の誤差があったとしても、それぞれの透過口103を透過するX線の露光分布が、複数の透過口103の間で平均化される。これにより、ノズルプレート105に形成される複数のノズル孔107の形状のばらつきを少なくすることができる。
図9は、X線マスク32の透過部103の1つを拡大して示す図である。X線マスク32は透過部103が真円となるように製造されるが、その製造誤差により透過部103の輪郭に真円からわずかにずれた凹凸が誤差となって現われる。図10は、図9の一部分111を拡大して示す図である。図10を参照して、透過部103の周辺部分103Aは、透過部103の本来の形状120からずれた形状となっている。その誤差は、透過部103の本来の形状120から外側および内側にそれぞれずれた距離として表わされる。ここでは、この誤差の最大値をRで示している。
X線マスク32を方向Xおよび方向Yに、振幅a(a=2R)の三角波でそれぞれ振動させると、透過部103の輪郭部103A上の点113は、範囲115内を移動する。同様に、透過部103の周辺部103A上の点117は、範囲119内を移動する。範囲115、119は、一辺が4Rの正方形である。範囲115は、点113を透過したX線により均一に露光される。範囲119は、点117を透過したX線により均一に露光される。
このように、X線マスク32を方向Xおよび方向Yに振動させることにより、透過口103を透過したX線により加工材料20のレジストが照射される領域は、透過口103の形状と同じとはならず、X線マスク32を振動させる振幅に応じて輪郭がぼけた形状となる。したがって、透過口103の形状の誤差がそのまま加工材料20のレジストの加工形状に現われることがない。これは、透過口103の形状が有する誤差が、X線マスク32を振動させることにより、X線が照射される領域において平均化されるからである。
したがって、複数の透過口103の間で、誤差により形状が異なる場合であっても、加工材料20のレジストの露光量を異なる透過口103間でほぼ同じにすることができる。この結果、加工形状のばらつきを減らすことができる。
次に、本実施の形態における加工装置での露光処理について説明する。図11は、本実施の形態における加工装置で行なわれる露光処理の流れを示す図である。露光処理ではまず、入力部6よりX線マスク32の回転移動半径が入力される(ステップS201)。本実施の形態においては、X線マスク32の回転移動半径を80[μm]としているので、この値が入力される。そして、メインコントローラ5で、入力されたX線マスク32の回転移動半径に基き、マスク移動機構33の第2Y軸アクチュエータと第2X軸アクチュエータを駆動するための駆動信号が算出される。この駆動信号は、振幅および周期が同じで位相が90度ずれた2組の正弦波である。計算された駆動信号が、ステージコントローラ4のメモリに転送され、記憶される(ステップS203)。
そして、メインコントローラの指示により、シャッタ9が開かれる(ステップS204)。これにより、露光チャンバ2内にSR光源1が放射するSR光のX線が入射し、加工材料20のレジストが露光される。
そして、ステージコントローラ4が、メモリに記憶された駆動信号を読出し、これをアナログ信号に変換する。そして、マスク移動機構33の第1Y軸アクチュエータおよび第2X軸アクチュエータと第2Y軸アクチュエータおよび第2X軸アクチュエータとに駆動電圧を印加する。これにより、X線マスク32が加工材料20のレジストに対して平行な面で円を描く軌跡で移動するとともに、X線マスク32が加工材料20のレジストに対して平行な面で所定の範囲内を振動する。
メインコントローラ5は、シャッタ9を開いてからの時間を、メインコントローラ5に内蔵されたタイマで計時し(ステップS206)、計時した露光時間が所定の値となったか否かを判断する(ステップS207)。計時した露光時間が所定の値となるまで、ステップS205とステップS206の処理が繰返し行なわれる。計時した露光時間が所定の値となった場合には、メインコントローラ5の指示によりシャッタ9が閉ざされる。これにより、露光処理が終了する。
ここで、露光時間について説明する。X線マスク32の透過口を透過したX線の強度は、SR光源1が放射するX線の強度をI[W・m-2]、X線マスク32の透過口の透過率をTとすると、ITとなる。本実施の形態においては、SR光源1が放射するSR光のX線の強度Iは、線量モニタ10でモニタされる。X線マスク32の透過口の透過率Tは、透過口全体にわたって一定としている。
