JP4672914B2 - アミド化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なシアン耐性の高いニトリルヒドラターゼを用いてニトリル化合物からアミド化合物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
微生物によるα−ヒドロキシアミドの製造に関しては、バチルス属、バクテリジウム属、マイクロコカス属またはブレビバクテリウム属の微生物によりラクトニトリル、ヒドロキシアセトニトリル、α-ヒドロキシメチルチオブチロニトリルなどから対応するアミドを製造する方法(特公昭62-21519号公報参照)が知られている。また、シアンヒドリンからマンデルアミドを製造する方法(特開平4-222591号、特開平8-89267号公報参照)も公知である。
【0003】
しかし、ニトリル化合物をアミド化合物に変換させる能力を有するニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素は、原料であるニトリル化合物および生成物であるアミド化合物、によって酵素活性を容易に失うという問題点を有している。したがって、アミド化反応速度を上げる目的でニトリル化合物濃度を上昇させた場合、ニトリルヒドラターゼが短時間のうちに失活し、生成物であるアミド化合物を所定の時間で得ることが困難である。また、生成物であるアミド化合物によっても容易にニトリルヒドラーゼが活性を失うために、高濃度のアミド化合物を得ることが困難となっている。
【0004】
更に、α−ヒドロキシニトリルは、極性溶媒中で化合物により程度の差は有るものの、対応するアルデヒドと青酸に部分的に解離することが知られている(V. Okano et al., J. Am. Chem. Soc., Vol. 98, 4201 (1976)参照)。一般的にアルデヒドは、蛋白質と結合し酵素活性を失活させる性質が有る(Chemical Modification of Proteins, G. E. Means et al., Holden-Day, 125(1971) 参照)。また青酸(シアン)も、アルデヒドと同様に、多くの酵素に対して阻害的に作用する。このため、原料であるα−ヒドロキシニトリルから生成したアルデヒドやシアンが、酵素活性低下の原因となっていた。その結果、α- ヒドロキシニトリルを酵素的に水和ないし加水分解する場合には、該酵素が短時間で失活するという問題が有り、高濃度のα−ヒドロキシアミドを高い生産性で得ることが困難であった。
【0005】
酵素活性の低下防止を目的として、酵素活性の向上や反応中の酵素活性の低下(失活)を抑制するための技術が検討されている。このような試みには、例えば以下のようなものがある。
【0006】
反応を氷点から15℃の低温で行う(特公昭56-38118号)
複数の供給口から低濃度の基質を連続的に供給する(特公昭57-1234号)
微生物またはその処理物を有機溶媒で処理する(特開平5-308980号)
高級不飽和脂肪酸存在下で反応を行う(特開平7-265090号)
菌体をグルタルアルデヒド等で架橋処理する(特開平7-265091号、同8-154691号)
ニトリル化合物中の青酸濃度を化学的方法により低減させた後、ニトリル化合物にニトリルヒドラターゼを作用させる(特開平11-123098号公報参照)
亜硫酸イオン、酸性亜硫酸イオン、または亜ジチオン酸イオンを存在させることで酵素活性を長期に安定させる(特開平8-89267号公報参照)
アルデヒドを添加する(特開平4-222591号公報参照)
【0007】
これらの方法は、いずれも工業的な利用においては、十分な効果をあげることができなかった。あるいは、効果においては評価できるものの、経済性や実用性の点で改善の余地を残していた。たとえば、上記のアルデヒドを添加する方法は、原料であるシアンヒドリンに対して1〜5倍モルという大量のアルデヒドが必要で、経済的な解決方法とは言い難い。同様に亜硫酸イオン、酸性亜硫酸イオン、または亜ジチオン酸イオンを添加する方法も、原料と同等以上の添加量を必要としていることが例示されており、現実的な方法ではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、ニトリル水和活性とともに高いシアン耐性を持つニトリルヒドラターゼを用いてアミド化合物を製造する方法を提供することである。また本発明は、高い酵素活性を長時間維持することができる安定なニトリルヒドラターゼを用いてアミド化合物を製造する方法の提供を課題とする。加えて、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルをも基質とし得るニトリルヒドラターゼを用いてアミド化合物を製造する方法の提供が、本発明の課題である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、極めて高いシアン耐性と、ニトリル水和活性を有するニトリルヒドラターゼを持った微生物を見出した。そしてこの微生物を用いたアミド化合物を製造する方法が、前記の課題を解決しうることを確認して本発明を完成した。
