JP2001212795A - 紫外線または紫外線より波長の短い光を用いた材料の加工装置および加工方法 - Google Patents

紫外線または紫外線より波長の短い光を用いた材料の加工装置および加工方法

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JP2001212795A JP2000026462A JP2000026462A JP2001212795A JP 2001212795 A JP2001212795 A JP 2001212795A JP 2000026462 A JP2000026462 A JP 2000026462A JP 2000026462 A JP2000026462 A JP 2000026462A JP 2001212795 A JP2001212795 A JP 2001212795A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 材料を所望の3次元形状に容易に加工するこ
と。 【解決手段】 紫外線または紫外線より波長が短く所定
の強度の光を放射するSR光源1と、放射された光を透
過する所定形状の透過口を有するX線マスクと、材料の
面上の位置と加工量とからなる加工形状を入力する入力
部6と、材料の露光量と加工量との関係を記憶する記憶
部7と、記憶された露光量と加工量との関係に従って、
入力部6で入力された加工形状を材料の面上の位置と露
光量とからなる有効露光量分布に変換し、有効露光量分
布と透過口を透過する光の強度分布とに基づき、材料の
露光量分布が有効露光量分布となるように、透過口を透
過した光で材料が照射される照射領域を材料の面上で移
動させる移動パターンを算出するメインコントローラ5
と、算出された移動パターンにしたがってX線マスクと
材料とを相対的に移動させる露光用ステージ3とを備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は紫外線または紫外
線より波長の短い光を用いた材料の加工装置および加工
方法に関し、特に、紫外線または紫外線より波長の短い
光を材料に照射して、材料を除去することにより、また
は、材料の物理的もしくは化学的性質を変化させること
により、3次元形状の部品を微細加工する加工装置およ
び加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マイクロマシンの構造部品に代表
されるような微細加工部品を高精度で加工する方法が求
められている。微細加工方法としては、半導体集積回路
の製造に用いられるフォトリソグラフィ等が知られてい
る。この半導体集積回路の製造に用いられる微細加工技
術は、主として2次元平面上に薄層を積層することによ
り、部品を配置する技術である。この技術を用いて積層
することのできる層の厚さは数ミクロン程度である。こ
のため、深さ方向に数十ミクロンから数百ミクロンのオ
ーダで加工が必要な3次元構造の部品の製造に用いるこ
とはできない。
【0003】深さ方向に数十ミクロンから数百ミクロン
のオーダで加工することができる微細加工方法として、
シンクロトロン放射光によるX線を用いたLIGA法が
知られている。LIGA法は、ドイツで開発された手法
であり、ドイツ語のLithographie(リソグラフィ)、Ga
lvanoformung(電着成形)、Abformung(成形)の略で
ある。LIGA法は、X線が有する高い直進性とエネル
ギを利用した技術である。
【0004】LIGA法は、基板の表面にポリメチルメ
タクリレート(以下PMMAという)からなるレジスト
を数百ミクロンの厚さで塗布し、X線を照射することに
よりレジストの分子鎖を切断する。これを現像して露光
部のレジストを除去する。残ったレジストを型として電
気鋳造により金属の構造体を作製する。さらに、この金
属の構造体を型にしてプラスチック等を成形することが
できる。これにより、高精度の微細加工部品を大量に生
産することが可能である。
【0005】LIGA法では、材料を露光する場合に、
レジストに照射されるX線の照射領域を制限するため
に、X線を透過する透過部を有するマスクが用いられ
る。X線は高い直進性を有するため、レジストに照射さ
れるX線の照射領域は透過部の形状と一致する。従っ
て、加工形状と一致する形状の透過部を有するマスクが
用いられていた。
【0006】このようにLIGA法では、X線の入射方
向に垂直な断面の形状が同じで、数百ミクロンの厚さの
3次元構造体を作製することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
LIGA法では、加工形状と一致する形状の透過部を有
するマスクを用いるため、X線の入射方向に垂直な断面
の形状が深さにより異なる3次元構造体を作製すること
ができなかった。この問題に対して、加工形状よりも小
さな形状の透過部を有するX線マスクを用いて、X線マ
スクをレジストに対して相対的に移動させることで、加
工形状に応じた露光量分布でレジストを露光することが
考えられる。
【0008】しかし、X線マスクの透過部の形状とX線
の入射方向に垂直な断面の形状とが一致しないこと、お
よび、レジストの深さ方向の加工量が位置によって異な
ることから、目的とする3次元の加工形状に応じた露光
量分布となるように、X線マスクを移動させるパターン
を決定するのが困難であった。このため、X線の入射方
向に垂直な断面の形状が深さにより異なる3次元構造体
を作製することが困難であった。
【0009】この発明は上述の問題点を解決するために
なされたもので、その目的の1つは、材料を所望の3次
元の形状に容易に加工することが可能な加工装置または
加工方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めにこの発明のある局面に従うと、材料に紫外線または
紫外線より波長の短い光を照射して、材料を除去するこ
とにより、または、材料の物理的もしくは化学的性質を
変化させることにより加工する加工装置であって、紫外
線または紫外線より波長が短い光を放射する光源と、光
源から放射された光を透過する所定形状の透過部を有す
るマスクと、材料の面上の位置と加工量とからなる加工
形状を入力するための入力手段と、材料の露光量と加工
量との関係を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶され
た露光量と加工量との関係に従って、入力手段で入力さ
れた加工形状を材料の面上の位置と露光量とからなる有
効露光量分布に変換する変換手段と、有効露光量分布と
透過口の形状とに基づき、材料の露光量分布が有効露光
量分布となるように、透過口を透過した光で材料が照射
される照射領域を材料の面上で移動させる移動パターン
を算出する算出手段と、算出された移動パターンに従っ
てマスクと材料とを相対的に移動させる移動手段とを備
える。
【0011】この発明によれば、記憶手段に記憶された
露光量と加工量との関係に従って、入力手段で入力され
た加工形状が材料の面上の位置と露光量とからなる有効
露光量分布に変換される。これにより、有効露光量分
布、照射領域に照射される光の強度分布、および、移動
パターンが、線型となる。そして、有効露光量分布と透
過口の形状とに基づき、材料の露光量分布が有効露光量
分布となるように、材料の面上で照射領域を移動させる
移動パターンが算出される。算出された移動パターンに
従って照射部と材料とを相対的に移動させる。従って、
材料が有効露光量分布で露光されるので、材料を所望の
3次元の形状に容易に加工することが可能な加工装置を
提供することができる。