X線マスクの透過口を透過したX線が加工材料20のレジストを照射する照射領域の露光量Eは、時間をtとするとき、次式(1)により表わされる。
E=∫ITdt … (1)
したがって、露光時間は、線量モニタ10でモニタされるSR光源1が放射するX線の強度Iと、X線マスク32の透過口の透過率Tとから、露光量が所定の値となるまでの積算時間として求められる。
また、加工直前に線量モニタ10でX線強度を測定し、測定した結果とSR光源1が放射するX線の減衰特性とから、経時的に変化するX線の強度を予測することにより、露光時間を求めるようにしてもよい。
なお、加工装置で露光中は、往復移動機構34にステージコントローラ4から指令が出され、サンプルホルダ31が方向Xに沿って1[mm/s]の速さで往復運動を行なう。
露光処理が終了した加工材料20のレジスト(PMMA)は、現像される。現像は、次の組成の現像液および停止液を用いて、40℃で120分間行なった。
(1) 現像液は、GG現像液を用い、組成は、2−(2−Butoxvethoxy)ethanolが60[vol%]、モルホリンが20[vol%]、2−AMINOETHANOLが5[VOL%]、水が15[vol%]である。
(2) 停止液の組成は、2−(2−Butoxvethoxy)ethanolが80[vol%]、水が20[vol%]である。
そして、現像された加工材料20のレジスト(PMMA)をベースにして、電気鋳造することで、金属製の部品を得ることができる。さらに、得られた金属製の部品を型として樹脂等をモールドすることで、必要な形状の部品を製造することができる。これらのプロセスについては従来のLIGA法と同じである。
以上説明したように、本実施の形態における加工装置では、露光中にX線マスク32を加工材料20のレジストの露光分布が加工形状に応じた露光分布となるようにX線マスク32を移動させるので、部分ごとに加工形状の異なる3次元の形状に加工材料20のレジストを加工することができる。
また、露光中にX線マスク32を方向Xと方向Yとに振動させるので、X線マスク32の透過口103の形状の誤差を、露光される領域において平均化することができ、透過口103の形状の誤差の影響を少なくした加工形状とすることができる。
[第2の実施の形態]
次に、加工深さを異ならせた加工形状に加工する第2の実施の形態における加工装置について説明する。まず、第2の実施の形態における加工装置における加工原理について説明する。実際の露光は2次元で行なわれるが、ここでは説明を簡単にするため1次元で説明する。
図12は、第2の実施の形態におけるX線マスクが有する面積の異なる透過口の強度分布と、それぞれの透過口の露光量との関係を示す図である。図12(A)には、直径がa1の円形の透過口と直径がa2の円形の透過口の強度分布を示す。
図12(B)は、図12(A)に示したX線の強度分布となる透過口を、範囲Dで高速に振動させた場合における露光分布を示す図である。直径a1の透過口と直径a2の透過口とを透過したX線が範囲Dに平均して与えられる。直径a2が直径a1よりも大きいので、直径a2の透過口を透過したX線の露光量が直径a1の透過口を透過したX線の露光量よりも大きくなる。このように、面積の異なる複数の透過口をX線マスク32に形成し、X線マスク32を所定の範囲内で振動させることにより、加工深さの異なる形状に加工材料20を加工することができる。
次に、この原理を利用してマイクロレンズアレイを作製する例について説明する。図13は、本実施の形態において用いられるX線マスク32の一部を示す平面図である。図13を参照して、X線マスク32には、7つの透過口103A〜103Gが形成されている。これらはすべて、同心円でそれぞれの境界が区切られている。また、透過口103A〜103Fそれぞれの中心を通る同心円の半径は、隣接する透過口との間でdだけ異なる。また、透過口103A〜103Gの図中のA−A線で切断される長さは、外側にある透過口ほど短く、透過口103Aが最も短い。
図14は、図13に示した単位領域130および単位領域135の拡大図である。単位領域130および単位領域135は、同心円と同心円の中心を通る直線とにより囲まれる形状で、面積が同じである。ここでは、単位領域における同心円の直径方向の長さをdとしている。単位領域130に占める透過部103Aの面積と単位領域135に占める透過部103Bの面積とは異なる。透過部103Aが透過部103Bよりも同心円の中心を通る直線方向の長さが短いので、透過部103Aが単位領域に占める割合は、透過部103Bが単位領域に占める割合よりも小さい。
