JP4671866B2 - カード用コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、カード用コネクタに関するものである。
従来、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ビデオカメラ、音楽プレーヤ、ゲーム機、車両用ナビゲーション装置等の電子機器においては、SIM(Subscriber Identity Module)カード、MMC(Multi Media Card)(R)、SD(Secure Digital)(R)カード、ミニSD(R)カード、メモリスティック(R)、スマートメディア(R)、T−Flash(Trans−Flash)メモリカード、マイクロSD(R)カード等の各種メモリカードを利用するために、カード用コネクタを備えている(例えば、特許文献1参照。)。
図7は従来のカード用コネクタを示す図である。
図において、301はカード用コネクタの絶縁性ハウジングであり、図示されない長方形のメモリカードが収容される。そして、前記絶縁性ハウジング301には、複数の端子302及び303が取付けられ、該端子302及び303がメモリカードのコンタクトパッドと接触する。なお、前記端子302及び303は、図示されない回路基板の表面の接続パッドにはんだ付されることによって、回路基板の導線性トレースと導通する。また、前記絶縁性ハウジング301は、端子302及び303が接続パッドにはんだ付されることによって、回路基板に固定される。さらに、304は絶縁性ハウジング301の一端に取付けられたばね部材であり、絶縁性ハウジング301内に収容されたメモリカードを付勢して、絶縁性ハウジング301の他端に押付ける。また、絶縁性ハウジング301の各コーナには、メモリカードの保持手段であるカード挿入溝305〜308が各々形成されている。
そして、メモリカードをカード用コネクタに装着する際には、まず、メモリカードの利用者は、手指によって、絶縁性ハウジング301に対してメモリカードを長手方向に傾斜させる。この場合、絶縁性ハウジング301におけるばね部材304が取付けられた側に対応する短辺が下を向くように、長方形のメモリカードを傾斜させる。続いて、利用者は、メモリカードの下を向いた短辺の両端がカード挿入溝305及び306内に進入するように、メモリーカードを絶縁性ハウジング301に対して移動させる。この場合、メモリカードの下を向いた短辺がばね部材304に当接するので、メモリカードを移動させると、ばね部材304が変形させられてばね力を発揮するが、利用者は、ばね力に抗して、メモリカードをカード挿入溝305及び306内の奥方に移動させる。
続いて、メモリカードの下を向いた短辺の両端が前記カード挿入溝305及び306内に十分に進入すると、利用者は、メモリカードの反対側の短辺を下方に移動させ、該短辺の両端をカード挿入溝307及び308に対向させる。そして、利用者が手指をメモリカードから放すと、該メモリカードは、ばね部材304の付勢力を受けて移動し、前記短辺の両端がカード挿入溝307及び308内に進入する。これにより、メモリカードの各コーナ部が各々カード挿入溝305〜308によって保持された状態となり、メモリカードのカード用コネクタへの装着が完了する。
特開平11−242972号公報
しかしながら、前記従来のカード用コネクタは、ばね部材304が絶縁性ハウジング301に取付けられているだけなので、該絶縁性ハウジング301が変形してしまったり、回路基板から外れてしまったりすることがある。前述のように、メモリカードをカード用コネクタに装着する際には、利用者が手指によってメモリカードをばね部材304のばね力に抗して移動させるので、ばね部材304は利用者の手指から大きな力を受けることとなり、ばね部材304が取付けられた絶縁性ハウジング301も大きな力を受けることとなる。そして、カード用コネクタが小型化され、絶縁性ハウジング301の各部の肉厚が薄くなっているので、利用者の手指から大きな力を受けると変形してしまうことがある。また、絶縁性ハウジング301は、端子302及び303が接続パッドにはんだ付されることによって回路基板に固定されているので、利用者の手指から大きな力を受けると端子302及び303と接続パッドとを結合するはんだが剥(は)がれて、回路基板から外れてしまったりすることがある。
