JP4668523B2 - 太陽電池素子およびその製造方法 - Google Patents

太陽電池素子およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、一般的には太陽電池素子およびその製造方法に関し、特定的には、シリコン半導体基板の裏面にアルミニウム電極を形成した太陽電池素子およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池は、安全で環境負荷の少ないクリーンなエネルギーとしてより広範囲に実用化が望まれている。特に、シリコン半導体基板を用いて素子を構成する太陽電池の普及を図るためには軽量化と低コスト化を進めることが必要とされている。この要求に応じて太陽電池素子の厚みを薄くするために研究開発が重ねられている。
【0003】
図1は、太陽電池素子の一般的な断面構造を模式的に示す図である。
【0004】
図1に示すように、厚みが300〜600μmのp型シリコン半導体基板1の受光面側には、厚みが0.3〜0.5μmのn型不純物層2、反射防止膜3およびグリッド電極4が順に形成されている。
【0005】
p型シリコン半導体基板1の裏面側には、裏面電極としてアルミニウム電極層8が形成されている。アルミニウム電極層8は、アルミニウム焼結層5とアルミニウムシリコン混合層6とから構成される。p型シリコン半導体基板1の裏面にアルミニウムを含むペーストを塗布して焼成することにより、アルミニウム焼結層5とアルミニウムシリコン混合層6が形成されると同時に、p型シリコン半導体基板1中にアルミニウムが拡散することによってp+層(またはp++層)7が形成される。このp+層7が存在することによって、いわゆるBSF(Back Surface Field)の効果が得られ、p型半導体基板1内で生成したキャリアの収集効率を高めることができる。すなわち、p型シリコン半導体基板1内で生成した少数キャリアのうち、裏面電極に向かうキャリアは、p+層7が内部電界を形成し障壁となることによって表面方向に反発され、表面電極で光電流として有効に収集され、結果として光起電力と光電流が増加して変換効率を高めることができる。
【0006】
アルミニウム電極層を形成するためのアルミニウム含有ペーストの塗布はスクリーン印刷法を用いて行われ、その焼成は酸化性雰囲気中で行われるのが一般的である。所望のBSF効果を得るためには、アルミニウム含有ペーストを厚く塗布して焼成する必要がある。具体的には、シリコン半導体基板の全面にアルミニウム含有ペーストを50〜70μmの厚みで塗布して焼成しないと、BSF効果が十分でなく、変換効率を高めることができない。
【0007】
しかし、BSF効果をもたらすp+層の形成と同時に、アルミニウム焼結層とアルミニウムシリコン混合層からなるアルミニウム電極層も必要以上に厚く形成されてしまう。このため、太陽電池素子の厚みを薄くするためにシリコン半導体基板の厚みを300μm以下まで薄くすると、半導体基板の厚みに対するアルミニウム電極層の厚みの比率が大きくなる。その結果、アルミニウム電極層を形成するための焼成温度から常温に冷却する際に、アルミニウムまたはアルミニウムシリコン合金とシリコンとの間の熱膨張係数の差に起因して内部応力が発生することによって半導体基板に反りまたは割れが生じるという問題があった。
【0008】
したがって、従来の太陽電池素子の製造方法では、太陽電池素子の薄型化の要求に応じてシリコン半導体基板の厚みを300μm程度までに薄くする場合に問題があった。
【0009】
このような問題を解決するために、いくつかの方法が提案されている。
【0010】
半導体基板上に裏面電極を形成した後に、この裏面電極の表面を厚み方向に一部エッチングする方法が、たとえば、特開2002−353476号公報(特許文献1)で提案されている。しかし、この方法では製造プロセスが複雑になる上に、焼成時における反りまたは割れの発生を防止することができないという問題があった。
【0011】