図15は、図13のA−A線における透過口103A〜103Gを透過するX線の強度分布を示す図である。図15を参照して、透過口103A〜103Gの透過率は同じであるので、すべての透過口103A〜103Gを透過するX線の強度は同じとなっている。一方、透過口103A〜103GのA−A線上の幅が、外側の透過口103Aほど短くなっている。
本実施の形態における加工装置では、図13に示したX線マスク32を、方向Xに沿って振幅dで振動させ、方向Yに沿って振幅dで振動させる。振動は、X線マスク32を方向Xに沿って振幅dで、方向Yに沿って振幅dで振動させるように図7および図8に示した三角波を第2Y軸アクチュエータと第2X軸アクチュエータに印加することにより行なわれる。この場合、第1Y軸アクチュエータ332と第1X軸アクチュエータ335とに電圧は印加されない。したがって、X線マスク32は、第2Y軸アクチュエータと第2X軸アクチュエータとによってのみ移動させられる。
X線マスク32が振幅dで方向Xおよび方向Yに移動すると、X線マスク32の透過口103A〜103Gを透過したX線は、加工材料20のレジストを所定の範囲で露光する。ここで、図13を参照して、透過口103Aの微小領域120は、加工材料20のレジスト上の領域122を移動する。同様に、透過口103Bの微小領域124は、加工材料20のレジスト上の領域126を移動する。このとき、透過口103Aを透過したX線は、領域122において露光量がほぼ均一となるように照射する。同様に、透過口103Bを透過したX線は、領域126において露光量がほぼ均一となるように照射する。また、透過口103Aを透過したX線の領域122における露光量は、透過口103Bを透過したX線の領域126における露光量よりも小さい。したがって、領域122における加工量は、領域126における加工量よりも小さくなる。
図16は、図13に示した透過口を有するX線マスク32を、振幅dで図7および図8に示した三角波で振動させて加工した加工材料の任意の断面における露光量を示す図である。図16を参照して、透過口103Gを透過したX線により露光された部分の露光量が大きく、最も外側の透過口103Aを透過したX線により露光された部分の露光量が小さくなっている。
このように、図13に示した透過口を有するX線マスク32を用いることにより、一度の露光で部分的に加工量が異なる3次元の形状に加工することができる。
なお、本実施の形態においても現像処理は、第1の実施の形態において説明した組成の現像液および停止液を用いて、現像処理が行なわれる。
また、本実施の形態においては、レジストにPMMAを用いたが、PMMAの代わりにテフロン(登録商標)(polytetrafluoroethylene)を用いることができる。テフロン(登録商標)を用いる場合には、SR光のX線による直接加工(直接除去)が可能となる。したがって、この場合に現像処理は不要となる。
また、本実施の形態においては、X線マスク32を移動もしくは振動させるようにしたが、X線マスク32を固定して加工材料20を移動または振動させるようにしてもよいし、X線マスク32と加工材料20とをともに移動もしくは振動させるようにしてもよい。
以上の実施の形態で示した発明を以下に列挙する。
この発明のある局面に従うと、材料に紫外線または紫外線より波長の短い光を照射して、材料を除去することにより、または、材料の物理的もしくは化学的な性質を変化させることにより加工する加工装置であって、紫外線または紫外線より波長が短い光を放射する光源と、光源から放射された光を透過する所定の形状の透過部を有するマスクと、材料の加工形状に基づき定められる移動パターンにしたがって、マスクと材料とを相対的に移動させる移動手段と、透過部を透過した光が材料に照射される領域を振動させるために、マスクと材料とを相対的に振動させる振動手段とを備え、振動手段による振動の速さは、移動手段による移動の速さよりも速いことを特徴とする。
この発明によれば、透過部を透過した光が材料に照射される領域を振動させるために、マスクと材料とを相対的に振動させる。これにより、透過部を透過した光が材料に照射される領域が、振動する振幅の範囲内で移動する。このため、露光される領域の形状が透過部の形状と同じにならず、透過部の形状をぼかした形状となる。
また、材料の加工形状に基づき定められる移動パターンにしたがって、マスクと材料とを相対的に移動させるので、加工形状に応じた露光分布で材料が露光される。このため、材料が加工深さの異なる3次元形状に加工される。