【0010】
すなわち本発明は、以下のシアン耐性のニトリルヒドラターゼによるアミドの製造方法を提供する。
〔1〕ニトリルヒドラターゼ活性を有する微生物、および/またはその処理物からなる酵素活性物質とニトリル化合物を接触させ、生成するアミド化合物を回収する工程を含むアミドの製造方法であって、前記酵素活性物質として、該酵素活性物質を20mMのシアナイド(cyanide)イオン存在下20℃で30分処理した後のニトリルヒドラターゼ活性が、シアナイド(cyanide)イオン不存在下20℃で30分処理した後のニトリルヒドラターゼ活性の少なくとも10%以上である酵素活性物質を用いることを特徴とする製造方法。
〔2〕 処理物が微生物細胞破砕物または抽出物である〔1〕記載のアミド化合物の製造方法。
〔3〕 前記酵素活性物質として、該酵素活性物質を20mMのシアナイド(cyanide)イオン存在下20℃で30分処理した後のニトリルヒドラターゼ活性が、シアナイド(cyanide)イオン不存在下20℃で30分処理した後のニトリルヒドラターゼ活性の少なくとも50%以上である酵素活性物質を用いることを特徴とする、〔1〕記載のアミド化合物の製造方法。
〔4〕 微生物がロドコッカス属に属する微生物である〔3〕記載のアミド化合物の製造方法
〔5〕 微生物がロドコッカス・エクイである〔4〕記載のアミド化合物の製造方法。
〔6〕 ニトリル化合物がα−ヒドロキシニトリル化合物であり、アミド化合物がα−ヒドロキシアミドである、〔1〕に記載のアミド化合物の製造方法。
〔7〕 α−ヒドロキシニトリル化合物が、下記一般式(1)で示される化合物であり、α−ヒドロキシアミドとして一般式(3)で示される化合物を製造する〔6〕に記載の方法。
一般式(1)
【化4】
Figure 0004672914
一般式(3)
【化5】
Figure 0004672914
(式中、Rは置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のシクロアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のアリールオキシ基、置換または無置換の飽和または不飽和複素環基を表す。)
〔8〕前記一般式(1)で表される化合物を、下記一般式(2)で示されるアルデヒドおよび青酸を含む混合物中で生成する工程を含む〔7〕に記載の方法。
一般式(2)
【化6】
Figure 0004672914
(式中、Rは置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のシクロアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のアリールオキシ基、置換または無置換の飽和または不飽和複素環基を表す。)
〔9〕反応液における青酸の濃度が、0.1〜20mMである〔8〕に記載の方法。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において、ニトリル化合物のニトリル基に作用し、ニトリル基を水和してアミド基とする活性を、ニトリルヒドラターゼ活性という。好ましくは、下記一般式(1)に示す化合物に作用し、一般式(3)のアミド化合物を生成することができる酵素を、ニトリルヒドラターゼと言う。
【0012】
一般式(1)
【化7】
Figure 0004672914
【0013】
一般式(3)
【化8】
Figure 0004672914
(式中、Rは置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のシクロアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のアリールオキシ基、置換または無置換の飽和または不飽和複素環基を表す。)
【0014】
本発明におけるニトリルヒドラターゼ活性とは、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルに作用し、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロアミドを生成することができる酵素活性を言う。
【0015】