本発明は、前記従来のカード用コネクタの問題点を解決して、カードを付勢するカード付勢部とコネクタ取付用補助金具部とが一体的に形成されたカード保持用金具をハウジングの一側辺に配設することによって、カードを装着する際に利用者の手指によって加えられる力を受けてもハウジングが変形することがなく、また、ハウジングが基板から外れてしまうことがなく、簡素な構成でハウジングを強化することができるカード用コネクタを提供することを目的とする。
そのために、本発明のカード用コネクタにおいては、端子部材を備えるカードを収容するハウジングと、該ハウジングに取付けられ、前記カードの端子部材と接触する接続端子とを有するカード用コネクタであって、前記ハウジングは、前記カードの下面に対向する底壁部、該底壁部の対向する側辺の一方に沿って延在し、前記カードの一方の側壁面が当接するカード支持壁部、及び、前記底壁部の対向する側辺の他方に沿って延在し、カード保持用金具が取付けられる金具支持壁部を備え、前記カード保持用金具は、前記カードを前記カード支持壁部に向けて付勢するカード付勢部、及び、該カード付勢部と一体的に形成されたコネクタ取付用補助金具部を備え、前記カード付勢部は、前記金具支持壁部に当接するばね支持部、及び、該ばね支持部に接続され、自由端が前記カード支持壁部に向けて突出するばね部を備え、前記コネクタ取付用補助金具部は、前記金具支持壁部に当接してハウジングに取付けられる補助金具本体部、及び、該補助金具本体部の下端に接続され、基板に取付けられる取付テール部を備え、前記カード保持用金具は、前記底壁部の上面と平行に前記カード支持壁部に向けて突出し、前記ばね支持部と補助金具本体部とを連結する庇金具部を更に備える。
本発明の更に他のカード用コネクタにおいては、さらに、前記カード支持壁部は、前記金具支持壁部に向けて突出し、下面が底壁部の上面と平行なカード支持庇部を備える。
本発明の更に他のカード用コネクタにおいては、さらに、前記金具支持壁部は、相互に分離して形成された第1金具支持壁部及び第2金具支持壁部を備え、前記補助金具本体部は第1金具支持壁部に当接し、前記ばね支持部は第2金具支持壁部に当接する。
本発明の更に他のカード用コネクタにおいては、さらに、前記ばね部は、前記ばね支持部の両側に該ばね支持部に対して各々斜めに接続された第1ばね部及び第2ばね部、並びに、前記第1ばね部及び第2ばね部の自由端に各々接続され、前記カードの他方の側壁面が当接する板状の第1当接部及び第2当接部を備える。
本発明によれば、カード用コネクタは、カードを付勢するカード付勢部とコネクタ取付用補助金具部とが一体的に形成されたカード保持用金具をハウジングの一側辺に配設している。そのため、カードを装着する際に利用者の手指によって加えられる力を受けてもハウジングが変形することがなく、また、ハウジングが基板から外れてしまうことがなく、簡素な構成でハウジングを強化することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態におけるカード用コネクタを示す三面図、図2は本発明の実施の形態におけるカード用コネクタを示す断面図であり図1のA−A矢視断面図である。なお、図1において(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
図において、10は本実施の形態におけるカード用コネクタであり、図示されない電子機器に取付けられる。そして、前記カード用コネクタ10の内部には後述されるカード50が挿入され、前記カード用コネクタ10を介して、前記電子機器にカード50が装着される。なお、前記電子機器は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA、デジタルカメラ、ビデオカメラ、音楽プレーヤ、ゲーム機、車両用ナビゲーション装置等であるが、いかなる種類の機器であってもよい。
また、カード50は、例えば、SIMカード、MMC(R)、SD(R)カード、ミニSD(R)カード、メモリスティック(R)、スマートメディア(R)、T−Flashメモリカード、マイクロSD(R)カード等のICカードであり、いかなる種類のカードであってもよいが、本実施の形態においては、SIMカードであるものとして説明する。また、本実施の形態において、カード用コネクタ10の各部の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、カード用コネクタ10又はその部品が図に示される姿勢である場合に適切であるが、カード用コネクタ10又はその部品の姿勢が変化した場合には、姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
