JP2010022314A - カルボン酸の製造方法 - Google Patents

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透 長澤
Toyokazu Yoshida
豊和 吉田
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Abstract

【課題】新規なニトリラーゼを使用してニトリル及び/又はアルデヒドとシアンとの混合物などからカルボン酸、例えば光学活性なヒドロキシカルボン酸を製造する方法を提供する。
【解決手段】ニトリル及び/又はアルデヒドとシアンとの混合物に、ニトリラーゼを産生するジベレラ(Gibberella)属に属する微生物又はその処理物を接触させることを含むカルボン酸の製造方法である。ジベレラ(Gibberella)属に属する微生物として、好ましくは、Gibberalla acuminata が使用される。
【選択図】なし

Description

本発明は、ニトリラーゼを産生するジベレラ(Gibberella)属に属する微生物又はその処理物を用いたカルボン酸の製造方法に関する。
ニトリラーゼはニトリルを対応するカルボン酸に変換する酵素であり、R−マンデル酸などの工業的に有用なカルボン酸の製造に利用される酵素である。
上記ニトリラーゼ活性を有する酵素をもつ微生物として、カゼオバクター(Caseobacter)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、ノカルジア(Nocardia)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、アースロバクター(Arthrobacter)属、ゴルドナ(Gordona)属、バチルス(Bacillius)属、バクテリジウム(Bacteridium)属、ミクロコッカス(Micrococcus)属、アシネトバクター(Acinetobacter)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、フザリウム(Fusarium)属等に属する微生物が知られている(特許文献1〜7、非特許文献1)。
また、最近では土壌からDNAを採取し、ニトリラーゼ活性を有する酵素をコードする遺伝子を取得することもと報告されている(非特許文献2、特許文献8)。よって、種々の性能を有するニトリラーゼが求められている。
一方、ジベレラ(Gibberella)属に属する微生物においては、ニトリルとして、フェニルアセトニトリルや3−シアノピリジンが、それら対応するアミドを経由してカルボン酸に分解されることが知られている。よって、ジベレラ(Gibberella)属に属する微生物には、ニトリルをアミドに変換するニトリルヒドラターゼ及びアミドをカルボン酸に変換するアミダーゼの2種類が存在するものと予想されている。しかし、ジベレラ(Gibberella)属に属する微生物が、ニトリルを1段階でカルボン酸に変換するニトリラーゼを産生することは明らかにはされていない(非特許文献3)。
特公昭63−2596号公報 特開平4−40898号公報 特開平8−173152号公報 特開平8−173175号公報 国際公開WO96−09403号公報 国際公開97−32030号公報 特許第3009421号公報 特表2006−511195号公報 Biotech.Appl.Biochem.(1989)11,581-601 Appl.Environ.Microbiol.(2004)70,2429-2436 Appl.Environ.Microbiol.(2000)66,2290-2296
本発明の目的は、新規なニトリラーゼを使用してニトリル及び/又はアルデヒドとシアンとの混合物などからカルボン酸、例えば光学活性なヒドロキシカルボン酸を製造することである。
上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、本発明者は、ジベレラ(Gibberella)属に属する微生物由来の新たなニトリラーゼを見出すことに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下を包含する。
(1)ニトリル及び/又はアルデヒドとシアンとの混合物に、ニトリラーゼを産生するジベレラ(Gibberella)属に属する微生物又はその処理物を接触させることを含むカルボン酸の製造方法。
(2)ジベレラ(Gibberella)属に属する微生物が、Gibberalla acuminata である上記(1)の製造方法。
(3)ニトリルが、ラクトニトリルである上記(1)又は(2)の製造方法。
