JP4670935B2 - 空気調和装置の運転方法 - Google Patents

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Description

この発明は、室内空気環境が例えば恒温・恒湿であることが要求される状況のような場合に、建物負荷に応じて最適な運転を行い、エネルギー消費の低減を図る空気調和装置の技術に関するものである。
従来、博物館、美術館、精密機械工場、印刷工場、収蔵庫、手術室、製薬工場、醸造等においては品質保持、歩留まり向上、生産性向上のため室内環境の温度,湿度が一定に保たれる必要がある。
そこで、室内の温湿度制御には恒温恒湿制御システムが用いられ、この従来の空気調和装置は、筐体内の風の流路には送風機、冷却器、加熱器その1(熱交換器)または加熱器その2(電気ヒータ)等を配置し、送風機により室内空気は吸込口から流入し、温度調節された風となって風吹出口より室内へ吹出す構造となっている。吸込口には吸込空気の乾球温度を検知する乾球温度センサと湿球温度を検知する湿球温度センサを設けている。(例えば特許文献1参照)
特開平3−148585号公報(第3図、第4図)
この構成では、運転が開始されると、まず送風機のみを運転する送風モード運転が開始され、この送風モード運転期間中、乾球温度センサおよび湿球温度センサで吸込空気温度と湿度を夫々検出する。この夫々の温度計測は1秒単位で数回行ってその平均乾球温度および平均湿球温度を夫々測るもので、1分のインターバルで前の空気の平均温度と後の平均乾球温度を比較して時間的温度変化傾向を検出して室内負荷状態を判定している。すなわち、1分のインターバルで前の平均乾球温度から後の平均乾球温度を減算し、その差が正、負または零のいずれであるかにより、室内負荷が暖房負荷、冷房負荷または零のいずれであるかを判定し、一方、後の方の平均乾球温度と設定乾球温度との比較を行い、その差が許容範囲かどうかを判定する。更に、平均温度から求めた吸込空気の相対湿度が許容湿球温度以下かどうかを判定する。このようにして求めた室内負荷の状態、設定乾球温度との差、許容湿球温度との比較に応じて、冷却運転、加熱運転、又は除湿運転を開始する。
従来の空気調和装置は、顕熱負荷のみの推定で、潜熱負荷である加湿負荷と除湿負荷を推定できないし、また加湿機能がないので加湿負荷が要求されても対応できないと言う等の問題があった。また従来の技術では温度と湿度の数値の演算を行い、且つ、個々のモード、しかも冷却、加熱、除湿に限られたモードの切り替えるだけの運転を行う考えで、目標に早く到達させようという考えが存在せず、設定精度の要求される恒温恒湿の用途に適用出来ず、更に安定した温度や湿度のコントロールが早く得られず、逆に到達速度や精度を求める場合は温度や湿度のハンチングが起こるなどの問題点があった。
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、簡単な構成で、組み合わされた運転モードの選定が容易にできる空気調和装置を提供することを目的とする。またこの発明は早く精度の良い温度や湿度が得られる省エネルギー性の高い空気調和装置および空気調和方法を提供することを目的とする。
本発明の空気調和装置の運転方法は、空気を冷却または加熱する熱交換器と水を加熱した蒸気により加湿する加湿器を設けた空気調和装置にて被空調域に送風を行い前記被空調域に空調を行い温度および湿度の設定許容範囲に到達した場合には前記空気調和装置の運転を停止するステップと、前記被空調域の空気の温度を検出しこの検出値の時間変化から、前記被空調域の温度が前記設定許容範囲へ到達する到達時刻を予測するステップと、前記到達時刻へ到達するまでの到達予測時間と前記加湿器の起動から前記水が加湿可能な温度に到達するまでの時間とを比較して前記到達予測時間の方が長い場合には前記加湿器を起動しないで同等程度もしくは前記到達予測時間の方が短い場合に前記被空調域の空気の温度が前記設定許容範囲へ到達する以前に前記加湿器を起動し、前記被空調域の温度が前記設定許容範囲へ到達した時は加湿できるステップと、を備えたものである。
以上のように本発明によれば、被空調域の温度と湿度の状態を無駄なく短時間で所望の状態にでき、且つ、維持できる空気調和装置、およびその運転方法が得られる。以上のように本発明によれば、制御精度が良く信頼性が高く運転費用の安い空調システムが得られる。
実施の形態1.