ここで、前記カード用コネクタ10は、図に示されるように、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に成形され、前記カード50を収容するハウジング11と、金属等の導電性材料から成る板材に打抜き、折曲げ等の加工を施すことによって成形され、ハウジング11に取付けられた接続端子としての端子22及びカード保持用金具40とを有する。前記カード用コネクタ10は、概略、扁(へん)平な長方形の皿、すなわち、トレイのような形状を備え、前記電子機器の基板に取付けられ、内部に概略長方形の板状のカード50が装着される。
そして、前記ハウジング11は、図1(a)に示されるように、概略長方形で、その一部が略U字状に切取られた切取部17、緩い円弧状の円弧部23及び装着の際におけるカード50の移動方向を示す矢印模様28を備える底壁部12、該底壁部12の長手方向に延在する一方の側辺に沿って延在し、底壁部12から立設する第1カード支持壁部15a及び第2カード支持壁部15b、並びに、前記底壁部12の長手方向に延在する他方の側辺に沿って延在し、底壁部12から立設する第1金具支持壁部13a及び第2金具支持壁部13bを有する。また、前記一方の側辺の両端には、第1カード支持壁部15aに連接して底壁部12から立設する第3短辺支持壁部14c、及び、第2カード支持壁部15bに連接して底壁部12から立設する第4短辺支持壁部14dが配設されている。さらに、前記他方の側辺の両端には、第1金具支持壁部13aに連接して底壁部12から立設する第1短辺支持壁部14a、及び、第2金具支持壁部13bに連接して底壁部12から立設する第2短辺支持壁部14bが配設されている。
ここで、前記第1金具支持壁部13a及び第2金具支持壁部13b並びに第1カード支持壁部15a及び第2カード支持壁部15bは、ハウジング11内に収容されたカード50の両側の長辺に各々対向する。また、第1短辺支持壁部14a及び第3短辺支持壁部14c並びに第2短辺支持壁部14b及び第4短辺支持壁部14dは、ハウジング11内に収容されたカード50の両側の短辺に各々対向し、カード50の長手方向の位置決めを行う。なお、第4短辺支持壁部14dにおける第2カード支持壁部15bとの接続部分は、カード50の一隅部に形成された傾斜面に対応するように、斜めに形成されている。
そして、前記第1カード支持壁部15a及び第2カード支持壁部15bの上縁には、ハウジング11の内方に向けて突出する第1カード支持庇部16a及び第2カード支持庇部16bが各々形成されている。前記第1カード支持庇部16a及び第2カード支持庇部16bの下面は、底壁部12の上面と平行に延在し、ハウジング11内に収容されたカード50の上面に対向し、カード50がハウジング11の上方に移動することを制限し、カード50がハウジング11から離脱することを防止する。また、前記第2金具支持壁部13bの上縁には、ハウジング11の内方に向けて突出する金具側カード支持庇部18が形成されている。なお、図示される例において、金具側カード支持庇部18は、第2短辺支持壁部14bの上縁にも接続されている。そして、金具側カード支持庇部18の下面は、底壁部12の上面と平行に延在し、ハウジング11内に収容されたカード50の上面に対向し、カード50がハウジング11の上方に移動することを制限し、カード50がハウジング11から離脱することを防止する。
また、図示される例においては、第1金具支持壁部13aと第2金具支持壁部13bとが分離して形成されているが、必要に応じて、第1金具支持壁部13aと第2金具支持壁部13bとを連続させて一体的に形成することもできる。さらに、第1カード支持壁部15aと第2カード支持壁部15bとが分離して形成されているが、必要に応じて、第1カード支持壁部15aと第2カード支持壁部15bとを連続させて一体的に形成することもできる。さらに、第1短辺支持壁部14aと第3短辺支持壁部14cとが分離して形成されているが、必要に応じて、第1短辺支持壁部14aと第3短辺支持壁部14cとを連続させて一体的に形成することもできる。さらに、第2短辺支持壁部14bと第4短辺支持壁部14dとが分離して形成されているが、必要に応じて、第2短辺支持壁部14bと第4短辺支持壁部14dとを連続させて一体的に形成することもできる。さらに、底壁部12の切取部17、円弧部23及び矢印模様28は、必要に応じて、省略することができる。
