JP4673568B2 - 油溶性金属錯体、潤滑油添加剤及び潤滑油組成物 - Google Patents

油溶性金属錯体、潤滑油添加剤及び潤滑油組成物 Download PDF

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Description

本発明は、油溶性金属錯体、潤滑油添加剤及び潤滑油組成物に関し、詳しくは比較的低温(例えば60℃以下)においても油溶性を有する油溶性金属錯体、潤滑油添加剤及びこれを含有する潤滑油組成物に関するものである。
ヒドラジド類はセルロースや塩化ビニル樹脂等に使用されており(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)、最近になって、無灰又は無リンの潤滑油用に摩耗防止性、極圧性を改善する添加剤としての使用が検討されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、ヒドラジド類の融点は比較的高いため常温では油溶性を持たないか油溶性に乏しい。そのため、これらの化合物を油に溶解させるには、溶解温度を融点以上に保つか、長時間かけて溶解させる必要がある。しかしながら、これらの化合物は、一度溶解させても低温に晒された場合に析出するなど、低温から高温にわたり使用される潤滑油用途への使用は容易ではなかった。
米国特許第3284234号明細書 特開平3−140346号公報 米国特許出願公開第2003−0008785号明細書
本発明の課題は、以上のような事情に鑑み、比較的低温で油溶性を持たないか油溶性に乏しいヒドラジド類を比較的低温においても油溶化する技術を提供することであり、これにより常温で固体であるヒドラジド類を含む潤滑油添加剤又は潤滑油組成物の製造過程のハンドリング向上や製造時間の短縮、あるいは潤滑油添加剤又は潤滑油組成物に安定的に溶解させ、貯蔵安定性を向上させる技術を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ヒドラジド類等の特定の窒素含有化合物に有機金属塩又は有機金属錯体、あるいはさらに特定のアミン化合物を予め混合することで、ヒドラジド類等の窒素含有化合物に油溶性を付与し、比較的低温でも安定的に、迅速に油に溶解させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)下記一般式(1)で表される窒素含有化合物及び(B)炭素数3〜20の炭化水素基を少なくとも一つ有する、リン酸エステルの金属塩、チオリン酸エステルの金属塩、ジチオリン酸エステルの金属塩、ホスホン酸エステルの金属塩、チオホスホン酸エステルの金属塩、ジチオホスホン酸エステルの金属塩、カルバミン酸の金属塩、チオカルバミン酸の金属塩、ジチオカルバミン酸の金属塩、及びナフテン酸の金属塩からなる群より選ばれる有機金属塩及び/又は有機金属錯体を混合してなる油溶性金属錯体にある。
Figure 0004673568
(一般式(1)において、Rは炭素数1〜30のアルキル基又はアルケニル基であり、R〜Rは、それぞれ個別に、炭素数1〜30のアルキル基又はアルケニル基又は水素であり、X は窒素、は酸素又は硫黄、mは0又は1、nは0又は1を示す。)
また、本発明は、前記(A)成分、前記(B)成分及び(C)アミン系酸化防止剤、無灰分散剤及びその誘導体及び脂肪族アミンから選ばれるアミン化合物を混合してなる油溶性金属錯体にある。
本発明の前記油溶性金属錯体は、下記一般式(2)で表される油溶性金属錯体にある。
Figure 0004673568
(一般式(2)において、Rは炭素数1〜30の炭化水素基又は機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基であり、R〜Rは、それぞれ個別に、炭素数1〜30の炭化水素基、機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基又は水素であり、Xは酸素、窒素又は硫黄、Xは酸素又は硫黄、mは0〜2、a及びpは、それぞれ個別に、1又は2、nは0又は1、qは1又は2、rは1〜3の整数、sは0〜2の整数、Mは金属、Yは下記一般式(3)〜(5)から選ばれる基を示す。)
Figure 0004673568
上記一般式(3)、(4)及び(5)において、R〜R11は、それぞれ個別に、炭素数3〜20の炭化水素基、R12は炭素数1〜30の炭化水素基、〜Xは、それぞれ個別に、酸素又は硫黄、tは0又は1を示す。

また、前記金属が、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、銅、及びモリブデンから選ばれる少なくとも1種の金属であることが好ましい。
また、前記油溶性金属錯体は、70℃以上で混合してなることが好ましい。
また、本発明は、前記油溶性金属錯体を含有する潤滑油添加剤にある。
また、前記潤滑油添加剤には、潤滑油基油、無灰分散剤、酸化防止剤、摩擦調整剤、摩耗防止剤、金属系清浄剤、粘度指数向上剤、腐食防止剤、防錆剤、抗乳化剤、金属不活性化剤、消泡剤及び着色剤から選ばれる少なくとも1種を混合してなることが好ましい。
また、本発明は、前記潤滑油添加剤を含有する潤滑油組成物にある。
以下、本発明について詳述する。
本発明の油溶性金属錯体における(A)成分は、下記一般式(1)で表される窒素含有化合物である。
Figure 0004673568
一般式(1)において、R1は炭素数1〜30の炭化水素基又は機能性を有する炭素数
1〜30の炭化水素基であり、好ましくは炭素数10〜30の炭化水素基又は機能性を有する炭素数10〜30の炭化水素基、より好ましくは炭素数12〜20のアルキル基、アルケニル基又は機能性を有する炭化水素基、特に好ましくは炭素数12〜20のアルケニル基であり、R2〜R5は、それぞれ個別に、炭素数1〜30の炭化水素基、機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基又は水素好ましくは、炭素数1〜10の炭化水素基、機能性を有する炭素数1〜10の炭化水素基又は水素、より好ましくは炭素数1〜4の炭化水素基又は水素、さらに好ましくは水素であり、X1は酸素、窒素又は硫黄、好ましくは酸素又は窒素、より好ましくは窒素であり、X2は酸素又は硫黄、好ましくは酸素であり、mは0〜2、好ましくは0又は1、特に好ましくは1であり、nは0又は1、好ましくは1を示す。
ここで、上記炭化水素基としては、具体的には、アルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基、及びアリールアルキル基を挙げることができる。
上記アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい)を挙げることができる。
上記シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数5〜7のシクロアルキル基を挙げることができる。
上記アルキルシクロアルキル基としては、例えば、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、メチルエチルシクロペンチル基、ジエチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、メチルエチルシクロヘキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基、メチルエチルシクロヘプチル基、ジエチルシクロヘプチル基等の炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基(アルキル基のシクロアルキル基への置換位置も任意である)を挙げることができる。
上記アルケニル基としては、例えば、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基等のアルケニル基(これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよく、また二重結合の位置も任意である)を挙げることができる。
上記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を挙げることができる。
