JP2008025591A - スラストころ軸受用保持器の製造方法 - Google Patents

スラストころ軸受用保持器の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008025591A
JP2008025591A JP2006195106A JP2006195106A JP2008025591A JP 2008025591 A JP2008025591 A JP 2008025591A JP 2006195106 A JP2006195106 A JP 2006195106A JP 2006195106 A JP2006195106 A JP 2006195106A JP 2008025591 A JP2008025591 A JP 2008025591A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
pocket
cage
peripheral flange
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2006195106A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyuki Yamamoto
和之 山本
Kosuke Obayashi
光介 尾林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2006195106A priority Critical patent/JP2008025591A/ja
Publication of JP2008025591A publication Critical patent/JP2008025591A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/22Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings
    • F16C19/30Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for axial load mainly
    • F16C19/305Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for axial load mainly consisting of rollers held in a cage
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/46Cages for rollers or needles
    • F16C33/54Cages for rollers or needles made from wire, strips, or sheet metal
    • F16C33/542Cages for rollers or needles made from wire, strips, or sheet metal made from sheet metal
    • F16C33/543Cages for rollers or needles made from wire, strips, or sheet metal made from sheet metal from a single part

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

【課題】ころと保持器との接触部分の摩耗を効果的に抑制可能な形状のスラストころ軸受用保持器の製造方法を提供する。
【解決手段】スラストころ軸受11の製造方法は、第1の工程として、中央に穴14が設けられた円板形状の部材を打ち抜き加工によって形成する。第2の工程として、円板の外周から厚み方向に突出し、径方向内側の壁面にころ12の端面を案内する案内面18aを含む外周鍔部18を曲げ加工によって形成する。第3の工程として、外周鍔部18の径方向内側に位置し、円板の厚み方向に貫通してころ12を収容する複数のポケット16を打ち抜き加工によって形成する。第4の工程として、外周鍔部18からポケット17に至る領域に外周鍔部18から複数のポケット17それぞれの径方向外側の壁面17dに向けて傾斜する傾斜面17eを形成する。
【選択図】図5

Description

この発明は、スラストころ軸受用保持器の製造方法、特にカーエアコン用コンプレッサ、オートマチックトランスミッション、マニュアルトランスミッション、およびハイブリッド自動車等に使用されるスラストころ軸受用保持器の製造方法に関するものである。
