本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
<<光ディスク2の構成>>
先ず、図8を適宜参照しつつ、図3を用いて本発明に係る画像情報検出装置1による画像情報の検出対象となる光ディスク2の構成について説明する。図3は、光ディスク2を、当該光ディスク2に対して照射されるレーザー光の入光側から見た時の正面図である。
光ディスク2は、例えば当該光ディスク2の規格、製造メーカ等の情報、光ディスク2に適用する回転速度の情報、レーザー光の光強度情報やATIP(Absolute Time In Pre-groove)情報等(以下、ATIP情報等という)とともに、光ディスク2の径方向の1つである基準位置を示す基準位置情報が予め記録されたリードイン領域を有している。尚、基準位置情報は、一般的な光ディスクのリードイン領域に対する記録方法で記録されるものとしても良いし、例えば、基準位置のピットのレーザー光に対する反射率を大きくするように当該ピットを形成することとしても良い。尚、基準位置情報(及び光ディスク2のATIP情報等)は、光ディスク2のリードアウト領域(不図示)に記録されるものとしても良い。また、光ディスク2は、図8に示す保護層101、感光材料又は感熱材料からなる変色層102、反射層103が積層された構造の画像領域を有している。この光ディスク2の画像領域には、後述する画像情報検出装置1からのレーザー光が、例えば内周側の第1行第1列のドット(分割エリア)から第1行第2列のドット・・・第1行第n列のドット、第2行第1列のドット・・・第m行第n列のドットへと順次照射されることにより、画像が形成される。尚、本実施形態における光ディスク2の変色層102は、レーザー光が照射されるにつれて当該レーザー光に対する反射率が大きくなる特性を有しているものとして説明する。つまり、画像が形成されたドットにおいて、例えば、レーザー光が2回照射されたドットの反射率は、レーザー光が1回照射されたドットの反射率よりも大きくなるものとする。尚、本実施形態において光ディスク2は、例えばCD規格に対応した媒体であるものとして説明する。しかしながら、光ディスク2はCD規格に限定されるものではなく、例えばDVD規格に対応した媒体であっても良い。また、図3は、光ディスク2の変色層102に形成された画像を構成するドットの配列を説明するために便宜的に示したものにすぎず、実際のドットの配列は密である。
<<画像情報検出装置1の全体構成例>>
以下、図3、図8を適宜参照しつつ、図1、図7を用いて本発明に係る画像情報検出装置1の全体構成について説明する。図1は、本発明に係る画像情報検出装置1の全体構成の一例を示すブロック図である。図7は、図1に示す光検出器13(受光部)の受光領域A乃至Dを示す図である。尚、図1に示す画像情報検出装置1は、画像が形成された後の変色層102から当該画像を示す画像情報を検出する機能のみならず、当該変色層102に対する画像形成機能、光ディスク2が記録層(不図示)を有している場合の当該記録層に対する情報記録/再生機能を有しているものとして説明する。しかしながら、画像情報を検出する機能以外の機能については本発明の要旨に関係しないため、説明は簡略化したものとする。
画像情報検出装置1は、スピンドルモータ3、回転軸7、スピンドルモータ制御回路4、FG発生回路5(同期制御回路、回転信号発生回路)、分周回路9、64(同期制御回路)、光ピックアップ装置11、RF(ラジオ周波数)信号処理回路21(受光部)、デコーダ22、RFレベル検出回路35(検出部)、フォーカス信号処理回路20、トラッキング信号処理回路19、振動付加回路18、ステッピングモータ29、スレッド処理回路28、統括制御部6(検出部、判別部)、カウンタ34、バッファメモリ23、インタフェース(I/F)24、エンコーダ8、描画信号処理回路31、描画制御回路33、ストラテジ回路36、レーザーパワー制御回路32、レーザードライバ17、発振回路63(クロック発生回路)、位相比較回路65(同期制御回路)を有する。
スピンドルモータ3は、スピンドルモータ制御回路4からの制御電圧がスピンドルモータコイル(不図示)に印加されることによって回転し、例えば、回転軸7と固着される不図示のチャッキング機構により設置される光ディスク2を回転させる。
FG発生回路5は、例えば、スピンドルモータ3が回転する時の逆起電圧に基づいて、スピンドルモータ3の回転速度に対応した周波数のFG信号(回転信号)を生成する。尚、本実施形態においてFG発生回路5は、スピンドルモータ3が1回転するあたり(光ディスク2が1回転するあたり)、例えば18パルスのFG信号を生成するものとして説明する。
分周回路9は、FG発生回路5からのFG信号を1/18分周したSFG信号を、位相比較回路65、統括制御部6に出力する。つまり、このSFG信号の例えば立上りから次のSFG信号の立上りまでの期間(周期)は、光ディスク2がスピンドルモータ3の回転により1回転する期間を示すこととなる。
発振回路63は、所定周波数のクロック(以下、CLKという)を生成して、分周回路64、エンコーダ8、統括制御部6、カウンタ34に出力する。尚、後述するスピンドルモータ制御回路4の制御によりSFG信号と分周回路64が出力する信号とが同期することにより、CLKの1周期と光ディスク2が1列分(回転方向における最小移動距離)回転する期間とは同期したものとなる。
分周回路64は、発振回路63からのCLKを1/n(nは列数。図3参照)分周した信号を、位相比較回路65に出力する。この結果、分周回路64が出力する信号の立上りから次の信号の立上りまでの期間(周期)は、前述のSFG信号と同様に、光ディスク2がスピンドルモータ3の回転により1回転する期間を示すこととなる。
位相比較回路65は、SFG信号の例えば立上りと分周回路64からの信号の立上りの位相を比較した比較結果をスピンドルモータ制御回路4に出力する。
スピンドルモータ制御回路4は、統括制御部6からの制御信号に基づいて、光ディスク2の回転速度を当該制御信号が示す回転速度とするべく、スピンドルモータ3をスピンドル制御するものである。そのため、スピンドルモータ制御回路4は、FG信号に基づいて光ディスク2の実際の回転速度を検出し、当該実際の回転速度を制御信号が示す回転速度とするべく、スピンドルモータ3に印加させる制御電圧のレベルを制御する。尚、本実施形態においてスピンドルモータ制御回路4は、光ディスク2を例えばCAV(Constant Angular Velocity)回転方式(角速度一定)で回転させるための統括制御部6からの制御信号に基づいて、スピンドル制御するものとして説明する。また、スピンドルモータ制御回路4は、位相比較回路65からの比較結果に基づいて、SFG信号と分周回路64からの信号と同期させるべく、スピンドルモータ3に印加させる制御電圧のレベルを制御する。また、スピンドルモータ制御回路4は、統括制御部6からの制御信号に基づいて、例えばSFG信号の立上りと光ディスク2の基準位置をレーザー光が照射するタイミングとを同期させるべく、スピンドルモータ3に印加させる制御信号のレベルを制御する。
光ピックアップ装置11は、半導体レーザー12、光検出器13、対物レンズ14、アクチュエータ15を有する。尚、本発明の要旨に関係しないため不図示としたが、光ピックアップ装置11は、一般的な光ピックアップ装置が有する各種光学系(コリメータレンズ、ビームスプリッタ、アナモフィックレンズ等)、フロントモニタダイオード等を有している。
半導体レーザー12は、レーザードライバ17からの制御信号に基づいて、当該制御信号により発生する電流に対応した光強度のレーザー光を出射する。半導体レーザー12からのレーザー光は、各種光学系により透過、反射等された後、対物レンズ14に入射される。
対物レンズ14は、アクチュエータ15のレンズホルダ(不図示)に設置され、金属バネ(不図示)等の弾性力により光ディスク2の一方側の面(リードイン領域及び画像領域がある側の面)に対向する位置に保持される。そして、対物レンズ14は、レーザー光を収束光に変換して光ディスク2に出射する。また、対物レンズ14は、変色層102又は記録層に照射されたレーザー光の反射光を平行光に変換して各種光学系に出射する。
