JP4672202B2 - 回転工具、当該回転工具を用いた部材の処理方法及び表面処理方法 - Google Patents

回転工具、当該回転工具を用いた部材の処理方法及び表面処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、アルミニウム合金鋳物を処理する回転工具、当該回転工具を用いた部材の処理方法及び表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平10−183316号公報には、シリンダヘッドのシリンダブロックに対する合わせ面などの鋳物の表面処理において、先端のショルダ部に突出部を設けた回転工具を回転させながら押し込んで、熱により非溶融の状態で撹拌する表面処理方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
摩擦撹拌による表面処理では、回転工具の押圧力と回転モーメントによって母材組織は鉛直及び水平方向に塑性流動するため、摩擦撹拌によって塑性流動した材料を回転工具のショルダ部で素材内部に押し込むようにしないと、工具の回転方向に充填される材料が減少して表面改質領域内部に移動軌跡に沿ってトンネル状の未充填欠陥が発生しやすくなる。
【0004】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、摩擦撹拌により塑性流動する母材組織を素材内部へ押し込む作用を増大でき、未充填欠陥を防止できる回転工具、当該回転工具を用いた部材の処理方法及び表面処理方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明の回転工具は、ワーク表面に接触する大径のショルダ部と、当該ショルダ部から突出する小径の突出部とを備え、前記ショルダ部の一部と突出部とを当該ショルダ部における前記ワーク表面に接触する端面側から見て左回転又は回転させつつワーク表面に挿入させ、当該ワークとの間に発生する摩擦熱によりワーク表面を溶融させることなく撹拌する回転工具であって、前記ショルダ部における前記ワーク表面に接触する端面に、工具の回転による摩擦熱により撹拌したワーク素材を回転工具の中央部分に誘導する端面側から見て前記ショルダ部の外縁部から中央部分に向かって右巻回方向又は左巻回方向のらせん状溝を形成し、当該らせん状溝の深さを前記突出部に近づくほど浅く形成した。
【0006】
また、好ましくは、前記突出部にらせん状溝を形成した。
【0007】
本発明の回転工具を用いた部材の処理方法は、ワーク表面に接触する大径のショルダ部と、当該ショルダ部から突出する小径の突出部とを備える回転工具を用いて、前記ショルダ部の一部と突出部とを当該ショルダ部における前記ワーク表面に接触する端面側から見て左回転又は回転させつつワーク表面に挿入させ、当該ワークとの間に発生する摩擦熱によりワーク表面を溶融させることなく撹拌する部材の処理方法であって、前記ショルダ部における前記ワーク表面に接触する端面に、工具の回転による摩擦熱により撹拌したワーク素材を回転工具の中央部分に誘導する端面側から見て前記ショルダ部の外縁部から中央部分に向かって右巻回方向又は左巻回方向のらせん状溝を形成し、当該らせん状溝の深さを前記突出部に近づくほど浅く形成した回転工具をワーク表面に対して略垂直な状態で移動させる。
【0008】
本発明の回転工具を用いた部材の表面処理方法は、ワーク表面に接触する大径のショルダ部と、当該ショルダ部から突出する小径の突出部とを備える回転工具を用いて、前記ショルダ部の一部と突出部とを当該ショルダ部における前記ワーク表面に接触する端面側から見て左回転又は回転させつつワーク表面に挿入させ、当該ワークとの間に発生する摩擦熱によりワーク表面を溶融させることなく撹拌して改質する部材の表面処理方法であって、前記ショルダ部における前記ワーク表面に接触する端面に、工具の回転による摩擦熱により撹拌したワーク素材を回転工具の中央部分に誘導する端面側から見て前記ショルダ部の外縁部から中央部分に向かって右巻回方向又は左巻回方向のらせん状溝を形成し、当該らせん状溝の深さを前記突出部に近づくほど浅く形成した回転工具をワーク表面に対して移動させる。
【0009】
また、好ましくは、前記回転工具を前記ワーク表面に対して往復移動させる。
【0010】
また、好ましくは、前記回転工具は、前記ワーク表面に対して略垂直な状態で互いにオフセットした経路を往復移動させる。
【0011】
【発明の効果】