近年、カーエアコン用コンプレッサ、オートマチックトランスミッション、マニュアルトランスミッション、およびハイブリッド自動車等は、小型化、高出力化が進んでおり、これらに組み込まれるスラストころ軸受にも高速化への対応が望まれている。一方、環境に配慮した低燃費化のために潤滑油量は削減され、かつ低粘度の潤滑油が使用されており、スラストころ軸受の使用条件は過酷の一途を辿っている。このため、軸受回転時にころの径方向外側を向く端面とポケット壁面との接触部分に生じる摩耗(ドリリング摩耗)が問題となっている。
そこで、このような環境で使用されるスラストころ軸受が、例えば、特開2003−83333号公報(特許文献1)および特開2004−301195号公報(特許文献2)に記載されている。図8を参照して、上記各公報に記載されているスラストころ軸受101は、複数のころ102と、複数のころを軸線方向に挟持する軌道輪103,104と、複数のころ102を保持する保持器105とを備える。保持器105は、一対の環状部105a,105bと、環状部105a,105bの間に形成される複数のポケット部105cとを有し、ポケット部105cは、外径側の環状部105aまで延在している。
また、上記構成の保持器105の製造方法としては、ころを保持するポケット部105cを形成するように鋼板にパンチ等でポケット抜きを行う。その後、内径側を外側に折り曲げて内径側の環状部105bを形成する。さらに、外径側をポケット部105cの外径側端部よりも内側で逆方向に折り曲げることで、ポケット部105cが外径側の環状部105aにまで延在した保持器105を製造することができる。
上記構成のスラストころ軸受101は、ころ102の径方向外側を向く端面が、環状部105aの径方向内側の壁面と当接しながら回転するので、ポケット部105cの外径側端部105dに当接する場合と比較して接触面積が増加する。その結果、厳しい潤滑条件下でもころ102と保持器105との摩耗を効果的に抑制することができると記載されている。
特開2003−83333号公報 特開2004−301195号公報
上記の製造方法では、ポケット部105cを形成した後に曲げ加工を行うので、曲げ加工時のポケット部105cが変形する恐れがある。これは、ポケット部105cに収容されるころ102の回転不良を引き起こす原因となり得る。
そこで、この発明の目的は、ころと保持器との接触部分の摩耗を効果的に抑制可能形状であって、かつ高精度で簡単なスラストころ軸受用保持器の製造方法を提供することである。
この発明に係るスラストころ軸受用保持器の製造方法は、中央に穴が設けられた円板形状の部材を打ち抜き加工によって形成する工程と、円板の外周から厚み方向に突出し、径方向内側の壁面にころの端面を案内する案内面を含む外周鍔部を曲げ加工によって形成する工程と、外周鍔部の径方向内側に位置し、円板の厚み方向に貫通してころを収容する複数のポケットを打ち抜き加工によって形成する工程と、外周鍔部からポケットに至る領域に外周鍔部から複数のポケットそれぞれの径方向外側の壁面に向けて傾斜する傾斜面を形成する工程とを含む。
上記構成のスラストころ軸受は、軸受回転時にころの端面に形成された曲面の頂上と外周鍔部の径方向内側の壁面に形成された案内面とが接触する。ここで、ころの端面の周速は、ころの転動軸心(ころ径の中心)が最も小さく、径方向外側に向かって大きくなる。そこで、曲面の頂上ところの転動軸心とを一致させることによって、ころ端面と保持器案内面との接触部分のPV値を低下させることができ、接触部分の摩耗を有効に抑制することができる。なお、「PV値」とは、ころ端面と保持器案内面との接触面圧P(MPa)と、すべり速度V(m/min)とを乗じた値を指す。
また、上記構成の保持器は、曲げ加工によって保持器の形状を形成した後にポケットの打ち抜き加工を行うことができるので、高精度の加工が行いやすい。その結果、製造コストを低減したスラストころ軸受を得ることができる。
一実施形態として、傾斜面形成工程は、ポケットの径方向外側の壁面を面押し加工することを含む。
他の実施形態として、傾斜面形成工程は、先端面とポケットの径方向外側の壁面に対面する面とのなす角を鈍角にした打ち抜き加工具によってポケットを形成する際に、径方向外側の壁面に生じる面だれによって傾斜面を形成することを含む。
好ましくは、スラストころ軸受用保持器の製造方法は、案内面の表面粗さRaをRa<2μmとする工程をさらに含む。これにより、ころの端面と案内面との接触部分のドリリング摩耗をさらに効果的に抑制することができる。なお、案内面の表面粗さを所定値以下にする具体的な方法としては、研削加工やバレル処理であってもよいし、外周鍔部を形成する際に使用するパンチとダイスとの間の隙間を保持器の板厚より2%〜3%程度小さくしてしごき加工することによっても上記の表面粗さを実現することができる。