また、半導体基板の裏面全体にアルミニウム含有ペーストをまず薄く塗布し、その上から厚くしたい部分に再度アルミニウム含有ペーストを塗布した後、焼成することにより、半導体基板の裏面に2種以上の厚みで裏面電極を形成する方法が、たとえば、特開2002−217435号公報(特許文献2)で提案されている。半導体基板の裏面に裏面電極を格子状に形成する方法が、たとえば、特開2002−141533号公報(特許文献3)で提案されている。半導体基板の裏面に裏面電極を厚みの異なるストライプ状に形成する方法が、たとえば、特開2002−141534号公報(特許文献4)で提案されている。半導体基板の裏面に裏面電極を矩形状に形成する方法が、たとえば、特開2002−141546号公報(特許文献5)で提案されている。しかし、これらのいずれの方法によっても形成されるBSF効果をもたらすp+層が不均一になり、変換効率の低下を招くという問題があった。
【0012】
さらに、BSF効果をもたらすp+層としてボロンを含む層とアルミニウムを含む格子状の層および裏面電極層を併せて形成する方法が、たとえば、特開平11−284212号公報(特許文献6)で提案されている。シリコン半導体基板上にガリウムをドープした上で、BSF効果をもたらすp+層としてボロンを含む層とアルミニウムを含む格子状の層および裏面電極層を併せて形成する方法が、たとえば、特開2002−76400号公報(特許文献7)で提案されている。しかし、これらの方法でも形成されるBSF効果をもたらすp+層が不均一になり、変換効率の低下を招くという問題は解消されなかった。
【0013】
【特許文献1】
特開2002−353476号公報
【特許文献2】
特開2002−217435号公報
【特許文献3】
特開2002−141533号公報
【特許文献4】
特開2002−141534号公報
【特許文献5】
特開2002−141546号公報
【特許文献6】
特開平11−284212号公報
【特許文献7】
特開2002−76400号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明の目的は上述の問題を解決することであり、より薄いシリコン半導体基板を用いても、反りまたは割れが発生することを防止することができるとともに、BSF効果に優れた太陽電池素子の構造とその製造方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来技術の問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、次のような知見を得た。
【0016】
従来、BSF効果をもたらすp+層の厚みは、塗布されるアルミニウム含有ペーストの厚みに比例すると考えられていた。これに対して、本発明者らは、アルミニウム含有ペーストを焼成した後に同時にアルミニウム焼結層とアルミニウムシリコン混合層が形成されることに注目し、BSF効果をもたらすp+層に隣接するアルミニウムシリコン混合層の厚みがBSF効果をもたらすp+層の厚みに比例するものと考えた。
【0017】
また、本発明者らが調査したところ、従来の太陽電池素子においてアルミニウム焼結層の厚みに対するアルミニウムシリコン混合層の厚みに対する比率は0.10〜0.15程度であり、低いことがわかった。
【0018】
したがって、アルミニウム焼結層のみを薄くする、あるいは、BSF効果をもたらすp+層の厚みを確保し、いいかえればアルミニウムシリコン混合層の厚みを確保し、それに応じてアルミニウム焼結層の厚みを薄くしてアルミニウム電極層全体の厚みを薄くすることができれば、シリコン半導体基板の反りまたは割れを防止するとともに、所望のBSF効果を達成できると本発明者らは考えた。
【0019】
そこで、本発明者らは、鋭意研究に努めた結果、アルミニウム焼結層の厚みに対してアルミニウムシリコン混合層の厚みを増大させるためには、アルミニウムとシリコンの反応を阻害する酸素と窒素の分圧の和を小さくした雰囲気中でアルミニウム含有ペーストを焼成すればよいことを見出した。
【0020】
この知見に基づいて、本発明に従った太陽電池素子は、次のような特徴を備えている。
【0021】
