JP4673026B2 - 製版装置および製版印刷装置 - Google Patents

製版装置および製版印刷装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4673026B2
JP4673026B2 JP2004268862A JP2004268862A JP4673026B2 JP 4673026 B2 JP4673026 B2 JP 4673026B2 JP 2004268862 A JP2004268862 A JP 2004268862A JP 2004268862 A JP2004268862 A JP 2004268862A JP 4673026 B2 JP4673026 B2 JP 4673026B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermal head
temperature
plate making
head temperature
upper limit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004268862A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006082358A (ja
Inventor
肇 加藤
康宣 木戸浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku Ricoh Co Ltd filed Critical Tohoku Ricoh Co Ltd
Priority to JP2004268862A priority Critical patent/JP4673026B2/ja
Publication of JP2006082358A publication Critical patent/JP2006082358A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4673026B2 publication Critical patent/JP4673026B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)

Description

本発明は、感熱孔版製版装置等を含む製版装置および感熱孔版製版印刷装置等を含む製版印刷装置に関する。
簡便な印刷方式としてデジタル式の感熱孔版製版装置(以下、単に「製版装置」というときがある)を搭載した感熱孔版製版印刷装置(以下、単に「製版印刷装置」というときがある)が知られている(例えば、特許文献1参照)。その製版装置では、主走査方向に配列された発熱素子、発熱抵抗体等とも呼ばれる複数の発熱体を有するサーマルヘッドとプラテンローラとで、感熱性孔版原紙とも呼ばれる感熱性孔版マスタ(以下、単に「マスタ」という)を押し付けながら、主走査方向と直交する副走査方向にプラテンローラの回転を介してマスタを相対的に移動させつつ、一般にスキャナ等によって読み込まれた画像データ信号を基に、サーマルヘッドの画像データに対応する所定の発熱抵抗体を発熱させることにより、マスタの熱可塑性樹脂フィルムを位置選択的に加熱溶融穿孔・製版してドット状の製版画像(穿孔パターン)をマスタに形成するものである。
上記のような従来の製版印刷装置に搭載するサーマルヘッドの異常過熱を検知し対処する方法(以下、「サーマルヘッド異常過熱検知方法」という)としては、サーマルヘッドの温度を検出するサーミスタ(サーマルヘッド温度検出手段)を備え、サーミスタにより検出されたサーマルヘッド温度がサーマルヘッドの動作保証温度以下に設定されたサーマルヘッド温度上限閾値温度以上になると、製版印刷装置の表示部にサービスマンコール等を表示させて、製版動作への移行を禁止したり、製版動作の続行を停止させる制御を実施していた(以下、「前者の技術」という)。
さらに具体的に説明すると、図14に実線で示すように、連続製版時等において製版回数nを重ねる度にサーマルヘッド温度Tが上昇し、サーマルヘッド温度Tが破線で示すサーマルヘッド温度上限閾値温度Taを超えると、操作パネル等に配置されている液晶表示部やLED(発光ダイオード)等にサービスマンコール等を表示させて、製版動作への移行を禁止したり、製版動作の続行を停止させたりする制御を実施していた。
通常、サーマルヘッドの定格として、保存保証温度と動作保証温度というものが規定されており、サーマルヘッド温度上限閾値温度としては動作保証温度以下に設定している。さらに詳細には、サーマルヘッド温度上限閾値温度は、サーマルヘッド温度検出手段としてのサーミスタ等の電気的ばらつきを考慮して設定しており、実質的には動作保証温度未満になる。
ここで、保存保証温度とは、サーマルヘッドが駆動されていないサーマルヘッド保管時の保証温度を、動作保証温度とは、サーマルヘッドが駆動されているサーマルヘッド駆動時の保証温度を、それぞれ意味する。
一方、複数の発熱体を主走査方向に備えているサーマルヘッドは、サーマルプリンタを含む感熱記録装置や熱転写記録装置あるいは感熱印字装置等の技術分野においても使用されている。(例えば、特許文献2および3参照)。
特開平7−76121号公報(特許文献2)では、サーマルヘッドの発熱抵抗体へ印加する印加エネルギーの補正精度を向上させて、印写濃度変化を十分に小さくする目的を達成するために、サーマルヘッド(101)の蓄熱温度を検知する温度検知センサA(102)と、印写媒体であるインクシート(201)が置かれている部分の環境温度を検知する温度検知センサB(103)と、温度検知センサA(102)および温度検知センサB(103)からの各検知温度に係る検知信号ならびに入力されたサーマルヘッド(101)の発熱抵抗体へ印加する補正前印加エネルギー(E)に基づいて、補正を行い補正後印加エネルギー(E)を出力すると共に、また同時に検知温度から装置の異常を判断して、異常と判断した場合には操作表示部(105)を介して警告メッセージを表示させ、かつ、サーマルヘッド(101)の駆動を強制的に中断させる印加エネルギー補正部(107)とを具備した技術が提案されている(以下、「後者の技術」という)。
特許第2756224号公報 特開平7−76121号公報 特許第3252063号公報
しかしながら、前者の技術によるサーマルヘッド異常過熱検知方法では、連続製版時における製版動作の繰り返しによる温度上昇に伴う異常過熱と、サーマルヘッドの電気的駆動部の異常(例えばサーマルヘッドへの電力供給線等であるハーネスのショート、回路異常、基板内異常、サーミスタ異常等)による異常過熱との区分け・判別がつかず、全て上述したサーマルヘッド温度上限閾値温度以上になるとサービスマンコール等を表示させてしまうことで、オペレータやユーザ(以下、「ユーザ」という)は製版印刷装置や製版装置あるいはサーマルヘッド等が故障したものと判断し、サービス担当者(以下、「サービスマン」という)を呼び出すという事態になってしまっていた。そのため、ユーザがサービス費用等を負担しなければならない場合もあった。
特に、製版装置や製版印刷装置の技術分野で使用されるサーマルヘッドは、版としてのマスタの熱可塑性樹脂フィルムを加熱溶融して穿孔するため、個々の発熱体の発熱温度が高く設定されている点からも上記問題点の解決が急務となっている。
後者の技術でも、矢張り、連続印字時等における温度上昇と、サーマルヘッドの電気的駆動部異常等による異常過熱との区分け・判別がつかず、画一的に装置異常と判断されてしまうことにより、ユーザによるサービスマンコール等が問題となっている。
従って、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、サーマルヘッドの駆動部異常による異常過熱と、連続製版時におけるサーマルヘッドの異常過熱との判別がつかず、しかも異常過熱を告知する手段として1つしかなく、その告知表示がサービスマンコールであったため、ユーザは連続製版時における異常過熱時にもサービスマンを呼び出すという事態になってしまっていたことを未然に防止すると共に、ユーザがサービス費用等を負担しなければならない事態を低減することが可能な製版装置および製版印刷装置を提供することを主な目的としている。
本発明は、上述した課題を解決して前記目的を達成するために、請求項ごとの発明においては以下の構成を採っていることを特徴とするものである。
請求項記載の発明は、熱可塑性樹脂フィルムを有するマスタの該熱可塑性樹脂フィルム側に、主走査方向に配列された複数の発熱体を具備したサーマルヘッドを直接的に接触させると共に、上記主走査方向と直交する副走査方向にマスタを相対的に移動させつつ画像信号に応じた上記各発熱体の選択的な加熱によりドット状の製版画像をマスタに形成し、サーマルヘッド温度検出手段により上記サーマルヘッドの温度を検出可能であり、かつ、上記サーマルヘッドの動作保証温度以下のサーマルヘッド温度上限閾値温度および該温度よりも低めのサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度のうちの少なくとも上記サーマルヘッド温度上限閾値温度が予め設定されている製版装置であって、上記サーマルヘッド温度検出手段により検出されたサーマルヘッド温度が、上記サーマルヘッド温度上限閾値温度または上記サーマルヘッド温度上限閾値近傍温度を超えた場合に、上記サーマルヘッド温度の推移状態として上昇傾向かあるいは下降傾向かを判別するサーマルヘッド温度推移判別手段を有することを特徴とする。ここで、サーマルヘッド温度推移判別手段の具体例としては、後述する実施形態で説明するようなCPU等を具備したマイクロプロセッサや、CPU等を具備したマイクロコンピュータ等が代表的な例として挙げられる。
請求項記載の発明は、請求項記載の製版装置において、上記サーマルヘッド温度が、上記サーマルヘッド温度上限閾値温度または上記サーマルヘッド温度上限閾値近傍温度を超えた場合に、製版動作への移行を禁止することを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項または記載の製版装置において、上記サーマルヘッド温度推移判別手段は、上記サーマルヘッド温度が、上記サーマルヘッド温度上限閾値温度または上記サーマルヘッド温度上限閾値近傍温度を超えた場合に、上記サーマルヘッド温度検出手段からの上記サーマルヘッド温度の複数回の検出情報に基づいて、上記判別を行うことを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項ないしの何れか一つに記載の製版装置において、上記サーマルヘッド温度推移判別手段は、上記サーマルヘッド温度の推移状態が複数回連続して上昇または下降傾向となったときに上昇または下降傾向と判別することを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項ないしの何れか一つに記載の製版装置において、上記サーマルヘッド温度推移判別手段は、上記サーマルヘッド温度の推移状態が複数回連続して上昇または下降傾向となるまで上昇または下降傾向と判別しないことを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項ないしの何れか一つに記載の製版装置において、上記サーマルヘッド温度が、上記サーマルヘッド温度上限閾値温度または上記サーマルヘッド温度上限閾値近傍温度を超えた場合に、上記サーマルヘッドの温度が高くなっていることを表示する表示手段を有することを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項ないしの何れか一つに記載の製版装置において、上記サーマルヘッド温度が、上記サーマルヘッド温度上限閾値温度または上記サーマルヘッド温度上限閾値近傍温度を超えた場合に、上記サーマルヘッドの温度が高くなっていることを音声で告知する音声告知手段および警告音を発することで警告する警告音発生手段のうちの少なくとも一方の手段を有することを特徴とする。
ここで、音声告知手段の具体例としては、後述する実施形態で説明するような操作パネルに配置したスピーカ等が挙げられる。また、警告音発生手段の具体例としては、後述する実施形態で説明するような操作パネルに配置したブザー等が挙げられる。スピーカやブザーの配置箇所は、操作パネルに限らず、ユーザが聴取可能な箇所であるならば装置本体の適宜の箇所であっても勿論構わない(以下、同様)。
請求項記載の発明は、請求項ないしの何れか一つに記載の製版装置において、上記サーマルヘッド温度推移判別手段により上記サーマルヘッド温度の推移状態が下降傾向と判別された場合に、上記サーマルヘッド温度上限閾値温度または上記サーマルヘッド温度上限閾値近傍温度以下に設定されている製版動作復帰閾値温度以下となるまで上記サーマルヘッドの温度が高くなっていることを告知する告知手段を有することを特徴とする。
ここで、告知手段の具体例としては、後述する実施形態で説明するような表示手段としてのLCD表示部等の他に、音声で告知する音声告知手段や、警告音を発することで警告をする警告音発生手段、あるいはこれらの2つ以上の組み合わせも含まれる(以下、同様)。
請求項記載の発明は、請求項ないしの何れか一つに記載の製版装置において、上記サーマルヘッド温度推移判別手段により上記サーマルヘッド温度の推移状態が下降傾向と判別された場合に、上記サーマルヘッドの温度が高くなっていることおよび製版動作の待機を促すことの少なくとも一方の表示をする表示手段を有することを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項ないしの何れか一つに記載の製版装置において、上記サーマルヘッド温度推移判別手段により上記サーマルヘッド温度の推移状態が下降傾向と判別された場合に、上記サーマルヘッドの温度が高くなっていることおよび製版動作の待機を促すことの少なくとも一方を音声で告知する音声告知手段および警告音を発することで警告する警告音発生手段のうちの少なくとも一方の手段を有することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項ないし10の何れか一つに記載の製版装置において、上記サーマルヘッド温度推移判別手段により上記サーマルヘッド温度の推移状態が下降傾向と判別された場合に、上記サーマルヘッド温度上限閾値温度または上記サーマルヘッド温度上限閾値近傍温度以下に設定されている製版動作復帰閾値温度以下になるまで製版動作への移行を禁止することを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項ないし11の何れか一つに記載の製版装置において、上記サーマルヘッド温度推移判別手段により上記サーマルヘッド温度の推移状態が上昇傾向と判別され、上記サーマルヘッドの駆動部異常による異常過熱と判断された場合に、その旨の表示を行う表示手段を有することを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項ないし12の何れか一つに記載の製版装置において、上記サーマルヘッド温度推移判別手段により上記サーマルヘッド温度の推移状態が上昇傾向と判別され、上記サーマルヘッドの駆動部異常による異常過熱と判断された場合に、その内容を音声で告知する音声告知手段および警告音を発することで警告する警告音発生手段のうちの少なくとも一方の手段を有することを特徴とする。
