JP2001347359A - 金属部材の表面処理方法 - Google Patents

金属部材の表面処理方法

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JP2001347359A
JP2001347359A JP2000172342A JP2000172342A JP2001347359A JP 2001347359 A JP2001347359 A JP 2001347359A JP 2000172342 A JP2000172342 A JP 2000172342A JP 2000172342 A JP2000172342 A JP 2000172342A JP 2001347359 A JP2001347359 A JP 2001347359A
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treatment
rotor
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Toshiyuki Gendo
俊行 玄道
Seiji Nomura
誠治 野村
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】表面改質領域の背面に発生する欠陥を防止す
る。 【解決手段】平面状の先端部と、該先端部に突出する突
出部4とを有する回転子を回転させながら、該回転子の
先端部を金属部材Wの表面に押圧して、該金属部材の表
面を非溶融の状態で摩擦により攪拌させて改質する金属
部材の表面処理方法であって、前記金属部材の表面に対
する処理深さに応じて、前記回転子の突出部の前記金属
部材の表面への埋設深さを可変とすることを特徴とする
金属部材の表面処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、アルミニ
ウム合金鋳物の表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車のディーゼルエンジンの高
出力化に伴って燃焼室内の最高圧縮圧力も120kgf
/cm2程度から150kgf/cm2程度へと高くなっ
て燃焼室を構成するシリンダヘッド等のアルミニウム合
金鋳物に対する熱負荷が高まっており、熱疲労や熱応力
に対する耐熱性を高めるために局部的に(例えば、隣り
合うポート間(弁間部)に)リメルト処理を施ている。
また、従来に比べて要求されるリメルト深さも大きくな
っている。
【0003】図46は、従来のディーゼルエンジン用シ
リンダヘッドの製造工程を説明するフローチャートであ
る。図47は図46の製造工程におけるリメルト処理の
概要を説明する図である。
【0004】図46に示すように、ステップT1では中
間体としてのシリンダヘッドを鋳造する。ステップT2
では、型から取り出して湯口を削除する。ステップT3
では、鋳物に砂出しを主目的としたT6熱処理を施す。
ステップT4では、リメルト処理前加工を施す。ステッ
プT5では、鋳物を予熱する。ステップT6では、鋳物
の弁間部にリメルト処理を施す。ステップT7では、鋳
物に再度T6熱処理を施す。ステップT8では、仕上げ
加工を施す。
【0005】リメルト処理は、図47に示すように、砂
出しした鋳物を予熱し、被表面処理領域に電極を近接さ
せ、電極と被表面処理部材との間にTIGやプラズマア
ークを発生させながら移動させて被処理組織を所定深さ
で溶融して再度凝固させることで、金属組織を微細化す
ると共に、鋳造欠陥の減少を図って伸びを増加する効果
がある。更に、リメルト処理後に再度T6熱処理を施す
ことでリメルト処理による残留応力を開放する。リメル
ト処理では再凝固時の冷却速度を増大させることにより
金属組織を微細化し、共晶シリコンの均一分散化を図っ
ている。
【0006】また、表面処理技術とは異なる技術分野で
あるが、特許第2712838号公報には、2つの部材
の接合面にプローブを回転させながら挿入及び並進さ
せ、接合面近傍の金属組織を摩擦熱により可塑化させて
結合する溶接技術が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記リ
メルト処理では、弁間部の熱容量が小さいことから、シ
リンダヘッドへの熱負荷増加に対応するために処理深さ
を増加させようと入熱量を増やしても、過溶融による肩
型だれが生じてしまい、処理可能な深さに制約がある。
また、入熱量を増加させると処理部の凝固時間が長くな
り、組織の微細化効果が低下すると共に、ピンホール欠
陥も増加するため、処理深さ増加による効果が相殺さ
れ、狙いとする耐熱性向上効果を得ることが難しい。
【0008】品質面では、入熱量のバラツキや磁気吹き
による位置ずれなどにより、処理深さのバラツキが大き
いこと、処理部のピンホール欠陥は母材のガス含有量や
鋳巣面積率に影響を受けることなどから品質安定性を確
保することが課題となっている。
【0009】生産性の面では、処理部を溶融させること