以下、図1、図2、図3に基づきこの発明の実施の形態の構成を詳細に説明する。図1はシステム構成図であり、図2、図3は別のシステム構成図である。
まず、図1のシステム構成図について説明する。被空調室9内に空調機本体19に冷却器2、加熱器3および送風機を設け、加湿器6と除湿機7を室内床面に配置し、これらの機器を制御装置8にて制御して室内空調を行う。送風機1により室内空気は、温度調節された風となって冷却器2加熱器3とを内蔵する空調機本体19から室内へ吹出す構造となっている。室内には室内空気の温度を検知する温度検出手段4と湿度を検知する湿度検出手段5を設けている。ここで冷却器2は冷水コイルまたは冷媒直膨、加熱器3は温水コイル、ヒーター、冷媒直膨などがあり、それぞれの構成で熱源器あるいは電源から供給される冷熱や温熱により空気との間で熱の授受を行えるものである。冷媒直膨の場合、冷凍サイクルの圧縮機などを含む熱源器は室外に配置され配管を介して冷媒を室内機である本体へ供給している。この冷凍サイクル使用の場合は、冷却器2と加熱器3はそれぞれ冷媒が流れるチューブにフィンをはめ込み空気との熱交換を行うもので、冷却器2と加熱器3が同一冷媒系統の場合、別系統の場合がある。冷却器2と加熱器3は図1では送風方向に直列に設けられ、一方が温熱を他方が冷熱を空気に供給する構成を示しているが、両方が温熱を供給する構成や両方が冷熱を供給する構成でも良いし、この冷却器2と加熱器3を送風に対し並列に配置し同様な温冷熱を供給する構成にしても良い。更に冷却器は冷凍サイクルによる冷熱を利用し、加熱器には電源から電力を供給したヒーターでも良い。室内の湿度は加湿器6、除湿機7によって湿度調整される。これらの構成要素は制御装置8によって有線、または無線によって一括して制御される。
図2はこれらの構成要素を本体20である1つの筐体内に収めたものであり、筐体内の風の流路には冷却器2、加熱器3、加湿器10を配置し、送風機1により室内空気は矢印で示すように吸込口15から流入し、温湿度調節された風となって風吹出口16より室内へ吹出す構造となっている。吸込口15には吸込空気の温度を検知する温度検出手段4と湿度を検知する湿度検出手段5を設けている。ここで冷却器2は冷水コイルまたは冷媒直膨、加熱器3は温水コイル、ヒーター、冷媒直膨などがあり、冷媒直膨の場合、冷却器2と加熱器3が同一冷媒系統の場合、別系統の場合がある。加湿器10は蒸気式、気化式、超音波式、吸着脱着式などが適用されるが、いずれの場合も貯水槽や水分吸着装置を別個設けてある。なお図1では加湿機6と制御装置8を空調機本体19とは別個に独立させて設けていたが図2では筐体20の中に加熱器3や冷却器2と一緒に設けてある。このため図1の加湿器6と図2の加湿器10は、貯水や湿気保有材に熱を加え蒸気を発生させたり、貯水に超音波などを加え気化させたりするなどどのような構成の加湿機でも良いが、室内に加湿された空気を吹き出させる送風機は図1では別途加湿機6内に保有させる必要があり、一方図2の構成では加熱もしくは冷却された空気と一緒に送風機1にて室内に吹き出させるので、その分構成が簡単になる。なお制御装置8を筐体20内に設けることにより個々の機器を個別に配置した場合に比べ配線の簡略化などとともに制御内容を簡単に操作できるようになる。
図2の構成では被空調室9内に筐体20を設けるだけで図1の構成と同等な空調が可能になる。一方図3の構成では筐体20の中には送風機1、冷却機2、加熱器3と温度センサ4、湿度センサ5を設ける構成で、加湿器は被空調室9内に独立して設けているものである。なお図2、図3にて別途室外に熱源器を設け、この筐体内の熱交換機2、3と冷媒を循環させるように接続すれば、冷却器2および加熱器3をそのまま両方とも冷却操作すれば冷房空調を行うことが出来、両方とも加熱させれば暖房空調を行うことができる。また熱源器より冷却と加熱を同時に行う様に冷媒を循環させれば除湿機としての役割を果たすことができる。ただし除湿機として使用する場合には、加熱と除湿を行う場合の加熱等運転条件に制約がある場合は別に加熱器を設けても良いが加熱器と冷却器の要領を得たい室内環境条件に設定できるものとすればよいことは当然である。
ここで、これらの構成機器を空調負荷に合わせてどのような運転モードを選択するかを次に説明する。その運転モードの判定原理を空気線図上で示したものが図4である。空気線図は横軸に温度、縦軸に絶対湿度を記載しあり、温度は左から右が高くなり、湿度は下から上が高くなる。中の破線矢印は空気調和装置が温熱冷熱を供給しておらずまた加湿除湿も行わない状態で、被空調室9内に対し他の機器の運転を停止させるサーモOFF状態で送風機1による送風運転のみを行っている時の、Δt間での温度センサ4の温度検出値と湿度センサ5の湿度検出値の温湿度変化傾向を示したものである。ここで、送風機1による送風運転のみとしたが、被空調室9の温度湿度変化が十分に検出できれば送風機1を停止しても良い。