JP4669310B2 - 天板付きキャップシール - Google Patents
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Description
例えば、特開平11−70964号には、容器口部へ曲がる湾曲部が周縁に形成された天板とこの天板の周縁側に接着された熱収縮性の筒状フィルムとを備え、天板の湾曲部に凹凸を設けることにより、天板の内面と容器口部の間に気体流通路が形成されると共に、湾曲部周縁近傍位置に於いて筒状フィルムに切込部が形成された天板付きキャップシールが知られている。
さらに、通気効率を良くするため、切込部は湾曲部周縁に沿って周方向に複数形成されていることが好ましいが、筒状フィルムの湾曲部周縁に沿って複数の切込部が形成されていると、その部分に於いて筒状フィルムが不用意に切れ易くなり、製品強度が低下する虞がある。
かかるキャップシールは、容器口部と天板の間に第1流通路が形成され、且つ天板と筒状フィルムの間に第2流通路が形成され、両流通路を通じて外部に通気可能となっているので、筒状フィルムに通気用の切込みを形成する必要がない。従って、筒状フィルムを天板に添着する際に、微妙な位置合わせが不要となり、製造容易な天板付きキャップシールを提供できる。また、筒状フィルムに通気用の切込みを形成しないので、筒状フィルムの強度低下を防止できる。
図1及び図2に於いて、1は、周縁部22に湾曲部23が形成された天板2と、この天板2の周縁側の外面に添着され、且つ下方側に延びる熱収縮性の筒状フィルム3と、を備える天板付キャップシールを示す。
この天板2は、容器口部の開口部分を閉塞する天板本体21と、この天板本体に一体的に形成され且つ容器口部の上端面に部分的に接する周縁部22と、この周縁部に一体的に形成され且つ容器口部の外周面に沿うように曲がりこれに部分的に接する湾曲部23と、を有する。
具体的には、天板本体21の中央部は平坦状とされ、該天板本体21の周縁部22から湾曲部23の周端に至るまで、内面側へ向けて凹んだ凹条部51が形成されている。この凹条部51は、天板2の周縁方向に真直ぐに延びる平面視帯状に形成され、天板2の周方向に所望の間隔をあけて複数箇所(例えば、図示したように等間隔で4カ所など)形成されている。
この凹条部51が形成されていない部分は、凹条部51と相対的に外面側へ突出した凸条部52となっている。
具体的には、筒状フィルム3は、その上方側が天板2の周縁部22に接する内径に形成されており、その下方側は次第に内径が広がるようなスカート状に形成されている。この筒状フィルム3の上端部は、図1(b)及び図2に示すように、周縁部22に形成された凹条部51の端部に重ならない程度に、天板2の周縁部22外面に接するように折り曲げられ、平坦リング部31が形成されている。筒状フィルム3の中途部は、天板2の周端に係合するように少し縮径され、縮径部32が形成されている。かかる平坦リング部31と縮径部32によって、筒状フィルム3は、天板2から外れないように天板2に添着されている。
尚、天板2や筒状フィルム3の内面又は外面に、商品名や任意のデザイン等を表すため意匠印刷を全面又は一部に施してもよい。
例えば、図4に示すように、ビールなどが充填された樽状容器の口部10に天板付きキャップシール1を被せた後、シュリンクトンネルなどに通して所定温度に加熱することにより、筒状フィルム3が熱収縮して、容器口部10の上端面及び外周面に、天板2の周縁部22及び湾曲部23に形成された凹条部51の内面51aが密着する。これにより樽状容器の口部10がキャップシール1にて保護される。
さらに、天板2の周縁部22及び湾曲部23の外面のうち、凸条部52が形成された領域に於ける周縁部22及び湾曲部23の外面52bは、筒状フィルム3の内面に密着し、一方、凹条部51が形成された領域に於ける周縁部22及び湾曲部23の外面51bは、筒状フィルム3の内面に密着せず、この間に気体が通過可能な第2流通路8が形成される。
この第1流通路7と第2流通路8とは、天板2の周端に於ける凹条部51と凸条部52の境界部分で連通するので、容器口部10内にて生じる水蒸気等が第1流通路7から第2流通路8を通じて外部に排出される。従って、天板内面に水滴が付着する虞がなく、容器口部10を衛生的に保護することができる。特に、ビール樽の口部10は、ビールの注出口11から水蒸気等が発生しやすいが、本発明の天板付きキャップシール1によれば、咳水蒸気等を外部に逃がし、ビール樽の口部10を衛生的に保護できる。
図5は、天板2の湾曲部23に形成される凹凸条部5として、幅の狭い凹条部51と凸条部52が交互に連続して形成され、天板2の周縁部22に上記実施形態と同様の凹凸条部5が形成された天板2を示す。かかる天板2も同様に、筒状フィルム3を添着することにより、天板付きキャップシール1が構成される。このように幅狭の凹凸条部5を形成することにより、天板付きキャップシール1を容器口部に装着した際、熱収縮した筒状フィルム3が凹凸条部5の外面に沿って密着し難く、第2連通路8が確実に形成されるので好ましい態様である。
尚、このような幅狭の凹凸条部5は、天板2の湾曲部23に形成するものに限られず、周縁部22に形成することもできる。
かかる天板2も同様に、筒状フィルム3を添着することにより、天板付きキャップシール1が構成され、これを容器口部10に装着することにより、図8に示すように、周縁部22に形成された凹条部51の外面51bと筒状フィルム3の内面の間に、第2流通路8が形成され、周縁部22に形成された凸条部52の内面52aと容器口部10の外面の間に第1流通路7が形成され、天板2の周縁(湾曲部23の切欠24)に於いて第1流通路7と第2流通路8が連通される。
このように天板2の周縁部22に凹凸条部5を設け、該周縁部22の外縁に於ける湾曲部23を切り欠いても、上記実施形態と同様に第1及び第2連通路7,8を形成でき、容器口部10内で生じる水蒸気等を外部に逃がすことができる。
さらに、天板2に形成される凹凸条部5は、上記のように、4ヶ所形成されているものに限られず、例えば、図9及び図10に示すように、3ヶ所などでもよい。また、凹凸条部5は天板2に複数箇所形成されることが好ましいが、例えば、凹凸条部5が1ヶ所だけ形成されたものでも構わない。また、凹凸条部5が天板2に複数形成される場合に於いて、これらは等間隔で形成されることが好ましい。
Claims (2)
- 容器の口部に装着される天板付きキャップシールであって、
容器口部の外周面へ沿うように曲がる湾曲部が周縁部に形成された天板と、前記天板の周縁部から湾曲部の外面にかけて添着され、且つ天板の周縁部の下方側に延出された熱収縮性の筒状フィルムと、を備え、
少なくとも天板の周縁部に凹凸条部が形成されており、容器口部に装着した際、容器口部と天板の間に気体の流通可能な第1流通路と、天板と筒状フィルムの間に気体の流通可能な第2流通路とが形成され、天板の周端に於いて前記第1流通路と第2流通路が連通されていることを特徴とする天板付きキャップシール。 - 前記筒状フィルムが添着された領域に於ける天板の周縁部及び湾曲部に、前記凹凸条部が天板の放射方向に形成されている請求項1記載の天板付きキャップシール。
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