光検出器13は、各種光学系のアナモフィックレンズを透過した後の反射光が最小錯乱円となる位置に配置される。図7を参照しつつ詳述すると、光検出器13は、反射光を受光するための、例えば4つの受光領域A乃至Dを有している。全受光領域を4つの受光領域A乃至Dに分割する2つの分割線O、Pは互いに直交し、何れかの分割線(例えば分割線P)の方向は、トラッキング制御においてプッシュプル法を用いた場合、タンジェンシャル方向を示すように設けられる。また、受光領域A乃至Dは、アナモフィックレンズによる非点収差の発生方向に対して略45°傾くように設けられる。そして、光検出器13は、受光領域A乃至Dにて受光した反射光のレベルに相当する光電変換信号(電気信号)a乃至dを、RF信号処理回路21、フォーカス信号処理回路20、トラッキング信号処理回路19に出力する。尚、図1に示す画像情報検出装置1においては、光ピックアップ装置11からRF信号処理回路21、フォーカス信号処理回路20、トラッキング信号処理回路19に対しては信号線が1本のみ描かれているが、実際においては光電変換信号a乃至dを各処理回路に対して供給可能とする数の信号線が設けられている。
アクチュエータ15は、フォーカス方向における対物レンズ14の位置を変更するためのフォーカスコイル(不図示)、トラッキング方向における対物レンズ14の位置を変更するためのトラッキングコイル(不図示)等を有している。
アクチュエータ15は、画像が形成された変色層102から当該画像を示す画像情報を検出する場合(以下、画像情報検出モードという)において、フォーカス信号処理回路20からのフォーカスエラー信号がフォーカスコイルに供給されることにより、当該フォーカスエラー信号の振幅レベルに対応した移動量、フォーカス方向へ対物レンズ14を移動させる。この結果、対物レンズ14からのレーザー光を、光ディスク2の変色層102に合焦させることが可能となる。尚、このフォーカス制御は、変色層102に対する画像の形成(以下、画像形成モードという)、記録層に対する情報記録/再生(以下、情報記録/再生モードという)においても同様に行われることとなる。
また、アクチュエータ15は、画像情報検出モードにおいて、振動付加回路18からの交流信号がトラッキングコイルに供給されることにより、トラッキング方向へ対物レンズ14を振動させる。この対物レンズ14の振動は、交流信号の周波数に対応した振動周波数であって、振動振幅は交流信号の振幅に対応したものとなっている。尚、この対物レンズ14の振動は、画像形成モードにおいても、当該画像の濃淡をより選択性に優れたものとするべく行われることとなる。また、情報記録/再生モードにおいては、振動付加回路18からのトラッキングエラー信号がトラッキングコイルに供給されることにより、当該トラッキング信号の振幅レベルに対応した移動量、トラッキング方向へ対物レンズ14を移動させることとなる。この結果、記録層に形成されたグルーブやランド等にレーザー光を追従させることが可能となる。尚、画像情報検出モード及び画像形成モードにおいては、前述したようにフォーカス方向における記録層と変色層102の位置の相違、変色層102の光吸収等に起因してトラッキング制御が不安定となる可能性があるため、トラッキング制御は停止される。
RF信号処理回路21は、画像情報検出モードにおいて、光ディスク2のリードイン領域をレーザー光が照射したときの光検出器13からの光電変換信号a乃至dに基づいて、RF信号(電気信号)を生成する。そして、RF信号処理回路21は、RF信号を最適レベルにゲインコントロールするとともにイコライジング処理を施し、2値データ化してデコーダ22に出力する。また、RF信号処理回路21は、変色層102をレーザー光が照射したときの光検出器13からの光電変換信号a乃至dに基づいてRF信号を生成し、RFレベル検出回路35に出力する。尚、RF信号処理回路21は、情報記録/再生モードにおいて、光ディスク2のリードイン領域をレーザー光が照射したときの処理と同様の処理を行う。
デコーダ22は、画像情報検出モードにおいて、RF信号処理回路21からの2値データ化された信号に対して光ディスク2の規格に対応するデコード処理を施し、デコード処理の結果得られる基準位置情報を統括制御部6に送信する。また、デコーダ22は、デコード処理の結果得られるATIP情報等をバッファメモリ23に送信する。詳述すると、光ディスク2はCD規格に対応し、CD規格においては変調コードとしてEFM(Eight Fourteen Modulation)が採用され、誤り訂正符号としてCIRC(Cross Interleaved Reed-Solomon Code)が採用されているため、デコーダ22は、これらの変調コード、誤り訂正符号に基づくデコード処理を行う。尚、光ディスク2がDVD規格の媒体である場合、DVD規格においては変調コードとしてEFM−Plus(8−16)が採用され、誤り訂正符号としてRS(Reed-Solomon)Product−Codeが採用されているため、デコーダ22は、これらの変調コード、誤り訂正符号に基づくデコード処理を行う。尚、デコーダ22は、情報記録/再生モードにおいて、ATIP情報等を検出するためのデコード処理を行い、当該デコード処理の結果得られる情報をバッファメモリ23に送信する。この結果、光ディスク2の記録層に記録された情報が、インタフェース24を介してホストコンピュータ25にて再生されることとなる。
RFレベル検出回路35は、統括制御部6からの信号に基づくタイミングで、RF信号処理回路21からのRF信号のレベルに応じたデジタル信号(画像情報)を生成して、統括制御部6に送信する。尚、RFレベル検出回路35の詳細については後述する。
フォーカス信号処理回路20は、光検出器13からの光電変換信号a乃至dに基づいて、フォーカス制御のためのフォーカスエラー信号を生成して光ピックアップ装置11に送信する。このフォーカスエラー信号は、フォーカス制御に非点収差を採用する場合、(a+c)−(b+d)を演算処理することによって求められる。尚、本実施形態においては、フォーカス制御に非点収差法を採用しているがこれに限るものではない。例えば、光ピックアップ装置11の光学系に回折格子(不図示)を設け、半導体レーザー12からのレーザー光を3つのビームに回折させ、当該3つのビームの光ディスク2からの反射光に基づいてフォーカス制御を行う差動非点収差法を採用しても良い。
トラッキング信号処理回路19は、情報記録/再生モードにおいて、光検出器13からの光電変換信号a乃至dに基づいて、トラッキング制御のためのトラッキングエラー信号を生成する。このトラッキングエラー信号は、トラッキング制御にプッシュプル法を採用する場合、(a+d)−(b+c)を演算処理することによって求められる。また、トラッキング信号処理回路19は、画像情報検出モード及び画像形成モードにおいて、光検出器13からの光電変換信号a乃至dの入力の有無に関わらず、前述したようにトラッキング制御が停止される。このようにトラッキング制御を選択的にするための実現例としては、例えば、光電変換信号a乃至dがトラッキング信号処理回路19に入力する信号線に、統括制御部6からの指示信号に基づいてオン又はオフするスイッチ回路(不図示)等を設けることで可能となる。尚、本実施形態においては、トラッキング制御にプッシュプル法を採用しているがこれに限るものではない。例えば、前述の差動非点収差法と同様に回折格子を設け、3つのビームの反射光に基づいてトラッキング制御を行う差動プッシュプル法を採用しても良い。
振動付加回路18は、画像情報検出モードにおいて、統括制御部6からの制御信号に基づいて振幅及び周波数が制御された交流信号を、光ピックアップ装置11に送信する。そして、この交流信号が前述のアクチュエータ15のトラッキングコイルに供給されることにより、トラッキング方向へ対物レンズ14が振動することとなる。尚、画像形成モードにおいても同様である。また、振動付加回路18は、情報記録/再生モードにおいて、統括制御部6からの制御信号に基づいて、トラッキング信号処理回路19からのトラッキングエラー信号を光ピックアップ装置11に送信する。
ステッピングモータ29は、スレッド処理回路28からの制御電圧がステッピングモータコイル(不図示)に印加されることによって、当該制御電圧のレベルに対応したステップ距離回転し、トラッキング方向へ光ピックアップ装置11を移動させる。つまり、トラッキング方向への光ピックアップ装置11の移動距離は、ステッピングモータ29のステップ距離に対応したものとなっている。
スレッド処理回路28は、統括制御部6からの制御信号に基づいて、トラッキング方向への光ピックアップ装置11の移動距離を当該制御信号に応じた移動距離とするべく、ステッピングモータ29をスレッド制御するものである。そのため、スレッド処理回路28は、制御信号が示す移動距離に応じた制御電圧をステッピングモータ29に印加させる。尚、本実施形態においてスレッド処理回路28は、例えば、光ディスク2の内周側から外周側へ光ピックアップ装置11を移動するべく、ステッピングモータ29をスレッド制御するものして説明する。また、スレッド制御によるステッピングモータ29の最小ステップ距離に対応した光ピックアップ装置11の外周側への最小移動距離(径方向における最小移動距離)は、光ディスク2の隣接する行間の距離と等しいものとして以下説明する。