なお、第1金具支持壁部13a及び第2金具支持壁部13bを統合的に説明する場合には金具支持壁部13として説明し、第1カード支持壁部15aと第2カード支持壁部15bを統合的に説明する場合にはカード支持壁部15として説明し、第1短辺支持壁部14a〜第4短辺支持壁部14dを統合的に説明する場合には短辺支持壁部14として説明し、第1カード支持庇部16a及び第2カード支持庇部16bを統合的に説明する場合にはカード支持庇部16として説明する。
また、底壁部12の上面には、前後方向に延在するように形成された端子装填(てん)凹部21が複数形成され、各端子装填凹部21に接続端子としての端子22が挿入されて取付けられている。そして、図2に示されるように、端子22は、その根本部22aの両側が前記端子装填凹部21の側壁と係合することによって、端子装填凹部21に装着され、先端が斜め上方に延在し、カンチレバー状の形状を備える。なお、前記端子22の自由端、すなわち、先端には上方に突出するように湾曲した接触部22cが形成され、該接触部22cの上端は、底壁部12の上面より上方に突出している。そして、前記接触部22cは、カード50の下面に配設された後述される端子部材としてのコンタクトパッド51に接触して電気的に接続される。また、前記根本部22aから接触部22cと反対側に延在するテール部22bは、底壁部12の縁から外方に向けて突出し、前記電子機器における基板に形成された信号線、コンタクトパッド、端子等、すなわち、相手側端子部材に、はんだ付等によって電気的に接続される。なお、前記端子装填凹部21及び端子22の数及び配置は、カード50のコンタクトパッド51の数及び配置に対応するように、適宜変更することができる。
そして、前記カード保持用金具40は、金具支持壁部13に沿って、底壁部12の長手方向に延在する他方の側辺に取付けられている。また、前記カード保持用金具40は、カード用コネクタ10を電子機器における基板に取付けるためのコネクタ取付用補助金具としても機能するものであり、基板の接続パッドにはんだ付等によって取付けられる取付テール部48を備える。なお、前記接続パッドは、基板の接地(グランド)線に接続されたものであってもよい。この場合、カード保持用金具40は、カード50を接地線に接続して、静電気に起因する障害を除去するための機能を発揮する。さらに、前記カード保持用金具40は、底壁部12の上面と平行に延在する庇金具部41を備える。該庇金具部41は、その下面が金具側カード支持庇部18の下面とほぼ同一面となり、金具側カード支持庇部18と同様の機能を発揮して、ハウジング11内に収容されたカード50の上面に対向し、カード50がハウジング11の上方に移動することを制限し、カード50がハウジング11から離脱することを防止する。
次に、前記カード保持用金具40について詳細に説明する。
図3は本発明の実施の形態におけるカード保持用金具を示す斜視図、図4は本発明の実施の形態におけるカード保持用金具をハウジングに取付ける動作を示す斜視図、図5は本発明の実施の形態におけるカード保持用金具がハウジングに取付けられた状態を示す斜視図である。なお、図4及び5においては、端子の図示が省略されている。
図3に示されるように、カード保持用金具40は、庇金具部41の一端に接続されたばね支持部42、該ばね支持部42の両側に各々接続された第1ばね部43a及び第2ばね部43b、並びに、前記第1ばね部43a及び第2ばね部43bの先端に各々接続された第1当接部44a及び第2当接部44bを有する。そして、前記ばね支持部42、第1ばね部43a、第2ばね部43b、第1当接部44a及び第2当接部44bは、ばね性を備えた材料から成り、カード50をカード支持壁部15の方向に付勢するカード付勢部として機能する。なお、前記第1ばね部43a及び第2ばね部43bを統合的に説明する場合にはばね部43として説明し、第1当接部44a及び第2当接部44bを統合的に説明する場合には当接部44として説明する。
ここで、前記ばね支持部42は、庇金具部41に対してほぼ直角になるように曲げられて接続されており、カード保持用金具40がハウジング11に取付けられた状態で、第2金具支持壁部13bと平行となる。また、前記第1ばね部43a及び第2ばね部43bは、ばね支持部42に対して斜めになるように曲げられて接続された細長い板状のカンチレバーのような形状であり、カード保持用金具40がハウジング11に取付けられた状態で、自由端、すなわち、先端がカード支持壁部15の方向に突出する。さらに、前記第1当接部44a及び第2当接部44bは、第1ばね部43a及び第2ばね部43bの先端に対して斜めになるように曲げられて接続された板状の小片であり、ばね支持部42とほぼ平行となっていて、カード50の側壁面に当接する。また、前記第1当接部44aの庇金具部41側端縁、すなわち、上端縁には、第1当接部44aに対してほぼ直角になるように曲げられた係合片45が接続されている。該係合片45は、カード50の上面に当接し、第1当接部44aとカード50との位置関係がずれることを防止する。なお、前記第1当接部44a、第2当接部44b及び係合片45は、必要に応じて、省略することができる。