上記アルキルアリール基としては、例えば、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基等の炭素数7〜18のアルキルアリール基(アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよく、またアリール基への置換位置も任意である)を挙げることができる。
上記アリールアルキル基としては、例えばベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基等の炭素数7〜12のアリールアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい)を挙げることができる。
また、本発明において機能性を有する炭化水素基とは、炭化水素基に酸素、窒素、硫黄、リン等を含む炭化水素基を意味し、例えば、エステル類、カルボン酸類、エーテル類、アミド類、アミン類等から誘導される炭化水素基が挙げられる。
一般式(1)で表される窒素含有化合物としては、具体的には、mが0、X2が酸素の
場合、炭素数1〜30の炭化水素基又は機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基を有するヒドラジド誘導体であり、より詳細には、mが0、X2が酸素、R1が炭素数1〜30の炭化水素基又は機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基、R2〜R5が水素の場合、炭素数1〜30の炭化水素基又は機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基を有するヒドラジド;mが0、X2が酸素、R1及びR2〜R5のいずれかが炭素数1〜30の炭化水素基又は機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基であり、R2〜R5の残りが水素である場合、炭素数1〜30の炭化水素基又は機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基を有するN−ヒドロカルビルヒドラジド(ヒドロカルビルは炭化水素基等を示す)等が挙げられる。
上記ヒドラジド誘導体の合成方法としては、通常用いられる任意の合成法、例えば、上記特許文献1〜3に記載された方法等が使用可能であり、具体的には、例えば、以下の方法が挙げられる。
(1)有機酸のエステルとヒドラジン類との反応による合成例
Figure 0004673568
(2)有機酸塩化物又は有機酸無水物とヒドラジン類との反応
(3)有機酸アミドとヒドラジン又はヒドラジン類との反応
ここで、有機酸エステル、有機酸塩化物、有機酸無水物及び有機酸アミドは、通常用いられる任意の化合物が使用可能である。有機酸エステルの例としては、炭素数1〜30の炭化水素基又は機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基、好ましくは炭素数10〜30の炭化水素基又は機能性を有する炭素数9〜30の炭化水素基、より好ましくは炭素数11〜20のアルキル基、アルケニル基又は機能性を有する炭化水素基、特に好ましくは炭素数11〜20のアルケニル基を有する有機酸、すなわち、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸若しくは脂環式カルボン酸(これらはモノ、ジ、トリカルボン酸であってもよく、オキシカルボン酸であってもよい)と、炭素数1〜30のアルコール類とのエステル等が挙げられる。また、有機酸塩化物、有機酸無水物及び有機酸アミドとしては、上記有機酸の塩化物、無水物、及び上記有機酸とアンモニア又は有機アミン(有機アミンはモノアミン、ジアミン、ポリアミン、アルカノールアミン等であってもよい)とのアミド等が挙げられる。
また、上記ヒドラジン類としては、通常用いられる任意の化合物が使用可能であり、ヒドラジンの他、炭素数1〜10の炭化水素基、機能性を有する炭素数1〜10の炭化水素基、好ましくは炭素数1〜4の炭化水素基を分子中に少なくとも1個有するヒドラジン類、例えば、N−メチルヒドラジン、N−エチルヒドラジン、N−ターシャリブチルヒドラジン、N,N−ジメチルヒドラジン等が例示できる。
また、一般式(1)で表される窒素含有化合物の他の好ましい例としては、具体的には、例えば、X1が窒素、X2が酸素である場合、炭素数1〜30の炭化水素基又は機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基を有するカルバジンアミド(セミカルバジド)誘導体あるいはカルバジド誘導体である。
上記カルバジンアミド誘導体のより具体的な例としては、例えばR1が炭素数1〜30の炭化水素基又は機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基、R2〜R5の全てが水素、X1が窒素、mが1、nが1であるカルバジンアミド誘導体;R1が炭素数1〜30の炭化水素基又は機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基、R2、R4およびR5が水素、R3が炭素数1〜10の炭化水素基又は機能性を有する炭素数1〜10の炭化水素基、X1が窒素、mが1、nが1であるN−ヒドロカルビルカルバジンアミド誘導体(ヒドロカルビルは炭化水素基を示す);R1が炭素数1〜30の炭化水素基又は機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基、R2〜R5の全てが水素、X1が窒素、mが2、nが1であるカルバジド誘導体;R1が炭素数1〜30の炭化水素基又は機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基、R2、R4およびR5が水素、R3が炭素数1〜10の炭化水素基又は機能性を有する炭素数1〜10の炭化水素基、X1が窒素、mが2、nが1であるN−ヒドロカルビルカルバジド誘導体(ヒドロカルビルは炭化水素基を示す)等が挙げられる。
上記カルバジンアミド誘導体、カルバジド誘導体の合成方法としては、通常用いられる任意の合成法が使用可能であるが、例えば、以下の方法が挙げられる。
(1)イソシアネートとヒドラジン類との反応によるカルバジンアミド(セミカルバジド)誘導体、カルバジド誘導体の合成例
Figure 0004673568
(2)カーボネート、脂肪族アミンおよびヒドラジン類との反応によるカルバジンアミド(セミカルバジド)誘導体、カルバジド誘導体の合成例
Figure 0004673568
ここで、上記イソシアネートは通常用いられる任意の化合物が使用可能である。これらの例としては、炭素数1〜30の炭化水素基又は機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基、好ましくは炭素数10〜30の炭化水素基又は機能性を有する炭素数10〜30の炭化水素基、より好ましくは炭素数12〜20のアルキル基、アルケニル基又は機能性を有する炭化水素基、特に好ましくは炭素数12〜20のアルケニル基を有するイソシアネートが挙げられる。
また、上記カーボネートは通常用いられる任意の化合物が使用可能である。これらの例としては、炭素数1以上の炭化水素基、好ましくは直鎖又は分枝状のアルキル基又はアルケニル基、より好ましくは炭素数1〜30の直鎖アルキル基又は直鎖アルケニル基、特に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するカーボネートが挙げられる。
また、上記ヒドラジン類としては、通常用いられる任意の化合物あるいは前記ヒドラジド誘導体が使用可能であり、ヒドラジンの他、炭素数1〜10の炭化水素基、機能性を有する炭素数1〜10の炭化水素基、好ましくは炭素数1〜4の炭化水素基を分子中に少なくとも1個有するヒドラジン類、例えば、N−メチルヒドラジン、N−エチルヒドラジン、N−ターシャリブチルヒドラジン、N,N−ジメチルヒドラジン等が例示できる。