インタフェース24は、接続端子(不図示)を介して接続される、例えばホストコンピュータ25と、画像情報検出装置1とがデータの送受信を行うために設けられる。インタフェース24の一例としては、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)規格やSCSI(small Computer System Interface)規格、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394規格、USB(Universal Serial Bus)規格等がある。
バッファメモリ23は、画像情報検出モードにおいて、統括制御部6からの判別結果を保持する。また、バッファメモリ23は、デコーダ22のデコード処理の結果得られる情報を保持する。また、バッファメモリ23は、情報記録/再生モードにおいてホストコンピュータ25から送信される、記録層に対して記録するための記録データを保持する。また、バッファメモリ23は、画像形成モードにおいてホストコンピュータ25から送信される、変色層102に対して画像形成するためのビットマップ形式のデータを保持する。そして、画像情報検出装置1やホストコンピュータ25は、所定のタイミングでバッファメモリ23に保持されたデータを読み出して所定の処理を施すこととなる。
エンコーダ8は、バッファメモリ23からの記録データ、ビットマップ形式のデータに対して、CD規格に対応した変調コードであるEFM変調等のエンコード処理を施す。尚、エンコーダ8は、画像形成モードにおけるエンコード処理において、バッファメモリ23からのビットマップ形式のデータを、図3に示す光ディスク2の形状に応じた画像を構成する各ドットの明暗(以下、濃淡という)を示す濃淡データ群からなるデータ(以下、画像形成データという)に変換する。以下、図3を参照しつつ、エンコーダ8によるエンコード処理後の画像形成データについて詳述する。変色層102には、画像を構成する各ドットが、光ディスク2の中心からの放射線(列)と同心円(行)との交点ごとに配列されている。そして、画像形成データを構成する各濃淡データは、各ドットに対応しており、各ドットの濃淡を示す情報を示すものである。そして、ドットの濃淡を示す情報とは、ビットマップ形式のデータが示す明暗情報に応じて、変色層102に対して形成される画像の濃淡を例えば8(=2の3乗)階調の中から選択可能とする3ビットデータである。そこで、画像形成モードにおいて画像情報検出装置1は、8階調の画像を形成可能とするべく、1行分の画像形成にあたり光ディスク2を最大7回転させるものとする。そして、濃淡データが、例えば‘111’の場合、当該濃淡データに応じたドットを最も濃く(暗)するべく、光ディスク2の7回転全てにおいて、当該ドットに対するレーザー光の光強度を画像が形成可能なレベルとするものとする。つまり、3ビットデータを10進数で示したときの値−1が示す光ディスク2の回転全てにおいて、レーザー光の光強度を画像が形成可能なレベルとするものとする。そして、濃淡データ‘111’に応じたドットのレーザー光に対する反射率は、最も大きいものとなる。尚、この条件によれば、濃淡データが‘000’の場合、当該濃淡データに応じたドットは最も淡く(明)なる。そして、濃淡データ‘000’に応じたドットのレーザー光に対する反射率は、最も小さいものとなる。そして、エンコーダ8は、発振回路63からのCLKの例えば立上りのタイミングごとに、画像形成データを構成する濃淡データを順次描画制御回路33に送信する。
描画信号処理回路31は、エンコーダ8にてエンコード処理されたデータから、画像形成データを検出すると、描画制御回路33において後述の処理を実行させるべく指示信号を送信する。また、描画信号処理回路31は、画像形成データを検出しない場合(つまり、情報記録/再生モードの場合)、記録データをストラテジ回路36に送信させる。
描画制御回路33は、画像情報検出モードにおいて、統括制御部6からの指示信号に基づいて、レーザー光の光強度を少なくともフォーカス制御可能なレベルとするための信号(以下、サーボ信号Aという)を、画像情報検出モードの期間中、レーザードライバ17に送信する。また、描画制御回路33は、画像形成モードにおいて、エンコーダ8からの濃淡データが変色層102に対する画像の形成を示すデータである場合、レーザー光の光強度を画像の形成可能なレベル(>フォーカス制御可能なレベル)とするためのパルス(以下、画像形成パルスという)を、レーザードライバ17に送信する。更に、描画制御回路33は、画像形成モードの期間中、前述のサーボ信号Aをレーザードライバ17に送信する。
ストラテジ回路36は、情報記録/再生モードにおいて、エンコーダ8からの記録データに基づいて、レーザードライバ17から半導体レーザー12に供給される制御信号を制御するものである。例えば、ストラテジ回路36は、記録データが記録層に形成されたグルーブに対するピット形成を示すデータである場合、レーザー光の光強度をピット形成可能なレベルとするためのパルス(以下、ピット形成パルスという)を、レーザードライバ17に送信する。更に、ストラテジ回路36は、記録データに基づく情報記録/再生モードの期間中、レーザー光の光強度を少なくともフォーカス制御可能なレベル(<ピット形成可能なレベル)とするための信号(以下、サーボ信号Bという)を、レーザードライバ17に送信する。更に、ストラテジ回路36は、再生を指示する信号に基づく情報記録/再生モードの期間中、前述のサーボ信号Bをレーザードライバ17に送信する。
レーザーパワー制御回路32は、APC(Automatic Power Control)回路を有し、光ピックアップ装置11のフロントモニタダイオードにて受光されるレーザー光の光強度を検出し、変色層102又は記録層に実際に照射されるレーザー光の光強度を算出する。そして、レーザーパワー制御回路32は、変色層102又は記録層に実際に照射されるレーザー光の光強度を、統括制御部6からの制御信号が示す光強度とするべく、レーザードライバ17に制御信号を送信する。詳述すると、レーザーパワー制御回路32は、画像情報検出モードの期間中、変色層102に実際に照射されるレーザー光を、フォーカス制御可能なレベルのレーザー光とするための制御信号をレーザードライバ17に送信する。また、レーザーパワー制御回路32は、画像形成モードにおいて描画制御回路33が画像形成パルスをレーザードライバ17に送信しないとき、変色層102に実際に照射されるレーザー光を、フォーカス制御可能なレベルのレーザー光とするための制御信号をレーザードライバ17に送信する。更に、レーザーパワー制御回路32は、画像形成モードにおいて描画制御回路33が画像形成パルスをレーザードライバ17に送信するとき、変色層102に実際に照射されるレーザー光を、変色層102に対して画像を形成可能なレベルのレーザー光とするための制御信号をレーザードライバ17に送信する。また、レーザーパワー制御回路32は、再生を指示する信号に基づく情報記録/再生モードの期間中、記録層に実際に照射されるレーザー光を、フォーカス制御可能なレベルとするための制御信号をレーザードライバ17に送信する。更に、レーザーパワー制御回路32は、記録データに基づく情報記録/再生モードにおいてストラテジ回路36がピット形成パルスをレーザードライバ17に送信しないとき、記録層に実際に照射されるレーザー光を、フォーカス制御可能なレベルのレーザー光とするための制御信号をレーザードライバ17に送信する。更に、レーザーパワー制御回路32は、記録データに基づく情報記録/再生モードにおいてストラテジ回路36がピット形成パルスをレーザードライバ17に送信するとき、記録層に実際に照射されるレーザー光を、記録層のグルーブに対してピットを形成可能なレベルのレーザー光とするための制御信号をレーザードライバ17に送信する。
尚、本実施形態においては、光ディスク2の回転方式としてCAV方式を採用しているため、光ピックアップ装置11が内周側から外周側へ移動するにつれて当該光ディスク2の線速度が速くなる。このため、レーザーパワー制御回路32は、スレッド制御による光ピックアップ装置11の移動量に基づく統括制御部6からの制御信号に基づいて、光ピックアップ装置11が外周側に移動するにつれてレーザー光の光強度が大きくなるような制御信号を、レーザードライバ17に送信する。