また、振動手段による振動の速さは、移動手段による移動の速さよりも速いので、露光される領域の形状が透過部の形状が振動する振幅の範囲内でぼけた形状となる。その結果、加工深さの異なる所望の3次元形状の加工を可能とするとともに、透過部の形状が加工形状に与える影響を少なくした加工が可能な加工装置を提供することができる。
好ましくは、振動手段は、透過部の形状に含まれる誤差に基づき定められる振幅で、マスクと材料とを相対的に振動させることを特徴とする。
この発明によれば、透過部の形状に含まれる誤差に基づき定められる振幅で振動するので、透過部の形状に含まれる誤差が加工形状に与える影響を少なくした加工が可能な加工装置を提供することができる。
また、同じ形状の透過部を複数設け、材料の異なる部分を同じ形状に同時に加工する場合には、露光される領域の形状が透過部の形状をぼかした形状となることにより、複数の透過部それぞれの形状の誤差が露光される領域において平均される。これにより、異なる部分の加工形状を均一にすることができるので、加工する部分間での加工形状のばらつきを抑えた加工が可能となる。
透過部の形状に含まれる誤差に基づき定められる振幅とは、たとえば、透過部の形状に含まれる誤差の数倍、好ましくは、1.5倍〜4倍である。誤差は、透過部の形状に統計処理して求めた標準偏差σを用いて、2〜3σの範囲内に入る値から求めても良い。より具体的には、平均値に標準偏差の2〜3倍を加えた値と設計値との差から求めるようにしても良い。
さらに好ましくは、振動手段は、第1の方向と第1の方向と交わる第2の方向とに振動させ、第1の方向の振動と第2の方向の振動とは、振動の周期が異なることを特徴とする。
この発明によれば、振動手段は、第1の方向と第2の方向とに材料とマスクとを相対的に振動させ、第1の方向の振動と第2の方向の振動とは振動の周期が異なる。これにより、透過部を透過した光が材料に照射される領域の形状が特定の方向に偏って移動することがない。そのため、透過部の形状に含まれる誤差が加工形状に与える影響をより少なくした加工が可能な加工装置を提供することができる。
さらに好ましくは、第1の方向の振動と第2の方向の振動とは、振動の周期が互いに素であることを特徴とする。
この発明によれば、第1の方向の振動の周期と第2の方向の振動の周期とが互いに素なので、透過部が2次元の所定の範囲内で均一に振動する。このため、透過部の形状に含まれる誤差が加工形状に与える影響をより少なくした加工が可能となる。
この発明の他の局面にしたがうと、材料に紫外線または紫外線より波長の短い光を照射して、材料を除去することにより、または、材料の物理的もしくは化学的な性質を変化させることにより加工する加工装置であって、紫外線または紫外線より波長が短い光を放射する光源と、光源から放射された光を透過する複数の透過部を有するマスクと、複数の透過部を透過した光が材料に照射される複数の領域を振動させるために、マスクと材料とを相対的に振動させる振動手段とを備え、複数の透過部は、単位面積に占める割合が他の透過部と異なる透過部を含むことを特徴とする。
この発明によれば、マスクは光源から放射された光を透過する複数の透過部を有し、複数の透過部には、単位面積に占める割合が他の透過部と異なる透過部が含まれる。単位面積に占める割合が異なる透過部の間では、透過部を透過した光の露光量が異なるので、材料の加工量を異ならせることができる。その結果、部分ごとに加工量が異なる形状を一度の露光で加工できる加工装置を提供することができる。
振動とは、正弦波、矩形波、三角波を含み、振動の方向が異なる2つの振動を組合わせた振動をも含む。
この発明のさらに他の局面にしたがうと、材料に紫外線または紫外線より波長の短い光を照射して、材料を除去することにより、または、材料の物理的もしくは化学的な性質を変化させることにより加工する加工方法であって、紫外線または紫外線より波長が短い光を、所定の形状をした照射領域に照射する照射ステップと、材料の加工形状に基づき定められる移動パターンにしたがって、照射領域と材料とを相対的に移動させる移動ステップと、材料の面上で照射領域を振動させるために、照射領域と材料とを相対的に振動させる振動ステップとを含み、振動ステップによる振動の速さは、移動ステップによる移動の速さよりも速いことを特徴とする。
この発明によれば、加工深さの異なる所望の3次元形状の加工を可能とするとともに、照射領域の形状が加工形状に与える影響を少なくした加工が可能な加工方法を提供することができる。
