JP4673510B2 - 外装材取付構造および外装材取付方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、柱材に外装材を取付ける外装材取付構造および外装材取付方法に関するものである。
【0002】
【背景の技術】
近年、住宅の外壁には、外壁の外面にモルタルを吹き付けるのではなく、板状の外装材を壁面に貼り付けることが行われている。また、一般に、住宅の構築においては、予め工場等で製造された木質パネルを現場で組み付けることにより、住宅の床、壁、屋根等を構築するパネル工法が知られている。
上記パネル工法では、予め工場等において、複数の木質パネルを連結して大型連結パネルを製造することにより、現場での木質パネル同士の接合作業を省力化することが行われている。さらに、上記パネル工法においては、予め工場等において、住宅の壁を構成する大型連結パネル(以下、壁パネルと称する)に、窓等のサッシ枠、サッシ枠にはめ込まれるガラス障子等の建具を取付けるとともに、壁パネルの外面に防水シートや外装材(サイディング)の少なくとも一部を取付けることにより、住宅の品質の向上及び品質の均質化を図ることができるとともに、現場での建具や外装材の取付け作業の省力化及び施工期間の短縮を図ることができる。
ところで、外装材を壁面に取付ける際、柱の角部や、壁面どうしの接合部に形成される出隅部においても外装材が取付けられる。角部における外装材の取付けに関する技術として、特開2001−32407号公報に記載の技術が知られている。特開2001−32407号公報には、外壁材(外装材)付き壁パネルどうしが接合して角部が形成されており、該壁パネルに配設された胴縁に、断面視L字状に形成された外壁材(外装材)が、止着材を打設して固定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術では、角部を覆う外装材を、柱部に取付ける際に、止着材を打設して固定しているが、例えば、出窓の出隅部のように両面にサッシが取付けられた細い角部に外装材を取付ける場合等は、止着材を打設する場所が狭く作業に手間がかかっていた。
本発明は上記課題を鑑みてなされるものであり、角部を覆う外装材を容易に取付けることが出来る外装材取付構造および外装材取付方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題に対し、請求項1の発明は、例えば図1および図2に示すように、横断面矩形状をなす柱1の直交する少なくとも二側面1a,1bに外装材2を取付ける外装材取付構造であって、前記外装材2は、前記柱1の一方の側面1aに取付けられる第1外装部21と、他方の側面1bに取付けられる第2外装部22とで構成されており、前記柱1の一方の側面1aには第1係合部31が、他方の側面1bには第2係合部32が設けられており、前記外装材2の第1外装部21の裏面23には、前記第1係合部31に係合される第1被係合部41が設けられており、第2外装部22の裏面23には、前記第2係合部32に係合される第2被係合部42が設けられており、前記第1被係合部41は前記第1係合部31に、前記柱1の一方の側面1aと直交する直交方向(矢印A)から係合されており、前記第2被係合部42は前記第2係合部32に前記直交方向(矢印A)と同方向から係合され、
前記柱1は出窓の出隅部に位置し、柱1の二側面1a,1bにはそれぞれサッシ枠7,7が固定されており、前記外装材2の端部24a,24bには、前記サッシ枠7,7と対向する対向部8,8が設けられており、この対向部8,8と前記サッシ枠7,7との隙間Sにはコーキング材5,5が充填され、
前記外装材2の対向部8とサッシ枠7との隙間Sには、前記コーキング材5より奥側にバックアップ材6が配設され、
前記第1外装部21と第2外装部22にそれぞれ前記バックアップ材6が取り付けられていることを特徴としている。
【0005】