また、上記脂肪族アミンは通常用いられる任意の化合物が使用可能である。これらの例として炭素数1〜30の炭化水素基又は機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基、好ましくは炭素数10〜30の炭化水素基又は機能性を有する炭素数10〜30の炭化水素基、より好ましくは炭素数12〜20のアルキル基、アルケニル基又は機能性を有する炭化水素基、特に好ましくは炭素数12〜20のアルケニル基を分子中に少なくとも1個有する脂肪族アミンが挙げられる。
ここで、上記炭素数1〜30の炭化水素基としては、具体的には、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい);ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基、ペンタコセニル基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基、オクタコセニル基、ノナコセニル基、トリアコンテニル基、等のアルケニル基(これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよく、また二重結合の位置も任意である);等が例示できる。
本発明においては(A)成分として、上記一般式(1)で表される窒素含有化合物にホウ酸、リン酸、カルボン酸あるいはこれらの塩を作用させて得られる該窒素含有化合物のホウ酸塩、リン酸塩、カルボン酸塩及びこれらの混合物も用いることができる。
本発明の油溶性金属錯体における(B)成分は、有機金属塩又は有機金属錯体であり、金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属塩化物等と塩又は錯体を形成することができる有機物とから形成される有機金属塩又は有機金属錯体である。このような有機物としては、炭素数1以上の炭化水素基又は機能性を有する炭素数1以上の炭化水素基を少なくとも1つ有する有機酸の他、水酸基を有する有機化合物等が挙げられ、具体的には、例えば、炭素数1以上の炭化水素基又は機能性を有する炭素数1以上の炭化水素基を少なくとも1つ有する、カルボン酸、ナフテン酸、リン酸、チオリン酸、ジチオリン酸、ホスホン酸、チオホスホン酸、ジチオホスホン酸、スルホン酸、サリチル酸、カルバミン酸、チオカルバミン酸、ジチオカルバミン酸、アルコール、フェノール、部分エステル、部分エーテル、カーボネート等及びこれらの誘導体等が挙げられる。
上記炭素数1以上の炭化水素基としては、上記で述べた炭素数1〜30の炭化水素基の他、炭素数31以上、例えば炭素数31〜60の炭化水素基も含まれる。
本発明においては、炭素数3〜20、好ましくは炭素数4〜18の炭化水素基を少なくとも1つ有するリン酸エステルの金属塩、チオリン酸エステルの金属塩、ジチオリン酸エステルの金属塩、ホスホン酸エステルの金属塩、チオホスホン酸エステルの金属塩、ジチオホスホン酸エステルの金属塩、カルバミン酸の金属塩、チオカルバミン酸の金属塩、ジチオカルバミン酸の金属塩、ナフテン酸の金属塩等が好ましい例として挙げられる。
ここでいう金属は、特に制限はないが、具体的には、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、銅、鉄、鉛、ニッケル、銀、マンガン、モリブデン等の重金属等が挙げられ、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、銅、モリブデンから選ばれる少なくとも1種の金属、特に亜鉛であることが好ましい。
本発明における(C)成分はアミン化合物であり、R−NH2、R−NHR、NR3で表される各種アミン化合物が挙げられる。
本発明において(C)成分は、(B)成分と錯体を形成し、(A)成分、(B)成分及び(C)成分からなる複合油溶性金属錯体を形成するものと考えられる。(C)成分は、(B)成分のうち、特に油溶性に乏しい有機金属塩又は有機金属錯体、例えば、リン酸エステルの金属塩、ホスホン酸エステルの金属塩等を使用する場合に有用であり、予めこのような(B)成分と混合して溶解又は錯体を形成させて油溶化しておいても良い。
(C)成分としては、アミン系酸化防止剤や、無灰分散剤及び/又はその誘導体あるいは脂肪族アミン等が好ましい例として挙げられる。
(C−1)アミン系酸化防止剤としては、具体的には、芳香族アミン化合物、アルキルジフェニルアミン、アルキルナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルフェニル−α−ナフチルアミン等の潤滑油用途に一般的に公知のアミン系酸化防止剤が挙げられる。これらは常温で液状であるものが好ましい。なお、ここでいうアルキル基とは炭素数1〜30、好ましくは3〜20、特に好ましくは4〜10のアルキル基であり、その置換数は1〜4、好ましくは1〜2である。
無灰分散剤としては、(C−2)コハク酸イミド、(C−3)ベンジルアミン、(C−4)ポリアミン、あるいはアルキル又はアルケニルフェノール、ホルムアルデヒド及びポリアミンのマンニッヒ反応生成物及びこれらの化合物の誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
上記無灰分散剤及び/又はその誘導体においては、(A)成分及び(B)成分からなる錯体あるいは(B)成分と錯体を形成しやすい点から、塩酸法における全塩基価が5mgKOH/g以上であることが好ましく、10mgKOH/g以上であることがさらに好ましく、20mgKOH/g以上であることが特に好ましい。なお、塩酸法における全塩基価とは、JIS K 2501の6.電位差滴定法(塩基価)に規定される方法で測定された値を意味する。
上記(C−2)コハク酸イミドとしては、より具体的には、下記一般式(6)又は(7)で示される化合物等が例示できる。
Figure 0004673568
一般式(6)において、R21は炭素数12〜400、好ましくは60〜200、特に好ましくは70〜150のアルキル基又はアルケニル基を示し、aは1〜5、好ましくは2〜4の整数を示す。
Figure 0004673568
一般式(7)において、R22及びR23は、それぞれ個別に、炭素数12〜400、好ましくは60〜200、特に好ましくは70〜150のアルキル基又はアルケニル基を示し、ポリブテニル基であることが特に好ましい。bは0〜4、好ましくは1〜3の整数を示す。
なお、コハク酸イミドとは、イミド化により、ポリアミンの一端に無水コハク酸が付加してなる一般式(6)のようないわゆるモノタイプのコハク酸イミドと、ポリアミンの両端に無水コハク酸が付加してなる一般式(7)のようないわゆるビスタイプのコハク酸イミド等があるが、(C−2)成分としては、そのいずれでも、またこれらの混合物でも使用可能である。
上記コハク酸イミドの製造法は特に制限はない。例えば、ポリブテンあるいはポリイソブテン(これらは通常、5〜100mol%が末端にビニリデン構造を有する)を塩素化したもの、あるいは塩素やフッ素が充分除去されたポリブテンを無水マレイン酸と100〜200℃で反応させて得られるポリブテニルコハク酸をポリアミン(例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、及びペンタエチレンヘキサミン等)と反応させる方法を利用することができる。なお、ビスコハク酸イミドを製造する場合は、該ポリブテニルコハク酸をポリアミンの2倍量(モル比)反応させれば良く、モノコハク酸イミドを製造する場合は、該ポリブテニルコハク酸とポリアミンを等量(モル比)で反応させれば良い。これらの中では、酸化安定性、スラッジ分散性等を潤滑油組成物に付与できる点から、ポリブテニルビスコハク酸イミドであることが好ましい。
上記(C−3)ベンジルアミンとしては、より具体的には、下記一般式(8)で示す化合物等が例示できる。
Figure 0004673568
一般式(8)において、R24は、炭素数12〜400、好ましくは60〜200、特に好ましくは70〜150のアルキル基又はアルケニル基を示し、cは1〜5、好ましくは2〜4の整数を示す。
このベンジルアミンは、例えば、ポリオレフィン(例えば、プロピレンオリゴマー、ポリブテン、エチレン−α−オレフィン共重合体等)をフェノールと反応させてアルキルフェノールとした後、これにホルムアルデヒドとポリアミン(例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等)をマンニッヒ反応により反応させることにより得ることができる。