以上説明のように、請求項1又は2の発明によれば、回転工具のショルダ部におけるワーク表面に接触する端面に、工具の回転による摩擦熱により撹拌したワーク素材を回転工具の中央部分に誘導する端面側から見てショルダ部の外縁部から中央部分に向かって右巻回方向又は左巻回方向のらせん状溝を形成し、当該らせん状溝の深さを突出部に近づくほど浅く形成したことにより、摩擦撹拌により塑性流動する母材組織を素材内部へ押し込む作用を増大でき、未充填欠陥を防止できる。
【0012】
請求項の発明によれば、突出部にらせん状溝を形成したことにより、摩擦撹拌により塑性流動する母材組織を素材内部へ押し込む作用を更に増大できる。
【0013】
請求項4乃至7の発明によれば、ショルダ部におけるワーク表面に接触する端面に、工具の回転による摩擦熱により撹拌したワーク素材を回転工具の中央部分に誘導する端面側から見てショルダ部の外縁部から中央部分に向かって右巻回方向又は左巻回方向のらせん状溝を形成し、当該らせん状溝の深さを突出部に近づくほど浅く形成した回転工具をワーク表面に対して略垂直な状態で移動させることにより、摩擦撹拌により塑性流動する母材組織を素材内部へ押し込む作用を増大でき、未充填欠陥を防止できる。
【0014】
請求項の発明によれば、回転工具をワーク表面に対して往復移動させることにより、回転工具の方向転換による未充填欠陥の発生を防止しつつ、広い領域を処理できる。
【0015】
請求項の発明によれば、回転工具は、ワーク表面に対して略垂直な状態で互いにオフセットした経路を往復移動させることにより、回転工具の方向転換による未充填欠陥の発生を防止しつつ、広い領域を処理できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
尚、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段の一例として表面処理に適用した例を説明したものであり、部材同士の突き合せ接合や重ね合わせ接合など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で下記実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。
【0018】
図1は、本発明に係る実施形態の表面処理方法を実施するための摩擦撹拌装置の概略図である。図2は、図1の回転工具付近の拡大図である。図3は、回転工具の先端部位の詳細図である。図4は、図3の矢印I方向から見た回転工具の先端部位の詳細図である。図5は、図4のII−II断面図である。図6は、ショルダ部に形成されるらせん状溝の深さとスクロール開始端部からの距離との関係を従来例と比較して示す図である。
【0019】
本実施形態の摩擦撹拌による表面処理は、被表面処理部材(以下、ワーク)の一例としてアルミニウム合金鋳物を対象としており、特に自動車のシリンダヘッドに形成される隣り合うポート間(弁間部)やピストン、ブレーキディスク等の熱疲労強度向上を目的とした表面改質処理に用いられ、大気中でアルミニウム合金鋳物の表面改質領域を摩擦熱により溶融させることなく撹拌させることにより、金属組織の微細化や共晶シリコン(Si)粒子の均一分散化、鋳造欠陥の減少を図り、熱疲労(低サイクル疲労)寿命や伸び、耐衝撃性等の材料特性において従来のリメルト処理以上のものを得ることができる。
【0020】
ここで、溶融しないで撹拌する状態とは、母材に含有される各成分或いは共晶化合物の中で最も融点が低いものよりもさらに低い温度下で摩擦熱により金属を軟化させて撹拌することを意味する。
【0021】
図1乃至図6に示すように、摩擦撹拌装置1は、円柱状軸体の一端部の大径の端面にスクロール状に旋回するらせん状溝3aが形成されたショルダ部3に、当該ショルダ部3より小径の外周表面にらせん状溝2aが形成された非消耗型突出部2が一体形成又は装着された回転工具4と、この回転工具4を回転させて突出部2を回転駆動させつつ、ワークの表面改質領域に対して突出部2を挿入してショルダ部3でワーク表面を押圧しながら相対的に移動させる工具駆動手段5と、ワークを位置決め保持する治具(不図示)を備える。
【0022】
工具駆動手段5としては、モータ等により回転工具4が回転可能で、かつ送りネジ機構やロボットアーム等により回転工具4を上下左右のあらゆる方向に移動可能な装置であって、回転工具4の回転数、送り速度及び押圧力(処理深さ)を可変制御可能なものが用いられる。他の工具駆動手段5の形態としては、マシニングセンタなどのNC工作機械の主軸に回転工具4を回転可能に軸支すると共に、回転工具4に対してワークを可動テーブルなどにより相対的に上下方向や左右方向に2次元又は3次元的に移動させてもよい。