請求項14記載の発明は、請求項ないし13の何れか一つに記載の製版装置において、上記サーマルヘッド温度の検出時に、上記サーマルヘッド温度検出手段からの信号に対してチャタリング処理を行うことを特徴とする。
請求項15記載の発明は、請求項ないし14の何れか一つに記載の製版装置において、上記サーマルヘッド温度推移判別手段により上記サーマルヘッド温度の推移状態が下降傾向と判別された場合であって、上記サーマルヘッド温度上限閾値温度または上記サーマルヘッド温度上限閾値近傍温度以下に設定されている製版動作復帰閾値温度以下となったとき、画像信号に基づく製版動作を自動的に行うことを特徴とする。
ここで、「画像信号に基づく製版動作」とは、後述する実施形態で説明するように画像センサで読み取ったものに限らず、例えば密着センサ等の画像センサで読み取ったものや、コントローラを介して製版装置あるいは製版印刷装置と通信可能に接続されたパーソナル・コンピュータ(以下、「パソコン」という)やホストコンピュータ等から出力・送信される画像信号に基づく製版動作であっても構わない。
請求項16記載の発明は、請求項1ないし15の何れか一つに記載の製版装置において、上記製版装置へ電力を供給する電源のオン後に、少なくとも1回は、上記サーマルヘッド温度推移判別手段による上記判別動作を実施することを特徴とする。
請求項17記載の発明は、請求項1ないし16の何れか一つに記載の製版装置において、上記サーマルヘッド温度推移判別手段により上記サーマルヘッド温度の推移状態が上昇傾向と判別されることで、上記サーマルヘッドの駆動部異常による異常過熱と判別された場合には、少なくとも上記サーマルヘッドヘ供給している電力の供給を停止させることを特徴とする。
請求項18記載の発明は、製版されたマスタを巻装する版胴と、この版胴上のマスタにインキを供給するインキ供給手段とを具備し、版胴上の上記マスタに印刷用紙を押し付けて該印刷用紙に印刷を行う製版印刷装置において、請求項1ないし17の何れか一つに記載の製版装置を有することを特徴とする。
サーマルヘッドは、主走査方向に配列された複数の発熱体を具備したものであれば、公知の全ての形式・タイプのものを含む。すなわち、サーマルヘッドとしては、平面型サーマルヘッド、端面型サーマルヘッド、リアルエッジ型サーマルヘッドまたはコーナーエッジ型サーマルヘッドであってもよい。グレーズ層構造としては、全面グレーズのみならず、部分グレーズでも構わなく、発熱体(発熱抵抗体、発熱素子)の形状は、いわゆる矩形型でも熱集中型でもよい。
本発明によれば、上述した従来の問題点を解決して新規な製版装置および製版印刷装置を提供することができる。主要な効果を挙げれば以下のとおりである
発明によれば、サーマルヘッド温度検出手段により検出されたサーマルヘッド温度が、サーマルヘッド温度上限閾値温度またはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度を超えた場合に、サーマルヘッド温度の推移状態として上昇傾向かあるいは下降傾向かを判別するサーマルヘッド温度推移判別手段を有することにより、上昇傾向時にはサーマルヘッドの駆動部異常による異常過熱と判断し、連続製版時におけるサーマルヘッドの異常過熱との判別を行うことが可能となるので、ユーザは連続製版時における異常過熱時にもサービスマンを呼び出すという事態になってしまうことを未然に防止することが可能になると共に、ユーザがサービス費用等を負担しなければならない事態も低減される。
本発明によれば、サーマルヘッドの駆動部異常による異常過熱に関する例えばサービスマンコール等の表示の他に、連続製版時におけるサーマルヘッドの異常過熱に関する表示や音声告知あるいは警告音による手段として複数持つことが可能となったため、さらに確実に上記効果を奏する。
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態および実施例を含む本発明の一実施形態を説明する。上述した背景技術、実施形態や変形例等に亘り、同一の機能および形状等を有する部材や構成部品等の構成要素については、同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がないものは適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素をそのまま引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、実施形態等のそれと区別するものとする。
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態を示すデジタル感熱孔版式の製版装置およびこの製版装置を有するデジタル感熱孔版式の製版印刷装置の全体構成とその動作について説明する。製版印刷装置は、孔版印刷装置とも呼ばれる。
図1において、符号50は、製版印刷装置の骨組みをなす装置本体フレームを示す。装置本体フレーム50の上部にある、符号80で示す部分は原稿読取装置を構成し、その下方の符号1で示す部分は本発明を具体的に適用した製版装置、その左側に符号100で示す部分は多孔性の版胴とも呼ばれる印刷ドラム101が配置された印刷ドラム装置、その左の符号70で示す部分は排版装置、製版装置1の下方の符号110で示す部分は給紙装置、印刷ドラム101の下方の符号120で示す部分は印圧装置、装置本体フレーム50の左下方の符号130で示す部分は排紙装置をそれぞれ示している。この製版印刷装置には、製版装置1が装置本体フレーム50に装備されている。
この製版印刷装置の全体構成および基本的な動作について、図1に示す製版印刷装置の全体構成および図2に示す操作パネル90を参照して以下に説明する。
先ず、原稿読取装置80の上部に配置された原稿載置台(図示せず)に、印刷すべき画像をもった原稿60を載置し、操作パネル90の製版スタートキー91を押す。この製版スタートキー91の押下に伴い、先ず排版工程が実行される。すなわち、この状態においては、印刷ドラム装置100の印刷ドラム101の外周面に前回の印刷で使用された使用済みのマスタ12が装着されたまま残っている。
印刷ドラム101が反時計回り方向に回転し、印刷ドラム101外周面の使用済みのマスタ12の後端部が排版装置70における排版剥離ローラ対71a,71bに近づくと、同ローラ対71a,71bは回転しつつ一方の排版剥離ローラ71bで使用済みのマスタ12の後端部をすくい上げ、排版剥離ローラ対71a,71bの左方に配設された排版コロ対73a,73bと排版剥離ローラ対71a,71bとの間に掛け渡された排版搬送ベルト対72a,72bで矢印Y1方向へ搬送されつつ排版ボックス74内へ排出され、使用済みのマスタ12が印刷ドラム101の外周面から引き剥がされ排版工程が終了する。この時、印刷ドラム101は反時計回り方向への回転を続けている。剥離排出された使用済みのマスタ12は、その後、圧縮板75により排版ボックス74の内部で圧縮される。
排版工程と並行して、原稿読取装置80では原稿読み取りが行われる。すなわち、図示しない原稿載置台に載置された原稿60は、分離ローラ81、前原稿搬送ローラ対82a,82bおよび後原稿搬送ローラ対83a,83bのそれぞれの回転により矢印Y2からY3方向に搬送されつつ露光読み取りに供される。このとき、原稿60が多数枚あるときは、分離ブレード84の作用でその最下部の原稿のみが搬送される。原稿60の画像読み取りは、コンタクトガラス85上を搬送されつつ、蛍光灯86により照明された原稿60の表面からの反射光を、ミラー87で反射させレンズ88を通して、CCD(電荷結合素子等の光電変換素子)からなる画像センサ5に入射させることにより行われる。その画像が読み取られた原稿60は原稿トレイ80A上に排出される。
原稿60の光学情報は画像センサ5で光電変換され、そのアナログの電気信号はアナログ/デジタル(A/D)変換部6に入力されデジタルの画像信号に変換される。このデジタルの画像信号は画像処理部7で画像処理を施され、こうして画像処理を施された画像信号は、製版制御部8に入力される。製版制御部8に入力された画像信号は、既に公知であり後で補足説明する制御処理を適宜施された上で図示しないサーマルヘッド駆動回路を介してサーマルヘッド10に送信される。
なお、画像処理部7を介して製版制御部8に入力される画像信号は、CCDからなる画像センサ5で読み取ったものに限らず、上述したように例えば密着センサ等の画像センサで読み取ったものや、パソコン等から送信される画像信号であっても構わない。
一方、この画像読み取り動作と並行して、デジタル信号化された画像情報(画像データ信号)に基づき製版および給版工程が行われる。すなわち、マスタ12は、製版装置1の所定部位にマスタ12を繰り出し可能にセットされ、芯管12aの周りにロール状に巻かれて形成されたマスタロール12Aから引き出され、サーマルヘッド10にマスタ12を介して押圧しているプラテンローラ14、および一対のテンションローラ15a,15bの回転によりマスタ搬送方向である副走査方向Yの下流側に搬送される。このように搬送されるマスタ12に対して、サーマルヘッド10における副走査方向Yと直交する主走査方向にライン状に並んだ複数(多数)個の微小な発熱体9が、製版制御部8から送られてくるデータ信号に応じて各々選択的に発熱し、発熱した発熱体9に保護膜層(図示せず)を介して接触しているマスタ12の熱可塑性樹脂フィルム部分が加熱溶融穿孔される。このように、画像情報に応じたマスタ12の位置選択的な溶融穿孔により、画像情報が穿孔パターンとしてマスタ12に書き込まれる。
プラテンローラ14は、タイミングベルトおよびギヤ等の回転伝達部材(図示せず)を介してマスタ送りモータ11に連結されていて、マスタ送りモータ11により回転される。マスタ送りモータ11は、例えばステッピングモータからなる。マスタ送りモータ11の回転駆動力は、ギヤ等の回転伝達部材(図示せず)を介して、テンションローラ対15a,15bおよび電磁クラッチ(図示せず)を介して上下一対の反転ローラ17a,17bに伝達されるようになっている。
画像情報が書き込まれた製版済みのマスタ12の先端は、ガイド板16上を案内されつつ反転ローラ対17a,17bにより印刷ドラム101の外周部側へ向かって送り出され、給版ガイド板18により進行方向を下方へ変えられ、図示する給版位置状態にある印刷ドラム101の拡開したマスタクランパ102(二点鎖線で示す)へ向かって垂れ下がる。このとき印刷ドラム101は、排版工程により使用済みのマスタ12を既に除去されている。
そして、製版済みのマスタ12の先端が、一定のタイミングでマスタクランパ102によりクランプされると、印刷ドラム101は図中A方向(時計回り方向)に回転しつつ外周面に製版済みのマスタ12を徐々に巻き付けていく。製版済みのマスタ12の後端部はカッタ13により一定の長さに切断される。
1版分の製版済みのマスタ12が印刷ドラム101の外周面に巻装されると製版および給版工程が終了し、印刷工程が開始される。先ず、給紙台51上に積載された印刷用紙62のうちの最上位の1枚が、給紙コロ111および分離コロ対112a,112bによりレジストローラ対113a,113bに向けて矢印Y4方向に送り出され、さらにレジストローラ対113a,113bにより印刷ドラム101の回転と同期した所定のタイミングで印圧装置120に送られる。送り出された印刷用紙62が、印刷ドラム101とプレスローラ103との間にくると、印刷ドラム101の外周面下方に離間していたプレスローラ103が上方に移動されることにより、印刷ドラム101の外周面に巻装された製版済みのマスタ12に押圧される。こうして、印刷ドラム101の多孔部および製版済みのマスタ12の穿孔パターン部(共に図示せず)からインキが滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙62の表面に転移されて、印刷画像が形成される。
この時、印刷ドラム101の内周側では、インキ供給管104からインキローラ105とドクターローラ106との間に形成されたインキ溜まり107にインキが供給され、印刷ドラム101の回転方向と同一方向に、かつ、印刷ドラム101の回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキローラ105により、インキが印刷ドラム101の内周側に供給される。インキ供給管104、インキローラ105およびドクターローラ106は、印刷ドラム101上の製版済みのマスタ12にインキを供給するインキ供給手段を構成する。
印圧装置120において印刷画像が形成された印刷用紙62は、排紙装置130における排紙剥離爪114により印刷ドラム101から剥がされ、吸着用ファン118により吸引されつつ、吸着排紙入口ローラ115および吸着排紙出口ローラ116に掛け渡された多孔性の搬送ベルト117の反時計回り方向の回転により、矢印Y5のように排紙台52へ向かって搬送され、排紙台52上に順次排出積載される。このようにしていわゆる版付け印刷が終了する。
次に、操作パネル90のテンキー93で印刷枚数をセットし、印刷スタートキー92を押すと上記版付け印刷と同様の工程で、給紙、印刷および排紙の各工程がセットした印刷枚数分繰り返して行われ、孔版印刷の全工程が終了する。
以下、操作パネル90、マスタ12および製版装置1周りの構成について補足説明をする。
図1に示した製版印刷装置で現在使用されているマスタ12としては、例えば熱可塑性樹脂フィルムと、和紙繊維とか合成繊維あるいは和紙繊維および合成繊維を混抄したもの等からなる多孔質支持体とを貼り合わせたラミネート構造のものが挙げられる。熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)系のものが用いられる。なお、マスタ12としては、公知の全てのマスタ、すなわち一般的に、製版印刷装置で使用されるマスタ12の厚みとしては、20〜60μmの範囲のものであり、そのうちの熱可塑性樹脂フィルムの厚みとしては、1.0〜2.5μmの範囲のものである。
マスタ12は、上記した物に限らず、マスタ12の多孔質支持体の厚さを薄くしたマスタであってもよく、例えば本願出願人が提案した特開平11−77949号公報に記載されているような合成繊維ベースマスタ(2)でもよいし、また合成樹脂フィルムに溶融した樹脂を塗布して合成樹脂フィルムに樹脂膜を一体的に形成したようなマスタ、あるいは実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタも使用することができる。