また、前記カード保持用金具40は、庇金具部41におけるばね支持部42と反対側に接続された補助金具本体部46を有する。該補助金具本体部46は、庇金具部41に対してほぼ直角になるように曲げられて接続されており、カード保持用金具40がハウジング11に取付けられた状態で、第1金具支持壁部13aと平行となる。さらに、補助金具本体部46の庇金具部41と反対側端縁、すなわち、下端縁には、第1嵌(かん)合部47a、第2嵌合部47b及び取付テール部48が接続されている。ここで、前記第1嵌合部47a及び第2嵌合部47bは、補助金具本体部46と同一面となるように庇金具部41と反対側方向、すなわち、下方に延在し、ハウジング11の底壁部12と第1金具支持壁部13aとの境に形成された図示されない嵌合孔(こう)に嵌入される。これにより、カード保持用金具40は、ハウジング11に強固に取付けられる。
さらに、前記取付テール部48は、補助金具本体部46に対してほぼ直角になるように曲げられて接続されており、庇金具部41と平行になっている。そして、前記取付テール部48は、前述のように基板の接続パッドにはんだ付等によって取付けられる。これにより、前記補助金具本体部46、第1嵌合部47a、第2嵌合部47b及び取付テール部48は、カード用コネクタ10を基板に強固に取付けるためのコネクタ取付用補助金具部としての機能を発揮する。なお、前記第1嵌合部47a及び第2嵌合部47bを統合的に説明する場合には、嵌合部47として説明する。また、該嵌合部47の数及び配置は、適宜変更することができる。
そして、前記カード保持用金具40を、図4に示されるように、ハウジング11の上方に位置させ、この状態からカード保持用金具40をハウジング11に向けて相対的に移動させ、ハウジング11に取付ける。なお、ハウジング11は、取付テール部48を収容するように第1金具支持壁部13aに隣接して形成された取付テール収容凹部25、及び、第2嵌合部47bと補助金具本体部46の端部とを収容するように第1金具支持壁部13aと第1短辺支持壁部14aとの間に形成されたスリット状の補助金具収容凹部26を有する。また、底壁部12の上面における金具支持壁部13と接する部分には、カード50を装着する際に、該カード50の一方の長辺を進入しやすくするために、金具支持壁部13に沿って延在する帯状の陥没部12aが形成されていることが望ましい。
この場合、ハウジング11に対するカード保持用金具40の姿勢を制御して、庇金具部41が底壁部12の上面と平行になり、かつ、補助金具本体部46及びばね支持部42が第1金具支持壁部13a及び第2金具支持壁部13bと平行になるようにする。そして、第2嵌合部47bと補助金具本体部46の端部とを補助金具収容凹部26内に進入させ、取付テール部48を取付テール収容凹部25内に進入させる。さらに、第1嵌合部47aと第2嵌合部47bとを、底壁部12と第1金具支持壁部13aとの境に形成された図示されない嵌合孔に嵌入させる。これにより、図5に示されるように、カード保持用金具40がハウジング11に取付けられる。
カード保持用金具40がハウジング11に取付けられた状態において、補助金具本体部46は、第1金具支持壁部13aのカード支持壁部15を向いた面、すなわち、内面に当接する。なお、補助金具本体部46の端部は補助金具収容凹部26内に収容されている。また、ばね支持部42は第2金具支持壁部13b内面に当接する。なお、第1ばね部43a及び第2ばね部43bの先端に各々接続された第1当接部44a及び第2当接部44bは、第1金具支持壁部13a及び第2金具支持壁部13bよりも、カード支持壁部15の方向に突出している。この場合、第1当接部44a及び第2当接部44bは初期位置にあり、第1ばね部43a及び第2ばね部43bは弾性変形していない初期状態になっている。