【0023】
突出部2と回転工具4のショルダ部3とは、アルミニウム合金よりも硬度の高い工具鋼やステンレス鋼などの鋼材からなり、突出部2の外周部には所定ピッチのらせん状溝2aが形成されている。
【0024】
また、ショルダ部3におけるワーク表面に接触する端面には、工具の回転による摩擦熱により塑性流動する母材組織を素材内部に押し付けつつ中央部分の突出部2に誘導するらせん状溝3aが形成され、図6に例示するようにらせん状溝3aの深さは突出部2におけるショルダ部3との付け根部分3cに近づくほど浅くなるように形成されている。
【0025】
らせん状溝3aは、ショルダ部3の外縁部におけるスクロール開始端部3bから工具の回転方向Rとは反対方向に突出部2におけるショルダ部3との付け根部分3cに向かって旋回するように、3/4周回以上、好ましくは1〜2周回して形成されている。
【0026】
本実施形態では、図7に示すように、被表面処理部材としてJISで規格化されたアルミニウム合金であるAC4Dを一例として用いるが、アルミニウム合金のマグネシウム(Mg)含有率として0.2〜1.5重量%、シリコン(Si)含有率として1〜24重量%、好ましくは4〜13重量%の範囲で組成比率を変更可能である。他にAC4B,AC2B、ピストンに用いるAC8A等も利用できる。シリコン含有率の上限を24%に設定する理由は、それ以上シリコンを増加しても材料特性や鋳造性が飽和すると共に、撹拌性が悪化するからである。
【0027】
マグネシウムを含有するアルミニウム合金鋳物は、熱処理によりMg2Siを析出させて強度が高まる。ところが、リメルト処理のように溶融させて金属組織を微細化させる場合には、低融点(650℃)のマグネシウムが蒸発して含有量が低下することがある。そして、マグネシウム含有量が低下すると熱処理を施しても硬さや強度が低下して所望の材料特性が得られないことになる。
【0028】
一方、摩擦撹拌による表面処理では、金属組織を溶融させないのでマグネシウムが蒸発することもないため、アルミニウム合金鋳物は熱処理によりMg2Siを析出させて強度が高められるのである。
【0029】
アルミニウム合金にシリコンを添加することにより、鋳造性(溶湯の流動性、引け特性、耐熱間割れ性)は向上するが、共晶シリコンが一種の欠陥として作用して機械的特性(伸び)が低下する。
【0030】
共晶シリコンは硬くて脆く、亀裂発生の起点や伝播経路となるため伸びが低下する。また、弁間部のように繰り返し熱応力を受ける部位ではその疲労寿命が低下する。そして、金属組織ではデンドライトに沿って共晶シリコンが連なった形態を呈しているが、共晶シリコンを微細化し、均一に分散させることによって応力集中による亀裂の発生と、発生した亀裂の伝播を抑制することが可能となる。
[シリンダヘッドの製造方法]
次に、本実施形態によるディーゼルエンジン用シリンダヘッドの製造工程について説明する。
【0031】
図8は、本実施形態のディーゼルエンジン用シリンダヘッドの製造工程を説明するフローチャートである。
【0032】
図8に示すように、ステップS1では中間体としてのシリンダヘッドをアルミニウム合金から鋳造する。ステップS2では、鋳物を鋳造型から取り出して湯口を削除する。ステップS3では、鋳造型から取り出した鋳物に砂出しを主目的としたT6熱処理を施す。ステップS4では、鋳物の弁間部に摩擦撹拌により表面処理を施す。ステップS5では、鋳物に再度T6熱処理を施して硬さや強度を増加する。ステップS6では、仕上げ加工を施す。
【0033】
以上のように、摩擦撹拌による表面処理を行うことで、従来のリメルト処理前加工、鋳物予熱が不要となるため、従来に比べて製造工程を簡略化して製造コストの削減を図ることができる。
[摩擦撹拌による表面処理]
次に、図8のステップS4での摩擦撹拌処理ついて説明する。
【0034】
本実施形態のような突出部2を持つ回転工具4を用いた表面処理の欠点は、処理経路の終点に突出部2の終端穴が残ってしまうところにある。これを解決するために、シリンダヘッドなどのボルトの穴あけ加工が後工程で施される鋳物の表面を処理する場合には、穴あけ加工における穴径より小径の突出部を用いて、処理経路の終点を穴あけ加工を施す位置に設定する。これにより、製品に終端穴が残らないようにできる。