この発明によれば、ころと保持器との接触部分の摩耗を効果的に抑制可能な形状であって、かつ高精度で簡単なスラストころ軸受用保持器の製造方法を得ることができる。
図1および図2を参照して、この発明の一実施形態に係るスラストころ軸受11を説明する。なお、図1はこの発明の一実施形態に係るスラストころ軸受11の平面図、図2は図1のII−IIにおける断面図である。
スラストころ軸受11は、複数のころ12と、隣接するころ12の間隔を保持する保持器13とを備えるケージ&ローラタイプの軸受であって、主にカーエアコン用コンプレッサ、オートマチックトランスミッション、マニュアルトランスミッション、およびハイブリッド自動車等に使用される。
ころ12は、円筒形状の転動面と、両端面に転動軸心方向に膨出した曲面を有する端面とを有する円筒ころである。端面形状は、JIS規格(Japanese Industrial Standards:B 1506)で規定される記号A、または記号ARの形状であって、端面に形成された曲面の頂上はころ12の転動軸心と一致する。
保持器13は、中央に穴14が形成されている円板形状の部材であって、金属製の平板をプレス加工等によって折り曲げて形成されている。そして、穴14の外周に沿って形成される内周鍔部15と、保持器13の外周に沿って形成される外周鍔部18と、内周鍔部15および外周鍔部18の間にころ12を収容する複数のポケット17が形成されて径方向に延在するころ保持部16とを有する。
内周鍔部15は、保持器13の厚み方向一方側に向けて所定長さ折り曲げられた後、180°折り返して形成されている。また、内周鍔部15の穴14に対面する壁面は、回転軸に組み込まれたときに軸をガイドするガイド面15aとして機能する。なお、この発明において、内周鍔部15は必須の構成要素ではないが、内周鍔部15を設けることによって、保持器13の剛性が向上する。
ころ保持部16は、保持器13の厚み方向に屈曲しながら径方向に延在し、厚み方向に貫通する複数のポケット17が長手方向を径方向に向けて軸受回転軸線に対して放射状に配置されている。
ポケット17は、ころ12の外形に沿う矩形形状であって、ポケット17のころ12の転動面に対面する壁面は、保持器13の厚み方向一方側の径方向中央部にころ12の軸方向一方側への抜けを防止する第1抜け止め部17aと、保持器13の厚み方向他方側の径方向両端部にころ12の軸方向他方側への抜けを防止する第2抜け止め部17bと、第1および第2抜け止め部17a,17bを連結する傾斜部17cとを有する。
第1および第2抜け止め部17a,17bは、ポケット17の長手方向一方側の壁面から他方側の壁面に向かって突出し、ころ12の転動面と当接して、保持器13の軸方向の変位を規制する。
外周鍔部18は、ポケット17の径方向外側の壁面17dのさらに径方向外側に位置し、内周鍔部15と同様に保持器13の厚み方向一方側に向けて所定長さ折り曲げられた後、180°折り返して形成されている。外周鍔部18を設けることによっても保持器13の剛性が向上する。さらに、外周鍔部18の径方向内側の壁面には、ころ12の端面を案内する案内面18aが形成されている。
次に、図3および図4を参照して、ころ12の端面と外周鍔部18に設けられた案内面18aとの関係について説明する。なお、図3は図1のP部および図2のQ部の拡大図であってころ12の端面と案内面18aとが接触していない状態を示す図、図4は図1のP部および図2のQ部の拡大図であってころ12の端面と案内面18aとが接触している状態を示す図である。また、両図とも上段は平面図、下段は側断面図を示す。
まず、図3を参照して、ポケット17の長手方向の長さは、ころ12のころ長さより僅かに長いので、軸受停止時においては、ころ12の径方向外側の端面と外周鍔部18の案内面18aとは接触していない場合がある。
案内面18aは、外周鍔部18の径方向内側の壁面のうち、両端の折り曲げ部分を除いた軸受回転軸線の方向に延びる円筒部分を指し、その軸方向長さをL、ころ12のころ径をDとすると、L/D>0.3を満たすように設定する。
保持器13は、ポケット17に第1および第2抜け止め部17a,17bを設けることによってころ案内となる。そのため、案内面18aの軸方向長さLが短いと、保持器13が軸方向に偏ったときにころ12の端面が案内面18aから外れる恐れがある。そこで、案内面18aの軸方向長さLを保持器13の軸方向の変位量より長く設定することにより、軸受回転時にころ12の端面が案内面18aに常に接触した状態とすることができる。なお、保持器13の軸方向の変位量は、抜け止め部17a,17bの突出量によって調整することができる。