から、溶融部分の酸化を防止するためのシールドガスが
必要である他、表面酸化物や不純物から発生するガスに
よる欠陥を防止するため、処理前に鋳肌を除去する工程
が追加されている。更に、処理部に発生する高い引張り
残留応力を解放するため、後熱処理が必要であることな
どから、コスト低減が課題となっている。
【0010】そこで、本願発明の先願として、特願平1
1−371097号には、回転子の先端部に突出部を設
け、この回転子を回転させながら、回転子の先端部を金
属部材の表面に押圧して、金属部材の表面を非溶融の状
態で摩擦により撹拌させて改質する表面処理技術が提案
されている。
【0011】しかしながら、上記表面処理技術では、例
えば、金属部材の厚さが薄肉化した箇所がある場合に、
突出部の長さが表面改質領域として要求される深さより
長すぎて、金属部材の背面に欠陥が発生してしまう。
【0012】本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その
目的は、金属部材の表面処理領域に対する処理深さを、
金属部材の厚さに応じて可変にでき、金属部材背面に欠
陥を発生させることなく、耐熱性の高い金属組織に改質
できる金属部材の表面処理方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決し、目
的を達成するために、本発明の金属部材の表面処理方法
は、平面状の先端部と、該先端部に突出する突出部とを
有する回転子を回転させながら、該回転子の先端部を金
属部材の表面に押圧して、該金属部材の表面を非溶融の
状態で摩擦により撹拌させて改質する金属部材の表面処
理方法であって、前記金属部材の表面に対する処理深さ
に応じて、前記回転子の突出部の前記金属部材の表面へ
の埋設深さを可変とする。
【0014】また、好ましくは、前記突出部は、前記平
面状の先端部に固定され、前記金属部材の表面に対する
処理面積に応じて、前記回転子の先端部の前記金属部材
の表面への当接を制御する。
【0015】また、好ましくは、前記突出部の埋設深さ
は、前記回転子の進行に従って前記回転子の処理終点に
近づくほど減少させる。
【0016】また、好ましくは、前記突出部の形状は螺
子状で、前記回転子の突出部の前記金属部材の表面への
埋設深さを減少するときに、素材を表面に押し付ける方
向に前記回転子を回転させる。
【0017】
【発明の効果】以上説明のように、請求項1の発明によ
れば、金属部材の表面に対する処理深さに応じて、回転
子の突出部の金属部材の表面への埋設深さを可変とする
ことにより、金属部材の表面処理領域に対する処理深さ
を、金属部材の厚さに応じて可変にでき、金属部材背面
に欠陥を発生させることなく、耐熱性の高い金属組織に
改質できる。
【0018】請求項2の発明によれば、突出部は、平面
状の先端部に固定され、金属部材の表面に対する処理面
積に応じて、回転子の先端部の金属部材の表面への当接
を制御することにより、金属部材の厚さ及び処理面積に
応じて金属部材の表面処理領域に対する処理深さを可変
にでき、金属部材背面に欠陥を発生させることなく、耐
熱性の高い金属組織に改質できる。
【0019】請求項3の発明によれば、突出部の埋設深
さは、回転子の進行に従って回転子の処理終点に近づく
ほど減少させることにより、終端穴が形成されなくな
る。
【0020】請求項4の発明によれば、突出部の形状は
螺子状で、回転子の突出部の金属部材の表面への埋設深
さを減少するときに、素材を表面に押し付ける方向に回
転子を回転させることにより、金属組織の撹拌性が向上
し、未充填欠陥の防止効果も向上する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0022】図1は、本発明に係る実施形態の金属部材
の表面処理方法を実施するための摩擦撹拌装置の概略図
である。図2は、図1の回転工具付近の拡大図である。
図3は、回転工具の突出部形状として球面状の例を示す
図である。図4は、回転工具の突出部形状として円筒状
の例を示す図である。図5は、回転工具の突出部形状と
して螺子状の例を示す図である。図6は、回転工具の突
出部形状としてテーパ状の例を示す図である。図7は、
回転工具の突出部形状として同心円状の例を示す図であ
る。
【0023】本実施形態の摩擦撹拌による金属部材の表
面処理方法は、金属部材の一例としてアルミニウム合金
鋳物を対象としており、特に自動車のシリンダヘッドに
形成される隣り合うポート間(弁間部)やピストン、ブ
レーキディスク等の表面改質処理に用いられ、アルミニ
ウム合金鋳物の表面改質領域を摩擦熱により溶融させる
ことなく撹拌させることにより、金属組織の微細化や共
晶シリコン(Si)粒子の均一分散化、鋳造欠陥の減少
を図り、熱疲労(低サイクル疲労)寿命や伸び、耐衝撃
性等の材料特性において従来のリメルト処理以上のもの
を得ることができる。
【0024】ここで、溶融しないで攪拌する状態とは、
母材に含有される各成分或いは共晶化合物の中で最も融
点が低いものよりもさらに低い温度下で摩擦熱により金