本発明におけるニトリルヒドラターゼ活性は、次のようにして確認することができる。まず、基質として10%v/vの2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリル(HMBN)を含む、0.1M リン酸カリ緩衝液(pH6.5)に、酵素標品を加える。酵素標品に代えて、微生物の菌体や、粗精製酵素を用いることもできる。酵素添加後、20℃で15分間反応させる。反応液を過剰量の0.1% (v/v)リン酸溶液に加えて激しく振盪することによって反応を停止し、生成物を分析する。反応生成物は、HPLCによって分析することができる。
【0016】
この測定方法に基づいて、ニトリルヒドラターゼ1Uは標準反応液組成において20℃で1分間に1μmolのニコチンアミドを生成する酵素量、1Uは標準反応液組成において20℃で1分間に1μmolのHMBAmを生成する酵素量と定義した。
【0017】
具体的には、たとえば実施例に示すような操作により、酵素活性の測定が可能である。また、タンパク質の定量は、バイオラッド製タンパク質アッセイキットを用いた色素結合法により行う。
【0018】
一方、本発明のシアン耐性とは、20mMのシアナイド(cyanide)イオン存在下、20℃で30分の条件で処理した時にニトリルヒドラターゼ活性が10%以上、好ましくは50%以上残存することを言う。本発明者らは、5mMのシアナイド(cyanide)イオン存在下、20℃で30分の条件で処理した時にニトリルヒドラターゼ活性が10%以上残存するニトリルヒドラターゼをロドコッカス属微生物から単離している。この酵素は、本発明で用いる酵素と同様にアミド化合物の製造に有用な性質を備えていた。しかし本発明を構成するニトリルヒドラターゼのシアン耐性は、この酵素に比べて著しく高い点において新規である。
【0019】
シアン耐性の微生物としては、20mMのシアナイド(cyanide)イオン存在下、20℃で30分の条件で処理した時にニトリルヒドラターゼ活性が10%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上残存する微生物であれば、制限されない。あるいは菌体抽出物を同じ条件でシアン存在下でインキュベートしたときに、シアン不存在下でインキュベートした場合のニトリルヒドラターゼ活性に対して、10%以上、好ましくは15%以上残存する酵素活性物質を用いることができる。
【0020】
たとえばロドコッカス属(Rhodococcus)に属する微生物から選択することができる前記条件を有する微生物は、本発明の微生物として好ましい。より具体的には、ロドコッカス エクイXL−1は、本発明のアミド化合物生産菌として望ましい微生物である。ロドコッカス エクイXL−1は、2001年6月12日付けで独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターの規定により受託を拒否された。
【0021】
上記シアン耐性のニトリルヒドラターゼ活性を持った微生物、および/またはその処理物からなる酵素活性物質はアミド化合物の製造に有用である。すなわち本発明は、上記シアン耐性のニトリルヒドラターゼ活性を持った微生物、および/またはその処理物からなる酵素活性物質をニトリル化合物と接触させ、生成するアミドを回収する工程を含む、アミドの製造方法を提供する。
【0022】
本発明において、微生物の処理物とは、具体的には界面活性剤やトルエンなどの有機溶媒処理によって細胞膜の透過性を変化させた微生物、あるいはガラスビーズや酵素処理によって菌体を破砕した無細胞抽出液やそれを部分精製したものなどが含まれる。あるいは酵素の処理物とは、酵素を不溶性の担体や、水溶性の担体分子に結合したものや、酵素分子を包括固定することによって得られる固定化酵素等が含まれる。
【0023】
本発明のシアン耐性、ニトリルヒドラターゼ活性を持った微生物、またはそれらの処理物とからなる群から選択されるいずれかの酵素活性物質を用いるアミドの製造方法において、ニトリル化合物は特に限定されない。例えば、以下に例示するようなニトリル化合物を本発明の製造方法に用いることができる。
【0024】
飽和モノニトリル類;
アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、イソバレロニトリル、カプロニトリル等
飽和ジニトリル類;
マロニトリル、サクシノニトリル、グルタルニトリル、アジポニトリル等
α−アミノニトリル類;
α−アミノプロピオニトリル、α−アミノメチルチオブチロニトリル、α−アミノブチロニトリル、アミノアセトニトリル等
カルボキシル基を有するニトリル類;
シアノ酢酸等
β−アミノニトリル類;
アミノ−3−プロピオニトリル等