一方、ころ12の転動面がスラストころ軸受11の厚み方向両側の軌道面と接触するためには、保持器13の厚み寸法Lがころ径Dより小さいことが必要となる。また、プレス加工で製造される保持器13においては、案内面18aの両端の折り曲げ部分をなくすことは困難である。したがって、案内面18aの軸方向長さLは、L<L<Dを満たす範囲内で設定する必要がある。
また、保持器13をころ案内とすることによって、保持器13の厚み方向の壁面と軌道面とが非接触となるので、軸受回転時のトルク損失を抑えることができると共に、保持器13の厚み方向の壁面と軌道面との間の通油性が向上する。これにより、軸受回転時に生じる発熱量を低減することが可能となる。
次に、図4を参照して、ころ12は、スラストころ軸受11の回転に伴う遠心力によって径方向外側に移動する。このとき、ころ12の端面は、外周鍔部18に設けられた案内面18aとのみ接触し、ポケット17の径方向外側の壁面17dとは接触しない。具体的には、ころ12の端面に設けられた曲面の頂上と案内面18aとが接触する。
ここで、ころ12の端面の周速は、ころ12の転動軸心(ころ径の中心)が最も小さく、径方向外側に向かって大きくなる。したがって、ころ径の中心に一致する曲面の頂上と案内面18aとを接触させることによって、接触部分の摩耗を効果的に抑制することができる。
また、ころ12の端面と案内面18aとの接触部分の摩耗をさらに効果的に抑制する方法として、案内面18aの表面粗さRaをRa<2μmを満たすように設定する。同様に、ころ12の端面の表面粗さも上記範囲内とすることが望ましい。
さらに、カーエアコン用コンプレッサ、オートマチックトランスミッション、マニュアルトランスミッション、およびハイブリッド自動車等の高出力化に伴って負荷容量の高いスラストころ軸受11が求められている。スラストころ軸受11の負荷容量を高める方法としては、例えば、ころ12の本数を増やしたり、ころ12の有効長さ(転動面の長さを指す)を長くしたりすることが考えられる。
しかし、スラストころ軸受11の軸受サイズ(内外径、厚み寸法等)は、軸受の組み込みスペースによって決定される。また、ころ12の本数を増やすためには、隣接するポケット17の間の間隔を小さくする必要があるので、保持器13の剛性を維持する観点からは安易なころ本数の増加は適切でない。
したがって、スラストころ軸受11の負荷容量を高めるための現実的、かつ有効な方法としては、ころ長さを長くする方法がある。ただし、ころ12のころ長さを長くすると、軸受回転時にころ12の端面とポケット17の径方向外側の端面17dとが接触し、接触部分にドリリング摩耗が発生する恐れがある。また、後述する保持器13の製造上の問題から、ポケット17と外周鍔部18との間にはある程度の隙間が必要である。
そこで、ころ12の端面とポケット17の径方向外側の壁面17dとが接触するのを防止する手段として、外周鍔部18からポケット17に至る領域には、外周鍔部18からポケット17の径方向外側の壁面17dに向けて直線的に傾斜する傾斜面17eが設けられている。具体的には、案内面18aの根元部分から径方向内側に向けて所定長さの平端部が設けられており、そのさらに径方向内側にポケット17の径方向外側の壁面17dに向けて徐々に板厚が薄くなる傾斜面17eが設けられている。この傾斜面17eを設けることにより、ころ12のころ長さを長くした場合でも、ころ12の端面とポケット17の径方向外側の壁面17dとの最小隙間δを、常にδ>0の状態に維持することができる。
ただし、保持器13の剛性を確保する観点から、保持器13の板厚をt、ポケット17の径方向外側の壁面17dの厚み寸法をtとすると、t/t>1/3を満たし、かつ傾斜面17eの案内面18aに対する傾斜角度θは、30°≦θ≦60°を満たすように設定する。
次に、図5を参照して、上記構成の保持器13の製造方法の一例を説明する。保持器13は、炭素鋼等の鋼板を出発材料として、プレス加工によって製造される。
まず、第1工程としては、保持器13の形状を形成する(S1)。具体的には、鋼板を打ち抜き加工して鋼板を円板形状に打ち抜くと共に中央に穴14を形成する。なお、円板の内周および外周には、内周鍔部15および外周鍔部18となる部分を含んでいるので、この工程での外形寸法は完成品の外形寸法より大きく、穴14の直径は完成品の直径より小さくなる。
次に、第2工程としては、円板の内周部に内周鍔部15、外周部に外周鍔部18、および内周鍔部15および外周鍔部18の間にころ保持部16を曲げ加工によって形成する(S2)。内周鍔部15および外周鍔部18は、円板の内周部および外周部を軸方向一方側に90°折り曲げ、折り曲げ部分をさらに軸方向他方側に180°折り返して形成する。ころ保持部16は、内周鍔部15と外周鍔部18との間を折り曲げて、断面形状が略W型となるようにする。