図2の構成のように温度センサ4と湿度センサ5が筐体20に内蔵されている場合には確実に被空調室9の温度湿度を検出するため送風運転を行った方が良いが,図1のように温度センサ4と湿度センサ5が筐体20から離れた被空調室9内にあり送風機1を運転しなくても被空調室9の温度湿度を検出できる場合には停止しても良い。温度湿度を計測している室内において、温度T(t)、絶対湿度X(t)の位置からP1への変化傾向であった場合は、温度が下がり、絶対湿度が下がるため加熱・加湿を必要とする負荷が発生している。P2への変化傾向であった場合は、温度が下がり、絶対湿度が上がるため加熱・除湿を必要とする負荷が発生している。P3への変化傾向であった場合は、温度が上がり、絶対湿度が上がるため冷却・除湿を必要とする負荷が発生している。P4への変化傾向であった場合は、温度が上がり、絶対湿度が下がるため冷却・加湿を必要とする負荷が発生している、このように、温度、湿度の経時変化から室内に発生している負荷が推定され、どのような空気調和が求められているかを判断することができる。この考え方で構成機器の操作を行うことにより室内を安定した空調状態に維持できる。
次に実際の動作について説明する。図5は、この空気調和装置が行う処理動作を示すフローチャートである。図6は空気線図上で設定許容範囲を説明する図である。被空調域の温度湿度が、室内温度設定値Trと室内絶対湿度設定値Xrに対して、設定許容範囲として室内温度設定下限TD、室内温度設定上限TU、室内湿度設定下限XD、湿室内湿度設定限XUで囲まれた設定許容範囲内に到達した場合、空気調和装置が運転停止する。いわゆるサーモOFF状態になる。このサーモOFF時に送風機1による送風運転を行う(ST1)。このとき、図1の温度検出手段4および湿度検出手段5により吸込空気の温度T(t)、相対湿度R(t)を夫々検出する(ST2)。その温湿度から絶対湿度X(t)を演算する(ST3)。次に,ある一定時間Δt秒後の吸込空気の温度T(t+Δt)、相対湿度R(t+Δt)を夫々検出し(ST4)絶対湿度X(t+Δt)を演算する(ST5)。このΔt秒間で温度と湿度の時間的変化傾向から室内負荷状態を判定する(ST6)。
すなわち,Δt秒で後の検出温度から前の検出温度を減算しその差T(t+Δt)−T(t)が正、負、または零のいずれかにより、温度が高くなる方向で室内負荷が冷却を必要とする冷却負荷、温度が低くなる方向に動き加熱を必要とする加熱負荷、温熱冷熱を必要としない零のいずれかを判定する。またΔt秒で後の検出絶対湿度から前の検出絶対湿度を減算しその差X(t+Δt)−X(t)が正、負、または零のいずれかにより,室内負荷が除湿を必要とする湿度が高くなる動きの除湿負荷、湿度が低くなる方向の加湿を必要とする加湿負荷、零のいずれかを判定し加熱加湿、加熱除湿、冷却除湿、冷却加湿、送風の各運転モードを決定し(ST7)、当該運転モードを実行する(ST8)。このような運転操作により室内にどのような負荷が存在し様と確実に設定された状態へ空調を行うことができる。
また、起動時においては、まだ設定温度Trと設定湿度Xrに到達していない場合があるので、室内負荷状況の判定は、前記(ST2)の検出値T(t)と前記(ST3)の演算値X(t)と、設定温度Tr、設定湿度Xrとの差に基づき、室内負荷状態を判定する。すなわちT(t)−Trが正、負、または零のいずれかにより、温度が変わる方向から、室内負荷が冷却負荷、加熱負荷、零のいずれかを判定する。またX(t)−Xrが正、負、または零のいずれかにより、湿度が変わる方向から、室内負荷が除湿負荷、加湿負荷、零のいずれかを判定し運転モードを決定し(ST7)、当該運転モードを実行する(ST8)。
また、例えば起動時で冷却、除湿負荷と決定した運転モードであっても、この運転モードで運転し設定許容範囲に到達してから、温度検出センサおよび湿度検出センサの検出値が少なくとも1つが設定許容範囲内にある場合、送風機のみの運転を行い、検出値の温度、湿度の時間変化値と、変化方向を図5のフローで判断することができる。これにより数時間後に負荷状況が過渡的に変わった場合でも対応することが可能であり、建物の空調負荷に合った運転ができ温度湿度の収束性も向上する。
以上のように、本発明においては、空気調和装置の温度検出手段、湿度検出手段の温度、湿度検出値の時間変化、すなわち方向と値を知ることができるので,空調負荷の状態、すなわち必要とする空調の潜熱と顕熱の中身を推定でき、運転モードを潜熱と顕熱の組み合わせという簡単な構成で、容易に判定でき、また運転中に負荷状況が変動した場合にも適用できるので、被空調域の温度湿度の収束性も向上する。更に潜熱と顕熱の変化を同時に判断し室内に必要とされる負荷を求めるので、いちいち温度だけで判断し運転してから、次に湿度だけで判断し運転するなどの従来の技術よりも大幅に早く必要な負荷を室内に供給でき安定した状態に早く到達し、且つこれを確実に維持できる。