不飽和ニトリル類;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シアン化アリル、クロトンニトリル等
芳香族ニトリル類;
ベンゾニトリル、o-、m-およびp-クロロベンゾニトリル、o-、m-およびp-フルオロベンゾニトリル、o-、m-およびp-ニトロベンゾニトリル、p-アミノベンゾニトリル、4-シアノフェノール、o-、m-およびp-トルニトリル、2,4-ジクロロベンゾニトリル、2,6-ジクロロベンゾニトリル、2,6-ジフルオロベンゾニトリル、アニソニトリル、α-ナフトニトリル、β-ナフトニトリル、フタロニトリル、イソフタロニトリル、テレフタロニトリル、シアン化ベンジル、フェニルアセトニトリル等
α−ヒドロキシニトリル類
【0025】
本発明において、特に好ましいニトリル化合物として、α−ヒドロキシニトリル化合物を挙げることができる。本発明によるアミドの製造方法において、α−ヒドロキシニトリル化合物は特に限定されない。より具体的には、たとえば前記一般式(1)で表される化合物を用いることができる。
【0026】
式中、Rは、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のシクロアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のアリールオキシ基、置換または無置換の飽和または不飽和の複素環基を表す。α−ヒドロキシニトリル化合物を用いることにより、α−ヒドロキシアミドを製造することができる。
【0027】
複素環基としては、異種原子として窒素、酸素、硫黄の少なくとも一種を含むものが挙げられる。また、置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アリール基、アリールオキシ基、塩素、臭素等のハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、チオール基などが挙げられる。
【0028】
具体的には、例えば、次の化合物、またはこれらの置換体などを用いることができる。なお本発明において置換体とは、先に例示したような置換基を有する化合物を言う。
【0029】
ラクトニトリル
α-ヒドロキシ-n-プロピオニトリル
α-ヒドロキシ-n-ブチロニトリル
α-ヒドロキシ-イソブチロニトリル
α-ヒドロキシ-n-ヘキシロニトリル
α-ヒドロキシ-n-ヘプチロニトリル
α-ヒドロキシ-n-オクチロニトリル
α,γ-ジヒドロキシ-β,β-ジメチルブチロニトリル
アクロレインシアンヒドリン
メタアクリルアルデヒドシアンヒドリン
3-クロロラクトニトリル
4-メチルチオ-α-ヒドロキシブチロニトリル
α-ヒドロキシ-α-フェニルプロピオニル
【0030】
この他、芳香族や複素環を持つ基質化合物として、次の化合物、またはこれらの置換体などを例示することができる。
マンデロニトリル
2-チオフェンカルボキシアルデヒドシアンヒドリン
2-ピリジンカルボキシアルデヒドシアンヒドリン
2-ピロールカルボキシアルデヒドシアンヒドリン
2-フルアルデヒドシアンヒドリン
2-ナフチルアルデヒドシアンヒドリン
【0031】
さて、一般式(1)で表されるα−ヒドロキシニトリル化合物に代表されるニトリル化合物の多くは、極性溶媒中においてはアルデヒドと青酸とに解離する。たとえば一般式(1)のα−ヒドロキシニトリル化合物であれば、前記一般式(2)に示すアルデヒドと青酸を生じる。これらの化合物は平衡関係にあるので、α−ヒドロキシニトリル化合物が酵素反応によって消費されれば、平衡はα−ヒドロキシニトリル化合物に傾く。
【0032】
一方、青酸に由来するシアンやアルデヒドは、一般に酵素蛋白質にダメージを与える。そのため公知のニトリルヒドラターゼを用いた場合には、α−ヒドロキシニトリル化合物を十分に水和することができないうちに、酵素活性が低下してしまい、十分な収量を期待することができなかった。しかし本発明のニトリルヒドラターゼは、シアンやアルデヒドの存在下でも酵素活性を維持する。そのため、アルデヒドと青酸から生成するニトリル化合物を基質として利用することができる。したがって本発明のα−ヒドロキシアミドの製造方法においては、前記一般式(2)で表されるアルデヒド化合物と青酸とから、一般式(1)で表される化合物を供給することができる。
【0033】
本発明において、ニトリル化合物の水和または加水分解反応は、水または緩衝液などの水性媒体中で、基質化合物、あるいは基質化合物を生成することができる一般式(2)で表わされるアルデヒドと青酸の混合物に、本発明の酵素活性物質を接触させることによって行なわれる。
【0034】
なお本発明において、水和とはニトリル基に水分子が付加する反応を言う。水和に対して加水分解は、ニトリル基に置換基が結合している化合物において、この置換基が加水分解によって切断される反応を言う。これらの反応は、いずれも本発明のアミドの製造方法に含まれる。