請求項1の発明によれば、外装材2は、柱1の一方の側面1aに取付けられる第1外装部21と、他方の側面1bに取付けられる第2外装部22とで構成されているので、一の外装材2によって、柱1の直交する少なくとも二側面1a,1bに外装材2を取付けることができる。これにより、柱1の二側面1a,1bが直交する部分に外装材2の接合部がなくなるので、外装材2の取付け作業が軽減されるうえに、すっきりした外観を呈することができる。さらに、前記柱1の一方の側面1aに設けられている第1係合部31には、前記外装材2の第1外装部21の裏面23に設けられている第1被係合部41が係合され、前記柱1の他方の側面1bに設けられている第2係合部32が、第2外装部22の裏面23に設けられている第2被係合部42に係合されている。したがって、柱1に外装材2を係合して取付けることができ、外装材2の取付作業が容易に行える。また、外装材2の表面から、釘等の止着材を用いて固定する必要がないので、外装材2の表面に止着材が露出することがなく、表面処理作業が軽減される。また、前記第1被係合部41は前記第1係合部31に、前記柱1の一方の側面1aと直交する直交方向(矢印A)から係合されており、前記第2被係合部42は前記第2係合部32に前記直交方向(矢印A)と同方向から係合されているので、少なくとも二側面を形成する外装材2を柱1に取付ける際に、前記直交方向(矢印A)から、外装材2を取付けることとなる。これにより、柱1の側面1aと対向する方向から外装材2を取付けることができ、柱1に対して斜め方向や横方向から取付ける場合に比べ、位置あわせが行いやすく取付けやすい。
【0006】
外装材2は、建物の躯体の表面を覆う部材であり、防火性等を有する板状の素材を用いる場合があり、例えば、タイル貼り状やレンガ積み状の模様等、意匠性を高める模様が形成されている。
【0008】
また、前記柱1は出窓の出隅部に位置し、柱1の二側面1a,1bにはそれぞれサッシ枠7,7が固定されており、前記外装材2の端部24a,24bに設けられている前記サッシ枠7,7と対向する対向部8,8と前記サッシ枠7,7との隙間Sにはコーキング材5,5が充填されているので、サッシ枠7と外装材2との当接部分の防水処理を確実に行うことができる。
【0010】
さらに、前記外装材2の対向部8とサッシ枠7との隙間Sには、前記コーキング材5より奥側にバックアップ材6が配設され、前記第1外装部21と第2外装部22にそれぞれ前記バックアップ材6が取り付けられているので、このバックアップ材6によって、外装材2の内外に連通する隙間Sの奥側に仕切壁が形成されることにより、前記隙間Sが溝状に形成され、軟質材であるコーキング材5を充填する際の、隙間Sの奥側の処理が容易に行える。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1記載の外装材取付構造を施工する際に、柱1の直交する少なくとも二側面1a,1bに外装材2を取付ける外装材取付方法であって、裏面23に第1被係合部41が設けられ、かつバックアップ材6が取付けられた第1外装部21と、裏面23に第2被係合部42が設けられ、かつバックアップ材6が取付けられた第2外装部22とからなる外装材2を用意しておき、前記柱1の一方の側面1aには第1係合部31を設け、他方の側面1bには第2係合部32を設け、前記第1被係合部41を前記第1係合部31に、前記柱1の一方の側面1aと直交する直交方向(矢印A)から係合するとともに、前記第2被係合部42を前記第2係合部31に前記直交方向(矢印A)と同方向から係合し、さらに、前記バックアップ材6とサッシ枠7に当接し、次に、外装材2とサッシ枠7とバックアップ材6とに囲まれる隙間Sにコーキング材5を充填することを特徴としている。
【0014】
請求項2の発明によれば、裏面23に第1被係合部41が設けられた第1外装部21と、裏面23に第2被係合部42が設けられた第2外装部22とからなる外装材2を用意しておくので、外装材2の取付作業現場での作業を軽減できる。さらに、前記柱1の一方の側面1aには第1係合部31を設け、他方の側面1bには第2係合部32を設け、前記第1被係合部41を前記第1係合部31に、前記柱1の一方の側面1aと直交する直交方向(矢印A)から係合するとともに、前記第2被係合部42を前記第2係合部31に前記直交方向(矢印A)と同方向から係合するので、外装材2を柱1に係合して取付けることができ、施工現場における取付作業が軽減される。また、前記第1外装部21と第2外装部22にはバックアップ材6が取付けられているので、バックアップ材6によって、外装材2の内外に連通する隙間Sの奥側に仕切壁が形成されて前記隙間Sが溝状に形成され、軟質材であるコーキング材5を充填する際の、隙間Sの奥側の処理が容易に行える。