また、室内温度Tおよび室内湿度(相対湿度)Rを計測し、この計測した室内温度Tと室内湿度Rに基づいて現在の被空調域の絶対湿度Xを求めるようにしたが、湿度センサとして相対湿度センサではなく絶対湿度センサまたは露点温度センサを用いるようにして絶対湿度Xを直接求めるようにしてもよい。この場合、被空調域の相対湿度Rは、室内温度Tと絶対湿度Xとに基づいて求めることができる。
次に顕熱重視から潜熱重視運転への切り替えに付いてを説明する。上記では、室内の温度、湿度変化から空気調和装置の運転モードを決定するものであるが、次に各運転モードに入った後の空気調和装置の動作方法を説明する。室内温度設定値Trと室内絶対湿度設定値Xrに対して、設定許容範囲として室内温度設定下限TD、室内温度設定上限TU、室内湿度設定下限XD、湿室内湿度設定限XUで囲まれた範囲内に収束させるようにする。これを空気線図上に示したのが図6であり、上述の設定許容範囲を領域Eとする。空気調和装置の運転モードをたとえば図6のように設定する.温度TD以下、湿度XU以下を領域A、湿度XU以上を領域B、温度TU以上、湿度XU以下を領域C、温度TD以上、温度TU以下、湿度XD以下を領域Dと定義する。図7はこの空気調和装置が行う特有の処理動作を示すフローチャートである。
空気調和装置は、図1および図2で示す温度センサ4からの現在の室内温度Tと湿度センサ5から図7で示す処理動作を行う。まず,現在の室内温度Tと室内湿度Rを検出する(ST11)。室内湿度Rに基づいて被空調室における現在の絶対湿度Xを求め(ST12)、この室内温度Tと絶対湿度Xとで定まる状態点が図6で示す空気線図における領域A−Eのどの領域にあるかを求めるとともに室内温度Tと絶対湿度Xとで定まる状態点過を判断する。(ST13、14)。
求めた結果、被空調室の状態点が領域A内にあるものとする。すなわち、室内温度Tが室内温度設定下限値TD以下であって室内絶対湿度Xが室内絶対湿度設定上限値XU以下で室内相対湿度が100%以下である領域を領域Aとし、この領域A内に被空調室の状態点があるものとする。この場合、空気調和装置は、加熱制御により、状態点を室内温度設定値Trにするように、空気調和装置における取入空気を加熱器を使用して加熱する(ST15)。
次に被空調室の状態点が領域B内にあるものとする。すなわち、室内絶対湿度Xが室内絶対湿度上限値XU以上で室内相対湿度が100%以下である領域を領域Bとし、この領域B内に被空調室の状態点があるものとする。この場合、空気調和装置は、冷却・熱制御により、状態点を温度設定値Tr、絶対湿度設定値Xrに位置させるように、冷却器を使用して空気調和装置における取入空気を絶対湿度Xrに対応する露点温度まで冷却することによって除湿した後、この取入空気を加熱器を使用して室内温度設定Trまで加熱(再熱)する(ST16)。
次に被空調室の状態点が領域C内にあるものとする。すなわち、室内温度Tが室内温度設定上限値TU以上であって室内絶対湿度Xが室内絶対湿度設定上限値XU以下である領域を領域Cとし、この領域C内に被空調室の状態点があるものとする。この場合、空気調和装置は、冷却制御により、状態点を室内温度設定値Trにするように、空気調和装置における取入空気を冷却器を使用して冷却する(ST17)。
次に被空調室の状態点が領域D内にあるものとする。すなわち、室内温度Tが室内温度設定下限値TD以上であって室内温度設定上限値TU以下であって室内絶対湿度Xが室内絶対湿度設定下限値XD以下である領域を領域Dとし、この領域D内に被空調室の状態点があるものとする。この場合、状態点を室内設定絶対湿度Xrにするように、空気調和装置における取入空気を加湿器を使用して加湿する(ST18)。
次に被空調室の状態点が領域E内にあるものとする。すなわち、室内温度Tが室内温度設定下限値TD以上であって室内温度設定上限値TU以下であって室内絶対湿度Xが室内絶対湿度設定下限値XD以上であって室内絶対湿度設定上限値XU以下である領域を領域Eとし、この領域E内に被空調室の状態点があるものとする。この場合、前運転領域での運転方法を継続する(ST19)。
絶対湿度Xが設定絶対湿度下限値よりも小さい時、つまり加熱・加湿、冷却・加湿の加湿負荷が存在するときは加湿器を起動する。空気調和装置の動作図である図8に示すように現在の室内温度、室内絶対湿度が設定許容範囲に入っていない場合、まず加熱、冷却により温度を設定許容範囲付近に操作し、加湿は温度が設定許容範囲に入った後行う。図8中の加湿して湿度を上昇させてから加熱または冷却するR1、R3のルートよりも温度が設定許容範囲に近づいた時点で加湿されるR2、R4のルートの方が湿度が設定許容範囲に入るまでの加湿量が抑えられるので、水道量の削減と加湿に必要なエネルギー削減になる。また加熱・加湿の場合には温度が高くなってから加湿するので、建物躯体への結露を防止することができる。