この発明に従った太陽電池素子は、シリコン半導体基板と、このシリコン半導体基板の上に形成されたアルミニウム電極層とを備える。このアルミニウム電極層は、シリコン半導体基板の表面の上に形成されたアルミニウムシリコン混合層と、このアルミニウムシリコン混合層の上に形成されたアルミニウム層とを含む。アルミニウム層の厚みに対するアルミニウムシリコン混合層の厚みの比率は0.25以上2.24以下である。
【0022】
この発明の太陽電池素子においては、シリコン半導体基板の厚みは180μm以上300μm以下であり、シリコン半導体基板の厚みに対するアルミニウム電極層の厚みの比率は0.12以上0.25以下であるのが好ましい。
【0023】
この発明に従った太陽電池素子の製造方法は、シリコン半導体基板の上にアルミニウムを含むペーストを塗布する工程と、ペーストが塗布されたシリコン半導体基板を酸素と窒素の分圧の和が0.1kPa以上10kPa以下の雰囲気中で加熱することによって、ペーストを焼成してアルミニウム電極層を形成する工程とを備える。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、一つの実施の形態として本発明が適用される太陽電池素子の一般的な断面構造を模式的に示す図である。
【0025】
図1に示される太陽電池素子において、シリコン半導体基板1の厚みに対するアルミニウム電極層8の厚みの比率は0.25以下である。この比率が0.25を超えると、裏面電極であるアルミニウム電極層8を形成するために焼成工程を行なった後に生じるシリコン半導体基板1の反りの程度が著しく大きくなる。
【0026】
反りが1.0mmを超えると、上記の焼成工程以降の他の工程においてシリコン半導体基板1に割れが発生する確率は増大し、太陽電池素子の製造歩留が著しく低下する。反りの下限値は、焼成工程以降の製造工程が可能である限りにおいては特に限定されないが、通常は0.1mm程度である。
【0027】
また、図1に示される太陽電池素子において、アルミニウム焼結層5の厚みに対するアルミニウムシリコン混合層6の厚みの比率は0.25以上である。この比率が0.25未満になると、形成されるp+層7の表面抵抗は著しく増加し、また、BSF効果をもたらすp+層7の厚みは薄くなる。
【0028】
+層7の表面抵抗が12Ω/□を超えると、BSF効果は著しく低下する。この表面抵抗の下限値は特に限定されないが、1.0Ω/□程度である。
【0029】
BSF効果をもたらすp+層7の厚みが6μmより小さいと、BSF効果は著しく低下する。BSF効果をもたらすp+層7の厚みの上限値は、シリコン半導体基板1に発生する反り等の要因にならない限り、特に限定されないが、40μm程度である。
【0030】
本発明の太陽電池素子を構成するシリコン半導体基板1には、非結晶系または結晶系のシリコンを適用することができるが、結晶系シリコンを用いるのが好ましい。結晶系シリコン半導体としては、単結晶系または多結晶系のいずれでも用いることができる。太陽電池素子の発電効率を高めるために、シリコン半導体基板1の受光面にテクスチャ構造や反射防止膜を形成してもよい。
【0031】
シリコン半導体基板1の裏面にアルミニウム電極8を形成するために塗布するアルミニウム含有ペーストの組成は特に限定されないが、アルミニウム粉末、ガラスフリット、有機質ビヒクル等から構成される市販のペーストを用いることができる。アルミニウム含有ペーストの特性を改良するために添加剤を加えてもよい。
【0032】
アルミニウム含有ペーストの塗布方法は特に限定されないが、スクリーン印刷法、スプレー法等の公知の方法を適用することができる。アルミニウム含有ペーストの塗布厚みは、アルミニウム含有ペーストの組成または塗布方法により制御することができる。
【0033】
アルミニウム含有ペーストに含められるアルミニウム粉末は、平均粒径が2〜20μmの粉末を用いるのが好ましい。アルミニウム粉末の形状は特に限定されないが、市販のアトマイズ粉末を用いるのが好ましい。
【0034】
本発明の太陽電池素子の製造方法において、アルミニウム含有ペーストの焼成温度は、600〜850℃の範囲内が好ましく、650〜800℃の範囲内がさらに好ましい。焼成温度が600℃未満になると、BSF効果をもたらすp+層が十分に形成されない。焼成温度が850℃を超えると、アルミニウムとシリコンの熱膨張係数の差が著しく大きくなり、シリコン半導体基板の反りの増大を招く。焼成時間は、通常、5〜300秒間程度が好ましい。