レーザードライバ17は、画像形成パルス又はピット形成パルスが入力される記録用端子(不図示)を有している。また、レーザードライバ17は、サーボ信号A又はサーボ信号Bが入力される再生用端子(不図示)を有している。そして、レーザードライバ17は、画像情報検出モードにおいて、レーザーパワー制御回路32からの制御信号と再生用端子に入力されるサーボ信号Aとに応じた制御信号を半導体レーザー12に供給する。この結果、半導体レーザー12は、画像情報検出モードの期間中、フォーカス制御可能なレベルのレーザー光を出射することとなる。尚、レーザードライバ17は、画像形成モードの期間中、レーザーパワー制御回路32からの制御信号と再生用端子に入力されるサーボ信号Aとに応じた制御信号を半導体レーザー12に供給し続けるとともに、記録用端子に画像形成パルスが入力されたとき、当該制御信号に画像形成パルス分を重畳した制御信号を半導体レーザー12に供給する。この結果、半導体レーザー12は、記録用端子に画像形成パルスが入力されていないとき、フォーカス制御可能なレベルのレーザー光を出射し、記録用端子に画像形成パルスが入力されたとき、変色層102に対して画像を形成可能なレベルのレーザー光を出射することとなる。また、レーザードライバ17は、再生を指示する信号に基づく情報記録/再生モードの期間中、レーザーパワー制御回路32からの制御信号と再生用端子に入力されるサーボ信号Bとに応じた制御信号を半導体レーザー12に供給する。この結果、半導体レーザー12は、再生を指示する信号に基づく情報記録/再生モードの期間中、フォーカス制御可能なレベルのレーザー光を出射することとなる。また、レーザードライバ17は、記録データに基づく情報記録/再生モードの期間中、レーザーパワー制御回路32からの制御信号と再生用端子に入力されるサーボ信号Bとに応じた制御信号を半導体レーザー12に供給し続けるとともに、記録用端子にピット形成パルスが入力されたとき、当該制御信号にピット形成パルス分を重畳した制御信号を半導体レーザー12に供給する。この結果、半導体レーザー12は、記録用端子にピット形成パルスが入力されていないとき、フォーカス制御可能なレベルのレーザー光を出射し、記録用端子にピット形成パルスが入力されたとき、記録層のグルーブに対してピットを形成可能なレベルのレーザー光を出射することとなる。
カウンタ34は、発振回路63からのCLKの例えば立上りをカウントする。また、カウンタ34は、当該カウンタ34のカウント値がn(列数)に達したときの統括制御部6からの指示信号に基づいてカウント値がリセットされる。
統括制御部6は、CPU(Central Processing Unit)26、メモリ27を有している。CPU26は、例えばホストコンピュータ25からの指示信号に基づいて、画像情報検出モード(又は、画像形成モード、情報記録/再生モード)における処理を画像情報検出装置1がするべく、当該画像情報検出装置1を統括制御するものである。メモリ27は、CPU26が各モードに対応した統括制御を行うためのプログラムデータが予め記憶されている。このメモリ27は、例えば、データを製造工程で焼付け固定するマスクROM(Read Only Memory)、データを紫外線消去することによりデータを繰り返し書き込み読み出しできるEPROM(Erasable Programmable ROM)、データを電気消去することによりデータを繰り返し書き込み読み出しできるEEPROM(Electronically Erasable Programmable ROM、フラッシュROMを含む)等の不揮発性記憶素子で構成される。
統括制御部6は、画像情報検出モードの期間中、描画制御回路33がサーボ信号Aをレーザードライバ17に送信するべく、当該描画制御回路33に指示信号を送信する。そして、統括制御部6は、リードイン領域にレーザー光が照射されたときの、デコーダ22からのATIP情報等に基づいて、光ディスク2に適用する回転方式を決定する。このとき、統括制御部6が選択する回転方式は、前述したようにCAV方式となる。統括制御部6は、光ディスク2を角速度一定とするための制御信号をスピンドルモータ制御回路4に送信する。また、統括制御部6は、レーザー光がリードイン領域を照射しているときのデコーダ22からの基準位置情報に基づいて、当該レーザー光が基準位置を照射していると判別する。そして、統括制御部6は、例えば、デコーダ22からの基準位置情報の検出するタイミングとSFG信号の立上りとを同期させるべく、スピンドルモータ制御回路4に制御信号を送信する。そして、統括制御部6は、スレッド処理回路28のスレッド制御による光ピックアップ装置11のトラッキング方向への移動量を示す情報と、カウンタ34のカウント値とに基づいて、画像領域におけるレーザー光の照射位置情報を算出する。詳述すると、統括制御部6は、トラッキング方向において光ピックアップ装置11を移動するべく制御信号をスレッド処理回路28に送信する。つまり、統括制御部6は、当該制御信号を生成する処理において、光ピックアップ装置11のトラッキング方向への移動量を算出するため、当該移動量の情報は既に取得している。この結果、統括制御部6は、当該移動量の情報に基づいて、画像領域においてレーザー光が第何行を照射しているのかを判別することが可能となる。また、統括制御部6は、カウンタ34のカウント値に基づいて、画像領域においてレーザー光が第何列を照射しているのかを判別することが可能となる。これらの結果により、統括制御部6は、画像領域におけるレーザー光の照射位置を算出することとなる。
また、統括制御部6は、CLKの例えば立上りのタイミングでRFレベル検出回路35がデジタル信号を出力するための信号(以下、タイミング信号という)を送信する。また、統括制御部6は、例えば、変色層102から画像情報を検出する前の初期動作として、レーザー光が画像領域を照射するときのRF信号のレベルの例えば最小値を、RFレベル検出回路35の後述する基準レベルRefとするための信号(以下、基準レベル信号という)を送信する。そして、統括制御部6は、RFレベル検出回路35からのデジタル信号に基づいて変色層102に対して画像が形成されているか否かを判別し、その判別結果を例えば、バッファメモリ23に送信する。
また、統括制御部6は、振動付加回路18が光ピックアップ装置11に供給する交流信号の周波数を制御するべく、例えば、アクチュエータ15の共振周波数以外の周波数であって、且つ、光ディスク2の回転周波数の1以上の整数倍となる周波数以外の周波数を交流信号の周波数とする制御信号を、当該振動付加回路18に送信する。また、統括制御部6は、交流信号の振幅を制御するべく、例えば、スレッド制御による光ピックアップ装置11の最小移動距離と等しい大きさの振幅の交流信号とするための制御信号を、振動付加回路18に送信する。
<<RFレベル検出回路35の詳細>>
以下、図2を用いてRFレベル検出回路35の詳細について説明する。図2は、RFレベル検出回路35の構成の一例及び周辺回路を示すブロック図である。
RFレベル検出回路35は、可変増幅回路40、ピークホールド回路41(保持部)、ボトムホールド回路42(保持部)、加算回路43、ADコンバータ44(判別部)を有している。
可変増幅回路40は、例えば統括制御部6からの制御信号によりゲインが設定され、RF信号処理回路21からのRF信号を当該ゲインで増幅してピークホールド回路41、ボトムホールド回路42に出力する。尚、この可変増幅回路40のゲインは、変色層102に形成される画像の有無を正確に反映させた画像情報であるデジタル信号をADコンバータ44が出力するべく定まる値となる。
ピークホールド回路41は、統括制御部6からの基準レベル信号に基づいて、基準レベルRefが設定される。そして、ピークホールド回路41は、統括制御部6からのタイミング信号に基づいて、当該統括制御部6からの次のタイミング信号を受信するまでの期間(CLKの周期、光ディスク2が各列を回転移動する期間)における、基準レベルRefに対する増幅されたRF信号のピークレベルを保持する。そして、ピークホールド回路41は、次のタイミング信号に基づいて、増幅されたRF信号のピークレベルを示す信号Vpt−Refを、加算回路43に出力する。尚、ピークホールド回路41は、当該次のタイミング信号に基づいて、統括制御部6からの更に次のタイミング信号を受信するまでの期間における、基準レベルRefに対する増幅されたRF信号のピークレベルを保持する。このようにピークホールド回路41は、統括制御部6から順次送信されるタイミング信号に基づいて、基準レベルRefに対する増幅されたRF信号のピークレベルを保持するとともに、増幅されたRF信号のピークレベルを示す信号Vpt−Refの出力を行う。