属組織を軟化させて攪拌することを意味する。
【0025】図1及び図2に示すように、摩擦撹拌装置
1は、球面状(図3参照)の突出部2が平面状の先端部
3に固定又は装着された円筒状の回転工具4と、この回
転工具4を突出部2と共に回転駆動させつつ、金属部材
Wの表面改質領域に対して押圧しながら相対的に移動さ
せる工具駆動機構5とを備える。
【0026】工具駆動機構5としては、モータ等により
回転工具4が回転可能で、かつ送りネジ機構やロボット
アーム等により上下左右のあらゆる方向に移動可能な装
置であって、回転工具4の回転数、回転方向、送り速度
及び押圧力を数値制御可能なNC加工装置や多関節ロボ
ット等が用いられる。他の形態としては、回転工具4を
回転可能に軸支すると共に、金属部材Wを相対的に上下
左右のあらゆる方向に移動させてもよい。
【0027】突出部2を含む回転工具4は、金属部材W
よりも硬度の高い鋼材(超硬合金等)で形成された非摩
耗型材料より構成されるが、金属部材Wは回転工具4よ
り軟質の材質であれば、アルミニウム合金に限定されな
い。
【0028】回転工具4は直径φ1が10〜15mm程
度、突出部2は直径φ2が5〜7.5mm程度に設計さ
れる。
【0029】突出部2の形状は、図3に示す球面状の他
に、円筒状(図4)、螺子状(図5)、テーパ状(図
6)、同心円状(図7)等が考えられるが、後述する理
由により球面状、螺子状(但し、回転工具を螺子の巻き
方向と逆回転させる)、テーパ状の撹拌能力が高く好ま
しい。
【0030】尚、以下では、説明の便宜上、螺子状の突
出部2において、回転工具4を螺子の巻き方向と逆回転
させるものを逆螺子状、螺子の巻き方向と同回転させる
ものを正螺子状と呼ぶ。
【0031】本実施形態では、図8に示すように、表面
処理方法の対象となる金属部材としてJIS規格に準拠
したアルミニウム合金であるAC4Dを一例として用い
るが、アルミニウム合金のマグネシウム(Mg)含有率
として0.2〜1.5重量%、シリコン(Si)含有率
として1〜24重量%、好ましくは4〜13重量%の範
囲で組成比率を変更可能である。他にAC4B,AC2
B、ピストンに用いるAC8A等も利用できる。シリコ
ン含有率の上限を24%に設定する理由は、それ以上シ
リコンを増加しても材料特性や鋳造性が飽和すると共
に、攪拌性が悪化するからである。
【0032】マグネシウムを含有するアルミニウム合金
鋳物は、熱処理によりMg2Siを析出させて強度が高
まる。ところが、リメルト処理のように溶融させて金属
組織を微細化させる場合には、低融点(650℃)のマ
グネシウムが蒸発して含有量が低下することがある。そ
して、マグネシウム含有量が低下すると熱処理を施して
も硬さや強度が低下して所望の材料特性が得られないこ
とになる。
【0033】一方、摩擦撹拌による表面処理では、金属
組織を溶融させないのでマグネシウムが蒸発することも
ないため、アルミニウム合金鋳物は熱処理によりMg2
Siを析出させて強度が高められるのである。
【0034】アルミニウム合金にシリコンを添加するこ
とにより、鋳造性(溶湯の流動性、引け特性、耐熱間割
れ性)は向上するが、共晶シリコンが一種の欠陥として
作用して機械的特性(伸び)が低下する。
【0035】共晶シリコンは硬くて脆く、亀裂発生の起
点や伝播経路となるため伸びが低下する。また、弁間部
のように繰り返し熱応力を受ける部位ではその疲労寿命
が低下する。そして、金属組織ではデンドライトに沿っ
て共晶シリコンが連なった形態を呈しているが、共晶シ
リコンを微細化し、均一に分散させることによって応力
集中による亀裂の発生と、発生した亀裂の伝播を抑制す
ることが可能となる。
【0036】図9(a)は突出部長さに応じた処理深さ
を示す図であり、図9(b)は突出部長さX1を示す図
であり、図9(c)は最大処理深さDmaxを示す図であ
る。図10は、回転工具の回転数及び送り速度に応じた
処理深さWdを示す図である。
【0037】本実施形態では、突出部長さX1を要求深
さの80〜90%に設定する。要求深さは突出部長さの
1.1〜1.2倍となり、処理深さはリメルト処理での
処理深さの約2〜3倍の9mm程度まで可能である。ま
た、図9(a)に示すように、最大処理深さDmaxは突
出部長さX1に比例(突出部長さの1.1〜1.2倍)
して大きくなり、処理幅Wdも突出部直径φ2に比例し
て大きくなり、1.3〜1.5倍となる。また、図10
に示すように、最大処理深さDmaxは突出部長さX1で
決まり、回転数や送り速度による影響は少ないと言え
る。更に、図10に例示するリメルト処理による最大処
理深さDmaxに比べてばらつきは小さくなって信頼性を
高めることができる。
【0038】尚、処理幅Wdを大きくするために先端部
直径φ1や突出部直径φ2を大きくすると、表面改質領
域に未充填欠陥が発生しやすくなる。このため、図11
に示すように、回転工具4を処理表面に対して前進させ
つつ、前進方向と交差する横方向に移動させる(例え
ば、のこぎり歯状に移動させる)ことによって、回転工
具4の大型化を抑え、小型設備で処理面積を大きくする
