JP4668862B2 - スラストころ軸受の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、スラストころ軸受の製造方法に関し、特に、高速回転下において使用されるスラストころ軸受の製造方法に関するものである。
カーエアコン用コンプレッサやオートマチックトランスミッション、マニュアルトランスミッション及びハイブリッド自動車に使用されるスラストころ軸受は、近年の省燃費化や小型化、高出力化の要求により、高速回転、希薄潤滑環境等、過酷な使用環境下でも使用に耐えうる特性が要求される。過酷な使用環境に耐えうるスラストころ軸受が、特開2003−83333号公報(特許文献1)や特開2005−164023号公報(特許文献2)、特開2004−301195号公報(特許文献3)に開示されている。
ここで、特許文献3に開示されているスラストころ軸受に含まれる保持器の製造方法について、簡単に説明すると、まず、ころを保持するポケットを形成するように、パンチ等でポケット抜きを行う。その後、内径側を外側に折り曲げて、内径側フランジ部を形成する。さらに、ポケットの外径側端部よりも内径側で、逆方向に折り曲げることで、ポケットの外径側端部まで延在した外径側フランジ部を形成する。このようにして保持器を製造する。
特許文献1および特許文献2によると、スラストころ軸受は、その端面が曲面であるころと、保持器とを有する。こうすることにより、ころの外周側の端面とポケットの外周側の壁面との摺動抵抗を小さくし、ポケットの外周側の壁面の摩耗を低減している。
また、特許文献3によると、ポケットの外周側の壁面を、回転軸方向に折り曲げた鍔部で構成することにしている。こうすることにより、ポケットの外周側の壁面の面積を広くし、ころの外周側の端面から受ける接触面圧を小さくして、ポケットの外周側の壁面の摩耗を低減している。
特開2003−83333号公報(段落番号0016〜0022、図1〜図3) 特開2005−164023号公報(段落番号0019〜0022、図1、図2) 特開2004−301195号公報(段落番号0021、0024、図3、図4(a)、図4(b))
特許文献1〜3に示すスラストころ軸受に含まれる保持器は、上記した製造方法により製造されるが、このような製造方法であれば、ポケットの寸法を精度よく製造することができない。特に、特許文献3に示す保持器においては、回転軸方向に折り曲げた鍔部によって、ポケットの壁面を精度よく形成することは困難である。
また、ころが小径である場合、上記した製造方法では、ころの外周側の端面とポケットの外周側の壁面とを適切に接触させることは困難である。
また、上記した特許文献1〜3に示す保持器のうち、ポケットの外周側の壁面は、鉄板の表面である。鉄板の表面は、粗い面であり、その面粗度が悪い。また、ポケットの外周側の壁面を、パンチによる打ち抜き面としても、その面粗度は悪い。このような面粗度の悪いポケットの外周側の壁面ところの外周側の端面とが当接すると、ドリリング摩耗が発生してしまうことになる。特に、上記した過酷な使用環境においては、その傾向は顕著である。そうすると、ポケットの外周側の壁面が大きく摩耗してしまい、スラストころ軸受の長寿命を図ることができない。
この発明の目的は、長寿命を実現でき、精度よく製造することができるスラストころ軸受の製造方法を提供することである。
この発明に係るスラストころ軸受の製造方法は、複数のころと、複数のころを保持する複数のポケットを有する円板状の保持器とを備えるスラストころ軸受の製造方法である。ここで、スラストころ軸受の製造方法は、保持器の外周側の鍔部を回転軸方向に折り曲げる鍔部折曲げ工程と、鍔部折曲げ工程の後に、外周側の鍔部の内周側の面がポケットの外周側の壁面となるようにポケットを形成するポケット形成工程と、ポケットの外周側の壁面にしごき加工を行うしごき工程とを含む。
このように構成することにより、予め外周側の鍔部を回転軸方向に折り曲げた後、外周側の鍔部の内周側の面がポケットの外周側の壁面となるようにポケット形成工程が行われるため、ポケットの寸法精度を良好にすることができる。また、ポケットの外周側の壁面がしごき加工された面となるため、ころの転動時において、ころの外周側の端面とポケットの外周側の壁面とが当接するに際し、しごき加工された面ところの外周側の端面とが当接することになる。しごき加工された面は、平滑であり、面粗度が良好であるため、ドリリング摩耗を抑制することができる。さらに、ポケットの外周側の壁面は、回転軸方向に折り曲げられた外周側の鍔部で形成されているため、面積が広く、PV値を小さくすることができる。したがって、ポケットの外周側の壁面の摩耗を抑制することができる。その結果、長寿命を実現でき、精度よく製造することができるスラストころ軸受の製造方法を提供することができる。