この発明のさらに他の局面にしたがうと、材料に紫外線または紫外線より波長の短い光を照射して、材料を除去することにより、または、材料の物理的もしくは化学的な性質を変化させることにより加工する加工方法であって、紫外線または紫外線より波長が短い光を、複数の照射領域に照射するステップと、材料の面上で複数の照射領域を振動させるために、複数の照射領域と材料とを相対的に振動させるステップとを含み、複数の照射領域は、単位面積に占める割合が他の照射領域と異なる照射領域を含むことを特徴とする。
この発明によれば、単位面積に占める割合が異なる照射領域の間では、材料の面上で照射領域が移動する領域の露光量が異なるので、材料の加工量を異ならせることができる。その結果、部分ごとに加工量が異なる形状を一度の露光で加工できる加工方法を提供することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施の形態における加工装置の概略構成を示す図である。 本実施の形態における加工装置の露光用ステージ3の側面図である。 本実施の形態におけるインクジェット記録ヘッドのノズルプレートの平面図である。 図3のIV−IV線断面図である。 本実施の形態における加工装置に用いられるX線マスク32の平面図である。 X線マスク32の透過口103の移動を説明するための図である。 第1Y軸アクチュエータ332または第1X軸アクチュエータ335に印加される駆動電圧を示す図である。 第1Y軸アクチュエータ332または第1X軸アクチュエータ335に印加される駆動電圧を示す図である。 X線マスク32の透過部103の1つを拡大して示す図である。 図9の一部分111を拡大して示す図である。 本実施の形態における加工装置で行なわれる露光処理の流れを示す図である。 第2の実施の形態におけるX線マスクが有する面積の異なる透過口の強度分布と、それぞれの透過口の露光量との関係を示す図である。 本実施の形態において用いられるX線マスク32の一部を示す平面図である。 図13の単位領域130,135の拡大図である。 図13のA−A線における透過口103A〜103Gを透過するX線の強度分布を示す図である。 図13に示した透過口を有するX線マスク32を、振幅dで図7および図8に示した三角波で振動させて加工した加工材料の任意の断面における露光量を示す図である。
符号の説明
1 SR光源、2 露光用チャンバ、3 露光用ステージ、4 ステージコントローラ、5 メインコントローラ、6 入力部、7 記憶部、8 表示部、31 サンプルホルダ、32 X線マスク、33 マスク移動機構、34 移動機構。

Claims (2)

  1. 材料に紫外線または紫外線より波長の短い光を照射して、前記材料を除去することにより、または、前記材料の物理的もしくは化学的な性質を変化させることにより加工する加工装置であって、
    紫外線または紫外線より波長が短い光を放射する光源と、
    前記光源から放射された光を透過する複数の透過部を有するマスクと、
    前記複数の透過部を透過した光が前記材料に照射される複数の領域を振動させるために、前記マスクと前記材料とを相対的に振動させる振動手段とを備え、
    前記複数の透過部は、単位面積に占める透過部面積の割合が他の透過部と異なる透過部を含み、
    前記振動手段は、前記複数の透過部を透過した光により前記材料の面上に露光面積の割合が異なる複数の露光部と影部とができた状態で、前記マスクと前記材料とを相対振動させることにより、露光面積の割合が高い照射領域部分で露光量が多くなり露光面積の割合が低い照射領域部分で露光量が少なくなるようにすることを特徴とする、加工装置。
  2. 材料に紫外線または紫外線より波長の短い光を照射して、前記材料を除去することにより、または、前記材料の物理的もしくは化学的な性質を変化させることにより加工する加工方法であって、
    紫外線または紫外線より波長が短い光を、複数の照射領域に照射するステップと、
    前記材料の面上で前記複数の照射領域を振動させるために、前記複数の照射領域と前記材料とを相対的に振動させるステップとを含み、
    前記複数の照射領域は、単位面積に占める照射面積の割合が他の照射領域と異なる照射領域を含み、
    前記振動ステップは、前記複数の照射領域に照射された光により前記材料の面上に露光面積の割合が異なる複数の露光部と影部とができた状態で、前記複数の照射領域と前記材料とを相対振動させることにより、露光面積の割合が高い照射領域部分で露光量が多くなり露光面積の割合が低い照射領域部分で露光量が少なくなるようにすることを特徴とする、加工方法。
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