【0012】好ましくは、光源から放射される光の強度
を測定するための測定手段をさらに備え、移動手段は、
測定手段により測定された強度に基づき、照射領域の露
光量を検出する検出手段を含むことを特徴とする。
【0013】この発明によれば、測定手段により測定さ
れた強度に基づき、照射領域の露光量が検出されるの
で、光源から放射される光の強度の変化に応じて、照射
領域を材料の面上で移動させることができる。この結
果、光源から放射される光の強度に減衰などの変動があ
る場合であっても、材料を所望の3次元の形状に正確に
加工することができる。
【0014】好ましくは、算出手段は、有効露光量分布
とマスクの透過率分布とをフーリエ変換するフーリエ変
換手段と、フーリエ変換された有効露光量分布をフーリ
エ変換されたマスクの透過率分布で除算した結果をフー
リエ逆変換するフーリエ逆変換手段とを含むことを特徴
とする。
【0015】この発明によれば、有効露光量分布とマス
クの透過率分布とがフーリエ変換され、フーリエ変換さ
れた有効露光量分布をフーリエ変換されたマスクの透過
率分布で除算した結果がフーリエ逆変換される。これに
より、材料の面上で照射領域を移動させる移動パターン
を、さらに容易に求めることができる。
【0016】さらに好ましくは、フーリエ変換された有
効露光量分布をフーリエ変換されたマスクの透過率分布
で除算した結果から高周波成分を除去するための除去手
段をさらに備える。
【0017】この発明によれば、フーリエ変換された有
効露光量分布をフーリエ変換されたマスクの透過率分布
で除算した結果から高周波成分が除去される。除去され
る高周波成分は、フーリエ逆変換後の露光量変化の極端
に激しい部分に該当し、この部分を取り除いても加工形
状に影響を与えることが少ない。このため、高周波成分
を除去することで、滑らかな移動パターンを求めること
ができる。
【0018】さらに好ましくは、フーリエ逆変換手段
は、マスクの透過率分布をフーリエ変換した結果に所定
の閾値を下回る値が含まれる場合は、下回る値について
予め定められた所定の値を用いてフーリエ逆変換するこ
とを特徴とする。
【0019】この発明によれば、マスクの透過率分布を
フーリエ変換した結果に所定の閾値を下回る値が含まれ
る場合は、下回る値について予め定められた所定の値を
用いてフーリエ逆変換される。その結果、誤差をさらに
少なくした移動パターンを求めることができる。
【0020】さらに好ましくは、フーリエ逆変換手段
は、フーリエ逆変換の結果に負の値が含まれる場合に
は、負の値の絶対値以上の値をフーリエ逆変換の結果全
体に加算することを特徴とする。
【0021】この発明によれば、フーリエ逆変換の結果
に負の値が含まれる場合には、負の値の絶対値以上の値
がフーリエ逆変換の結果全体に加算される。この結果、
移動パターンをより正確に求めることができる。
【0022】さらに好ましくは、移動手段は、照射領域
の材料に対する移動軌跡の少なくとも1部が直線を描く
ように移動させることを特徴とする。
【0023】この発明によれば、移動手段は、照射領域
の材料に対する移動軌跡の少なくとも1部が直線を描く
ように移動させる。従って、移動パターンをより正確に
求めることができ、加工精度を向上させることができ
る。
【0024】さらに好ましくは、移動手段は、照射領域
の材料に対する移動軌跡の少なくとも一部が円を描くよ
うに移動させることを特徴とする。
【0025】この発明によれば、移動手段は、照射領域
の材料に対する移動軌跡の少なくとも一部が円を描くよ
うに移動させる。従って、移動パターンをより正確に求
めることができ、加工精度を向上させることができる。
【0026】さらに好ましくは、移動パターンは、照射
領域の材料の面上の位置ごとの露光量で表わされ、移動
手段は、移動パターンを複数の分割移動パターンに露光
量で分割し、分割された複数の分割移動パターンごとに
移動させることを特徴とする。
【0027】この発明によれば、移動手段は、移動パタ
ーンを複数の分割移動パターンに露光量で分割し、分割
された複数の分割移動パターンごとに移動させる。これ
により、材料の加工部分は分割した分割移動パターンの
数だけ露光が行なわれる。従って、移動手段の制御誤差
が複数回に分散され、誤差が平均化される。その結果、
加工精度を向上させることができる。
【0028】さらに好ましくは、移動手段は、照射領域
を材料の面上で静止させる状態と移動させる状態とを繰
返し制御し、移動させる状態では、材料の除去、また
は、材料の物理的もしくは化学的性質の変化に影響を与
えない速さで移動させることを特徴とする。
【0029】この発明によれば、照射領域を材料の面上
で静止させる状態と移動させる状態とを繰返し制御し、
移動させる状態では、材料の除去、または、材料の物理
的もしくは化学的性質の変化に影響を与えない速さで移
動させる。これにより、移動手段の制御が容易になる。
【0030】さらに好ましくは、移動パターンは、照射
領域の材料の面上の位置ごとの露光量で表わされ、移動
手段は、照射領域の材料の面上の位置に対応した露光量
に反比例する速さで移動させることを特徴とする。
【0031】この発明によれば、移動手段は、照射領域
の材料の面上の位置に対応した露光量に反比例する速さ
で移動させる。これにより、より精度の高い加工を行な
うことができる。
【0032】さらに好ましくは、光源からの光を遮断す
るための遮断手段をさらに備え、遮断手段は、材料を露
光しないときに遮断することを特徴とする。
【0033】この発明によれば、材料を露光しないとき
に光源からの光が遮断されるので、材料を露光しないと
きに材料が露光されるのを防止することができる。さら
に、移動手段で材料の面上で照射領域を容易に移動させ
ることができる。
【0034】この発明の他の局面にしたがうと、材料に
紫外線または紫外線より波長の短い光を照射して、材料
を除去することにより、または、材料の物理的もしくは
化学的性質を変化させることにより加工する加工方法で
あって、所定の形状をした照射領域に紫外線または紫外
線より波長の短い光を照射するステップと、材料の面上
の位置と加工量とからなる加工形状を入力するためのス
テップと、材料の露光量と加工量との関係に従って、入
力された加工形状を材料の面上の位置と露光量とからな
る有効露光量分布に変換するステップと、有効露光量分
布と照射領域の形状とに基づき、材料の露光量分布が有
効露光量分布となるように、材料の面上で照射領域を移
動させる移動パターンを算出するステップと、算出され
た移動パターンに従って、照射領域と材料とを相対的に
移動させるステップとを含む。
【0035】この発明によれば、材料の露光量と加工量
との関係に従って、入力された加工形状が材料の面上の
位置と露光量とからなる有効露光量分布に変換される。
そして、有効露光量分布と照射領域の形状とに基づき、
材料の露光量分布が有効露光量分布となるように、材料
の面上で照射領域を移動させる移動パターンが算出され
る。そして、算出された移動パターンに従って、照射領
域と材料とを相対的に移動させる。従って、材料が有効
露光量分布で露光されるので、所望の3次元の形状に容
易に加工することが可能な加工方法を提供することがで
きる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の1つ
における加工装置について説明する。なお、図中同一符
号は同一または相当する部材を示し、説明は繰返さな
い。
【0037】図1は、本実施の形態における加工装置の
概略構成を示すブロック図である。図1を参照して、加
工装置は、装置全体を制御するためのメインコントロー
ラ5と、メインコントローラ5にそれぞれ接続された入