また、庇金具部41は、第1金具支持壁部13a及び第2金具支持壁部13bの上縁からハウジング11の内方に向けて突出している。この場合、庇金具部41の下面は、金具側カード支持庇部18の下面とほぼ同一面となり、底壁部12の上面と平行に延在し、ハウジング11内に収容されたカード50の上面に対向し、カード50がハウジング11の上方に移動することを制限し、カード50がハウジング11から離脱することを防止する。なお、庇金具部41の端部の下面は第1短辺支持壁部14aの上面に当接している。
ここで、補助金具本体部46とばね支持部42とを連結する庇金具部41は、前述のように底壁部12の上面と平行に延在するので、底壁部12の上面と平行な面内における力に対する断面二次係数が大きくなっている。そのため、前記庇金具部41は、底壁部12の上面と平行な面内における力を受けても、剛性が高く、変形し難いので、カード50を装着する際に、補助金具本体部46やばね支持部42が利用者の手指による力を受けても、変形してしまうことがない。
次に、前記構成のカード用コネクタ10にカード50を装着する動作について説明する。
図6は本発明の実施の形態におけるカード用コネクタにカードを装着する動作を示す図であり図1のB−B矢視断面図である。
まず、カード50の利用者は、手指によってカード50の姿勢を制御して、カード50の一隅部に形成された傾斜面がハウジング11の第4短辺支持壁部14dにおける第2カード支持壁部15bとの傾斜した接続部分に対応し、かつ、コンタクトパッド51がハウジング11の底壁部12の上面と対面するようにする。続いて、利用者は、図6(a)に示されるように、ハウジング11における金具支持壁部13に対応する長辺が下を向くように、概略長方形のカード50を傾斜させる。そして、利用者は、カード50の下を向いた長辺、すなわち、金具支持壁部13側の長辺が金具側カード支持庇部18及びカード保持用金具40の庇金具部41と底壁部12の上面との間に進入するように、カード50をハウジング11に対し、矢印Cで示される方向に移動させる。
すると、図6(a)に示されるように、カード50の金具支持壁部13側の長辺における側壁面がカード保持用金具40の第1当接部44a及び第2当接部44bに当接する。この状態では、第1当接部44a及び第2当接部44bが初期位置にあり、カード支持壁部15までの距離が近いので、カード50の上を向いた長辺、すなわち、カード支持壁部15側の長辺を底壁部12の上面に向けて下方に移動させても、カード支持壁部15の上縁又はカード支持庇部16の上面に引っ掛かってしまい、カード50をハウジング11内に収容させることができない。そこで、利用者は、カード50を矢印Cで示される方向に更に移動させ、カード50の金具支持壁部13側の長辺を金具支持壁部13に向けて押込むようにする。すると、ばね部43と変形させられてばね力を発揮するが、利用者の手指の力は、ばね部43のばね力と比較して十分に大きいので、該ばね力に抗して、カード50を金具支持壁部13に向けて押込むことができる。
この場合、該金具支持壁部13は、矢印Cで示される方向に作用する利用者の手指の力を受けることになるが、該力の相当程度をカード保持用金具40が受けるので、金具支持壁部13が受ける力が低減される。また、取付テール部48が回路基板等に取付けられているので、カード保持用金具40が受けた力がハウジング11の金具支持壁部13やその他の部位に伝達されることがない。そのため、ハウジング11の金具支持壁部13やその他の部位が、利用者の手指の力を受けて変形したり破損したりすることがない。
そして、図6(b)に示されるように、カード50の金具支持壁部13側の長辺が金具側カード支持庇部18及び庇金具部41と底壁部12の上面との間において、奥の方に十分に進入すると、利用者は、カード50のカード支持壁部15側の長辺を、矢印Dで示される方向に、すなわち、底壁部12の上面に向けて下方に移動させ、カード50のコンタクトパッド51が配設された面、すなわち、下面が底壁部12の上面と向合うようにする。この場合、カード50のコンタクトパッド51が配設されていない面、すなわち、上面がカード支持庇部16の下面よりも低くなるようにする。これにより、コンタクトパッド51が対応する端子22の接触部22cに接触する。そして、端子22は、コンタクトパッド51によって下方に押されて弾性的に変形するのでばね力を発生する。そのため、接触部22cは、前記ばね力によってコンタクトパッド51に押付けられるように付勢されるので、コンタクトパッド51と確実に接触する。