好ましくは、保持器の断面がV字状となるように折り曲げるV字折曲げ工程を含み、V字折曲げ工程の後に、ポケット形成工程を行う。このように構成することにより、ころの保持が容易になる。
さらに好ましくは、ポケット形成工程としごき工程を同時に行う。このように構成することにより、製造に要する時間や設備を省略することができ、効率的にスラストころ軸受を製造することができる。
さらに好ましくは、鍔部折曲げ工程は、外周側の鍔部を回転軸方向に折り返すように折り曲げる工程を含む。このように構成することにより、外周側の鍔部の剛性を高めることができ、製造時や使用時における保持器の破損を防止することができる。
この発明によれば、予め外周側の鍔部を回転軸方向に折り曲げた後、外周側の鍔部の内周側の面がポケットの外周側の壁面となるようにポケット形成工程が行われるため、ポケットの寸法精度を良好にすることができる。また、ポケットの外周側の壁面がしごき加工された面となるため、ころの転動時において、ころの外周側の端面とポケットの外周側の壁面とが当接するに際し、しごき加工された面ところの外周側の端面とが当接することになる。しごき加工された面は、平滑であり、面粗度が良好であるため、ドリリング摩耗を抑制することができる。さらに、ポケットの外周側の壁面は、回転軸方向に折り曲げられた外周側の鍔部で形成されているため、面積が広く、PV値を小さくすることができる。したがって、ポケットの外周側の壁面の摩耗を抑制することができる。その結果、長寿命を実現でき、精度よく製造することができるスラストころ軸受の製造方法を提供することができる。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。まず、この発明の一実施形態に係るスラストころ軸受の製造方法で製造されたスラストころ軸受について説明する。図2は、スラストころ軸受を軸方向から見た図である。図3は、図2に示すスラストころ軸受を、図2中の線III−O−IIIで切断した場合の断面図である。図4は、図2においてIVで示す部分の拡大図である。図5は、図3において、Vで示す部分の拡大図である。
図2〜図5を参照して、スラストころ軸受31は、複数のころ11と、複数のころ11を保持する保持器21とを備える。ころ11の端面12は、A端面、すなわち、径方向の中央部が、転動軸心方向に膨出しており、その断面が単一の曲率で構成されている端面である。
保持器21は、円板状の部材から構成されており、一対の環状部23a、23bと、ころ11を保持するためのポケット22を形成するように、一対の環状部23a、23bを連結する複数の柱部24とを備える。ポケット22は、回転軸を中心として、放射状に複数設けられている。各ポケット22には、ころ11の脱落を防止するためのころ止め部25が設けられている。ポケット22には、ころ11の移動を許容する遊びが設けられている。ころ11は、ポケット22内において、許容範囲内で回転軸方向、径方向、周方向に動くことができ、ころ11の動くことができる遊隙量は、ころ止め部25等によって定められる。
複数の柱部24の径方向の中央部は、回転軸方向に折り返すようにして折り曲げられている。すなわち、柱部24は、断面がV字状となるよう折り曲げられている。また、保持器21の外周側および内周側の鍔部26a、26bについても、回転軸方向に折り返すようにして折り曲げられている。鍔部26a、26bおよび柱部24の断面は、略W字状である(図3参照)。ポケット22の外周側の壁面27aには、回転軸方向に折り曲げられた外周側の鍔部26aが位置している。すなわち、回転軸方向に折り曲げられた外周側の鍔部26aの内周側の面は、ポケット22の外周側の壁面27aを形成している。
ここで、ポケット22の外周側の壁面27aは、しごき加工された面である。しごき加工された面であるポケット22の外周側の壁面27aは、パンチ等による打ち抜き面や保持器21の表面よりも平滑であり、面粗度は良好である。なお、ポケット22の内周側の壁面27bについては、しごき加工を行っていない。
ころ11の転動時において、ころ11は遠心力等により、外周側に移動する。そうすると、ころ11の外周側の端面12と、ポケット22の外周側の壁面27aとが当接することになる。
図6は、ころ11の外周側の端面12と、ポケット22の外周側の壁面27aとが当接した状態を示す図であり、図4に対応する。また、図7は、この場合のスラストころ軸受31の拡大断面図であり、図5に対応する。図6および図7を参照して、ころ11の外周側の端面12は、ポケット22の外周側の壁面27aと当接する。具体的には、ころ11の端面12のうち、最も転動軸心方向に膨出した部分と、ポケット22の外周側の壁面27aのうち、回転軸方向、径方向の中央部付近において当接する。