力部6、記憶部7、表示部8、および、ステージコント
ローラ4と、ステージコントローラ4に接続され、加工
材料をナノメータオーダで移動させることが可能な露光
用ステージ3と、加工材料にシンクロトロン放射光(以
下「SR光」という)を照射するシンクロトロン放射光
源(以下「SR光源」という)1と、線量モニタ10と
を含む。
【0038】入力部6は、加工装置の操作者が必要な指
示や情報を入力するための入力デバイスである。記憶部
7は、メインコントローラ5で実行するプログラムやそ
のプログラムの実行に必要な変数等を記憶する。表示部
8は、操作者に必要な情報を表示する。
【0039】メインコントローラ5、入力部6、記憶部
7、および、表示部8は、パーソナルコンピュータで構
成することができる。この場合は、パーソナルコンピュ
ータの中央演算装置(CPU)がメインコントローラ5
に該当し、キーボードまたはマウスが入力部6に該当
し、読出専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモ
リ(RAM)、および、ハードディスクが記憶部7に該
当し、ディスプレイおよびプリンタが表示部8に該当す
る。
【0040】SR光源1から放射されるSR光を、ベリ
リウムフィルタやポリイミドフィルタ等でフィルタリン
グすることにより、所定の波長のX線を抽出して露光用
チャンバ2に入射させることができる。
【0041】また、SR光源1から放射されるSR光の
X線は、シャッタ9が閉じているときには、シャッタ9
で遮断され、露光用チャンバ2へは入射しない。シャッ
タ9が開いているときに、SR光のX線が露光用チャン
バ2に入射する。シャッタ9の開閉は、メインコントロ
ーラ5により制御される。
【0042】線量モニタ10は、SR光源1から放射さ
れるSR光のX線の強度を随時モニタする。モニタされ
たX線強度は、メインコントローラ5に送られる。
【0043】露光用ステージ3は、露光用チャンバ2内
に設けられ、ステージコントローラ4によりその駆動が
制御される。ステージコントローラ4は、メインコント
ローラ5からの指令に従って、露光用ステージ3に駆動
電圧を印加する。
【0044】図2は、露光用ステージ3の側面図であ
る。図2を参照して、露光用ステージ3は、加工材料2
0を保持するためのサンプルホルダ31と、X線を透過
するための所定の形状をした透過口を有するX線マスク
32と、X線マスク32を加工材料20に対して水平2
軸方向に移動させるためのマスク移動機構33と、サン
プルホルダ31、マスク移動機構33およびX線マスク
32を水平1軸方向に移動させるための往復移動機構3
4を含む。
【0045】X線マスク32は、SR光源1が照射する
SR光のX線を透過する円形の透過口を有する。透過口
の大きさは、加工形状のX線が入射する方向に垂直な断
面の面積よりも小さい。加工材料20は、基板上にPM
MAを数百ミクロンの厚さで塗布したものである。
【0046】マスク移動機構33は、ナノメータオーダ
の位置制御が可能なXYステージである。マスク移動機
構33は、圧電素子(PZT)をアクチュエータとし、
図中矢印Xで示す方向と、図面に垂直な方向YにX線マ
スク32を移動させる。
【0047】また、マスク移動機構33は、X線マスク
32の位置を検知するためのセンサを有する。センサの
出力は、圧電素子を駆動するための信号にフィードバッ
クされる。マスク移動機構33としては、Physik Instr
umente社製Model P−731.10型ステージを用いる
ことができる。
【0048】サンプルホルダ31は、加工材料20とマ
スク移動機構33とを保持する。往復移動機構34は、
図中の矢印Xの方向に沿って1[mm/s]の速さでサ
ンプルホルダ31を往復移動させる。SR光のX線は、
X線マスク32に照射されるが、SR光源1から照射さ
れるSR光のX線は、強度になだらかな分布が存在す
る。このため、往復移動機構34でサンプルホルダ31
を移動させることにより、X線マスク32の透過口が、
X線が照射される範囲の全体を通過するようにする。こ
れにより、X線マスク32の透過口を透過するX線の強
度分布が均一に補正される。
【0049】なお、補正をより確実に行なうために、往
復移動機構34でサンプルホルダ31を方向Xに往復移
動させるだけでなく、図面に直交する方向Y(以下「方
向Y」という)に沿って往復移動させるようにしてもよ
い。
【0050】マスク移動機構33の圧電素子を駆動する
ための駆動電圧は、ステージコントローラ4から印加さ
れる。また、X線マスク32の位置を検知するためのセ
ンサの出力は、ステージコントローラ4に送信される。
従って、センサの出力を圧電素子を駆動するための信号
にフィードバックする制御は、ステージコントローラ4
で行なわれる。
【0051】次に、図1に示した加工装置を用いた、イ
ンクジェットプリンタのインク吐出部に用いられるノズ
ルプレートの加工について説明する。インクジェットプ
リンタは、近年、高速化および高画質化が要求されてい
る。このため、インクを吐出するためのノズルの密度を
高くする必要があり、その加工には微細加工技術が要求
されている。このため、本実施の形態における加工装置
による加工に適している。
【0052】なお、実際の加工は、2次元の領域にX線
を照射することにより行なわれるが、ここでは説明を簡
単にするため、特に記載のない限り1次元で説明する。
【0053】図3は、目的とする加工形状を示す図であ
る。図3を参照して、横軸は位置を、縦軸は加工量を示
しており、位置と加工量とで加工形状が特定される。こ
こで示される加工形状は、X線の進行方向(縦軸に平行
な方向)と平行な部分43,45と、斜めの部分47と
が含まれる。
【0054】ここで、レジストの露光量と加工量との関
係について説明する。図4は、レジストにPMMAを用
いた場合の露光量と加工量との関係を示す図である。図
4に示した露光量と加工量との関係は、加工に先立って
同一条件で露光量を変えて露光した一連の試料を測定す
ることで得られた値である。ここでの加工量は、露光し
たPMMAを現像することにより除去された量を測定し
た値である。現像は、次の組成の現像液および停止液を
用いて、40℃で120分間おこなった。
【0055】(1)現像液は、GG現像液を用い、組成
は、2−(2−Butoxvethoxy)ethanolが60[vol
%]、モルホリンが20[vol%]、2-Aminoethanol
が5[vol%]、水が15[vol%]である。
【0056】(2)停止液の組成は、2−(2−Butoxv
ethoxy)ethanolが80[vol%]、水が20[vo
l%]である。
【0057】図4を参照して明らかなように、露光量と
加工量とは線形関係にない。従って、加工形状に従って
X線マスク32を移動させて露光を行なったのでは、目
的とする加工形状に加工することができない。このた
め、加工量を露光量に変換する必要がある。
【0058】図4に示した露光量と加工量との関係は、
加工装置の記憶部7に記憶される。記憶部7には、測定
値の全てをデジタルデータとして記憶してもよいし、測
定値を関数に近似して記憶するようにしてもよい。ま
た、露光量と加工量との関係は、加工の直前に入力する
ようにしてもよいし、記憶部7のデータベースに予め記
憶しておき、入力部6からの指示により選択するように
してもよい。
【0059】図4の露光量と加工量との関係に従って、
図3に示した目的とする形状を位置ごとの有効露光量に
変換する。ここで有効露光量とは、実際の加工に必要な
露光量をいう。図5は、図3に示した目的とする加工形
状の加工量を有効露光量に変換して得られる有効露光量