以上のように構成されているため、湿度制御は、室内温度Tが設定温度Trを中心として設定温度範囲内に収束したのち加湿器が起動され、所定の顕熱能力を保持して温度を保ちつつ、潜熱能力を増大するので、設定温湿度範囲に到達するまでの無駄な加湿が抑えられ、省エネ,ランニングコストの低減を図ることができる。
上記のように加熱加湿、加熱除湿、冷却除湿、冷却加湿等の運転モードを選択する構成と手法について説明したが、次に、空調負荷の顕熱負荷、潜熱負荷を推定する手法について説明する。
まず動作について説明する。図9はこの空気調和装置が行う処理動作を示すフローチャートであり、図10はブロック図、図11はシステム図である。まず、予め、被空調域の熱容量(ρ密度,Cp比熱,V容積)を入力しておく(ST20)。そして、被空調域の温度湿度が、室内温度設定値Trと室内絶対湿度設定値Xrに対して、設定許容範囲として室内温度設定下限TD、室内温度設定上限TU、室内湿度設定下限XD、湿室内湿度設定限XUで囲まれた範囲内に到達した場合、空気調和装置が停止する、いわゆるサーモOFF状態になる。このサーモOFF時に図1および図2で示す、送風機1による送風運転を行う(ST21)。このとき,図1および図2に示す温度検出手段4および湿度検出手段5により吸込空気の温度T(t)、相対湿度R(t)を夫々検出する(ST22)。その温湿度から絶対湿度X(t)を演算する(ST23)。次に、所定の時間Δt秒を設け、その一定時間後の吸込空気の温度T(t+△t)、相対湿度R(t+△t)を夫々検出し(ST24)絶対湿度X(t+△t)を演算する(ST25)。このΔt秒間で温度と湿度の時間的変化傾向から室内負荷である顕熱負荷、潜熱負荷を以下の式により推定する(ST26)。
顕熱負荷SH=ρCpV[T(t+△t)−T(t)]/△t――――(1)
潜熱負荷LH=ρVLw[X(t+△t)−X(t)]/△t――――(2)
ここで、Lwは水の蒸発潜熱を示す。すなわち、顕熱負荷SHが正、負、または零のいずれかにより、室内負荷が冷却負荷、加熱負荷、零のいずれかを判定する。潜熱負荷LHが正、負、または零のいずれかにより、室内負荷が除湿負荷、加湿負荷、零のいずれかを判定し運転モードを決定する(ST27)。
ここで顕熱負荷SHと顕熱負荷LHが推定できるということは顕熱比SHFが次式で推定可能となる。
SHF=SH/(SH+LH)――――(3)
SHFが判れば、当該運転モードを実行する際に、加熱、冷却、除湿、加湿の4つの操作量を調整しやすくなる。たとえば、SH>0,LH>0の冷却除湿の状態でSHFが1に近いような室内負荷状況であったとすると、冷却器2の露点温度を高めに制御することにより、省エネルギーを図ることができることに加え、温度、湿度の設定許容範囲への収束性が良くなる。逆にSHFが小さいときには露点温度を低めに設定すれば良い。また、SH>0、LH<0の冷却加湿の状態で、冷却器で除湿される除湿量と潜熱負荷から容易に推定される必要加湿量を足した値を加湿器にて加湿すれば過不足なく加湿させることができる(ST28)。
また、例えば起動時で冷却、除湿負荷と決定した運転モードであっても数時間後に負荷状況が過渡的に変わった場合でも対応することが可能であり、建物の空調負荷に合った運転ができ温度湿度の収束性も向上する。
以上のような図9のフローチャートの動作を図10、図11のブロック図の構成にて行うことができる。図9の潜熱顕熱の負荷を推定する負荷推定手段27二必要なデータは検出した温度と湿度以外に、予め、被空調域の熱容量(ρ密度,Cp比熱,V容積)を入力する熱容量入力手段からの熱容量であるが、この値は厳密な数値でなくとも良い。例えば恒温恒湿の空調を行う室の容積を複数段階で設定できるようにし、その内部の密度や比熱を含め、あらかじめ表もしくは数値として記憶させておくことで、簡単に選択して用いることでも十分精度の良い設定が得られる。あるいは図11のごとく制御装置に標準的な被空調域の熱容量を設定しておき熱容量入力手段23から補正や選択しなおしができるようにしておいても良い。以上のように本発明においては、空気調和装置の温度検出手段、湿度検出手段の温度、湿度検出値の時間変化によって、空調負荷の顕熱負荷、潜熱負荷を推定できるので、運転モードを簡単な構成で、容易に判定でき、加熱、冷却、加湿、除湿の操作量を調整しやすくなり過不足の無い運転ができ、温度、湿度の設定許容範囲への収束性が良くなり、省エネを図ることも可能となる。
次に、加湿負荷が発生する領域において図1および図2にて使用する加湿器の構成における運転方法について説明する。例えば加湿器が蒸気型加湿器の場合、起動後に加湿を行う貯水を貯める水槽内の水温の温度上昇に伴う加湿遅れがあるため加湿の応答遅れを補償する制御を行うことで温湿度の設定許容範囲への収束時間の短縮化が可能となる。