ことができる。
【0039】本実施形態のように燃焼室内の最高圧縮圧
力が150kgf/cm2程度と高いシリンダヘッドの
弁間部を表面改質処理する場合には、生産性を考慮して
回転工具4の回転数を1200〜2400rpm、送り
速度を30〜150mm/min、最大処理深さDmax
を仕上げ加工後で4mm以上(加工取り代1mm以下)
に設定するのが好ましい。
【0040】また、図12に示すように回転工具4を処
理表面に対して送り方向とは反対方向に傾け角θを0°
<θ≦5°の範囲で傾けた状態で移動させることで、未
充填欠陥、表面のくぼみ量やばりを抑え、処理深さや送
り速度をより高めて生産性を向上することができる。こ
の理由は、回転工具4を処理表面に対して傾けることに
より、先端部3の肩部3aで表面改質領域の金属組織を
金属部材Wの厚み方向にも撹拌し、かつ突出部2の回転
で幅方向に撹拌するからである。但し、逆螺子の場合に
は、撹拌した金属組織を表面改質領域内部に押し込むよ
うに作用するため、傾けなくとも回転工具4を傾けた時
と同様の効果を得ることができる。
【0041】回転工具4が処理表面に対して垂直(回転
工具4の傾け角θが0°)では、先端部3の肩部3a近
傍に発生する未充填欠陥の防止が難しく、傾け角θが5
°より大きくなると回転工具4の先端部3の肩部3aで
処理表面に深い溝が形成され、ばりが多く生成されるた
めに外観が悪くなると共に、仕上げ加工時に取り代が多
くなって好ましくない。 [突出部の形状の違いによる処理断面]図13は、回転
工具の突出部形状が球面状の場合の金属部材の処理断面
を示す図である。図14は、回転工具の突出部形状が逆
螺子状の場合の金属部材の処理断面を示す図である。図
15は、回転工具の突出部形状が正螺子状の場合の金属
部材の処理断面を示す図である。図16は、回転工具の
突出部形状がテーパ状の場合の金属部材の処理断面を示
す図である。図17は、回転工具の突出部形状が同心円
状の場合の金属部材の処理断面を示す図である。
【0042】処理条件は、回転工具の回転数が1200
rpm、送り速度が63mm/min、傾け角1°、突
出部長さ6mm、突出部直径φ1が8mmとする。
【0043】回転工具4の突出部2が球面状の場合(図
13)、逆螺子状の場合(図14)及びテーパ状の場合
(図16)とを比較すると、処理深さ及び処理幅は、逆
螺子状の場合が最も大きく、次に球面状、テーパ状の場
合が最も小さくなり、いずれも表面改質領域に未充填欠
陥が発生せず、良好な結果が得られた。図14の逆螺子
状の場合には、螺子の巻き方向と反対方向に回転工具4
を回転させるため、表面改質領域の素材は、素材側に押
し付られる。
【0044】また、回転工具4の突出部2が正螺子状の
場合(図15)は、螺子の巻き方向と同方向に回転工具
4を回転させ、表面改質領域の素材を表面側に押し上げ
る方向に回転工具4を回転させるため、処理深さ及び処
理幅は球面状の場合と略同様であるが、素材が表面に押
し上げられて撹拌される素材が不足することによって、
表面改質領域に未充填欠陥S1が発生している。
【0045】更に、回転工具4の突出部2が同心円状の
場合(図17)は、素材の厚さ方向の撹拌が不十分なた
めに、表面改質領域に未充填欠陥S1が発生している。
【0046】上記図13から図17からわかるように、
本実施形態の表面処理には、回転工具4の突出部2が球
面状、逆螺子状及びテーパ状の場合が好ましく、特に逆
螺子状では、図18及び図19に示すように、球面状と
比較して処理深さDmaxを弁間部の端部と中央部とで略
均一に形成できるため、工具としては最適である。
【0047】尚、処理条件によっては突出部2に素材が
凝着する場合があるため、突出部2の表面にシアン化チ
タン(TiCN)等のコーティングを施してもよい。 [突出部直径φ2と先端部直径φ1の影響]突出部2が
逆螺子状の回転工具4を用いて、回転数が1200rp
m、送り速度が63mm/min、傾け角1°として処
理を行った場合、図20に示すように、φ1/φ2が2
付近では未充填欠陥が発生し、4付近では処理が不可と
なって、3付近が適切であるという結果が得られた。 [回転工具の送り速度と回転数の関係]図21は、回転
工具の送り速度と回転数の関係を示す図である。
【0048】突出部2が逆螺子状の回転工具4を用い
て、傾け角1°とした場合、図21に示す適正領域に応
じて回転工具4の送り速度と回転数を決定することで、
処理速度の高速化を図ることができる。 [シリンダヘッドの製造方法]次に、本実施形態による
ディーゼルエンジン用シリンダヘッドの製造工程につい
て説明する。
【0049】図22は、本実施形態のディーゼルエンジ
ン用シリンダヘッドの製造工程を説明するフローチャー
トである。
【0050】図22に示すように、ステップS1では中
間体としてのシリンダヘッドをアルミニウム合金から鋳
造する。ステップS2では、鋳物を鋳造型から取り出し
て湯口を削除する。ステップS3では、鋳造型から取り
出した鋳物に砂出しを主目的としたT6熱処理を施す。