分布を示す図である。
【0060】目的とする加工形状の加工量を有効露光量
へ変換する方法としては、本実施の形態においては、図
4に示した露光量と加工量との関係をデジタル化したル
ックアップテーブルを記憶部7に記憶しておき、このル
ックアップテーブルを参照することにより加工量を有効
露光量に変換するようにしている。なお、この変換は、
図4に示した露光量と加工量との関係を関数で近似した
場合には、その関数の逆関数を求めることにより、加工
量を有効露光量に変換すればよい。
【0061】図5を参照して、位置ごとに露光に必要な
露光量が有効露光量として表わされている。ここで、図
5に示した位置ごとの有効露光量を、位置xの関数h
(x)で表わすことができる。
【0062】X線マスク32の透過口を透過したX線の
強度は、SR光源1が放射するX線の強度をI[W・m
-2]、X線マスク32の透過口の透過率をTとすると、
ITとなる。本実施の形態においては、SR光源1が放
射するSR光のX線の強度Iは、線量モニタ10でモニ
タされる。X線マスク32の透過口の透過率Tは、透過
口全体に亘って一定としている。X線の強度ITは、メ
インコントローラ5で随時把握される。また、加工直前
に線量モニタ10でX線強度を測定し、測定した結果と
SR光源1が放射するX線の減衰特性とから、経時的に
変化するX線の強度を予測するようにしても良い。
【0063】また、X線マスク32の透過口を透過した
X線が加工材料20のレジストを照射する照射領域の露
光量Eは、時間をtとするとき、次式(1)により表わ
される。
【0064】E=∫ITdt … (1) 透過口の透過率Tは、透過口全体に亘って一定としてい
るため、照射領域の露光量Eは、X線強度Iと露光時間
とにより定まることになる。
【0065】図6は、X線マスク32のX線の透過率分
布を示す図である。図6を参照して、X線マスク32の
透過口の形状に対応して透過率が高くなり、透過口全体
で同じ透過率となっている。したがって、X線マスクの
X線の透過率分布は、透過口の形状を表すとも言える。
【0066】また、X線は直進性が高い性質を有するた
め、透過口を透過したX線が加工材料20に照射される
照射領域の形状は、X線マスク32の透過口と同じ形状
となる。
【0067】X線マスク32のX線の透過率分布は、位
置xの関数mask(x)で表わすことができる。ここ
で、X線マスク32の移動を位置xの関数move
(x)で表わすることとする。関数move(x)は、
X線マスク32の移動により位置xに瞬間的に生じる露
光量を表わす関数である。換言すれば、関数move
(x)は、X線マスク32の透過口の中心が位置xにお
いて瞬間的に存在する時間を表わす関数である。図5に
示した有効露光量分布の関数h(x)は、関数mask
(x)と関数move(x)とのコンボリューションと
して、次式(2)で表わされる。
【0068】 h(x)=∫move(a)mask(x−a)da … (2) ただし、x,aは、位置を表わす変数である。
【0069】今、目的とする加工形状は、図3に示した
とおり関数h(x)として定まっている。また、X線マ
スク32のX線の透過率分布は、図6に示した関数ma
sk(x)として定まっている。従って、(2)式から
X線マスク32の移動を表わす関数move(x)を求
めることができる。
【0070】ただし、これは、露光量と加工量と関係が
線形であることを条件に、move(x)を導き出すこ
とができるもので、一般にデコンボリューションと呼ば
れる問題である。この解法には種々のものが知られてい
るが、簡単な演算で求めることはできない。
【0071】このため、本実施の形態における加工装置
では、(2)式をフーリエ変換することにより関数mo
ve(x)を求める。(2)式をフーリエ変換したもの
を次式(3)に示す。
【0072】 H(u)=MOVE(u)・MASK(u) … (3) ここで、それぞれの関数をフーリエ変換した関数は、大
文字で表わしている。また、変数uは、長さの逆数の次
元を持つ周波数であり、一般に空間周波数と呼ばれる。
【0073】従って、マスクの移動を表わす関数mas
k(x)は、(3)式を次式(4)に変換してMOVE
(u)を求め、求めたMOVE(u)をフーリエ逆変換
すれば求まる。
【0074】 MOVE(u)=H(u)/MASK(u) … (4) すなわち、有効露光量分布を表わす関数h(x)をフー
リエ変換した関数H(u)を、X線マスク32のX線の
透過率分布の関数mask(x)をフーリエ変換した関
数MASK(u)で除算し、これをフーリエ逆変換する
ことにより有効露光量分布を実現するマスクの移動関数
move(x)を求めることができる。
【0075】次に、本実施の形態における加工装置で行
なわれる加工処理について説明する。図7は、本実施の
形態における加工装置で行なわれる露光処理の流れを示
すフローチャートである。図7を参照して、露光処理
は、まず、入力部6から加工形状が入力される(ステッ
プS01)。ここでは、図3に示した目的とする加工形
状が入力される。目的とする加工形状は、ノズルプレー
トの位置xごとの加工量である。入力は、デジタルデー
タを入力してもよいし、近似した関数を入力するように
してもよい。
【0076】次に、X線マスク32の形状が入力される
(ステップS02)。ここで言うX線マスク32の形状
とは、X線マスク32が有する透過口の形状をいう。X
線マスク32の形状は、位置xごとのX線の透過率であ
る。入力は、デジタルデータを入力してもよいし、近似
した関数を入力するようにしてもよい。
【0077】そして、図4に示した露光量と加工量との
関係に基づいて、ステップS01で入力された加工形状
を位置xごとの有効露光量分布に変換する。これによ
り、図5に示した位置xごとの露光量を表わす有効露光
量分布を表す関数h(x)が求められる。また、このよ
うに加工量を露光量に変換することで、コンボリューシ
ョンの前提となる線形性が成立していない系を線形性が
成立する系に変換することができる。従って、非線形の
問題が解決され、正しい結果を得ることができる。
【0078】なお、実際の演算では、フーリエ変換の結
果は複素数で扱うこととなるが、ここでは説明を簡単に
するため、実数部のみの結果で説明する。また、簡単な
関数については、フーリエ変換を解析的に求めるように
してもよい。
【0079】次に、ステップS02で入力されたX線マ
スク32の形状(位置xごとの透過率)から、図6に示
したX線マスク32のX線の透過率分布を表す関数ma
sk(x)が求められる。
【0080】ここで、透過口と照射領域について説明す
る。照射領域とは、X線マスク32の透過口を透過した
X線が加工材料20のレジスト(PMMA)に照射され
る領域をいう。この照射領域は、X線の直進性から、X
線マスク32の透過口の形状と同じとなる。また、照射
領域における露光量分布は、線量モニタ10によりモニ
タされるSR光源1から照射されるSR光のX線の強度
Iと透過口におけるX線の透過率Tとから求められる。
【0081】次に、ステップS03で求めた有効露光量
分布を表す関数h(x)がフーリエ変換されて関数H
(u)が求められる(ステップS05)。そして、ステ
ップS04で求められたX線マスク32のX線の透過率
分布を表す関数mask(x)がフーリエ変換されて関
数MASK(u)が求められる(ステップS06)。
【0082】フーリエ変換は、高速フーリエ変換(以下
「FFT」という)が用いられる。FFTは、有効露光
量分布を表わす関数h(x)をサンプリングおよび量子
化したデジタルデータを処理することにより行なわれ
る。また、FFTは、データ数が2のべき乗でなければ