次に、第3工程としては、ころ保持部16に複数のポケット17を形成する(S3)。具体的には、円板をダイス上に載置し、ポケット17の形状のパンチで円板を打ち抜いて形成する。このとき、ポケット17は、一つずつ加工してもよいが、全てのポケット17を同時に加工することにより、加工時間を短縮できると共に、加工精度を向上することができる。
次に、第4工程としては、ポケット17と外周鍔部18との間の領域に面押し加工によって傾斜面17eを形成する(S4)。具体的には、図3中の傾斜角度θが、30°≦θ≦60°となるように予め所定角度に傾斜した加工冶具をポケット17の径方向外側の壁面17dの角部に押し当てることによって、傾斜面17eを形成する。このとき、保持器13の剛性を維持する観点からポケット17の径方向外側の壁面17dの厚み寸法tをt/t>1/3とする必要があるので、この工程における面押し量は保持器13の板厚tの2/3以下とする。
なお、ポケット17の形成に際しては、ポケット形成時の保持器13の変形を防止する観点から、ポケット17の径方向外側の壁面17dが外周鍔部18の径方向内側の壁面からある程度離れている必要がある。具体的には、ポケット17の径方向外側の壁面17dの外周鍔部18の径方向内側の壁面からの突出量δが20μm〜40μm程度必要である。この保持器13は、傾斜面17eを設けることによってころ12の端面とポケット17の径方向外側の壁面17dとの接触を防止しているので、十分な突出量δを確保することができる。
次に、第5工程としては、外周鍔部18の径方向内側の壁面に設けられた案内面18aに研削加工を施して(S5)、案内面18aの表面粗さRaをRa<2μmとする。この工程は、この発明の目的を達成するために必須ではなく省略することも可能であるが、案内面18aの表面粗さRaを上記範囲内とすることにより、ころ12の端面と案内面18aとの接触部分の摩耗をさらに効果的に抑制することができる。
最後に、保持器13に必要な硬度等の所定の機械的性質を得るために、軟窒化処理または浸炭焼入、焼戻し等の熱処理を施す(S6)。なお、上記に示した保持器13の加工は加工部分に潤滑油を供給しながら行うので、熱処理の前に保持器13の表面に付着した潤滑油の洗浄および乾燥を行っておくことが望ましい。
上記の製造工程のように外周鍔部18の曲げ加工の後にポケット17の打ち抜き加工を行うことにより、ポケット17の加工精度が向上する。これにより、ポケット17に収容されるころ12がスムーズに回転することができる。
なお、上記の保持器13の製造方法において、案内面18aの表面粗さを所定値以下にする方法として研削加工の例を示したが、これに限ることなく、他の方法を採用してもよい。例えば、バレル処理であってもよいし、外周鍔部18を形成する際に使用するパンチとダイスとの間の隙間を保持器13の板厚より2%〜3%程度小さくしてしごき加工することによっても上記の表面粗さを実現することができる。
上記構成とすることにより、ころ12と案内面18aとの接触部分の摩耗を抑制し、軸受回転時の発熱量を低下させることにより、カーエアコン用コンプレッサ、オートマチックトランスミッション、マニュアルトランスミッション、およびハイブリッド自動車等の高速かつ希薄潤滑環境下において、耐久性に優れ、かつ信頼性の高いスラストころ軸受11を得ることができる。
次に、図6および図7を参照して、この発明の他の実施形態に係るスラストころ軸受21および保持器23の製造方法を説明する。なお、基本構成は、図1〜図5に示したスラストころ軸受11および保持器13の製造方法と同一であるので、共通部分の説明は省略し、相違点を中心に説明する。
まず、図6を参照して、スラストころ軸受21は、ころ22と、保持器23とを備え、保持器23は、内周鍔部(図示省略)と、複数のポケット27を含むころ保持部(図示省略)と、案内面28aを含む外周鍔部28とを有する。そして、外周鍔部28からポケット27に至る領域には、外周鍔部28からポケット27の径方向外側の壁面27dに向けて傾斜する凸状曲面の傾斜面27eが設けられており、ころ22がポケット27内で径方向外側に偏った場合でも、ころ22の端面と傾斜面27eとの間の最小隙間δが常にδ>0となるように設定する。
次に、図7を参照して、保持器23の製造方法における傾斜面27eの形成工程は、先端面31aとポケット27の径方向外側の壁面27dに対面する面31bとのなす角を鈍角にした打ち抜き加工具31によってポケット27を加工する。これにより、ポケット形成時に径方向外側の壁面27dに生じる面だれによって凸状曲面の傾斜面27eを形成する。すなわち、図5に示すポケット形成工程(S3)と傾斜面形成工程(S4)とを同時に行うこととなる。上記の方法を採用することにより、ポケット27の形成と同時に傾斜面27eを形成することができるので、加工工数を削減することができる。