本発明により、新規なニトリラーゼを使用して、ニトリル及び/又はアルデヒドとシアンとの混合物などからカルボン酸を製造することが可能となる。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明は、「ニトリル及び/又はアルデヒドとシアンとの混合物に、ニトリラーゼを産生するジベレラ(Gibberella)属に属する微生物又はその処理物を接触させることを含むカルボン酸の製造方法」である。
本発明において、「ニトリラーゼ」とは、ニトリルからカルボン酸を生成する反応を触媒する酵素をいう。より具体的には、ニトリルのニトリル基に作用し、ニトリル基をカルボキシル基とアンモニアに加水分解する反応を触媒する酵素をいう。好ましくは、下記式(I)で示される2−ヒドロキシニトリルに対して鏡像選択的加水分解を行い、下記式(II)で示される光学活性な2−ヒドロキシカルボン酸を生成を触媒する酵素である。
Figure 2010022314
Figure 2010022314
なお、式(I)で示される2−ヒドロキシニトリルは、反応媒体中では下記式(III)に示すようにアルデヒドとシアンに可逆的に分解されるため、アルデヒド及びシアンの混合物との間で平衡状態にある。
Figure 2010022314
よって、ニトリラーゼは、上記式(I)で示される2−ヒドロキシニトリルの代わりに上記式(III)で示されるアルデヒドとシアンとの混合物から、式(II)で示される光学活性な2−ヒドロキシカルボン酸を生成することもできる。勿論、2−ヒドロキシニトリルとアルデヒドとシアンの混合物から式(II)で示される光学活性な2−ヒドロキシカルボン酸を生成することもできる。
「ニトリル」とは、ニトリラーゼの基質として使用できる化合物であれば特に限定されるものではなく、例えば、飽和又は不飽和脂肪族ニトリル、ハロゲン、複素環又は芳香族で置換された脂肪族ニトリル、及びジニトリル等を挙げることができる。好ましくは、本発明のニトリラーゼの基質となるニトリルは、ラクトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、アクリロニトリル、2、3、4−シアノピリジン、ベンゾニトリル、バレロニトリル、ヘキサンニトリル、オクタンニトリル、イソバレロニトリル、ペラグロニトリル、イソブチロニトリル、2−メタクリロニトリル、ヒドロキシアセトニトリル、メトキシアセトニトリル、シアノ酢酸エチルエステル、アジポニトリル、クロトノニトリル、メタクリロニトリル、エチレンシアンヒドリン、o、m-シアノフェノール、m、p―トルニトリル、m、p−アミノベンゾニトリル、ベンジルシアニド、マンデロニトリル、シアノピリジン、2−ピリジンアセトニトリル、2−チオフェンアセトニトリル及び2−ヒドロキシ−4―メチルチオブチロニトリルである。より好ましくは、ラクトニトリルである。 また前記ニトリルが可逆的に分解された際に生じるアルデヒドとシアンとの混合物も基質として使用できる。
「ジベレラ(Gibberella)属に属する微生物」とは、例えば、ジベレラ・フジクロイ(Gibberella fujikuroi)NBRC6605、NBRC30307、NBRC5268、NBRC7188、NBRC7704、NBRC7705及びNBRC4474、ジベレラ・アキュミナタ(Giberella acuminata NBRC30307)等である。好ましくは、ジベレラ・アキュミナタ(Giberella acuminata NBRC30307)である。これらの微生物は、独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジー本部生物遺伝資源部門(千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)より入手することができる。
前記微生物は、公知の培養方法に準じて培養することができる。使用する培地には、一般微生物の栄養源として公知のものを利用することができ、グリセリン、クエン酸、酢酸及びグルタミン酸等の炭素源、硫酸アンモニウム、尿素及び塩化アンモニウム等の窒素源、肉エキス、酵母エキス、麦芽エキス及びペプトン等の有機栄養源、リン酸、マグネシウム、カリウム、鉄及びコバルト等の無機栄養源、並びにビタミン類を適宜組み合わせて使用できる。微生物のニトリラーゼの量を増大させるため、培地には、さらにn−ブチロニトリル等のニトリル又はε−カプロラクタム等のアミドを添加するのが好ましい。培地のpHは例えばpH5〜10の範囲であり、培養温度は例えば10〜38℃、好ましくは25〜32℃である。培養日数を例えば1〜5日の範囲とし、菌体中の目的のニトリラーゼの含量が最大になるまで微生物を培養することが好ましい。培養終了後、遠心分離等により培養菌体を収集する。
「処理物」とは、前記培養終了後に収集された微生物菌体、その菌体を洗浄した洗浄菌体、微生物菌体又は洗浄菌体を破砕した粗酵素液、粗酵素液を精製した精製酵素、菌体又は酵素を固定化した固定化酵素等をいう。