ポケット22の外周側の壁面27aは、しごき加工された面であるため、面粗度が良好である。そうすると、ころ11の外周側の端面12が当接しても、ポケット22の外周側の壁面27aのドリリング摩耗を抑制することができる。この場合、ころ11の端面12はA端面であり、曲面を有するため、周速の小さい点で接触させることができる。また、回転軸方向に折り曲げられた鍔部26aの内周側の面をポケット22の外周側の壁面27aとしているため、保持器21を構成する板厚以上の面積を確保することができる。そうすると、面積を広くすることができるため、接触面圧Pとすべり速度Vとを乗じた値であるPV値を下げることができる。特に、F端面、すなわち、平らな端面である場合には、その効果は顕著である。
したがって、ポケット22は、ころ11を長期間安定して保持することができ、このような保持器21を含むスラストころ軸受31は、長寿命を実現することができる。
ここで、上記した保持器21の製造方法について説明する。図8(A)〜図8(C)は、保持器21の製造方法のうち、代表的な工程を示すフローチャートである。また、図1は、後述するポケット形成工程としごき工程とを同時に行う場合の概略図である。
図1および図8(A)〜(C)を参照して、まず、保持器21の構成材料である鉄板から、保持器21の形状をパンチ等によって打ち抜く(図8(A))。次に、保持器21の外周側の鍔部26a、内周側の鍔部26b、柱部24の中央部を、図1中の矢印Aで示すように、それぞれプレス等によって回転軸方向に折り返すようにして折り曲げる(図8(B))。すなわち、外周側および内周側の鍔部26a、26bにおいては鍔部折曲げ工程、柱部24においては、断面がV字状となるようなV字折曲げ工程を行う。その後、折り曲げられた外周側の鍔部26aの内周側の面が、ポケット22の外周側の壁面27aとなるよう、しごきながら、ポケット抜きを行う(図8(C))。ここで、この工程は、ポケット形成工程およびしごき工程となる。ポケット形成工程およびしごき加工は、たとえば、しごき腕を有する雄型しごき冶具36aと、しごき溝を有する雌型しごき冶具36bとを用い、雌型しごき冶具36b上に保持器21をセットし、回転軸方向、すなわち、図1中の矢印Bの方向に雄型しごき冶具36aを押し進めて、回転軸方向に折り曲げられた鍔部26aの板厚を削り取るようにして行われる。このようにして、保持器21に含まれる各ポケット22を形成し、保持器21を製造する。このようにして製造された保持器21に、複数のころ11を組み込んで、スラストころ軸受31を製造する。
このような製造方法であると、ポケット抜き工程の前に、柱部24の中央部および鍔部26a、26bを回転軸方向に折り返すように折り曲げているため、ポケットを高精度に形成することができる。特に、ころ11が小径である場合でも、ころ11の外周側の端面12が接触する為のポケット22の外周側の壁面27aを確保することが可能になる。
また、柱部24は、断面がV字状となるよう折り曲げられているため、ころ11の保持が容易になる。
さらに、ポケット形成工程としごき工程を同時に行っているため、製造に要する時間や設備を省略することができ、効率的にスラストころ軸受を製造することができる。
なお、ポケット形成工程を行った後に、しごき工程を行ってもよい。図9および図10は、この場合のポケット形成工程(図9)およびしごき工程(図10)の概略図である。まず、図9を参照して、外周側および内周側の鍔部26a、26bにおいては鍔部折曲げ工程、柱部24においては、断面がV字状となるようなV字折曲げ工程が行われた保持器21の所定の領域を、パンチ37によって回転軸方向、すなわち、図9中の矢印Bの方向に打ち抜いて、ポケットを形成する。次に、図10を参照して、雄型しごき冶具36aおよび雌型しごき冶具36bから構成されるしごき冶具によって、ポケット22の外周側の壁面となる鍔部26aの内周側の面をしごく。このようにしても、上記した構成の保持器21を得ることができる。
また、回転軸方向におけるころ11の遊隙量の長さは、しごき加工された面の回転軸方向の長さCよりも短い方がよい(図5参照)。上記したように、ポケット22には遊びが設けられているが、こうすることにより、ころ11の転動時において、ころ11が回転軸方向において、遊隙量の範囲内で動いた場合であっても、ころ11の外周側の端面12と、ポケット22の外周側の壁面27aを形成するしごき面とを、確実に当接させることができる。
ここで、ポケット22の外周側の壁面27aの形状については、平らな面であってもよいし、鍔部26aの内周側の面に沿うように外周側に凹んだ曲面であってもよい。