【0035】
反応液中の基質化合物の濃度は、特に制限されない。基質化合物による酵素活性の阻害を受けにくくするためには、たとえばα−ヒドロキシニトリルの場合、通常、0.1〜10重量%、好ましくは 0.2〜5.0 重量%相当量とすることができる。基質は反応開始時に一括して添加することも可能であるが、反応液中の基質濃度が高くなりすぎないように連続的、もしくは非連続的に添加することが望ましい。
【0036】
基質とするニトリル化合物の水性媒体に対する溶解度が著しく小さい場合には、反応液中に界面活性剤を加えることもできる。界面活性剤としては、 0.1〜5.0 重量%のTriton X-100、あるいはTween 60などが用いられる。基質の溶解度を向上させるために、有機溶媒との混合溶媒の利用も効果的である。具体的には、例えば、メタノール、エタノール、ジメチルスルホキシドなどを添加することにより反応を効率よく行うことができる。あるいは、水に溶解しにくい有機溶媒中や、水に溶解しにくい有機溶媒と水性媒体との2相系において、本発明の反応を行うことができる。水に溶解しにくい有機溶媒としては、たとえば酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、クロロホルム、n−ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、あるいは1−オクタノール等を用いることができる。
【0037】
この基質濃度に対して、本発明のシアン耐性を有するニトリルヒドラターゼ活性を持つ微生物、および/またはその処理物からなる酵素活性物質は、たとえば1mU/mL〜100U/mL、好ましくは100mU/mL以上の酵素活性量とすることにより、酵素反応を効率的に進めることができる。
また酵素活性物質として微生物菌体を利用するときには、基質に対する微生物の使用量は、乾燥菌体として0.01〜5.0 重量%相当量とするのが好ましい。酵素や、菌体などの酵素活性物質は、反応液に溶解、あるいは分散させることにより、基質と接触させることができる。あるいは、化学結合や包括などの手法によって固定化した酵素活性物質を用いることもできる。更に、基質は透過できるが、酵素分子や菌体の透過を制限する多孔質膜で基質溶液と酵素活性物質を隔てた状態で反応させることもできる。
【0038】
反応は、通常、氷点〜50℃、好ましくは10〜30℃で 0.1〜100 時間行うことができる。反応液のpHは、酵素活性を維持できれば特に限定されない。
【0039】
かくして、ニトリル化合物は微生物の水和ないし加水分解作用により対応するアミド化合物に変換され、反応液に蓄積する。生成したアミドは、反応液から任意の方法によって回収し、精製することができる。具体的には、たとえば、限外ろ過、濃縮、カラムクロマトグラフィー、抽出、活性炭処理、蒸留など通常の方法を組み合せることで回収、精製できる。
【0040】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.酵素活性の測定方法
以下の実施例において、ニトリルヒドラターゼ活性の標準的な測定方法は次のとおりである。酵素反応の基本反応液組成を表1、および表2に示した。酵素反応は、基質化合物である3-シアノピリジンまたは2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリル(HMBN)の添加で反応を開始し、3-シアノピリジンを用いた反応は20℃で10分間、HMBNを用いた反応は20℃で15分間行った。3-シアノピリジンを用いた反応では2N塩酸を0.1ml添加し、激しく振盪させて、HMBNを用いた反応では、0.1% (v/v)リン酸0.9mlに反応液を0.1mlを添加し、激しく振盪させてそれぞれの反応を停止させた。その反応液を、HPLCで分析した。
【0041】
【表1】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
10% (v/v) HMBN in 0.1M KPB(pH6.5) 0.36 ml
0.1M KPB (pH6.5) 0.64 ml
酵素溶液 0.10 ml
0.85% (w/v) NaClaq 0.90 ml
──────────────────────
Total volume 2.00 ml
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0042】
→10% (v/v) HMBNを添加し、反応開始
→10分間20℃で振盪しながらインキュベーション