操作パネル90は、原稿読取装置80の上部の一側部に配設されている。操作パネル90には、図2に示すように、製版スタートキー91、テンキー93、印刷スタートキー92、試し刷りキー94、エンターキー95、モードクリアキー96、スピーカ97A、ブザー97B、LCD(液晶表示装置)表示部98および印刷枚数表示器99等が配置されている。
製版スタートキー91は、原稿の画像の読み取りから排版、製版、給版、給紙、版付け印刷、排紙工程に至るまでの一連の工程(動作)を起動するための動作起動手段としての機能を、テンキー93は、印刷枚数等を入力・設定する機能を、印刷スタートキー92は、テンキー93で入力・設定された印刷枚数分の印刷動作の起動等を行う機能を、試し刷りキー94は、試し刷り印刷動作を起動する機能を、それぞれ有する。試し刷りキー94は、1回押すと1枚通紙されて試し刷り印刷され、押し続けるとその枚数分通紙されて試し刷り印刷される。
エンターキー95は、各種設定時に数値等を確定・設定する機能を、モードクリアキー96は、各種モード設定状態を消去・クリアする機能を有し、それぞれそれらの機能を発揮させたい場合等に押下される。
テンキー93、エンターキー95およびモードクリアキー96を含むキー関係は、後述する設定値設定手段および作動設定手段としての機能を有する。
スピーカ97Aは、図示しないスピーカ駆動回路を介して駆動され、第1に、サーミスタ37により検出されたサーマルヘッド温度T(以下、単に「サーマルヘッド温度T」というときがある)が、後述する図5ないし図7に示すように、サーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えた場合に、サーマルヘッド10の温度が高くなっていることを音声で告知する音声告知手段としての機能を有する。
スピーカ97Aは、第2に、図3に示すサーマルヘッド温度推移判別手段3によりサーミスタ37で検出されたサーマルヘッド温度の推移状態(以下、「サーマルヘッド温度推移状態」という)が下降傾向と判別された場合に、図5ないし図7に示すように、サーマルヘッド温度上限閾値温度Tまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tb以下に設定されている製版動作復帰閾値温度Tc以下となるまでサーマルヘッド10の温度が高くなっていることを告知する告知手段としての機能を有する。
スピーカ97Aは、第3に、サーマルヘッド温度推移判別手段3によりサーマルヘッド温度推移状態が下降傾向と判別された場合に、サーマルヘッド10の温度が高くなっていることおよび製版動作の待機を促すことの少なくとも一方を音声で告知する音声告知手段としての機能を有する。
スピーカ97Aは、第4に、サーマルヘッド温度推移判別手段3によりサーマルヘッド温度推移状態が上昇傾向と判別され、サーマルヘッド10の駆動部異常による異常過熱と判断された場合に、その内容を音声で告知する音声告知手段としての機能を有する。
ブザー97Bは、図示しないブザー駆動回路を介して駆動され、第1に、サーマルヘッド温度Tが、後述する図5ないし図7に示すように、サーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えた場合に、サーマルヘッド10の温度が高くなっていることを警告音を発することで警告する警告音発生手段としての機能を有する。
ブザー97Bは、第2に、サーマルヘッド温度推移判別手段3によりサーマルヘッド温度推移状態が下降傾向と判別された場合に、図5ないし図7に示すように、サーマルヘッド温度上限閾値温度Tまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tb以下に設定されている製版動作復帰閾値温度Tc以下となるまでサーマルヘッド10の温度が高くなっていることを警告音を発することで警告する警告音発生手段としての機能を有する。
ブザー97Bは、第3に、サーマルヘッド温度推移判別手段3によりサーマルヘッド温度推移状態が下降傾向と判別された場合に、サーマルヘッド10の温度が高くなっていることおよび製版動作の待機を促すことの少なくとも一方を警告音を発することで警告する警告音発生手段としての機能を有する。
ブザー97Bは、第4に、サーマルヘッド温度推移判別手段3によりサーマルヘッド温度推移状態が上昇傾向と判別され、サーマルヘッド10の電気的駆動部異常による異常過熱と判断された場合に、それを警告音を発することで警告する警告音発生手段としての機能を有する。
LCD表示部98は、図示しないLCD駆動回路を介して駆動され、第1に、サーマルヘッド温度Tが、サーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えた場合に、サーマルヘッド10の温度が高くなっていることを文字等で表示する表示手段としての機能を有する。
LCD表示部98は、第2に、サーマルヘッド温度推移判別手段3によりサーマルヘッド温度推移状態が下降傾向と判別された場合に、図5ないし図7に示すように、サーマルヘッド温度上限閾値温度Tまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tb以下に設定されている製版動作復帰閾値温度Tc以下となるまでサーマルヘッド10の温度が高くなっていることを告知する告知手段としての機能を有する。
LCD表示部98は、第3に、サーマルヘッド温度推移判別手段3によりサーマルヘッド温度推移状態が下降傾向と判別された場合に、サーマルヘッド10の温度が高くなっていることおよび製版動作の待機を促すことの少なくとも一方を文字等で表示する表示手段としての機能を有する。
LCD表示部98は、第4に、サーマルヘッド温度推移判別手段3によりサーマルヘッド温度推移状態が上昇傾向と判別され、サーマルヘッド10の駆動部異常による異常過熱と判断された場合に、その旨の表示例としてサービスマンコール等の表示を文字等で行う表示手段としての機能を有する。
LCD表示部98は、第1ないし第4の機能の他に、操作の状態や警告等のメッセージあるいは選択されている機能等の表示をしたり、その機能を選択・設定するための操作内容を随時表示したりする機能も有する。
上記表示手段や上記告知手段としては、LCD表示部98に限らず、例えばLED駆動回路を介して駆動制御される複数のLEDによる文字表示部の点灯あるいは点滅表示等も含まれる。また、上記各キーやLCD表示部98の切り替え表示をタッチパネル式で行ってもよい。印刷枚数表示器99は、図示しないLED駆動回路を介して印刷枚数および印刷動作中の残印刷枚数等を表示する機能を有する。
次に、図3を参照して、サーマルヘッド10を制御する制御構成を補足すると共に、主としてサーマルヘッド温度推移状態の上昇または下降傾向を判別することによりサーマルヘッド10の異常過熱を判別・判断する制御構成について説明する。図3に示すように、サーマルヘッド10に関連する制御構成は、マイクロプロセッサ2、ROM(読み出し専用記憶装置)等を含むメモリ関係部4、製版制御部8、サーミスタ37が挙げられる。
なお、本発明の要部の本質的な制御構成としては、図3に示した制御構成に限らず、同ブロック図から画像センサ5、A/D変換部6、画像処理部7および製版制御部8の制御構成要素を削除して、簡明に表現するものでも構わない。
製版制御部8とマイクロプロセッサ2とは相互に信号を送受信する関係にあり、マイクロプロセッサ2とメモリ関係部4およびマイクロプロセッサ2と操作パネル90は、それぞれ相互に信号を送受信する関係にある。
サーミスタ37は、図3および図4に示すように、サーマルヘッド10の温度を検出するサーマルヘッド温度検出手段としての機能を有する。サーミスタ37からのサーマルヘッド温度に係る信号は、本実施形態では製版制御部8を経由してマイクロプロセッサ2の図示しないCPUに付属して配設されているA/D変換部(図示せず)から該CPUに送信・入力される。勿論、製版制御部8を経由させずにマイクロプロセッサ2の上記A/D変換部を介して該CPUに送信・入力するように構成することもできる。また、マイクロプロセッサ2の上記CPUにあるA/D変換部に限らず、A/D変換機能を持った別のIC(集積回路)を使用しても構わない。サーマルヘッド10の温度の検出箇所は、発熱体9の表面部分、例えば電極に囲まれた発熱体9中央の表面部分に近い部位であることが望ましいが、現時点における技術では、その部分での検出は不可に近いので、ここではサーマルヘッド10に搭載されている回路基板上であるサーマルヘッド基板27上でサーマルヘッド10本体の温度検出を行う。
サーミスタ37は、比較的小型かつ安価であり、サーマルヘッド10の温度の検出に関して所望する感度・信頼性を備えているので好ましいが、このような利点を望まなくてもよいのであれば他の周知の温度検出手段でも構わない。サーミスタ37の配置箇所はサーマルヘッド基板27上に限らず、アルミ放熱板とも呼ばれるアルミ放熱支持体36の内部に設けてもよい。図4において、符号28は、サーマルヘッド10の発熱体収容部である。
サーミスタ37から、製版制御部8を経由してマイクロプロセッサ2部の上記A/D変換部に送信・入力されるサーマルヘッド温度に係る信号としては、その環境に見合った電気信号のみならば良いが、上記A/D変換部の入力部までの配線パターンやハーネス部においてノイズ等が加わってしまう。そこで、サーマルヘッド温度の検出時において、上記ノイズの影響を低減させるために、サーミスタ37からの信号処理に関しては公知のチャタリング処理を行うことが望ましい。
製版制御部8は、既に公知である熱履歴制御を行う図示しない熱履歴制御手段、コモンドロップ補正制御を行う図示しない印字率補正制御手段としての構成・機能を有すると共に、これらからのサーマルヘッド10を駆動する際の各種信号の生成を行う他に、サーマルヘッド温度別穿孔エネルギー調整手段20、通電率別穿孔エネルギー調整手段21からのサーマルヘッド10を駆動する際の各種信号の生成を行うための構成・機能も有する。図3では、サーマルヘッド温度別穿孔エネルギー調整手段20および通電率別穿孔エネルギー調整手段21としての構成・機能を製版制御部8に持たせているように示されているが、実質的にはマイクロプロセッサ2がそれらの構成・機能を有している。なお、それらを製版制御部8に持たせても勿論構わない。
サーマルヘッド温度別穿孔エネルギー調整手段20は、サーマルヘッド10の個々の発熱体9に供給する穿孔用エネルギーを、サーミスタ37により検出されたサーマルヘッド温度に応じて、所定のエネルギーに調整する機能を有する。通電率別穿孔エネルギー調整手段21は、サーマルヘッド10の個々の発熱体9に供給する穿孔用エネルギーを、各発熱体9に通電させる通電数を計数する通電数計数手段が計数した通電数に応じて、所定のエネルギーに調整する機能を有する。
通電率別穿孔エネルギー調整手段21の機能を概略的に説明すると、次のようになる。すなわち、穿孔・製版させる印字数が多いほど、サーマルヘッド10までのハーネス抵抗分やサーマルヘッド10内のコモン電極での抵抗分のロスが大きくなり、低印字率で最適な穿孔用エネルギーを印加させて穿孔させた場合、高印字率では最適な穿孔状態が得られず、最悪の場合は穿孔用エネルギーの不足による穿孔不良(未穿孔)が生じてしまう。このような現象を発生させないために穿孔・製版させようとする各発熱体9に対する印字数をカウントし、そのロス分を補うために通電パルス幅を長くし、最適な穿孔用エネルギー条件に設定する手段である。
メモリ関係部4には、サーマルヘッド10を駆動制御するための各種のデータ、すなわちサーマルヘッド温度別穿孔エネルギー調整および通電率別穿孔エネルギー調整等を行うことによって、マスタ12の穿孔・製版時において最適な穿孔の大きさを得るための穿孔用エネルギー(通電パルス幅等)に係る関係データおよび後述する動作プログラム等が予め記憶されている。
所定のエネルギーに調整された穿孔用エネルギーの供給は、画像信号に応じて、サーマルヘッド10の個々の発熱体9への通電パルス幅の変化により行ってもよいし、あるいは画像信号に応じて個々の発熱体9に流す電流値もしくは個々の発熱体9に印加する電圧値の変化により行うようにしてもよい。また、マイクロプロセッサに入力しなくても良い方法もあり、それは製版制御部内のIC内で達成できる。
本実施形態の製版印刷装置では、製版制御部8に入力された画像信号は、上記熱履歴制御、上記通電率別穿孔エネルギー調整制御およびサーマルヘッド10を駆動する際の各種信号制御等に用いられる他に、通電率別穿孔エネルギー調整手段21で実際に各発熱体9に通電させて穿孔・製版させるための印字数をカウントし、そのカウントした印字率データ等を一度マイクロプロセッサ2へ入力し、ここでメモリ関係部4に予め記憶されていた関係データ、すなわち予め実験等で求めておいた製版状態と通電パルス幅との関係データから最適な通電パルス幅を呼び出して設定するためにも用いられる。製版制御部8は、マスタ送りモータ11を駆動することによりマスタ12を繰り出し搬送させながら、上述したように設定された最適な通電パルス幅に基づいてマスタ12の熱可塑性樹脂フィルム部分を加熱溶融穿孔させる。上述した通電パルス幅に係るデータはサーマルヘッド10の温度によって異なる。
次に、図5ないし図7を参照して、本実施形態に特有の、サーマルヘッド温度推移状態の上昇または下降傾向を判別することによりサーマルヘッド10の異常過熱を判別する制御構成およびこれに伴う各種表示、警告等を行う制御構成について詳述する。
まず、図5を参照して、サーマルヘッド温度推移状態を判別することによりサーマルヘッド10の異常過熱を判別・判断する基本的な原理を説明する。図5ないし図7において、縦軸にはサーミスタ37で検出されるサーマルヘッド温度T等の温度目盛りが、横軸には製版回数n(時間でもある)がそれぞれ取られている。
本実施形態の製版装置1を具備した製版印刷装置では、図5に破線で示すように、サーマルヘッド10の動作保証温度以下のサーマルヘッド温度上限閾値温度Taが予め設定されていて、例えばメモリ関係部4に関係データとして予め記憶されている。さらに、本実施形態では、同図に一点鎖線で示すように、サーマルヘッド温度上限閾値温度Taよりも低め(Ta−Tb=α(℃))のサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbが予め設定されていて、例えばメモリ関係部4に関係データとして予め記憶されていることが一つの特徴となっている。
これにより、サーマルヘッド温度Tがサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えた場合に、製版動作への移行を禁止すると共に、サーマルヘッド10の温度が高くなっていることを警告表示または音声やブザーの警告音で警告することで、サーマルヘッド温度上限閾値温度Taに達する確率を低減する構成を採っている。