図12はこの空気調和装置が蒸気型加湿器の場合の処理動作を示すフローチャートであり、図13はその概念図を示すものである。空気調和装置は、図1および図2で示す温度センサ4から現在の室内温度Tと湿度センサ5から現在の相対湿度Rから絶対湿度Xを演算しその絶対湿度が設定絶対湿度以下である場合、加湿負荷と判断し、現在の室内温度T(0)を検出する(ST31)。現在の室内温度と過去の室内温度検出値からt秒後の室内温度Tr(t)を予測する(ST32)。t秒後の予測値Tr(t)が設定室内温度範囲であればそのtを設定温度範囲到達予測時間とし、そうでなければt+1秒後の室内温度を予測する(ST33)。一方、加湿器を現時点で起動させた場合、j秒後の水槽内の水温Tav(j)を予測する(ST34)。j秒後の予測値Tav(j)が加湿可能な水温、たとえば水の沸点の100゜C以上であればそのjを加湿までのむだ時間とし、Tav(j)が100゜C以下であればj+1秒後の水温を予測する(ST35)。
そして、設定温度範囲到達予測時間と加湿開始までのむだ時間を比較し判断(ST36)が設定温度範囲到達予測時間が短い場合つまりt≦jのとき加湿器を起動する(ST37)。設定温度範囲到達予測時間が長い場合つまりt>jのとき加湿器を起動しない(ST35)。すなわち蒸気型加湿器を使用している場合の加湿動作に関し図13に記載されているように室内温度に関しては到達時刻を予測する。この一方加湿器の貯水から蒸発をはじめるまでの無駄時間、すなわち100゜Cに到達するまでの時間Δt0をあらかじめ推測し、設定室内温度範囲に到達したときには加湿動作が行えるものに出来、エネルギーに無駄が無く精度の良い制御が最短時間で行える動作となる。
図14にその加湿遅れを補償する制御実験データを示す。図は加熱・加湿負荷である場合であり、温度、湿度変化を見ると室内温度が設定温度Trの下限値(Tr−ΔT)に到達する時刻を予測して、室内温度が設定許容範囲に到達する以前に加湿器が起動され温度が設定温度Trの下限値(Tr−ΔT)に到達する時点で加湿器の水槽温度が100゜Cなり加湿が開始されていることが確認できる。このように温度のコントロールを優先させ、これに付随させて湿度のコントロールを行うことによりエネルギーを最小に出来、且つ、最短での制御が可能になる。
以上のように加湿器のむだ時間を考慮して加湿運転を行うように構成したので、温度が設定許容範囲に到達した時は加湿を行えるようにでき過不足無く加湿することができる。また加熱・加湿の場合には温度が高くなってから加湿するので、建物躯体への結露を防止することができる。また、冷却・加湿の場合には温度が低くなってから加湿するので、冷却器で除湿される無駄な加湿を削減することができる。
複数加湿手段の切り替え運転に関する具体的な構成について次に説明する。図15は、本発明の別の構成図である。筐体20内の風の流路には第1の熱交換器12、第2の熱交換器13を備え、その前後に気化式加湿器11a、11b、11cを配置する。気化式加湿器は切り替え弁14a、14bにより11aから11cの加湿器の動作を任意にきりかえることができる。送風機1により室内空気(RA)は矢印で示すように吸込口15から流入し。温湿度調節された風(SA)となって風吹出口16より室内へ吹出す構造となっている。吸込口15には吸込空気の温度を検知する温度検出手段4と湿度を検知する湿度検出手段5を設けている。ここで第1の熱交換器12は冷水コイルまたは冷媒直膨、第2の熱交換器13は温水コイル、ヒーター、冷媒直膨などがあり、第1の熱交換器12と第2の熱交換器13が同一冷媒系統の場合、別系統の場合がある。気化式加湿器11aから11cは蒸気式、超音波式、吸着式などで代用することもできる。
次に冷却加湿に係わる動作について説明する。例えば,加湿の潜熱負荷LHが大きい場合について図16ないし図19の機器の動作(a)と空気線図上の動き(b)で説明する。図16は潜熱負荷LHが大きく、室内温度が低い場合である。第1の熱交換器12は加熱器、第2の熱交換器13は冷却器として動作させ、気化式加湿器は11bのみ動作させる。図16(a)における配管の実線が動作中で点線が不動作中である。気化式加湿器は空気線図上で言えば、等エンタルピー線上を湿度上昇と温度低下で表されるので、加湿を効果的に行うため、すなわち短時間で加湿量を増やすには、加湿器の吸込み空気側の温度を上げてやる必要がある。そこでRAを加熱器12により昇温し、気化式加湿器11bにより加湿し、その後冷却器13により冷却し、SAとして、室内に供給する。すなわち空気線図(b)上の動きは空気の流れに応じて温度と絶対湿度がどのように変化するかを概念で表現している。吸い込み空気の状態から噴出し空気の状態に対して温度が冷却、すなわち低下し、湿度は高くなっていることがわかる。これにより必要な潜熱LHが供給されたことになる。
図17は加湿の潜熱負荷と顕熱負荷の両方が大きい場合である。この場合では、第1の熱交換器12は冷却器、第2の熱交換器13は加熱器として動作させ、気化式加湿器は11aのみ動作させる。既にRAが高い状態なので気化式加湿器11aにより加湿し、冷却器により冷却、あとは必要に応じて加熱器でSAを調整し目的とする吹き出し温度を得ることができる。気化式加湿器は温度が高い時あるいは乾燥している時に有効に気化が行われるので、温度が高い吸い込み空気に直接加湿を与える気化式加湿器11aを動作させ、加湿器を有効に動作させ、且つ、顕熱負荷に対する省エネを得ることができる。
