JP4669489B2 - スライドドア干渉防止構造 - Google Patents
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Description
一方、前記プッシュロック機構56は、フューエルリッド53の内側に設けられた係止部53bを係止する回動爪58によってフューエルリッド53をロックしている。この回動爪58は、フューエルリッド53を、閉まっている状態から更に閉方向に押し込めることで回動可能となって、係止部53bに対する係止を解いてフューエルリッド53をアンロックするようになっている。
そして、このスライドドア干渉防止構造Spでは、プッシュロック機構56でアンロックされたフューエルリッド53が、ロッド部材57の押圧力によって支軸53a周りでD3方向に回動して開くと、ベルクランク55は、バネ54の付勢力によってワイヤWをD1方向に牽引する。
一方、前記スライドドアロック部52では、ワイヤWがD1方向に牽引されることで、係止爪59は、支軸58a周りにD4方向に回動する。その結果、係止爪59がスライドドア5に設けられた鉤部52aを係止することによって、スライドドア5はD5方向への移動が制止される。つまり、このスライドドア干渉防止構造Spでは、フューエルリッド53が開くことによって、スライドドア5の開放が防止される。
また、従来のスライドドア干渉防止構造Spでは、部品点数の低減、製造コストの低減、レイアウトの自由度の向上等を図るために、構成の更なる簡素化が望まれている。
このスライドドア干渉防止構造では、フューエルリッドが閉じられているときに、プッシュリフタは「引込み維持状態」となっており、プッシュリフタは、フューエルリッドに荷重を負荷しないか、またはほとんど負荷しない状態となる。そのため、このスライドドア干渉防止構造は、従来のスライドドア干渉防止構造(例えば、特許文献1参照)と異なって、フューエルリッドの耐久性を考慮して、例えば鉄のような比較的大きい強度の材料を使用しなくてもよい。つまり、使用することができる材料選択の幅が広くなる。
このスライドドア干渉防止構造では、ワイヤ連結部がフューエルアダプタから離れた位置に配置されることで、プッシュリフタをフューエルアダプタに取り付ける際に、ワイヤ連結部がフューエルアダプタと確実に干渉しない位置に配置されることとなる。そのため、ワイヤ連結部の配置を決定する際のレイアウトの自由度が広がる。
そして、ケーシング19は、相互に一体となったロッドピン11とワイヤ連結部10とを、プッシュリフタ1の前記した先端側と後端側との間で摺動可能に収納することとなる。
ちなみに、図示しないが、フューエルアダプタ4には、閉じられた状態のフューエルリッド3をロックするロック機構が設けられている。このロック機構としては、運転席から遠隔的にフューエルリッド3をロックし、またはアンロックすることができるものであれば周知の構造のものを使用することができる。このようなロック機構としては、例えば、フューエルリッド3側に設けられた被係止部材と、車体側に設けられるとともにこの被係止部材を係止する係止部材と、被係止部材と係止部材との係止を解き、そして再び係止するように係止部材を遠隔的に移動させる移動手段とを備えるものが挙げられる。なお、移動手段は、ワイヤ等の機械的なものでも、アクチュエータ等の電気的なものであってもよい。
スライドドア開放防止機構2は、図1に示すように、スライドドア5のローラ5aの支持部(図示せず)を係止することによって、スライドドア5の開放を防止するものである。このスライドドア開放防止機構2は、ローラ5aが転動するレール5bの下方に取り付けられることとなる。