上記(C−4)ポリアミンとしては、より具体的には、下記の一般式(9)で示す化合物等が例示できる。
25−NH−(CH2CH2NH)d−H (9)
一般式(9)において、R25は、炭素数12〜400、好ましくは60〜200、特に好ましくは70〜150のアルキル基又はアルケニル基を示し、dは1〜5、好ましくは2〜4の整数を示す。
このポリアミンは、例えば、ポリオレフィン(例えば、プロピレンオリゴマー、ポリブテン、エチレン−α−オレフィン共重合体等)を塩素化した後、これにアンモニアやポリアミン(例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等)を反応させることにより得ることができる。
無灰分散剤の誘導体としては、具体的には例えば、上記(C−2)〜(C−4)で示す窒素含有化合物等にホウ素化合物、含酸素有機化合物、硫黄化合物等、あるいはこれらを2種以上組合せて作用させて残存するアミノ基及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和したり、アミド化した、各種変性化合物を挙げることができる。
上記ホウ素化合物としては、ホウ酸、ホウ酸塩、ホウ酸エステル類等が挙げられる。ホウ酸としては、具体的には例えばオルトホウ酸、メタホウ酸及びテトラホウ酸等が挙げられる。ホウ酸塩としては、ホウ酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩等が挙げられ、より具体的には、例えばメタホウ酸リチウム、四ホウ酸リチウム、五ホウ酸リチウム、過ホウ酸リチウム等のホウ酸リチウム;メタホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム等のホウ酸ナトリウム;メタホウ酸カリウム、四ホウ酸カリウム、五ホウ酸カリウム、六ホウ酸カリウム、八ホウ酸カリウム等のホウ酸カリウム;メタホウ酸カルシウム、二ホウ酸カルシウム、四ホウ酸三カルシウム、四ホウ酸五カルシウム、六ホウ酸カルシウム等のホウ酸カルシウム;メタホウ酸マグネシウム、二ホウ酸マグネシウム、四ホウ酸三マグネシウム、四ホウ酸五マグネシウム、六ホウ酸マグネシウム等のホウ酸マグネシウム;及びメタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモニウム等のホウ酸アンモニウム等が挙げられる。
また、ホウ酸エステルとしては、ホウ酸と好ましくは炭素数1〜6の脂肪族アルコールとのエステル等が挙げられ、より具体的には例えば、ホウ酸モノメチル、ホウ酸ジメチル、ホウ酸トリメチル、ホウ酸モノエチル、ホウ酸ジエチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸モノプロピル、ホウ酸ジプロピル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸モノブチル、ホウ酸ジブチル、ホウ酸トリブチル等が挙げられる。
上記ホウ素化合物を作用させたコハク酸イミド誘導体は、潤滑油組成物に耐熱性、酸化安定性を付与できることから好ましく用いられるが、その窒素当量とホウ素当量との比(B/N当量比)は、特に制限はないが、(A)成分及び(B)成分と錯体を形成しやすいことから、1以下であることが好ましく、0.7以下であることがより好ましく、0.5以下であることが特に好ましい。
上記含酸素有機化合物としては、具体的には、例えば、ぎ酸、酢酸、グリコール酸、プロピオン酸、乳酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸等の炭素数1〜30のモノカルボン酸;シュウ酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数2〜30のポリカルボン酸若しくはこれらの無水物、又はエステル化合物;炭素数2〜6のアルキレンオキサイド;ヒドロキシ(ポリ)オキシアルキレンカーボネート等が挙げられる。このような含酸素有機化合物を作用させることで、例えば、一般式(6)〜(9)の化合物におけるアミノ基又はイミノ基の一部又は全部が次の一般式(10)で示す構造になると推定される。
Figure 0004673568
ここでR26は水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、又は−O−(R27O)mHで表されるヒドロキシ(ポリ)オキシアルキレン基を示し、R27は炭素数1〜4のアルキレン基を示し、mは1〜5の整数を示す。
これら(C−2)〜(C−4)成分及びこれら化合物の誘導体は(A)成分及び(B)成分と反応して錯体を形成すると考えられ、潤滑油添加剤中、あるいは潤滑油組成物中で安定に存在させることができ、また潤滑油組成物の製造時間を短縮することができるため、特に好ましく使用することができる。これらの中では、(C−2)コハク酸イミド及び/又はその誘導体が好ましく、あるいは(C−2)〜(C−4)成分のホウ素化合物誘導体が好ましく、特に(C−2)コハク酸イミドのホウ素化合物誘導体が、本発明の潤滑油添加剤又は潤滑油組成物の耐熱性、酸化安定性及び極圧性等をより高めることができる点で特に望ましい。
また、その他の(C)成分としてのアミン化合物としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジウンデシルアミン、ジドデシルアミン、ジトリデシルアミン、ジテトラデシルアミン、ジペンタデシルアミン、ジヘキサデシルアミン、ジヘプタデシルアミン、ジオクタデシルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、プロピルブチルアミン、ペンチルメチルアミン、ヘキシルメチルアミン、ヘプチルメチルアミン、オクチルメチルアミン、ノニルメチルアミン、デシルメチルアミン、ウンデシルメチルアミン、ドデシルメチルアミン、トリデシルメチルアミン、テトラデシルメチルアミン、ペンタデシルメチルアミン、ヘキサデシルメチルアミン、ヘプタデシルメチルアミン、オクタデシルメチルアミン、トリメチルアミン、エチルジメチルアミン、プロピルジメチルアミン、ブチルジメチルアミン、ヘキシルジメチルアミン、オクチルジメチルアミン、デシルジメチルアミン、ドデシルジメチルアミン、オクタデシルジメチルアミン等の炭素数1〜30のアルキル基(これらのアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい)を有するアルキルアミン;
エテニルアミン、プロペニルアミン、ブテニルアミン、オクテニルアミン、オレイルアミン、オクテニルメチルアミン、デセニルメチルアミン、ドデセニルメチルアミン、オクタデセニルメチルアミン、オクテニルジメチルアミン、デセニルジメチルアミン、ドデセニルジメチルアミン、オクタデセニルジメチルアミン等の炭素数2〜30のアルケニル基(これらのアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよい)を有するアルケニルアミン;シクロヘキシルアミン、メチルシクロヘキシルアミン、エチルシクロヘキシルアミン等の炭素数3〜30のシクロアルキル基、アルキル又はアルケニルシクロアルキル基(これらのアルキル又はアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよく、置換位置は任意である)を有する脂環式アミン;メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ペンタノールアミン、ヘキサノールアミン、ヘプタノールアミン、オクタノールアミン、ノナノールアミン、デカノールアミン、ドデカノールアミン、オクタデカノールアミン、メタノールエタノールアミン、メタノールプロパノールアミン、メタノールブタノールアミン、エタノールプロパノールアミン、エタノールブタノールアミン、及びプロパノールブタノールアミン等の炭素数1〜30のアルカノール基(これらのアルカノール基は直鎖状でも分枝状でもよい)を有するアルカノールアミン;
メチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、及びブチレンジアミン等の炭素数1〜30のアルキレン基を有するアルキレンジアミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリアミン;ウンデシルジエチルアミン、ウンデシルジエタノールアミン、ドデシルジプロパノールアミン、オレイルジエタノールアミン、オレイルプロピレンジアミン、ステアリルテトラエチレンペンタミン等の上記モノアミン、ジアミン、ポリアミンに炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を有する化合物やN−ヒドロキシエチルオレイルイミダゾリン等の複素環化合物;これらの化合物のアルキレンオキシド付加物;及びこれらの混合物等が例示できる。
これらのアミン化合物の中でもデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、オレイルアミン、ステアリルアミンデシルジメチルアミン、ウンデシルジエチルアミン、ウンデシルジエタノールアミン、ドデシルジメチルアミン、トリデシルジメチルアミン、ヘプタデシルジメチルアミン、オクタデシルジメチルアミン、オレイルジメチルアミン及びステアリルジメチルアミン等の炭素数8〜20、好ましくは炭素数12〜18のアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪族アミン(これらは直鎖状でも分枝状でもよい)が好ましい例として挙げることができる。
なお、(C)成分のうち、脂肪族アミン、好ましくは脂肪族モノアミンを使用すると、金属間の摩擦低減効果にさらに優れた潤滑油添加剤を得ることができ、中でも、脂肪族第3級アミンを使用する場合、極圧性にさらに優れた潤滑油添加剤を得ることができるので特に好ましい。
本発明においては、(C)成分としては、上記で挙げたアミン化合物を1種又は2種以上混合して使用することができる。
本発明の油溶性金属錯体の製造方法は、特に制限はないが、(A)成分と(B)成分、又は(A)成分、(B)成分及び(C)成分、又は(A)成分と、予め(B)成分と(C)成分を混合して油溶化したもの、又は、(A)成分と(C)成分の混合物と(B)成分を、混合して錯体を形成させることで得られる。その混合温度は、特に制限はないが、60℃以下では錯体形成に多大な時間を要することから、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上、さらに好ましくは90℃以上、特に好ましくは(A)成分の融点以上、好ましくは200℃以下、より好ましくは150℃以下、特に好ましくは120℃以下で、上記のいずれかの組合せの原料を直接、又は有機溶媒中で錯体を形成するまで混合することで得られる。その混合時間は、例えば5分〜5時間、好ましくは20分以上、特に好ましくは30分以上である。なお、有機溶媒が潤滑油基油の場合は、そのまま本発明の油溶性金属塩を含有する潤滑油添加剤として供することができ、また、有機溶媒がヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、デカリン等の潤滑粘度を有しない有機溶媒の場合は、減圧蒸留等により当該有機溶媒を留去して得ることができる。
本発明の油溶性金属塩の調製に際し、(A)成分と(B)成分との混合比率、あるいは(A)成分、(B)成分及び(C)成分との混合比率は特に制限はないが、(B)成分1質量部に対し、(A)成分又は(A)成分及び(C)成分を0.01〜30質量部、好ましくは0.15質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、さらに好ましくは0.3質量部以上、さらに好ましくは0.5質量部以上、特に好ましくは0.8質量部以上、10質量部以下、より好ましくは5質量部以下混合する。
上記のようにして得られた油溶性金属錯体は、(B)成分、(C)成分の種類及びその混合量の選択により、例えば、下記一般式(2)で表される油溶性金属錯体であることが好ましい。
Figure 0004673568
上記一般式(2)において、Rは炭素数1〜30の炭化水素基又は機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基であり、R〜Rは、それぞれ個別に、炭素数1〜30の炭化水素基、機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基又は水素であり、Xは酸素、窒素又は硫黄、Xは酸素又は硫黄、mは0〜2、a及びpは、それぞれ個別に、1又は2、nは0又は1、qは1又は2、rは1〜3の整数、sは0〜2の整数、Mは金属、Yは下記一般式(3)〜(5)から選ばれる基を示す。
Figure 0004673568
上記一般式(3)、(4)及び(5)において、R8〜R11は、それぞれ個別に、炭素
数3〜20の炭化水素基、R12は炭素数1〜30の炭化水素基又は機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基、X3〜X6は、それぞれ個別に、酸素又は硫黄、tは0又は1を示す。
また、前記金属は、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、銅、モリブデンから選ばれる少なくとも1種の金属、特に亜鉛であることが好ましい。
上記のようにして得られた本発明の油溶性金属錯体は、比較的低温(例えば60℃以下)で油溶性の乏しい(A)成分を容易に潤滑油基油に溶解させることができ、低温から高温にかけて安定的に溶解状態を保つため、潤滑油添加剤又は潤滑油組成物に適用しやすい。
本発明の潤滑油添加剤は、上記油溶性金属錯体を含有する潤滑油添加剤であり、要求される潤滑油組成物の性能に応じ、無灰分散剤、酸化防止剤、摩擦調整剤、摩耗防止剤、金属系清浄剤、粘度指数向上剤、腐食防止剤、防錆剤、抗乳化剤、金属不活性化剤、シール膨潤剤、消泡剤及び着色剤、あるいは粘度調整のための潤滑油基油から選ばれる1種又は2種以上の成分を混合したパッケージ添加剤として供することも可能である。
その場合、上記(A)成分及び(B)成分、又は上記(A)成分、(B)成分及び(C)成分に加え、上記各種の添加剤、必要に応じ潤滑油基油を、上記条件で混合しても良いし、上記油溶性金属錯体を上記各種の添加剤、必要に応じて潤滑油基油に室温〜200℃、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上、好ましくは150℃以下、より好ましくは120℃以下、より好ましくは90℃以下、特に好ましくは60℃以下で混合しても良い。
また、本発明の潤滑油組成物は、主要量の潤滑油基油に上記潤滑油添加剤を含有する潤滑油組成物であり、要求される潤滑油組成物の性能に応じ、上記パッケージ添加剤あるいは上記に挙げた各種の個別の添加剤から選ばれる1種又は2種以上を配合することができる。その場合の混合温度は、室温〜200℃、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上、好ましくは150℃以下、より好ましくは120℃以下、より好ましくは90℃以下、特に好ましくは60℃以下である。
本発明の潤滑油添加剤又は潤滑油組成物における潤滑油基油は、特に制限はなく、通常の潤滑油に使用される鉱油系基油及び/又は合成系基油が使用できる。
鉱油系基油としては、具体的には、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、水素化精製等の処理を1つ以上行って精製したもの、あるいはワックス異性化鉱油、フィッシャートロプシュプロセス等により製造されるGTL WAX(ガストゥリキッドワックス)を異性化する手法で製造される潤滑油基油等が例示できる。
鉱油系基油の全芳香族分は、特に制限はないが、好ましくは10質量%以下であり、より好ましく6質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下、特に好ましくは2質量%以下であり、0質量%でも良いが、添加剤の溶解性の点で1質量%以上であることが好ましい。基油の全芳香族分が15質量%を越える場合は、酸化安定性が劣るため、好ましくない。