このような観点から、製版動作への移行の禁止条件および上記警告条件を、サーマルヘッド温度上限閾値温度Taに達する確率を低減することのできるサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを基準とした場合と、サーマルヘッド温度上限閾値温度Taを基準とした場合との双方が考えられる。しかしながら、上記利点を望まなくてもよいのであればどちらを基準としても構わないので、以下、「サーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tb」という表現で択一的に説明するものとする。
本発明での狙いとする動作としては、サーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えたときに、サーマルヘッド10の温度が高くなっていることを告知(表示や音声あるいは警告音による告知の少なくとも1つを含む)して、サーマルヘッド温度上限閾値温度Taを超えたときに、製版動作への移行を禁止するということになる。
サーマルヘッド温度上限閾値温度Taおよびサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbの具体的な設定例としては、製版装置の機種、サーマルヘッド仕様や製版条件によって変動するものであるため一概には言えないが、製版装置1で使用するサーマルヘッド10の主走査方向の解像度が300dpi(ドット/インチ)である場合、大体Ta=64℃、Tb=54℃、α=10℃に設定する例を挙げることができる。
基本的にはサーマルヘッド温度Tが、サーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えた場合に、製版動作への移行が禁止されて同動作が不可能になっているにも拘わらず、図3に示すマイクロプロセッサ2に具備されているサーマルヘッド温度推移判別手段3によって、サーマルヘッド温度推移状態が上昇傾向かあるいは下降傾向かを判別する。
判別方法としては、サーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えると、サーミスタ37からのサーマルヘッド温度Tの複数回の検出情報に基づいて判別する。さらに詳しく述べれば、サーマルヘッド温度推移判別手段3は、製版印刷装置の各装置等に電力を供給する電源スイッチ(図示せず)のオン後にサーミスタ37から常時送信されてくるサーマルヘッド温度に係る信号を受けて設定されている時間間隔で複数回に亘り計算することでサーマルヘッド温度Tを認識し、そのサーマルヘッド温度Tが複数回連続して上昇または下降傾向が続いた場合に上昇または下降顕向と判断する構成を本実施形態では採っている。
その際、製版動作が行われていない状態でサーマルヘッド温度Tが上昇し続ける上昇傾向と判別された場合には、明らかにサーマルヘッド10の電気的駆動部異常(例えば、ハーネスショート、回路異常、基板内異常、サーミスタ異常)と判断することができる。
図6は、サーマルヘッド温度Tがサーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えた場合に、サーマルヘッド温度推移判別手段3で上昇傾向と判別された際のサーマルヘッド温度推移状態の一例を示す。この例では、サーマルヘッド温度Tの検出回数が3回(t1〜t3)で上昇連続状態での確定回数として3回、サーマルヘッド温度Tの3回の検出回数の時間間隔がそれぞれ等間隔のt2−t1、t3−t2となっている。
サーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超える境界のHポイント以降は、製版動作への移行はできなくなっており、サーマルヘッド10ヘ供給している電力に係るVhd電源等はオフしている。また、サーマルヘッド10に具備されているサーミスタ37の出力に関係の無い信号関係も、全出力停止させる構成でも構わない。つまり、サーミスタ37からのサーマルヘッド温度に係る信号のみ出力されている。
そして、3回目の検出時間であるt3のポイント(上昇傾向が確定したポイント)でサービスマンコールをLCD表示部98に表示させる。
逆に、連続製版動作が行われている状態でサーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えた場合であって、サーマルヘッド温度Tの複数回の検出回数に亘り下降傾向が見受けられた際には、サーマルヘッド10の電気的駆動部異常とは判断せず、製版装置1の連続製版時による温度上昇であると判断する。ここで、「製版装置1の連続製版時」には、連続製版を実質的に行わない1回のみの製版時も含まれる。
図7は、サーマルヘッド温度Tがサーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えた場合に、サーマルヘッド温度推移判別手段3で下降傾向と判別された際のサーマルヘッド温度推移状態の一例を示す。この例ではサーマルヘッド温度Tの検出回数が4回(t1〜t4)で下降連続状態での確定回数として3回、サーマルヘッド温度Tの4回の検出回数の時間間隔がそれぞれ等間隔のt2−t1、t3−t2、t4−t3となっている。
図6に示したと同様に、Hポイント以降は、製版動作への移行はできなくなっており、サーマルヘッド10ヘ供給している電力に係るVhd電源等はオフしている。また、サーマルヘッド10に具備されているサーミスタ37の出力に関係の無い信号関係も、全出力停止させる構成でも構わない。
図7に示した例では、時間t1でサーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えた場合において、時間t1で上昇傾向が検出されたが、時間t2〜t4で下降傾向が3回連続して検出されたので(下降傾向の確定)、製版装置1の連続製版による温度上昇と判別する。その際、サーマルヘッド10の動作保証温度以下に設定してあるサーマルヘッド温度上限閾値温度Ta以下になったら製版が可能としても構わないが、ある程度サーマルヘッド温度が下がったところを閾値とすることで、再びすぐにサーマルヘッド10の異常過熱が発生しないように設定しても構わない。
本実施形態例では、サーマルヘッド10の動作保証温度以下に設定してあるサーマルヘッド温度上限閾値温度Ta以下の製版動作復帰閾値温度Tc以下になるまで製版動作に移行できず、また製版動作が待機中であることを知らせる警告や表示を行うようになっている。製版動作復帰閾値温度Tc以下になったことが確認されると、セットした原稿(パソコン等からの画像データに基づくオンラインも含む)の製版動作を自動的に行うことも可能となっている。
上述したサーマルヘッド温度推移状態を判別することによりサーマルヘッド10の異常過熱を判別する基本的な原理を踏まえた上で、サーマルヘッド温度推移判別手段3等の機能をまとめて説明する。
テンキー93、エンターキー95およびモードクリアキー96を含むキー関係は、サーマルヘッド温度上限閾値温度Ta、サーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tb、製版動作復帰閾値温度Tc、図3に示すサーミスタ37によるサーマルヘッド温度の複数回の検出回数、該検出回数間の時間間隔および該検出回数がどの程度の回数連続すればサーマルヘッド温度の推移状態が上昇もしくは下降傾向と判別するかの連続回数等の少なくとも一つの設定値の設定を行う設定値設定手段、ならびに後述する表示手段としてのLCD98表示部、後述する音声告知手段としてのスピーカ97Aおよび警告音発生手段としてのブザー97Bの少なくとも一つの作動の有無の設定を行う作動設定手段としての機能を有し、メモリ関係部4に記憶されるいわゆるサービスマンプログラムと呼ばれる既定のプログラムを随時変更可能になっている。
メモリ関係部4は、上記設定値設定手段や作動設定手段(テンキー93、エンターキー95およびモードクリアキー96で構成される)により設定された少なくとも1つの上記設定値、少なくとも一つの作動の有無の設定を記憶する記憶手段としての機能を有する。
メモリ関係部4には、サーマルヘッド温度上限閾値温度Ta、サーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tb、製版動作復帰閾値温度Tc、図3に示すサーミスタ37によるサーマルヘッド温度の複数回の検出回数、該検出回数間の時間間隔および該検出回数がどの程度の回数連続すればサーマルヘッド温度の推移状態が上昇もしくは下降傾向と判別するかの連続回数等の関係データが記憶されている他、マイクロプロセッサ2およびサーマルヘッド温度推移判別手段3が発揮すべき制御・演算機能、ならびに図8ないし図10に示す動作プログラム等が予め記憶されている。
マイクロプロセッサ2の主として図示しないCPUは、サーミスタ37により検出されたサーマルヘッド温度Tが、サーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えた場合に、サーマルヘッド温度推移状態として上昇傾向かあるいは下降傾向かを判別することにより、サーマルヘッド10の主として電気的駆動部異常による異常過熱と製版装置1の連続製版時におけるサーマルヘッド10の異常過熱とを判別・判断するサーマルヘッド温度推移判別手段3としての基本的な判別機能を備えている。以下、マイクロプロセッサ2の上記CPUを、理解しやすい上位概念用語であるサーマルヘッド温度推移判別手段3と言い替える。
サーマルヘッド温度推移判別手段3は、上記判別機能において、サーミスタ37からのサーマルヘッド温度の複数回の検出情報に基づいて、サーマルヘッド温度推移状態が複数回連続して上昇または下降傾向となったときに上昇または下降傾向と判別する機能を有する。すなわち、サーマルヘッド温度推移判別手段3は、サーマルヘッド温度推移状態として、複数回連続して上昇傾向が続いたときには、サーマルヘッド10の電気的駆動部異常と判断し、複数回連続して下降傾向が続いたときには、連続製版時におけるサーマルヘッド10の異常過熱と判別・判断するものである。
逆にいえば、サーマルヘッド温度推移判別手段3は、上記判別機能において、サーミスタ37からのサーマルヘッド温度の複数回の検出情報に基づいて、サーマルヘッド温度推移状態が複数回連続して上昇または下降傾向となるまで上昇または下降傾向と判別しない機能を有する。すなわち、サーマルヘッド温度推移判別手段3は、サーマルヘッド温度推移状態として、複数回連続して上昇傾向が続かないときには、サーマルヘッド10の電気的駆動部異常と判断せず、複数回連続して下降傾向が続かないときには、連続製版時におけるサーマルヘッド10の異常過熱と判断しないものである。
マイクロプロセッサ2(サーマルヘッド温度推移判別手段3でもよく、これは以下のマイクロプロセッサ2の機能でも同様)は、サーミスタ37により検出されたサーマルヘッド温度が、サーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えた場合に、製版動作への移行を禁止するように、マスタ送りモータ11および図示しないサーマルヘッド駆動回路を制御する機能を有する。
マイクロプロセッサ2は、サーミスタ37により検出されたサーマルヘッド温度Tが、サーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えた場合に、スピーカ97Aがサーマルヘッド10の温度が高くなっていることを音声で告知するように上記スピーカ駆動回路を制御する機能、およびブザー97Bが警告音を発することで警告するように上記ブザー駆動回路を制御する機能の少なくとも一方の機能を有する。
マイクロプロセッサ2は、サーマルヘッド温度推移判別手段3によりサーミスタ37で検出されたサーマルヘッド温度推移状態が下降傾向と判別された場合に、サーマルヘッド温度上限閾値温度Tまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tb以下に設定されている製版動作復帰閾値温度Tc以下となるまでサーマルヘッド10の温度が高くなっていることを音声で告知するように上記スピーカ駆動回路を制御する機能、およびブザー97Bが警告音を発することで警告するように上記ブザー駆動回路を制御する機能の少なくとも一方の機能を有する。
マイクロプロセッサ2は、サーマルヘッド温度推移判別手段3によりサーマルヘッド温度推移状態が下降傾向と判別された場合に、サーマルヘッド10の温度が高くなっていることおよび製版動作の待機を促すことの少なくとも一方を音声で告知するように上記スピーカ駆動回路を制御する機能、およびブザー97Bが警告音を発することで警告するように上記ブザー駆動回路を制御する機能の少なくとも一方の機能を有する。
マイクロプロセッサ2は、サーマルヘッド温度推移判別手段3によりサーマルヘッド温度推移状態が上昇傾向と判別され、サーマルヘッド10の電気的駆動部異常による異常過熱と判断された場合に、その内容を音声で告知するように上記スピーカ駆動回路を制御する機能、およびブザー97Bが警告音を発することで警告するように上記ブザー駆動回路を制御する機能の少なくとも一方の機能を有する。
マイクロプロセッサ2は、サーミスタ37により検出されたサーマルヘッド温度Tが、サーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えた場合に、LCD表示部98がサーマルヘッド10の温度が高くなっていることを文字等で表示するように上記LCD駆動回路を制御する機能を有する。
マイクロプロセッサ2は、サーマルヘッド温度推移判別手段3によりサーマルヘッド温度推移状態が下降傾向と判別された場合に、LCD表示部98がサーマルヘッド温度上限閾値温度Tまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tb以下に設定されている製版動作復帰閾値温度Tc以下となるまでサーマルヘッド10の温度が高くなっていることを告知する(図12参照)ように上記LCD駆動回路を制御する機能を有する。
マイクロプロセッサ2は、サーマルヘッド温度推移判別手段3によりサーマルヘッド温度推移状態が下降傾向と判別された場合に、サーマルヘッド10の温度が高くなっていることおよび製版動作の待機を促すことの少なくとも一方を文字等で表示するように上記LCD駆動回路を制御する機能を有する。
マイクロプロセッサ2は、サーマルヘッド温度推移判別手段3によりサーマルヘッド温度推移状態が上昇傾向と判別され、サーマルヘッド10の電気的駆動部異常による異常過熱と判断された場合に、その旨の表示例としてサービスマンコール等の表示を文字等で行う(図11参照)ように上記LCD駆動回路を制御する機能を有する。
サーマルヘッド10の駆動部異常によるサーマルヘッド10の異常過熱の現象は、製版中のみに発生するわけではなく、製版開始前にサーマルヘッド10の駆動部異常が発生すれば、製版動作有無に拘わらずサーマルヘッド10の動作保証温度以下に設定してあるサーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えることも想定される。その様な場合においては、下記するマイクロプロセッサ2の制御機能が必要となってくる。