また、前記対向部8と前記サッシ枠7との隙間Sにコーキング材5を充填するので、サッシ枠7との隙間Sの防水処理を容易かつ確実に行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る外装材取付構造について説明する。図1は、本発明にかかる外装材取付構造の第1の実施の形態の例を示す断面図であり、出窓の出隅部に該外装材取付構造を適用した例である。出窓は、外壁面から突出した位置に設けられ、該出窓の正面略中央部と、両側面部には、窓サッシを備えたサッシ枠7が取付けられている。
【0016】
図1において、符号1は柱、符号2は外装材、符号5はコーキング材、符号6はバックアップ材、符号7はサッシ枠、符号31は第1係合部、符号32は第2係合部、符号41は第1被係合部、符号42は第2被係合部であり、これら、柱1と、外装材2と、コーキング材5と、バックアップ材6と、サッシ枠7と、第1係合部31と、第2被係合部42と、第1被係合部41と、第2係合部32とにより、外装材取付構造の主要部が構成されている。
【0017】
柱1は、長尺で断面矩形状の木製の角材であり、出窓の出隅部に配置されており、この柱1には、サッシ枠7,7が互いに直交する向きで取付けられている。また、外側に直交する二側面1a,1bを覆うようにして外装材2が取付けられている。
【0018】
外装材2は、建物の躯体の表面を覆う部材であり、防火性等を有する板状の素材であり、内部に外装材2の長尺方向に延出する中空部25…を有し、例えば、タイル貼り状やレンガ積み状の模様等、意匠性を高める模様が形成されている。この外装材2は、第1外装部21と第2外装部22とが直交して断面視略L字状に形成された長尺な部材であり、両端部24a,24bは内側方向に直角に曲折している。前記両端部24a,24bの側面は、サッシ枠7の端部と対向する対向面8となる。
【0019】
さらに、外装材2の裏面23には、前記端部24a,24bの端面241まで達する取付部材90が、リベット101,…を用いて取付けられている。取付部材90の一方の端部901は、前記第1外装部21側の端部24aの裏面23から端面241に沿って曲折し、さらに、前記対向面8と面一となるように曲折して取付部材90の対向面908を形成している。また、取付部材90の他方の端部901は、前記第2外装部22の端部24bの裏面23から端面241に沿って曲折し、前記対向面8と面一となるように曲折して、取付部材90の対向面908を形成している。そして、この対向面908に連続して第2被係合部42が形成されている。
【0020】
コーキング材5は、水密性を確保するために充填されるパテ状の材料で、例えば、ポリウレタン系、シリコーン系、変成シリコーン系、ポリサルファイド系、ブチルゴム系等からなるものが挙げられる。
【0021】
バックアップ材6は、前記コーキング材5の下地であるとともに、前記対向面8とサッシ枠7との隙間Sにコーキング材5が充填される際に、該コーキング材5が外装材2の裏側23に流入することを防止する圧縮可能なゴム状のもので、例えば、合成樹脂の発泡材等の軟質なものである。
【0022】
サッシ枠7は、その内側に窓などの引違い戸がはめ込まれるものであり、図示は省略するが、正面視略矩形状のサッシ枠本体と、前記引き違い戸を開閉可能に取付けるレール、水切とから概略構成されており、アルミニウム材で形成されている。ここで、開き戸や回転式の戸などがはめ込まれる場合は、サッシ枠にはレール部を備えていなくてもよい。このサッシ枠7の上下部分は小壁に取付けられ、縦枠はそれぞれサッシ枠7の両端部に配設された柱1に取付けられている。なお、取付けにはビス100等が用いられている。そして、図示しないが、サッシ枠7と躯体との接合部分には、該接合部分を覆うようにして防水テープが貼りつけられている。
【0023】
第1係合部31は、内部が中空となる略矩形の枠体31bの一面に開口する凹部31bが形成された金物である。そして、第1係合部31は、仲介部材31cを介して、前記凹部31aが前記柱1の側面1a側から外方に向けて開口するようにして、柱1の側面1aに取付けられる。
【0024】