図18は顕熱負荷の大きい場合である。この場合では、第1の熱交換器12は冷却器、第2の熱交換器13は加熱器として動作させ、気化式加湿器は11cのみ動作させる。冷却器により冷却後、加熱器により加熱、その後気化式加湿器11cで加湿を行いSAとして室内に供給する。このように必要な加湿量が小さい場合、まず顕熱負荷対策を行ってからわずかな加湿を行う処理により確実な加湿を行うことができる。また,省エネを行いながらわずかな加湿を行う場合は、図19のような動作でも実現は可能である。
以上のように構成されているので冷房加湿の条件で気化式加湿器を2つの熱交換器の前後に配置しこの加湿器を切り替えられるようにしたので、潜熱負荷が大きい場合、顕熱負荷が大きい場合、両者が大きい場合、それぞれに対応し確実な加湿動作が可能なため温度、湿度の収束性が良好となり、気化式加湿器の効果を上げることができる。更には省エネ効果を得ることもできる。なお上記説明では加湿器一つを動作させる例を示したが、同時に2つまたは3つの加湿器を動作させて加湿を行うことにより急速加湿を行っても良いことは当然である。
以上のように本発明はフルに準備された運転モードの選択を容易に行えるとともに早く精度よく実行できる空気調和装置で、送風手段、加湿手段、除湿手段、加熱手段、冷却手段から構成され、被空調域の温度検出手段、湿度検出手段を備え、起動時又は、温度検出手段,湿度検出手段の検出値が少なくとも1つ設定許容範囲内にある場合、送風手段のみの運転を行い、前記検出値の温度、湿度の時間変化を検知して加熱加湿、加熱除湿、冷却除湿、冷却加湿のいずれかの運転モードを選択する運転モード選択手段を設けたものである。これにより本発明は、常に温度と湿度の状態を設定されれた状態に維持でき、ナノテクノロジーなどのような超精密作業環境等に対応できる安定した精度の良い温度や湿度が得られる技術のシステムとすることができる。
以上のように本発明はフルに準備された運転モードの選択を簡単に行える空気調和装置でエネルギーの無駄のない運転が可能で、送風手段と加湿手段と、第1の熱交換器、第2の熱交換器から構成され、第1の熱交換器と前記第2の熱交換器はそれぞれ冷却、加熱が任意に選択でき、被空調域の温度検出手段、湿度検出手段を備え、起動時又は、温度検出手段、湿度検出手段の検出値が少なくとも1つ設定許容範囲内にある場合、送風手段のみの運転を行い、検出値の温度、湿度の時間変化を検知して加熱加湿、加熱除湿、冷却除湿、冷却加湿のいずれかの運転モードを選択する運転モード選択手段を設けたものである。
以上のように本発明は顕熱重視から潜熱重視を行うことにより無駄なエネルギーを排除できる空気調和装置で、送風手段、加湿手段、加熱手段、冷却手段、被空調域の温度検出手段、湿度検出手段を備え、冷却または加熱操作により温度検出手段の検出値が設定許容範囲内に収束させ、所定の顕熱量を保持しつつ、加湿操作により潜熱量を増大させ、湿度検出手段の検出値を設定許容範囲内に収束させるものである。
以上のように本発明は顕熱負荷、潜熱負荷の推定手段を有し短時間でその負荷を供給可能な空気調和装置で、起動時又は、温度検出手段、湿度検出手段の検出値が少なくとも1つ設定許容範囲内にある場合、送風機のみの運転を行い、検出値の温度、湿度の時間変化値と、被空調域の熱容量から、被空調域の顕熱負荷と潜熱負荷を演算する空調負荷演算手段を備えたものである。
以上のように本発明は冷却加湿の使い勝手の良い運転方法を有する空気調和装置で、冷却手段、除湿手段、のいずれか1つ以上が冷却除湿運転であり、加湿手段が加湿運転を行っている場合、加湿運転の加湿量が冷却除湿運転の除湿量以上になるようにしたものである。
以上のように本発明は蒸気型加湿器の応答遅れ補償制御を行い最短で所望の状態に到達できる空気調和装置で、温度検出手段の検出値の時間変化から、許容範囲への到達時刻を予測する到達時刻予測手段を備え、その到達時刻予測値に合わせて加湿が行われるように、加湿手段の起動から必要加湿量が得られるまでのむだ時間を考慮して加湿手段を到達時間からむだ時間遡って起動するものである。
以上のように本発明は複数加湿手段の切り替え運転によりエネルギーの少ない運転で所望の状態に到達できる空気調和装置で、第1の熱交換器、第2の熱交換器、送風手段を備え、第1と第2の熱交換器はそれぞれ冷却、加熱が任意にでき、第1と第2の熱交換器の前後に加湿手段を配置し、加湿手段を少なくとも2箇所以上有し、1つまたは複数の加湿源を有し、加湿手段が被空調領域の負荷の状態に応じて切り替えられるものである。
