JP4672685B2 - 廃棄ケーブル処理装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、原子力設備の例えばケーブル更新工事において発生する、低レベル放射性廃棄物扱いとなる廃棄ケーブルを処理する廃棄ケーブル処理装置及び方法に関する。
近年、原子力発電所等の原子力設備においては、運転期間が30年以上という比較的長い運転期間の発電所に敷設されているケーブルの高経年化対策として、ケーブルの引替更新工事が計画されている。
この既設ケーブルに関しては、運転期間が比較的長い発電所において、建設当初に非難燃性ケーブルが用いられている。この非難燃性ケーブルには、その後の海外の原子力設備の火災事故を契機に、防火対策として延焼防止剤と呼ばれる耐熱シール材が塗布されて、ケーブル火災の発生を防止する措置が施されている。このため、ケーブル引替更新工事において廃棄される既設ケーブルは、延焼防止剤が付着した状態で処分されるのが一般的である。
また、廃棄される既設ケーブルの中には、例えば原子力発電所の放射線エリアに敷設されているものがある。この放射線エリアに敷設された既設ケーブルからの廃棄ケーブルに関しては、従来、現場の放射線管理担当者が各検査機器により汚染度検査(サーベ検査)を行い、当該ケーブルが汚染無しの場合に、そのまま屋外に搬出し、シース・銅線(つまり銅導体)・介在物等に分別して、再利用できる銅線はリサイクル資源として、また再利用できないシース・介在物等は産業廃棄物として処分している。
しかし、汚染度検査(サーベ検査)で当該ケーブルが汚染有りと確認された場合には、人手により汚染ケーブルの表面を布等で拭き取る等の汚染除去作業を行い、その後に再度汚染度検査(サーベ検査)を行って汚染無しと確認された場合に、前述のように屋外へ搬出し、リサイクル資源と産業廃棄物とに分別して処分を行っている。
また、汚染除去作業を行った後でも再度の汚染度検査(サーベ検査)によって当該ケーブルに汚染が確認された場合や、その汚染除去が出来なかったケーブルについては、屋外に搬出することが不可能であるため、低レベル放射性廃棄物扱いの雑固体廃棄物として処理されている。
更に、低レベル放射性廃棄物扱いの雑固体廃棄物として処理される場合、ケーブルの更新工事などで廃棄されるケーブルは、現場にて1〜1.5m程度の長さに切り揃えられ、例えば200リットル容量の廃棄体ドラム缶に詰められ、隙間にモルタルを充填した廃棄体として処置されることになる。そして、この廃棄体ドラム缶は、低放射性雑個体廃棄物として処分される。なお、従来では汚染源除去作業を機械化する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2003−139893号公報
しかしながら、汚染度検査で汚染が一度確認されると、除去作業を行い、再度汚染度検査を行うことから、多大な作業時間を要し、被曝についても配慮しなければならなかった。
また、原子力設備の高経年化ケーブルの引替更新工事において、上述の如く、延焼防止剤が付着した状態の既設ケーブルを現場にて1〜1.5m程度の長さに切り揃えて廃棄体ドラム缶に詰めるという従来の方式では、このドラム缶への充填密度が40%程度と極めて低い。この廃棄体ドラム缶の数量が廃棄物の処分コストに直結することを考慮すると、延焼防止剤付着の廃棄ケーブルを廃棄体ドラム缶に詰める前段階で、低レベル放射性廃棄物扱いとされる物量を低減するとともに、やむを得ず低レベル放射性廃棄物扱いとなった当該廃棄ケーブルに関しては廃棄体ドラム缶への充填密度を極力高める必要がある。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、発生する廃棄ケーブルのうち放射性廃棄物扱いとなる物量を低減できると共に、放射性廃棄物扱いとなった廃棄ケーブル部分に関して廃棄体ドラム缶への充填密度を高めて当該ドラム缶の物量を低減できる廃棄ケーブル処理装置及び方法を提供することにある。
本発明に係る廃棄ケーブル処理装置は、廃棄ケーブルを収容すると共に、溶融物排出口を備えた第1キャニスタと、この第1キャニスタの上記溶融物排出口付近を少なくとも収容すると共に、廃棄体ドラム缶内に収納可能に設けられた第2キャニスタと、前記第1キャニスタに対応して配置され、この第1キャニスタ内に収容された前記廃棄ケーブルの有機系材料を加熱して溶融する加熱手段とを有し、溶融された上記有機系材料を前記溶融物排出口から前記第2キャニスタ内へ排出して、前記廃棄ケーブルの金属系材料を前記第1キャニスタに、前記有機系材料を前記第2キャニスタに分離するよう構成されたことを特徴とするものである。
本発明に係る廃棄ケーブル処理方法は、廃棄ケーブルを第1キャニスタ内で加熱し、この廃棄ケーブルの有機系材料を溶融して第2キャニスタへ排出して、前記廃棄ケーブルの金属系材料を前記第1キャニスタに、前記有機系材料を前記第2キャニスタに分離することを特徴とするものである。
本発明に係る廃棄ケーブル処理装置及び方法によれば、廃棄ケーブルのうち放射性廃棄物扱いとなる物量を低減することができ、放射性廃棄物として保管貯蔵される廃棄体ドラム缶の物量を低減することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係る廃棄ケーブル処理装置における一実施形態の構成を示す概略側断面図である。図2は、図1の第1キャニスタ、第2キャニスタ及び廃棄体ドラム缶などを示す斜視図である。
本実施形態における廃棄ケーブル処理装置10は、原子力発電所等のケーブル引替更新工事において発生する廃棄ケーブルを、後述の如く処理するものである。ここで、原子力発電所等において敷設された、延焼防止剤が付着した既設ケーブルは、銅系材料(銅線(つまり銅導体)、シールドなど)と鉄系材料(トレイ、シールドなど)と有機系材料(ケーブル外被、延焼防止剤など)とを有して構成され、有機系材料などの表面に塵埃が付着している。上記ケーブル外被は、シース及び絶縁体などから成る。
一般に、原子力発電所等の放射線エリアに配線されているケーブルのうち、低放射線レベルで汚染されている箇所のほとんどはケーブルのシース表面であり、その大半はシース表面に付着している塵埃等が放射化されたことが原因である。更に、ケーブルを構成している架橋ポリエチレン等の合成樹脂(有機系材料)が放射化される場合もある。このため、ケーブルのシース表面に付着した塵埃等を取除くことにより汚染源を除去できる場合や、ケーブル外被(シースを含む)を削り取ることにより汚染源を除去できる場合が多い。
これらのことから、廃棄ケーブル処理装置10は、延焼防止剤が付着した既設ケーブルからの廃棄ケーブルのうち、低レベル放射性廃棄物扱いとなる可能性がある廃棄ケーブルを加熱し、この廃棄ケーブルを構成する金属系材料(銅系材料、鉄系材料)と有機系材料のうち、有機系材料を溶融して金属系材料と分離する。これにより、廃棄ケーブル処理装置10は、低放射線レベルの汚染源である有機系材料を、この有機系材料に付着した塵埃も含めて低レベル放射性廃棄物として処理する。
このように機能する廃棄ケーブル処理装置10は、図1に示すように、第1キャニスタ11、第2キャニスタ12、第1昇降支持手段としての第1昇降支持機構部13、第2昇降支持手段としての第2昇降支持機構部14、加熱手段としての高周波誘導加熱炉15、冷却手段としての冷却室16、及び廃棄ケーブル供給装置17を有して構成される。
第1キャニスタ11及び第2キャニスタは、図2に示すように、共に有底円筒形状に構成される。第1キャニスタ11は、上部の開口周囲に鍔18が形成されると共に、底部に溶融物排出口19を備える。また、この第1キャニスタ11内に、放射性廃棄物扱いとなる可能性がある廃棄ケーブル20が、廃棄ケーブル供給装置17から投入されて収容される。
第2キャニスタ12は、内部に第1キャニスタ11の底部(即ち第1キャニスタ11の溶融物排出口19付近)を少なくとも収容でき、好ましくは第1キャニスタ11の略全長を収容可能な寸法に形成される。また、この第2キャニスタ12は、低レベル放射性廃棄物長期保管用の廃棄体ドラム缶21に収納可能な寸法に形成される。
これらの第1キャニスタ11及び第2キャニスタ12は、高周波誘導加熱炉15による加熱によっても溶融しない程度に融点が高く、且つ非導電性の物質にて構成されている。この高融点非導電性物質は、例えばアルミナや酸化ケイ素などから成る安価なセラミックが好ましい。
図1に示すように、第1昇降支持機構部13は、第1キャニスタ11の鍔18を支持する支持具22と、この支持具22を昇降させる昇降装置23とを有して構成される。昇降装置23の作動により、支持具22を介して第1キャニスタ11が昇降可能に支持される。昇降装置23は基台27に設置されている。この第1昇降支持機構部13は、第2昇降支持機構部14との協働作用によって、第1キャニスタ11の底部を含めた全長の略下半部が第2キャニスタ12内に収容されるように、第1キャニスタ11を位置調整する。更に、この第1昇降支持機構部13は、高周波誘導加熱炉15における電磁コイル28(後述)の有効電界内に第1キャニスタ11を据え付けるべく、第1キャニスタ11の電磁コイル11に対する位置を調整可能とする機能も備える。
第2昇降支持機構部14は、第2キャニスタ12を載置して支持する載置台24と、この載置台24を昇降させる昇降装置25と、この昇降装置25を水平方向に移動させる移動装置26とを有してなる。従って、第2昇降支持機構部14は、載置台24及び昇降装置25によって第2キャニスタ12を昇降可能に支持すると共に、移動装置26によって第2キャニスタ12を水平方向に移動させる。この第2昇降支持機構部14は、前述の第1昇降支持機構部13との協働作用によって、第1キャニスタ11の底部を含めた略下半部が第2キャニスタ12内に収容されるようにこの第2キャニスタ12を位置調整すると共に、第2キャニスタ12を下降搬送して冷却室16内に収納可能とする。
移動装置26は、基台27上に水平方向移動可能に設けられ、載置台24及び昇降装置25に支持された第2キャニスタ12を、廃棄体ドラム缶21の据付位置まで搬送する。この位置で第2キャニスタ12は、図示しないホイスト式クレーンなどの懸吊装置を用いて廃棄体ドラム缶21内に搬入される。
前記廃棄ケーブル供給装置17は、第1キャニスタ11の直上に配置可能に設けられる。この廃棄ケーブル供給装置17は、延焼防止剤が付着された状態の既設ケーブルが現場にて1〜1.5メートル程度の長さに切り揃えて形成された廃棄ケーブル20を、第1キャニスタ11内に適宜投入する。廃棄ケーブル供給装置17は、第1キャニスタ11内への廃棄ケーブル20の投入時以外では、第1キャニスタ11の直上位置から離れた位置に配置されてもよい。
前記高周波誘導加熱炉15は、電磁コイル28と、この電磁コイル28へ出力調整された高周波電流を供給する高周波電源29とを有して構成され、電磁コイル28は高周波電流が供給されることで高周波誘導コイルとして機能する。また、この電磁コイル28は、第1キャニスタ11に対応して当該第1キャニスタ11の外側に設置され、この第1キャニスタ11を有効電界内に配設する。高周波誘導加熱炉15によって、第1キャニスタ11内に収容された廃棄ケーブル20の金属系材料が誘導加熱され、当該廃棄ケーブル20の有機系材料が金属材料からの熱により加熱されて溶融する。
第1キャニスタ11の近傍には、図示しない熱電対などの温度検出端が設けられて、第1キャニスタ11の温度が計測される。この温度計測値は、図示しない温度計に表示される。この第1キャニスタ11の温度計測値から、第1キャニスタ11内に収容された廃棄ケーブル20の金属系材料の加熱温度が推定される。この推定された金属系材料の加熱温度に基づいて、高周波電源29から電磁コイル28へ供給される高周波電流の出力が調整される。
第1キャニスタ11内に収容された廃棄ケーブル20の有機系材料のみを溶融するために、当該廃棄ケーブル20を高周波誘導加熱炉15により加熱する加熱温度は、廃棄ケーブル20の有機系材料における熱分解特性の最高温度以上で、廃棄ケーブル20の金属系材料のうち銅導体の溶融温度以下の範囲で設定される。廃棄ケーブル20の有機系材料に関し、熱分解特性を熱重量測定により測定した結果、ケーブル外被材料(シース及び絶縁体など)の熱分解特性の最高温度は約450℃であり、延焼防止剤の熱分解特性の最高温度は約400℃である。また、銅導体の溶融温度は1083℃である。従って、高周波誘導加熱炉15による廃棄ケーブル20の加熱温度は、450℃〜500℃程度以上、1080℃以下の範囲で設定される。
高周波誘導加熱炉15により廃棄ケーブル20を上記温度範囲で加熱することによって、第1キャニスタ11内で廃棄ケーブル20の有機系材料のみを溶融することが可能となる。この溶融された有機系材料は、第1キャニスタ11の溶融物排出口19から第2キャニスタ12内へ排出される。これにより、廃棄ケーブル20の金属系材料が第1キャニスタ11内に残存し、有機系材料が第2キャニスタ12内に流入して、廃棄ケーブル20の金属系材料と有機系材料とが分離される。
前記冷却室16は、第2キャニスタ12内に排出された、廃棄ケーブル20の溶融された有機系材料を冷却して固化するものである。第2キャニスタ12内には、廃棄ケーブル20の溶融された有機系材料の他、廃棄ケーブル20の金属系材料が放射線により汚染されている場合には、この金属系材料も収容される。第2昇降支持機構部14は、第2キャニスタ12内が廃棄ケーブル20の有機系材料、金属系材料で満たされた時に、この第2キャニスタ12を下降させて冷却室16内へ収納し、この第2キャニスタ12の内容物を冷却する。冷却室16は、第2キャニスタ12の内容物を強制冷却または自然冷却するが、自然冷却する場合には、自然冷却可能な大きさ(容積)に設定されている必要がある。
次に、上述の廃棄ケーブル処理装置10の作用を説明する。
延焼防止剤が付着した状態の既設ケーブルを現場にて1〜1.5メートル程度に切り揃えて形成された廃棄ケーブル20を、廃棄ケーブル供給装置17によって第1キャニスタ11の上方(直上)から第1キャニスタ11内へ適宜投入する。
廃棄ケーブル20が投入された第1キャニスタ11は、電磁コイル28に高周波電源29から高周波電流が供給されることにより、廃棄ケーブル20を構成する鉄系材料(トレイ、シールド)、銅系材料(銅線、シールド)、有機系材料(ケーブル外被、延焼防止剤)のうち、鉄系材料及び銅系材料からなる金属系材料を誘導発熱させて加熱する。
ここで、高周波電源29から供給される高周波電流は、第1キャニスタ11の温度を計測している温度計(不図示)の表示に基づき、廃棄ケーブル20の金属系材料の加熱温度を推定することにより出力が調整され、この金属系材料の誘導発熱温度が高温(450℃〜500℃程度以上で且つ、銅導体の溶融温度1083℃以下)になるように制御される。
この状態において、金属系材料(特に銅導体)を囲む形で配置されている廃棄ケーブル20の有機系材料は、金属系材料(特に銅導体)の誘導発熱による熱が伝熱されて融点以上に昇温されて溶融し、廃棄ケーブル20の金属系材料の空間を縫って滴下し、第1キャニスタ11の底部に溜まって有機系材料層を形成する。
この溶融した有機系材料層は、第1キャニスタ11の底部側面の溶融物排出穴19を経て第2キャニスタ12内へ流れ込み、この第2キャニスタ12内で溶融状態の有機系材料層を形成する。
この状態で、第1キャニスタ11内に残存した廃棄ケーブル20の金属系材料に対して、放射線に関する汚染度検査(サーベ検査)を実施する。この金属系材料に汚染無しが確認された場合には、第1キャニスタ11内に残存した金属系材料を、一般の産業廃棄物又はリサイクル資源として処分すべく、取り出して処置する。
また、上記汚染度検査(サーベ検査)の結果、汚染ありの場合には、第1キャニスタ11内に残存した金属系材料を第2キャニスタ12に、例えばロボットハンドを用いて移送し、または高周波誘導加熱炉15により前述の加熱温度範囲以上の温度で加熱して溶融し、溶融物排出口19から第2キャニスタ12へ排出して、低レベル放射性廃棄物として処理する。
以上の操作を、第2キャニスタ12が低レベル放射性廃棄物で充填されるまで、廃棄ケーブル供給装置17から第1キャニスタ11に廃棄ケーブル20を適宜に投入することによって実施する。