ならない。本実施の形態においては、1024点にサン
プリングすることによりデジタル化している。以下、フ
ーリエ変換を行なう場合には、すべてこのFFTを用い
ることとする。
【0083】図8は、図5に示した有効露光量分布を表
わす関数h(x)をフーリエ変換した結果得られる関数
H(u)を示す図である。横軸は位置xから定まる距離
の逆数を示す周波数であり、縦軸は露光量を示す。
【0084】図9は、図6に示したX線マスク32のX
線の透過率分布を表わす関数mask(x)をフーリエ
変換した結果得られる関数MASK(u)を示す図であ
る。横軸は位置xから定まる距離の逆数を示す周波数で
あり、縦軸は透過率を示す。
【0085】図7に戻って、次に、関数MASK(u)
に所定のしきい値K以下の値が含まれるか否かが判断さ
れる(ステップS07)。
【0086】MASK(u)がしきい値K以下の周波数
uについては、ステップS08の処理が行なわれ、そう
でない周波数uについては、ステップS09の処理が行
なわれる。
【0087】ステップS08では、関数MOVE(u)
に「0」が設定される。ステップS09では、次式
(5)に従って関数MOVE(u)が求められる。
【0088】 MOVE(u)=H(u)/MASK(u) … (5) ステップS07〜ステップS09の処理は、ステップS
09で(5)式を演算するにあたって、分母となるMA
SK(u)が「0」や微小な値をとることによって、関
数MOVE(u)が発散してしまうのを防ぐためであ
る。なお、このように関数MOVE(u)が発散してし
まうのを防止するためには、ここで説明した技術の他に
多くの公知の技術が知られており、それらを適用しても
よい。
【0089】そして、ステップS08またはステップS
09で求められた関数MOVE(u)から高周波成分の
除去が行なわれる(ステップS10)。高周波成分の除
去は、公知のローパスフィルタを用いることにより行な
われる。関数MOVE(u)に含まれる高周波成分は、
後で説明するフーリエ逆変換の結果得られるマスク移動
関数move(x)に含まれる露光量変化の極端に激し
い部分である。この露光量変化の極端に激しい部分は、
実質的にはマスク移動関数move(x)から取除くよ
うにしても、加工される形状に与える影響が少ない。
【0090】また、取除く高周波成分は、加工する形状
に応じて定められる。加工する形状に応じた高周波成分
をフィルタリング処理することで、滑らかなマスク移動
関数move(x)を求めることができる。
【0091】次に、高周波成分が除去された関数MOV
E(u)がフーリエ逆変換されて目的とする移動関数m
ove(x)が求められる(ステップS11)。
【0092】そして、移動関数move(x)にマイナ
スの値が含まれるか否かが判断される(ステップS1
2)。マイナスの値が含まれる場合にはステップS13
が実行され、含まれない場合にはステップS14に進
む。
【0093】ステップS13では、移動関数move
(x)の補正が行なわれる。加工形状または、X線マス
ク32の透過口の形状によっては、求められる移動関数
move(x)に負の値が含まれる場合がある。移動関
数move(x)は、位置ごとの露光量を示すため、露
光量がマイナスになることはあり得ない。移動関数mo
ve(x)の全体に対して、マイナスとなる露光量の絶
対値をプラスする。このように補正することで、補正さ
れた移動関数move(x)が負の値を含む不具合が是
正される。なお、予め定められた所定の値を移動関数m
ove(x)にプラスするようにしてもよい。
【0094】図10は、移動関数move(x)を示す
図である。横軸は位置を示し、縦軸は露光量を示す。横
軸の位置xは、図6に示したX線マスク32のX線の透
過率分布において、透過率が高い部分の中心点の位置を
示す。換言すれば、位置xは、X線マスク32の透過口
の中心となる位置を示す。従って、SR光源1が照射す
るSR光のX線強度が一定の場合には、移動関数mov
e(x)は、X線マスク32の透過口の中心が、加工材
料20のレジスト(PMMA)の位置xに対応する位置
で停止する時間を示す関数ともいえる。また、X線強度
に比較的長期的な変動(減衰等)が存在するような場合
でも、X線強度を線量モニタ10で随時モニタし、この
強度にしたがってX線マスク32を停止させる時間を求
めれば、X線強度が一定の場合と同一の露光量を加工材
料20の照射領域に与えることができる。
【0095】図7に戻って、求められた移動関数mov
e(x)に従って、X線マスク32が露光用ステージ3
により移動される(ステップS14)。これにより、加
工材料20のレジストが有効露光分布となるように露光
され、目的とする加工形状に加工される。
【0096】上述した露光処理は、メインコントローラ
5で行なわれ、メインコントローラ5では、求められた
移動関数move(x)に従って、ステージコントロー
ラ4に指令を送信する。ステージコントローラ4では、
受信した指令に従って、露光用ステージ3を移動させ
る。
【0097】図11は、図10に示した移動関数mov
e(x)に従ってX線マスク32を移動させて加工材料
20のレジスト(PMMA)を露光した結果をシミュレ
ーションにより求めた結果を示す図である。図3に示し
た目的とする加工形状と比較し、ほぼ同じ形状に加工さ
れている。また、図11に示す形状には、演算における
誤差等の原因で生じた微小な凹凸が含まれているが、加
工材料20のレジスト全体を軽くエッチングすることに
より、インクの飛翔に影響を及ぼすことのない程度にま
で凹凸を取除くことができる。
【0098】もし、X線マスク32の透過口が加工形状
の寸法に比べて無視できるくらい小さいならば、目的と
する加工形状通りにX線マスク32を移動させれば目的
とする加工形状に加工することができる。しかし、通常
は、X線マスク32の透過部は加工形状に比べて無視で
きない大きさなので、本発明の手法で正しい移動パター
ンを求めない限り、形状にはX線マスク32の透過口の
影響により、1種のボケが生じて、加工形状に目的とす
る形状とは異なる歪が生じてしまう。図12は、図3に
示した目的とする加工形状に従ってX線マスク32を移
動させて加工材料20のレジスト(PMMA)を露光し
た結果をシミュレーションにより求めた結果を示す図で
ある。X線マスク32の透過口がある大きさを持つこと
により生じるボケが生じている。具体的には、本来は垂
直であるべきノズルの側壁がテーパ状になっており、目
的とする加工形状とは異なった歪んだ形状になってい
る。
【0099】インクジェットプリンタのヘッドに用いら
れるノズルには、インクが真っ直ぐに飛翔すること、お
よび、インクの飛翔方向が正確であることが求められ
る。現在では、プリント速度の高速化のために多くのノ
ズルが用いられているため、インクの飛翔方向が多数の
ノズル間で均一であることが極めて重要となっている。
インクの飛翔方向を真っ直ぐにするためには、ノズルの
断面形状にスレート部分を設けることが有効である。図
11に示した加工形状では、このスレート部分が加工さ
れているが、図12に示した加工形状ではスレート部分
がテーパ状になってしまい飛翔方向の均一性を図ること
ができない。
【0100】また、図12に示した加工形状では、ノズ
ルの開口部分に相当する上の辺の幅が、図3に示した目
的とする加工形状の寸法よりも小さくなってしまってい
る。ノズルの開口部の寸法は、インクの吐出体積に影響
し、プリント画像の濃度、画質など全般にわたって大き
な影響を与えることになる。従って、ノズルの開口部分
が、目的とする加工形状の寸法よりも小さくなるのは好
ましくない。
【0101】次に、マスク移動機構33におけるX線マ