第1被係合部41は、前記第1係合部31に係合される金物であり、外装材2の裏面23に取付ける固定部41bと、この固定部41bより突出する凸部41aとを備えている。第1被係合部41は、外装材2に取付けられる前記外装材2の第1外装部21の裏面23にリベット101を用いて固定されており、第1外装部21の裏面23から内側に向けて突出する凸部41aを備えている。この凸部41aは、突出する先端部41bが基部41cより幅が広くなるように設けられており、前記第1係合部31の凹部31aに係合する大きさとなっている。
【0025】
第2被係合部42は、前記取付部材90の端部901のうち、第2外装部22側の端部901に連続して形成されており、前記第2係合部32の係合部322が挿入可能な溝部422を形成し、前記端部901は、柱1側に傾斜するように曲折しており、前記係合部322が容易に挿入できるように形成されている。
【0026】
第2係合部32は、柱1の側面1bに取付けられる金物であり、柱1の側面1bに当接して固定される当接部321を備えており、この当接部321より外側にて平行に離間して対向する係合部322が連続して形成されている。
【0027】
続いて、外装材取付構造を説明する。図1に示すように、出窓の出隅部を形成している柱1には、出窓の二側面に配設される窓サッシのサッシ枠7,7がビス100で取付けられている。柱1の出隅部側の角部1eを覆う断面視L字状のスペーサ103が貼設されており、このスペーサ103の一方の側面には前記第1係合部31が、前記仲介部材31cを介して取付けられ、他方の側面には前記第2係合部32が取付けられている。そして、前記外装材2が、前記第1係合部31と第1被係合部41とが係合するとともに、前記第2係合部32が第2被係合部42と係合して、柱1の角部1eの表面を覆っている。なお、前記第1被係合部41は第1係合部31に、前記柱1の一方の側面と直交する直交方向(図2の矢印A)から係合されており、前記第2被係合部42は第2係合部32に前記直交方向(矢印A)と同方向から係合されている。
【0028】
また、前記取付部材90と、第1係合部31と、第1被係合部41と、第2被係合部42と、第2係合部32とにより、外装材2と柱1との間には空間が形成され、柱1の側面1a,1bより突出しているサッシ枠7,7の前面と、柱1の側面1a,1bとの凹凸を調整している。
【0029】
外装材2の端部24a,24bとサッシ枠7,7の端部との隙間Sにおいては、前記取付部材90の対向面908に前記バックアップ材6が貼設されている。前記隙間Sの奥側において、このバックアップ材6が外装材2の内外を仕切ることにより、隙間Sが溝状に形成されている。この溝状の隙間Sにはコーキング材5が充填されて、防水処理が施されている。
【0030】
次に、本実施の形態の外装材取付構造を施工する際に、外装材2を柱1に取付ける外装材取付方法について図1および図2を用いて説明する。出窓の出隅部に設けられている柱1には、出窓の2面に配設されるサッシ枠7,7の端部がビス100で取付けられている。また、外装材2を取付ける柱1の角部1eには、この角部1eを覆うようにして、断面視L字状のスペーサ103が貼設されている。この状態において、まず、前記スペーサ103に、第1係合部31と第2係合部32とを、上下方向に間隔を空けて数カ所に取付ける。
【0031】
第1係合部31の取付けは、前記仲介部材31cを、該仲介部材31cの一方の端部が、前記スペーサ103の角部に位置するようにして、スペーサ103にビス100を用いて固定して取付ける。
【0032】
第2被係合部41の取付けは、該第2係合部32の係合部322が、前記第1外装部21に向けて突出するようにして、第2外装部22と対向する柱1の側面1b側に位置するスペーサ103に取付ける。この際、前記第2被係合部41の接合部421の端部は、前記スペーサ103の角部に位置するようにしてビス100を用いて、スペーサ103に固定すると、係合部322の側壁部422aが、前記第2外装部22の対向部8とほぼ面一となる。
【0033】
次に、図2に示すように、外装材2を、前記第1外装部21に面する側面1aに対して直交方向(矢印A)から近づけ、前記第2係合部32の係合部322が、第2被係合部42の溝部422に挿入されるとともに、前記第1被係合部41が、第1係合部31の凹部31aに嵌入して係合される位置まで押し込む。