ステップS4では、鋳物の弁間部に摩擦撹拌により表面
処理を施す。ステップS5では、鋳物に再度T6熱処理
を施して硬さや強度を増加する。ステップS6では、仕
上げ加工を施す。
【0051】以上のように、摩擦撹拌による表面処理を
行うことで、図46のステップT4のリメルト処理前加
工、ステップT5の鋳物予熱、再T6熱処理が不要とな
るため、従来に比べて製造工程を簡略化して製造コスト
の削減を図ることができる。 [シリンダヘッドの弁間部処理]次に、本実施形態によ
るディーゼルエンジン用シリンダヘッドの弁間部処理に
ついて説明する。
【0052】図23は、シリンダヘッドの弁間部の横断
処理について説明する図である。
【0053】図23に示すように、横断処理は、回転工
具を隣り合うポートの弁間部において、処理軌跡E1〜
E3に沿って弁間部を最短距離で横断するよう摩擦によ
り撹拌しながら移動させるもので、処理深さを均一に確
保できて、処理時間が短い反面、突出部を処理表面に挿
入するための始端穴を形成するために、後述するように
弁間部の各ポートの延長部分に余肉部と鋳抜き穴とを形
成する必要がある。
【0054】図24は、シリンダヘッドの弁間部の縦断
処理について説明する図である。
【0055】図24に示すように、縦断処理は、回転工
具を隣り合うポートの弁間部において、処理軌跡F1〜
F3に沿って弁間部を縦断するよう摩擦により撹拌しな
がら移動させるもので、余肉部と鋳抜き穴が不要にな
る。
【0056】また、図25に示すように終点をポートに
近接するシリンダヘッドのテンションボルト穴21や、
図26に示すようにインジェクタ穴22(若しくはプラ
グ穴)にすることで処理軌跡の終点に終端穴が形成され
なくなる。
【0057】更に、図27に示すように、回転工具4を
傾け角θの方向が可変になるよう揺動自在に支持するこ
とにより、図26で回転工具4を1つの始端穴(インジ
ェクタ穴22)に戻るように傾け角θを反転させて処理
軌跡G1〜G3を設定でき、終端穴が不要となる。
【0058】また、終端部付近で徐々に突出部2(好ま
しくは、逆螺子状)を表面から引き上げるように移動さ
せれば、終端穴を小さくすることができる。
【0059】また、図28に示すように、金属部材Wの
表面に予め突出部長さ以上の肉盛り部W1を形成し、表
面処理後に終端穴ごと削除してもよい。
【0060】図29は、上記横断処理と縦断処理の熱衝
撃寿命を示す図である。
【0061】図29に示すように、例えば、シリンダヘ
ッドの弁間部に摩擦撹拌により表面処理を施した後、鋳
物にT6熱処理を施して硬さや強度を増加させた場合、
横断処理より縦断処理が高強度にできるが、横断処理で
も十分な強度が得られる。 [横断処理による表面処理]次に、図23に示す横断処
理による表面処理ついて説明する。
【0062】図30乃至図34は、弁間部の摩擦撹拌処
理手順を説明する図である。
【0063】摩擦撹拌処理の前工程として、図30に示
すように、シリンダヘッドを鋳造する際に、隣り合うポ
ート14,15の中心を結ぶ線L1に沿った弁間部10
の各ポートの延長部分に余肉部11と鋳抜き穴12とを
有する中間体を形成する。鋳抜き穴12は鋳造後にドリ
ル等で加工してもよく、突出部2の直径及び長さと略同
じ寸法に形成される。
【0064】次に、図31に示すように、回転工具4を
回転駆動しながら、突出部2を鋳抜き穴12に挿入して
位置決めすると共に、回転工具4の先端部3を弁間部1
0の表面に押圧して処理深さを決める。
【0065】続いて、図32に示すように、隣り合うポ
ートの中心を結ぶ線L1を回転工具4の移動軌跡とし
て、工具駆動機構5によって一方の余肉部11の鋳抜き
穴12を始点として他方の余肉部11に移動軌跡に沿っ
て摩擦により撹拌しながら移動させる。この際、弁間部
表面には回転工具4の先端部3の押圧により線L1に沿
って円弧状の溝16が形成される。
【0066】更に、図33に示すように、回転工具4を
他方の余肉部11まで移動させた後、弁間部11から離
間させる。この際、他方の余肉部11には回転工具4の
突出部2の終点として終端穴13が形成される。
【0067】最後に、図34に示すように、余肉部11
を削除してポート14,15を仕上げ加工する。 [表面処理後の熱処理]図35は撹拌による表面処理後
にT6熱処理を施した場合と施さない場合の硬さを比較
して示す図である。図36は、T6熱処理のみ、撹拌に
よる表面処理後にT6熱処理を施した場合、リメルト処
理後にT6熱処理を施した場合の機械的特性を比較して
示す図である。図37は、T6熱処理のみ、撹拌による
表面処理のみ、撹拌による表面処理後にT6熱処理を施
した場合の熱衝撃寿命を比較して示す図である。図38
は、リメルト処理、撹拌による表面処理のみ、撹拌によ
る表面処理後にT6熱処理を施した場合の熱衝撃寿命と
処理深さとの関係を比較して示す図である。
【0068】上記摩擦撹拌による表面処理に加えて、仕
上げ加工前に熱処理を施すと、熱処理を施さない場合に
比べて、図35に示すように表面改質領域の金属組織及
びその下層の母材ともに硬さ(Hv)を増大させること