【0035】
また、ショルダ部3の端面にせん状溝3aを形成することで塑性流動する母材組織を素材内部に押し付けつつ中央部分の突出部2に誘導できるため、回転工具4をワーク表面に対して鉛直に直立させた状態で方向転換させ、ワーク表面から抜かずに連続した往復経路で移動させることができる。
【0036】
図9は、本実施形態の摩擦撹拌処理を用いた直列多気筒のディーゼルエンジンのシリンダヘッドの表面処理について説明する図である。
【0037】
図9に示すように、シリンダヘッド素材Hは、複数の気筒に対応して一対の吸気ポート開口部14と、一対の排気ポート開口部15とを有する。ここで、吸気ポート開口部14は吸気量をかせぐためになるべく大きくしたいという要求があるため、隣り合う吸気ポート間は狭くなり薄肉になる。
【0038】
そこで、本実施形態では、処理経路例として、1つの気筒に対して互いに対向する吸気ポート開口部14の間を通り、これに続けて排気ポート開口部15の間を通る往路パスQ1と、排気ポート開口部15の端部で矩形状に反対方向に方向転換して往路パスQ1とはオフセットして並列に排気ポート開口部15の間から吸気ポート開口部14の間を通るように連続移動する復路パスQ2とを経て、シリンダヘッド素材Hの表面を回転工具の熱により溶融させることなく撹拌して改質する。
【0039】
上述のように、ショルダ部3の端面にせん状溝3aを形成することで、上記往路パスQ1から復路パスQ2への連続した方向転換を含んだ移動に対して、回転工具4をワーク表面に対して略鉛直に直立させた状態で方向転換させ、ワーク表面から抜かずに連続して処理を行うことができる。
【0040】
また、上記往復移動による表面処理では、往路パスにおいてショルダ部3によりワーク表面が削られて低くなるため、往路パスで方向転換した後の復路パスでの回転工具の押し込み量は往路パスでの押し込み量より大きくなるように設定される。
【0041】
上記シリンダヘッドの表面処理では、回転工具の回転数を600〜1000rpm、送り速度を300〜500mm/min、突出部長さを5.8mm、突出部径7±1mm、ショルダ部径15±1mmとして、処理深さが6〜6.5mm、第1往復パスの処理幅が7.5〜8mm、第2往復パスの処理幅が15mmになるように設定するのが好ましい。尚、突出部径とショルダ部径とは、2≦ショルダ部/突出部<4として各寸法を設定する。また、ショルダ部の素材の処理表面に対する押し込み量は、1mm以下に設定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態の表面処理方法を実施するための摩擦撹拌装置の概略図である。
【図2】図1の回転工具付近の拡大図である。
【図3】回転工具の先端部位の詳細図である。
【図4】図3の矢印I方向から見た回転工具の先端部位の詳細図である。
【図5】図4のII−II断面図である。
【図6】ショルダ部に形成されるらせん状溝の深さとスクロール開始端部からの距離との関係を従来例と比較して示す図である。
【図7】本実施形態のアルミニウム合金の成分比率を示す図である。
【図8】本実施形態のディーゼルエンジン用シリンダヘッドの製造工程を説明するフローチャートである。
【図9】本実施形態の摩擦撹拌処理を用いた直列多気筒のディーゼルエンジンのシリンダヘッドの表面処理について説明する図である。
【符号の説明】
1 摩擦撹拌装置
2 突出部
3 ショルダ部
4 回転工具
5 工具駆動手段
14 吸気ポート開口部
15 排気ポート開口部
H シリンダヘッド素材

Claims (9)

  1. ワーク表面に接触する大径のショルダ部と、当該ショルダ部から突出する小径の突出部とを備え、前記ショルダ部の一部と突出部とを当該ショルダ部における前記ワーク表面に接触する端面側から見て左回転させつつワーク表面に挿入させ、当該ワークとの間に発生する摩擦熱によりワーク表面を溶融させることなく撹拌する回転工具であって、
    前記ショルダ部における前記ワーク表面に接触する端面に、工具の回転による摩擦熱により撹拌したワーク素材を前記回転工具の中央部分に誘導する前記端面側から見て前記ショルダ部の外縁部から中央部分に向かって右巻回方向のらせん状溝を形成し、当該らせん状溝の深さを前記突出部に近づくほど浅く形成したことを特徴とする回転工具。