図11は、ポケットの外周側の壁面が平らな面である保持器を備えるスラストころ軸受の一部を、回転軸方向から見た図である。図11を参照して、ポケット42の外周側の壁面43は、平らな面である。また、ポケット42の外周側の壁面43は、ころ46の転動軸心に直交する平面であることが好ましい。こうすることにより、後述するように、ころ46の外周側の端面47と当接する際に、適切に当接することができる。
この場合、ポケット42は、回転軸方向から見た場合に、略長方形状であることが好ましい。このように構成することにより、ポケット42に保持されるころ46の形状に沿うことができ、円滑にころ46を転動させることができる。
また、ポケット42の外周側の壁面43のうち、周方向の中央におけるしごき量は、保持器41の板厚の10%以下であることが好ましい。すなわち、図11において、保持器41の板厚をFとし、ポケット42の外周側の壁面43のうち、周方向の中央におけるしごき量をGとすると、しごき量Gを板厚Fの10%以下とする。しごき量が多くなれば、板厚が薄くなる。そうすると、ポケット42の外周側の壁面43が強度不足となるおそれがある。特に、ポケット42の外周側の壁面43は、平らな面であるため、ポケット42の外周側の壁面43のうち、ポケット42の周方向の中央部分と、周方向の端部、すなわち、ポケット42の側壁面側の部分では、板厚は異なり、ポケット42の周方向の中央部分の板厚の方が薄くなる。そうすると、この部分で強度不足となって、ポケット42の外周側の壁面43が破損するおそれがある。したがって、周方向の中央におけるしごき量Gを板厚Fの10%以下とすることにより、ポケット42の外周側の壁面43のうち、ポケット42の周方向の中央部分の板厚を最低限維持し、強度を確保することができる。
また、ポケット42の外周側の壁面43の径方向内側または径方向外側への倒れ量は、50μm以下であることが好ましく、さらには、20μm以下とすることが好ましい。ポケット42の外周側の壁面43が、径方向内側または径方向外側に大きく倒れると、ころ46の外周側の端面47と接触する際に、局部的に接触することになる。具体的には、ころ46の外周側の端面47のうち、回転軸方向における上側部分または下側部分でのみ、ポケット42の外周側の壁面43と接触することになる。そうすると、ころ46の外周側の端面47と、ポケット42の外周側の壁面43とが片当たりすることになり、ポケット42の外周側の壁面43の一部の摩耗が促進してしまう。しかし、上記のように構成することにより、ころ46の外周側の端面47と、ポケット42の外周側の壁面43との片当たりを防止することができる。したがって、ポケット42の外周側の壁面43の摩耗を低減することができる。なお、倒れ量とは、図5中において示すと、ポケット22の外周側の壁面27aのうち、保持器21の径方向における点Dおよび点Eの間の長さをいう。
図12は、ポケットの外周側の壁面が外周側に凹んだ曲面である保持器を備えるスラストころ軸受の一部を、回転軸方向から見た図である。図12を参照して、ポケット52の外周側の壁面53は、外周側の鍔部54の内周側の面55に沿うように外周側に凹んだ曲面であって、しごき加工された面である。この場合、ポケット52の外周側の壁面53は外周側に凹んだ曲面であるため、ポケット52の外周側の壁面53の肉厚を、ポケット52の周方向において、ほぼ均一にすることができる。そうすると、ポケット52の外周側の壁面53において、局部的に強度が低下することはなく、破損を防止することができる。また、ころ56の外周側の端面57をA端面とすると、外周側に凹んだ曲面から構成されるポケット52の外周側の壁面53と、ころ56の外周側の端面57とが、適切に接触することができるため、耐摩耗性を向上させることができる。
この場合、しごき加工された面であるポケット52の外周側の壁面53の曲率半径をR1(mm)とし、回転軸方向に折り曲げられた外周側の鍔部54の内周側の面55の曲率半径をR2(mm)とし、外周側の鍔部54の内周側の面55とポケット52の外周側の壁面53との径方向の長さをH(mm)とすると、R1=R2±10mm+Hの関係を有するよう構成することが好ましい。このように構成することにより、ポケット52の外周側の壁面53の形状をより適切にすることができ、ころ56の挙動を安定させることができる。
さらに、ころ56の外周側の端面57の曲率半径をR3(mm)とすると、R1>R3の関係を有するよう構成することが好ましい。こうすることにより、周速の小さいころ56の外周側の端面57の最も膨出した部分とポケット52の外周側の壁面53のみを接触させることができるため、耐摩耗性を向上させることができる。