ができる。また、図36に示すようにT6処理のみ施し
たもの、リメルト処理後にT6熱処理を施したもの、摩
擦撹拌処理のみ施したものの各機械的特性に比べて優れ
た引張強度及び伸び特性を得ることができる。
【0069】また、図37からわかるように、本実施形
態の撹拌による表面処理により、熱疲労寿命が大幅に向
上できて熱衝撃に対する強度が大きくなる。従って、大
きな熱疲労強度が要求される部位には摩擦撹拌処理のみ
を施した伸び特性が高い状態で使用するのが有効であ
る。
【0070】また、図38からわかるように、処理深さ
を増加することによって、リメルト処理を超えるほど熱
疲労寿命が大幅に向上でき、熱衝撃に対する強度が大き
くなる。
【0071】これに対して、熱疲労と機械的な高サイク
ル疲労とが重畳されるような部位には、伸びだけでなく
強度も必要となるので高い強度と伸びを両立させるため
に、摩擦撹拌処理とT6熱処理を施すのが有効である。
また、熱の影響により処理組織近傍が軟化して強度が低
下する場合にも、T6熱処理は強度を回復するのに有効
である。
【0072】熱処理の一例として、JIS規格のT6熱
処理(溶体化処理と時効処理)が有効である。溶体化処
理は、溶体化温度535℃(±5℃)で4時間保持した
後に沸騰水で焼き入れする。時効処理は、時効温度18
0℃(±5℃)で6時間保持した後に空冷する。 [突出部を挿入する始端穴の容積の影響]図39は、始
端穴の容積を突出部の容積以上に形成した場合の表面改
質領域に発生する未充填欠陥を示す図である。図40
は、始端穴の寸法を変更した場合に表面改質領域に未充
填欠陥が発生するか否かを示す図である。
【0073】図30で鋳抜き穴12として示した始端穴
の容積V1を突出部2の容積V2以下に形成した場合
(V1≦V2)、突出部2の回転により始端穴の周辺を
軟化しながら挿入するため、工具駆動機構5に対する抵
抗は大きくなるが、処理表面に未充填欠陥は発生しな
い。ところが、始端穴の容積V1を突出部2の容積V2
以上に形成した場合(V1≧V2)、図39に示すよう
に、表面処理初期から突出部と始端穴との間に隙間が生
じているために、その隙間を埋めるだけの素材が不足し
て表面改質領域に未充填欠陥Pが発生してしまう。但
し、図39での処理条件は、回転工具4の回転数が12
00rpm、送り速度が63mm/min、傾け角1°
である。
【0074】具体的には、図40に示すように、始端穴
の直径や深さを突出部より大きくして容積比V1/V2
を1.1以上に設定した場合、いずれにおいても表面改
質領域に未充填欠陥が発生した。
【0075】そこで、本実施形態では、処理表面に形成
される始端穴の容積V1を突出部の容積に対して、0<
V1/V2<1.1未満に設定し、好ましくは、始端穴
の形状を突出部の形状と略同等に形成して、未充填欠陥
の発生を防止している。
【0076】また、回転工具4を処理表面に対して傾け
角θで傾斜させて前進させる場合、始端穴は回転子の傾
け角θに合致するよう形成し、始端穴に突出部を挿入す
る際にも傾け角θに合わせて突出部を始端穴と平行に挿
入する。 [突出部長さの表面改質領域に対する影響]図41は、
回転工具の進行方向に対して、金属部材の厚さが薄肉化
する場合の表面改質領域に発生する欠陥を説明する図で
ある。図42は、金属部材の厚さが薄肉化する場合に回
転工具の埋設量を金属部材の厚さに応じて変更する方法
を説明する図である。
【0077】図41に示すように、回転工具4の進行方
向に対して、金属部材Wの厚さが薄肉化している場合、
例えば、突出部2の長さより薄い部位がある場合には回
転工具4が金属部材Wの背面に突き抜けたり、突出部2
の長さに対して金属部材Wの厚さが不十分な場合には表
面改質領域にある素材が背面に流動して、背面に盛り上
がり等の欠陥が発生してしまう。
【0078】そこで、本実施形態では、図42に示すよ
うに、金属部材Wの厚さに応じて処理深さを決定し、こ
の処理深さに応じて回転工具4の突出部2の金属部材W
の表面改質領域への埋設深さを可変として、上記欠陥の
発生を防止している。
【0079】具体的には、工具駆動機構5により回転工
具4を進行させつつ、回転工具4が表面改質領域の薄肉
部位に差しかかったところで、その厚さに応じて突出部
2の埋設深さを減少させる。
【0080】また、金属部材Wの表面に対する処理面積
に応じて、回転工具4の先端部3の金属部材Wの表面へ
の当接を制御する。
【0081】つまり、回転工具4の進行方向に対して、
金属部材Wの表面の高さが同一で厚さが薄肉化する場合
には、金属部材Wの厚さに応じて回転工具4を上昇させ
ることにより回転工具4の先端部3の肩部を金属部材W
の表面に接触させずに撹拌する。
【0082】また、回転工具4の進行方向に対して、金
属部材Wの表面の高さが低くなって厚さが薄肉化する場
合には、金属部材Wの厚さに応じて回転工具4を下降又
は維持させることにより回転工具4の先端部3の肩部を
金属部材Wの表面に接触させずに撹拌する。
【0083】このように、回転工具4の突出部2の表面