続いて、利用者が手指をカード50から放すと、図6(c)に示されるように、該カード50は、ばね部43の付勢力を受けて矢印Eで示される方向に移動し、カード支持壁部15側の長辺がカード支持庇部16の下面と底壁部12の上面との間に進入する。なお、各コンタクトパッド51と対応する端子22の接触部22cとの接触は維持される。そして、前記カード支持壁部15側の長辺の側壁面は、カード支持壁部15の金具支持壁部13を向いた面、すなわち、内面に当接し、ばね部43の付勢力によって前記内面に押付けられるように付勢される。そのため、カード50のカード支持壁部15側の長辺は、カード支持庇部16の下面と底壁部12の上面とによって保持された状態となる。また、図6(c)に示されるように、カード50の金具支持壁部13側の長辺も、金具側カード支持庇部18及び庇金具部41と底壁部12の上面とによって保持されている。これにより、カード50は、両側の長辺が上下から保持された状態となってカード用コネクタ10から離脱することがない状態となり、カード50のカード用コネクタ10への装着が完了する。
この場合、カード支持壁部15は、カード50を介してばね部43の付勢力を受けることになる。しかし、ばね部43の付勢力は、利用者の手指の力と比較して相当に小さいので、金具等によって補強しなくても、前記カード支持壁部15が変形したり破損したりしてしまうことがない。
このように、本実施の形態においては、ハウジング11は、底壁部12の対向する側辺の一方に沿って延在し、カード50の一方の側壁面が当接するカード支持壁部15、及び、前記底壁部12の対向する側辺の他方に沿って延在し、カード保持用金具40が取付けられる金具支持壁部13を備え、前記カード保持用金具40は、カード50を前記カード支持壁部15に向けて付勢するカード付勢部、及び、該カード付勢部と一体的に形成されたコネクタ取付用補助金具部を備える。そのため、カード用コネクタ10にカード50を装着する際に、利用者の手指によって加えられる力を受けても、該力の相当程度をカード保持用金具40が受けるので、ハウジング11が変形することがなく、また、ハウジング11が基板から外れてしまうことがなく、簡素な構成でハウジング11を強化することができる。
また、前記カード付勢部は、ハウジング11の金具支持壁部13に当接するばね支持部42、及び、該ばね支持部42に接続され、自由端が前記カード支持壁部15に向けて突出するばね部43を備え、前記コネクタ取付用補助金具部は、前記金具支持壁部13に当接してハウジング11に取付けられる補助金具本体部46、及び、該補助金具本体部46の下端に接続され、基板に取付けられる取付テール部48を備える。そのため、簡素な構成でありながら、カード50を適切にカード支持壁部15に付勢して、カード50を確実に保持することができるとともに、ハウジング11の基板への取付けを確実にし、ハウジング11を強化することができる。
さらに、前記カード保持用金具40は、底壁部12の上面と平行にカード支持壁部15に向けて突出し、ばね支持部42と補助金具本体部46とを連結する庇金具部41を備える。この場合、該庇金具部41は、底壁部12の上面と平行に延在するので、底壁部12の上面と平行な面内における力に対する断面二次係数が大きくなっている。そのため、前記庇金具部41は、カード用コネクタ10にカード50を装着する際に、利用者の手指によって加えられる力を受けても、剛性が高く、変形してしまうことがない。
さらに、前記カード支持壁部15は、金具支持壁部13に向けて突出し、下面が底壁部12の上面と平行なカード支持庇部16を備える。この場合、該カード支持庇部16が庇金具部41と協働して、カード50がハウジング11の上方に移動することを制限し、カード50がハウジング11から離脱することを防止する。そのため、ハウジング11にカバーを取付ける必要がなく、カード用コネクタ10の構成を簡素化することができる。
さらに、前記金具支持壁部13は、相互に分離して形成された第1金具支持壁部13a及び第2金具支持壁部13bを備え、補助金具本体部46は第1金具支持壁部13aに当接し、ばね支持部42は第2金具支持壁部13bに当接する。そのため、補助金具本体部46とばね支持部42とを別個の位置に配設することができ、基板における取付テール部48の取付位置等の条件に応じて補助金具本体部46とばね支持部42との位置関係を調節することが可能となり、設計上の自由度を高めることができる。