  2. ワーク表面に接触する大径のショルダ部と、当該ショルダ部から突出する小径の突出部とを備え、前記ショルダ部の一部と突出部とを当該ショルダ部における前記ワーク表面に接触する端面側から見て右回転させつつワーク表面に挿入させ、当該ワークとの間に発生する摩擦熱によりワーク表面を溶融させることなく撹拌する回転工具であって、
    前記ショルダ部における前記ワーク表面に接触する端面に、工具の回転による摩擦熱により撹拌したワーク素材を前記回転工具の中央部分に誘導する前記端面側から見て前記ショルダ部の外縁部から中央部分に向かって左巻回方向のらせん状溝を形成し、当該らせん状溝の深さを前記突出部に近づくほど浅く形成したことを特徴とする回転工具。
  3. 前記突出部にらせん状溝を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転工具。
  4. ワーク表面に接触する大径のショルダ部と、当該ショルダ部から突出する小径の突出部とを備える回転工具を用いて、前記ショルダ部の一部と突出部とを当該ショルダ部における前記ワーク表面に接触する端面側から見て左回転させつつワーク表面に挿入させ、当該ワークとの間に発生する摩擦熱によりワーク表面を溶融させることなく撹拌する部材の処理方法であって、
    前記ショルダ部における前記ワーク表面に接触する端面に、工具の回転による摩擦熱により撹拌したワーク素材を前記回転工具の中央部分に誘導する前記端面側から見て前記ショルダ部の外縁部から中央部分に向かって右巻回方向のらせん状溝を形成し、当該らせん状溝の深さを前記突出部に近づくほど浅く形成した回転工具をワーク表面に対して略垂直な状態で移動させることを特徴とする部材の処理方法。
  5. ワーク表面に接触する大径のショルダ部と、当該ショルダ部から突出する小径の突出部とを備える回転工具を用いて、前記ショルダ部の一部と突出部とを当該ショルダ部における前記ワーク表面に接触する端面側から見て右回転させつつワーク表面に挿入させ、当該ワークとの間に発生する摩擦熱によりワーク表面を溶融させることなく撹拌する部材の処理方法であって、
    前記ショルダ部における前記ワーク表面に接触する端面に、工具の回転による摩擦熱により撹拌したワーク素材を前記回転工具の中央部分に誘導する前記端面側から見て前記ショルダ部の外縁部から中央部分に向かって左巻回方向のらせん状溝を形成し、当該らせん状溝の深さを前記突出部に近づくほど浅く形成した回転工具をワーク表面に対して略垂直な状態で移動させることを特徴とする部材の処理方法。
  6. ワーク表面に接触する大径のショルダ部と、当該ショルダ部から突出する小径の突出部とを備える回転工具を用いて、前記ショルダ部の一部と突出部とを当該ショルダ部における前記ワーク表面に接触する端面側から見て左回転させつつワーク表面に挿入させ、当該ワークとの間に発生する摩擦熱によりワーク表面を溶融させることなく撹拌して改質する部材の表面処理方法であって、
    前記ショルダ部における前記ワーク表面に接触する端面に、工具の回転による摩擦熱により撹拌したワーク素材を前記回転工具の中央部分に誘導する前記端面側から見て前記ショルダ部の外縁部から中央部分に向かって右巻回方向のらせん状溝を形成し、当該らせん状溝の深さを前記突出部に近づくほど浅く形成した回転工具をワーク表面に対して移動させることを特徴とする部材の表面処理方法。
  7. ワーク表面に接触する大径のショルダ部と、当該ショルダ部から突出する小径の突出部とを備える回転工具を用いて、前記ショルダ部の一部と突出部とを当該ショルダ部における前記ワーク表面に接触する端面側から見て右回転させつつワーク表面に挿入させ、当該ワークとの間に発生する摩擦熱によりワーク表面を溶融させることなく撹拌して改質する部材の表面処理方法であって、
    前記ショルダ部における前記ワーク表面に接触する端面に、工具の回転による摩擦熱により撹拌したワーク素材を前記回転工具の中央部分に誘導する前記端面側から見て前記ショルダ部の外縁部から中央部分に向かって左巻回方向のらせん状溝を形成し、当該らせん状溝の深さを前記突出部に近づくほど浅く形成した回転工具をワーク表面に対して移動させることを特徴とする部材の表面処理方法。
  8. 前記回転工具を前記ワーク表面に対して往復移動させることを特徴とする請求項4又は5に記載の部材の処理方法。
  9. 前記回転工具は、前記ワーク表面に対して略垂直な状態で互いにオフセットした経路を往復移動させることを特徴とする請求項6又は7に記載の部材の表面処理方法。
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