なお、上記全芳香族分とは、ASTM D2549に準拠して測定した芳香族留分(aromatic fraction)含有量を意味する。通常この芳香族留分には、アルキルベンゼン、アルキルナフタレンの他、アントラセン、フェナントレン、及びこれらのアルキル化物、ベンゼン環が四環以上縮合した化合物、又はピリジン類、キノリン類、フェノール類、ナフトール類等のヘテロ芳香族を有する化合物等が含まれる。
また、鉱油系基油中の硫黄分は、特に制限はないが、0.05質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以下であることがさらに好ましく、0.001質量%以下であることが特に好ましい。鉱油系基油の硫黄分を低減することで、よりロングドレイン性に優れる低硫黄の潤滑油組成物を得ることができる。
合成系基油としては、具体的には、ポリブテン又はその水素化物;1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー等のポリα−オレフィン又はその水素化物;ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、及びジ−2−エチルヘキシルセバケート等のジエステル;トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、及びペンタエリスリトールペラルゴネート等のポリオールエステル;マレイン酸ジブチル等のジカルボン酸類と炭素数2〜30のα−オレフィンとの共重合体、アルキルナフタレン、アルキルベンゼン、及び芳香族エステル等の芳香族系合成油又はこれらの混合物等が例示できる。
本発明では、潤滑油基油として、鉱油系基油、合成系基油又はこれらの中から選ばれる2種以上の潤滑油の任意混合物等が使用できる。例えば、1種以上の鉱油系基油、1種以上の合成系基油、1種以上の鉱油系基油と1種以上の合成系基油との混合油等を挙げることができる。
潤滑油基油の動粘度は特に制限はないが、その100℃での動粘度は、20mm2/s以下であることが好ましく、より好ましくは10mm2/s以下である。一方、その動粘度は、1mm2/s以上であることが好ましく、より好ましくは2mm2/s以上である。潤滑油基油の100℃での動粘度が20mm2/sを越える場合は、低温粘度特性が悪化し、一方、その動粘度が1mm2/s未満の場合は、潤滑箇所での油膜形成が不十分であるため潤滑性に劣り、また潤滑油基油の蒸発損失が大きくなるため、それぞれ好ましくない。
潤滑油基油の蒸発損失量としては、NOACK蒸発量で、20質量%以下であることが好ましく、16質量%以下であることがさらに好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。潤滑油基油のNOACK蒸発量が20質量%を超える場合、潤滑油の蒸発損失が大きいだけでなく、組成物中の硫黄化合物やリン化合物、あるいは金属分が潤滑油基油とともに排ガス浄化装置へ堆積する恐れがあり、オイル消費量が増加するだけでなく、排ガス浄化性能への悪影響が懸念されるため好ましくない。なお、ここでいうNOACK蒸発量とは、ASTM D 5800に準拠して測定される潤滑油の蒸発量を測定したものである。
潤滑油基油の粘度指数は特に制限はないが、低温から高温まで優れた粘度特性が得られるようにその値は80以上であることが好ましく、更に好ましくは100以上であり、最も好ましくは120以上である。粘度指数の上限については特に制限はなく、ノルマルパラフィン、スラックワックスやGTLワックス等、あるいはこれらを異性化したイソパラフィン系鉱油のような135〜180程度のものやコンプレックスエステル系基油やHVI−PAO系基油のような150〜250程度のものも使用することができる。潤滑油基油の粘度指数が80未満である場合、低温粘度特性が悪化するため、好ましくない。
本発明の潤滑油添加剤又は潤滑油組成物における無灰分散剤は、上記(C)成分に挙げた無灰分散剤に相当し、その含有量は、特に制限はないが、潤滑油組成物の場合、組成物全量基準で、0.1〜20質量%の範囲で含有させることができる。
本発明の潤滑油添加剤又は潤滑油組成物における酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤やアミン系酸化防止剤、金属系酸化防止剤等の潤滑油に一般的に使用されているものであれば使用可能である。酸化防止剤の添加により、潤滑油組成物の酸化防止性をより高められる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルベンジル)スルフィド、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、2,2’−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクチル−3−(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等を好ましい例として挙げることができる。これらは二種以上を混合して使用してもよい。
アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルフェニル−α−ナフチルアミン、及びジアルキルジフェニルアミンを挙げることができる。これらは二種以上を混合して使用してもよい。
上記フェノール系酸化防止剤とアミン系酸化防止剤は組み合せて配合しても良い。
本発明の潤滑油添加剤又は潤滑油組成物における酸化防止剤の含有量は、特に制限はないが、潤滑油組成物の場合、組成物全量基準で、0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%である。
本発明の潤滑油添加剤又は潤滑油組成物における摩擦調整剤としては、潤滑油用の摩擦調整剤として通常用いられる任意の化合物が使用可能であり、例えば、炭素数6〜30のアルキル基又はアルケニル基、特に炭素数6〜30の直鎖アルキル基又は直鎖アルケニル基を分子中に少なくとも1個有する、アミン化合物、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族エーテル等の無灰摩擦調整剤、モリブデンジチオカーバメート、モリブデンジチオホスフェート等の硫黄含有モリブデン錯体、モリブデンアミン錯体、モリブデン−コハク酸イミド錯体等の硫黄を含有しない有機モリブデン錯体や二硫化モリブデン等のモリブデン系摩擦調整剤が挙げられる。これら摩擦調整剤の含有量は、特に制限はないが、潤滑油組成物の場合、通常組成物全量基準で0.1〜5質量%である。
本発明の潤滑油添加剤又は潤滑油組成物における摩耗防止剤としては、上記(B)成分の項で挙げたリン化合物の金属塩や、リン化合物のアミン塩の他に、例えば、(モノ、ジ、トリ−チオ)(亜)リン酸トリエステル類、(モノ、ジ−チオ)ホスホン酸ジエステル類、β(モノ、ジ)(チオ)ホスホリル化カルボン酸等のリン化合物、ジスルフィド類、硫化オレフィン類、硫化油脂類、ジチオカーバメート、亜鉛ジチオカーバメート等の硫黄含有化合物等が挙げられる。これらの含有量は、潤滑油組成物の場合、通常、組成物全量基準で0.005〜5質量%の範囲で含有させることが可能である。
本発明の潤滑油添加剤又は潤滑油組成物における金属系清浄剤としては、例えば、アルカリ金属スルホネート又はアルカリ土類金属スルホネート、アルカリ金属フェネート又はアルカリ土類金属フェネート、アルカリ金属サリシレート又はアルカリ土類金属サリシレートあるいはこれらの混合物等が挙げられる。