ボトムホールド回路42は、統括制御部6からの基準レベル信号に基づいて、基準レベルRefが設定される。そして、ボトムホールド回路42は、統括制御部6からのタイミング信号に基づいて、当該統括制御部6からの次のタイミング信号を受信するまでの期間における、基準レベルRefに対する増幅されたRF信号のボトムレベルを保持する。そして、ボトムホールド回路42は、次のタイミング信号に基づいて、基準レベルRefに対するボトムレベルを示す信号Vbt−Refを加算回路43に出力する。尚、ボトムホールド回路42は、当該次のタイミング信号に基づいて、統括制御部6からの更に次のタイミング信号を受信するまでの期間における、基準レベルRefに対する増幅されたRF信号のボトムレベルを保持する。このようにボトムホールド回路42は、統括制御部6から順次送信されるタイミング信号に基づいて、基準レベルRefに対する増幅されたRF信号のボトムレベルを保持するとともに、増幅されたRF信号のボトムレベルを示す信号Vbt−Refの出力を行う。
尚、本実施形態において、ピークホールド回路41、ボトムホールド回路42は、CLKの立上りに応じた統括制御部6からのタイミング信号に基づいて、信号Vpt−Ref、Vbt−Refを出力するように設けているが、これに限るものではない。例えば、ピークホールド回路41、ボトムホールド回路42にCLKを直接供給するように設け、当該CLKの例えば立上りのタイミングで信号Vpt−Ref、Vbt−Refを出力するように設けても良い。この場合、統括制御部6がタイミング信号を生成するための処理にかかる負担を軽減することが可能となる。
加算回路43は、ピークホールド回路41からの信号Vpt−Refとボトムホールド回路42からの信号Vbt−Refとを加算した加算結果(Vpt−Ref)+(Vbt−Ref)(画像情報)を、ADコンバータ44に出力する。
ADコンバータ44は、加算回路43からの加算結果(Vpt−Ref)+(Vbt−Ref)に応じた、例えば1ビット(所定ビット数)のデジタル信号(画像情報)を統括制御部6に出力する。以下、画像情報であるデジタル信号と変色層102に形成された画像との関係について詳述すると、変色層102は、レーザー光が照射される(つまり、画像が形成される)ことによって、反射率が大きくなる特性を有している。この結果、画像が形成された後の変色層102をレーザー光が照射したときのRF信号は、画像が形成されていない変色層102をレーザー光が照射したときのRF信号よりもレベルが大きくなる。そして、画像が形成された後の変色層102をレーザー光が照射したときの加算回路43の加算結果(Vpt−Ref)+(Vbt−Ref)は、画像が形成されていない変色層102をレーザー光が照射したときの加算回路43の加算結果(Vpt−Ref)+(Vbt−Ref)よりも大きくなる。そこで、ADコンバータ44が加算結果(Vpt−Ref)+(Vbt−Ref)を1ビットのデジタル信号に変換するためのスライスレベル(基準レベル)を、画像が形成された後の変色層102をレーザー光が照射したときの加算結果(Vpt−Ref)+(Vbt−Ref)と、画像が形成されていない変色層102をレーザー光が照射したときの加算結果(Vpt−Ref)+(Vbt−Ref)との例えば中間レベルに予め設定する。この結果、ADコンバータ44は、画像が形成された後の変色層102をレーザー光が照射したときの加算結果(Vpt−Ref)+(Vbt−Ref)が入力されたとき、一方の論理値(例えば‘1’)のデジタル信号を出力することが可能となる。また、ADコンバータ44は、画像が形成されていない変色層102をレーザー光が照射したときの加算結果(Vpt−Ref)+(Vbt−Ref)が入力されたとき、他方の論理値‘0’のデジタル信号を出力することが可能となる。尚、本実施形態においてADコンバータ44は、1ビットのデジタル信号を出力するものとして説明しているがこれに限るものではない。例えば、変色層102に形成された画像の濃淡情報を示す複数ビットのデジタル信号を所望する場合、ADコンバータ44のビット分解能を1ビットより大きいビット分解能(例えば、画像形成において8階調(3ビット)の画像を形成しているため3ビット分解能とする)で設けることとしても良い。この結果、ADコンバータ44は、変色層102に形成された画像の濃淡を示す複数ビットのデジタル信号を出力することとなる。尚、本実施形態において1ビット分解能のADコンバータ44を用いた理由は、当該ADコンバータ44に掛かるコストの軽減、回路規模の簡略化を図るためである。
尚、本実施形態において、ピークホールド回路41及びボトムホールド回路42、加算回路43をRFレベル検出回路35の構成とした理由は、例えば、RF信号のボトムレベルにノイズ成分等が発生する場合、基準レベルRefに対するピークレベルを示す信号Vpt−Refと基準レベルRefに対するボトムレベルを示す信号Vbt−Refとを加算することにより当該ノイズ成分等による画像情報に対する影響を、一方のみ(例えば、ボトムホールド回路42)を構成とした場合に比べて軽減することが可能となるためである。詳述すれば、ADコンバータ44への入力(加算回路43の加算回路)を分母、ノイズ成分を分子としたとき、一方のみを構成としたときの結果(分子/分母)に比べて、双方を構成としたときの結果は小さくなる。つまり、画像情報検出装置1にて検出される画像情報のSN比を向上させることが可能となる。また、基準レベルRefに対するピークレベルを示す信号Vpt−Refと基準レベルRefに対するボトムレベルを示す信号Vbt−Refとを加算することによりレベルが大きくなる。そして、ADコンバータ44のビット分解能を大きくすることにより、変色層102に形成された画像の濃淡を示す複数ビットのデジタル信号を出力することが可能となるためである。
<<画像情報検出装置1の動作>>
以下、図1乃至図3を適宜参照し、図4乃至図6を用いて本発明に係る画像情報検出装置1の画像情報検出モードにおける動作の一例について説明する。図4は、本発明に係る画像情報検出装置1の動作を示すタイミングチャートである。図5は、光ディスク2の変色層102に形成された画像の一例を示す図である。図6は、可変増幅回路40にて増幅されたRF信号のピークレベル及びボトムレベルを示す波形図である。尚、本実施形態においては、図5に示すように、例えば第X行第1列(基準位置)、第X行第Y1列、第X行第Y2列の各ドットに形成された画像を示す画像情報を、画像情報検出装置1が検出するときの動作について説明する。
統括制御部6は、画像が形成された後の変色層102から当該画像を示す画像情報を検出するための例えばホストコンピュータ25からの指示信号に基づいて、画像情報検出装置1を画像情報検出モードとする。そして、統括制御部6は、例えば、チャッキング機構に光ディスク2が設置され、当該光ディスク2の引き込みを検出すると、半導体レーザー12からレーザー光を出射させるべく、描画制御回路33に指示信号を送信する。描画制御回路33は、統括制御部6からの指示信号に基づいて、サーボ信号Aをレーザードライバ17に送信する。また、統括制御部6は、変色層102に実際に照射されるレーザー光の光強度を、フォーカス制御可能なレベルとするための制御信号をレーザーパワー制御回路32に送信する。レーザーパワー制御回路32は、統括制御部6からの制御信号に基づいた制御信号をレーザードライバ17に送信する。レーザードライバ17は、レーザーパワー制御回路32からの制御信号と描画制御回路33からのサーボ信号Aとに応じた制御信号を半導体レーザー12に供給する。半導体レーザー12は、レーザードライバ17からの制御信号により発生する電流に対応した光強度のレーザー光を出射する。そして、半導体レーザー12からのレーザー光は、各種光学系により透過、反射等された後、対物レンズ14に入射し、当該対物レンズ14にて収束光に変換されて光ディスク2に対して出射される。また、統括制御部6は、光ディスク2のリードイン領域に、レーザー光を照射させるべく、スレッド処理回路28に制御信号を送信する。スレッド処理回路28は、統括制御部6からの制御信号に基づいて、光ピックアップ装置11の移動距離を光ディスク2のリードイン領域と対向する移動距離とするための制御電圧を、ステッピングモータ29に印加させる。ステッピングモータ29は、制御電圧のレベルに対応したステップ距離回転する。この結果、レーザー光が、光ディスク2のリードイン領域に照射されることとなる。