前記の微生物又はその処理物は、ニトリル及び/又はアルデヒドとシアンとの混合物に接触させることにより、カルボン酸を製造する。
「接触」とは、ニトリラーゼを産生するジベレラ(Gibberella)属に属する微生物又はその処理物とニトリルを、同一の反応系に存在させることを意味する。例えば、微生物菌体又はその処理物とニトリルを混合すること、ジベレラ属に属する微生物の培養容器にニトリルを添加すること及びジベレラ属に属する微生物をニトリルの存在下で培養すること等をいう。
接触条件としては、反応系のpHを例えばpH4〜11、好ましくはpH6〜10に調整する。また、ニトリル、アルデヒド及びシアンに対するニトリラーゼの感受性に依存して変わるが、通常、反応液中のニトリルの濃度は、例えば0.1〜2.0重量%、好ましくは0.5〜1.0重量%である。アルデヒドの濃度は、例えば0.1〜1.0重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%であり、シアンの濃度は、例えば0.1〜0.5重量%、好ましくは0.1〜0.2重量%である。また、反応温度は、例えば0〜50℃、好ましくは10〜30℃である。さらに、反応時間は、例えば0.1〜24時間である。
生成したカルボン酸は公知の方法により取得することができる。例えば遠心分離により微生物を除き、さらに必要であれば限外ろ過などにより顆粒成分と蛋白、多糖成分の除去を行う。また必要であれば活性炭処理を施した後、減圧濃縮、または酸性下での有機溶媒による抽出を行い、酢酸エチルエステルなどを用いて再結晶をくり返すことにより高純度結晶を得ることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
(1)ジベレラ・アキュミナタ(Gibberalla acuminata)NBRC30307の培養
ジベレラ・アキュミナタ(Gibberalla acuminata)NBRC30307は独立行政法人 製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジー本部 生物遺伝資源部門(NBRC)から入手した。ジベレラ・アキュミナタ(Gibberalla acuminata)NBRC30307株を、以下の組成の培地を用いて28℃、125rpmで4日間振とう培養した。
(培地組成:1L中)
クエン酸ナトリウム 5g
コーンスティープリカー 2g
K2HPO4 7g
KH2PO4 3g
MgSO4・7H2O 0.1g
酵母エキス 0.2g
ε−カプロラクタム 4g
培地のpH pH6.0
4日間の培養後、培養液を遠心分離にかけて菌体を集菌し、集菌した菌体を50mMリン酸緩衝液(pH7.5)に懸濁させることで、休止菌体を調製した。
(2)ラクトニトリルからL−乳酸の生成
(1)で調製した休止菌体を使用し、以下の組成の反応液を用いてラクトニトリルからL−乳酸を製造した。
(反応液組成)
ラクトニトリル 100mM
リン酸緩衝液 100mM
休止菌体 0.5mg−DC(dry cell)
1ml反応液
反応は20℃で行い、反応開始から10分間に生成するアンモニアをインドフェノール法によって定量した。そして、測定したアンモニアの量から、次のようにして、比活性(U/mg-DC)を求めた。
乳酸の分析値は1.5mMであり、ニトリラーゼの比活性は1.5μmol/10min/0.5mgcell=0.3units/mg-DCとなる。
また、各鏡像体の生成量は以下のHPLC分析条件で測定した。
(乳酸の光学分割条件)
カラム:CHIRALPAK(+)
移動相:2mM CuSO
検出:254nm
Figure 2010022314
表1に示すように、分析の結果、ジベレラ・アキュミナタ(Gibberalla acuminata) NBRC30307の休止菌体により、ラクトニトリルからL−乳酸が選択的に製造できることが確認できた。

Claims (3)

  1. ニトリル及び/又はアルデヒドとシアンとの混合物に、ニトリラーゼを産生するジベレラ(Gibberella)属に属する微生物又はその処理物を接触させることを含むカルボン酸の製造方法。
  2. ジベレラ(Gibberella)属に属する微生物が、Gibberalla acuminata である請求項1記載の製造方法。
  3. ニトリルが、ラクトニトリルである請求項1又は2記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022188200A (ja) * 2017-03-03 2022-12-20 ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド Acc阻害剤およびその固体形態を調製するためのプロセス

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