すなわち、マイクロプロセッサ2は、製版装置1の電源投入直後から製版開始前まで、または製版動作間の待機状態時等においてサーマルヘッド温度を検出し、サーマルヘッド温度推移判別手段3で判別されたサーマルヘッド温度推移状態が連続製版時におけるサーマルヘッド10の異常過熱以外の場合において、サーマルヘッド温度がサーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えた場合には、サーマルヘッド10の駆動部異常時の処理を行う。
この製版時以外のサーマルヘッド10の温度上昇を確認する際には、サーミスタ37によるサーマルヘッド温度の検出に基づくサーマルヘッド温度の把握を、製版開始前において1回のみの確認ではなく、ある時間間隔で検出すること、すなわち製版開始前において少なくとも1回行うことが望ましい。
近年、製版印刷装置の製版速度も高速化となってきている。従って、製版開始前および製版開始後のサーマルヘッド温度の検出のみではなく、製版中に関しても少なくとも1回サーマルヘッド温度の検出をし、その検出値より、サーマルヘッド10の蓄熱作用を考慮に入れ、より最適なサーマルヘッド10の個々の発熱体9ヘの印加エネルギーを印加することが望ましい。
連続製版時における異常過熱の場合には、サーマルヘッド10の動作保証温度以下に設定してあるサーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tb以下になるまで製版動作に移行しないようになっている。すなわち、マイクロプロセッサ2は、サーマルヘッド温度推移判別手段3によりサーマルヘッド温度推移状態が下降傾向と判別され連続製版時における異常過熱と判断された場合には、サーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tb以下に設定されている製版動作復帰閾値温度Tc以下になるまで製版動作への移行を禁止するように、マスタ送りモータ11および図示しないサーマルヘッド駆動回路を介してサーマルヘッド10を制御する機能を有する。
連続製版時における異常過熱の場合において、サーマルヘッド10の動作保証温度以下に設定してあるサーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tb以下になったら製版が可能としても構わないが、ある程度サーマルヘッド温度が下がったところを閾値として、再びすぐに製版しサーマルヘッド温度によって異常過熱が発生しないように設定しても構わない。この様な連続製版時における異常過熱の場合には、サーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tb以下の製版動作復帰閾値温度Tc以下になるまで、サーマルヘッド10の温度が高くなってしまっていることを表示・告知し(図12参照)、サーマルヘッド温度が製版動作復帰閾値温度以下になった場合、製版可能であることを表示・告知する(図13参照)ように本実施形態では行っている。
すなわち、マイクロプロセッサ2は、サーマルヘッド温度推移判別手段3によって製版装置1の連続製版時における異常過熱と判別された場合には、サーマルヘッド温度上限閾値温度Ta以下になるまで、サーマルヘッド10の動作保証温度以上であることを表示・告知し、サーマルヘッド温度がサーマルヘッド温度上限閾値温度Ta以下の製版動作復帰閾値温度以下になった場合、製版可能であることを表示・告知するようにLCD表示部98の図示しない液晶駆動回路を制御する機能を有する。
また、その際にセットされている原稿に対して自動製版を行っても構わなく、近年、製版印刷装置においてオンライン化が浸透してきており、その際には有効なものと思われる。
すなわち、マイクロプロセッサ2は、サーマルヘッド温度推移判別手段3によって連続製版時における異常過熱と判別された場合には、サーマルヘッド温度上限閾値温度Ta以下の製版動作復帰閾値温度以下になった場合、セットされている原稿を含め画像信号に基づく製版動作を自動的に行うように、原稿読取装置80の駆動部、マスタ送りモータ11および図示しないサーマルヘッド駆動回路を制御する機能を有する。
サーマルヘッド温度推移判別手段3によってサーマルヘッド温度が上昇と判断され、その状態を表示または音声案内、警告音等で知った際に製版印刷装置の電源をオフして、直ぐに上記電源をオンすることも考えられる。その場合においても、サーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えている場合には、上述した機能に係る動作を実施させ、サーマルヘッド10の電気的駆動部異常による温度上昇なのか、製版印刷装置または製版装置1の連続製版による温度上昇なのかを判別するようにしている。
図1では、A/D変換部6、画像処理部7、製版制御部8およびマイクロプロセッサ2をそれぞれ模式的に表して製版装置1内にそれぞれ配置しているが、この理由は本発明が製版装置に係るものを含むため便宜的に製版装置1内としたものである。本発明は、勿論、製版装置を搭載した製版印刷装置にも適用できるものであるから、この場合には、A/D変換部6、画像処理部7、製版制御部8およびマイクロプロセッサ2を製版装置1内にそれぞれ配置する必要はなく、製版装置1外であって、装置本体フレーム50内の適宜の部位にそれぞれ配置しても構わない。
次に、図8ないし図10を併用して、本実施形態に特有の要部動作を説明する。
先ず、ステップS1において、図1に示した製版印刷装置の電源スイッチ(図示せず)を投入・オンすると、図3に示したサーマルヘッド温度推移判別手段3を備えたマイクロプロセッサ2、メモリ関係部4、製版制御部8およびサーミスタ37等に対して電力の供給がなされて、それらが作動可能状態となる。
次いで、ステップS2へ進み、サーマルヘッド温度推移判別手段3によって、サーミスタ37で検出されたサーマルヘッド温度Tが予め設定されているサーマルヘッド温度上限閾値温度Taを超えているか否かが判別・判断される。ここでは、注記1として記載しているように、サーマルヘッド温度上限閾値温度Taよりも低めに予め設定されているサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えているか否かを、サーマルヘッド温度推移判別手段3によって判断しても構わない(これは、上述したとおり、サーマルヘッド温度上限閾値温度Taに達する確率を低減するためである)。以下、説明の簡明化のため、「サーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えているか否か」と記載することとする。製版スタートキー91が押下される製版動作前に、上記のような判断を行うのは、サーマルヘッド10の電気的駆動部異常による異常過熱の可能性があるからである。
サーマルヘッド温度Tが、サーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えていないノーの場合には、ステップS3に進み、製版スタートキー91が押下されたか否か、すなわち製版が開始されたか否かが判断される。製版スタートキー91が押下され製版開始されたイエスの場合、ステップS4に進み、上述したと同様の製版動作が行われる。
次いで、ステップS5に進み、製版が完了する。次いで、ステップS6に進み、再び、サーマルヘッド温度推移判別手段3によって、サーマルヘッド温度Tがサーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えているか否かが判別・判断される。ここで、サーマルヘッド温度Tがサーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えていないノーの場合には、ステップS7に進んで、次の製版もしくは上述したと同様の印刷動作またはしばらくの間の待機状態となる。ここで、注記2として記載しているように、待機のループ中でもサーマルヘッド温度Tは、サーマルヘッド温度推移判別手段3によって監視しても構わない。
一方、ステップS2において、サーマルヘッド温度推移判別手段3によって、サーマルヘッド温度Tがサーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えていると判別・判断された場合には、図9に示すステップS8へ進んで、サーマルヘッド10の温度が高くなっていることを、LCD表示部98に文字等で表示したり、スピーカ97Aからの音声で告知したり、ブザー97B吹鳴による警告音の発生によっても告知したりする。
次いで、ステップS9に進んで、再び、サーマルヘッド温度推移判別手段3によって、サーマルヘッド温度Tがサーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えているか否かが判別・判断される。ここで、サーマルヘッド温度Tがサーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えているイエスの場合には、ステップS10に進んで、製版動作への移行が禁止されてその状態が維持され、ステップS11へ進み、サーマルヘッド温度推移判別手段3による特有の上記判別処理がなされる。
すなわち、サーマルヘッド温度推移判別手段3による判別処理では、ステップS12に端的に記載され図6および図7等を参照して詳述したように、サーマルヘッド温度推移状態が連続的な上昇傾向にあることによるサーマルヘッド10の電気的駆動部の異常による異常過熱か、またはサーマルヘッド温度推移状態が連続的な下降傾向にあることによる連続製版時におけるサーマルヘッド10の異常過熱かが判別・判断される。
ここで、サーマルヘッド温度推移状態が連続的な上昇傾向にあることによるサーマルヘッド10の電気的駆動部異常による異常過熱の場合には、ステップS13に進み、製版・印刷動作への移行が禁止される。次いで、ステップS14に進んで、サーマルヘッド10の電気的駆動部異常と判断されたことにより、図11に示すように、“サービスマンコール”等の表示がLCD表示部98になされると共に、スピーカ97Aからの音声で告知されたり、ブザー97B吹鳴による警告音の発生によっても告知されたりする。
一方、ステップS6において、サーマルヘッド温度推移判別手段3によって、サーマルヘッド温度Tがサーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えていると判別・判断された場合には、図10に示すステップS15へ進んで、サーマルヘッド10の温度が高くなっていることを、LCD表示部98に文字等で表示したり、スピーカ97Aからの音声で告知したり、ブザー97B吹鳴による警告音の発生によっても告知したりする。以下、ステップS16〜ステップS21までは、図9のステップS9〜ステップS14に示されていると同様の動作フローが実行されるため、その説明を省略する。
一方、図9のステップS12において、サーマルヘッド温度推移状態が下降傾向にあることによる連続製版時におけるサーマルヘッド10の異常過熱の場合には、ステップS22に進み、サーマルヘッド10が連続製版にてサーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えていること等の表示、すなわち図12に示したように「ただ今、書き込み部品が温まってしまっております。大変申し訳ございませんがしばらく時間が経ってから製版をお願い致します。」がLCD表示部98になされると共に、適宜スピーカ97Aからの音声で告知されたり、ブザー97B吹鳴による警告音の発生によっても告知されたりする。
次いで、ステップS23に進み、ここで製版動作復帰閾値温度Tc以下であるか否かが判断される。製版動作復帰閾値温度Tc以下であるイエスの場合、ステップS24に進み、サーマルヘッド10が連続製版にてサーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tb以下となり、製版動作が可能になったことの表示、すなわち図13に示すように「書き込み部品の準備ができました。製版可能な状態になりました。」がLCD表示部98になされると共に、適宜スピーカ97Aからの音声で告知されたり、ブザー97B吹鳴による警告音の発生によっても告知されたりする。その後、連続製版を実行すべく、図8に示すステップS2へ進んで、上記と同様の動作フローが繰り返されることとなる。
また、図10のステップS19において、サーマルヘッド温度推移状態が下降傾向にあることによる連続製版時におけるサーマルヘッド10の異常過熱の場合には、ステップS25〜ステップS27において、図9のステップS22〜ステップS24で説明したと同様の動作が実行されることとなる。
また、図10のステップS16において、サーマルヘッド温度推移判別手段3によって、サーマルヘッド温度Tがサーマルヘッド温度上限閾値温度Taまたはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えていないノーと判別・判断された場合には、図8に示すステップS6に戻り、以下、上述した動作が実行される。
図8ないし図10に示した動作フローは、あくまでも本実施形態の一例であり、図8において注記1で説明したように、例えばサーマルヘッド温度上限閾値温度Taに代えて、サーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbおよび製版動作復帰閾値温度Tcだけによってサーマルヘッド温度上限閾値温度Taに達する確率を低減するために、サーマルヘッド温度推移判別手段3によって判別・判断するような動作例であってもよい。これとは逆に、サーマルヘッド温度上限閾値温度Taおよび製版動作復帰閾値温度Tcだけによってサーマルヘッド温度推移判別手段3によって判別・判断するような動作例であっても構わない。
上記実施形態に限らず、次のような構成例および動作であってもよい。すなわち、サーミスタ37で検出されたサーマルヘッド温度がサーマルヘッド10の動作保証温度以下の近傍に近づいたとき、すなわちサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度Tbを超えたとき、「サーマルヘッドの温度が高くなってきている」ことを告知する告知手段を有してもよい。この告知手段としては、「サーマルヘッドの温度が高くなってきている」ことを表示する表示手段としての上記LCD表示部98等の他に、音声で知らせる音声告知手段としてのスピーカ97Aや、警告音を発することで警告する警告音発生手段としてのブザー97B、あるいはこれらの2つ以上の組み合わせも含まれる。
この場合、マイクロプロセッサ2は、サーミスタ37で検出されたサーマルヘッド温度がサーマルヘッド10の動作保証温度以下の近傍に近づいたとき、「サーマルヘッドの温度が高くなってきている」ことを告知するように上記告知手段を制御する機能を有する。