なお、上記の各実施形態において、ころは、両側の端面に転動軸心方向に膨出した曲面を形成した例を示したが、この発明の効果を得るためには少なくとも径方向外側を向く端面にのみ曲面を形成すればよい。
また、上記の各実施形態において、ころの端面に形成された曲面の頂上ところの転動軸心とが一致する例を示したが、曲面の頂上が転動軸心近傍の比較的周速の小さい場所に位置していれば、両者が厳密に一致していなくともこの発明の効果を得ることはできる。
また、上記の各実施形態において、内周鍔部および外周鍔部は、保持器の厚み方向一方側に向けて所定長さ折り曲げられた後、180°折り返して形成された例を示したが、これに限ることなく、保持器の剛性を向上する任意の形状とすることが可能である。
また、上記の各実施形態において、保持器をころ案内とした例を示したが、これに限ることなく、軌道面案内の保持器であってもよい。
また、上記の各実施形態におけるスラストころ軸受は、ころと保持器とからなるケージ&ローラタイプの軸受の例を示したが、これに限ることなく、軸方向の一方または両方を覆う軌道輪をさらに備えるものであってもよい。
また、上記の各実施形態におけるスラストころ軸受は、転動体として円筒ころを採用した例を示したが、これに限ることなく、この発明はスラスト針状ころ軸受にも適用することができる。スラスト針状ころ軸受は厚み方向寸法が小さいので、支持部分の軸方向寸法を削減するのに有効である。
さらに、上記の各実施形態における保持器の製造方法は、代表的な一例を示したに過ぎず、工程の一部を併合して同時に行ってもよいし、工程を細分化して別工程として行ってもよい。さらには、他の工程を追加してもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明は、カーエアコン用コンプレッサ、オートマチックトランスミッション、マニュアルトランスミッション、およびハイブリッド自動車等の軸を支持するスラストころ軸受に有利に利用される。
この発明の一実施形態に係るスラストころ軸受の平面図である。 図1のII−IIにおける断面図である。 図1のP部および図2のQ部の拡大図であって、ころと案内面とが非接触の状態を示す図である。 図1のP部および図2のQ部の拡大図であって、ころと案内面とが接触している状態を示す図である。 この発明の一実施形態に係るスラストころ軸受用保持器の製造方法を示すフローである。 この発明の他の実施形態に係るスラストころ軸受の部分拡大図である。 この発明の他の実施形態に係るスラストころ軸受用保持器の製造方法の一部であって、ポケットを形成する方法を示す図である。 従来のスラストころ軸受を示す図である。
符号の説明
11,21,101 スラストころ軸受、12,22,102 ころ、13,23,105 保持器、105a,105b 環状部、105c ポケット部、105d 外径側端部、103,103 軌道輪、14 穴、15 内周鍔部、15a ガイド面、16 ころ保持部、17,27 ポケット、17a,17b 抜け止め部、17c 傾斜部、17d,27d 壁面、17e,27e 傾斜面、18,28 外周鍔部、18a,28a 案内面、31 加工冶具、31a 先端面、31b 壁面。

Claims (4)

  1. 中央に穴が設けられた円板形状の部材を打ち抜き加工によって形成する工程と、
    前記円板の外周から厚み方向に突出し、径方向内側の壁面にころの端面を案内する案内面を含む外周鍔部を曲げ加工によって形成する工程と、
    前記外周鍔部の径方向内側に位置し、前記円板の厚み方向に貫通してころを収容する複数のポケットを打ち抜き加工によって形成する工程と、
    前記外周鍔部から前記ポケットに至る領域に前記外周鍔部から前記複数のポケットそれぞれの径方向外側の壁面に向けて傾斜する傾斜面を形成する工程とを含む、スラストころ軸受用保持器の製造方法。
  2. 前記傾斜面形成工程は、前記ポケットの径方向外側の壁面を面押し加工することを含む、請求項1に記載のスラストころ軸受用保持器の製造方法。
  3. 前記傾斜面形成工程は、先端面と前記ポケットの径方向外側の壁面に対面する面とのなす角を鈍角にした打ち抜き加工具によってポケットを形成する際に、径方向外側の壁面に生じる面だれによって傾斜面を形成することを含む、請求項1に記載のスラストころ軸受用保持器の製造方法。
  4. 前記スラストころ軸受用保持器の製造方法は、前記案内面の表面粗さRaをRa<2μmとする工程をさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載のスラストころ軸受用保持器の製造方法。