アルカリ金属スルホネート又はアルカリ土類金属スルホネート、アルカリ金属フェネート又はアルカリ土類金属フェネート及びアルカリ金属サリシレート又はアルカリ土類金属サリシレートには、アルキル芳香族スルホン酸、アルキルフェノール、アルキルフェノールサルファイド、アルキルフェノールのマンニッヒ反応生成物、アルキルサリチル酸等を、直接、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物等の金属塩基と反応させたり、又は一度ナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩としてからアルカリ土類金属塩と置換させること等により得られる中性塩(正塩)だけでなく、さらにこれら中性塩(正塩)と過剰のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩やアルカリ金属塩基又はアルカリ土類金属塩基(アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物や酸化物)を水の存在下で加熱することにより得られる塩基性塩や、炭酸ガス又はホウ酸若しくはホウ酸塩の存在下で中性塩(正塩)をアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物等の塩基と反応させることにより得られる過塩基性塩(超塩基性塩)も含まれる。なお、これらの反応は、通常、溶媒(ヘキサン等の脂肪族炭化水素溶剤、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤、軽質潤滑油基油等)中で行われる。
また、金属系清浄剤は通常、軽質潤滑油基油等で希釈された状態で市販されており、また、入手可能であるが、一般的に、その金属含有量が1.0〜20質量%、好ましくは2.0〜16質量%のものを用いるのが望ましい。また金属系清浄剤の全塩基価は、通常0〜500mgKOH/g、好ましくは20〜450mgKOH/gである。なお、ここでいう全塩基価とは、JIS K2501「石油製品及び潤滑油−中和価試験法」の7.に準拠して測定される過塩素酸法による全塩基価を意味する。
本発明においては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属スルホネート、フェネート、サリシレート等から選ばれるを1種又は2種以上併用して使用することができる。
金属系清浄剤の含有量は、特に制限はないが、潤滑油組成物の場合、通常、組成物全量基準で、金属元素換算量で0.01〜5質量%である。
粘度指数向上剤としては、具体的には、各種メタクリル酸エステルから選ばれる1種又は2種以上のモノマーの重合体又は共重合体若しくはその水添物などのいわゆる非分散型粘度指数向上剤、又はさらに窒素化合物を含む各種メタクリル酸エステルを共重合させたいわゆる分散型粘度指数向上剤、非分散型又は分散型エチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンとしてはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン等が例示できる)若しくはその水素化物、ポリイソブチレン若しくはその水添物、スチレン−ジエン共重合体の水素化物、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体及びポリアルキルスチレン等が挙げられる。
これら粘度指数向上剤の数平均分子量は、例えば分散型及び非分散型ポリメタクリレートの場合では、通常5,000〜1,000,000、好ましくは100,000〜900,000のものが、ポリイソブチレン又はその水素化物の場合は通常800〜5,000、好ましくは1,000〜4,000のものが、エチレン‐α‐オレフィン共重合体又はその水素化物の場合は通常800〜500,000、好ましくは3,000〜200,000のものが用いられる。
これら粘度指数向上剤の含有量は、特に制限はないが、通常潤滑油組成物基準で0.1〜20質量%である。
腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、チアジアゾール系、及びイミダゾール系化合物等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、石油スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート、アルケニルコハク酸エステル、及び多価アルコールエステル等が挙げられる。
抗乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、及びポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤等が挙げられる。
金属不活性化剤としては、例えば、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、アルキルチアジアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール又はその誘導体、1,3,4−チアジアゾールポリスルフィド、1,3,4−チアジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート、2−(アルキルジチオ)ベンゾイミダゾール、及びβ−(o−カルボキシベンジルチオ)プロピオンニトリル等が挙げられる。
消泡剤としては、例えば、シリコーン、フルオロシリコール、及びフルオロアルキルエーテル等が挙げられる。
これらの添加剤を本発明の潤滑油組成物に含有させる場合には、その含有量は潤滑油組成物全量基準で、腐食防止剤、防錆剤、抗乳化剤、シール膨潤剤ではそれぞれ0.005〜5質量%、金属不活性化剤では0.005〜1質量%、消泡剤では0.0005〜1質量%の範囲で通常選ばれる。
本発明の油溶性金属錯体は、(A)成分の融点以下、特に60℃以下のような比較的低温においても容易に潤滑油基油に溶解することができ、(A)成分を含む潤滑油添加剤又は潤滑油組成物の製造過程のハンドリング向上や製造時間の短縮、あるいは潤滑油添加剤又は潤滑油組成物の、低温から高温における溶解安定性を保つことができ、貯蔵安定性を向上させることができる。また、このようにして得られた潤滑油添加剤や潤滑油組成物は、上記の通り、貯蔵安定性に優れるものであり、また、摩耗防止性、極圧性を向上させる潤滑油添加剤又は潤滑油組成物として有用である。従って、本発明の潤滑油添加剤又は潤滑油組成物は、各種の潤滑油用途に使用することができ、二輪車、四輪車、発電用、舶用等のガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ガスエンジン等の内燃機関用潤滑油、自動又は手動変速機等の駆動系用潤滑油、グリース、湿式ブレーキ油、油圧作動油、タービン油、圧縮機油、軸受け油、冷凍機油等の潤滑油としても好適に使用することができる。
以下に本発明を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
(実施例1)
(A)下記式(11)で表されるオレイン酸ヒドラジド10g、(B)ジ(2−エチルヘキシル)ジチオリン酸亜鉛20gをトルエンに混合し、100℃、30分間混合・攪拌した後、トルエンを留去し、油溶性金属錯体1を得た。
Figure 0004673568
(実施例2)
上記(A)オレイン酸ヒドラジド10g、(B)ジブチルリン酸亜鉛20g、(C)ドデシルジメチルアミン10gをトルエンに混合し、100℃、30分間混合・攪拌した後、トルエンを留去し、油溶性金属錯体2を得た。
(実施例3)
上記(A)オレイン酸ヒドラジド10g、(B)ジブチルリン酸亜鉛10g、(C)オレイルアミン20g及びアルキルジフェニルアミン10gの混合液を100℃、30分間混合・攪拌し、油溶性金属錯体3を得た。
(実施例4)
上記(A)オレイン酸ヒドラジド10g、(B)ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛20g、(C)オレイルアミン10g及び150N鉱油20gの混合液を100℃、30分間混合・攪拌し、油溶性金属錯体4を得た。
(実施例5)
上記(A)オレイン酸ヒドラジド10g、(B)ジブチルリン酸亜鉛20g、(C)ポリブテニルコハク酸イミド(PIB基のMw:1000、N含有量:2.3質量%)80g及び150N鉱油20gの混合液を100℃、30分間混合・攪拌し、油溶性金属錯体5を得た。
(実施例6)
上記(A)オレイン酸ヒドラジド10g、(B)ナフテン酸亜鉛20g、(C)ポリブテニルコハク酸イミド(PIB基のMw:1000、N含有量:2.3質量%)80g及び150N鉱油20gの混合液を100℃、30分間混合・攪拌し、油溶性金属錯体6を得た。
(実施例7)
上記(A)オレイン酸ヒドラジド10g、(B)2−エチルヘキシルホスホン酸モノ2−エチルヘキシルエステルの亜鉛塩20g、(C)ポリブテニルコハク酸イミド(PIB基のMw:1000、N含有量:2.3質量%)80g及び150N鉱油20gの混合液を120℃、30分間混合・攪拌し、油溶性金属錯体7を得た。
(実施例8)
(A)下記式(12)で表されるオレイルセミカルバジド(オレイルカルバジンアミド)10g、(B)ジ(2−エチルヘキシル)ジチオリン酸亜鉛20g、水素化精製鉱油20gの混合液を100℃、30分間混合・攪拌し、油溶性金属錯体8を得た。
Figure 0004673568
(実施例9)
上記(A)オレイルセミカルバジド10g、(B)ジブチルリン酸亜鉛20g、(C)ドデシルジメチルアミン10g及びジアルキルジフェニルアミン10gの混合液を100℃、30分間混合・攪拌し、油溶性金属錯体9を得た。
(実施例10)
上記(A)オレイルセミカルバジド10g、(B)ジブチルリン酸亜鉛10g、(C)オレイルアミン10g及び150N鉱油20gの混合液を100℃、30分間混合・攪拌し、油溶性金属錯体10を得た。
(実施例11)
上記(A)オレイルセミカルバジド10g、(B)ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛20g、(C)オレイルアミン10g及び150N鉱油20gの混合液を100℃、30分間混合・攪拌し、油溶性金属錯体11を得た。
(実施例12)
上記(A)オレイルセミカルバジド10g、(B)ジブチルリン酸亜鉛20g、(C)ポリブテニルコハク酸イミド(PIB基のMw:1000、N含有量:2.3質量%)80gをトルエンに混合し、100℃、30分間混合・攪拌した後、トルエンを留去して油溶性金属錯体12を得た。
(実施例13)
上記(A)オレイルセミカルバジド10g、(B)ナフテン酸亜鉛20g、(C)ポリブテニルコハク酸イミド(PIB基のMw:1000、N含有量:2.3質量%)80gをトルエンに混合し、100℃、30分間混合・攪拌した後、トルエンを留去して油溶性金属錯体13を得た。
(実施例14)
上記(A)オレイルセミカルバジド10g、(B)ナフテン酸亜鉛20g、(C)ポリブテニルコハク酸イミド(PIB基のMw:1000、N含有量:2.3質量%)80g及び150N鉱油20gの混合液を100℃、30分間混合・攪拌し、油溶性金属錯体14を得た。
(実施例15)
上記(A)オレイン酸ヒドラジド5g、(B)ジブチルリン酸亜鉛6g、(C)ポリブテニルコハク酸イミド(PIB基のMw:1000、N含有量:2.3質量%)80g、カルシウムサリシレート(全塩基価:170mgKOH/g、Ca含有量:6質量%)60g、酸化防止剤(フェノール系及びアミン系)20gの混合液を100℃、30分間混合・攪拌し、油溶性金属錯体15を得た。
(実施例16〜30及び比較例1〜15)
上記実施例1〜15で得られた油溶性金属錯体1〜15を、表1に示す添加量で潤滑油基油に添加し、40℃で混合・攪拌し、攪拌開始30分後、1時間後、5時間後及び10時間後の溶解状態を観察した(実施例16〜30)。
また、比較のため、(A)成分、(B)成分、(C)成分を個別に又は組み合せて表2に示す添加量で、潤滑油基油に添加し、同様に40℃で混合・攪拌し、攪拌開始30分後、1時間後、5時間後及び10時間後の溶解状態を観察した(比較例1〜15)。
表1に示す通り、本発明の油溶性金属錯体又は油溶性金属錯体を含有する潤滑油添加剤は、40℃のような比較的低温であっても潤滑油基油に対し優れた油溶性を有し、0.5時間後には既に不溶物は消失していることがわかる(実施例16〜30)。これにより、潤滑油添加剤のハンドリングを良くし、潤滑油添加剤又は潤滑油組成物を迅速に製造することが可能となることがわかる。
それに対し、(A)成分、(B)成分、(C)成分を個別に又は組み合せて潤滑油基油に添加し、40℃で10時間混合・攪拌しても不溶物は消失しない。これは金属錯体が形成されないか、油溶性金属錯体の形成時間を多大に要するためと考えられる。
Figure 0004673568
Figure 0004673568

Claims (8)

  1. (A)下記一般式(1)で表される窒素含有化合物及び(B)炭素数3〜20の炭化水素基を少なくとも一つ有する、リン酸エステルの金属塩、チオリン酸エステルの金属塩、ジチオリン酸エステルの金属塩、ホスホン酸エステルの金属塩、チオホスホン酸エステルの金属塩、ジチオホスホン酸エステルの金属塩、カルバミン酸の金属塩、チオカルバミン酸の金属塩、ジチオカルバミン酸の金属塩、及びナフテン酸の金属塩からなる群より選ばれる有機金属塩及び/又は有機金属錯体を混合してなる油溶性金属錯体。
    Figure 0004673568
    (一般式(1)において、Rは炭素数1〜30のアルキル基又はアルケニル基であり、R〜Rは、それぞれ個別に、炭素数1〜30のアルキル基又はアルケニル基又は水素であり、Xは窒素、Xは酸素又は硫黄、mは0又は1、nは0又は1を示す。)
  2. (A)下記一般式(1)で表される窒素含有化合物、(B)炭素数3〜20の炭化水素基を少なくとも一つ有する、リン酸エステルの金属塩、チオリン酸エステルの金属塩、ジチオリン酸エステルの金属塩、ホスホン酸エステルの金属塩、チオホスホン酸エステルの金属塩、ジチオホスホン酸エステルの金属塩、カルバミン酸の金属塩、チオカルバミン酸の金属塩、ジチオカルバミン酸の金属塩、及びナフテン酸の金属塩からなる群より選ばれる有機金属塩及び/又は有機金属錯体及び(C)アミン系酸化防止剤、無灰分散剤及びその誘導体及び脂肪族アミンから選ばれるアミン化合物を混合してなる油溶性金属錯体。
    Figure 0004673568
    (一般式(1)において、R は炭素数1〜30のアルキル基又はアルケニル基であり、R 〜R は、それぞれ個別に、炭素数1〜30のアルキル基又はアルケニル基又は水素であり、X は窒素、X は酸素又は硫黄、mは0又は1、nは0又は1を示す。)
  3. 前記油溶性金属錯体が、下記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項1又は2に記載の油溶性金属錯体。
    Figure 0004673568
    (一般式(2)において、Rは炭素数1〜30のアルキル基又はアルケニル基であり、R〜Rは、それぞれ個別に、炭素数1〜30のアルキル基又はアルケニル基又は水素であり、R〜Rは、それぞれ個別に、炭素数1〜30の炭化水素基又は水素であり、Xは窒素、Xは酸素又は硫黄、mは0又は1、a及びpは、それぞれ個別に、1又は2、nは0又は1、qは1又は2、rは1〜3の整数、sは0〜2の整数、Mは金属、Yは下記一般式(3)〜(5)から選ばれる基を示す。)
    Figure 0004673568
    (上記一般式(3)、(4)及び(5)において、R〜R11は、それぞれ個別に、炭素数3〜20の炭化水素基、R12は炭素数1〜30の炭化水素基、X〜Xは、それぞれ個別に、酸素又は硫黄、tは0又は1を示す。)
  4. 前記金属が、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、銅、及びモリブデンから選ばれる少なくとも1種の金属であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の油溶性金属錯体。
  5. 70℃以上の温度で混合してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の油溶性金属錯体。
  6. 請求項1〜5のいずれかの項に記載の油溶性金属錯体を含有する潤滑油添加剤。
  7. 前記潤滑油添加剤に、潤滑油基油、無灰分散剤、酸化防止剤、摩擦調整剤、摩耗防止剤、金属系清浄剤、粘度指数向上剤、腐食防止剤、防錆剤、抗乳化剤、金属不活性化剤、消泡剤及び着色剤から選ばれる少なくとも1種を混合してなることを特徴とする請求項6に記載の潤滑油添加剤。
  8. 請求項6又は7のいずれかの項に記載の潤滑油添加剤を含有することを特徴とする潤滑油組成物。
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