以上述べたとおり、本発明を特定の実施形態等について説明したが、本発明が開示する技術的範囲は、上述した実施形態等に例示されているものに限定されるものではなく、それらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や変形例あるいは実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
本発明は、感熱孔版式の製版装置および感熱孔版式の製版印刷装置に限らず、複数の発熱体を主走査方向に備えているサーマルヘッドは、サーマルプリンタを含む感熱記録装置や感熱印字装置等の技術分野においても使用されているから、それらの技術分野にも適用ないし準用可能である。
本発明の一実施形態を示す製版印刷装置の概略的な正面図である。 図1に示した製版印刷装置に配設された操作パネルの平面図である。 図1に示した製版印刷装置の要部の制御構成を表すブロック図である。 サーマルヘッドの温度を検出するサーミスタの配置箇所を示す側面図である。 図1に示した製版印刷装置における製版回数(もしくは時間)とサーマルヘッド温度とサーマルヘッド温度上限閾値温度とサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度との関係を原理的に表したグラフである。 サーマルヘッド温度がサーマルヘッド温度上限閾値温度またはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度を超えた場合に、サーマルヘッド温度推移判別手段で上昇傾向と判別された際のサーマルヘッド温度推移状態の一例を示すグラフである。 サーマルヘッド温度がサーマルヘッド温度上限閾値温度またはサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度を超えた場合に、サーマルヘッド温度推移判別手段で下降傾向と判別された際のサーマルヘッド温度推移状態の一例を示すグラフである。 サーマルヘッドのサーマルヘッド温度推移状態による異常過熱の判別に着目したときの、図1の製版印刷装置の動作順序を示すフローチャートである。 図8のフローチャートの続きである。 図8のフローチャートの続きである。 サーマルヘッドの電気的駆動部異常による異常過熱の場合のLCD表示部への表示例である。 連続製版時における異常過熱の場合のLCD表示部への表示例である。 連続製版時における異常過熱で製版可能となった場合のLCD表示部への表示例である。 従来の製版装置や製版印刷装置における製版回数とサーマルヘッド温度とサーマルヘッド温度上限閾値温度との関係を表したグラフである。
符号の説明
1 製版装置
2 マイクロプロセッサ
3 サーマルヘッド温度推移判別手段
4 メモリ関係部
5 画像センサ
8 製版制御部
9 発熱体
10 サーマルヘッド
12 マスタ
14 プラテンローラ
37 サーミスタ(サーマルヘッド温度検出手段)
62 印刷用紙
90 操作パネル
97A スピーカ(音声告知手段、告知手段)
97B ブザー(警告音発生手段、告知手段)
98 LCD表示部(表示手段、告知手段)
101 印刷ドラム(版胴)
T サーマルヘッド温度
Ta サーマルヘッド温度上限閾値温度
Tb サーマルヘッド温度上限閾値近傍温度
Tc 製版動作復帰閾値温度
Y 副走査方向