光ディスク2のリードイン領域からのレーザー光の反射光は、対物レンズ14にて平行光に変換され、各種光学系により透過、反射等された後、光検出器13にて受光される。光検出器13は、受光領域A乃至Dにて受光した反射光のレベルに相当する光電変換信号a乃至dをRF信号処理回路21、フォーカス信号処理回路20、トラッキング信号処理回路19に出力する。尚、本発明の要旨に関係しないため説明は省略するが、フォーカス信号処理回路20は、画像情報検出モードの期間中、光電変換信号a乃至dに基づいてフォーカス制御を行う。また、トラッキング信号処理回路19は、前述したように画像情報検出モードにおいてはトラッキング制御を停止するため、例えば統括制御部6からの制御信号に基づいて、光電変換信号a乃至dの入力の有無に関わらずトラッキングエラー信号を生成しない。
光電変換信号a乃至dは、RF信号処理回路21にてリードイン領域に記録された情報を示すRF信号が生成され、ゲインコントロール、イコライジング処理された後2値データ化される。2値データ化された信号は、デコーダ22にてデコード処理が施され、デコード処理の結果得られた基準位置情報が統括制御部6に送信される。そして、統括制御部6は、デコーダ22からの基準位置情報の受信とSFG信号の立上りとを同期させるべく、スピンドルモータ制御回路4に制御信号を送信する。また、デコード処理の結果得られたATIP情報等はバッファメモリ23に送信される。統括制御部6は、ATIP情報等に基づいて、光ディスク2の回転方式をCAV方式に決定し、当該光ディスク2を角速度一定で回転させるべくスピンドルモータ制御回路4に制御信号を送信する。
スピンドルモータ制御回路4は、統括制御部6からの制御信号に基づいて、光ディスク2の回転速度を当該制御信号が示す回転速度とするべく、スピンドルモータ3に印加させる制御電圧のレベルを算出する。スピンドルモータ3は、スピンドルモータ制御回路4からの制御電圧が印加されることにより回転する。以下、図4を参照しつつ各回路にて生成される信号について説明する。FG発生回路5は、スピンドルモータ3が回転するときの逆起電圧に基づいて、スピンドルモータ3が1回転するあたり(光ディスク2が1回転するあたり)18パルスのFG信号を生成する。分周回路9は、FG信号を1/18分周したSFG信号を生成して位相比較回路55、統括制御部6に出力する。発振回路63は、CLKを生成して分周回路64、エンコーダ8、統括制御部6、カウンタ34に出力する。分周回路64は、CLKを1/n分周して得られる信号を位相比較回路65に出力する。位相比較回路65は、SFG信号の立上りと分周回路64からの信号の立上りの位相を比較した比較結果をスピンドルモータ制御回路4に出力する。そして、スピンドルモータ制御回路4は、位相比較回路65からの比較結果に基づいて、スピンドルモータ3に印加させる制御電圧のレベルを調整する。この結果、図4に示すように、FG信号、SFG信号、CLK、分周回路64からの信号は、基準位置に対して位相が同期したものとなる。
また、統括制御部6は、光ディスク2の回転方式をCAV方式に決定したことに基づいて、当該光ディスク2の内周側から外周側へ光ピックアップ装置11が移動するにつれてレーザー光の光強度を大きくするべく、レーザーパワー制御回路32に制御信号を送信する。
次に、統括制御部6は、ピークホールド回路41、ボトムホールド回路42の基準レベルRefを設定するべく、例えば画像領域の第1行の各ドットにレーザー光を照射させるべく、スレッド処理回路28に制御信号を送信する。スレッド処理回路28は、統括制御部6からの制御信号に基づいて、光ピックアップ装置11の移動距離を画像領域の第1行と対向する移動距離とするための制御電圧を、ステッピングモータ29に印加させる。ステッピングモータ29は、制御電圧のレベルに対応したステップ距離回転する。この結果、レーザー光が、光ディスク2の第1行に照射されることとなる。そして、統括制御部6は、レーザー光の反射光が前述の経緯を介した後、RF信号処理回路21にて生成されるRF信号のレベルの最小値を基準レベルとするべく、基準レベル信号を送信する。この結果、ピークホールド回路41、ボトムホールド回路42の基準レベルRefが設定されることとなる。また、統括制御部6は、可変増幅回路40のゲインを設定するための制御信号を送信する。この結果、可変増幅回路40のゲインが設定されることとなる。
尚、以下の説明においては、前述したように第X行第1列(基準位置)、第X行第Y1列、第X行第Y2列の各ドットに形成された画像を示す画像情報を画像情報検出装置1が検出するときの動作について説明するが、当該各ドットからの画像情報の検出は、内周側(第1行)から外周側へ順次画像情報を検出した結果、当該第X行に達した場合の動作であっても良いし、例えばホストコンピュータ25から指示信号に基づいて、他の行からの画像情報を検出することなく当該第X行に達した場合の動作であっても良い。また、当該第X行においても、第1列から順次第n列まで画像情報を検出するべく、第1列、第Y1列、第2列に達した場合の動作であっても良いし、例えば、ホストコンピュータ25からの指示信号に基づいて、他の列からの画像情報を検出することなく当該第1列、第Y1列、第Y2列に達した場合の動作であっても良い。
統括制御部6は、画像領域の第X行の各ドットにレーザー光を照射させるべく、スレッド処理回路28に制御信号を送信する。スレッド処理回路28は、統括制御部6からの制御信号に基づいて、光ピックアップ装置11の移動距離を画像領域の第X行と対向する移動距離とするための制御電圧を、ステッピングモータ29に印加させる。ステッピングモータ29は、制御電圧のレベルに対応したステップ距離回転する。また、統括制御部6は、例えば、メモリ27からアクチュエータ15に固有の共振周波数を示す共振周波数情報を読み出す。そして、統括制御部6は、メモリ27からの共振周波数情報と、FG信号に基づいて算出される実際の光ディスク2の回転周波数とに基づいて、振動付加回路18が発生する交流信号の周波数を算出する。詳述すると、統括制御部6は、共振周波数情報が示す共振周波数及び実際の回転周波数の1以上の整数倍となる周波数以外の周波数を、交流信号の周波数とする制御信号を生成する。また、統括制御部6は、交流信号の振幅を、スレッド処理回路28のスレッド制御による光ピックアップ装置11の最小移動距離と等しくなる振幅を算出して制御信号を生成する。この結果、レーザー光が、光ディスク2の第X行に対して、制御信号が示す振動周波数で振動して照射されることとなる。
カウンタ34は、発振回路63からのCLKの立上りをカウントする。統括制御部6は、カウンタ34のカウント値が1(第1列)であると判別すると(つまり、画像が形成された後の変色層102(第1行第1列)にレーザー光が照射されると)、ピークホールド回路41、ボトムホールド回路42にタイミング信号を送信する。可変増幅回路40は、第X行第1列のドットを照射したレーザー光の反射光が前述の経緯を介した結果得られるRF信号処理回路21からのRF信号を、設定されたゲインで増幅してピークホールド回路41、ボトムホールド回路42に出力する。ピークホールド回路41は、タイミング信号に基づいて、統括制御部6からの次のタイミング信号を受信するまでの期間T1(図6(a)参照)における、基準レベルRefに対する増幅されたRF信号のピークレベルを保持する。また、ボトムホールド回路42は、タイミング信号に基づいて、期間T1における、基準レベルRefに対する増幅されたRF信号のボトムレベルを保持する。尚、図5に示すように、第X行第1列のドットは第Y1列、第Y2列のドットに比べて濃い画像が形成されているため、レーザー光に対する反射率が最も大きくなる。そのため、第X行第1行のドットを照射したときのピークレベル及びボトムレベルは、第Y1列、第Y2列のドットを照射したときのピークレベル及びボトムレベルに比べて大きいものとなる(図6(a)(b)(c)参照)。統括制御部6は、スレッド処理回路28のスレッド制御による光ピックアップ装置11の第X行への移動量を示す情報と、カウンタ34のカウント値とに基づいて、画像領域におけるレーザー光の照射位置(第X行第1列)情報を算出する。