改質領域に対する埋設量を、その厚さに応じて減少させ
ることにより、突出部が金属部材の背面に突き抜けて、
表面改質領域にある素材が背面に流動してしまい、表面
改質領域の素材が不足して表面にくぼみ等の欠陥が発生
するのを防止できる。 [回転工具の別構成]図43は、本実施形態の回転工具
の別構成として、回転工具の突出部の突出量を可変にす
る機構を設けた例を示している。
【0084】図43に示すように、回転工具40は、中
空円筒状の外筒部材41と、この外筒部材41内部に設
けられ、外筒部材41の先端部42から出没可能な突出
部43とを備える。
【0085】突出部43は、外筒部材41の先端部42
から外部に突出する突出量が可変であり、外筒部材41
と突出部43とはスプライン嵌合等によって一体的に回
転駆動される。
【0086】この構成により、図42のように金属部材
Wの厚さに応じて回転工具4の先端部3の高さを変更す
ることなく、表面処理部位の厚さが変化する場合でも、
良好に対応することができる。 [突出部の長さと金属部材の表面改質領域の厚さとの関
係]図44は、突出部の長さと金属部材の表面改質領域
の厚さとの関係を測定する試験片を示す図である。図4
5は、図44の試験片を用いて球面状と逆螺子状の突出
部を有する回転工具により表面処理を行った場合の、試
験片の背面に発生する欠陥を示す図である。
【0087】図44に示す試験片は、表面改質領域の厚
さが5〜20mmの範囲で直線状に変化する部位S2が
形成され、この試験片の部位S2の背面に球面状と逆螺
子状の突出部を有する回転工具4により表面処理を行
い、試験片の部位S2に欠陥が発生した位置での表面改
質領域の厚さを測定している。
【0088】試験条件は、球面状と逆螺子状の突出部
(直径8mm,長さ6mm)を有する回転工具を用い
て、回転数を1200rpm、送り速度を47mm/m
in、傾け角1°として処理を行っている。
【0089】試験結果によると、球面状の突出部を用い
た場合には、突出部の長さの2.1倍の表面改質領域の
厚さが必要であり、逆螺子状の突出部を用いた場合に
は、球面状のものより撹拌能力が高いために突出部の長
さの2.5倍の表面改質領域の厚さが必要であった。
【0090】従って、金属部材Wの表面処理部位の厚さ
を、回転工具4の突出部2の金属部材Wの表面への埋設
深さの2倍以上に設定することで、表面改質領域の背面
の欠陥を防止でき、例えば、シリンダヘッドの弁間部の
表面処理にも有効に適用できる。
【0091】尚、表面改質領域の背面の欠陥を抑えるた
めに、表面改質領域を冷却しながら表面処理を行っても
よい。
【0092】また、金属部材Wの表面処理部位の厚さを
回転工具4の突出部2の金属部材Wの表面への埋設深さ
の2倍以上に設定するために、図43で説明したよう
に、回転工具4の突出部2の金属部材Wの表面への埋設
深さを可変とし、回転工具4の突出部2の金属部材Wの
表面への埋設深さが浅い場合、突出部2を金属部材Wの
表面に対して上昇させるようにしてもよい。
【0093】尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲
で上記実施形態を修正又は変形したものに適用可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態の表面処理方法を実施す
るための摩擦撹拌装置の概略図である。
【図2】図1の回転工具付近の拡大図である。
【図3】球面状の突出部を示す図である。
【図4】円筒状の突出部を示す図である。
【図5】螺子状の突出部を示す図である。
【図6】テーパ状の突出部を示す図である。
【図7】同心円状の突出部を示す図である。
【図8】本実施形態のアルミニウム合金の成分比率を示
す図である。
【図9】(a)は突出部長さに応じた処理深さを示す
図、(b)は突出部長さX1を示す図、(c)は最大処
理深さDmaxを示す図である。
【図10】回転工具の回転数及び送り速度に応じた処理
深さを示す図である。
【図11】処理幅を拡大する場合の回転工具の移動軌跡
を示す図である。
【図12】回転工具の傾け角を示す図である。
【図13】回転工具の突出部形状が球面状の場合の金属
部材の処理断面を示す図である。
【図14】回転工具の突出部形状が逆螺子状の場合の金
属部材の処理断面を示す図である。
【図15】回転工具の突出部形状が正螺子状の場合の金
属部材の処理断面を示す図である。
【図16】回転工具の突出部形状がテーパ状の場合の金
属部材の処理断面を示す図である。
【図17】回転工具の突出部形状が同心円状の場合の金
属部材の処理断面を示す図である。
【図18】球面状の突出部を用いた場合の表面改質領域
の断面図である。
【図19】逆螺子状の突出部を用いた場合の表面改質領
域の断面図である。
【図20】突出部直径と先端部直径との比率による表面
処理結果を示す図である。
【図21】回転工具の送り速度と回転数の関係を示す図
である。
【図22】本実施形態のディーゼルエンジン用シリンダ
ヘッドの製造工程を説明するフローチャートである。
【図23】シリンダヘッドの弁間部の横断処理について