Claims (18)

  1. 熱可塑性樹脂フィルムを有するマスタの該熱可塑性樹脂フィルム側に、主走査方向に配列された複数の発熱体を具備したサーマルヘッドを直接的に接触させると共に、上記主走査方向と直交する副走査方向にマスタを相対的に移動させつつ画像信号に応じた上記各発熱体の選択的な加熱によりドット状の製版画像をマスタに形成し、サーマルヘッド温度検出手段により上記サーマルヘッドの温度を検出可能であり、かつ、上記サーマルヘッドの動作保証温度以下のサーマルヘッド温度上限閾値温度および該温度よりも低めのサーマルヘッド温度上限閾値近傍温度のうちの少なくとも上記サーマルヘッド温度上限閾値温度が予め設定されている製版装置であって、
    上記サーマルヘッド温度検出手段により検出されたサーマルヘッド温度が、上記サーマルヘッド温度上限閾値温度または上記サーマルヘッド温度上限閾値近傍温度を超えた場合に、上記サーマルヘッド温度の推移状態として上昇傾向かあるいは下降傾向かを判別するサーマルヘッド温度推移判別手段を有することを特徴とする製版装置。
  2. 請求項1記載の製版装置において、
    上記サーマルヘッド温度が、上記サーマルヘッド温度上限閾値温度または上記サーマルヘッド温度上限閾値近傍温度を超えた場合に、製版動作への移行を禁止することを特徴とする製版装置。
  3. 請求項1または2記載の製版装置において、
    上記サーマルヘッド温度推移判別手段は、上記サーマルヘッド温度が、上記サーマルヘッド温度上限閾値温度または上記サーマルヘッド温度上限閾値近傍温度を超えた場合に、上記サーマルヘッド温度検出手段からの上記サーマルヘッド温度の複数回の検出情報に基づいて、上記判別を行うことを特徴とする製版装置。
  4. 請求項1ないし3の何れか一つに記載の製版装置において、
    上記サーマルヘッド温度推移判別手段は、上記推移状態が複数回連続して上昇または下降傾向となったときに上昇または下降傾向と判別することを特徴とする製版装置。
  5. 請求項1ないし4の何れか一つに記載の製版装置において、
    上記サーマルヘッド温度推移判別手段は、上記推移状態が複数回連続して上昇または下降傾向となるまで上昇または下降傾向と判別しないことを特徴とする製版装置。
  6. 請求項1ないし5の何れか一つに記載の製版装置において、
    上記サーマルヘッド温度が、上記サーマルヘッド温度上限閾値温度または上記サーマルヘッド温度上限閾値近傍温度を超えた場合に、上記サーマルヘッドの温度が高くなっていることを表示する表示手段を有することを特徴とする製版装置。
  7. 請求項1ないし6の何れか一つに記載の製版装置において、
    上記サーマルヘッド温度が、上記サーマルヘッド温度上限閾値温度または上記サーマルヘッド温度上限閾値近傍温度を超えた場合に、上記サーマルヘッドの温度が高くなっていることを音声で告知する音声告知手段および警告音を発することで警告する警告音発生手段のうちの少なくとも一方の手段を有することを特徴とする製版装置。
  8. 請求項1ないし7の何れか一つに記載の製版装置において、
    上記サーマルヘッド温度推移判別手段により上記推移状態が下降傾向と判別された場合に、上記サーマルヘッド温度上限閾値温度または上記サーマルヘッド温度上限閾値近傍温度以下に設定されている製版動作復帰閾値温度以下となるまで上記サーマルヘッドの温度が高くなっていることを告知する告知手段を有することを特徴とする製版装置。
  9. 請求項1ないし8の何れか一つに記載の製版装置において、
    上記サーマルヘッド温度推移判別手段により上記推移状態が下降傾向と判別された場合に、上記サーマルヘッドの温度が高くなっていることおよび製版動作の待機を促すことの少なくとも一方の表示をする表示手段を有することを特徴とする製版装置。
  10. 請求項1ないし9の何れか一つに記載の製版装置において、
    上記サーマルヘッド温度推移判別手段により上記推移状態が下降傾向と判別された場合に、上記サーマルヘッドの温度が高くなっていることおよび製版動作の待機を促すことの少なくとも一方を音声で告知する音声告知手段および警告音を発することで警告する警告音発生手段のうちの少なくとも一方の手段を有することを特徴とする製版装置。
  11. 請求項1ないし10の何れか一つに記載の製版装置において、
    上記サーマルヘッド温度推移判別手段により上記推移状態が下降傾向と判別された場合に、上記サーマルヘッド温度上限閾値温度または上記サーマルヘッド温度上限閾値近傍温度以下に設定されている製版動作復帰閾値温度以下になるまで製版動作への移行を禁止することを特徴とする製版装置。
  12. 請求項1ないし11の何れか一つに記載の製版装置において、
    上記サーマルヘッド温度推移判別手段により上記推移状態が上昇傾向と判別され、上記サーマルヘッドの駆動部異常による異常過熱と判断された場合に、その旨の表示を行う表示手段を有することを特徴とする製版装置。
  13. 請求項1ないし12の何れか一つに記載の製版装置において、
    上記サーマルヘッド温度推移判別手段により上記推移状態が上昇傾向と判別され、上記サーマルヘッドの駆動部異常による異常過熱と判断された場合に、その内容を音声で告知する音声告知手段および警告音を発することで警告する警告音発生手段のうちの少なくとも一方の手段を有することを特徴とする製版装置。
  14. 請求項1ないし13の何れか一つに記載の製版装置において、
    上記サーマルヘッド温度の検出時に、上記サーマルヘッド温度検出手段からの信号に対してチャタリング処理を行うことを特徴とする製版装置。
  15. 請求項1ないし14の何れか一つに記載の製版装置において、
    上記サーマルヘッド温度推移判別手段により上記推移状態が下降傾向と判別された場合であって、上記サーマルヘッド温度上限閾値温度または上記サーマルヘッド温度上限閾値近傍温度以下に設定されている製版動作復帰閾値温度以下となったとき、画像信号に基づく製版動作を自動的に行うことを特徴とする製版装置。
  16. 請求項1ないし15の何れか一つに記載の製版装置において、
    上記製版装置へ電力を供給する電源のオン後に、少なくとも1回は、上記サーマルヘッド温度推移判別手段による上記判別動作を実施することを特徴とする製版装置。
  17. 請求項1ないし16の何れか一つに記載の製版装置において、
    上記サーマルヘッド温度推移判別手段により上記推移状態が上昇傾向と判別されることで、上記サーマルヘッドの駆動部異常による異常過熱と判別された場合には、少なくとも上記サーマルヘッドヘ供給している電力の供給を停止させることを特徴とする製版装置。
  18. 製版されたマスタを巻装する版胴と、この版胴上のマスタにインキを供給するインキ供給手段とを具備し、版胴上の上記マスタに印刷用紙を押し付けて該印刷用紙に印刷を行う製版印刷装置において、
    請求項1ないし17の何れか一つに記載の製版装置を有することを特徴とする製版印刷装置
JP2004268862A 2004-09-15 2004-09-15 製版装置および製版印刷装置 Expired - Fee Related JP4673026B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004268862A JP4673026B2 (ja) 2004-09-15 2004-09-15 製版装置および製版印刷装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004268862A JP4673026B2 (ja) 2004-09-15 2004-09-15 製版装置および製版印刷装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006082358A JP2006082358A (ja) 2006-03-30
JP4673026B2 true JP4673026B2 (ja) 2011-04-20