【0034】
なお、外装材2を配置する際、前記第1外装部21側に取付けたバックアップ材6は、外装材2とサッシ枠7,7の端部との隙間Sの間隔に合わせた大きさに設計されているので、前記バックアップ材6がサッシ枠7の端部に当接する位置に外装材2を配置すれば、前記第1被係合部41と第1係合部31とが係合する位置を容易に知ることができ、外装材2を容易に配置することができる。
【0035】
続いて、前記外装材2とサッシ枠7,7の端部との間に形成された隙間Sに防水処理を施す。すなわち、前記隙間Sは、サッシ枠7,7の端部と、外装材2の対向面8と、外装材2に取付けられたバックアップ材6とにより囲まれて形成され、この隙間Sにコーキング材5を充填して外装材2の取付けが終了する。
【0036】
本実施の形態における外装材取付構造によれば、第1被係合部41を第1係合部31に係合させるとともに、第2係合部32を第2被係合部42に係合させることにより、外装材2を柱1に取付るので、外装材2の表面側から釘等の止着材を用いて固定する必要がなく、出窓の出隅部に外装材2を容易に取付けることができる。また、外装材2の表面に止着材が露出することがないので、外装材2の表面に止着材を隠す処理を施す必要がない。
【0037】
また、外装材2の対向部8とサッシ枠7,7の端部との間に形成される隙間Sに、コーキング材5が充填されるので、前記外装材2とサッシ枠7,7の端部との隙間Sの防水処理を確実かつ容易に施すことができる。
【0038】
さらに、外装材2の両端部24a,24bにはそれぞれにバックアップ材6,6を取付けるので、該バックアップ材6,6により、前記隙間Sの奥側に、外装材2の裏側と外部との仕切壁が形成される。したがって、バックアップ材6により、コーキング材5が外装材2の裏側に流入することを防ぎ、コーキング材5の充填作業を容易に行うことができる。
【0039】
さらに、外装材取付方法によれば、柱1の直交する二側面1a,1bを覆う外装材2を、柱1の一方の側面1aと直交する直交方向(矢印A)から配置して、第1係合部31に第1被係合部41を押し込むとともに、第2被係合部42に第2係合部32を挿入することにより取付けることができる。
【0040】
これにより、例えば、施工現場に足場を組んだ状態で外装材2を施工する場合に、足場に立った作業者が、足場側から、柱1の側面1aと対向する方向から外装材2を取付けることができ、柱1に対して斜め方向や横方向から取付ける場合に比べ、位置あわせが行いやすく取付けやすい。
【0041】
なお、本実施の形態における外装材取付構造では、第1被係合部41に凸部を備え、かつ第1係合部31に凹部を備える構成としたが、例えば、第1被係合部41に凹部を備え、第1係合部31に凸部を備える構成としてもよい。すなわち、第1被係合部41と第1係合部31とが係合可能な構成であればよい。同様に、第2係合部32と第2被係合部42とが係合可能な構成であれば良く、この際、それぞれの係合部と被係合部とが係合する向きが同じ方向であれば良い。
【0059】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、外装材は、第1外装部と、第2外装部とにより、一の外装材で、柱の直交する少なくとも二側面を覆うことができる。これにより、柱の二側面が直交する部分に接合部がなくなるので、外装材の取付け作業が軽減されるうえに、すっきりした外観を呈することができる。さらに、柱に取付けられた第1係合部には、外装材裏面に取付けられた第1被係合部が係合され、柱に設けられた第2係合部が、第2外装部の裏面に設けられている第2被係合部に係合することにより外装材を柱に取付けることができ、外装材の柱への取付作業が容易に行える。また、外装材の表面から、釘等の止着材を用いて固定する必要がなく、外装材の表面に止着材が露出することがなく、表面処理作業が軽減される。また、前記第1被係合部は前記第1係合部に、前記柱1の一方の側面と直交する直交方向から係合されており、前記第2被係合部は前記第2係合部に前記直交方向と同方向から係合されているので、少なくとも二側面を形成する外装材を柱に取付ける際に、前記直交方向から、外装材を取付けることとなり、柱に対して斜め方向や横方向から取付ける場合に比べ、位置あわせが容易となり、取付け作業が軽減される。