→0.1% (v/v) H3PO4を添加し、反応停止
→遠心分離
→HPLC分析
【0043】
【表2】
━━━━━━━━━━━━━━━━━
0.3M 3-シアノピリジン 1.00 ml
0.1M KPB (pH7.0) 0.50 ml
酵素溶液 0.10 ml
0.85% (w/v) NaClaq 0.90 ml
─────────────────
Total volume 2.00 ml
━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0044】
→0.3M 3-シアノピリジンを添加し、反応開始
→3分間20℃で振盪しながらインキュベーション
→2N HClを添加し、反応停止
→遠沈(centrifugation)
→HPLC分析
【0045】
反応液のHPLC分析の条件:
HMBNのHPLCの分析条件はカラム:Spherisorb S5ODS2(4.6×150nm)、
移動相:0.1%(v/v)リン酸/アセトニトリル=9/1、流速:1.0ml/min.、
検出:UV210nm、
カラム温度:40℃
【0046】
HPLC分析による酵素活性測定:
生成したニコチンアミドまたはHMBAmをHPLCで定量し、ニトリルヒドラターゼ活性を算出した。HMBAmのHPLC分析の条件は、HMBNと同様とした。なお、1Uは標準反応液組成において20℃で1分間に1μmolのニコチンアミドを生成する酵素量、1Uは標準反応液組成において20℃で1分間に1μmolのHMBAmを生成する酵素量と定義した。
【0047】
2.培養条件
以下の組成からなる前培養培地 5mlを試験管(25×200mm)に分注し、シリコ栓をしてオートクレーブで滅菌した。放冷後、菌株を一白金耳植菌し、28℃で2日間振盪培養した。
【0048】
前培養培地 (pH7.0):
ポリペプトン 5.0g
肉エキス 5.0g
NaCl 2.0g
酵母エキス 0.5g
蒸留水 1.0L
【0049】
次に、500 ml坂口フラスコに分注しオートクレーブで滅菌した本培養培地20 mlに、前培養後の培養物を移し換えた。本培養では、培養24時間後に0.75%(v/v)アセトニトリルをフィーディング添加し、33℃で2日間振盪培養した。
【0050】
本培養培地 (pH7.0):
アセトアミド 7.5g
グルコース 10.0g
C.S.L. 10.0g
酵母エキス 1.0g
MgSO47H2O 0.5g
K2HPO4 1.0g
CoCl26H2O 20.0mg
蒸留水 1.0L
【0051】
3.微生物の単離および同定
各種ニトリルを含有した培地で集積培養して岐阜大学の構内から採取された土壌より分離した、ニトリル分解菌の中から特に分解能力の高い菌株としてXL-1株を選択した。この菌株は次のような微生物学的特徴を備えていることから、バージェイの細菌分類書(Bergey's manual of determinative bacteriology、ninth edition,1994) に基づいてRhodococcus属に属する菌株でRhodococcus equiであると同定した。
【0052】
1.形態的性質
(1)細胞の多形性:桿菌−球菌の生活環あり
(2)グラム染色 +
(3)胞子形成 −
(4)運動性 −
(5)コロニー形態 円形、全縁滑らか、低凸状、光沢あり、ピンク色
【0053】
2.培養的性質
(1)肉汁液体培養:懸濁
(2)リトマスミルク:不変
【0054】
3. 生理学的性質
(1)脱窒反応 −
(2)MRテスト −
(3)VPテスト −
(4)硫化水素の生成 −
(5)澱粉加水分解 −
(6)クエン酸の利用 Koser + Christensen +w
(7)無機窒素源の利用 NaNO3 + (NH4)2SO4
(8)生育範囲(温度)10℃ +w 40℃ + 45℃ −
(9)嫌気的性質 −
(10)カタラーゼ +
(11)オキシダーゼ −
(12)O/F 試験 −
【0055】
また、更に本菌株よりDNAを抽出し、16S rRNAに対応する16S rDNAの塩基をPCR法によって増幅して、最初の500塩基の相同性を既知のRhodococcus属各種の Type strain とMicroSeqのデータベースで比較したところ、Rhodococcus equiと100%の相同性が見られたところから、最終的に本菌をRhodococcus equiと同定した。
【0056】
4.シアナイド(cyanide)イオンの影響(1)