そして、このスライドドア干渉防止構造Sは、フューエルリッド3の開閉に応じてプッシュリフタ1のピン部12が押圧動作を受ける毎に、前記した「突出維持状態」と「引込み維持状態」とが交互に繰り返される。つまり、前記したように、「突出維持状態」のプッシュリフタ1では、図2(c)に示すように、線状バネ17の先端部17aが第1基準位置P1に配置される。そして、この「突出維持状態」で、プッシュリフタ1のピン部12(図3参照)が、ケーシング19内に押し込められるように、操作者がフューエルリッド3を閉じていくと、プッシュリフタ1のハートカム部13がプッシュリフタ1後端側に移動することで、図2(c)に示すように、線状バネ17の先端部17aは、第1溝部14aから第2溝部14bに向かって移動して、第2溝部14bの角部P3に止まる。そして、操作者がフューエルリッド3(図3参照)を解放すると、コイルスプリング18の付勢力によってロッドピン11のハートカム部13がプッシュリフタ1の前端側に移動する。このとき、図2(c)に示すように、第2溝部14bが第1溝部14aよりも深くなっていることから、線状バネ17の先端部17aは、第1溝部14aに戻らずに、第3溝部14cに向かって移動していく。そして、線状バネ17の先端部17aは第2基準位置P2に到達することで、プッシュリフタ1は、前記した「引込み維持状態」となる。
本実施形態に係るスライドドア干渉防止構造Sでは、フューエルリッド3が閉じている際に、プッシュリフタ1は「引込み維持状態」となっており、プッシュリフタ1のピン部12は、フューエルリッド3に荷重を負荷していないか、またはほとんど荷重を負荷していない状態となっている。そのため、このスライドドア干渉防止構造Sは、従来のスライドドア干渉防止構造(例えば、特許文献1参照)と異なって、フューエルリッド3の耐久性を考慮して、例えば鉄のような比較的に大きい強度の材料を使用しなくてもよい。つまり、使用することができる材料選択の幅が広くなる。したがって、このスライドドア干渉防止構造Sは、フューエルリッド3の材料として樹脂を使用することができるため、車体の重量を軽減することができる。
前記実施形態では、ワイヤWでプッシュリフタ1とスライドドア開放防止機構2とが連動するように構成されているが、本発明はプッシュリフタ1が「突出維持状態」となったことを検知するセンサと、この検知信号によってスライドドア5を係止するようにスライドドア開放防止機構2を動作させるアクチュエータとを有するように構成されてもよい。
2 スライドドア開放防止機構
3 フューエルリッド
4 フューエルアダプタ
5 スライドドア
10 ワイヤ連結部
11 ロッドピン(前記突出・引込部材)
18 コイルスプリング(スプリング)
C 車両
S スライドドア干渉防止構造
W ワイヤ
Claims (2)
- スライドドアとフューエルリッドの同時開放を防止するスライドドア干渉防止構造において、
押圧動作を受けるごとに、突出維持状態と引込み維持状態とを交互に繰り返し、前記フューエルリッドが閉じられた際に前記引込み維持状態となるとともに、前記突出維持状態となることで前記フューエルリッドを開く、突出・引込部材を有するプッシュリフタと、
前記プッシュリフタの前記突出・引込部材が前記突出維持状態となったときに前記スライドドアを係止するスライドドア開放防止機構と、
を備え、
前記プッシュリフタは、前記フューエルリッドに当接する前記突出・引込部材としてのロッドピンと、
このロッドピンと連動するとともに、前記スライドドア開放防止機構とワイヤで連結されたワイヤ連結部と、を有し、
前記ロッドピンと前記ワイヤ連結部とが、前記ロッドピンの突出・引込方向に対して交差する方向に並列に配置されており、
前記プッシュリフタは、前記ロッドピン及び前記ワイヤ連結部を突出・引込方向に摺動可能に収納するケーシングと、該ケーシングの開放端を封止するキャップ部材と、
を備え、
前記ロッドピンを構成するカム部に一端部が接続されて、他端部が前記キャップ部材に支持される線状バネを備え、
前記キャップ部材と前記ワイヤ連結部との間に配置されて、前記ワイヤ連結部を前記突出方向に常時付勢するスプリングを備え、
前記線状バネと前記スプリングとが、前記ロッドピンの突出・引込方向に対して交差する方向に並列に配置されていることを特徴とするスライドドア干渉防止構造。 - 前記プッシュリフタが、前記フューエルリッドを開閉自在に取り付けるフューエルアダプタに取り付けられており、前記ワイヤ連結部が前記ロッドピンに対して、前記フューエルアダプタからより離れた位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のスライドドア干渉防止構造。
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