さらに、前記ばね部43は、ばね支持部42の両側に該ばね支持部42に対して各々斜めに接続された第1ばね部43a及び第2ばね部43b、並びに、前記第1ばね部43a及び第2ばね部43bの自由端に各々接続され、カード50の側壁面が当接する板状の第1当接部44a及び第2当接部44bを備える。そのため、複数の部位で付勢力を付与してカード50をカード支持壁部15に向けて移動させることがことができるので、カード50の姿勢を安定させることができる。また、板状の第1当接部44a及び第2当接部44bがカード50の側壁面に当接するので、カード50の側壁面に損傷を与えることがない。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の実施の形態におけるカード用コネクタを示す三面図である。 本発明の実施の形態におけるカード用コネクタを示す断面図であり図1のA−A矢視断面図である。 本発明の実施の形態におけるカード保持用金具を示す斜視図である。 本発明の実施の形態におけるカード保持用金具をハウジングに取付ける動作を示す斜視図である。 本発明の実施の形態におけるカード保持用金具がハウジングに取付けられた状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態におけるカード用コネクタにカードを装着する動作を示す図であり図1のB−B矢視断面図である。 従来のカード用コネクタを示す図である。
符号の説明
10 カード用コネクタ
11 ハウジング
12 底壁部
12a 陥没部
13a 第1金具支持壁部
13b 第2金具支持壁部
14a 第1短辺支持壁部
14b 第2短辺支持壁部
14c 第3短辺支持壁部
14d 第4短辺支持壁部
15a 第1カード支持壁部
15b 第2カード支持壁部
16 カード支持庇部
16a 第1カード支持庇部
16b 第2カード支持庇部
17 切取部
18 金具側カード支持庇部
21 端子装填凹部
22、302、303 端子
22a 根本部
22b テール部
22c 接触部
23 内弧部
25 取付テール収容凹部
26 補助金具収容凹部
28 矢印模様
40 カード保持用金具
41 庇金具部
42 ばね支持部
43a 第1ばね部
43b 第2ばね部
44a 第1当接部
44b 第2当接部
45 係合片
46 補助金具本体部
47a 第1嵌合部
47b 第2嵌合部
48 取付テール部
50 カード
51 コンタクトパッド
301 絶縁性ハウジング
304 ばね部材
305、306、307、308 カード挿入溝

Claims (4)

  1. (a)端子部材を備えるカードを収容するハウジングと
    (b)該ハウジングに取付けられ、前記カードの端子部材と接触する接続端子とを有するカード用コネクタであって、
    (c)前記ハウジングは、前記カードの下面に対向する底壁部、該底壁部の対向する側辺の一方に沿って延在し、前記カードの一方の側壁面が当接するカード支持壁部、及び、前記底壁部の対向する側辺の他方に沿って延在し、カード保持用金具が取付けられる金具支持壁部を備え、
    (d)前記カード保持用金具は、前記カードを前記カード支持壁部に向けて付勢するカード付勢部、及び、該カード付勢部と一体的に形成されたコネクタ取付用補助金具部を備え
    (e)前記カード付勢部は、前記金具支持壁部に当接するばね支持部、及び、該ばね支持部に接続され、自由端が前記カード支持壁部に向けて突出するばね部を備え、
    (f)前記コネクタ取付用補助金具部は、前記金具支持壁部に当接してハウジングに取付けられる補助金具本体部、及び、該補助金具本体部の下端に接続され、基板に取付けられる取付テール部を備え、
    (g)前記カード保持用金具は、前記底壁部の上面と平行に前記カード支持壁部に向けて突出し、前記ばね支持部と補助金具本体部とを連結する庇金具部を更に備えることを特徴とするカード用コネクタ。
  2. 前記カード支持壁部は、前記金具支持壁部に向けて突出し、下面が底壁部の上面と平行なカード支持庇部を備える請求項に記載のカード用コネクタ。
  3. 前記金具支持壁部は、相互に分離して形成された第1金具支持壁部及び第2金具支持壁部を備え、前記補助金具本体部は第1金具支持壁部に当接し、前記ばね支持部は第2金具支持壁部に当接する請求項に記載のカード用コネクタ。
  4. 前記ばね部は、前記ばね支持部の両側に該ばね支持部に対して各々斜めに接続された第1ばね部及び第2ばね部、並びに、前記第1ばね部及び第2ばね部の自由端に各々接続され、前記カードの他方の側壁面が当接する板状の第1当接部及び第2当接部を備える請求項に記載のカード用コネクタ。
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