説明する図である。
【図24】シリンダヘッドの弁間部の縦断処理について
説明する図である。
【図25】本実施形態の表面処理における終端穴を形成
しない方法を説明する図である。
【図26】本実施形態の表面処理における終端穴を形成
しない処理方法を説明する図である。
【図27】本実施形態の表面処理における終端穴のみを
形成する処理方法を説明する図である。
【図28】本実施形態の表面処理における終端穴を形成
しない方法を説明する図である。
【図29】本実施形態の表面処理における横断処理と縦
断処理の熱衝撃寿命を示す図である。
【図30】弁間部の表面処理手順を説明する図である。
【図31】弁間部の表面処理手順を説明する図である。
【図32】弁間部の表面処理手順を説明する図である。
【図33】弁間部の表面処理手順を説明する図である。
【図34】弁間部の表面処理手順を説明する図である。
【図35】撹拌による表面処理後にT6熱処理を施した
場合と施さない場合の硬さを比較して示す図である。
【図36】T6熱処理のみ、撹拌による表面処理後にT
6熱処理を施した場合、リメルト処理後にT6熱処理を
施した場合の引張強度と伸び特性を比較して示す図であ
る。
【図37】T6熱処理のみ、撹拌による表面処理のみ、
撹拌による表面処理後にT6熱処理を施した場合の熱衝
撃寿命を比較して示す図である。
【図38】リメルト処理、撹拌による表面処理のみ、撹
拌による表面処理後にT6熱処理を施した場合の熱衝撃
寿命と処理深さとの関係を比較して示す図である。
【図39】始端穴の容積を突出部の容積以上に形成した
場合の表面改質領域に発生する未充填欠陥を示す図であ
る。
【図40】始端穴の寸法を変更した場合に表面改質領域
に未充填欠陥が発生するか否かを示す図である。
【図41】回転工具の進行方向に対して、金属部材の厚
さが薄肉化する場合の表面改質領域に発生する欠陥を説
明する図である。
【図42】金属部材の厚さが薄肉化する場合に回転工具
の埋設量を金属部材の厚さに応じて変更する方法を説明
する図である。
【図43】本実施形態の回転工具の別構成として、回転
工具の突出部の突出量を可変にする機構を設けた例を示
した図である。
【図44】突出部の長さと金属部材の表面改質領域の厚
さとの関係を測定する試験片を示す図である。
【図45】図44の試験片を用いて球面状と逆螺子状の
突出部を有する回転工具により表面処理を行った場合
の、試験片の背面に発生する欠陥を示す図である。
【図46】従来のディーゼルエンジン用シリンダヘッド
の製造工程を説明するフローチャートである。
【図47】リメルト処理の概要を説明する図である。
【符号の説明】
1 摩擦撹拌装置 2 突出部 3 先端部 4 回転工具 5 工具駆動機構 10 弁間部 11 余肉部 12 鋳抜き穴 13 終端穴

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面状の先端部と、該先端部に突出する
    突出部とを有する回転子を回転させながら、該回転子の
    先端部を金属部材の表面に押圧して、該金属部材の表面
    を非溶融の状態で摩擦により撹拌させて改質する金属部
    材の表面処理方法であって、 前記金属部材の表面に対する処理深さに応じて、前記回
    転子の突出部の前記金属部材の表面への埋設深さを可変
    とすることを特徴とする金属部材の表面処理方法。
  2. 【請求項2】 前記突出部は、前記平面状の先端部に固
    定され、前記金属部材の表面に対する処理面積に応じ
    て、前記回転子の先端部の前記金属部材の表面への当接
    を制御することを特徴とする請求項1に記載の金属部材
    の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 前記突出部の埋設深さは、前記回転子の
    進行に従って前記回転子の処理終点に近づくほど減少さ
    せることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属部材
    の表面処理方法。
  4. 【請求項4】 前記突出部の形状は螺子状で、前記回転
    子の突出部の前記金属部材の表面への埋設深さを減少す
    るときに、素材を表面に押し付ける方向に前記回転子を
    回転させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    1項に記載の金属部材の表面処理方法。
JP2000172342A 2000-06-08 2000-06-08 金属部材の表面処理方法 Pending JP2001347359A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009208101A (ja) * 2008-03-03 2009-09-17 Nippon Light Metal Co Ltd 接合方法

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