Family

ID=36161249

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004268862A Expired - Fee Related JP4673026B2 (ja) 2004-09-15 2004-09-15 製版装置および製版印刷装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4673026B2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004025512A (ja) * 2002-06-24 2004-01-29 Brother Ind Ltd 印刷制御装置及びプリンタ

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004025512A (ja) * 2002-06-24 2004-01-29 Brother Ind Ltd 印刷制御装置及びプリンタ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006082358A (ja) 2006-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1600301B1 (en) Stencil printing device
JP4673026B2 (ja) 製版装置および製版印刷装置
JP2010179462A (ja) プリンタ
JP4649485B2 (ja) 定着装置、画像形成装置および定着装置の異常検知方法
JP4651995B2 (ja) 製版装置および製版印刷装置
JP2006341556A (ja) 孔版製版装置および孔版印刷装置
JP2007045121A (ja) 部品交換時期延長方法、製版装置、印刷装置および画像形成装置
JP4074811B2 (ja) プリンタおよびプリンタ制御方法
JP5015577B2 (ja) 孔版印刷装置
JP5059384B2 (ja) 印刷制御方法及び孔版印刷装置
US6782812B2 (en) Stencil-printer
JP4664687B2 (ja) 孔版印刷装置
JP5304067B2 (ja) 感熱孔版印刷装置
JP2007296788A (ja) 孔版印刷装置
JP5055624B2 (ja) 孔版印刷装置
JP5152919B2 (ja) 画像形成装置および孔版印刷装置
JP4727213B2 (ja) 感熱孔版印刷装置
JP2001113666A (ja) 感熱製版装置および感熱記録装置
JP5055618B2 (ja) 孔版印刷装置
JP2009220349A (ja) 孔版印刷装置
JP2008284722A (ja) 印刷装置
JP4758221B2 (ja) 孔版印刷装置
JP5653170B2 (ja) 印刷装置
JP2015174400A (ja) 印刷装置及び印刷方法
JP4430345B2 (ja) 製版装置および製版印刷装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070829

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100601

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100608

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100907

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110118

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110120

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4673026

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140128

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees