図1乃至図12は、発明を実施するための最良の形態である。図1のa図は、球払出装置46と画像表示装置56と遊技盤210との配置関係の正面を示す。図1のb図は、図1のa図に示すA−A線に相当する切断線で切断した遊技機枠1と縦樋49と画像表示装置56と遊技盤210との配置関係の断面を示す。図2は、パネル枠9と球皿構造体10および画像表示装置56を開いた遊技機枠1と遊技盤210との前側からの外観を示す。図4は、画像表示装置56を開いた可動枠5の裏側からの外観を示す。図5は、可動枠5と画像表示装置56と見切り構造体76とを分解した外観を示す。図6は、見切り構造体76を分解した裏側からの外観を示す。図7は、見切り構造体76の背面を示す。図8は、図6に示すB−B線に沿い見切り構造体76における1つの作業用孔84cの部分を切断した断面を示す。図9は、画像表示装置56と見切り構造体76との取り付けられた可動枠5の正面を示す。図10のa図は、固定具90を分解した外観を示す。図10のb図は、固定具90を被取付部材105に取り付けた断面を示す。図11のa図は、固定具90を相手側部材108に挿入した断面を示す。図11のb図は、固定具90を相手側部材108に取り付けた断面を示す。図12は、3種類の遊技盤210;250;270の前側からの外観を示す。本明細書において、「前」、「後」、「裏」、「左」、「右」、「上」、「下」の方向は、図2の状態に遊技機枠1および遊技盤210を置いて前側から見た場合に特定される方向である。「後」と「裏」とは同じ方向である。
図1のa図を参照し、遊技盤210と球払出装置46および画像表示装置56を前から見た場合の配置関係について説明する。遊技盤210の前面における内ガイドレール216と外ガイドレール217とで囲まれた内側が球の飛び交う遊技領域212であり、内ガイドレール216の左側部と外ガイドレール217の左側部との間の隙間が発射通路215である。球払出装置46は、タンク構造体47、球払出機構48、縦樋49を備える。タンク構造体47および球払出機構48が遊技盤210の上部と左右に分かれて対応し、縦樋49が球払出機構48の真下において遊技盤210の発射通路215と対応する。画像表示装置56がタンク構造体47と球払出機構48との真下でかつ縦樋49の右側と対応する。画像表示装置56の画像表示器67は、電気的に表示形態の変えられる画像を表示画面68に表示する液晶表示器からなる面状表示器により構成される。表示画面68は、横幅と縦幅の寸法比が4:3に構成された17インチの大きさである。表示画面68の横幅が遊技盤210の左右方向に向けられ、表示画面68の縦幅が遊技盤210の上下方向に向けられた横置きの格好で、表示画面68が遊技盤210の遊技領域212と前後方向に対向する。表示画面68の17インチとは、遊技領域212の左右方向における最大横幅をL1とし、表示画面68の横幅をL2とした場合、表示画面68の横幅L2が遊技領域212の最大横幅L1とほぼ同一寸法で対応する目安であって、17インチちょうどでなくてもよい。つまり、表示画面68の17インチは、表示画面68で表示された画像が遊技領域212の最大横幅L1の部分でも遊技盤210の前側から視認し得る範囲であり、かつ、縦樋49が画像表示器67の左側に位置して遊技盤210の発射通路215と対応して図1のb図の遊技主体収納構造体8の裏面に取り付け得る大きさを意味するサイズである。
図1のb図を参照し、遊技盤210と縦樋49および画像表示器67を上から見た場合の配置関係について説明する。画像表示装置56は、遊技主体収納構造体8よりも裏側に配置され、遊技主体収納構造体8に表示側ヒンジ70および枠側ヒンジ85からなるヒンジで後側横方向に片開き可能に取り付けられる。画像表示装置56では、画像表示器67における表示画面68の前側に、見切り構造体76が設けられる。見切り構造体76は、光を透過する性質の有る無色の合成樹脂またはガラスのような材料からなる方形板状の保護パネル84が、前後方向に貫通する角形開口部77を囲む光を遮断する性質の有る合成樹脂のような材料からなる角筒部78の裏側に、角形開口部77を塞ぐように設けられた構造である。よって、遊技盤210を遊技機枠1に取り付けるために、遊技盤210を遊技主体収納構造体8の遊技主体収納室26に前側から格納する場合、遊技盤210の一部が見切り構造体76における角形開口部77の内部に進入しても、当該角形開口部77に進入した遊技盤210の一部は、保護パネル84に接触することで、表示画面68に接触しない。このように、遊技盤210が表示画面68に接触しないように、保護パネル84が表示画面68を保護することができるという利点がある。角筒部78における保護パネル84より前側の角形開口部77を囲む面が、クロームまたはニッケルのような金属色の有るメッキまたは白色系塗料で形成された反射被膜で覆われれば、遊技店内からの光が閉じられたパネル枠9の前面パネル13や遊技盤210を通過して反射被膜に到達したり、画像表示器67の表示画面68に表示された画像からの光が保護パネル84を通過して反射被膜に到達したりするので、反射被膜からの光の反射により、保護パネル84より前側の角形開口部77の周囲が明るくなり、人が、閉じられたパネル枠9の前側から前面パネル13および遊技盤210を順に経由して見切り構造体76を見た場合、表示画面68に表示された画像を鮮明に見ることができる。
遊技盤210が遊技主体収納構造体8の遊技主体収納室26に前側から格納されると、遊技盤210の裏面におけるセット板または集合樋と呼ばれる球案内体234が遊技主体収納構造体8の中央開口部27に配置される。そして、遊技盤210が遊技主体収納室26に装着されて遊技機枠1に固定的に取り付けられた後、パネル枠9が閉じられると、遊技盤210の内ガイドレール216と外ガイドレール217とセンター飾りと遊技釘および入賞部品などの前側部品がパネル枠9の光を透過する性質の有る無色の素通しガラスのようなガラスにより形成された前面パネル13で覆われ、発射通路215および遊技領域212を通るパチンコ球と呼ばれる球が前面パネル13で前面パネル13よりも前側に飛び出さないようになる。その状態において、人がパネル枠9の前側から遊技盤210を見た場合、パネル枠9の窓12および前面パネル13を通して上記遊技盤210の前側部品や球を見ることができる。球案内体234は、遊技盤210の遊技領域212から入賞部品に取り込まれて遊技盤210の裏側に排出された球を下方に誘導するための裏側部品である。遊技盤210の前側部品および裏側部品は、遊技部品と総称される。図1のb図におけるPは、遊技盤210の遊技領域212から入賞部品に取り込まれて遊技盤210の裏側に排出されて球案内体234に取り込まれた球である。遊技盤210における遊技領域212の存在する意匠盤面と前面パネル13との間に形成される空間の寸法D2は、1個の球の直径より大きいが、2個の球を相互に接触させて前後方向に直列に並べた寸法より小さい、寸法に設定されている。図1のb図に示す、遊技盤210における内ガイドレール216、外ガイドレール217、センター飾り226、遊技釘231などの前側部品と前面パネル13との間に形成される空間の寸法D3は、1個の球の直径よりも小さい寸法に設定されている。
図1において、画像表示器67を有する画像表示装置56が遊技盤210の遊技領域212と対応し、球払出装置46におけるタンク構造体47および球払出機構48が画像表示装置56よりも上部に配置され、球払出装置46における縦樋49が画像表示装置56よりも左側に配置されているので、球払出装置46が可動枠5の裏面に固定されたまま、画像表示装置56が表示側ヒンジ70および枠側ヒンジ85からなるヒンジを中心として可動枠5から後側横方向に片開きすることができ、片開きした画像表示装置56を可動枠5に対して前側横方向に閉じることができる。よって、画像表示装置56を保守点検する場合、作業者が、球払出装置46を可動枠5から取り外すことなく、画像表示装置56を後側に開き、画像表示装置56の保守点検を行った後、画像表示装置56を閉じることができるので、画像表示装置56の保守点検作業を容易に行うことができるという利点がある。
縦樋49は、遊技主体収納構造体8の裏面に取り付けられる。そして、遊技主体収納構造体8および発射通路215が光遮蔽性を有する合成樹脂のような材料より形成されたことから、遊技盤210が遊技主体収納室26に装着され、パネル枠9が閉じられた状態において、人がパネル枠9の前側から遊技盤210を見ても縦樋49は見えない。また、遊技主体収納構造体8に取り付けられた画像表示装置56の表示画面68が遊技機枠1の前側に向くように、画像表示装置56が閉じられて遊技主体収納構造体8の裏側に配置されると、見切り構造体76の角筒部78が画像透視開口部29に裏側から前側に挿入され、角筒部78の前部が画像透視開口部29より前側に突出し、画像透視開口部29より前側に突出した角筒部78の前部が遊技機枠1に取り付けられた遊技盤210の裏面と接触するか接触する程度に近づいて対向する。よって、例えば、遊技盤210の遊技領域212が遊技盤210の光を透過する性質の有る合成樹脂のような材料より形成された場合、遊技盤210が遊技主体収納室26に装着されて遊技機枠1に取り付けられ、パネル枠9が閉じられ、画像表示器67の表示画面68に画像が表示された状態において、人が、パネル枠9の前側から遊技盤210を見ると、画像表示器67の表示画面68に表示された画像を、遊技盤210の光を透過する性質の有る合成樹脂のような材料より形成された部分および見切り構造体76の角形開口部77および保護パネル84を経由して鮮明に見ることができる。
図2を参照し、パチンコ機における遊技機枠1の前側の構造について説明する。遊技機枠1は、遊技店の島と呼ばれる図外の遊技機設置構造体に取り付けるための外枠と呼ばれる固定枠2を備える。固定枠2は、前後方向に開放された縦長な長方形の空間を囲む額縁形状である。固定枠2の下部前面に設けられた幕板部3には、図外の低音用のスピーカーの低音を幕板部3の裏側から前側に放出する放音孔部4が、左右に設けられる。放音孔部4の裏面には、低音用のスピーカーが、個別に取り付けられる。固定枠2には、前枠または中枠と呼ばれるような可動枠5が、ヒンジ6で前側横方向に片開き可能にかつ着脱可能(交換可能)に取り付けられる。
可動枠5は、前後方向に開放された縦長な長方形の空間を囲む額縁形状の可動枠本体7と、可動枠本体7から内部に延設された遊技主体収納構造体8とを備える。可動枠5は、電気を絶縁するとともに光を遮断する性質の有る合成樹脂により、成形型を用いて、可動枠本体7と遊技主体収納構造体8との連接した、単一物として形成される。可動枠本体7には、パネル枠9および球皿構造体10が、左側に設けられるヒンジ11で前側横方向に片開き可能に取り付けられる。パネル枠9は、前後方向に開放された窓12を囲む額縁形状である。パネル枠9の裏面には、前面パネル13が、窓12を塞ぐ格好で取り付けられる。パネル枠9の裏面上部には、図外の中・高音用のスピーカーが、左右に取り付けられる。このスピーカーの設けられるパネル枠9の部分には、中・高音用のスピーカーの中・高音をパネル枠9の裏側から前側に放出する図外の放音孔部が、設けられる。
可動枠本体7の右側部には、施錠装置15とロック機構16;17;18が設けられる。可動枠5が、閉じられた場合、ロック機構16によって、固定枠2に、開閉不能に支持される。パネル枠9が、閉じられた場合、ロック機構17によって、可動枠本体7に、開閉不能に支持される。球皿構造体10が、閉じられた場合、ロック機構18によって、可動枠本体7に、開閉不能に支持される。可動枠5やパネル枠9および球皿構造体10が、閉じられ、ロック機構16;17;18で開閉不能に支持された状態において、遊技店の店員が、図外のキープレート(鍵)を遊技機枠1の前側から施錠装置15の鍵穴19に挿入し、当該キープレートを例えば右側に90度回転操作すると、固定枠2と可動枠5とのロック機構16による支持形態が解除される。この支持形態の解除後に、店員が、可動枠5を前側に引くことによって、可動枠5は、ヒンジ6を中心として前側に片開きされる。
上記施錠装置15の鍵穴19に挿入されたキープレートが、人によって例えば左側に90度回転操作されると、可動枠5とパネル枠9とのロック機構17による支持形態が解除される。この支持形態の解除後に、店員が、パネル枠9を前側に引くことによって、パネル枠9は、ヒンジ11を中心として前側に片開きされる。このように、パネル枠9が、前側に開かれた状態において、店員が、可動枠5の前面のロック解除操作体20を操作すると、可動枠5と球皿構造体10とのロック機構18による支持形態が解除される。この支持形態の解除後に、店員が、球皿構造体10を前側に引くことによって、球皿構造体10は、ヒンジ11を中心として前側に片開きされる。球皿構造体10の前面には、球受皿部22と発射操作機構23とを備える。球受皿部22は、遊技に使用する球を受ける上方に開放された形態である。球皿構造体10の裏面には、球払出装置46から排出された球を球受皿部22に受け入れる球取入口24と、球受皿部22から発射機構40に球を供給する球供給口25とを備える。
遊技主体収納構造体8は、前側に開放された遊技主体収納室26、遊技主体収納室26の後壁に形成された前後方向に貫通する中央開口部27、中央開口部27の後縁部から内部に突出する覆部28、覆部28で前後に貫通するように囲まれた画像透視開口部29を備える。遊技主体収納室26の左側部には、遊技盤210を裏側から前側に押圧する板ばねにより構成された遊技主体押圧部31と、遊技主体押圧部31で前側に押された遊技盤210を前側から受け止める遊技主体受部32とを備える。遊技主体収納室26の右側部には、遊技主体ロック部材33を備える。遊技主体ロック部材33は、遊技主体収納構造体8から前側に突出する台座の中心にロック操作部34を回転可能に備える。ロック操作部34は、台座から前側に突出した操作軸の端部に固定された横長な形態である。
遊技主体収納室26の前上部には、遊技主体収納構造体8と別体の意匠板部126が取り付けられる。遊技主体収納室26の下縁部は、遊技盤210の下部を搭載する左右方向に平坦な面としての遊技主体棚35を構成する。遊技主体棚35には、切欠部36が、遊技機枠1に取り付けられる遊技盤210の球案内体234における球を下方に排出する排出口の真下と対応する位置に、遊技主体棚35の裏側から前側に窪む形態に設けられる。切欠部36には、球機外排出樋37の突片38が嵌め込まれる。球機外排出樋37は、球案内体234から下方に排出された球を可動枠5から図外の遊技機設置構造体における球捕集機構に向けて排出する通路を遊技主体棚35の裏側に形成する。遊技主体棚35の前縁から下方に延設された前壁39の前面には、発射機構40、発射レール41、ファール球取入口部42、前横樋43を備える。
発射機構40は、電力供給と遮断とを交互に受けることによって、球受皿部22から発射レール41に供給された1個の球を遊技盤210の遊技領域212に向けて発射する。発射レール41は、球皿構造体10の球供給口25から供給された1個の球を受け取り、この受け取った球が発射機構40で発射されると、この発射された球を、遊技盤210における発射通路215の入口に誘導する。ファール球取入口部42は、遊技盤210の発射通路215から落下する球を取り込む。前横樋43は、可動枠5の裏部に取り付けられた球払出装置46から払い出された球とファール球取入口部42から排出された球とを、遊技機枠1の裏側から排出される球として、遊技機枠1の前側の球皿構造体10に排出するための球取入口24に誘導するとともに当該球に帯電した静電気を除去する通路を形成する。画像表示装置56の裏面には、主制御装置62、複合制御装置63、表示駆動回路装置64が取り付けられる。主制御装置62が下部に位置し、複合制御装置63が主制御装置62よりも上部に位置し、表示駆動回路装置64が主制御装置62および複合制御装置63よりも側部に位置する。そして、画像表示装置56が遊技機枠1の方向に閉じられ、見切り構造体76の角筒部78が画像透視開口部29に裏側から前側に挿入され、角筒部78の前部が画像透視開口部29より前側に突出すると、図3に示す形態となる。
図4を参照し、可動枠5の裏側の構造について説明する。可動枠5の裏部、具体的には、遊技主体収納構造体8の裏面には、球払出装置46、画像表示装置56、電源装置57、発射払出制御装置58、外部中継端子装置59;60が設けられる。球払出装置46は、タンク構造体47、球払出機構48、縦樋49を備える。タンク構造体47および球払出機構48は、遊技主体収納構造体8における中央開口部27よりも上部の位置で左右に並べられ、遊技主体収納構造体8の裏面に取り付けられる。タンク構造体47は、遊技機設置構造体の球補給機構から供給された球を貯蔵する上方に開口した球貯蔵室50、球貯蔵室50に貯蔵された球を球払出機構48の球払出動作に伴い球貯蔵室50から球払出機構48の球入口に誘導する払出球通路部51を備える。球払出機構48は、球払出機構48における筐体の内部にスプロケットのような払出体52と図外の払出球検出器とを備え、上記筐体の外部に払出体52を回転駆動するステップモータのような図外のモータを備え、タンク構造体47から球払出機構48に球が供給されている状態において、払出体52がモータで一方向に回転駆動されると、払出体52が球を1個ずつ分離しつつ賞球または貸球として払い出し、払出球検出器が払出体52から払い出された球を電気的に検出して払出球検出信号を主制御装置62および発射払出制御装置58に出力する。
縦樋49は、遊技主体収納構造体8における中央開口部27よりも左部の位置で中央開口部27の左縁に沿って縦に配置され、遊技主体収納構造体8の裏面に取り付けられる。縦樋49の内部に設けられた球通路53は、払出球検出器を通過して球払出機構48から下部に排出された球を下部の満タン検出装置54に排出する通路であって、縦樋49を後から見た場合、球を一列で上から下に流し、縦樋49を左右方向の横から見た場合、球を一列で前後に蛇行しつつ上から下に流す形態である。つまり、縦樋49における左右方向の横幅は、球を一列で上から下に誘導する細い寸法になっている。満タン検出装置54は、縦樋49の真下でかつ遊技主体収納構造体8における中央開口部27よりも下部の位置で遊技主体収納構造体8の裏面に取り付けられる。満タン検出装置54の出口は、前横樋43に接続される。よって、球払出装置46から払い出された球は、満タン検出装置54および前横樋43を経由して図2に示す球皿構造体10の球受皿部22に払い出される。
満タン検出装置54は満タン検出装置54における筐体の内部に図外の満タン検出機構を備える。満タン検出機構は、図2に示す球受皿部22から前横樋43および満タン検出機構まで球が満杯となると、球払出機構48による払出動作を停止するために、満タン検出機構における図外の満タン検出器が満杯となった球でオン動作して電気的な満杯検出信号を主制御装置62に出力し、満杯検出信号を受信した主制御装置62は球払出停止信号を発射払出制御装置58に出力し、発射払出制御装置58が球払出機構48のモータの駆動を停止する。これによって、球払出機構48による払出動作が停止する。
画像表示装置56は、遊技主体収納構造体8の裏側に表示側ヒンジ70および枠側ヒンジ85からなるヒンジで後側横方向に片開き可能に取り付けられる。電源装置57は、遊技機設置構造体に設けられる島電源装置から供給される24ボルトの交流電源をパチンコ機に使用する例えば5ボルト、12ボルト、24ボルトなどの電圧の直流電源に変換して出力するとともに24ボルトの交流電源もそのまま出力する機能を備え、遊技主体収納構造体8の裏側の右側に位置し、図2に示す前壁39の裏面に取り付けられる。発射払出制御装置58は、電源装置57を裏側から覆うように、前壁39の裏面に取り付けられる。外部中継端子装置59は、パチンコ機の横に並べられて遊技機設置構造体に設けられるカードサンドと呼ばれる球貸機の制御装置や発射払出制御装置58からの配線を接続するための複数のコネクタを備え、遊技主体収納構造体8の裏側の左側に位置し、前壁39の裏面に取り付けられる。外部中継端子装置60は、パチンコ店の営業を管理するホールコンピュータや主制御装置62からの配線を接続するための複数のコネクタを備え、遊技主体収納構造体8の裏側の上部に位置し、球払出装置46に取り付けられる。
図5を参照し、画像表示装置56の構造について説明する。画像表示装置56は、前側に四角形に開口した光を遮断する性質の有る合成樹脂からなる筐体66の内部に図外の画像制御装置と画像表示器67とを格納し、画像表示器67の表示画面68を筐体66の開口の方向に向け、図外の画像制御装置と画像表示器67とを筐体66にタッピングスクリューのような図外の止ねじで固定した構造である。画像表示器67が液晶表示器の場合、バックライトや導光部材および拡散部材などのような画像表示器67の表示画面68を全体的に照明するバックライト機構部材が、画像表示器67に含まれる。表示画面68の周囲には鉄のような強磁性材からなる表示器フレーム69を備える。画像表示器67よりも前側に突出する筐体66の右側部には、金属製の表示側ヒンジ70が設けられる。
表示側ヒンジ70は筐体66に図外のタッピングスクリューのような止ねじで固定されたヒンジブラケットから下方に向けて突出するヒンジピンを備える。表示側ヒンジ70のヒンジピンは、筐体66の右側部よりも右方向の外側に位置する。画像表示器67よりも前側に突出する筐体66の上部および下部には、固定具取付部71を個別に備える。筐体66の上部に設けられる固定具取付部71は、筐体66の左右方向の中央に位置し、筐体66の上部から上方に突出する。筐体66の下部に設けられる固定具取付部71は、筐体66の左端部に位置し、筐体66の左端部から下方に突出する。固定具取付部71には固定具72が設けられる。画像表示器67よりも前側に突出する筐体66の下部には、見切り構造体76を固定するための見切り取付部73が設けられる。筐体66の右上部には、受止部74が、表示側ヒンジ70の真上に位置し、窪みとして設けられる。筐体66と固定具取付部71と見切り取付部73および受止部74は、光を遮断する性質の有る合成樹脂により一体に形成された構造である。
見切り構造体76は、前後方向に貫通する角形開口部77を囲む角筒部78、角筒部78の下部左右に設けられた側部覆部79、角筒部78の下部中央に設けられた中央覆部80、左右の側部覆部79の真下で角筒部78の下部から下方に突出した固定具取付部81のそれぞれが、光を遮断する性質の有る合成樹脂により一体に形成された構造である。左側に位置する側部覆部79は、前方と下方および左方に開放した形状である。右側に位置する側部覆部79は、前方と下方および右方に開放した形状である。中央覆部80は、前方および下方に開放した形状である。角筒部78の裏面における左右上部には、永久磁石82が固定される。固定具取付部81には、固定具83が設けられる。角形開口部77は、画像表示器67における表示器フレーム69の内周縁で囲まれる開口と同じ大きさと形とを有する。角筒部78の裏面には、角形開口部77を塞ぐ保護パネル84が、設けられる。
そして、見切り構造体76の角筒部78が画像表示器67の筐体66の前側から内部に挿入され、永久磁石82が画像表示器67の表示器フレーム69に磁力で装着され、固定具83が人によって見切り取付部73に押し込まれると、見切り構造体76が画像表示装置56に取り付けられる。このように見切り構造体76が画像表示装置56に取り付けられ、人が、見切り構造体76の前側から画像表示器67を見た場合、見切り構造体76における側部覆部79と中央覆部80とで塞がれた角形開口部77および保護パネル84を通して、表示画面68を見ることができる。永久磁石82および固定具83が、見切り構造体76を画像表示装置56に取り付けるための部材を構成する。
遊技主体収納構造体8における中央開口部27よりも右部の裏面には、金属製の枠側ヒンジ85が設けられる。枠側ヒンジ85は、遊技主体収納構造体8に図外のタッピングスクリューのような止ねじで固定されたヒンジブラケットに上下に向けて貫通するヒンジ孔を備える。遊技主体収納構造体8における中央開口部27よりも上部および左部には、画像表示取付部86が個別に設けられる。遊技主体収納構造体8の上部に設けられる画像表示取付部86は、中央開口部27に対する左右方向の中央に位置する。遊技主体収納構造体8の下部に設けられる画像表示取付部86は、中央開口部27に対する左下隅部に位置する。遊技主体収納構造体8の裏面には、閉じた画像表示装置56の上方への移動を規制するストッパ87が、枠側ヒンジ85の真上に位置し、遊技主体収納構造体8の裏面から裏側に突出し、設けられる。
そして、見切り構造体76の取り付けられた画像表示装置56における表示側ヒンジ70のヒンジピンが枠側ヒンジ85のヒンジ孔に上方から嵌め込まれることによって、画像表示装置56が遊技主体収納構造体8の裏側に取り付けられる(画像表示装置56が表示側ヒンジ70および枠側ヒンジ85で遊技主体収納構造体8に取り付けられて裏側に片開きされた形態は、図4参照)。図5において、その後、画像表示装置56の表示画面68が遊技主体収納構造体8の画像透視開口部29の方向に向くように、画像表示装置56が閉じられるに伴い、見切り構造体76における画像表示装置56の筐体66から前側に突出した角筒部78や側部覆部79および中央覆部80の前部が画像透視開口部29の内部に取り込まれ、筐体66の受止部74がストッパ87の真下に配置され、固定具72が画像表示取付部86に装着されることによって、画像表示装置56が遊技主体収納構造体8に固定される(画像表示装置56が遊技主体収納構造体8に固定され、可動枠5を前から見た形態は、図3参照)。
再び、図5において、画像表示装置56が遊技主体収納構造体8に固定された状態において、固定具72が画像表示取付部86から引き抜かれても、受止部74がストッパ87の真下に配置される限り、画像表示装置56が人によって上方に持ち上げられた場合でも、受止部74とストッパ87とが互いに衝突し、表示側ヒンジ70のヒンジピンが枠側ヒンジ85のヒンジ孔から上方に抜けることがなく、表示側ヒンジ70と枠側ヒンジ85とによる画像表示装置56の遊技主体収納構造体8に対する開閉可能な支持形態は維持される。
受止部74がストッパ87の真下に配置される範囲は、例えば、閉じられていた画像表示装置56が後側に片開きされ、見切り構造体76が画像透視開口部29から裏側に抜け出るまでの範囲に設定される。このように設定されることによって、画像表示装置56が後側に片開きされ、見切り構造体76が画像透視開口部29から裏側に抜け出ていない状態において、人が、画像表示装置56を上方に持ち上げても、受止部74とストッパ87とが互いに衝突するので、見切り構造体76が画像透視開口部29を囲む遊技主体収納構造体8の上部に衝突せず、見切り構造体76が画像表示装置56から脱落するような不都合を防止する。そして、見切り構造体76が画像透視開口部29から裏側に抜け出た以上に、画像表示装置56が後側に片開きされると、受止部74がストッパ87の真下から裏側に移動し、人が画像表示装置56を上方に持ち上げることによって、表示側ヒンジ70のヒンジピンが枠側ヒンジ85のヒンジ孔から上方に抜け出て、画像表示装置56が遊技主体収納構造体8から取り外される。
図6を参照し、見切り構造体76における保護パネル84を取り付けるための構造について説明する。角筒部78の裏面には、パネル収納開口部84aが、永久磁石82よりも内側に位置し、保護パネル84の外形と同じ大きさと形状とに形成される。パネル収納開口部84aには、パネル支持部84bが、保護パネル84の厚さtより大きな寸法だけ、角筒部78の裏面から前側にずれた位置に設けられる。パネル支持部84bは、パネル収納開口部84aを囲む角筒部78からパネル収納開口部84aの内側に突出し、パネル収納開口部84aの周方向に連続した四角な環状の面を前側に向けて形成する。パネル支持部84bには、パネル支持部84bに固定された保護パネル84をパネル支持部84bから取り外す作業を行うための複数の作業用孔84cが、パネル支持部84bにおける上下左右の4つの面に少なくとも1個ずつ割り当てられて設けられる。永久磁石82は、角筒部78の裏面における上下左右の4つの面に少なくとも1個ずつ割り当てられて設けられる。保護パネル84の周縁前面には、保護パネル84をパネル支持部84bに固定するための両面粘着材84dが、保護パネル84の周方向に連続した四角な環状に設けられる。両面粘着材84dの四角な環状の内径は、角形開口部77の内径より大きい。
そして、保護パネル84は、見切り構造体76に、次のように取り付けられる。両面粘着材84dが角筒部78の裏面の方向に向けられ、保護パネル84が角筒部78の裏側からパネル収納開口部84aに嵌め込まれ、両面粘着材84dがパネル支持部84bに押し付けられる。これによって、両面粘着材84dがパネル支持部84bと保護パネル84とを結合し、保護パネル84が見切り構造体76に取り付けられて角形開口部77の後部を塞ぐ(保護パネル84が見切り構造体76に取り付けられた形態は、図7参照)。このように、保護パネル84が見切り構造体76に取り付けられると、保護パネル84の裏面が角筒部78の裏面と同一面内に位置するかまたは角筒部78の裏面より少し前側にへこむ形態となる。保護パネル84の裏面が角筒部78の裏面と同一面内に位置するかまたは角筒部78の裏面より前側に少しへこむ形態は、パネル支持部84bが角筒部78の裏面から前側にずれた寸法と、保護パネル84の厚さtと、両面粘着材84dの厚さとの関係によって、定まる。
図8を参照し、見切り構造体76に取り付けられた保護パネル84を見切り構造体76から取り外す場合について説明する。角筒部78が前後方向に移動しないように支持された状態おいて、棒状の工具127が角筒部78の前側から作業用孔84cに挿入されて両面粘着材84dおよび保護パネル84を裏側に押し出すことによって、両面粘着材84dによる保護パネル84とパネル支持部84bとの結合が解除され、保護パネル84が単独で角筒部78から取り外されるか、または、保護パネル84と両面粘着材84dとが一緒に角筒部78から取り外される。これによって、保護パネル84の交換を容易に行うことができるという利点がある。
図10のa図を参照し、図5に示した固定具72;83に相当する固定具90の構造について説明する。固定具90は、市販品であって、係合具91と操作具92とを備える。係合具91および操作具92は、互いに別々に形成される。係合具91は、前後方向に貫通する中心孔93を有する円筒本体94の一端部に受部95を備え、円筒本体94の他端部に掛止部96を備える。受部95は円筒本体94の一端部より軸心方向の一方の外側に開口する皿状である。受部95と掛止部96との間における円筒本体94の外周面は、受部95の外径と掛止部96の外径との双方よりも細い、くびれ部97として形成される。掛止部96は、割溝98によって、周方向に独立した複数の片持ち梁のような弾性片として形成される。割溝98は、掛止部96の他端部とくびれ部97との間を、軸心方向と直径方向とに切り欠かれる。
掛止部96を構成する各弾性片の中心孔93を囲む内面には、突起99が、軸心方向に向けて突出する。操作具92は、棒本体100の一端部に鍔101とくびれ部102と摘み103とを備え、棒本体100の他端部に係合溝104を備える。棒本体100は、受部95の方向から中心孔93に挿入されるとともに、中心孔93に挿入された場合に突起99を中心孔93の径方向外側に押して掛止部96を押し広げる、太さである。鍔101は、棒本体100の外径よりも大きな外径であって、受部95における周壁で囲まれた内部に取り込まれる大きさである。くびれ部102は、鍔101から同軸状に突出し、鍔101と摘み103との双方よりも細い。摘み103は、摘み103から同軸状に突出し、くびれ部102と鍔101との双方よりも太い円盤形状である。
図10のb図を参照し、固定具90が被取付部材105に取り付けられた構造について説明する。被取付部材105は、図5に示す筐体66の固定具取付部71や見切り構造体76の固定具取付部81に相当する。被取付部材105には取付孔106が形成される。そして、係合具91のくびれ部97が、被取付部材105の取付孔106に嵌め込まれることによって、受部95と掛止部96とが、取付孔106の周囲における被取付部材105を挟む格好となり、係合具91が、被取付部材105に取り付けられ、掛止部96が被取付部材105の表面107より突出する。そして、操作具92の棒本体100が、係合具91の受部95の方向から中心孔93に挿入されることによって、係合溝104が、突起99に嵌め込まれた格好となり、操作具92が、係合具91に取り付けられる。これによって、固定具90が被取付部材105に取り付けられる。
図11のa図を参照し、被取付部材105に固定具90が相手側部材108に取り付けられる構造について説明する。相手側部材108は、図5に示す筐体66の見切り取付部73や遊技主体収納構造体8の画像表示取付部86に相当する。相手側部材108には相手側部材108の表面109に開口した筒状の取付孔110が形成される。そして、被取付部材105に取り付けられた固定具90の被取付部材105より裏側に突出した先端部としての係合具91における掛止部96が、相手側部材108における取付孔110の内部に挿入され、係合具91の周囲における被取付部材105の表面107が取付孔110の周囲における相手側部材108の表面109に接触される。
次に、図11のb図に示すように、人が、操作具92の摘み103を矢印X1で示す方向に押すことによって、上記突起99と係合溝104との嵌まり合いが解除され、棒本体100が中心孔93の内部を奥に進入する。これに伴い、棒本体100の外周面が、突起99を中心孔93の径方向外側に押して、掛止部96を押し広げる。この中心孔93の径方向外側に押し広げられた掛止部96が、取付孔110を径方向外側に突っ張るように、取付孔110に接触する。これによって、固定具90が取付孔110に押し込まれた形態となり、被取付部材105が、相手側部材108に、固定具90で、取り付けられる。
このように被取付部材105が、相手側部材108に、固定具90で、取り付けられた状態において、人が、操作具92の摘み103を矢印X2で示す方向に引くことによって、棒本体100が中心孔93の奥から手前に後退する。これに伴い、上記棒本体100の外周面による突起99に対する中心孔93の径方向外側への押し力が弱くなり、掛止部96が自身の弾性によって径方向内側に復帰し、突起99が係合溝104に嵌まり込み、掛止部96が取付孔110から離れ、図11のa図の状態になる。これによって、固定具90と取付孔110との係合が解除された形態となり、人が被取付部材105を支持して相手側部材108から離れる方向に移動すると、固定具90の装着されたままの被取付部材105が相手側部材108から取り外される。
図12を参照し、遊技機枠1に取り付けられて使用されることが可能な、a図に示す遊技盤210、b図に示す遊技盤250、c図に示す遊技盤270の3種類の構造について説明する。3種類の遊技盤210;250;270は、前後方向の厚さT、左右方向の横幅W、上下方向の高さHが同じ寸法であって、遊技主体収納室26に取り付けるための構造も同じである。しかし、a図に示す遊技盤210が遊技盤210の前側から遊技領域212の全体を通して画像表示器67の表示画面68に表示された画像を遊技者に見せる構造であり、b図に示す遊技盤250が遊技盤250の前側から遊技領域212の一部を通して画像表示器67の表示画面68に表示された画像を遊技者に見せる構造であり、c図に示す遊技盤270が遊技盤270の前側から画像表示器67の表示画面68に表示された画像を遊技者に見せない構造である点が相違する。
図12のa図において、遊技盤210の前側の構造について説明する。遊技盤210は、非遊技領域を形成する光を遮断する性質の有る合成樹脂からなる周辺飾り構造体211と、周辺飾り構造体211で囲まれた内側の遊技領域212を形成する光を透過する性質の有る合成樹脂からなる板状構造体213とを備える。周辺飾り構造体211は、遊技主体収納室26に格納される方形板状の中央に、前後方向に貫通する丸形開口部214と、丸形開口部214の左側部に前側開放縦溝形状の発射通路215とを備える。発射通路215の左側面と当該左側面から右側に弧状に延長する丸形開口部214の上部弧状側面とには、ステンレスのような金属帯板状の外ガイドレール217が、一連に付設される。
発射通路215の右側面および当該右側面から右側に弧状に延長する丸形開口部214の下部弧状側面は、発射通路215の縦形の底部と丸形開口部214より前方に突出する内ガイドレール216を形成する。内ガイドレール216における下部弧状側面の最下部には、アウト口218を囲むとともに球を遊技盤210の前側から裏側に排出するハートと呼ばれるアウト口部219が、内ガイドレール216から内側に突出した格好に連接される。内ガイドレール216およびアウト口部219は、周辺飾り構造体211と一緒に合成樹脂により形成される。よって、発射通路215以外における外ガイドレール217と内ガイドレール216とが、遊技領域212を囲む丸形開口部214である。アウト口部219は、遊技領域212の最下部に配置される。発射通路215は、図2の発射機構40から発射された球を遊技領域212に案内する通路である。
発射機構40から発射された球を発射通路215から遊技領域212に放出する発射通路215の出口には、戻り球防止弁220が、設けられる。戻り球防止弁220の取付部は、内ガイドレール216の端部に沿うように、周辺飾り構造体211に取り付けられる。戻り球防止弁220は、外ガイドレール217や内ガイドレール216よりも厚さの薄い薄帯板状のステンレスまたは合成樹脂により形成される板ばねであって、発射通路215から遊技領域212に発射され球の遊技領域212から発射通路215への流入を防止する。周辺飾り構造体211の下縁部には、不正防止バンド221が、直線的に取り付けられる。不正防止バンド221は、弾性の有る合成樹脂で形成されたものであって、図2のパネル枠9が、閉じられることによって、不正防止バンド221が前面パネル13の裏面(遊技盤210の側に位置する面)に接触し、遊技者が、ピアノ線や合成樹脂製薄帯板などの不正操作部材を遊技領域212よりも下方の図2に示す遊技機枠1の前側から遊技機枠1の前面構成部品間の隙間を経由して遊技領域212に挿入しようとした場合、パネルの内側面に接触した不正防止バンド221が、不正操作部材を受け止めて不正操作部材の遊技領域212への侵入を防止する。
周辺飾り構造体211の右側の上下部には、遊技盤210を遊技機枠1に固定するための取付部222が、設けられる。取付部222は、図2の遊技主体収納室26に設けられた遊技主体ロック部材33と係合するロック挿入孔223を備える。周辺飾り構造体211の右側の下部には、証紙台224が、前後方向に開閉可能に設けられる。証紙台224が、周辺飾り構造体211との連結部である図外のヒンジを中心として前方に開かれることによって、下部の取付部222が、周辺飾り構造体211の前側から見える格好となる。そして、証紙台224が上記ヒンジを中心として後方に閉じられて証紙台受部225で受け止められると、取付部222が証紙台224で覆われて周辺飾り構造体211の前側から見えなくなる。閉じられた証紙台224の前面には、遊技盤210の検査に合格して販売の認可を受けたことを示すための図外の証紙が、貼り付けられる。
遊技領域212を形成する光を透過する性質の有る合成樹脂からなる板状構造体213には、センター飾り226、一般入賞部品227、作動入賞部品228、始動入賞部品229、可変入賞部品230、遊技釘231、風車232などの前側部品が、周辺飾り構造体211の発射通路215を除く丸形開口部214で囲まれた光を透過する性質を有する遊技領域212に取り付けられる。一般入賞部品227は、球を遊技領域212から取り込み、当該取り込んだ球を遊技領域212の裏側に排出する、取込形である。一般入賞部品227の内部には、図外の一般入賞球検出器を備える。作動入賞部品228は、球を遊技領域212から取り込み、当該取り込んだ球を遊技領域212の裏側に取り込むことなく、遊技領域212に排出する、通過形である。作動入賞部品228の内部には、図外の作動入賞球検出器を備える。始動入賞部品229は、左右に開閉する一対の羽根の下部を中心とし、一対の羽根を図外の始動駆動源で左右方向に開閉する電動チューリップと呼ばれる構造である。始動入賞部品229は、球を遊技領域212から取り込み、当該取り込んだ球を遊技領域212の裏側に排出する、取込形である。
始動入賞部品229の左右一対の羽根は、閉じた場合でも、球を受け入れ得る形態、受け入れない形態のいずれでも適用できる。始動入賞部品229の内部には、図外の始動入賞球検出器を備える。可変入賞部品230は、横長な長方形状の開閉体233の下部を中心とし、開閉体233を図外の可変駆動源で前後方向に開閉するアタッカーまたは大入賞口と呼ばれる構造である。可変入賞部品230の開閉体233で閉じたり開かれたりする空洞形状の球受入部の内部には、カウントスイッチと呼ばれる図外の普通入賞球検出器と、Vスイッチまたは継続スイッチと呼ばれる図外の特定入賞球検出器とを備える。可変入賞部品230の球受入部に取り込まれた球は、普通入賞球検出器または特定入賞球検出器を通過した後に遊技盤210の裏側に排出される。よって、可変入賞部品230は、取込形である。
センター飾り226は、光を透過する性質の有る合成樹脂により形成された上方に向けて突出する弧状であって、板状構造体213の裏面から図外のタッピングスクリューのような止ねじで板状構造体213の前面に取り付けられる。一般入賞部品227、作動入賞部品228、始動入賞部品229、可変入賞部品230は、光を透過する性質の有る合成樹脂により形成された部品であって、板状構造体213の裏面から図外のタッピングスクリューのような止ねじで板状構造体213の前面に取り付けられる。遊技釘231は、真鍮で形成された障害釘とも呼ばれる釘であって、板状構造体213の前面から内部に打ち込まれる。よって、人が、これらの前側部品を備えた遊技盤210を前側から見た場合、遊技領域212における一般入賞部品227、作動入賞部品228、始動入賞部品229、可変入賞部品230、遊技釘231で覆われた以外の部分の裏側を視認することができる。
図12のb図に示す遊技盤250は、例えばベニヤのような合板からなる、光を遮断する性質を有する材料からなる方形な板状構造体251を備える。板状構造体251の前面は、図柄のような定形画の表示された意匠盤面である。板状構造体251の意匠盤面に、周辺飾り構造体211、内ガイドレール216、外ガイドレール217、アウト口218を囲むアウト口部219、証紙台224、一般入賞部品227、作動入賞部品228、始動入賞部品229、可変入賞部品230、遊技釘231、センター飾り252などの前側部品が取り付けられる。センター飾り252は、板状構造体251の意匠盤面に配置される光を遮断する性質の有る合成樹脂からなる前側部分の中央に前後方向に貫通するセンター窓253を有し、センター窓253がセンター飾り252の裏面に固定された光を透過する性質の有る合成樹脂からなるセンターパネル254で塞がれ、センターパネル254が板状構造体251の前後方向に貫通するように形成された図外の逃孔に板状構造体251の前側から裏側に向けて挿入される。よって、人が、これらの前側部品を備えた遊技盤250を前側から見た場合、遊技領域212におけるセンターパネル254を通して裏側を視認することができる。
図12のc図に示す遊技盤270は、板状構造体251の意匠盤面に、周辺飾り構造体211、内ガイドレール216、外ガイドレール217、アウト口218を囲むアウト口部219、証紙台224、一般入賞部品227、作動入賞部品228、始動入賞部品229、遊技釘231、可変入賞部品271などの前側部品が取り付けられる。可変入賞部品271は、図12のa図のセンター飾り226や図12のb図のセンター飾り252に代わって設けられる部品であって、板状構造体251の意匠盤面に配置される光を遮断する性質の有る合成樹脂からなる前側部分に、前側に開口しかつ前側から裏側への奥行の有る箱形の球遊動室272と、左右に開閉する一対の羽根273を有し、球遊動室272が板状構造体251の前後方向に貫通するように形成された図外の逃孔に板状構造体251の前側から裏側に向けて挿入される。よって、人が、これらの前側部品を備えた遊技盤270を前側から見た場合、遊技領域212を通して裏側を視認することができない。
最良の形態におけるパチンコ機の動作について説明する。図2において、可動枠5に取り付けられた画像表示装置56が閉じられるとともに、遊技盤210の遊技領域212が前側に向けられ、遊技盤210が遊技機枠1の前側から遊技主体収納室26に挿入され、遊技盤210の下部が遊技主体棚35の上に載せられ、遊技盤210の左側部が遊技主体受部32と遊技主体押圧部31との間に挿入されて前後方向から挟まれた後、遊技盤210の右側部が作業者によって後側に押され、遊技主体ロック部材33のロック操作部34が取付部222のロック挿入孔223に後側から挿入されて前側に突出した状態において、作業者がロック操作部34を例えば右方向に90度回転操作すると、ロック操作部34がロック挿入孔223の周りにおける取付部222と係合し、遊技盤210が可動枠5に取り付けられる。これによって、図1のb図に示すように、画像表示装置56の前側に遊技盤210および球案内体234が非接触に配置される。上記画像表示装置56が閉じられた場合、図4に示す見切り構造体76の角筒部78が画像透視開口部29の内部を通過して遊技盤210の裏面に接触するかまたは接触する程度に近づき、作業者が固定具72を画像表示取付部86に係合させる。これによって、図1のb図に示すように、遊技盤210の裏面と画像表示器67の表示画面68とが平行な状態で前後に離れている。
また、図2に示す遊技盤210における一般入賞部品227と始動入賞部品229の裏側が、図4に示す見切り構造体76における側部覆部79と中央覆部80とで個別に覆い隠される。さらに、図2に示す遊技盤210における可変入賞部品230および球案内体234が、図4に示す見切り構造体76と遊技主体棚35および中央開口部27で囲まれた下部空間に配置される。このように、遊技盤210が前側で、画像表示装置56が裏側となるように、遊技盤210および画像表示装置56が遊技機枠1の可動枠5に取り付けられ、画像表示装置56が前側に閉じられ、可動枠5を前から見た形態は、図9に示す形態となる。図9において、遊技主体収納室26の前上部に取り付けられた意匠板部126は、画像表示装置56の角形開口部77より上方における外ガイドレール217と見切り構造体76との間の隙間を覆い隠し、図2の遊技領域212に適合する意匠を表現する。意匠板部126が光を遮断する性質の有る合成樹脂により前後方向に貫通する孔を有する板状に形状され、その表面がクロームまたはニッケルのような金属色の有るメッキまたは白色系塗料で形成された反射被膜で被覆され、上記孔を塞ぐ光を透過する性質の有る合成樹脂からなるレンズが板状の意匠板部126の裏面に取り付けられ、意匠板部126で覆われた遊技主体収納室26の前上部にLEDのような光源を有する表示灯回路基板が設けられ、表示灯回路基板のLEDの発光がレンズを照射し、レンズがLEDからの発光を拡散するようにすれば、レンズで拡散した光が反射被膜で反射し、意匠板部126で表現された遊技領域212に適合する意匠を遊技者に一層良好に表現することができる。また、意匠板部126が光を遮断する性質の有る合成樹脂により無孔な板状に形状され、その表面がクロームまたはニッケルのような金属色の有る反射被膜で被覆されれば、遊技店内からの光が閉じられた図1に示すパネル枠9の前面パネル13や遊技盤210を通過して反射被膜に到達し、反射被膜からの光の反射により、意匠板部126の周囲が明るくなり、人が、閉じられたパネル枠9の前側から前面パネル13および遊技盤210を順に経由して意匠板部126を見た場合、意匠板部126で表現された遊技領域212に適合する意匠を一層良好に見ることができる。
そして、図2において、遊技盤210が取り付けられた後、球皿構造体10が閉じられ、可動枠5が閉じられる。その状態において、図4に示す電源装置57が供給された交流電源を直流電源に変換し、変換した直流電源を発射払出制御装置58、図2に示す主制御装置62、複合制御装置63、表示駆動回路装置64、図外の図柄制御装置に供給する。これによって、図柄制御装置が主制御装置62からの指示によって図4に示す画像表示器67を駆動し、画像表示器67が電気的に画像を表示画面68に表示し、遊技機枠1の前側から遊技者が、表示画面68に映し出された画像を、閉じられた図2のパネル枠9の前面パネル13と遊技盤210の丸形開口部214および光を透過する性質の有る合成樹脂からなる板状構造体213を通して見ることをできる。
また、遊技者が図2の球皿構造体10の球受皿部22に球を入れて発射操作機構23を操作すると、発射払出制御装置58が発射機構40を発射操作機構23から出力された操作量に応じた発射力で例えば1分間に1から100発未満までの所定数の間隔で駆動し、発射機構40が球受皿部22から発射レール41に供給された球を1個ずつ遊技盤210の発射通路215に向けて発射する。この発射通路215に発射された球が、発射通路215から戻り球防止弁220を押し開けて遊技領域212に到達した後に遊技領域212を流下する過程において、一般入賞部品227や始動入賞部品229あるいは可変入賞部品230に入賞すると、一般入賞部品227や始動入賞部品229あるいは可変入賞部品230に入賞した球が、遊技盤210の裏側に排出される一方、それぞれの入賞に対応する賞球としての球が、球払出機構48から球受皿部22に払い出される。一般入賞部品227や始動入賞部品229あるいは可変入賞部品230に入賞しないで遊技領域212の最下部に流れた球は、アウト口218に取り込まれた遊技盤210の裏側に排出される。これによって、遊技者は、画像表示器67の表示画面68に映し出された画像を遊技領域212の全域に見ながら遊技領域212に行き交う球の動きを見ることができる。
最良の形態によれば、図4に示すように、縦樋49における左右方向の横幅が球を一列で上から下に誘導する細い寸法であって、画像表示器67が17インチの大きさの表示画面68を有し、表示画面68の横幅が遊技盤210の左右方向に向けられ、表示画面68の縦幅が遊技盤210の上下方向に向けられた横置きの格好で、表示画面68が遊技盤210の遊技領域212と前後方向に対向する。そして、図1に示すように、縦樋49が発射通路215の裏側に配置されている。したがって、画像表示装置56が遊技領域212における中央部の広範囲に対応するので、画像表示装置56で表示される電気的に表示形態の変えられる画像を遊技者に見せることができるという利点がある。
図12に示す3種類の遊技盤210;250;270における前後方向の厚さTが、既存のパチンコ機に用いられている遊技盤の厚さと同じ寸法、例えば19mmに設定されれば、3種類の遊技盤210;250;270に代えて、既存の遊技盤を、図2に示す遊技機枠1に装着して使用することも可能であるという利点がある。このようなことから、最良の形態にあっては、図1のb図に示す、画像表示器67の表示画面68と遊技盤210における遊技領域212の存在する意匠盤面との間の寸法D1が、5個の球を相互に接触させて前後方向に直列に並べた寸法から6個の球を相互に前後方向に接触させて直列に並べた寸法の範囲に設定してある。つまり、1個の球の直径が11mmであるので、寸法D1は、11×5=55mmと11×6=66mmとの範囲の寸法である。このように寸法D1を設定することによって、図12のc図に示すような板状構造体251の裏面から裏側に突出する部分を有する可変入賞部品271の設けられた遊技盤270が図1のb図に示す遊技機枠1に取り付けられた場合でも、可変入賞部品271が画像表示器67と干渉することがないという利点がある。