Rhodococcus erythropolis IFO 12539、12540、12567、12320、ATCC11048、Rhodococcus rhodochous ATCC33278、Rhodococcus equi XL-1に対するシアナイドイオンの影響を調べた。それぞれ、ニトリルヒドラターゼ活性が1mlあたり2.4U、5.8U、5.6U、6.2U、2.8U、17.7U、および12.8Uになるように菌体を用いた。次の基本反応液組成に対して、0mM〜20 mMのシアナイド(cyanide)イオン(KCN)を反応系に添加した。基質(3-シアノピリジン)を除いた状態で、20℃で30分間インキュベートした後に、基質を加えて酵素反応を開始した。20℃で10分間の酵素反応の後、2N塩酸を0.1ml添加し、激しく振盪させて反応を停止した。反応液は、1.に述べた方法でHPLC分析した。
【0057】
基本反応液:
0.5M 3-シアノピリジン 0.5ml
0.1M リン酸緩衝液(pH7.5) 0.25ml
酵素液 0.1ml
全量 1.0ml
【0058】
表3に示したようにRhodococcus erythropolis IFO 12539、12540、12567、12320、ATCC11048、 Rhodococcus rhodochous ATCC33278は20mMのシアナイド(cyanide)イオン存在下でそれぞれ残存活性が4%、13%、11%、0%、7%、および11%であったのに対してRhodococcus equi XL-1の残存活性は89%であった。
【0059】
【表3】
Figure 0004672914
【0060】
5.シアナイド(cyanide)イオンの影響(2)
菌体抽出液を用いてRhodococcus equi XL-1に由来する本発明のニトリルヒドラターゼ、およびRhodococcus rhodochous J1由来の公知のニトリルヒドラターゼ(Biochimica et Biophysica Acta. 1129(1991):23-33)に対するシアナイドイオンの影響を調べた。次の基本反応液組成に対して、0mM〜20 mMのシアナイドイオン(KCN)を反応系に添加した。基質(3-シアノピリジン)を除いた状態で、20℃で30分間インキュベートした後に、基質を加えて酵素反応を開始した。20℃で10分間の酵素反応の後、2N塩酸を0.1ml添加し、激しく振盪させて反応を停止した。反応液は、1.に述べた方法でHPLC分析した。
【0061】
基本反応液:
0.5M 3-シアノピリジン 0.5ml
0.1M リン酸緩衝液(pH7.5) 0.25ml
酵素液 0.1ml
全量 1.0ml
【0062】
酵素量はRhodococcus equi XL-1のニトリルヒドラターゼは60U/ml、Rhodococcus rhodochous J1のニトリルヒドラターゼは61U/mlで行った。表4に示したようにRhodococcus rhodochousJ1のニトリルヒドラターゼは20 mMのシアナイドイオンで100%阻害されたのに対して、Rhodococcus equi XL-1のニトリルヒドラターゼは20 mMのシアナイド(cyanide)イオンに対して20%の残存活性を示した。菌体抽出物では生菌体に比べてシアンによる酵素の失活が著しい。しかしRhodococcus equi XL-1の菌体抽出物に含まれるニトリルヒドラターゼは、シアンの存在下でも酵素活性を維持することができている。
【0063】
【表4】
Figure 0004672914
【0064】
6.菌体を用いた2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルからの2-ヒドロキシ-4-メチルチオ酪酸アミド(HMBAm)生成
(A)培養
Rhodococcus equi XL-1を下記の条件で培養した。
(1)培地組成(単位:wt%)
エタノール 2.0%
C.S.L. 1.0%
酵母エキス 0.1 %
クロトンアミド 0.4%
硫酸マグネシウム7水塩 0.05%
リン酸一カリウム 0.2%
pH 7.2
(2)培養条件
斜面培地から1白金耳の菌体を採り、上記液体培地40mlを入れて滅菌した坂口フラスコに植菌し、28℃で3日間、好気条件下で振盪培養した。
【0065】
(B)反応
培養終了後、液体培地から菌体を遠心分離により集菌して、1gの湿菌体を25gの反応液(0.05Mリン酸緩衝液(pH6.5)、2-ヒドロキシ-4-メチルチオブチロニトリル(0.2wt%)、NaCl (0.34wt%))に懸濁させて、200ml容ビーカーに入れて攪拌しながら、2-ヒドロキシ-4-メチルチオブチロニトリルを途中添加しつつ、30℃で43時間反応させた。仕込みHMBN 537mMで反応液中のシアナイド(cyanide)イオン濃度は2.33mMであった。反応終了後、反応液中のHMBAm濃度は75g/Lであった。HMBAmは、高速液体クロマトグラフィー法(カラム:Sperisorb S5ODS2(4.6×150mm)、移動相:0.1%(V/V)リン酸(pH 4.6):アセトニトリル=9:1、流速:1.0ml/min.、検出:210nm、カラム温度:40℃)により、定量した。