スク32の移動について説明する。これまでの説明を簡
単にするために1次元における移動について説明した
が、実際には2次元の移動が行なわれ、2次元の直交座
標で表わしたマスク移動関数move(x,y)に従っ
て、2次元の走査露光が行なわれる。
【0102】[X線マスク32の停止と移動を繰返し行
なう走査方法]図13は、2次元の走査による露光を説
明するための第1の図である。図13(A)は、加工材
料20のレジスト(PMMA)を照射領域100が走査
する軌跡105を示す図であり、図13(B)は照射領
域100の形状を示す図である。図13を参照して、加
工形状の2次元平面103と照射領域100の形状は、
ともに四角形である。照射領域100の走査は、走査軌
跡105に沿った直線移動である。
【0103】図14は、本実施の形態における加工装置
で行なわれる走査処理の流れを示す第1の図である。図
14を参照して、走査処理は、まず、X線マスク32を
初期位置に移動させる(ステップS11)。これによ
り、図13中において、照射領域100が加工形状の2
次元平面103中で左上の位置に移動する。
【0104】そして、照射領域100の位置(x、y)
における露光量が移動関数move(x,y)と等しく
なったか否かが判断される。位置(x、y)における露
光は、露光量が移動関数move(x,y)と等しくな
るまで行なわれ、等しくなった時点で、ステップS13
に進む。
【0105】露光量は、SR光源1が放射するX線強度
が一定の場合には、露光量は露光時間を計時することに
より求められる。X線強度に比較的長期的な変動(減衰
等)が存在する場合には、線量モニタ10でモニタされ
たX線強度がフィードバックされることにより求められ
る。具体的には、線量モニタ10でモニタされたX線強
度IとX線マスク32の透過口の透過率Tとから求めら
れるX線強度に基づき、照射領域100の露光量が検出
される。そして、検出された露光量を積算した値が移動
関数move(x,y)と等しくなるまで、位置(x,
y)で照射領域100を停止させる。
【0106】なお、加工直前に線量モニタ10でX線強
度を測定し、測定した結果とSR光源1が放射するX線
の減衰特性とから、経時的に変化するX線の強度を予測
し、予測したX線強度に基づき照射領域100の露光量
を求めてもよい。
【0107】ステップS13では、X方向の走査が終了
したか否かが判断される。X方向の走査が終了した場合
には、ステップS15に進み、そうでない場合はステッ
プS14に進む。
【0108】ステップS14では、X方向に1単位の距
離だけ高速でX線マスク32を移動させる。X方向の1
単位の距離は、本実施の形態における加工装置では、照
射領域100のX方向の長さの1/2としている。移動
する速さは、加工材料20のレジスト(PMMA)の露
光に実質上影響しない速さである。この速さは、図3に
示した露光量と加工量との関係から定めることができ
る。たとえば、露光量が0〜0.05[A・min]の
場合の加工量は0[μm]であるので、これに相当する
速さで移動させることにより、全く露光されていない部
分については露光に影響を与えない速さとなる。
【0109】ステップS15では、Y方向の走査が終了
したか否かが判断される。Y方向の走査が終了した場合
には露光処理を終了し、そうでない場合はステップS1
6に進む。
【0110】ステップS16では、Y方向に1単位の距
離だけ高速でX線マスク32を移動させる。Y方向の1
単位の距離は、本実施の形態における加工装置では、照
射領域100のY方向の長さの1/2としている。移動
する速さは、加工材料20のレジスト(PMMA)の露
光に実質上影響しない速さである。
【0111】ここで、ステップS14とステップS16
で行なわれるX線マスク32の移動について詳細に説明
する。なお、X線マスク32の移動と照射領域の移動と
は同意である。図15は照射領域の移動を説明するため
の図である。図15(A)はX方向の移動を、図15
(B)はY方向の移動を説明するための図である。図1
5(A)を参照して、照射領域100Aは、X方向の1
単位の距離の移動により、照射領域100のX方向の長
さの1/2だけ移動して照射領域100Bの位置とな
る。照射領域100Aと照射領域100Bとは、それぞ
れ半分が重なっている。
【0112】Y方向の移動は、X方向の移動と同様に、
図15(B)を参照して、照射領域100Cは、Y方向
の1単位の距離の移動により、照射領域100のY方向
の長さの1/2だけ移動して照射領域100Dの位置と
なる。照射領域100Cと照射領域100Dとは、それ
ぞれ半分が重なっている。
【0113】このように照射領域が重なるように加工形
状の2次元平面が分割され、分割された照射領域それぞ
れにおける露光時間が移動関数move(x)により定
められる。ただし、加工形状の2次元平面を分割する間
隔、換言すれば、X方向およびY方向へ移動する1単位
の距離に基づいて、それぞれの照射領域における露光時
間は補正される。
【0114】本実施の形態においては、X方向またはY
方向へ移動する1単位の距離を照射領域のX方向または
Y方向の長さの1/2としたが、これに限定されること
なく、これより長くしても良いし、短くしても良い。た
とえば、照射領域の重なる部分を小さくして照射領域が
接する程度まで1単位の距離を長くすることができる。
逆に、1単位の距離を、露光用ステージ3でX線マスク
32を移動可能な最小の距離にすることができる。
【0115】1単位の距離を長くすることにより、照射
領域を移動させる回数が減少するので、加工時間を短く
することができる。一方、1単位の距離を短くすること
により加工精度が向上する。このように、加工時間と加
工精度とはトレードオフの関係となるので、加工形状や
加工時間の制約などの状況に応じて、1単位の距離を定
めるのが望ましい。さらに、加工精度を重視するのであ
れば、照射領域が移動と停止を繰り返し行う走査より
は、次に説明する照射領域を連続的に移動させるのが望
ましい。
【0116】移動機構34は露光中、ステージコントロ
ーラ4からの指令に基づき、サンプルホルダ31をX方
向に1[mm/s]の速度で往復移動させる。これによ
り、SR光源1が放射するSR光のX線の強度分布が均
一となっていない場合であっても、SR光源1が放射す
るSR光のX線が照射される範囲全体をX線マスク32
の透過口が移動するので、照射領域100における強度
分布が均一となるように補正することができる。
【0117】このように、X線マスク32が加工材料2
0に対して停止する状態と直線移動する状態とを繰り返
すことにより、移動関数move(x,y)に応じてX
線マスク32を移動させることができる。
【0118】[X線マスク32を露光時間に反比例する
速さで移動させる走査方法]図16は、2次元の走査に
よる露光を説明するための第2の図である。図16
(A)は、加工材料20のレジスト(PMMA)を照射
領域110が走査する軌跡150を示す図であり、図1
6(B)は照射領域110の形状を示す図である。図1
6を参照して、加工形状の2次元平面103が円形であ
り、照射領域110も円形である。
【0119】加工形状の2次元平面103が回転対称の
場合には、移動関数move(x)を極座標形式で表現
することにより、ステージコントローラ4による移動機
構33の制御を容易にすることができる。マスク移動機
構33は、X線マスク32を、照射領域110の軌跡1
50が円を描くように移動させるとともに、移動する速
さを極座標で求めた移動関数move(x,y)に従っ
て制御する。移動する速さは、位置(x、y)における
速さが、移動関数move(x,y)を線量モニタ10