【0035】
焼成雰囲気は、酸素と窒素の分圧の和を10kPa以下とし、好ましくは5kPa以下とする。酸素と窒素の分圧の和の下限値は、特に限定されないが、工業的生産性を考慮すると、通常は0.1kPa程度である。焼成温度の昇温過程または降温過程の雰囲気は特に限定されない。
【0036】
このようにして製造された太陽電池素子は、アルミニウム電極層の厚みを薄く制御することができ、また、アルミニウムシリコン混合層の厚みとともに、所望のBSF効果をもたらすようにp+層の厚みを確保するように制御することができるので、従来の太陽電池素子に比べて薄くすることができ、BSF効果を高めることができる。
【0037】
【実施例】
以下の実施例1〜7と比較例1〜4に従ってp型シリコン半導体基板の表面上にアルミニウムシリコン混合層とアルミニウム焼結層とからなるアルミニウム電極層を形成した。
【0038】
(実施例1〜5、比較例1〜4)
まず、アルミニウム粉末を60〜75質量%、ガラスフリットを0.3〜5.0質量%、有機質ビヒクルを20〜30質量%の範囲内で含有するアルミニウム含有ペーストを作製した。
【0039】
具体的には、エチルセルロースをグリコールエーテル系有機溶剤に溶解した有機質ビヒクルに、アルミニウム粉末とB23−SiO2−PbO系のガラスフリットを加え、周知の混合機にて混合し、アルミニウム含有ペーストを作製した。
【0040】
上記のアルミニウム含有ペーストを、大きさが5インチ(127mm)×5インチ(127mm)で厚みが280μmのp型シリコン半導体基板に、180メッシュのスクリーン印刷版を用いて塗布・印刷した。塗布量は、焼成後のアルミニウム電極層の厚みが表1に示す厚み(アルミニウムシリコン(Al−Si)混合層の厚み(B)とアルミニウム(Al)焼結層の厚み(C)との合計)になるように調整した。
【0041】
アルミニウム含有ペーストが印刷されたp型シリコン半導体基板を乾燥した後、赤外線焼成炉にて、表1に示す酸素分圧と窒素分圧の雰囲気中で、400℃/分の昇温速度で加熱し、710〜720℃の温度で30秒間保持する条件で焼成した。焼成後、冷却することにより、図1に示すようにp型シリコン半導体基板1にアルミニウム電極層8を構成するアルミニウム焼結層5とアルミニウムシリコン混合層6を形成した各試料を得た。
【0042】
このようにして作製した各試料の断面を光学顕微鏡で観察して、アルミニウムシリコン混合層6とアルミニウム焼結層5の厚みを10箇所測定し、その平均値を表1の「Al−Si混合層厚みB(μm)」、「Al焼結層厚みC(μm)」に示す。
【0043】
アルミニウムシリコン混合層とアルミニウム焼結層を形成した焼成後のp型シリコン半導体基板の反り量は、焼成・冷却後、図2に示すようにアルミニウム電極層を上にして基板の四隅の一端を矢印で示すように押さえて、その対角に位置する一端の浮き上がり量(基板の厚みを含む)xを測定することによって評価した。その浮き上がり量xを表2の「反り(mm)」に示した。
【0044】
その後、上記のアルミニウム電極層を形成したp型シリコン半導体基板を塩酸水溶液に浸漬することによって、アルミニウム電極層8を構成するアルミニウム焼結層5とアルミニウムシリコン混合層6を溶解除去した後、p+層7が形成されたp型シリコン半導体基板1の表面抵抗を、4端子式表面抵抗測定器(ナプソン社製RG−5型シート抵抗測定器)で測定した。測定条件は電圧を40mV、電流を1mA、表面に与えられる荷重を200gf(1.96N)とした。その測定値を表2の「表面抵抗(Ω/□)」に示す。
【0045】
さらに、上記の塩酸水溶液処理後の基板の表面を、全自動広がり抵抗測定装置(日本エス・エス・エム株式会社 SSM2000)付属研磨機により、深さ1に対して測定面の長さが1000になるように斜め研磨し、基板の表面から抵抗値が急激に増大するところまでの測定面上の距離を測定し、その測定値に基づいてp+層7の厚みを算出した。その算出値を表2の「p+層厚み(μm)」に示す。
【0046】
(実施例6)