第2キャニスタ12が低レベル放射性廃棄物で充填された場合には、この第2キャニスタ12を設置している載置台24を昇降装置25により降下させ、第2キャニスタ12を、載置台24、昇降装置25及び移動装置26と共に冷却室16に収納し、この第2キャニスタ12に貯溜された低レベル放射性廃棄物となる溶融物を強制冷却または自然放冷により冷却する。
この溶融物の冷却後、第2キャニスタ12を移動装置26により移動させ、この第2キャニスタ12をホイスト式クレーン等の懸吊装置を用いて廃棄体ドラム缶21に収納し、隙間にモルタルを充填して、低レベル放射性廃棄物として保管する。
以上のように構成されたことから、本実施の形態によれば、次の効果(1)〜(4)を奏する。
(1)一般に、原子力発電所の放射線エリアに配線されたケーブルのうち、低放射線レベルで汚染されている箇所のほとんどはケーブルのシース表面であり、ケーブル内の銅線等の金属系材料は汚染されていない可能性が高い。従って、廃棄ケーブル20の汚染部位であるシースを含むケーブル外被材料を含有する有機系材料を、第1キャニスタ11内で高周波誘導加熱炉15を用いて溶融して第2キャニスタ12内へ排出し、廃棄ケーブル20の金属系材料を第1キャニスタ11内に残存して有機系材料と分離する。これにより、廃棄ケーブル20の金属材料を、一般の産業廃棄物またはリサイクル資源として処分することが可能となるので、廃棄ケーブル20のうち、放射性廃棄物扱いとなる物量を極めて低減することができる。
(2)形状を有していた廃棄ケーブル20のケーブル外被等の固体物が、第1キャニスタ11内で高周波誘導加熱炉15を用いて溶融され、流体化して空間が埋められることで、放射性廃棄物扱いとなる上記固体物である有機系材料の容積を著しく減少することができる。このため、廃棄ケーブル20を1〜1.5メートル程度の長さに切り揃えて廃棄体ドラム缶に詰め込む従来の方式に比べ、放射性廃棄物扱いとなった廃棄ケーブル20の有機系材料に関して、廃棄体ドラム缶21への充填密度を、従来の40%程度から80%程度へと格段に改善することが可能となる。この結果、放射性廃棄物として保管貯蔵される廃棄体ドラム缶21の物量を大幅に低減することができ、経済的な処理が可能となる。
(3)原子力発電所の放射線エリアに配線されているケーブルの、低放射線レベルで汚染されているシース表面を、従来、人手により布等で拭き取る等の汚染除去作業を行っていたため、多大な作業時間を要し、また手作業による被曝についても配慮しなければならなかった。これに対し、本実施形態では、放射線による汚染部位である廃棄ケーブル20のシースを含むケーブル外被材料や延焼防止剤等の有機系材料を、高周波誘導加熱炉15を用いて第1キャニスタ11内で溶融し除去するので、手作業による汚染除去作業の作業時間、及び手作業による被爆を大幅に低減することができる。
(4)第1キャニスタ11内で廃棄ケーブル20の有機系材料を加熱して溶融する加熱手段が高周波誘導加熱炉15であり、この高周波誘導加熱炉15により廃棄ケーブル20の金属系材料を誘導加熱し、この熱を利用して廃棄ケーブル20の有機系材料を加熱して溶融するので、第2キャニスタ11及び第2キャニスタ12(特に第1キャニスタ11)を高価なステンレス鋼ではなく、安価なセラミックスにて構成できる。このため、第1キャニスタ11が放射線により汚染された場合には、この第1キャニスタ11を第2キャニスタ12と共に廃棄体ドラム缶21内に収納して、低レベル放射性廃棄物として廃棄してもコスト上の支障が生じない。
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、廃棄ケーブル供給装置17が移動した後の第1キャニスタ11の上方(直上)に、図1の2点鎖線に示すように、ガス処理装置30に連結された吸気用フード31を設置し、廃棄ケーブル20における有機系材料の溶融時に発生する揮発性ガスを吸気用フード31に吸引して捕獲させ、このガスをガス処理装置30により、環境へ放出可能なレベルまで処理してもよい。
本発明に係る廃棄ケーブル処理装置における一実施形態の構成を示す概略側断面図。 図1の第1キャニスタ、第2キャニスタ及び廃棄体ドラム缶などを示す斜視図。