この場合、ポケット52のしごき量は、保持器51の板厚の20%以下とすることが好ましい。しごき量が多くなれば、板厚が薄くなる。そうすると、ポケット52の外周側の壁面53が強度不足となるおそれがある。したがって、しごき量を板厚の20%以下とすることにより、ポケット52の外周側の壁面53の強度を維持することができる。
また、上記したしごき面の面粗度Raは、2μm以下であることが好ましい。面粗度Raがこのような範囲内であれば、ころの外周側の端面と、ポケットの外周側の壁面との摩耗を低減することができる。ここで、面粗度Raは、算術平均粗さをいう。
なお、上記の実施の形態においては、ポケットの外周側の壁面についてのみ、しごき加工によって形成される面としたが、これに限らず、ポケットの内周側の壁面についても、しごき加工によって形成される面としてもよい。こうすることにより、ポケットの内周側の壁面と、ころの内周側の端面との接触による摩耗を低減することができ、さらに、長寿命を図ることができる。
また、上記の実施の形態においては、外周側および内周側の鍔部を折り返すようにして折り曲げることにしたが、これに限らず、折り返すことなく、一方向に折り曲げる構成としてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、ころの端面を、A端面やF端面としたが、これに限らず、曲率の異なる複数の曲面から構成されるAR端面、断面が略R形状であるR端面を有するころを使用してもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明に係るスラストころ軸受の製造方法は、精度よく製造することができ、長寿命を実現することができるスラストころ軸受を製造することができるため、高速回転下において耐摩耗性が要求されるカーエアコン用コンプレッサやオートマチックトランスミッション、マニュアルトランスミッション及びハイブリッド自動車に用いられるスラストころ軸受を製造する際に、有効に利用される。
ポケット形成工程およびしごき工程を同時に行う場合の概略図である。 この発明の一実施形態に係るスラストころ軸受を軸方向から見た図である。 図2に示すスラストころ軸受を、図2中の線III−O−IIIで切断した場合の断面図である。 図2に示すスラストころ軸受のうち、図2中のIVで示す部分の拡大図である。 図3に示すスラストころ軸受のうち、図3中のVで示す部分の拡大図である。 ころの外周側の端面と、ポケットの外周側の壁面とが当接した状態を、軸方向から見た拡大図である。 ころの外周側の端面と、ポケットの外周側の壁面とが当接した状態を示す拡大断面図である。 この発明の一実施形態に係るスラストころ軸受の製造方法に含まれる保持器の製造工程のうち、代表的な工程を示すフローチャートである。 ポケット形成工程を行う場合の概略図である。 しごき工程を行う場合の概略図である。 ポケットの外周側の壁面が平らであるスラストころ軸受の一部を示す拡大図である。 ポケットの外周側の壁面が曲面であるスラストころ軸受の一部を示す拡大図である。
符号の説明
11,46,56 ころ、12,47,57 端面、21,41,51 保持器、22,42,52 ポケット、23a,23b 環状部、24 柱部、25 ころ止め部、26a,26b,54 鍔部、27a,27b,43,53 壁面、55 面、31 スラストころ軸受、36a 雄型しごき冶具、36b 雌型しごき冶具、37 パンチ。

Claims (4)

  1. 複数のころと、板状の部材を折り曲げて形成されており、複数の前記ころを保持する複数のポケットを有し、回転軸方向に折り曲げて外周側の鍔部を形成する円板状の保持器とを備え、前記ポケットの外周側の壁面を構成する、前記外周側の鍔部のうちの内周側に位置する面は、前記鍔部の板厚が削り取られた面であるスラストころ軸受の製造方法であって、
    保持器の外周側の鍔部を回転軸方向に折り曲げて形成する鍔部折曲げ工程と、
    鍔部折曲げ工程の後に、ころを保持するポケットを形成するポケット形成工程と、
    板厚を削り取るようにして、前記外周側の鍔部のうちの内周側に位置する面をしごき加工で形成するしごき工程とを含む、スラストころ軸受の製造方法。
  2. 保持器の断面がV字状となるように折り曲げるV字折曲げ工程を含み、
    V字折曲げ工程の後に、ポケット形成工程を行う、請求項1に記載のスラストころ軸受の製造方法。
  3. ポケット形成工程としごき工程を同時に行う、請求項1または2に記載のスラストころ軸受の製造方法。
  4. 鍔部折曲げ工程は、外周側の鍔部を回転軸方向に折り返すように折り曲げる工程を含む、請求項1〜3のいずれかに記載のスラストころ軸受の製造方法。
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