アルミニウム含有ペーストが印刷されたp型シリコン半導体基板を乾燥した後、赤外線焼成炉にて、500℃までは大気中(酸素分圧21kPa、窒素分圧79kPa)で、500℃から710〜720℃までは表1に示す酸素分圧と窒素分圧の雰囲気中で、400℃/分の昇温速度で加熱した以外は、実施例5と同様にして試料を作製した。実施例5と同様にしてアルミニウムシリコン混合層の厚み、アルミニウム焼結層の厚み、反り、表面抵抗およびp+層の厚みを測定し、それぞれの測定結果を表1と表2に示す。
【0047】
(実施例7)
p型シリコン半導体基板の厚みを180μmとした以外は、実施例5と同様にして試料を作製した。実施例5と同様にしてアルミニウムシリコン混合層の厚み、アルミニウム焼結層の厚み、反り、表面抵抗およびp+層の厚みを測定し、それぞれの測定結果を表1と表2に示す。
【0048】
各試料において測定されたアルミニウムシリコン混合層の厚み(B)とアルミニウム焼結層の厚み(C)の合計値(B+C)(アルミニウム電極層の厚み)を半導体基板の厚み(A)で割った比率(B+C)/Aと、アルミニウムシリコン混合層の厚み(B)をアルミニウム焼結層の厚み(C)で割った比率(B/C)も表1に示す。
【0049】
【表1】
Figure 0004668523
【0050】
【表2】
Figure 0004668523
表面抵抗およびp+層の厚みとBSF効果との間には相関関係があり、表面抵抗が小さく、p+層の厚みが厚いほど、BSF効果が高いとされている。
【0051】
表1と表2の結果から、実施例1〜7は、比較例1〜4に比べて、表面抵抗を小さくしかつp+層の厚みを厚くすることができるとともに、反りの量も低く抑えることができることがわかる。
【0052】
以上に開示された実施の形態や実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態や実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものである。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、より薄いシリコン半導体基板を用いても、反りまたは割れが発生することを防止することができるとともに、BSF効果に優れた太陽電池素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一つの実施の形態として本発明が適用される太陽電池素子の一般的な断面構造を模式的に示す図である。
【図2】 実施例と比較例においてアルミニウムシリコン混合層とアルミニウム焼結層を形成した焼成後のp型シリコン半導体基板の反り量を測定する方法を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1:p型シリコン半導体基板、2:n型不純物層、3:反射防止膜、4:グリッド電極、5:アルミニウム焼結層、6:アルミニウムシリコン混合層、7:p+層、8:アルミニウム電極層。

Claims (3)

  1. シリコン半導体基板と、
    前記シリコン半導体基板の上に形成されたアルミニウム電極層とを備え、
    前記アルミニウム電極層は、前記シリコン半導体基板の表面の上に形成されたアルミニウムシリコン混合層と、前記アルミニウムシリコン混合層の上に形成されたアルミニウム層とを含み、
    前記アルミニウム層の厚みに対する前記アルミニウムシリコン混合層の厚みの比率が0.25以上2.24以下である、太陽電池素子。
  2. 前記シリコン半導体基板の厚みは180μm以上300μm以下であり、前記シリコン半導体基板の厚みに対する前記アルミニウム電極層の厚みの比率は0.12以上0.25以下である、請求項1に記載の太陽電池素子。
  3. シリコン半導体基板の上にアルミニウムを含むペーストを塗布する工程と、
    前記ペーストが塗布された前記シリコン半導体基板を酸素と窒素の分圧の和が0.1kPa以上10kPa以下の雰囲気中で加熱することによって、前記ペーストを焼成してアルミニウム電極層を形成する工程とを備えた、請求項1または請求項2に記載の太陽電池素子の製造方法。
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