JP2006195106A 2006-07-18 2006-07-18 スラストころ軸受用保持器の製造方法 Withdrawn JP2008025591A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006195106A JP2008025591A (ja) 2006-07-18 2006-07-18 スラストころ軸受用保持器の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006195106A JP2008025591A (ja) 2006-07-18 2006-07-18 スラストころ軸受用保持器の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008025591A true JP2008025591A (ja) 2008-02-07

Family

ID=39116437

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006195106A Withdrawn JP2008025591A (ja) 2006-07-18 2006-07-18 スラストころ軸受用保持器の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008025591A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009085273A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Jtekt Corp 保持器およびその製造方法
CN104942550A (zh) * 2015-07-27 2015-09-30 洛阳轴研科技股份有限公司 一种圆柱滚子轴承保持架的加工方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009085273A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Jtekt Corp 保持器およびその製造方法
CN104942550A (zh) * 2015-07-27 2015-09-30 洛阳轴研科技股份有限公司 一种圆柱滚子轴承保持架的加工方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9261135B2 (en) Thrust roller bearing and method for manufacturing thrust race thereof
WO2010007979A1 (ja) 打抜き保持器、自動調心ころ軸受、及び打抜き保持器の製造方法
EP2025958B1 (en) Roller and thrust roller bearing
US20100278471A1 (en) Roller bearing retainer and needle roller bearing
US20110091144A1 (en) Roller bearing cage, roller bearing, and method for producing roller bearing cage
WO2011062257A1 (ja) タンデムアンギュラ型玉軸受
JP2008002503A (ja) スラストころ軸受
US7736066B2 (en) Thrust cylindrical roller bearing
JP2008261476A (ja) スラスト針状ころ軸受
JP2018105500A (ja) スラストころ軸受及びスラストころ軸受用軌道輪
JP2008025591A (ja) スラストころ軸受用保持器の製造方法
US7758253B2 (en) Thrust roller bearing
EP2833010B1 (en) Retainer and ball bearing
JP2008051161A (ja) スラストころ軸受
JP2006220228A (ja) スラストころ軸受の保持器の製造方法
JP2008002539A (ja) スラストころ軸受
JP2006342883A (ja) ラジアルニードル軸受用保持器とラジアルニードル軸受
JP2008014414A (ja) スラストころ軸受
JP2006247738A (ja) スラストころ軸受の保持器の製造方法
JP2008232221A (ja) スラスト針状ころ軸受
JP4578441B2 (ja) スラストころ軸受
JP4817985B2 (ja) スラストころ軸受
JP2008002502A (ja) スラストころ軸受
JP2006200634A (ja) コンプレッサの回転軸支持構造
JP2008064243A (ja) ころおよびスラストころ軸受

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20091006