次に、カウンタ34は、発振回路63からの次のCLKの立上りをカウントする。統括制御部6は、カウンタ34のカウント値が2(第2列)であると判別すると、ピークホールド回路41、ボトムホールド回路42にタイミング信号を送信する。ピークホールド回路41は、期間T1における基準レベルRefに対するピークレベルを示す信号Vpt−Refを、加算回路43に出力する。また、ボトムホールド回路42は、期間T1における基準レベルRefに対するボトムレベルを示す信号Vbt−Refを、加算回路43に出力する。ピークホールド回路41からの信号Vpt−Refと、ボトムホールド回路42からの信号Vbt−Refとは加算回路43にて加算されて、ADコンバータ44に加算結果(Vpt−Ref)+(Vbt−Ref)が出力される。ADコンバータ44は、加算結果(Vpt−Ref)+(Vbt−Ref)を1ビットのデジタル信号に変換した一方の論理値‘1’を、統括制御部6に出力する。統括制御部6は、一方の論理値‘1’に基づいて、変色層102に画像が形成されていると判別し、その判別結果に例えば照射位置情報を付加して、バッファメモリ23に送信する。尚、本実施形態においては、統括制御部6は、判別結果に対して照射位置情報を付加しているが、これに限るものではない。例えば、画像情報検出装置1が、変色層102に対して、内周側(第1行)から外周側(第m行)へ順次画像情報を検出する場合、検出された画像情報の順番が位置情報を示すこととなるため、照射位置情報を付加せずとも検出された画像情報が何処の位置のドットに形成された画像を示すものであるのかを判別可能となる。そのため、この場合においては、判別結果に照射位置情報を付加しなくても良い。また、本実施形態において統括制御部6は、ADコンバータ44からの論理値に基づいて、変色層44に対して画像が形成されているか判別しているが、これに限るものではない。ADコンバータ44からの、前述した画像の濃淡を示す複数ビットのデジタル信号を受信した場合、当該複数ビットのデジタル信号をバッファメモリ23に送信するように設けても良い。
同様に、統括制御部6は、カウンタ34のカウント値がY1(第Y1列)であると判別すると(つまり、画像が形成された後の変色層102(第1行第Y1列)にレーザー光が照射されると)、ピークホールド回路41、ボトムホールド回路42にタイミング信号を送信する。可変増幅回路40は、第X行第Y1列のドットを照射したレーザー光の反射光が前述の経緯を介した結果得られるRF信号処理回路21からのRF信号を、設定されたゲインで増幅してピークホールド回路41、ボトムホールド回路42に出力する。ピークホールド回路41は、タイミング信号に基づいて、統括制御部6からの次のタイミング信号を受信するまでの期間T2(図6(b)参照)における、基準レベルRefに対する増幅されたRF信号のピークレベルを保持する。また、ボトムホールド回路42は、タイミング信号に基づいて、期間T2における、基準レベルRefに対する増幅されたRF信号のボトムレベルを保持する。尚、図5に示すように、第X行第Y1列のドットは第1列のドットに比べて淡く、第Y2列のドットに比べて濃い画像が形成されているため、レーザー光に対する反射率が第1列のドットの反射率よりも小さく、第Y2列のドットの反射率よりも大きくなる。そのため、第X行第Y1行のドットを照射したときのピークレベル及びボトムレベルは、第1列のドットを照射したときのピークレベル及びボトムレベルに比べて小さく、Y2列のドットを照射したときのピークレベル及びボトムレベルに比べて大きいものとなる(図6(a)(b)(c)参照)。統括制御部6は、スレッド処理回路28のスレッド制御による光ピックアップ装置11の第X行への移動量を示す情報と、カウンタ34のカウント値とに基づいて、画像領域におけるレーザー光の照射位置(第X行第Y1列)情報を算出する。
次に、カウンタ34は、発振回路63からの次のCLKの立上りをカウントする。統括制御部6は、カウンタ34のカウント値がY1+1(第Y1+1列)であると判別すると、ピークホールド回路41、ボトムホールド回路42にタイミング信号を送信する。ピークホールド回路41は、期間T2における基準レベルRefに対するピークレベルを示す信号Vpt−Refを、加算回路43に出力する。また、ボトムホールド回路42は、期間T2における基準レベルRefに対するボトムレベルを示す信号Vbt−Refを、加算回路43に出力する。ピークホールド回路41からの信号Vpt−Refと、ボトムホールド回路42からの信号Vbt−Refとは加算回路43にて加算されて、ADコンバータ44に加算結果(Vpt−Ref)+(Vbt−Ref)が出力される。ADコンバータ44は、加算結果(Vpt−Ref)+(Vbt−Ref)を1ビットのデジタル信号に変換した一方の論理値‘1’を、統括制御部6に出力する。統括制御部6は、一方の論理値‘1’に基づいて、変色層102に画像が形成されていると判別し、その判別結果に例えば照射位置情報を付加して、バッファメモリ23に送信する。尚、前述したように、画像情報に対して照射位置情報の付加しないようにすることも可能であるし、複数ビットのデジタル信号をバッファメモリ23に送信することも可能である。尚、第X行第Y1列のドットを照射したときの複数ビットのデジタル信号が示す画像の濃淡は、第X行第1列のドットを照射したときの前述の複数ビットのデジタル信号が示す画像の濃淡よりも淡いものとなる。
同様に、統括制御部6は、カウンタ34のカウント値がY2(第Y2列)であると判別すると(つまり、画像が形成されていない変色層102(第1行第Y2列)にレーザー光が照射されると)、ピークホールド回路41、ボトムホールド回路42にタイミング信号を送信する。可変増幅回路40は、第X行第Y2列のドットを照射したレーザー光の反射光が前述の経緯を介した結果得られるRF信号処理回路21からのRF信号を、設定されたゲインで増幅してピークホールド回路41、ボトムホールド回路42に出力する。ピークホールド回路41は、タイミング信号に基づいて、統括制御部6からの次のタイミング信号を受信するまでの期間T3(図6(c)参照)における、基準レベルRefに対する増幅されたRF信号のピークレベルを保持する。また、ボトムホールド回路42は、タイミング信号に基づいて、期間T3における、基準レベルRefに対する増幅されたRF信号のボトムレベルを保持する。尚、図5に示すように、第X行第Y2列のドットは画像が形成されていないため、第1列、第Y1列のドットに比べて最も淡くなり、レーザー光に対する反射率が第1列、第Y1列のドットの反射率よりも小さくなる。そのため、第X行第Y2列のドットを照射したときのピークレベル及びボトムレベルは、第1列、第Y1列のドットを照射したときのピークレベル及びボトムレベルに比べて小さいものとなる(図6(a)(b)(c)参照)。統括制御部6は、スレッド処理回路28のスレッド制御による光ピックアップ装置11の第X行への移動量を示す情報と、カウンタ34のカウント値とに基づいて、画像領域におけるレーザー光の照射位置(第X行第Y2列)情報を算出する。
次に、カウンタ34は、発振回路63からの次のCLKの立上りをカウントする。統括制御部6は、カウンタ34のカウント値がY2+1(第Y2+1列)であると判別すると、ピークホールド回路41、ボトムホールド回路42にタイミング信号を送信する。ピークホールド回路41は、期間T3における基準レベルRefに対するピークレベルを示す信号Vpt−Refを、加算回路43に出力する。また、ボトムホールド回路42は、期間T3における基準レベルRefに対するボトムレベルを示す信号Vbt−Refを、加算回路43に出力する。ピークホールド回路41からの信号Vpt−Refと、ボトムホールド回路42からの信号Vbt−Refとは加算回路43にて加算されて、ADコンバータ44に加算結果(Vpt−Ref)+(Vbt−Ref)が出力される。ADコンバータ44は、加算結果(Vpt−Ref)+(Vbt−Ref)を1ビットのデジタル信号に変換した他方の論理値‘0’を、統括制御部6に出力する。統括制御部6は、他方の論理値‘0’に基づいて、変色層102に画像が形成されていると判別し、その判別結果に例えば照射位置情報を付加して、バッファメモリ23に送信する。尚、前述したように、画像情報に対して照射位置情報の付加しないようにすることも可能であるし、複数ビットのデジタル信号をバッファメモリ23に送信することも可能である。尚、第X行第Y2列のドットを照射したときの複数ビットのデジタル信号が示す画像の濃淡は、第X行第1列、第Y1列のドットを照射したときの前述の複数ビットのデジタル信号が示す画像の濃淡よりも淡いものとなる。
この結果、第X行第1列(基準位置)、第Y1列、第Y2列の各ドットに形成された画像を示す画像情報が検出されたこととなる。そして、例えば、ホストコンピュータ25が、バッファメモリ23から画像情報(判別結果又は複数ビットのデジタル信号)を読み出すことにより所望の処理を行うことが可能となる。一例としては、画像情報を記録媒体(CD等)に記録させ、光ディスク画像形成装置(不図示)において当該記録媒体から画像情報を読み出す。そして、光ディスク画像形成装置が当該画像情報に基づいて画像形成のための処理を行うことにより、光ディスク2の変色層102に対する同一画像の形成を行うことが可能となる。或いは、画像情報検出装置1が、変色層102に対して画像を形成している途中に何らかの影響を受けて(例えば、衝撃、供給電源停止等)、画像の形成が中断されたものとする。この場合、画像情報検出装置1は、中断されたドットまでに形成された画像を示す画像情報を検出し、当該画像情報とホストコンピュータ25からのビットマップ形式のデータに基づく画像形成データとを比較して、当該中断されたドット以降のドットに画像を形成するための画像形成データを検出する。そして、画像情報検出装置1が、検出した画像形成データに基づいて、当該中断されたドット以降のドットに画像を形成することにより、画像形成の中断の影響を受けることなく良好な画像の形成を行うことが可能性となる。