で計測されたX線強度で除算して求まる露光時間に反比
例する速さである。そして、半径方向に直線移動した
後、回転半径を変化させて次の軌跡における走査が行な
われる。
【0120】マスク移動機構33でX線マスク32を回
転移動させるためには、XY2方向に位相の異なった正
弦波を与えるようにする。これにより、マスク移動機構
33でX線マスク32を加工材料20のレジスト(PM
MA)に対して相対的に回転するように移動させること
ができる。
【0121】図17は、本実施の形態における加工装置
で行なわれる走査処理の流れを示す第2の図である。図
17を参照して、走査処理は、まず、X線マスク32を
初期位置に移動させる(ステップS21)。これによ
り、図16において示されるように照射領域110が加
工形状の2次元平面103中で最も外側の位置に移動す
る。
【0122】次に、シャッタ9が開かれ、露光が開始さ
れる(ステップS22)。そして、X線マスク32が移
動関数move(x,y)に従った速さで移動される
(ステップS23)。移動する速さは、移動関数mov
e(x,y)を線量モニタ10で計測されたX線強度で
除算して求まる露光時間に反比例した速さである。露光
時間が多い場合には遅くし、露光時間が少ない場合には
速くする。このように移動する速さを制御することで、
目的とする加工形状に応じた露光量で加工材料20のレ
ジストを露光するように照射領域110を移動させるこ
とができる。
【0123】1回の円移動による走査が終了したか否か
が判断され(ステップS24)、終了するまでステップ
S23の処理が行なわれる。終了した場合には、シャッ
タ9が閉じられる(ステップS25)。これにより、加
工材料20のレジストへの露光が中断される。
【0124】そして、全ての走査が終了したか否かが判
断され(ステップS26)、終了した場合には走査処理
を終了する。終了していない場合には、半径方向に1単
位だけX線マスク32を移動させる(ステップS2
7)。1単位の距離は、照射領域110の直径に該当す
る。これにより、照射領域110が半径方向に重ならな
いように露光することができる。なお、照射領域110
が半径方向に重なるように露光しても良い。この場合に
は、1単位の距離は、照射領域110の直径よりも短く
なるとともに、重なり量に応じて露光時間が補正され
る。これは、上述した停止と移動を繰り返し行う操作の
場合と同じである。
【0125】そして、次の走査を行なうために、ステッ
プS22に戻って、上述の処理が繰返し行なわれる。
【0126】このように、X線マスク32の移動する速
さを極座標変換された移動関数move(x,y)の露
光量に反比例する速さで加工材料20に対して円を描く
ように移動させることにより、移動関数move(x,
y)に応じてX線マスク32を移動させることができ
る。
【0127】[露光量を分割して複数回の走査を行なう
走査方法]次に、露光量を分割して複数回の走査を行な
う走査方法について説明する。図10に示した移動関数
move(x)において、0〜A、A〜B、B〜C、C
〜D、D〜E、E〜F、F〜G、G〜H、H〜Iの9つ
のレベルに露光量を分割する。そして、分割された露光
量のレベルごとに走査をおこなう。
【0128】具体的には、露光量がAとなるまで、露光
量がA以上の値をとるすべての位置について露光を行な
う。露光量がAに満たない位置については、その位置に
対する露光量まで露光を行なう。
【0129】次に、露光量がBとなるまで露光量がAを
超えるすべての位置について露光を行なう。露光量がB
に満たない位置については、その位置に対応する露光量
になるまで露光を行なう。この走査を、9つに分割した
露光量のレベルすべてについて行なう。
【0130】このように、複数回の走査に分割して露光
することにより、1回の走査で露光する場合に比べて位
置や露光時間の誤差を複数回に分散させることになり、
誤差が平均化される。その結果、加工精度が向上する。
【0131】なお、位置ごとの露光量を所定の分割数で
分割するようにしても、同様の効果を得ることができ
る。また、所定時間の露光を繰返し行なうようにしても
よい。この場合、位置ごとに積算された露光量が移動関
数move(x)となるまで、位置ごとに露光される。
さらに、露光量で分割するのではなく、露光時間で分割
することによっても同様の走査を行なうことができる。
【0132】また、露光量を分割して複数回の走査を行
なう走査方法は、上述したX線マスク32の停止と移動
を繰返し行なう走査方法と、X線マスク32を露光時間
に反比例する速さで移動させる走査方法の2つの方法に
対して用いることができる。
【0133】以上説明した加工材料20のレジスト(P
MMA)を露光し、化学的処理を施して加工した基板を
ベースに電気鋳造することで、金属製の部品を得ること
ができる。さらに、製造された金属製の部品を型とし
て、樹脂をモールドすることで、必要な形状の部品を大
量に得ることができる。これらの製造プロセスについて
は、従来のLIGA法と同様であるので、ここでは説明
を省略する。
【0134】なお、本実施の形態における加工装置は、
フーリエ変換した空間周波数面において演算を行なうよ
うにしたが、フーリエ変換を行なうことなく、空間面に
おいてデコンボリューションを行なうことが可能な種々
の手法を用いることによっても、マスク移動関数を求め
ることができる。
【0135】また、本実施の形態による加工装置では、
レジストとしてPMMAを用いた例について説明した
が、PMMAの代わりにテフロン(polytetrafluoroeth
ylene)を用いることができる。テフロンを用いる場合
には、SR光のX線による直接加工(直接除去)が可能
となる。従って、現像処理は不要である。
【0136】以上説明したように本実施の形態における
加工装置においては、目的とする加工形状と、X線マス
ク32の透過口の形状とがわかれば、簡単な演算でX線
マスク32を移動させるための移動関数move(x)
を求めることができる。
【0137】なお、本実施の形態においては、X線マス
ク32を移動させるようにしたが、X線マスク32を固
定して加工材料20を移動させるようにしてもよいし、
X線マスク32と加工材料20とをともに移動させるよ
うにしてもよい。
【0138】また、本実施の形態においては、単一のノ
ズルを加工する例を示したが、多数のノズルが配列され
たインクジェットノズル列に対しても、X線マスクおよ
び加工形状を表した関数をノズルピッチの周期関数とし
て扱うことにより適用することができる。
【0139】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態における加工装置の概略構成を
示すブロック図である。
【図2】 本実施の形態における加工装置の露光用ステ
ージ3の側面図である。
【図3】 目的形状を示す図である。
【図4】 レジストにPMMAを用いた場合の露光量と
加工量との関係を示す図である。
【図5】 図3に示した目的形状の加工量を有効露光量
に変換した有効露光量分布を示す図である。
【図6】 X線マスク32のX線の透過率分布を示す図
である。
【図7】 本実施の形態における加工装置で行なわれる
露光処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】 図5に示した有効露光量分布を表わす関数h
(x)をフーリエ変換した結果得られる関数H(u)を
示す図である。
【図9】 図6に示したX線マスク32のX線の透過率
分布を表わす関数mask(x)をフーリエ変換した結
果得られる関数MASK(u)を示す図である。
【図10】 移動関数move(x)を示す図である。