以上説明したことから明らかなように本発明によれば、送風運転モード中に、室内より空気調和装置に流入する空気の温度が時間とともに上昇するか下降するかによって室内負荷がそれぞれ冷却負荷か加熱負荷かを判定し、湿度が時間とともに上昇するか下降するかによって室内負荷がそれぞれ除湿負荷か加湿負荷かを判定することができる。この判定結果および該空気温度Tと設定温度Trの比較結果ならびに該空気湿度Rと設定湿度Rrの比較結果に基づいて、複数のアクチュエータ要素を統合管理することによって、加熱・加湿運転、加熱・除湿運転、冷却・除湿運転、冷却・加湿運転、送風運転といずれかのモード運転を切り替えて行うので容量調節付き空気調和装置として、精度がよく制御性の高い運転ができるという効果がある。
また本発明では、冷却、加熱、除湿、加湿の構成要素を一つの筐体に収めたものであり、除湿を冷却器を使用することで行い、システムの小型化を図ることが出来る。
また本発明では、絶対湿度Xが設定絶対湿度下限値よりも小さい時、つまり加湿負荷が存在する場合、湿度制御手段は、室内温度Tの設定温度Trに対する差温が所定値になると加湿器が起動され、所定の顕熱能力を保持して潜熱能力を増大するので、設定温湿度範囲に到達するまでの無駄な加湿が抑えられ大きな省エネとなり、空調コストの低減を図ることができる。
また本発明では、空気調和装置の温度検出手段、湿度検出手段の温度、湿度検出値の時間変化によって、空調負荷の顕熱負荷、潜熱負荷を推定できるので、運転モードを簡単な構成で、容易に判定でき、加熱、冷却、加湿、除湿の操作量を調整しやすくなり過不足の無い運転ができ、温度、湿度の設定許容範囲への収束性が良くなり、省エネを図ることも可能となる。
また本発明では冷却加湿運転時に確実に加湿量を確保することができる。
また本発明では、加湿器起動時から加湿までの無駄時間を補償するため、設定許容範囲への到達時間が短縮化される。
また本発明では、冷却加湿運転時に負荷の状況に合わせて加湿位置を切り替えるので温度湿度の収束性が良好となる。
本発明の実施の形態1を示す空気調和装置のシステム構成図。 本発明の別の空気調和装置のシステム構成図。 本発明の別の空気調和装置のシステム構成図。 本発明の空気調和装置の空気線図における空調負荷判定方法を説明する図。 本発明の空気調和装置における空調負荷判定方法のフローチャート。 本発明の空気調和装置の空気線図上での運転動作決定方法を説明する図。 本発明の空気調和装置の運転動作決定方法を示すフローチャート。 本発明における加湿負荷が発生する場合の室内空気状態の変化を示す図。 本発明の空気調和装置の顕熱負荷と潜熱負荷を推定するフローチャート。 本発明の空気調和装置の顕熱負荷と潜熱負荷を推定するブロック図。 本発明の構成を示すシステム図。 本発明の空気調和装置の加湿器の起動可否を判定するフローチャート。 本発明の現象を説明する室内温度変化と加湿量の変化のトレンド図。 本発明の現象を説明する室内温度変化と加湿器水槽温度の実測結果を説明する図。 本発明の複数の加湿器を備えた空気調和装置のシステム構成図。 本発明の潜熱負荷が大きい場合の複数の加湿器を備えた空気調和装置の動作図。 本発明の顕熱負荷,潜熱負荷が共に大きい場合の複数の加湿器を備えた空気調和装置の動作図。 本発明の顕熱負荷が大きい場合の複数の加湿器を備えた空気調和装置の動作図。 本発明の顕熱負荷が大きい場合の複数の加湿器を備えた空気調和装置の動作図。
符号の説明
1 送風機、 2 冷却器、 3 加熱器、 4 温度センサ、 5 湿度センサ、 6 加湿器、 7 除湿機、 8 制御装置、 9 被空調室、 10 加湿器、 19 空調機本体、 20 筐体。

Claims (2)

  1. 空気を冷却または加熱する熱交換器と水を加熱した蒸気により加湿する加湿器を設けた空気調和装置であって、
    被空調域に送風を行うとともに空調を行い、
    加湿負荷があると判断された場合に、前記被空調域の空気の温度を検出しこの検出値の時間変化から、前記被空調域の温度が設定許容範囲へ到達するまでの到達予測時間を予測するステップと、
    前記到達予測時間と前記加湿器の起動から前記水が加湿可能な温度に到達するまでの無駄時間とを比較し
    前記到達予測時間の方が長い場合には前記加湿器を起動せず、
    前記到達予測時間と前記無駄時間とが同等もしくは前記到達予測時間の方が短い場合に前記加湿器を起動するステップと、
    前記被空調域の空気の温度および湿度が前記設定許容範囲に到達した場合に前記空気調和装置の運転を停止するステップと、
    を備えたことを特徴とする空気調和装置の運転方法。
  2. 前記被空調域の温度が前記設定許容範囲より低い場合は前記温度が高くなってから前記加湿器より水を蒸発させて加湿し、前記被空調域の温度が前記設定許容範囲より高い場合は前記温度が低くなってから前記加湿器より水を蒸発させて加湿することを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置の運転方法。
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