尚、上述によれば、変色層102から画像情報を検出するべく、ピークホールド回路41及びボトムホールド回路42、加算回路43をRFレベル検出回路35の構成としているが、これに限るものではない。ピークホールド回路41又はボトムホールド回路42の何れか一方のみをRFレベル検出回路35の構成としても良い。例えば、ピークホールド回路41のみを構成とした場合、RFレベル検出回路35は、基準レベルRefに対するピークレベルを示す信号Vpt−Refから画像情報を検出することとなる。尚、このときのADコンバータ44のスライスレベルは、画像が形成された後の変色層102をレーザー光が照射したときの信号Vpt−Refと、画像が形成されていない変色層102をレーザー光が照射したときの信号Vpt−Refとの例えば中間レベルに設定されることとなる。そして、ピークホールド回路41又はボトムホールド回路42の何れか一方のみをRFレベル検出回路35の構成とすることにより、当該RFレベル検出回路35に掛かるコストの軽減、回路配線等の煩雑化を防止することが可能となる。
また、上述によれば、光ディスク2の変色層102は、レーザー光が照射されるにつれて当該レーザー光に対する反射率が大きくなる特性を有しているものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、光ディスク2の変色層102が、レーザー光が照射されるにつれて当該レーザー光に対する反射率が小さくなる特性を有しているものとする。この場合、統括制御部6が、ピークホールド回路41及びボトムホールド回路42の基準レベルRefを、レーザー光が画像領域を照射するときのRF信号のレベルの例えば最大値とするべく基準レベル信号を生成するように設ければ良い。この結果、レーザー光が照射されるにつれて反射率が小さくなる変色層102に対しても、本発明に係る画像情報検出装置1を適用することが可能となり、当該変色層102からの画像情報の検出を良好に行うことが可能となる。
また、上述によれば、統括制御部6は、カウンタ34のカウント値に基づいて、レーザー光が第何列のドットを照射しているか判別しているが、これに限るものではない。例えば、基準位置から各列のドットをレーザー光が照射するときの時間を予め実験等により求め、テーブルデータとしてメモリ27に記憶させておく。そして、統括制御部6が、SFG信号の立上りのタイミングで不図示のタイマを計時させ、当該タイマの計時とメモリ27のテーブルデータとに基づいて、レーザー光が第何列のドットを照射しているか判別することとしても良い。
また、上述によれば、光ディスク2の回転速度を角速度一定とするべくCAV方式を採用しているがこれに限るものではない。例えば、光ディスク2を線速度一定とするCLV(Constant Linear Velocity)方式、複数ゾーン領域ごとに光ディスク2を線速度一定とするZCLV(Zoned CLV)を採用しても良い。この場合、統括制御部6は、スレッド処理回路28のスレッド制御による光ピックアップ装置11の移動量に応じて、外周側における光ディスク2の回転周波数を内周側における光ディスク2の回転周波数よりも小さくするべく、スピンドルモータ制御回路4を制御することとなる。この結果、光ディスク2を線速度一定とすることにより、レーザーパワー制御回路32の内周側から外周側へのレーザーパワー制御が必要なくなり、当該制御処理にかかる負担を軽減することが可能となる。
上述した実施形態によれば、画像が形成された後の変色層102から当該画像を示す画像情報を検出することが可能となる。この結果、例えば、検出された画像情報を記憶媒体等(不図示)に記憶させることが可能となり、他の変色層102を有する光ディスク2に対しての同一画像の形成や、他の画像情報検出装置1における同一画像の形成を行うことが可能となる。或いは、変色層102に対する画像の形成が中断された際、既に形成された画像を示す画像情報とホストコンピュータ25からの画像形成データとを比較することで、中断されたドットから再び画像の形成を行うことが可能となる。
更に、ピークホールド回路41又はボトムホールド回路42の少なくとも一方を画像情報検出装置1の構成とすることにより、画像が形成された後の変色層102から当該画像を示す画像情報を検出することが可能となる。例えば、ピークホールド回路41又はボトムホールド回路42の何れか一方のみを構成とした場合、当該画像情報検出装置1に掛かるコストの軽減、回路配線等の煩雑化を防止することが可能となる。或いは、ピークホールド回路41及びボトムホールド回路42を構成とすることにより、例えば、ボトムレベルにノイズ成分等が発生する場合、ピークレベルとボトムレベルとを加算することにより、当該ノイズ成分等による画像情報に対する影響を軽減することが可能となる。つまり、画像情報検出装置1にて検出される画像情報のSN比を向上させることが可能となる。
更に、ピークレベル及びボトムレベルとの加算結果又は何れかのレベルとスライスレベルとの比較結果に応じた、ADコンバータ44からのデジタル信号に基づいて、画像が形成された後の変色層102から当該画像を示す画像情報を検出することが可能となる。この結果、ADコンバータ44の後段の回路(例えば、統括制御部6)においてデジタル処理(変色層102に対する画像形成の有無の判別等)を行うことが可能となる。
更に、1ビットのデジタル信号を出力するADコンバータ44を構成とすることにより、一方の論理値‘1’に基づいて変色層102に画像が形成されたことを判別することが可能となり、また他方の論理値‘0’に基づいて変色層102に画像が形成されていないことを判別することが可能となる。また、ADコンバータ44に掛かるコストの軽減、回路規模の簡略化を図ることが可能となる。
また、複数ビットのデジタル信号を出力するADコンバータ44を構成とすることにより、画像が形成された後の変色層102から当該画像の濃淡を示す複数ビットのデジタル信号を取得することが可能となる。そして、例えば、他の変色層102を有する光ディスク2に対して、同一の濃淡を有する画像の形成を行うことが可能となる。また、例えば、光ディスク2の内周側のドットに対してのみ画像が形成されている場合、当該ドット以降の画像が形成されていないドットに対して画像を形成することが可能となる。詳述すると、ADコンバータ44が例えば3ビット分解能である場合、画像が形成されていないドットから検出される複数ビットのデジタル信号は、最も淡い状態を示す‘000’となる。そして、当該‘000’が所定回数連続して(例えば、数行分のドット全てにおいて‘000’)検出されてバッファメモリ23に保持されたものとする。この場合、画像情報検出装置1は、例えば、次回の画像形成モードの初期動作として画像情報検出モードとなり、当該‘000’が連続する先頭のドットを検出した後、画像形成データに基づく画像形成を当該先頭のドットから行う。この結果、画像が形成されていないドットからの複数ビットのデジタル信号に基づいて、当該画像が形成されていないドットに対しても画像形成を行うことが可能となる。
更に、光ディスク2の回転方向におけるドットから隣接するドットにレーザー光が照射されるときの統括制御部6からのタイミング信号に基づいて、ピークレベル又はボトムレベルの少なくとも一方を保持することにより、画像が形成された後の変色層102から各ドットごとに対応した画像情報を検出することが可能となる。この結果、変色層102に形成された画像を示すより正確な画像情報を検出することが可能となる。
更に、光ディスク2の回転とピークレベル又はボトムレベルの少なくとも一方の保持動作を同期させることが可能となる。この結果、画像が形成された後の変色層102から各ドットごとに対応したより確実な画像情報を検出することが可能となる。
更に、発振回路63からのCLKに基づく分周回路64が出力する信号と、FG発生回路5からのFG信号に基づく分周回路9が出力するSFG信号と、の位相を同期させることにより、画像が形成された後の変色層102から各ドットごとに対応した画像情報を、より確実に検出することが可能となる。
以上、本発明に係る画像情報検出装置1について説明したが、上記の説明は、本発明の理解を容易とするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得る。