【0060】
また、前記柱は出窓の出隅部に位置し、柱の二側面にそれぞれ固定されたサッシ枠と対向する前記対向部との隙間にはコーキング材が充填されているので、サッシ枠と外装材との当接部分の防水処理が確実に行われる。
【0061】
さらに、前記外装材の対向部とサッシ枠との隙間には、前記コーキング材より奥側にバックアップ材が配設されているので、バックアップ材によって、前記隙間が溝状に形成され、軟質材であるコーキング材が外装材の裏側に流出することを防ぎ、コーキング材の充填処理が容易に行える。
【0063】
請求項2の発明の外装材取付方法によれば、裏面に第1被係合部が設けられた第1外装部と、裏面に第2被係合部が設けられた第2外装部とからなる外装材を用意しておくので、外装材の取付作業現場での作業を軽減できる。さらに、前記柱の一方の側面には第1被係合部を設け、他方の側面には第2係合部を設け、前記第1被係合部を前記第1係合部に、前記柱の一方の側面と直交する直交方向から係合するとともに、前記第2被係合部を前記第2係合部に前記直交方向と同方向から係合するので、外装材を柱に取付ける際の施工現場における作業が軽減される。また、前記対向部に取付けるバックアップ材によって、前記隙間が溝状に形成され、この隙間にコーキング材を充填するので、軟質材であるコーキング材を充填する際に、外装材の裏側にコーキング材が流出することを防ぎ、隙間の防水処理が容易にかつ確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる外装材取付構造の一例を示す断面図である。
【図2】図1の外装材取付構造を施工する外装材施工方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1 柱
1a,1b 側面
2 外装材
5 コーキング材
6 バックアップ材
7 サッシ枠
8 対向面
21 第1外装部
22 第2外装部
23 裏面
24a,24b 端部
31 第1係合部
32 第2係合部
41 第1被係合部
42 第2被係合部
S 隙間
Claims (2)
- 横断面矩形状をなす柱の直交する少なくとも二側面に外装材を取付ける外装材取付構造であって、
前記外装材は、前記柱の一方の側面に取付けられる第1外装部と、他方の側面に取付けられる第2外装部とで構成されており、前記柱の一方の側面には第1係合部が、他方の側面には第2係合部が設けられており、前記外装材の第1外装部の裏面には、前記第1係合部に係合される第1被係合部が設けられており、第2外装部の裏面には、前記第2係合部に係合される第2被係合部が設けられており、前記第1被係合部は前記第1係合部に、前記柱の一方の側面と直交する直交方向から係合されており、前記第2被係合部は前記第2係合部に前記直交方向と同方向から係合され、
前記柱は出窓の出隅部に位置し、柱の二側面にはそれぞれサッシ枠が固定されており、前記外装材の端部には、前記サッシ枠と対向する対向部が設けられており、この対向部と前記サッシ枠との隙間にはコーキング材が充填され、
前記外装材の対向部とサッシ枠との隙間には、前記コーキング材より奥側にバックアップ材が配設され、
前記第1外装部と第2外装部にそれぞれ前記バックアップ材が取り付けられていることを特徴とする外装材取付構造。 - 請求項1記載の外装材取付構造を施工する際に、柱の直交する少なくとも二側面に外装材を取付ける外装材取付方法であって、
裏面に第1被係合部が設けられ、かつバックアップ材が取付けられた第1外装部と、裏面に第2被係合部が設けられ、かつバックアップ材が取付けられた第2外装部とからなる外装材を用意しておき、
前記柱の一方の側面には第1係合部を設け、他方の側面には第2係合部を設け、
前記第1被係合部を前記第1係合部に、前記柱の一方の側面と直交する直交方向から係合するとともに、前記第2被係合部を前記第2係合部に前記直交方向と同方向から係合し、さらに、前記バックアップ材とサッシ枠とを当接し、
次に、前記外装材とサッシ枠とバックアップ材とにより囲まれる隙間にコーキング材を充填することを特徴とする外装材取付方法。
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