反応液と等量のメチルエチルケトンで抽出して、脱溶媒することで回収した反応生成物は、NMR分析により2-ヒドロキシ-4-メチルチオ酪酸アミドであることを確認した。
【0066】
【発明の効果】
本発明は、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルを基質として2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロアミドを生成することができるシアン耐性の高いニトリルヒドラターゼを用いたアミド化合物の製造方法を提供する。2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロアミドは、飼料添加剤(メチオニン代替物)として有用な化合物である。
【0067】
更に本発明のシアン耐性の高いニトリルヒドラターゼは、シアンやアルデヒドの存在下においても高い酵素活性を維持する。極性溶媒中では、基質化合物であるα−ヒドロキシニトリルが青酸とアルデヒドに解離する。青酸はシアンを生じ、しばしば酵素活性の低下の原因となる。アルデヒドもまた、蛋白質に障害を与え、酵素活性低下の原因となる。公知のニトリルヒドラターゼが工業的な利用に耐えられなかった理由の一つは、このシアンやアルデヒドの影響によって酵素活性が低下することにあった。
【0068】
本発明のシアン耐性の高いニトリルヒドラターゼを用いたアミド化合物の製造方法によって、シアンやアルデヒドの存在下であっても、酵素活性を維持し、アルデヒドと青酸から生成するα−ヒドロキシニトリルを基質としてアミド化合物を効率良く製造することができる。したがって、本発明のシアン耐性の高いニトリルヒドラターゼを用いた製造方法は、α−ヒドロキシニトリルを原料とするアミド化合物の製造方法として有用である。

Claims (7)

  1. ロドコッカス エクイXL−1および/またはその処理物からなる酵素活性物質とニトリル化合物を接触させ、生成するアミド化合物を回収する工程を含むアミドの製造方法であって、前記酵素活性物質として、該酵素活性物質を20mMのシアナイドイオン存在下20℃で30分処理した後のニトリルヒドラターゼ活性が、シアナイドイオン不存在下20℃で30分処理した後のニトリルヒドラターゼ活性の少なくとも10%以上である酵素活性物質を用いることを特徴とする製造方法。
  2. 処理物がロドコッカス エクイXL−1の細胞破砕物または抽出物である請求項1記載のアミド化合物の製造方法。
  3. 前記酵素活性物質として、該酵素活性物質を20mMのシアナイドイオン存在下20℃で30分処理した後のニトリルヒドラターゼ活性が、シアナイドイオン不存在下20℃で30分処理した後のニトリルヒドラターゼ活性の少なくとも50%以上である酵素活性物質を用いることを特徴とする、請求項1または2記載のアミド化合物の製造方法。
  4. ニトリル化合物がα−ヒドロキシニトリル化合物であり、アミド化合物がα−ヒドロキシアミドである、請求項1〜3のいずれかに記載のアミド化合物の製造方法。
  5. α−ヒドロキシニトリル化合物が、下記一般式(1)で示される化合物であり、α−ヒドロキシアミドとして一般式(3)で示される化合物を製造する請求項に記載の方法。
    一般式(1)
    Figure 0004672914
    一般式(3)
    Figure 0004672914
    (式中、Rは置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のシクロアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のアリールオキシ基、置換または無置換の飽和または不飽和複素環基を表す。)
  6. 前記一般式(1)で表される化合物を、下記一般式(2)で示されるアルデヒドおよび青酸を含む混合物中で生成する工程を含む請求項に記載の方法。
    一般式(2)
    Figure 0004672914
    (式中、Rは置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のシクロアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のアリールオキシ基、置換または無置換の飽和または不飽和複素環基を表す。)
  7. 反応液における青酸の濃度が、0.1〜20mMである請求項に記載の方法。
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