【図11】 図10に示した移動関数move(x)に
従ってX線マスク32を移動させて行なうレジスト(P
MMA)の露光をシミュレーションにより求めた結果を
示す図である。
【図12】 図3に示した目的形状に従ってX線マスク
32を移動させて行なうレジスト(PMMA)の露光を
シミュレーションにより求めた結果を示す図である。
【図13】 2次元の走査による露光を説明するための
第1の図である。
【図14】 本実施の形態における加工装置で行なわれ
る走査処理の流れを示す第1の図である。
【図15】 照射領域の移動を説明するための図であ
る。
【図16】 2次元の走査による露光を説明するための
第2の図である。
【図17】 本実施の形態における加工装置で行なわれ
る走査処理の流れを示す第2の図である。
【符号の説明】
1 SR光源、2 露光用チャンバ、3 露光用ステー
ジ、4 ステージコントローラ、5 メインコントロー
ラ、6 入力部、7 記憶部、8 表示部、31 サン
プルホルダ、32 X線マスク、33 マスク移動機
構、34 往復移動機構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水口 淳 大阪市中央区安土町二丁目3番13号大阪国 際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 2H097 BB01 CA12 CA15 FA03 FA06 LA15

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 材料に紫外線または紫外線より波長の短
    い光を照射して、前記材料を除去することにより、また
    は、前記材料の物理的もしくは化学的性質を変化させる
    ことにより加工する加工装置であって、 紫外線または紫外線より波長が短い光を放射する光源
    と、 前記光源から放射された光を透過する所定形状の透過部
    を有するマスクと、 前記材料の面上の位置と加工量とからなる加工形状を入
    力するための入力手段と、 前記材料の露光量と加工量との関係を記憶する記憶手段
    と、 前記記憶手段に記憶された露光量と加工量との関係に従
    って、前記入力手段で入力された加工形状を前記材料の
    面上の位置と露光量とからなる有効露光量分布に変換す
    る変換手段と、 前記有効露光量分布と前記透過口の形状とに基づき、前
    記材料の露光量分布が前記有効露光量分布となるよう
    に、前記透過口を透過した光で前記材料が照射される照
    射領域を前記材料の面上で移動させる移動パターンを算
    出する算出手段と、 算出された前記移動パターンに従って前記マスクと前記
    材料とを相対的に移動させる移動手段とを備えた、加工
    装置。
  2. 【請求項2】 前記光源から放射される光の強度を測定
    するための測定手段をさらに備え、 前記移動手段は、前記測定手段により測定された強度に
    基づき、前記照射領域の露光量を検出する検出手段を含
    むことを特徴とする、請求項1に記載の加工装置。
  3. 【請求項3】 前記算出手段は、前記有効露光量分布と
    前記マスクの透過率分布とをフーリエ変換するフーリエ
    変換手段と、 フーリエ変換された前記有効露光量分布をフーリエ変換
    された前記マスクの透過率分布で除算した結果をフーリ
    エ逆変換するフーリエ逆変換手段とを含むことを特徴と
    する、請求項1または2に記載の加工装置。
  4. 【請求項4】 フーリエ変換された前記有効露光量分布
    をフーリエ変換された前記マスクの透過率分布で除算し
    た結果から高周波成分を除去するための除去手段をさら
    に備えた、請求項3に記載の加工装置。
  5. 【請求項5】 前記フーリエ逆変換手段は、前記マスク
    の透過率分布をフーリエ変換した結果に所定の閾値を下
    回る値が含まれる場合は、下回る値について予め定めら
    れた所定の値を用いてフーリエ逆変換することを特徴と
    する、請求項3または4に記載の加工装置。
  6. 【請求項6】 前記フーリエ逆変換手段は、フーリエ逆
    変換の結果に負の値が含まれる場合には、前記負の値の
    絶対値以上の値を前記フーリエ逆変換の結果全体に加算
    することを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載
    の加工装置。
  7. 【請求項7】 前記移動手段は、前記照射領域の前記材
    料に対する移動軌跡の少なくとも1部が直線を描くよう
    に移動させることを特徴とする、請求項1〜6のいずれ
    かに記載の加工装置。
  8. 【請求項8】 前記移動手段は、前記照射領域の前記材
    料に対する移動軌跡の少なくとも一部が円を描くように
    移動させることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか
    に記載の加工装置。
  9. 【請求項9】 前記移動パターンは、前記照射領域の前
    記材料の面上の位置ごとの露光量で表わされ、 前記移動手段は、前記移動パターンを複数の分割移動パ
    ターンに露光量で分割し、分割された前記複数の分割移
    動パターンごとに移動させることを特徴とする、請求項
    1〜8のいずれかに記載の加工装置。
  10. 【請求項10】 前記移動手段は、前記照射領域を前記
    材料の面上で静止させる状態と移動させる状態とを繰返
    し制御し、前記移動させる状態では、前記材料の除去、
    または、前記材料の物理的もしくは化学的性質の変化に
    影響を与えない速さで移動させることを特徴とする、請
    求項1〜9のいずれかに記載の加工装置。
  11. 【請求項11】 前記移動パターンは、前記照射領域の
    前記材料の面上の位置ごとの露光量で表わされ、 前記移動手段は、前記照射領域の前記材料の面上の位置
    に対応した露光量に反比例する速さで移動させることを
    特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の加工装
    置。
  12. 【請求項12】 前記光源からの光を遮断するための遮
    断手段をさらに備え、前記遮断手段は、前記材料を露光
    しないときに遮断することを特徴とする、請求項1〜1
    1のいずれかに記載の加工装置。
  13. 【請求項13】 材料に紫外線または紫外線より波長の
    短い光を照射して、前記材料を除去することにより、ま
    たは、前記材料の物理的もしくは化学的性質を変化させ
    ることにより加工する加工方法であって、 所定の形状をした照射領域に紫外線または紫外線より波
    長の短い光を照射するステップと、 前記材料の面上の位置と加工量とからなる加工形状を入
    力するためのステップと、 前記材料の露光量と加工量との関係に従って、入力され
    た加工形状を前記材料の面上の位置と露光量とからなる
    有効露光量分布に変換するステップと、 前記有効露光量分布と前記照射領域の形状とに基づき、
    前記材料の露光量分布が前記有効露光量分布となるよう
    に、前記材料の面上で前記照射領域を移動させる移動パ
    ターンを算出するステップと、 算出された前記移動パターンに従って、前記照射領域と
    前記材料とを相対的に移動させるステップとを含む、加
    工方法。
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