符号の説明
10 廃棄ケーブル処理装置
11 第1キャニスタ
10 第2キャニスタ
13 第1昇降支持機構部(第1昇降支持手段)
14 第2昇降支持機構部(第2昇降支持手段)
15 高周波誘導加熱炉(加熱手段)
16 冷却室(冷却手段)
19 溶融物排出口
20 廃棄ケーブル
21 廃棄体ドラム缶
28 電磁コイル
29 高周波電源
30 ガス処理装置
31 吸気用フード

Claims (10)

  1. 廃棄ケーブルを収容すると共に、溶融物排出口を備えた第1キャニスタと、
    この第1キャニスタの上記溶融物排出口付近を少なくとも収容すると共に、廃棄体ドラム缶内に収納可能に設けられた第2キャニスタと、
    前記第1キャニスタに対応して配置され、この第1キャニスタ内に収容された前記廃棄ケーブルの有機系材料を加熱して溶融する加熱手段とを有し、
    溶融された上記有機系材料を前記溶融物排出口から前記第2キャニスタ内へ排出して、前記廃棄ケーブルの金属系材料を前記第1キャニスタに、前記有機系材料を前記第2キャニスタに分離するよう構成されたことを特徴とする廃棄ケーブル処理装置。
  2. 前記加熱手段は、廃棄ケーブルの金属系材料を誘導発熱させて、当該廃棄ケーブルの有機系材料を加熱して溶融する高周波誘導加熱炉であることを特徴とする請求項1に記載の廃棄ケーブル処理装置。
  3. 前記加熱手段による廃棄ケーブルの加熱温度は、この廃棄ケーブルの有機系材料における熱分解特性の最高温度以上で、当該廃棄ケーブルの金属系材料のうち銅導体の溶融温度以下の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の廃棄ケーブル処理装置。
  4. 前記第1キャニスタ及び第2キャニスタは、加熱手段による加熱によっても溶融しない程度に融点が高く、且つ非導電性の物質にて構成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の廃棄ケーブル処理装置。
  5. 前記第1キャニスタ及び第2キャニスタが、セラミックスにて構成されたことを特徴とする請求項4に記載の廃棄ケーブル処理装置。
  6. 前記第2キャニスタ内に排出された、廃棄ケーブルの溶融された有機系材料を冷却し固化するための冷却手段を具備することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の廃棄ケーブル処理装置。
  7. 前記第1キャニスタを昇降可能に支持する第1昇降支持手段を備え、この第1昇降支持手段により、前記第1キャニスタの加熱手段に対する位置が調整可能に構成されること特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の廃棄ケーブル処理装置。
  8. 前記第2キャニスタを昇降可能に支持する第2昇降支持手段を備え、この第2昇降支持手段により、前記第2キャニスタの第1キャニスタに対する位置が調整されると共に、前記第2キャニスタが冷却手段内に搬送されるように構成されること特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の廃棄ケーブル処理装置。
  9. 前記第1キャニスタの上方に、ガス処理装置に連結された吸気用フードを備え、廃棄ケーブルにおける有機系材料の溶融時に発生する揮発性ガスが、前記吸気用フードにて吸引捕獲され、前記ガス処理装置により環境へ放出可能に処理されること特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の廃棄ケーブル処理装置。
  10. 廃棄ケーブルを第1キャニスタ内で加熱し、この廃棄ケーブルの有機系材料を溶融して第2キャニスタへ排出して、前記廃棄ケーブルの金属系材料を前記第1キャニスタに、前記有機系材料を前記第2キャニスタに分離することを特徴とする廃棄ケーブル処理方法。
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